JP3493509B2 - 光学的情報記録媒体の記録方法 - Google Patents

光学的情報記録媒体の記録方法

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JP3493509B2
JP3493509B2 JP28945496A JP28945496A JP3493509B2 JP 3493509 B2 JP3493509 B2 JP 3493509B2 JP 28945496 A JP28945496 A JP 28945496A JP 28945496 A JP28945496 A JP 28945496A JP 3493509 B2 JP3493509 B2 JP 3493509B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、書換え可能な相変
化媒体を利用した、高密度な光学的情報記録媒体(光デ
ィスク)の記録方法に関する。詳しくは、多数回のデー
タの書換えに対しても記録特性の劣化が小さな相変化型
光学的情報記録媒体におけるデータ記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報量の増大に伴い、高速度で大
量のデータの記録・再生が可能な記録媒体が求められて
いる。光ディスクは、まさにこの用途に応えるものとし
て期待されている。光ディスクには、一度だけ記録が可
能な追記型と、記録・消去が何度でも可能な書換え型と
がある。書換え型光ディスクとしては、光磁気効果を利
用した光磁気記録媒体及び可逆的な結晶状態の変化に伴
う反射率変化を利用した相変化媒体が挙げられる。特
に、相変化媒体は、外部磁界を必要とせず、レーザー光
のパワー変調のみで記録・消去が可能なため、記録・再
生装置を小型化できるという利点を有する。さらに、現
在主流の800nm程度の波長で記録・消去が可能な媒
体における記録層等の材料を変更することなく、より短
波長の光源で記録・消去が可能な媒体が形成できるた
め、高密度化が容易であるという利点をも有する。
【0003】相変化型の記録層材料としては、カルコゲ
ン系合金薄膜を用いることが多い。例えば、GeSbTe
系、InSbTe系、GeSnTe系、AgInSbTe系合金が
挙げられる。現在、実用化されている書換可能な相変化
型記録媒体では、未記録・消去状態を結晶状態とし、記
録にあたって非晶質のビットを形成する。非晶質ビット
は、記録層を融点より高い温度にまで加熱し、これを急
冷することによって形成される。
【0004】上記加熱処理によって生ずる記録層の蒸発
・変形を防ぐため、通常は、記録層の上下を、耐熱性で
且つ化学的にも安定な誘電体保護膜によってサンドイッ
チ状に挟む。保護層は、記録過程においては、記録層か
らの熱拡散を促し過冷却状態を実現することによって、
非晶質ビットの形成にも寄与している。また、このサン
ドイッチ構造の上部に金属反射層を設けて4層構造とす
る例も多く、この構造により、熱拡散を更に促し、非晶
質ビットをより安定に形成する。一方、消去(結晶化)
は、記録層を、その結晶化温度よりは高く、融点よりは
低い温度に加熱して行う。このとき、上記誘電体保護層
は、記録層を高温度に保つ蓄熱層として作用し、固相結
晶化を促進する。
【0005】1ビームオーバーライト可能な相変化媒体
が提案されている(Jpn.J.Appl.Phys., 26(1987), supp
l.26-4, pp.61-66)。この形式の相変化媒体では、消去
及び再記録を1つの集束光ビームの強度変調のみによっ
て行うことが出来るため、記録媒体の層構成及びドライ
ブの回路構成が簡素になる。従って、安価で高密度な大
容量記録システムの構築が可能であるとして注目されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記形式の相変化媒体
の記録プロセスでは、記録層を溶融させた後に、数十ナ
ノ秒以内の短時間で融点以下に急冷するという、過激な
熱サイクルが生ずる。しかし、記録層は、誘電体保護層
で覆われ熱的に保護されているものの、繰返しオーバー
ライトが数千ないし数万回にも達すると、微小な変形や
偏析が蓄積し、ついには、光学的に認識できるノイズの
上昇や、ミクロンオーダーの局所欠陥などにつながる
(J.Appl.Phys., 78(1995), pp6980-6988)。これまで
に、記録層や保護層の材料、或いは、層構成を工夫する
こと等により種々の改善がなされているものの、上記の
ように本質的には書換え可能回数に上限がある。つま
り、この形式の相変化媒体は、通常の磁気記録媒体や光
磁気記録媒体に比して書換え回数が1桁以上少ないとい
う欠点がある。
【0007】ところで、繰返しオーバーライトによる劣
化は、溝形状にも依存することが知られている。相変化
媒体を利用した書換え可能コンパクトディスク(CD-E
rasable、CD−E)では、一般に溝内記録を行うが、こ
の溝には、アドレス情報を含む蛇行を使用する旨の提案
がある(特開平5ー210849号公報)。図1(a)
にその溝形状の平面を、図(b)に図(a)のA−A’
断面を示した。ディスク表面には、凸部を構成するラン
ド部2及び凹部を構成する案内溝1が、交互に配置され
る。この凹凸形状は、基板3を作製する際にスタンパー
により得られる。なお、蛇行の振幅を誇張して示した。
【0008】溝1の蛇行は、ウオブル(Wobble)と呼ば
れ、搬送波周波数22.05kHzで周波数(FM)変
調されており、その振幅(Wobble Amplitude)は、1.
6μmの溝ピッチに比して非常に小さく30nm程度で
ある。ウオブルを周波数変調し、或るトラックの特定の
位置のアドレス情報を組み込んだものをATIP信号
(Absolute Time In Pre-groove)と呼び、これは、記
録可能なライトワンスディスク(追記型CD、CD−Re
cordable、CD−R)では既に利用されている(「CD
ファミリー」、中島平太郎・井橋孝夫・小川博司共著、
オーム社(1996)、第4章)。
【0009】本発明者らは、相変化媒体を利用した書換
え可能CD(CD−E)媒体の案内溝に上記ウオブルを
適用した。しかし、書換え可能CDでは、繰返しオーバ
ーライトにより、ウオブル信号が記録信号に漏れこむと
いう記録特性の劣化現象が見出され、この劣化現象を回
避することは困難であった。特に、この現象により繰り
返し可能回数は更に1桁以上少なくなり、例えば100
0回程度に迄低下することが見出された。
【0010】ウオブルは、記録可能CDでは、従って書
換え可能CDにおいても、情報が記録されるべき未記録
領域を検出する上でアドレス情報を付与するために極め
て有効な手法である。ここで、書換え可能CDでは、光
磁気ディスクのようなセクタ単位での記録・書換えを行
うような手法は未だ確立されてはいない。しかし、その
手法が一旦確立された場合には、特定のセクタへの書換
え回数が1000回を越えることは十分に考えられ、ウ
オブルに起因するオーバーライト時の記録特性の劣化を
克服する必要がある。
【0011】上記に鑑み、本発明は、繰り返しオーバー
ライトによる記録特性の劣化を抑えることが出来る相変
化情報記録媒体及びその情報記録方法を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の光学的情報記録
媒体の記録方法は、書換え可能な相変化型記録層に形成
され同心円状または螺旋状に配置された案内溝を有する
光学的情報記録媒体の前記案内溝に対し、ユーザデータ
を重ね書きする記録方法であって、前記記録方法に用い
る光学的情報記録媒体における前記案内溝が、円周方向
に交互に配置されたユーザデータ領域及び付加データ領
域から成り、該付加データ領域に対応する案内溝が、同
期信号及びアドレス情報の少なくとも一方を信号として
含む周期的変形を有する溝として形成されており、前記
ユーザデータ領域に対応する案内溝が周期的変形を有し
ない単調な溝として形成されてなり、前記ユーザデータ
を前記光学的情報記録媒体のユーザデータ領域に対応す
る溝内に記録することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明における溝形状の周期的変
形は、基準クロック信号、同期信号またはアドレス情報
を含んだ信号であり、周波数変調された溝の蛇行や、溝
幅または溝深さ等の変調として形成される(特開平2−
87344号公報参照)。これら溝形状の変形は、スタ
ンパの作成時に、溝形成用の露光ビームをグルーブ横断
方向に振動させ、或いは、露光ビームの強度を変調する
ことで形成でき、それを例えば樹脂基板上に射出成形に
よって転写することで大量に複製できる。
【0014】以下では、現在迄に広く実用化されて、用
語が明確に定義されている記録可能CDに用いられてい
る溝の蛇行(ウオブル)及びファイル管理法を例に本発
明を詳しく説明する。しかし、本発明は、必ずしもこの
例に限定されるものではなく、従来から知られている公
知の手法が採用できる(特開昭63−103454、平
1−224929、平2−87344、平2−1980
40、平3−88124、平3−237657、平3−
3168、特公平1−23859各号公報参照)。
【0015】ウオブルによって記載されるATIP信号
は、未記録領域の回転数制御、及び、ユーザデータ領域
のアドレッシングに使用される。そのスキームを少し詳
しく説明すると次のようになる(「図解コンパクトディ
スク読本」中島平太郎・小川博司共著、オーム社(改定
3版、1996)、「CDファミリー」中島平太郎・井橋孝
夫・小川博司共著、オーム社(1996)、あるいは、
上記の公開特許等による)。図2は、CD及び記録可能
CDの半径方向の記録領域を比較して示す模式図であ
る。同図に示すように、CD及び記録可能CDのディス
ク上の領域は、最内周のクランピングエリア(a1)か
ら外周側に向かって、PCAまたはPMA(a2)、リ
ードイン・エリア(a3、Lead-in area)、プログラム
エリア(a4、program area:本発明におけるユーザデ
ータ領域に相当)、リードアウトエリア(a5)により
構成され、トラック上の物理的位置がATIPの絶対時
間情報に対応している。ユーザのファイルは、プログラ
ムエリアa5の最内周である時間上の原点に対応する位
置から外周側に向かって記録される。ファイルの記録に
伴い、そのアドレスをATIP上の絶対時間で記載した
TOCは、その直前のリードイン・エリアa3に記入さ
れる。リードイン・エリアの開始位置(時間)はすなわ
ちTOCの開始位置(時間)である。
【0016】TOCに一旦アドレス情報がEFM変調信
号によって記入されれば、ATIPの時間情報と、EF
M変調で記入された(従ってディジタル情報で記録され
た)サブコード(Subcode)−Qチャネルの絶対時間と
は一致する。なお、ATIP及びEFM変調データは、
いずれも1/75秒ごとに絶対時間が記述されている。
このデータのひとまとまりを、ATIPの1フレーム、
EFMデータの1ブロックまたは1サブコ−ドフレーム
という。1フレーム毎の絶対時間及び回転同期信号は、
エラー訂正のためのスクランブリング処理とは無関係で
あるから、必ず、内周から外周に進むにつれて絶対時間
が増加するように配置されている。
【0017】プログラム領域には、その全てがユーザフ
ァイルで埋めつくされるまでは未記録領域が存在し、未
記録領域へのアクセスはATIP信号の絶対時間を参照
して行われる。既記録領域へのアクセスは、サブコード
−Qチャネルの絶対時間を参照して行われる。同様に、
未記録領域での回転数制御はATIP信号の1フレーム
の先頭にある同期パターンの読出しによって行われる。
既記録領域では、1ブロックごとの同期パターンを検出
することで、ROM(Read Only Memory)ディスクと同
様に、絶対時間(アドレス)検出及び同期検出ができ
る。従って、EFM信号で一旦サブコード−Q情報を記
入してしまえば、その後はサブコード−Qチャネルの絶
対時間情報を使用すればよく、以後ATIP信号を参照
する必要はなくなる。ROMドライブで再生する際に
は、EFM信号で記録されたアドレス情報及びユーザデ
ータのみが再生される。
【0018】ディスクに1回だけ情報を記録し、或い
は、未記録領域に追記していく(インクリメント・ライ
ト)ことは、ライトワンス型CD(CD−R)において
すでに実現されている。この場合、一回に記録されるデ
ータ容量は様々である。また、ユーザデータは常に内周
から外周に向かって連続的に記録されるため、未記録領
域は常に既記録領域に連続する外周側位置に存在し、且
つ、未記録領域の外側に既記録領域が存在することはな
い。従って、既記録領域ではEFM信号で同期及び絶対
時間を検出し、未記録領域ではATIP信号で同期及び
絶対時間を検出するように使い分けることは容易であ
る。
【0019】ATIP信号に類似のアドレス情報とし
て、ADIP(Address in Pregroove)信号がある。A
TIPがディスク回転と同期した絶対時間情報であるの
に対し、ADIPは、シーケンシャルな番地によるアド
レス情報である点でATIPと異なるが、ウオブルによ
って予め基板に記載される点や、再生回路の構成が殆ど
同じ点においてATIPと同様である。本発明において
は、これら双方は、何れもユーザ情報に付加されるアド
レス情報として扱う。
【0020】一方、近年では、CDフォーマットにおい
ても、ハードディスク(HD)やフロッピーディスク
(FD)または光磁気ディスク(MO)のように、セク
タと呼ばれる一定の容量(例えば2nバイト単位)ごと
に区切って、ユーザデータを記録できることが求められ
ている。特に、書換え可能CDで、書換え可能という特
徴を生かすには、こうした固定長のセクタ単位を扱うデ
ータ管理が必要である。重ね書きするデータが物理的に
一定の長さ範囲になければ、消去すべきでないデータ上
にまではみだして重ね書きしてしまう恐れがあるからで
ある。
【0021】HDやFD等ではドライブにおいて、また
MO等では予め基板上のピット列によって、夫々、セク
タごとの区切りや、セクタのアドレス、更には同期信号
が記載されている。図3にMOにおけるセクタの例を示
した。ヘッダ4を構成するピット列とユーザデータエリ
ア5とが円周方向に交互に配置されており、ヘッダ4及
びデータエリア5の1組がセクタ6を構成する。なお、
ヘッダ4の長さは図面上で誇張して示した。
【0022】CDフォーマットでは、MOのような上記
セクタ方式でのデータ管理を実現する方法は必ずしも確
定されていないが、 米国の業界団体OSTA(Optical
Storage Technology Association)において公開で提
案、議論されている方法がある。一つは、CD−DAS
D(Compact Disc Direct Access Storage Disc)と呼
ばれる規格案であり、各セクタがDOSフォーマットと
比較的互換性を採り易い4096バイト単位となってい
る(1996年2月OSTAでの公開のプレゼンテーション
でKodak社より提案)。他の一つは、CD−Rにお
いて検討されている方法で、パケット・ライト法と称さ
れている((1)DOS/Vマガジン1996年6月号、214
頁、(2)[CDファミリー]、中島平太郎、井橋孝
夫、小川博司共著、オーム社(1996)、第4章、及び、
(3)日経エレクトロニクス1996年9月9日(No.67
0)、135-146頁)。同様のパケットライト法について
は、次世代のDVD規格でも議論されている(日経バイ
ト、1996年6月号、pp.198-203)。これらは、ディスク上
のデータフォーマットが、CDフォーマットやDOSフ
ォーマット等であるか否かを問わず、オペレーションシ
ステムに依存しない、非シーケンシャル記録を行うため
の論理フォーマットを構築するために必要な要請でもあ
る。
【0023】前述のように、セクタ領域に記載された情
報に相当する同期信号、アドレス情報等の付加情報が、
ピットや、ATIP信号またはADIP信号等によって
一定間隔毎にあらかじめディスク上に記載される。通常
の記録可能CD媒体では、ATIP信号がトラックの端
から端まで途切れることなく、ウオブルとして刻まれて
いる。 現行CD−R装置との互換性をとり易くするた
めには、セクタ領域特有のピットやウオブル信号パター
ンは使用せず、ATIP信号、ADIP信号またはEF
M信号中のアドレス情報を使用することが望ましい。
【0024】図4は、本発明の一実施例のCD−Eを示
すディスクの模式的平面図である。1は案内溝を、2は
ランド部を夫々示し、各データトラックの円周方向に
は、付加データ領域11及びユーザデータ領域12が交
互に配置される。付加データ領域11には所定の信号で
変調されたウオブルを有する案内溝部分7が形成され、
ユーザデータ領域12にはウオブルを有しない案内溝部
分8が形成される様子が示されている。
【0025】CDフォーマットは、一定線速(CLV、
Constant Linear Velocity)モードで使用されるため
に、一定バイト長のユーザデータは、必ず一定の絶対時
間長に相当する。従って付加情報を含めても、ユーザデ
ータの1単位は一定の絶対時間長に相当する。そこで、
図4に示したように、ディスク上の案内溝のATIP信
号に記載された一定の絶対時間T毎に、付加データ領域
11+ユーザデータ領域12+付加データ領域11の1
組からなる擬似セクタ(あるいはパケット)13を配置
している。ただし、付加データ領域11は前後どちらか
一方だけでもよい。ここで、ユーザデータ領域12は、
例えば2nバイト単位である。
【0026】本発明では、HDやMOの概念や用語を利
用して、上記1組のデータをパケットと呼び、パケット
が記録されるディスク上の物理構造を擬似セクタ、付加
データ領域を擬似ヘッダと呼ぶことにする。実際に、パ
ケットの重ね書きを行う場合には、書込み時にできるデ
ータのギャップに留意しなければならない。ドライブで
は、レーザー光の変調により実際に記録を行う場合に、
レーザーの駆動系やレーザーの立ち上がり時間の関係で
書き出しや書き終わりの位置に微妙な誤差が生じる。こ
のずれによって隣の擬似セクタの情報を破壊しないよう
に、上記付加データの前後にギャップ(バッファ)領域
を設けることが好ましい。例えば、32Kバイト単位で
パケットライトする場合、約数十バイト分の誤差が発生
し得る(日経バイト、1996年6月号、pp.198-203)。
【0027】上記ギャップを別として、線速VでCLV
動作しているドライブでは、トラックに沿った物理的な
仮想セクタ長はVTで一定であり、付加データ領域11
はトラックに沿って一定間隔VT毎に配置されることに
なる。各擬似セクタ長は一定であるから、計算によって
各セクタ−の先頭位置の絶対時間を割り当てることも出
来るし、リードインエリアに記載することも可能であ
る。なお、CDのようにディスク全面がCLVで操作さ
れる場合は当然であるが、ディスクの半径方向にゾーン
ごとに区切られたZCLVモードでも、同様のアクセス
方法は可能である。更に、CAVまたはZCAV動作す
るディスクでは、絶対時間によらないADIP信号によ
り、アドレス情報を記載すればよい。この場合、ISO
規格のMO媒体のように、各セクタの先頭のアドレス情
報をプレピットではなく、ADIP信号から読み取る。
【0028】本発明は、上記擬似セクタを利用したいわ
ゆるパケットライト法に関するものであるが、上記の各
種提案の詳細な方法に直接関わるものではなく、固定長
データ(パケット)を繰り返し記録するオーバーライト
可能な相変化型媒体における、繰り返しオーバーライト
耐久性の改善を目的としている。より詳細には、本発明
は、相変化媒体を利用したCD−E(書換可能コンパク
トディスク、CD−Erasable)の開発過程にお
いて、ATIP信号またはADIP信号を記載するため
の溝信号の周期的な変形の存在により、繰り返しオーバ
ーライト時の劣化が促進されることを見出したことにそ
の基礎を置くものである。評価結果の説明に入る前に、
本発明が適用される相変化媒体の一般的な構造及び記録
方法について説明しておく。
【0029】本発明の光学的記録用媒体は、基板には、
ポリカーボネート、アクリル、ポリオレフィンなどの透
明樹脂、または、ガラスを用いることができる。相変化
型記録層は、その上下が保護層で被覆されることが望ま
しい。さらに望ましくは、基板/誘電体下部保護層/記
録層/誘電体上部保護層/反射層の構成とし、その上を
紫外線または熱硬化性の樹脂で被覆する。反射層を設け
る目的は、光学的な干渉効果をより積極的に利用して信
号振幅を大きくするためと、放熱層として機能すること
で非晶質マークの形成に必要な過冷却状態が容易に得ら
れるようにするためである。従って、反射層としては、
高反射率、高熱伝導率の金属が望ましく、具体的にはA
u、Ag、Al等が挙げられる。しかし、より光学的な設
計の自由度を増すために、SiやGe等の半導体を用いて
もよい。経済性及び耐蝕性の観点からは、AlにTa、T
i、Cr、Mo、Mg、Zr、V、Nb等を0.5〜5.0a
t.%添加したAl合金が望ましい。特に、Taの添加によ
り高耐蝕性材料が得られる(特開平1−169751号
公報参照)。
【0030】記録時の高温による変形を防止するため
に、基板表面には下部保護層が、記録層上には上部保護
層が、夫々、通常は10nm〜500nmの厚さに設け
られる。誘電体保護層の厚みが10nm未満であると、
基板や記録膜の変形防止効果が不十分であり、保護層と
しての役目を充分に果たせない。厚みが500nmを超
えると、誘電体自体の内部応力や基板との弾性特性の差
が顕著になって、クラックが発生し易くなる。
【0031】上下の保護層の材料は、屈折率、熱伝導
率、化学的安定性、機械的強度及び密着性等に留意して
決定される。一般的には、透明性が高く高融点であるM
g、Ca、Sr 、Y、La、Ce、Ho、Er、Yb、Ti、
Zr、Hf、V、Nb、Ta、Zn、Al、Si、Ge、Pb等
の酸化物、硫化物、窒化物や、Ca、Mg、Li等のフッ
化物を用いることができる。これらの酸化物、硫化物、
窒化物、フッ化物は必ずしも化学量論的組成をとる必要
はなく、屈折率等の制御のために組成を制御し、或い
は、混合して用いることも有効である。繰返し記録特性
を考慮すると誘電体混合物がよい。より具体的には、Z
nSや希土類硫化物と、酸化物、窒化物、炭化物等の耐
熱化合物との混合物が挙げられる。
【0032】本発明の光学的情報記録媒体の記録層は相
変化型の記録層であり、その厚みは10nm〜100n
mの範囲が好ましい。記録層の厚みが10nmより薄い
と十分なコントラストが得られ難く、また結晶化速度が
遅くなる傾向があり、短時間での記録消去が困難となり
易い。一方、100nmを越すと、やはり光学的なコン
トラストが得にくくなり、また、クラックが生じ易くな
るので好ましくない。
【0033】記録層としては、公知の相変化型光記録層
が使用でき、例えばGeSbTeやInSbTe、AgSbT
e、AgInSbTeといった化合物がオーバーライト可能
な材料として選ばれる。なかでも、{(Sb2Te31-x
(GeTe)x1-ySby(0.2<x<0.9、0≦y<0.1)合
金、または、Mw(SbzTe1-z1-w(0≦w<0.3、0.5
<z<0.9、M=In、Ga、Zn、Ge、Sn、Si、Cu、
Au、Ag、Pd、Pt、Pb、Cr、Co、O、S、Seのう
ち少なくとも1種)合金を主成分とする薄膜は、結晶・
非晶質いずれの状態においても安定で、かつ、両状態間
の高速の相転移が可能である。更に、繰返しオーバーラ
イトを行った際に偏析が生じ難いといった利点があり、
最も実用的な材料である。これら記録層は、例えば、合
金ターゲットを不活性ガス、特にArガス中でスパッタ
して得られる。
【0034】記録層及び保護層の厚みは、上記機械的強
度、信頼性の面からの制限の他に、多層構成に伴う干渉
効果も考慮して決定する。この場合、レーザー光の吸収
効率が良く、記録信号の振幅、すなわち記録状態と未記
録状態との間のコントラストが大きくなるように選ばれ
る。
【0035】前述のように、記録層、保護層及び反射層
は、スパッタリング法などによって形成される。この場
合、各膜の形成は、記録膜用ターゲット、保護膜用ター
ゲット、及び、必要な場合には反射層材料用ターゲット
を、同一の真空チャンバー内に設置したインライン装置
で行うことが好ましい。これにより、各層間の酸化や汚
染の防止が可能となる。また、生産性の面からも優れて
いる。
【0036】
【実施例】以下、実験例に基づいて本発明を更に説明す
る。直径120mm、厚さ1.2mmの射出成形された
ポリカーボネート基板上に、溝ピッチが1.6μmで、
溝幅が約0.5μm、溝深さが約40nmの溝をスパイ
ラル状に形成した。溝には、22.05kHzの信号で、溝横
断方向にウオブルを形成した。ウオブル振幅は、27n
m、20nm、13.5nm、0nm(ウオブルなし)の4
種類とした。
【0037】上記基板上に、下部保護層として(Zn
S)80(SiO220(mol%)を100nm、その上に記録
層としてAg5In6Sb61Te28を20nm、上部保護層と
して(ZnS)80(SiO220を20nm、反射層とし
てAl97.5Ta2.5を100nm順次に積層し、この上に紫外
線硬化樹脂(SD318、大日本インキ製)を数μmコ
ートして、相変化媒体を作製した。なお、記録は溝内に
行い、結晶領域中に非晶質マークを形成した。
【0038】上記媒体に対して、CDの2倍速(2.8
m/s)で、EFMランダム信号により繰返しオーバー
ライトを行った。オーバーライトは、図5(a)及び
(b)のレーザ光パターンで示すようなパルス分割方法
を採用した。記録パワーPwは11mW、消去パワーP
eは6mW、バイアスパワーPbは0.8mWとした。
信号品質は最も厳しい3Tジッタで評価した。ジッタ
は、2倍速では17.5nsec程度より小さいことがCD
の規格上必要である。図6に、ウオブル振幅を27n
m、20nm、及び、13.5nm、並びに、ウオブル
なしとした各場合の、3Tジッターの測定結果を示し
た、同図から明らかなように、ウオブル振幅のない溝で
は、10000回のオーバーライト後も殆どジッタの劣化は
ないが、ウオブル振幅の増大と共に劣化が著しくなり、
特に1000回程度で劣化が著しくなった。
【0039】上記、ウオブルの存在による記録特性の劣
化促進のメカニズムは、必ずしも明らかではないが、図
7に示すように、記録用光ビーム16の一部が溝14の
側壁15に照射され易くなるためではないかと考えられ
る。つまり、トラッキングサーボが掛けられた集束光ビ
ーム16は、ウオブルの蛇行には追従せず、溝中心線1
7上を直進して行く。溝壁15の蛇行により、同図に示
すように、光ビーム16が、僅かではあるが溝壁15に
照射される。なお、同図ではウオブル振幅を誇張して示
してある。
【0040】溝側壁15は、薄膜の密着性が悪い、或い
は、応力集中が起きやすい等により、繰返しオーバーラ
イト時の熱ダメージによって劣化が生じ易いと考えられ
る。つまり、この溝側壁15の部分に光ビーム16が一
部でも照射されれば、劣化が促進されると考えられる。
同様の問題は、ATIP信号に相当するアドレスや同期
信号等の情報が、溝幅や深さ等の溝形状の変形によって
記載されている場合でも生じると考えられる。特に、樹
脂基板や光硬化性樹脂表面に溝を形成した媒体では、樹
脂の軟化点が相変化媒体の記録時の温度(例えば数百度
C以上)よりはるかに低いために、繰り返しオーバーラ
イトによる溝形状の変形は多かれ少なかれ生じる。この
変形は、溝内及び溝間の何れにデータ記録なされようと
も生じる。
【0041】本発明を、前述の固定長の擬似セクタ構造
を採用する相変化型書換え可能媒体に適用する際には、
図4に示すように、ユーザデータ領域12にウオブルを
形成せず、擬似ヘッダ領域11のみにウオブルを形成す
る。この場合、スタンパ作成に際し、グルーブ形成時の
露光用ビームのパワーをユーザデータ領域12のみで無
変調とすることで、溝の周期的蛇行を形成しなければ良
い。つまり、現行のマスタリング信号源の簡単な改造で
実現できる。ただし、露光用のレーザー光パワーを無変
調とする間も、ウオブル変調信号の絶対時間を進行さ
せ、飛び飛びに絶対時間が記載されても、CLV方式で
回転させた際に各擬似セクタでの絶対時間が正確に位置
の関数となるようにする。
【0042】上記の溝形成は、図8のスタンパー露光装
置のブロック図に示したように、ウオブル形成のための
変調信号を発生する変調信号発生回路CM1と、ガラス
原盤20の露光用レーザー光を照射するレーザー振動駆
動回路CW1との間にゲートG1を設けることで可能に
なる。この場合、変調信号M1からは、従来どおり絶対
時間情報を間断なく発生させておき、セクタヘッダ切換
え部CM2から、擬似ヘッダ位置でゲートG1をオープ
ンとするゲート信号M2を発生させる。これにより、ウ
オブル変調信号M1をレーザービームの駆動回路CW1
に間欠的に供給する。
【0043】ところで、繰返しオーバーライトによる劣
化の程度は、溝の断面形状にも依存する。図9に、1.
6μmピッチで配列された溝の深さを一定とし、溝幅の
みを0.40μm、0.56μm、0.68μm、及び、
0.80μmと変化させたウオブルを有する溝による記
録特性の劣化を示す。なお、この場合、側面が傾斜した
溝では、図11に示したように、溝深さHの1/2の深
さ位置での溝幅Wを実効的な溝幅とみなした(図1
1)。図9に示したオーバーライト回数の範囲内では、
ウオブルが存在する場合には、溝幅が広い方が記録特性
の劣化が遅いことが容易に理解できる。他方、ウオブル
が存在しない場合には、図10に示すように、溝幅が狭
い方が繰返しオーバーライトによる記録特性の劣化が遅
い。
【0044】以上の結果から、本発明では、ウオブルを
形成した付加データエリアでは、所定範囲内で溝幅を広
くする。ここで、溝幅を広げ過ぎると逆効果になる。例
えば、本実験によると、溝幅が1.0μmを超えると、
却って記録特性の劣化が促進された。また、ウオブルを
形成しないユーザデータ領域では、溝幅が狭い方が望ま
しい。このように、ウオブルを形成しないユーザデータ
領域の溝幅を、ウオブルを形成した付加データ領域の溝
幅よりも10〜50%狭くすることにより、ディスク全
体として繰返しオーバーライトに対する耐久性を向上さ
せた。
【0045】上記のような溝幅の制御は、スタンパを作
成する際に、基本的にはグラスマスター上のフォトレジ
スト露光時に、露光用レーザービームのパワーに強弱を
つければ容易に達成できる。つまり、付加データ領域と
ユーザデータ領域との切り替え点において、ウオブルの
振動をオン・オフすると共に、レーザービームの強度を
強または弱の2値間で切替えを行えばよい。
【0046】本発明の記録媒体にパケットライト法を適
用して情報を記録する場合には、擬似ヘッダ領域のAT
IP信号から、同期および絶対時間で記載されたアドレ
ス情報を読み取り、まず、所定の回転同期を確立する。
次いで、アドレスを割り出した後に、所望の絶対時間で
始まる擬似セクタ全体にEFM信号による記録を行う。
パケットへの第1回目の記録時には、ウオブルのある該
擬似ヘッダ部にEFM信号により、同期および絶対時間
を記録してもよい。以後はATIP信号によらず、この
EFM信号のデータを参照して、所望セクタにアクセス
することが出来る。
【0047】パケットライトしたデータを再生できるR
OMドライブで、所望の擬似セクタにアクセスしてデー
タを読み出すには、ATIP信号によらずEFM信号の
再生によりアクセスを行うことができる。しかし、本発
明の趣旨からは、ウオブルのある擬似ヘッダ部のEFM
データをパケットライトの度に書き換えることは望まし
くない。2回目の記録以降は、既に擬似セクタ部にEF
M信号により付加データが記録されていれば、ユーザデ
ータのみを重ね書きする。
【0048】一方、 常にユーザデータのみを書き換
え、擬似ヘッダ部には記録しないという使い方も可能で
ある。この場合、アクセスは常にATIP信号又はAD
IP信号を参照することになる。この方式は、ROMド
ライブにATIP信号又はADIP信号の再生・デコー
ド回路を付加する必要があり、ドライブでは負担にはな
るが、ひとつのオプションとして有効である。現行CD
ファミリーは、過去との互換性を考慮しつつ、ドライブ
側にマイナーな付加・改良を積み重ねるという要求をク
リアしてきているので、このオプションは、大きな問題
ではない。
【0049】また、高密度化のために、現行CDとは別
の規格が採用される際に、予め本発明を導入しておけ
ば、ROMドライブでの対応は容易である。ここで、A
TIP信号とEFM変調信号とを利用して記録された絶
対時間の接続/同期は、できるだけ滑らかで絶対時間に
飛びがないことが望ましい。そのような同期確立方法
は、特開平3−88124号公報等に記載されている。
逆に、繰返しオーバーライトを行う場合に、記録開始位
置を許容範囲内で意図的且つランダムにずらせること
は、相変化媒体で知られている繰返しオーバーライト時
の物質移動による信号劣化を遅らせる上で望ましい(特
開平2−94113号公報、特開平3−150725号
公報参照)。この許容値は、現時点では定量的に明確と
はいえないが、CDフォーマットの場合には、CD−R
規格等から推察して、1〜2EFMフレーム(588チ
ャネルビット長)程度(100−200μm)であり、
これだけの範囲内で記録開始位置をずらすだけでも十分
な改善効果が得られる。
【0050】CDフォーマット、或いは、その上位概念
であるISO9660、ISO13346規格準拠のフ
ォーマットでは、ディスク最内周のリードインエリア及
びプログラムエリアの最初に、ファイル管理情報が記載
される。これは、前述のUDF(Universal Disk Forma
t)と呼ばれる論理フォーマットのサブセットとみなさ
れる。このフォーマットでは、論理上、ファイルの先頭
番地、長さ、属性、ディレクトリ構造といったファイル
管理情報がまとまった番地に記載され、ファイルを書き
換える毎に、このファイル管理情報の一部または全部が
書き換えられる。
【0051】情報を再生する際には、まずファイル管理
情報にアクセスして、所定のファイルのアドレス等に関
する情報を得た後に、該アドレスに実際にアクセスして
ユーザデータを読み出す。ファイル管理領域は、ディス
ク管理領域とも呼ばれる。一連のファイル管理情報は、
実際のディスク上においても、ディスクの最内周または
最外周の特定の位置にまとまって配置されるのが普通で
ある。たとえば、CDフォーマットにおいては、図2の
リードイン・エリアa3にTOCとして配置される。ま
た、ISO9660では、ディレクトリ構造がプログラ
ムエリアの先頭に記載される。これらファイル管理情報
が記載される特定の領域をファイル管理領域と呼ぶこと
にする。この領域は、全ディスク容量の数%未満の領域
に限られるが、最も頻繁に書換えが行われる領域である
ため、相変化型媒体において、繰返しオーバーライトに
よる記録特性の劣化が最も激しい領域である。
【0052】本発明の更なる改良形として、上記ファイ
ル管理領域にある溝の周期的変形を全てなくすことが挙
げられる。この場合、頻繁に書き換えられるため繰返し
オーバーライトによる記録特性の劣化が最も支配的なフ
ァイル管理領域の信頼性を向上することができ、ディス
ク全体の信頼性が高められる。なお、図2のリードイン
エリアa3を毎回は書き換えず、一時的にPMAエリア
a2にあるファイル管理情報を書き換える場合には(特
開平5−210849号公報参照)、この領域でもウオ
ブルを形成しない方が良い。
【0053】工場のディスク出荷時におけるディスク初
期化の操作として、溝形状の変調のないファイル管理領
域に、予め記録パワーや使用線速等のディスク情報をE
FM変調で記入すると良い。例えば、未記録のユーザ領
域の先頭アドレスをTOCに記入することになってお
り、この場合、ディスクの製造者側で特殊ドライブを用
意して、ファイル管理エリアの先頭に、ディスク情報・
擬似セクタの開始位置を絶対時間情報と共に記録すれば
よく、ユーザ側の負担にならない。このような手法は、
現行のFDやMOディスクでも各種オペレーティングシ
ステム向けに使用される。
【0054】上記実施例では、CD規格を例として記述
したが、これは、先にも述べた通り、用語の定義が明確
なため説明し易いことから行った便宜上の理由である。
本説明で具体的に述べたことは、本発明が、現行CD規
格との調和をとりながら採用できる有用な方法であるこ
とを示している。一方、現行のCDのみならず、高密度
化されたCD態様の記録媒体においても、周期的な溝形
状の変形によるアドレス信号付与と、物理的に限定され
た領域にあるファイル管理領域を設けるという手法(日
経バイト、1996年6月号、pp.198−203)
との併用は可能であり、この場合にも、本発明は有効で
ある。また、CAVやZCAVモードで使用する媒体で
も、アドレス情報をウオブルで記載することは可能であ
り、このような場合にも本発明は有効である。
【0055】本発明のオーバーライト可能な相変化媒体
にパケットライト法を適用すれば、例えば図5のレーザ
光パターンでは、従来は千回の繰返しオーバーライトで
劣化が始まったものが、1万回以上でも殆ど記録特性の
劣化が生じない。10万回程度まで殆ど特性劣化が生じ
ない例もあった。従って、従来行われていたような、偶
然にその部分で繰返しオーバーライトが集中発生して特
性が劣化した擬似セクタを、劣化していない別の交替領
域に記録し直すといった交替エリア確保・管理の必要性
は殆どなくなる。このため、ファイル管理の手続きが容
易になり、ドライブ及びデバイスドライバの設計も容易
になる。
【0056】CD−E媒体では、光磁気ディスクのよう
にセクタ単位で記録・書換えを行う手法は未だ確立され
ていないが、そのような手法が確立された場合には、書
換え回数は膨大な回数に達するものと予想される(例え
ば、10万〜100万回以上)。その場合には、本発明
は、繰返しオーバーライトによる劣化を容易に且つ低コ
ストで抑制することが期待できる。
【0057】以上、本発明をその好適な実施形態例に基
づいて説明したが、本発明の光学的情報記録用媒体及び
光記録方法は、上記実施形態例の構成にのみ限定される
ものではなく、上記実施形態例の構成から種々の修正及
び変更を施した光学的情報記録用媒体及び光記録方法
も、本発明の範囲に含まれる。
【0058】
【発明の効果】本発明の光学的情報記録用媒体及び光記
録方法によると、相変化媒体の繰返しオーバーライト時
の記録特性の劣化を抑制し、ディスクの信頼性及び耐久
性を向上させる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は夫々、ウオブルの平面図、
及び、そのA−A’断面図。
【図2】CD及び記録可能CDの半径方向のエリア分布
を示す模式的断面図。
【図3】従来の光磁気ディスク(MO)のセクタ構成を
示す平面図。
【図4】本発明の一実施形態例のCD−Eにおけるデー
タトラックを示す平面図。
【図5】本発明で採用されるオーバーライト用レーザ光
のパターンの一例を示すタイミングチャート。
【図6】各ウオブル振幅におけるオーバーライト回数と
3Tジッターとの関係を示すグラフ。
【図7】ウオブルの存在と記録特性の劣化との因果関係
を示す平面図。
【図8】本発明の光学的情報記録媒体を作製するために
利用されるスタンパー露光装置の構成を示すブロック
図。
【図9】ウオブルを有する溝の各溝幅におけるオーバー
ライト回数と3Tジッターとの関係を示すグラフ。
【図10】ウオブルを有しない溝の各溝幅におけるオー
バーライト回数と3Tジッターとの関係を示すグラフ。
【図11】溝幅の定義を示す断面図。
【符号の説明】
1 案内溝 2 ランド部 3 基板 4 ヘッダ 5 ユーザデータエリア 6 セクタ 11 付加データエリア 12 ユーザデータエリア 13 疑似セクタ(パケット) 14 案内溝 15 溝側壁 16 レーザスポット 17 溝中心線 18 ランド部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−44873(JP,A) 特開 昭55−157134(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/00 G11B 7/24

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 書換え可能な相変化型記録層に形成され
    同心円状または螺旋状に配置された案内溝を有する光学
    的情報記録媒体の前記案内溝に対し、ユーザデータを重
    ね書きする記録方法であって、 前記記録方法に用いる光学的情報記録媒体における 前記
    案内溝が、円周方向に交互に配置されたユーザデータ領
    域及び付加データ領域から成り、該付加データ領域に対
    応する案内溝が、同期信号及びアドレス情報の少なくと
    も一方を信号として含む周期的変形を有する溝として形
    成されており、前記ユーザデータ領域に対応する案内溝
    が周期的変形を有しない単調な溝として形成されてな
    り、 前記ユーザデータを前記光学的情報記録媒体のユーザデ
    ータ領域に対応する溝内に記録することを特徴とする、
    光学的情報記録媒体の記録方法。
  2. 【請求項2】 前記光学的情報記録媒体の付加データ領
    域の上記周期的変形が、周波数変調により形成された案
    内溝の蛇行として構成される、請求項1に記載の光学的
    情報記録媒体の記録方法
  3. 【請求項3】 前記光学的情報記録媒体が書換え可能な
    相変化型ディスクとして構成されており、上記案内溝の
    蛇行がATIP信号又はADIP信号を構成する、請求
    に記載の光学的情報記録媒体の記録方法
  4. 【請求項4】 前記光学的情報記録媒体の前記案内溝の
    幅が1μm以下である、請求項1乃至の何れか一に記
    載の光学的情報記録媒体の記録方法
  5. 【請求項5】 記録再生に用いるレーザー光の波長が7
    70nm〜800nm、集束用レンズの開口数が0.4
    0〜0.60であり、且つ、前記光学的情報記録媒体の
    溝幅が0.4μm〜0.7μm、溝深さ30nm〜7
    0nmの範囲である、請求項1乃至の何れか一に記載
    の光学的情報記録媒体の記録方法
  6. 【請求項6】 前記光学的情報記録媒体が、更に、前記
    ユーザデータ領域を管理するためのファイル管理領域
    を、前記データトラックの半径方向内側に有し、該ファ
    イル管理領域には周期的変形を有しない単調な溝が形成
    される、請求項1乃至の何れか一に記載の光学的情報
    記録媒体の記録方法
  7. 【請求項7】 前記光学的情報記録媒体のファイル管理
    領域には、前記付加データ領域と同じ変調信号で絶対時
    間情報が記録される、請求項に記載の光学的情報記録
    媒体の記録方法
  8. 【請求項8】 前記光学的情報記録媒体が、書換え可能
    な相変化型コンパクトディスクとして構成され、前記周
    期的変形がATIP信号又はADIP信号を記載し、前
    記ファイル管理領域が少なくともTOC情報を含むリー
    ドイン・エリアである、請求項に記載の光学的情報記
    録媒体の記録方法
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