JP3488868B2 - 平面コイルおよび平面トランス - Google Patents
平面コイルおよび平面トランスInfo
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Description
巻き状に配置されて形成された巻線を有する平面コイル
および平面トランスに関する。
ング電源等におけるチョークコイルやトランスとして使
われている。平面コイルや平面トランスは、平板状の導
体が渦巻き状に配置されて形成された導体パターンより
なる巻線を有している。平面トランスや複数の巻線を有
する平面コイルでは、複数の巻線が絶縁層を介して厚さ
方向に積み重ねられている。
流が比較的小さなものは、例えば、スパッタ法等の薄膜
形成技術によって、渦巻き状の導体パターン、絶縁層お
よび磁性層を積み上げて形成される。また、平面コイル
や平面トランスのうち、出力電流が中程度のものは、例
えば、各面における導体層をエッチングして各面に渦巻
き状の導体パターンを形成した両面プリント基板を、絶
縁層を介して積層してなるプリントコイルや、導体板を
打ち抜いて形成した渦巻き状の導体パターンを絶縁層を
介して積層してなるコイルが用いられる。これらのコイ
ルには、渦巻き状の導体パターンの中心部分において厚
さ方向に貫通する孔が形成され、この孔に、EE型フェ
ライトコア等の磁性体が挿入される。
は、薄型化が可能であるため、特に小型、薄型のスイッ
チング電源等に使われている。
路)の集積度の増大に伴うICの動作電圧の低下、大電
流化等により、スイッチング電源には小型化と共に大電
流化が求められている。チョークコイルやトランスにお
ける導体の抵抗による損失、いわゆる銅損は、電流値の
二乗に比例して大きくなる。そのため、チョークコイル
やトランスとして用いられる平面コイルや平面トランス
では、導体の抵抗値の低減が重要な課題となっている。
FET(電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子
は、半導体技術の進歩と共に損失の低減および小型化が
進んでいる。これに対し、スイッチング電源のもう一つ
の主要部品であるチョークコイルやトランス等の磁性部
品は、小型化しにくい部品である。そのため、スイッチ
ング電源全体に対する磁性部品の体積比は大きくなる傾
向にある。磁性部品は小型化の方向に進歩しているもの
の、それは、上記のスイッチング素子の進歩に伴うスイ
ッチング周波数の高周波化に負うところが大きい。しか
し、スイッチング周波数が高周波化した場合には、コイ
ルやトランスのコアは小型化または低損失化できるもの
の、表皮効果の影響で導体における損失である銅損は逆
に大きくなるという問題が生じる。
ンスにおける巻線の各ターン毎の部分の幅は一定である
場合が多かった。しかしながら、この場合には、巻線の
うちの外側の部分の抵抗が大きくなり、結果的に巻線全
体の抵抗が大きくなるという問題点があった。
報には、コイルにおける巻線の各部分の銅損が同一にな
るように、巻線の幅を、中心から遠ざかるに従って増大
させる技術が開示されている。この技術では、複雑な式
を使って巻線の各部分の幅を決定している。また、特開
平7−37728号公報にも、コイルにおける巻線の各
部分の銅損が同一もしくは概ね同一になるように、巻線
の幅を、中心から遠ざかるに従って増大させる技術が開
示されている。これらの技術では、いずれも、巻線のう
ちの各ターン毎の部分の内周部の半径Riと各ターン毎
の部分の幅Wの比であるRi/Wを一定にすることによ
って、コイルにおける巻線の各部分の銅損をいたるとこ
ろで同一にし、限られた空間的制約の下でコイル全体の
銅損が最小になるように図っている。
ることによって、コイルにおける巻線の各部分の銅損が
いたるところで同一になるのか、また、これにより、コ
イル全体の銅損が最小になるのかは証明されていない。
ので、その目的は、限られた空間の中で損失が最小にな
るように巻線を配置した平面コイルおよび平面トランス
を提供することにある。
平板状の導体が渦巻き状に配置されて形成された巻線を
備えたものであって、巻線はNターン(Nは2以上の整
数)の巻線部分を含み、内側からnターン(nは1以
上、N以下の整数)目の巻線部分の内周部の半径をr
i(n)、外周部の半径をro(n)とし、最も内側の巻線部分
の内周部の半径rmi n、最も外側の巻線部分の外周部の
半径と最も内側の巻線部分の内周部の半径との差W
total、および隣接するターン間における巻線部分間の
距離Dが与えられたときに、式(1)で表されるAの値
が最小となるようにri(n)およびro(n)が定められてい
るものである。ただし、ri(1)=rmin、ri(n+1)−ro
(n)=D、ro(N)−ri(1)=Wtotalである。
れるAの値が最小となるようにri(n)およびro(n)を設
定することにより、巻線全体の抵抗値が最小になり、そ
の結果、巻線全体における損失が最小になる。なお、本
出願において、巻線部分とは、巻線全体のうちの1ター
ン分の部分を言う。
設けられ、この複数の巻線は、絶縁層を介して厚さ方向
に積層され、且つ並列または直列に接続されていてもよ
い。
れ、厚さ方向に積層された複数の巻線と、各巻線間に配
置された絶縁層とを備え、複数の巻線のうちの一部の巻
線が一次巻線となり、複数の巻線のうちの他の一部の巻
線が二次巻線となっているものであって、複数の巻線の
うちの少なくとも1つは、平板状の導体が渦巻き状に配
置されて形成されたNターン(Nは2以上の整数)の巻
線部分を含み、内側からnターン(nは1以上、N以下
の整数)目の巻線部分の内周部の半径をri(n)、外周部
の半径をro(n)とし、最も内側の巻線部分の内周部の半
径rmin、最も外側の巻線部分の外周部の半径と最も内
側の巻線部分の内周部の半径との差Wtotal、および隣
接するターン間における巻線部分間の距離Dが与えられ
たときに、上記式(1)で表されるAの値が最小となる
ようにri(n)およびro(n)が定められているものであ
る。
されるAの値が最小となるようにr i(n)およびro(n)を
設定することにより、Nターンの巻線全体の抵抗値が最
小になり、その結果、Nターンの巻線全体における損失
が最小になる。
て図面を参照して詳細に説明する。 [第1の実施の形態]まず、図1および図2を参照し
て、本発明の第1の実施の形態に係る平面コイルの構成
について説明する。図1は本実施の形態に係る平面コイ
ルの平面図、図2は図1におけるA−A線断面図であ
る。本実施の形態に係る平面コイルは、円板状の絶縁層
10と、この絶縁層10の一方の面に形成されたNター
ン(Nは2以上の整数)の巻線11とを備えている。図
1には、一例として5ターンの巻線11を示している。
絶縁層10の中心部分には円形の孔10aが形成されて
いる。巻線11は、孔10aの外周部と絶縁層10の外
周部との間の領域に配置されている。また、孔10aに
はコア(磁芯)を挿入できるようになっている。
巻き状に配置されて形成された導体パターンによって構
成されている。導体としては例えば銅が用いられる。巻
線11の両端部の位置には、巻線11と絶縁層10とを
貫通するスルーホール12が形成されている。このスル
ーホール12は、例えば、平面コイルの端子として用い
られたり、複数の平面コイルを並列または直列に接続す
る際の接続部として用いられる。
ば、絶縁基板の一面に導体層が形成されたプリント基板
における導体層をエッチングすることによって製造して
もよいし、導体板を打ち抜いて製造してもよい。また、
スパッタ法等の薄膜形成技術によって絶縁基板の一面に
導体パターンを形成することによって製造してもよい。
線11は、Nターンの巻線部分を含み、内側からnター
ン(nは1以上、N以下の整数)目の巻線部分の内周部
の半径(以下、内半径と言う。)をri(n)、外周部の半
径(以下、外半径と言う。)をro(n)とし、最も内側の
巻線部分の内半径rmin、最も外側の巻線部分の外半径
と最も内側の巻線部分の内半径との差Wtotal、および
隣接するターン間における巻線部分間の距離Dが与えら
れたときに、以下の式(1)で表されるAの値が最小と
なるようにri(n)およびro(n)が定められている。ただ
し、ri(1)=r min、ri(n+1)−ro(n)=D、ro(N)−
ri(1)=Wtotalである。また、logxはxの自然対数で
ある。
うにri(n)およびro(n)を設定することにより、巻線1
1の全体の抵抗値が最小になり、その結果、巻線11の
全体における損失が最小になる。以下、このことを詳し
く説明する。
のリング状の導体パターンを考える。この導体パターン
の抵抗値は、幅drが充分微小であるならば、(2πr
×ρ)/(t×dr)で表してよい。ここで、ρは導体
の体積抵抗率である。従って、導体パターンのコンダク
タンス、つまり抵抗値の逆数は、(t×dr)/(2π
r×ρ)となる。
ターンは、上述のような微小な幅drを持つリング状の
導体パターンが並列に接続しているものと等価であると
考えられる。従って、厚さt、内半径ri、外半径roの
リング状の導体パターンのコンダクタンスは、以下の式
(2)のように、(t×dr)/(2πr×ρ)をr i
〜roの範囲で積分することによって求めることができ
る。
の導体パターンの抵抗値Rは、この導体パターンのコン
ダクタンスの逆数であるから、以下の式(3)で表され
る。
N個のリング状の導体パターン(巻線部分)が直列に接
続されているものと同等と考えられる。従って、Nター
ンの巻線11全体の抵抗値Rtotalは、以下の式(4)
で表される。
min、最も外側の巻線部分の外半径と最も内側の巻線部
分の内半径との差Wtotal、および隣接するターン間に
おける巻線部分間の距離Dが与えられたときに、巻線1
1全体の抵抗値を最小にするには、前記の式(1)で表
されるAの値が最小となるようにri(n)およびro(n)を
設定すればよい。
値は、解析的に求めるのは難しいが、コンピュータを利
用した数値計算によって求めることができる。
施例について説明すると共に、実施例の平面コイルと比
較例の平面コイルとで、計算で求めた抵抗値を比較した
結果について説明する。
図2に示したように、5ターンの巻線11を備えたもの
である。この平面コイルでは、巻線11を構成する導体
として銅を用い、導体の厚さtを0.5mm、最も内側
の巻線部分の内半径rminを4mm、最も外側の巻線部
分の外半径と最も内側の巻線部分の内半径との差Wto
talを12mm、隣接するターン間における巻線部分間
の距離Dを0.7mmとした。この平面コイルについ
て、コンピュータを利用した数値計算により式(1)で
表されるAの値が最小となるときの各ターン毎の巻線部
分の内半径ri(n)および外半径ro(n)を求めると共に、
巻線11全体の抵抗値Rtotalを求めた。なお、銅の体
積抵抗率は1.72×10-8(Ωm)とした。また、以
下、各ターン毎の巻線部分の幅ro(n)−ri(n)をW(n)
で表す。
である。第1の比較例の平面コイルは、円板状の絶縁層
110と、この絶縁層110の一方の面に形成された5
ターンの巻線111とを備えている。この平面コイルで
は、各ターン毎の巻線部分の幅W(n)を一定にしてい
る。第1の比較例の平面コイルにおけるその他の条件は
第1の実施例と同様である。
である。第2の比較例の平面コイルは、円板状の絶縁層
120と、この絶縁層120の一方の面に形成された5
ターンの巻線121とを備えている。この平面コイルで
は、各ターン毎の巻線部分の内半径ri(n)と巻線部分の
幅W(n)との比ri(n)/W(n)を一定にしている。第2の
比較例の平面コイルにおけるその他の条件は第1の実施
例と同様である。
比較例のそれぞれの平面コイルにおける各ターン毎の巻
線部分の幅W(n)と巻線全体の抵抗値Rtotalは、下記の
表に示したようになる。
の平面コイルでは、巻線全体の抵抗値Rtotalを、第1
の比較例の平面コイルに比べて10.63%低減でき、
第2の比較例の平面コイルに比べて0.38%低減でき
る。
が、4ターンの巻線11を備えたものである。この平面
コイルでは、巻線11を構成する導体として銅を用い、
導体の厚さtを0.06mm、最も内側の巻線部分の内
半径rminを3mm、最も外側の巻線部分の外半径と最
も内側の巻線部分の内半径との差Wtotalを5mm、隣
接するターン間における巻線部分間の距離Dを0.2m
mとした。この平面コイルについて、コンピュータを利
用した数値計算により式(1)で表されるAの値が最小
となるときの各ターン毎の巻線部分の内半径ri(n)およ
び外半径ro(n)を求めると共に、巻線11全体の抵抗値
Rtotalを求めた。
巻線を備え、各ターン毎の巻線部分の幅W(n)を一定に
したものである。第3の比較例の平面コイルにおけるそ
の他の条件は第2の実施例と同様である。
巻線を備え、各ターン毎の巻線部分の内半径ri(n)と巻
線部分の幅W(n)との比ri(n)/W(n)を一定にしたもの
である。第4の比較例の平面コイルにおけるその他の条
件は第2の実施例と同様である。
比較例のそれぞれの平面コイルにおける各ターン毎の巻
線部分の幅W(n)と巻線全体の抵抗値Rtotalは、下記の
表に示したようになる。
の平面コイルでは、巻線全体の抵抗値Rtotalを、第3
の比較例の平面コイルに比べて6.31%低減でき、第
4の比較例の平面コイルに比べては0.05%とわずか
ではあるが低減できる。
平面コイルによれば、式(1)で表されるAの値が最小
となるようにri(n)およびro(n)を設定したので、巻線
11全体の抵抗値を最小にすることができる。従って、
本実施の形態によれば、限られた空間の中で損失が最小
になるように巻線11を配置することができ、その結
果、導体の抵抗による損失を低減することができる。ま
た、本実施の形態に係る平面コイルによれば、各ターン
毎の巻線部分の幅W(n)を一定にした平面コイルや、各
ターン毎の巻線部分の内半径ri(n)と巻線部分の幅W
(n)との比ri(n)/W(n)を一定にした平面コイルに比べ
ても、巻線11全体の抵抗値を低減することができる。
の実施の形態に係る平面コイルの構成について説明す
る。図5は本実施の形態に係る平面コイルの平面図、図
6は図5に示した平面コイルの右側面図、図7は図5に
おけるB−B線断面図である。これらの図に示したよう
に、本実施の形態に係る平面コイルは、それぞれ箔状を
含む平板状の導体によって形成された導体パターンより
なり、厚さ方向に積層された4つの巻線21〜24と、
各巻線間に配置された3つの絶縁層20と、これら巻線
21〜24および絶縁層20の積層体に装着されたE型
のコア25A,25Bとを備えている。導体としては例
えば銅が用いられる。
20とを示す平面図、図9は上から2番目の巻線22と
その下の絶縁層20とを示す平面図、図10は上から3
番目の巻線23とその下の絶縁層20とを示す平面図、
図11は最下層の巻線24を示す平面図、図12は絶縁
層20を示す平面図である。
ぼ円板状をなしている。絶縁層20の中心部分には円形
の孔20aが形成されている。また、絶縁層20は、外
周部の一部が半径方向外側に膨出した膨出部20bを有
している。各巻線21〜24は、孔20aの外周部と絶
縁層20の外周部との間の領域に配置されている。
平板状の導体が渦巻き状に配置されて形成された導体パ
ターンによって構成されている。また、巻線21〜24
はNターン(Nは2以上の整数)の巻線となっている。
図8ないし図11には、一例として、5ターンの巻線2
1〜24を示している。
1,23は内側から外側にかけて時計回り方向に巻回さ
れている。また、巻線21,23の外側の端部は、絶縁
層20の膨出部20bにおいて右側の位置に配置されて
いる。この巻線21,23の外側の端部が配置された位
置には、3つの絶縁層20および巻線21,23を貫通
するスルーホール26aが形成されている。巻線21,
23の外側の各端部は、このスルーホール26aを介し
て互いに電気的に接続されている。
巻線22,24は内側から外側にかけて反時計回り方向
に巻回されている。また、巻線22,24の外側の端部
は、絶縁層20の膨出部20bにおいて左側の位置に配
置されている。この巻線22,24の外側の端部が配置
された位置には、3つの絶縁層20および巻線22,2
4を貫通するスルーホール26bが形成されている。巻
線22,24の外側の各端部は、このスルーホール26
bを介して互いに電気的に接続されている。
1〜24の内側の端部は、互いに重なる位置に配置され
ている。この巻線21〜24の内側の端部が配置された
位置には、3つの絶縁層20および巻線21〜24を貫
通するスルーホール28が形成されている。巻線21〜
24の内側の各端部は、このスルーホール28を介して
互いに電気的に接続されている。
列に接続され、巻線22と巻線24も並列に接続されて
いる。巻線21,23と巻線22,24は直列に接続さ
れている。従って、巻線21〜24が全て5ターンの場
合には、巻線21〜24によって10ターンの巻線が構
成される。
a、26bには、例えば、端子27が挿入されるように
なっている。
5A,25Bは、中央の凸部同士が絶縁層20の孔20
aを通って突き合わされるように配置されている。
導体層が形成された両面プリント基板における各導体層
をエッチングすることによって形成してもよい。巻線2
3と巻線24も同様の方法で形成してもよい。この場合
には、絶縁層20を介して2枚の両面プリント基板を積
層することによって、巻線21〜24および絶縁層20
の積層体を形成することができる。あるいは、巻線22
と巻線23を、両面プリント基板における各導体層をエ
ッチングすることによって形成し、この両面プリント基
板の上下に絶縁層を介して片面プリント基板を積層した
後、表面に出ている2つの片面プリント基板の各導体層
をエッチングして巻線21と巻線24を形成すること
で、巻線21〜24および絶縁層20の積層体を形成し
てもよい。あるいは、導体板を打ち抜いて巻線21〜2
4を形成し、これらを、ポリイミドフィルム等の絶縁層
を介して積層することで、巻線21〜24および絶縁層
20の積層体を形成してもよい。また、スパッタ法等の
薄膜形成技術によって、巻線21〜24および絶縁層2
0の積層体を形成してもよい。
各巻線21〜24は、第1の実施の形態における巻線1
1と同様に、Nターンの巻線部分を含み、内側からnタ
ーン目の巻線部分の内半径をri(n)、外半径をro(n)と
し、最も内側の巻線部分の内半径rmin、最も外側の巻
線部分の外半径と最も内側の巻線部分の内半径との差W
total、および隣接するターン間における巻線部分間の
距離Dが与えられたときに、式(1)で表されるAの値
が最小となるようにri(n)およびro(n)が定められてい
る。
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
の実施の形態に係る平面トランスの構成について説明す
る。図13は本実施の形態に係る平面トランスの平面
図、図14は図13に示した平面トランスの右側面図、
図15は図13におけるC−C線断面図である。これら
の図に示したように、本実施の形態に係る平面トランス
は、それぞれ箔状を含む平板状の導体によって形成され
た導体パターンよりなり、厚さ方向に積層された4つの
巻線31〜34と、各巻線間に配置された3つの絶縁層
30と、これら巻線31〜34および絶縁層30の積層
体に装着されたE型のコア35A,35Bとを備えてい
る。導体としては例えば銅が用いられる。巻線31〜3
4は、本発明における「平面的に形成され、厚さ方向に
積層された複数の巻線」に対応する。
層30とを示す平面図、図17は上から2番目の巻線3
2とその下の絶縁層30とを示す平面図、図18は上か
ら3番目の巻線33とその下の絶縁層30とを示す平面
図、図19は最下層の巻線34を示す平面図、図20は
絶縁層30を示す平面図である。
ぼ円板状をなしている。絶縁層30の中心部分には円形
の孔30aが形成されている。また、絶縁層30は、外
周部の一部が半径方向外側に膨出した膨出部30b,3
0cを有している。膨出部30b,30cは、孔30a
中心として互いに対称な位置に配置されている。各巻線
31〜34は、孔30aの外周部と絶縁層30の外周部
との間の領域に配置されている。なお、図20では図示
していないが、巻線32,33の間に配置された絶縁層
30には、後述するスルーホール38が形成されてい
る。
31,34は、それぞれ、1ターンの巻線になってい
る。巻線31,34のそれぞれの一端部は、絶縁層30
の膨出部30cにおいて右側の位置に配置されている。
この巻線31,34の一端部が配置された位置には、3
つの絶縁層30および巻線31,34を貫通するスルー
ホール39aが形成されている。巻線31,34の一端
部は、このスルーホール39aを介して互いに電気的に
接続されている。また、巻線31,34のそれぞれの他
端部は、絶縁層30の膨出部30cにおいて左側の位置
に配置されている。この巻線31,34の他端部が配置
された位置には、3つの絶縁層30および巻線31,3
4を貫通するスルーホール39bが形成されている。巻
線31,34の他端部は、このスルーホール39bを介
して互いに電気的に接続されている。従って、巻線3
1,34は並列に接続されている。
に、巻線32,33は、それぞれ、箔状を含む平板状の
導体が渦巻き状に配置されて形成された導体パターンに
よって構成されている。また、巻線32,33はNター
ン(Nは2以上の整数)の巻線となっている。図17お
よび図18には、一例として、5ターンの巻線32,3
3を示している。
ら外側にかけて反時計回り方向に巻回されている。ま
た、巻線32の外側の端部は、絶縁層30の膨出部30
bにおいて左側の位置に配置されている。この巻線32
の外側の端部が配置された位置には、3つの絶縁層30
および巻線32を貫通するスルーホール36bが形成さ
れている。
ら外側にかけて時計回り方向に巻回されている。また、
巻線33の外側の端部は、絶縁層30の膨出部30bに
おいて右側の位置に配置されている。この巻線33の外
側の端部が配置された位置には、3つの絶縁層30およ
び巻線33を貫通するスルーホール36aが形成されて
いる。
32,33の内側の端部は、互いに重なる位置に配置さ
れている。この巻線32,33の内側の端部が配置され
た位置には、巻線32,33とこれらの間に配置された
絶縁層30とを貫通するスルーホール38が形成されて
いる。巻線32,33の内側の各端部は、このスルーホ
ール38を介して互いに電気的に接続されている。従っ
て、巻線32と巻線33は直列に接続されている。巻線
32,33がそれぞれ5ターンの場合には、巻線32,
33によって10ターンの巻線が構成される。
a、36bには、例えば、端子37が挿入され、スルー
ホール39には、例えば、端子40が挿入されるように
なっている。
35A,35Bは、中央の凸部同士が絶縁層30の孔3
0aを通って突き合わされるように配置されている。
導体層が形成された両面プリント基板における各導体層
をエッチングすることによって形成してもよい。巻線3
3と巻線34も同様の方法で形成してもよい。この場合
には、絶縁層30を介して2枚の両面プリント基板を積
層することによって、巻線31〜34および絶縁層30
の積層体を形成することができる。あるいは、巻線32
と巻線33を、両面プリント基板における各導体層をエ
ッチングすることによって形成し、この両面プリント基
板の上下に絶縁層を介して片面プリント基板を積層した
後、表面に出ている2つの片面プリント基板の各導体層
をエッチングして巻線31と巻線34を形成すること
で、巻線31〜34および絶縁層30の積層体を形成し
てもよい。あるいは、導体板を打ち抜いて巻線31〜3
4を形成し、これらを、ポリイミドフィルム等の絶縁層
を介して積層することで、巻線31〜34および絶縁層
30の積層体を形成してもよい。また、スパッタ法等の
薄膜形成技術によって、巻線31〜34および絶縁層3
0の積層体を形成してもよい。
線31,34と、巻線32,33のうちの一方が一次巻
線となり、他方が二次巻線となる。
て、巻線32,33は、第1の実施の形態における巻線
11と同様に、Nターンの巻線部分を含み、内側からn
ターン目の巻線部分の内半径をri(n)、外半径をro(n)
とし、最も内側の巻線部分の内半径rmin、最も外側の
巻線部分の外半径と最も内側の巻線部分の内半径との差
Wtotal、および隣接するターン間における巻線部分間
の距離Dが与えられたときに、式(1)で表されるAの
値が最小となるようにri(n)およびro(n)が定められて
いる。
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
れず、種々の変更が可能である。例えば、巻線のターン
数や巻線の数は、実施の形態に示されたものに限定され
ず、任意に設定可能である。
板状以外の導体、例えば丸線の導体によって構成された
平面トランスにも適用することができる。
載の平面コイルもしくは請求項3記載の平面トランスに
よれば、式(1)で表されるAの値が最小となるように
ri(n)およびro(n)を設定することにより、限られた空
間の中で損失が最小になるように巻線を配置することが
でき、その結果、導体の抵抗による損失を低減すること
ができるという効果を奏する。
平面図である。
平面図である。
おける最上層の巻線とその下の絶縁層とを示す平面図で
ある。
おける上から2番目の巻線とその下の絶縁層とを示す平
面図である。
における上から3番目の巻線とその下の絶縁層とを示す
平面図である。
における最下層の巻線を示す平面図である。
における絶縁層を示す平面図である。
スの平面図である。
る。
スにおける最上層の巻線とその下の絶縁層とを示す平面
図である。
スにおける上から2番目の巻線とその下の絶縁層とを示
す平面図である。
スにおける上から3番目の巻線とその下の絶縁層とを示
す平面図である。
スにおける最下層の巻線を示す平面図である。
スにおける絶縁層を示す平面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 平板状の導体が渦巻き状に配置されて形
成された巻線を備えた平面コイルであって、 前記巻線はNターン(Nは2以上の整数)の巻線部分を
含み、内側からnターン(nは1以上、N以下の整数)
目の巻線部分の内周部の半径をri(n)、外周部の半径を
ro(n)とし、最も内側の巻線部分の内周部の半径
rmin、最も外側の巻線部分の外周部の半径と最も内側
の巻線部分の内周部の半径との差Wtotal、および隣接
するターン間における巻線部分間の距離Dが与えられた
ときに、式(1)で表されるAの値が最小となるように
ri(n)およびro(n)が定められていることを特徴とする
平面コイル。 【数1】 (ただし、ri(1)=rmin、ri(n+1)−ro(n)=D、ro
(N)−ri(1)=Wtotal) - 【請求項2】 前記巻線は複数設けられ、この複数の巻
線は、絶縁層を介して厚さ方向に積層され、且つ並列ま
たは直列に接続されていることを特徴とする請求項1記
載の平面コイル。 - 【請求項3】 平面的に形成され、厚さ方向に積層され
た複数の巻線と、各巻線間に配置された絶縁層とを備
え、複数の巻線のうちの一部の巻線が一次巻線となり、
複数の巻線のうちの他の一部の巻線が二次巻線となって
いる平面トランスであって、 複数の巻線のうちの少なくとも1つは、平板状の導体が
渦巻き状に配置されて形成されたNターン(Nは2以上
の整数)の巻線部分を含み、内側からnターン(nは1
以上、N以下の整数)目の巻線部分の内周部の半径をr
i(n)、外周部の半径をro(n)とし、最も内側の巻線部分
の内周部の半径rmin、最も外側の巻線部分の外周部の
半径と最も内側の巻線部分の内周部の半径との差W
total、および隣接するターン間における巻線部分間の
距離Dが与えられたときに、式(1)で表されるAの値
が最小となるようにri(n)およびro(n)が定められてい
ることを特徴とする平面トランス。 【数2】 (ただし、ri(1)=rmin、ri(n+1)−ro(n)=D、ro
(N)−ri(1)=Wtotal)
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