JP3488571B2 - ディファレンシャルケースの支持構造 - Google Patents

ディファレンシャルケースの支持構造

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JP3488571B2
JP3488571B2 JP12120096A JP12120096A JP3488571B2 JP 3488571 B2 JP3488571 B2 JP 3488571B2 JP 12120096 A JP12120096 A JP 12120096A JP 12120096 A JP12120096 A JP 12120096A JP 3488571 B2 JP3488571 B2 JP 3488571B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本願発明は、キャブオーバー型の四輪駆動
車などの車両において、車両前部のフレームにディファ
レンシャルケース(フロントディファレンシャルケー
ス)を適切に支持させるためのディファレンシャルケー
スの支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のディファレンシャルケー
スの支持構造の一例としては、たとえば実開平6−71
248号公報の図2に示されたものがある。この従来の
支持構造では、本願の図8に示すように、車両前部の両
サイド位置に配された一組のサイドフレーム1e,1e
にクロスメンバ15を連結し、このクロスメンバ15に
ディファレンシャルケース3の前部を支持させている。
また、ディファレンシャルケース3の後部には、2つの
ブラケット9A,9Bのそれぞれの一端部90a,90
bが連結されており、これらブラケット9A,9Bのそ
れぞれの他端部91a,91bは、上記サイドフレーム
1e,1eに連結されている。
【0003】なお、上記公報に所載の支持構造では、デ
ィファレンシャルケース3が車幅方向中央位置から適当
な寸法L1だけオフセットされている。これは、たとえ
ばキャブオーバー型の車両においてエンジンを車幅方向
中央に配置させると、このエンジンに繋がっているトラ
ンスミッションの出力軸や、これに繋がるプロペラシャ
フト30が車幅方向中央位置からオフセットされるから
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】車両前部の車体構造
は、車両の前方衝突時にクラッシュすることにより衝撃
力の吸収緩和が図れるように構成することが望まれる。
この場合、衝撃力の吸収緩和効果を高めるためには、車
両前部のクラッシュストロークをできる限り長くするこ
とが要請される。
【0005】しかしながら、上記従来におけるディファ
レンシャルケースの支持構造は、ディファレンシャルケ
ース3の前部や後部を、クロスメンバ15やサイドフレ
ーム1e,1eなどの車両のメインのフレーム部材に対
して強固に支持させた構造である。加えて、ディファレ
ンシャルケース3の後部には、プロペラシャフト30が
連結されており、このプロペラシャフト30がディファ
レンシャルケース3の支持強度を一層高めるかたちとな
っている。したがって、従来では、車両が前方衝突を行
ったときに、ディファレンシャルケース3の支持領域を
クラッシュさせることが難しいものとなっていた。むろ
ん、ディファレンシャルケース3は頑強に製作されるの
が一般的であり、このディファレンシャルケース自体を
クラッシュさせることも難しい。
【0006】結局、従来では、ディファレンシャルケー
ス3よりも前方と後方との各々の領域においてのみサイ
ドフレーム1e,1eがクラッシュする場合が多く、車
両前部のクラッシュストロークを長くする上で不利を生
じていた。その結果、従来では、クラッシュストローク
を長くする手段として、サイドフレームの寸法を長めに
設計するなどの配慮を払う必要があり、車両構造の設
計、製作面などにおいて大きな制約を受けるといった不
便を生じていた。
【0007】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、車両前部にディファレンシャル
ケースを設けている場合において、車両のフレームを長
めに形成するなどといった設計製作上の大きな制約を受
けることなく、車両の前方衝突時におけるクラッシュス
トロークを長くすることができるようにすることをその
課題としている。
【0008】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0009】すなわち、本願発明の第1の側面によれ
ば、車両前部の両サイド位置に配された一組のサイドフ
レームと、車幅方向中心位置からオフセットされたディ
ファレンシャルケースと、このディファレンシャルケー
スの後部を支持するためのブラケットとを備えたディフ
ァレンシャルケースの支持構造であって、上記一組のサ
イドフレームに取付けられたサブフレームを具備し、こ
のサブフレームの前部には、上記ディファレンシャルケ
ースの前部が連結されており、かつ、上記ブラケットの
車幅方向の両端部のうち、上記ディファレンシャルケー
スがオフセットされている方向に位置する第1の端部
は、上記一組のサイドフレームの一方に連結されている
とともに、上記第1の端部とは反対側に位置する第2の
端部は、上記サブフレームに連結されていることを特徴
としている。
【0010】本願発明においては、サイドフレームにサ
ブフレームを取付けているが、このサブフレームは、車
両の前方衝突時におけるサイドフレームのクラッシュに
伴わせて大きく変形させることが可能である。一方、デ
ィファレンシャルケースの前部は、上記サブフレームに
連結されているとともに、ディファレンシャルケースの
後部を支持するブラケットの第2の端部も上記サブフレ
ームに連結されている。したがって、車両の前方衝突時
に上記サブフレームを大きく変形させてクラッシュさせ
ることにより、ディファレンシャルケースを下降させる
などして、このディファレンシャルケースの支持領域を
実質的にクラッシュさせることが可能となる。その結
果、従来よりも、車両前部のクラッシュストロークを長
くする上で有利となる。また、クラッシュストロークを
長くするために、サブフレームの寸法を長めに形成する
といった必要性も少なくでき、車両の設計、製作上の制
約を緩和することもでき、便利である。
【0011】また、本願発明では、ディファレンシャル
ケースがオフセットされている方向に位置するブラケッ
トの第1の端部をサイドフレームに連結しているため
に、ディファレンシャルケースの中心からブラケットの
第1の端部の取付点までの距離を長くすることができ
る。したがって、ディファレンシャルケースを車幅方向
に回転させる方向のモーメントに対するブラケット強度
を高めることもできる。すなわち、サブフレームは、車
両衝突時におけるサブフレームの変形を容易とする理由
や、フロントサスペンションアームの支持用途にサブフ
レームが利用される場合が多いなどの理由から、サイド
フレームよりも車幅方向内方に屈曲したかたちに形成さ
れる場合が多々ある。このような場合において、サイド
フレームよりも車幅方向内方に位置するサブフレームの
一部分に、上記ブラケットの第1の端部を連結したので
は、この連結位置とこの連結位置に接近するようにオフ
セットされているディファレンシャルケースとの相互間
距離が非常に短くなってしまう。これではディファレン
シャルケースを車幅方向に回転させる方向のモーメント
に対するブラケット強度が低くなる。ところが、本願発
明では、このような不具合を生じさせることなく、ディ
ファレンシャルケースの支持が行える。
【0012】本願発明の好ましい実施の形態では、上記
ブラケットは、車両前方から所定値以上の負荷入力があ
ったときに上記第2の端部が車両後方へ移動する方向に
上記サブフレームから離脱可能であるとともに、上記第
1の端部が車幅方向内方への所定値以上の引張力を受け
たときに上記サイドフレームから離脱可能である構成と
することができる。
【0013】このような構成によれば、車両の前方衝突
時において、上記ブラケットに対してその前方から衝撃
力が入力すると、このブラケットの第2の端部をサブフ
レームから離脱させて車両後方へ移動させることができ
る。また、このように上記第2の端部を車両後方へ移動
させれば、ブラケットの第1の端部に対して車幅方向内
方への引張力を生じさせることができ、この第1の端部
をサイドフレームから離脱させることができる。このよ
うにして、ブラケットの第1の端部と第2の端部とをサ
イドフレームやサブフレームから離脱させると、ブラケ
ットによって支持されていたディファレンシャルケース
の後部をサブフレームの下方へ大きく下降させることが
できる。したがって、車両前部のクラッシュストローク
を長くする上で、一層有利となる。また、ディファレン
シャルケースの後部を大きく下降させれば、このディフ
ァレンシャルケースに連結されているプロペラシャフト
をディファレンシャルケースとの連結部分において破断
させることも容易となり、ディファレンシャルケースが
プロペラシャフトを後方へ押動するといった事態を解消
する効果も期待できる。
【0014】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記ブラケットの第2の端部と上記サブフレームとの連
結位置は、上記サブフレームの後部と上記サイドフレー
ムとの連結位置よりも車幅方向内方に位置している構成
とすることができる。
【0015】このような構成によれば、車両の前方衝突
時において上記ブラケットの第2の端部をサブフレーム
から離脱させて車両後方へ移動させるときに、この第2
の端部がサブフレームの後部とサイドフレームとの連結
位置に引っ掛かりを生じるようなことを無くすことがで
きる。したがって、ブラケットの第2の端部の後方移動
を適切に行わせて、衝突時におけるディファレンシャル
ケースの下降動作の確実化を図る上で有利となる。
【0016】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記ブラケットの第1の端部と第2の端部とのそれぞれ
には、これら第1の端部と第2の端部とを上記サイドフ
レームとサブフレームとに締結する締結部材を挿通する
ための切欠孔が設けられており、かつ、上記第1の端部
の切欠孔は、車幅方向外方を向く切欠開口状であるとと
もに、上記第2の端部の切欠孔は、車両前方を向く切欠
開口状である構成とすることができる。
【0017】このような構成によれば、上記ブラケット
の第2の端部は、車幅方向外方を向く切欠開口状の切欠
孔に締結部材が挿通することによりサイドフレームとの
連結が図られているために、この第2の端部に車両前方
から負荷入力があると、この第2の端部を車両後方へ移
動させるように上記サイドフレームから離脱させること
ができる。一方、上記ブラケットの第1の端部は、車幅
方向外方を向く切欠開口状の切欠孔に締結部材を挿通す
ることによりサブフレームとの連結が図られているため
に、この第1の端部を車幅方向内方へ引っ張る方向の力
が作用したときに、上記サブフレームとの連結を解除す
ることができる。したがって、車両が前方衝突を行い、
上記ブラケットが車両前方から所定値以上の荷重を受け
たときには、上記ブラケットの第2の端部をサブフレー
ムから離脱させた後に、第1の端部をサイドフレームか
ら離脱させることが可能となり、ディファレンシャルケ
ースの後部を下降させることができる。
【0018】本願発明の第2の側面によれば、ディファ
レンシャルケースを支持するためのブラケットを具備
し、かつこのブラケットの車幅方向の両端部のそれぞれ
は、車両前部に配されたフレームに連結されているディ
ファレンシャルケースの支持構造であって、上記ブラケ
ットの一端部は、車両前方から所定値以上の負荷入力が
あったときに車両後方へ移動する方向に上記フレームか
ら離脱可能であるとともに、上記ブラケットの他端部
は、車幅方向内方への所定値以上の引張力を受けたとき
に上記フレームから離脱可能であることを特徴としてい
る。
【0019】上記フレームとしては、サイドフレームや
サブフレームなどの種類を問わず、車両前部に配されて
いる種々のフレームを適用することが可能である。
【0020】本願発明においては、車両が前方衝突を行
い、ディファレンシャルケースを支持するブラケットに
対して車両前方から所定値以上の負荷が入力すると、上
記ブラケットの一端部をフレームから離脱させて、車両
後方へ移動させることができる。また、このブラケット
の一端部の車両後方への移動により、ブラケットの他端
部には、引張力を生じさせることができ、このブラケッ
トの他端部についてもフレームからも離脱させることが
できる。したがって、ブラケットの両端部をともにフリ
ーな状態として、このブラケットによって支持されてい
るディファレンシャルケースを下降させることが可能と
なる。その結果、ディファレンシャルケースの支持領域
を実質的にクラッシュさせることが可能となり、車両前
部のクラッシュストロークを長くする上で有利となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0022】図1は、本願発明に係るディファレンシャ
ルケースの支持構造の一例を示す平面図である。図2
は、図1の側面図である。図3は、図1のA部拡大平面
断面図である。図4は、図1のB部拡大平面断面図であ
る。なお、図1において、矢印Frは車両前方を示し、
矢印Wは車幅方向を示している。
【0023】本実施形態に係るディファレンシャルケー
スの支持構造は、キャブオーバー型四輪駆動車に適用さ
れたものであり、車両前部の両サイド位置に配された一
組のサイドフレーム1,1、サブフレーム2、ディファ
レンシャルケース3、およびこのディファレンシャルケ
ース3の後部を支持するためのブラケット4を具備して
構成されている。
【0024】上記サイドフレーム1,1の各々は、車両
前後方向に延びており、車幅方向に一定の間隔を隔てて
配されている。これらサイドフレーム1,1の相互間に
は、クロスメンバ10が架け渡されて連結されている。
【0025】上記サブフレーム2は、たとえば平面視略
H字状に形成されており、車幅方向に間隔を隔てて配置
された2本のアーム材20,20(20a,20b)
と、これらアーム材20,20の前部どうしを相互に繋
ぐ連結材21とを具備して構成されている。このサブフ
レーム2は、上記サイドフレーム1,1の下面側に固定
して取付けられている。具体的には、各アーム材20の
前端部は、各サイドフレーム1の前端部の下面にボルト
5aによって連結されているとともに、各アーム材20
の後端部は、サイドフレーム1の下方へ突出したクロス
メンバ10の下面にボルト5bによって連結されてい
る。
【0026】図2によく表れているように、上記各アー
ム材20の前部には、前上がり状に傾斜した傾斜部22
が設けられている。この傾斜部22は、車両の前方衝突
時にアーム材20の前部を車両後方へ曲げ変形し易く
し、各アーム材20の傾斜部22よりも後方の部分を下
方へ膨らませるように変形させるのに役立つ。また、図
1に示すように、上記各アーム材20は、ボルト5a,
5bによってボルト止めされる前後両端部よりも、長手
方向中央部の方が車幅方向内方へ位置するように、平面
視形状においても屈曲した形状に形成されている。これ
は、車両の前方衝突時において、各アーム材20を車幅
方向内方へ大きく曲げ変形させるのに有効である。サブ
フレーム2の各アーム材20は、このように平面視形状
において屈曲した形状に形成されている結果、その長手
方向略中央部分は、サイドフレーム1,1よりも車幅方
向内方に位置している。
【0027】上記各アーム材20は、フロントサスペン
ションのサスペンションアーム(図示略)の一端部を支
持する用途にも利用可能である。サブフレーム2の各ア
ーム材20が車幅方向内方へ屈曲した形状であれば、サ
スペンションアームの寸法を一定寸法以上に確保するこ
とも容易となり、サスペンションアームの取付けにも便
宜が図れることとなる。
【0028】上記ディファレンシャルケース3は、プロ
ペラシャフト30の回転力を車軸31に伝達するディフ
ァレンシャルギヤを内装したものである。既述したとお
り、キャブオーバー型自動車では、エンジンを車幅方向
中央に搭載した場合であっても、それに繋がったトラン
スミッションの出力軸が車幅方向中央から位置ずれす
る。したがって、上記ディファレンシャルケース3は、
車幅方向中央位置から、適当な寸法Lだけ車幅方向片側
へオフセットされている。上記ディファレンシャルケー
ス3の前部3aは、サブフレーム2の連結材21に対し
て適当なブラケット6を介して連結されている。この連
結に際しては、防振機能を発揮するゴムブッシュなどが
利用される。
【0029】上記ブラケット4は、たとえば軽量化の観
点から円筒状などのパイプ材を主要部材として形成され
ている。ただし、その長手方向の両端部4a,4bにつ
いては、後述する所定位置への取付けが容易に行えるよ
うに偏平なプレート状に形成されている。このブラケッ
ト4は、ディファレンシャルケース3の後部3bに連結
された支持板32を貫通し、車幅方向に延びている。本
実施形態では、ディファレンシャルケース3の後部を1
つのブラケット4のみによって支持しているが、本願発
明はこれに限定されず、たとえば図8において説明した
従来の構造と同様に、2つのブラケットを用いてディフ
ァレンシャルケース3の後部を支持してもよい。
【0030】上記ブラケット4の両端部(第1の端部と
第2の端部)4a,4bのうち、上記ディファレンシャ
ルケース3がオフセットされている方向に位置する第1
の端部4aは、サイドフレーム1の下面部に連結されて
いる。また、この部分の連結構造は、図4に示すよう
に、第1の端部4aに設けられた切欠孔41aにマウン
ト用のボルト7aが挿入し、このボルト7aによって第
1の端部4aがサイドフレーム1に締結された構造とな
っている。上記切欠孔41aの切欠開口部40aは、車
幅方向外方を向いている。したがって、このような締結
構造によれば、図4の矢印N1方向に所定値以上の大き
な引張力が第1の端部4aに作用したときに、この部分
の連結状態を解除させて、第1の端部4aを上記引張方
向に移動させることができる。上記ボルト7aとして
は、防振マウント用のものが用いられるが、これは他方
の第2の端部4bの連結部分についても同様である。
【0031】上記ブラケット4の第2の端部4bは、サ
ブフレーム2のアーム材20(20b)の上面部に連結
されている。この部分の連結構造は、図3に示すよう
に、第2の端部4bに設けられた切欠孔41bにマウン
ト用のボルト7bが挿入し、このボルト7bによって第
2の端部4bがサブフレーム2に締結された構造となっ
ている。上記切欠孔41bの切欠開口部40bは、車両
前方を向いている。したがって、このような締結構造に
よれば、上記第2の端部4bに対し、図3の矢印N2方
向に所定値以上の負荷が入力したときに、この部分の連
結状態を解除させて、第2の端部4bを車両後方へ移動
させることができる。また、図1に示すように、上記第
2の端部4bとサブフレーム2との連結位置は、サブフ
レーム2のアーム材20(20b)の後端部とサイドフ
レーム1との連結位置Cよりも、車幅方向内方に適当な
寸法Laだけオフセットしている。
【0032】次に、上記構成のディファレンシャルケー
スの支持構造の作用について説明する。
【0033】まず、通常時においては、ディファレンシ
ャルケース3に対して、プロペラシャフト30を中心と
してこのディファレンシャルケース3を車幅方向に回転
させる方向のモーメントM1と、ディファレンシャルケ
ース3を車両前後方向に回転させる方向のモーメントM
2とが作用する。これに対し、ブラケット4の第1の端
部4aは、サブフレーム2のアーム材20(20a)に
は連結されておらず、それよりも車幅方向外方に位置す
る一方のサイドフレーム1の下面部まで延伸されて、こ
の位置に連結されている。したがって、ディファレンシ
ャルケース3の中心位置からブラケット4の第1の端部
4aの取付点までの距離Lcを長くすることができる。
一方、ブラケット4の第2の端部4bについてはサブフ
レーム2のアーム材20(20b)に連結されている
が、ディファレンシャルケース3は第2の端部4bとは
車幅方向反対側にオフセットされているために、ディフ
ァレンシャルケース3の中心位置から第2の端部4bの
取付点までの距離についても長くすることができる。し
たがって、上記モーメントM1に対するブラケット4の
強度を高めておくことができる。
【0034】一方、上記ディファレンシャルケース3
は、その前部3aがサブフレーム2の前部に取付けられ
ているとともに、その後部3bがそれよりも車両後方に
位置するブラケット4によって支持されている。したが
って、ディファレンシャルケース3の前後部2a,2b
の支持スパンも大きくすることができ、上記モーメント
M2に対するディファレンシャルケース3の支持強度を
も高めておくことができる。
【0035】次に、図5に示すように、車両前部がバリ
ヤ8に衝突すると、衝撃力Fがサイドフレーム1,1に
入力し、このサイドフレーム1,1がクラッシュする。
また、上記衝撃力Fはサブフレーム2にも入力するため
に、このサブフレーム2の各アーム材20は下方へ膨ら
むように大きく変形する。したがって、このアーム材2
0にブラケット4を介して支持されているディファレン
シャルケース3の後部は、上記アーム材20の変形に伴
って下降する。また、サブフレーム2の前部に形成され
ている傾斜部22については、その上部側が車両後方へ
移動するように変形するために、この傾斜部22に前部
3aが支持されているディファレンシャルケース3に
は、後部3bが下降する方向の回転力が生じることとな
る。したがって、ディファレンシャルケース3の下降動
作をより円滑なものとすることができ、ディファレンシ
ャルケース3の支持領域を実質的にクラッシュさせるこ
とができる。
【0036】また、上記サブフレーム2の変形に伴っ
て、上記衝撃力Fの一部がブラケット4に入力すると、
この力はブラケット4を車両後方へ押圧する力として作
用する。すると、この力によってブラケット4の第2の
端部4bはサブフレーム2から離脱し、車両後方へ移動
する。上記第2の端部4bは、サブフレーム2とサイド
フレーム1との連結位置Cよりも車幅方向内方において
サブフレーム2に連結されていたために、この第2の端
部4bが車両後方へ移動するときに、上記連結位置Cに
接触して、それ以上車両後方へ移動することが妨げられ
るようなことはない。したがって、上記第2の端部4b
を車両後方へ大きく移動させることができる。
【0037】次いで、上記のようにして第2の端部4b
が車両後方へ移動すると、ブラケット4の第1の端部4
aは、車幅方向内方への引張力Tを受けることとなる。
したがって、この引張力Tによって上記第1の端部4a
がサイドフレーム1から離脱し、車幅方向に引っ張られ
る。
【0038】このようにして、ブラケット4の第1の端
部4aと第2の端部4bとのそれぞれの固定状態が解除
されると、図6に示すように、もはやブラケット4によ
るディファレンシャルケース3の後部3bの支持状態は
解消されてしまい、ディファレンシャルケース3の後部
をさらに大きく下降させることができる。したがって、
車両前部のクラッシュストロークを一層長くすることが
できる。また、このようにディファレンシャルケース3
の後部を大きく下降させれば、このディファレンシャル
ケース3とプロペラシャフト30との連結角度を鋭角に
でき、これら両者の連結部分の破断が容易となる。これ
ら両者の連結部分を破断させれば、プロペラシャフト3
0がディファレンシャルケース3によって車両後方へ押
動されるようなことも無くすことができる。
【0039】図7は、本願発明に係るディファレンシャ
ルケースの支持構造の他の例を示す平面図である。な
お、先に説明した実施形態と同一部位は、同一符号で示
す。
【0040】本実施形態に係るディファレンシャルケー
スの支持構造は、ディファレンシャルケース3の後部3
bを支持するブラケット4の両端部4a,4bが、いず
れもサイドフレーム1に連結されている点で、先に説明
した実施形態とは、その構成が相違している。すなわ
ち、本実施形態に係るディファレンシャルケースの支持
構造では、ブラケット4の第2の端部4bについては、
サイドフレーム1の下面部にボルト7bによって締結さ
れている。また、この第2の端部4bには、車両前方を
向く切欠開口部40bを備えた切欠孔41bが設けられ
ており、車両前方から所定値以上の負荷が入力したとき
には、この第2の端部4bは、上記サイドフレーム1か
ら離脱して車両後方へ移動し、下降するようになってい
る。図7に示すように、サブフレーム2のアーム材20
(20b)を、図1に示したサブフレーム2のアーム材
20(20b)よりも車幅方向外側に配置させておけ
ば、上記第2の端部4bを適切に下降させることが可能
である。また、上記第2の端部4bとサイドフレーム1
との連結位置を、サブフレーム2の後部とサイドフレー
ム1との連結位置Cよりも適当な寸法Lbだけ前方に配
置させておけば、上記第2の端部4bを上記寸法Lbと
略同等な寸法分だけ車両後方へ移動させることが可能で
ある。ブラケット4の第1の端部4aについては、先の
実施形態と同様に、車幅方向内方へ所定値以上の引張力
を受けたときにサイドフレーム1から車幅方向内方へ離
脱可能に構成されており、その説明は省略する。
【0041】上記構成のディファレンシャルケースの支
持構造では、車両の前方衝突時において、その衝撃力が
ディファレンシャルケース3に入力したときに、ブラケ
ット4の第1の端部4aと第2の端部4bとのそれぞれ
をサイドフレーム1,1から離脱させることが可能であ
る。また、ディファレンシャルケース3の前部3aにつ
いては、サブフレーム2に連結されているために、サブ
フレーム2の変形に伴わせてディファレンシャルケース
3の後部を下降させる方向に回転力を生じさせることも
できる。したがって、このような作用によって、ディフ
ァレンシャルケース3を下降させることが可能となっ
て、やはりディファレンシャルケース3の支持領域を実
質的にクラッシュさせることができ、車両前部のクラッ
シュストロークを長くすることができることとなる。
【0042】このように、本願発明では、ディファレン
シャルケースを支持するブラケットの両端部の一方をサ
ブフレームに、他方をサイドフレームに連結させた構造
とするだけではなく、ブラケットの両端部をサイドフレ
ームに連結させた構造としてもよい。また、本願発明は
これ以外の態様として、たとえばブラケットの両端部を
サブフレームに連結し、車両の衝突時においてこれら両
端部がサブフレームから所定の方向に離脱するように構
成してもよい。
【0043】また、上述した各実施形態では、ブラケッ
ト4の第1の端部4aと第2の端部4bとに、所定方向
に開口した切欠孔41a,41bを設けて、これらの切
欠孔41a,41bを利用した締結を行うことにより、
ブラケット4が一定条件下でサイドフレームやサブフレ
ームから離脱するように構成したが、本願発明はやはり
これに限定されない。本願発明では、たとえばブラケッ
ト4の適当な位置に一定の方向性を持って破断する破断
容易な部分を設けるなどの手段を採用することによっ
て、ブラケット4の第1の端部と第2の端部とを所定の
フレームから離脱させるようにしてもよい。
【0044】その他、本願発明に係るディファレンシャ
ルケースの支持構造の各部の具体的な構成は種々に設計
変更自在である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るディファレンシャルケースの支
持構造の一例を示す平面図。
【図2】図1の側面図。
【図3】図1のA部拡大平面断面図。
【図4】図1のB部拡大平面断面図。
【図5】図1に示すディファレンシャルケースの支持構
造のクラッシュ時の状態を示す平面図。
【図6】図1に示すディファレンシャルケースの支持構
造のクラッシュ時の状態を示す側面図。
【図7】本願発明に係るディファレンシャルケースの支
持構造の他の例を示す平面図。
【図8】従来におけるディファレンシャルケースの支持
構造の一例を示す平面図。
【符号の説明】
1 サイドフレーム(フレーム) 2 サブフレーム(フレーム) 3 ディファレンシャルケース 3a 前部(ディファレンシャルケースの) 3b 後部(ディファレンシャルケースの) 4 ブラケット 4a 第1の端部 4b 第2の端部 7a,7b ボルト(締結部材) 40a,40b 切欠開口部 41a,41b 切欠孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−109919(JP,A) 特開 平6−278486(JP,A) 特開 平7−266905(JP,A) 特開 平7−117502(JP,A) 特開 昭55−79709(JP,A) 実開 平6−71248(JP,U) 実開 昭60−110129(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 17/00 - 17/26 B62D 21/00 - 21/20 B60G 1/00 - 25/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前部の両サイド位置に配された一組
    のサイドフレームと、車幅方向中心位置からオフセット
    されたディファレンシャルケースと、このディファレン
    シャルケースの後部を支持するためのブラケットとを備
    えたディファレンシャルケースの支持構造であって、 上記一組のサイドフレームに取付けられたサブフレーム
    を具備し、 このサブフレームの前部には、上記ディファレンシャル
    ケースの前部が連結されており、かつ、 上記ブラケットの車幅方向の両端部のうち、上記ディフ
    ァレンシャルケースがオフセットされている方向に位置
    する第1の端部は、上記一組のサイドフレームの一方に
    連結されているとともに、 上記第1の端部とは反対側に位置する第2の端部は、上
    記サブフレームに連結されていることを特徴とする、デ
    ィファレンシャルケースの支持構造。
  2. 【請求項2】 上記ブラケットは、車両前方から所定値
    以上の負荷入力があったときに上記第2の端部が車両後
    方へ移動する方向に上記サブフレームから離脱可能であ
    るとともに、上記第1の端部が車幅方向内方への所定値
    以上の引張力を受けたときに上記サイドフレームから離
    脱可能である、請求項1に記載のディファレンシャルケ
    ースの支持構造。
  3. 【請求項3】 上記ブラケットの第2の端部と上記サブ
    フレームとの連結位置は、上記サブフレームの後部と上
    記サイドフレームとの連結位置よりも車幅方向内方に位
    置している、請求項2に記載のディファレンシャルケー
    スの支持構造。
  4. 【請求項4】 上記ブラケットの第1の端部と第2の端
    部とのそれぞれには、これら第1の端部と第2の端部と
    を上記サイドフレームとサブフレームとに締結する締結
    部材を挿通するための切欠孔が設けられており、かつ、 上記第1の端部の切欠孔は、車幅方向外方を向く切欠開
    口状であるとともに、上記第2の端部の切欠孔は、車両
    前方を向く切欠開口状である、請求項2または3に記載
    のディファレンシャルケースの支持構造。
  5. 【請求項5】 ディファレンシャルケースを支持するた
    めのブラケットを具備し、かつこのブラケットの車幅方
    向の両端部のそれぞれは、車両前部に配されたフレーム
    に連結されているディファレンシャルケースの支持構造
    であって、 上記ブラケットの一端部は、車両前方から所定値以上の
    負荷入力があったときに車両後方へ移動する方向に上記
    フレームから離脱可能であるとともに、上記ブラケット
    の他端部は、車幅方向内方への所定値以上の引張力を受
    けたときに上記フレームから離脱可能であることを特徴
    とする、ディファレンシャルケースの支持構造。
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