JP3485334B2 - 缶体材料被覆用ポリエステルフィルム及びそれを用いた溶接缶体 - Google Patents

缶体材料被覆用ポリエステルフィルム及びそれを用いた溶接缶体

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JP3485334B2
JP3485334B2 JP19122093A JP19122093A JP3485334B2 JP 3485334 B2 JP3485334 B2 JP 3485334B2 JP 19122093 A JP19122093 A JP 19122093A JP 19122093 A JP19122093 A JP 19122093A JP 3485334 B2 JP3485334 B2 JP 3485334B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、缶体材料用金属板、例
えば溶接缶体の缶胴形成用表面処理鋼板等の金属板に熱
硬化型樹脂系接着剤を介して加熱接着されて保護被覆層
を形成するポリエステルフィルム及びそれを用いる溶接
缶体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】飲料物等の容器に使用される金属缶体と
して、缶胴形成用表面処理鋼板を短冊状に裁断した缶胴
ブランクの両側縁を溶接して接合することにより缶胴部
を形成し、この缶胴部の両端に別途製造された缶蓋を二
重巻締めされてなる溶接缶体が知られている。前記溶接
缶体では、基体金属である缶胴形成用表面処理鋼板と内
容物との接触により基体金属が腐食されたり溶出した金
属成分のために内容物のフレーバーが変化することを避
けるために缶内面側をエポキシ・フェノール樹脂等の塗
料を塗布して被覆する一方、缶外面側には所定の表示及
びデザイン等の画像を形成する塗装が施されて被覆され
ている。
【0003】従来、前記溶接缶体の缶胴形成用表面処理
鋼板の内外面側に対する前記塗装は、前記塗料を塗布す
るごとに加熱オーブンで焼き付けをすることにより行な
われている。前記塗装をこのようにして行うときには、
加熱オーブンの熱と揮散する有機溶媒とにより作業環境
が害される傾向があり、特に多色印刷となる外面側で
は、2〜4色の塗装を施すごとに加熱オーブンによる焼
き付けを行なうため、前記傾向が強くなる。
【0004】そこで、缶胴形成用表面処理鋼板の缶内外
面側をポリエステルフィルムで被覆して保護被覆層を形
成することが検討されている。このようにして保護被覆
層を形成するときに、缶外面側を被覆するポリエステル
フィルムに予め印刷を施して所定の表示及びデザイン等
の画像を形成しておけば、前記ポリエステルフィルムか
らなる保護被覆層により缶外面側に塗装によらずに所定
の表示及びデザイン等の画像による美粧性を付与するこ
とができ、塗装及び焼き付けを行わずに溶接缶体が得ら
れるので、作業環境の向上が期待される。
【0005】前記缶外面側を被覆するポリエステルフィ
ルムとして、特開平5−96627号公報に記載されて
いるもののように、その一方の面に熱硬化型樹脂系接着
剤層を設け、該ポリエステルフィルムと該熱硬化型樹脂
系接着剤層との間に顔料を含む樹脂組成物からなる印刷
層が設けられてなるポリエステルフィルムが知られてい
る。前記公報記載のポリエステルフィルムによれば、前
記熱硬化型樹脂系接着剤層を介して缶胴形成用表面処理
鋼板に熱接着することにより、高温で短時間の加熱によ
り缶胴形成用表面処理鋼板との間で優れた接着強度を得
ることができると共に、前記印刷層により所定の表示及
びデザイン等の画像を形成することができる。前記画像
は、缶胴形成用表面処理鋼板に美粧性を付与する点か
ら、特殊な色調を有することが望ましい。
【0006】前記画像に特殊な色調を付与するために、
印刷インキにパール顔料を添加することが知られてい
る。前記パール顔料は、特殊な光学的効果により画像に
真珠光沢あるいは虹彩色を付与することができるもので
あり、独特のボリューム感を有する画像が得られる。こ
のようなパール顔料として、例えば、魚鱗箔、雲母、鱗
片状雲母等を分散させたもの等が用いられる。
【0007】前記パール顔料を添加した印刷インキによ
る印刷は、通常、オフセット印刷により行われている。
前記オフセット印刷は、版面上のインキを一旦ゴムブラ
ンケットに転移し、次いで缶胴形成用表面処理鋼板に転
移することにより印刷するものであって、多色印刷に適
し、柔らかい調子の精巧な画像が得られる。
【0008】しかしながら、前記パール顔料を含む印刷
インキを用いて前記ポリエステルフィルムにオフセット
印刷を施そうとすると、前記パール顔料を含む印刷イン
キが該ポリエステルフィルムに転移しにくく、前記所定
の表示及びデザイン等の画像にボリューム感を付与する
ためには前記印刷インキの重ね塗りを必要とするとの不
都合がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
課題を解決するためになされたものであり、缶体材料用
金属板の缶外面側をポリエステルフィルムで被覆して保
護被覆層を形成する際に、前記所定の表示及びデザイン
等の画像にボリューム感を有する特殊な色調を付与する
ことができる缶体材料被覆用ポリエステルフィルム及び
このポリエステルフィルムを用いる美粧性に優れた溶接
缶体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の缶体材料被覆用ポリエステルフィルムは、
缶体材料用金属板に熱硬化型樹脂系接着剤を介して加熱
接着されて保護被覆層を形成するポリエステルフィルム
であって、該ポリエステルフィルムの一方の面にパール
顔料を含む樹脂組成物からなる印刷層がグラビア印刷に
より設けられ、該印刷層上に熱硬化型樹脂系接着剤層が
設けられていて、該印刷層を形成する樹脂組成物は、エ
ポキシブチラール系樹脂とポリイソシアネート系樹脂と
からなる樹脂組成物、またはポリエステルポリウレタン
樹脂とポリイソシアネート系樹脂とからなる樹脂組成物
であり、該パール顔料を10〜25重量%の範囲で含む
ことを特徴とする。
【0011】前記印刷層を形成する樹脂組成物として
は、エポキシブチラール系樹脂とポリイソシアネート系
樹脂とからなる樹脂組成物、またはポリエステルポリウ
レタン樹脂とポリイソシアネート系樹脂とからなる樹脂
組成物を用いることが好ましい。溶接缶体では、内容物
を充填したのち、加熱殺菌処理(レトルト殺菌処理)が
行われるのが通常であるが、ポリエステルフィルムと熱
硬化型樹脂系接着剤層との間に顔料を含む樹脂組成物か
らなる印刷層が設けられてなるポリエステルフィルムに
より保護被覆層を形成した缶体材料用金属板から形成し
てなる溶接缶体に前記レトルト処理を施すと、前記印刷
層が白化し該印刷層により形成される所定の表示及びデ
ザイン等の画像が不明瞭になることがある。しかし、印
刷層が前記エポキシブチラール系樹脂とポリイソシアネ
ート系樹脂とから、またはポリエステルポリウレタン樹
脂とポリイソシアネート系樹脂とからなり前記パール顔
料を含む樹脂組成物により形成されていることにより、
前記缶体材料被覆用ポリエステルフィルムにより保護被
覆層を形成した缶体材料用金属板から形成してなる溶接
缶体に前記レトルト処理を施しても、前記印刷層に白化
を生じず、鮮明な画像が得られる。
【0012】前記パール顔料としては、魚鱗箔、雲母、
鱗片状雲母等を分散させたものなどを挙げることができ
る。
【0013】前記印刷層を形成する樹脂組成物は前記パ
ール顔料を10〜25重量%の範囲で含むことにより、
前記ポリエステルフィルムが前記缶体材料用金属板に加
熱接着されてなる保護被覆層に形成される所定の表示及
びデザイン等の画像に優れた真珠光沢あるいは虹彩色が
付与され、独特のボリューム感が得られる。
【0014】前記缶体材料被覆用ポリエステルフィルム
は、強度及び透明性等に優れているものであって、ジカ
ルボン酸成分とジオール成分との重縮合により得られる
ポリエステルであればどのようなものであってもよい
が、ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸等の芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ブチレングリコール等のジオー
ル類との重縮合により得られるポリエステルであること
が好ましく、ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコ
ールとの重縮合により得られるポリエステル(ポリエチ
レンナフタレート)またはテレフタル酸とエチレングリ
コールとの重縮合により得られるポリエステル(ポリエ
チレンテレフタレート)であることが特に好ましい。
【0015】前記ポリエステルは、所望に応じて前記ジ
カルボン酸成分またはジオール成分に他のジカルボン酸
成分またはジオール成分を含んでいてもよい。ポリエチ
レンテレフタレートの他の前記好ましいポリエステルと
しては、特開昭51─42786号、特開昭64─70
352号、特開平2─242738号等の各公報に記載
されているポリエステルを挙げることができる。
【0016】前記ポリエステルフィルムは、後述の熱硬
化型樹脂系接着剤による接着力を向上させるために、前
記接着剤層が形成される面に予めコロナ放電等の表面酸
化処理が施されていることが好ましい。
【0017】また、前記ポリエステルフィルムは5〜5
0μmの範囲の厚さを有することが好ましい。前記ポリ
エステルフィルムの厚さが5μm以下であるときには、
該フィルムの保護被覆層が形成された缶体材料用金属板
を溶接缶体に加工するときに、該フィルムが傷付きやす
く、ピンホール等が発生して、缶体の腐食、金属の溶出
を防止する効果が十分に得られないことがある。また、
50μm以上のときには残留応力が大きくなり、溶接缶
体に加工するときに缶胴部にネックイン加工等の絞り加
工を施すと、前記ポリエステルフィルムの前記缶体材料
用金属板に対する密着性が低下する傾向がある。
【0018】さらに、前記ポリエステルフィルムは、前
記印刷層を設けるための強度及び前記缶体材料用金属板
に接着される際の熱処理に対する寸法安定性が要求され
るので、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性ポリエス
テルフィルム、一軸または二軸延伸されたポリエチレン
テレフタレートフィルム等が好ましく、特に、材料物性
的には150℃に30分保持したときの長手方向の熱収
縮率が1.2%以下、幅方向の熱収縮率が0%の二軸延
伸ポリエステルフィルムが好ましい。
【0019】前記ポリエステルフィルムは、前記寸法安
定性を確保するために、予め160℃で6秒間程度保持
する熱処理を施してもよいが、前記接着剤層が設けられ
ている面の反対側に熱硬化型樹脂からなる硬化オーバー
コート層が設けられていることが特に好ましい。前記硬
化オーバーコート層を設けることにより、前記ポリエス
テルフィルムの残留応力が緩和されると共にフィルムの
伸縮が規制され前記寸法安定性が確保されるとともに、
耐傷付性が向上される。また、前記硬化オーバーコート
層を設けることにより、前記缶体材料被覆用ポリエステ
ルフィルムにより保護被複層を形成した缶体材料用金属
板から形成してなる溶接缶体に前記レトルト殺菌処理等
の加熱処理を施す際にポリエステルフィルム中の低重合
度成分(オリゴマー)が表面に析出することが防止さ
れ、滑り性がよくなる。
【0020】前記硬化オーバーコート層を形成する熱硬
化型樹脂は、高温短時間で硬化フィルムを形成する樹脂
であることが好ましく、例えば、エポキシ樹脂とアミノ
プラスト樹脂とからなり短時間硬化触媒として有機酸ま
たはリン酸、ポリリン酸等の無機酸が添加されているも
のが適している。前記熱硬化型樹脂は、耐傷付性向上、
滑り性向上のために、シリコン或はワックスが添加され
ていることが好ましい。
【0021】前記缶体材料用金属板は、缶体用各種表面
処理鋼板、缶体用各種アルミニウム合金板などを用いる
ことができる。
【0022】前記熱硬化型樹脂系接着剤層は、数平均分
子量5000〜20000のエポキシ樹脂と酸無水物系
硬化剤とを70/30〜99/1の重量比で含む樹脂ま
たはポリエステル樹脂とアミノプラスト樹脂とを70/
30〜90/10の重量比で含む樹脂からなるものを用
いることにより、高温で短時間の加熱で、前記缶体材料
被覆用ポリエステルフィルムと前記缶体材料用金属板と
の間で十分な接着強度を得ることができる。
【0023】前記接着剤層がエポキシ樹脂と酸無水物系
硬化剤とからなるときには、前記エポキシ樹脂は数平均
分子量が5000未満のときには接着強度が不足し、2
0000を超えるときには高粘度となり塗布作業性が劣
るので、共に好ましくない。また、前記数平均分子量が
5000未満であると、前記ポリエステルフィルムに予
め塗布乾燥して接着剤層を形成するときに、前記接着剤
層の粘着性が高くなり、タックフリー性が低下する。
【0024】前記接着剤層において、前記エポキシ樹脂
と前記酸無水物系硬化剤との重量比が99/1未満では
高温で加熱しても前記エポキシ樹脂の硬化に長時間を要
し、また70/30を超える割合としても前記エポキシ
樹脂の硬化を促進する効果はそれ以上には向上されな
い。
【0025】前記酸無水物系硬化剤としては、無水ピロ
メリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、
無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルシク
ロヘキサンジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸及
びその誘導体等を挙げることができるが、硬化性、塗布
後の膜の耐ブロッキング性、タックフリー性等に優れて
いる点から無水トリメリット酸及びその誘導体からなる
無水トリメリット酸系硬化剤が適している。無水トリメ
リット酸の誘導体としては、例えば、グリセロールトリ
ストリメリテート無水物、無水トリメリット酸の二量
体、エチレングリコールビストリメリテート無水物等を
挙げることができる。
【0026】前記接着剤層を形成するエポキシ樹脂は、
ビスフェノールとエピクロルヒドリンとの反応により得
られるビスフェノール型エポキシ樹脂であることが好ま
しく、前記酸無水物系硬化剤以外にさらにフェノール樹
脂などの他の硬化剤を含んでいてもよい。
【0027】また、前記接着剤層がポリエステル樹脂と
アミノプラスト樹脂とからなるときには、その重量比が
90/10未満では高温で加熱しても該接着剤層の硬化
に長時間を要し、また70/30を超える割合とすると
硬化が進みすぎ、該接着剤層の加工性が低下するので好
ましくない。前記ポリエステル樹脂としては、公知のポ
リエステル樹脂を単独で用いてもよく、エポキシ樹脂等
で変性したエポキシ変性ポリエステル樹脂を用いてもよ
い。また、前記アミノプラスト樹脂としては、メラミン
樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等を用いることができる。
また、前記接着剤層は、ポリエステル樹脂及びアミノプ
ラスト樹脂とともに、エポキシ樹脂を併用しても差し支
えない。
【0028】前記接着剤層を形成する樹脂組成物は、高
温で短時間の加熱で、前記缶体材料被覆用ポリエステル
フィルムと前記缶体材料用金属板との間で十分な接着強
度を得るために、前記印刷層を形成する樹脂の種類に応
じて選択的に使用されることが好ましい。即ち、前記印
刷層を形成する樹脂組成物が、エポキシブチラール系樹
脂とポリイソシアネート系樹脂とからなりパール顔料を
含む樹脂組成物であるときには、前記接着剤層は前記平
均分子量のエポキシ樹脂と酸無水物系硬化剤とを前記重
量比で含む樹脂または前記ポリエステル樹脂とアミノプ
ラスト樹脂とを前記重量比で含む樹脂からなることが適
している。また、前記印刷層を形成する樹脂組成物が、
ポリエステルポリウレタン樹脂とポリイソシアネート系
樹脂とからなりパール顔料を含む樹脂組成物であるとき
には、前記接着剤層は前記ポリエステル樹脂とアミノプ
ラスト樹脂とを前記重量比で含む樹脂からなることが適
している。
【0029】また、本発明の缶体材料被覆用ポリエステ
ルフィルムは、前記パール顔料を含む樹脂組成物からな
る印刷層と前記接着剤層との間に、金属粉末が分散され
た樹脂組成物からなる印刷層が設けられていることを特
徴とする。このような構成とすることにより、前記ポリ
エステルフィルムが前記缶体材料用金属板に加熱接着さ
れてなる保護被覆層に形成される所定の表示及びデザイ
ン等の画像の前記パール顔料を含む樹脂組成物からなる
印刷層による独特のボリューム感を有する色調に、さら
にメタリック感を付与することができる。
【0030】前記金属粉末が分散された樹脂組成物とし
ては、前記パール顔料を含む樹脂組成物の場合と同様の
理由により、エポキシブチラール系樹脂とポリイソシア
ネート系樹脂とからなる樹脂組成物、またはポリエステ
ルポリウレタン樹脂とポリイソシアネート系樹脂とから
なる樹脂組成物を用いることが好ましい。また、前記樹
脂組成物に分散される金属粉末としては、アルミニウ
ム、亜鉛、真鍮、ステンレス等の粉末を挙げることがで
きるが、メタリック感を有する色調を付与するために平
均粒径10〜100μm、厚さ0.1〜2μmの銀色の
金属光沢を有する鱗片状アルミニウム粉末が好ましい。
前記樹脂組成物は前記アルミニウム粉末が17〜25重
量%の範囲で分散されていることにより、前記ポリエス
テルフィルムが前記缶体材料用金属板に加熱接着されて
なる保護被覆層に形成される所定の表示及びデザイン等
の画像に優れたメタリック感を有する色調を付与するこ
とができる。
【0031】前記金属粉末が分散された樹脂組成物から
なる印刷層を設けるときには、前記接着剤層を形成する
樹脂組成物は、前記パール顔料を含む樹脂組成物からな
る印刷層に対する場合と同様に、前記平均分子量のエポ
キシ樹脂と酸無水物系硬化剤とを前記重量比で含む樹脂
または前記ポリエステル樹脂とアミノプラスト樹脂とを
前記重量比で含む樹脂からなることが適している。
【0032】本発明の溶接缶体は、缶体材料用金属板の
缶胴部外面側に対し、その両側端縁部を除いた部分に、
前記缶体材料被覆用ポリエステルフィルムを前記接着剤
層を介して加熱接着して保護被覆層を形成し、該金属板
の両側端縁部を重ね合せて溶接接合することにより缶胴
部を形成してなることを特徴とする。
【0033】前記缶体材料被覆用ポリエステルフィルム
は、一方の面にパール顔料を含む樹脂組成物からなる印
刷層がグラビア印刷により設けられ、該印刷層上に熱硬
化型樹脂系接着剤層が設けられているポリエステルフィ
ルム、または前記パール顔料を含む樹脂組成物からなる
印刷層と前記接着剤層との間に、金属粉末が分散された
樹脂組成物からなる印刷層が設けられているポリエステ
ルフィルムが用いられる。
【0034】前記溶接缶体は、缶胴部内面側にもポリエ
ステルフィルムからなる保護被覆層が形成されていても
よい。缶胴部内面側に保護被覆層を形成するポリエステ
ルフィルムとしては、前記外面側に保護被覆層を形成す
るポリエステルフィルムと同様の熱硬化型樹脂系接着剤
層が一方の面に設けられているポリエステルフィルムが
挙げられる。尚、このようなポリエステルフィルムは、
無地でよく、印刷層を設ける必要がないので、前記外面
側に保護被覆層を形成するポリエステルフィルムのよう
な強度、寸法安定性などが厳格には要求されない。従っ
て、延伸されていないポリエステルフィルムであっても
よく、一軸または二軸延伸されたポリエステルフィルム
であってもよいが、缶体材料用金属板を被覆する工程へ
の適性、缶体となったときの缶品質の面からポリエチレ
ンテレフタレートフィルムが適している。
【0035】
【作用】本発明の缶体材料被覆用ポリエステルフィルム
は、その一方の面に設けられた前記接着剤層により缶体
材料用金属板に加熱接着されて保護被複層を形成すると
きに、該ポリエステルフィルムに設けられている印刷層
により前記缶胴形成用金属板の缶外面側に塗装によらず
に所定の表示及びデザインの画像が形成される。このと
き、前記印刷層はパール顔料を含む樹脂組成物がグラビ
ア印刷されてなるので、前記所定の表示及びデザインの
画像に優れたボリューム感を有する色調が付与される。
また、前記印刷層は、前記のようにポリエステルフィル
ムと接着剤層との間に設けられるので、該ポリエステル
フィルムにより遮蔽され外傷から保護される。
【0036】尚、前記保護被覆層は前記缶体材料被覆用
ポリエステルフィルムが前記接着剤層により缶体材料用
金属板に加熱接着されて形成されるので、該保護被覆層
と該缶体材料用金属板との間で強固な接着力が得られ、
該缶体材料用金属板から形成される溶接缶体の缶胴部に
ネックイン加工などを施すときにも該缶体材料用金属板
との間で優れた密着性が得られ、該保護被覆層が剥離す
ることがない。
【0037】前記印刷層を形成する樹脂組成物は、パー
ル顔料を10〜25重量%の範囲で含むことにより、前
記所定の表示及びデザインの画像にさらに優れたボリュ
ーム感を有する色調が付与される。
【0038】本発明の缶体材料被覆用ポリエステルフィ
ルムは、前記接着剤層が設けられている面の反対側に熱
硬化型樹脂からなる硬化オーバーコート層が設けられて
いることにより、缶体材料用金属板に前記接着剤層を介
して加熱接着される際に、前記ポリエステルフィルムの
残留応力が緩和されると共に伸縮が規制されるので熱処
理に対する寸法安定性が確保される。また、前記硬化オ
ーバーコート層により、該ポリエステルフィルムを加熱
接着して前記保護被覆層を形成した缶体材料用金属板か
ら溶接缶体を形成したのち、該溶接缶体にレトルト殺菌
処理などの加熱処理を施す際に缶表面にポリエステルフ
ィルム中のオリゴマーの析出が防止される。
【0039】また、本発明の缶体材料被覆用ポリエステ
ルフィルムは、前記パール顔料を含む樹脂組成物からな
る印刷層と前記接着剤層との間に、金属粉末が分散され
た樹脂組成物からなる印刷層が設けられていることによ
り、前記保護被覆層に形成される所定の表示及びデザイ
ン等の画像の前記パール顔料を含む樹脂組成物からなる
印刷層によるボリューム感を有する色調に、さらにメタ
リック感が付与されて特殊な色調が得られる。
【0040】本発明の溶接缶体によれば、一方の面にパ
ール顔料を含む樹脂組成物からなる印刷層がグラビア印
刷により設けられ、該印刷層上に熱硬化型樹脂系接着剤
層が設けられている前記缶体材料被覆用ポリエステルフ
ィルムでその缶外面側が被覆され、前記所定の表示及び
デザインの画像に優れたボリューム感を有する色調が付
与された缶体材料用金属板から缶胴部が形成されるの
で、該画像によりその缶胴部外面側に優れた美粧性が得
られる。
【0041】また、本発明の溶接缶体によれば、前記パ
ール顔料を含む樹脂組成物からなる印刷層と前記接着剤
層との間に、金属粉末が分散された樹脂組成物からなる
印刷層が設けられている前記缶体材料被覆用ポリエステ
ルフィルムでその缶外面側が被覆され、前記所定の表示
及びデザインの画像に優れたボリューム感を有する色調
に加えてメタリック感が付与された缶体材料用金属板か
ら缶胴部が形成されるので、該画像によりその缶胴部外
面側に優れた美粧性が得られる。
【0042】
【実施例】次に、添付の図面を参照しながら本発明につ
いてさらに詳しく説明する。図1は本発明の第1の実施
例の缶体材料被覆用ポリエステルフィルムの構成を示す
説明的断面図であり、図2は図1示の缶体材料被覆用ポ
リエステルフィルムの保護被覆層が形成された金属板の
構成を示す説明的断面図であり、図3は図2示の金属板
から形成される溶接缶体の缶胴部を示す説明的部分断面
図であり、図4は第2の実施例の缶体材料被覆用ポリエ
ステルフィルムの構成を示す説明的断面図である。
【0043】まず、第1の実施例の缶体材料被覆用ポリ
エステルフィルムについて説明する。
【0044】ポリエステルフィルム1は、溶接缶体の缶
胴形成用ブリキ板の缶外面側に接着されるポリエステル
フィルムであって、図1示のように、厚さ12μmの二
軸延伸ポリエチレンテレフタレート(以下、ポリエチレ
ンテレフタレートをPETと略記する)フィルム2の一
方の面に、顔料を含む印刷インキによりグラビア印刷が
施された第1印刷層3a、雲母粉末を含むパールインキ
によりグラビア印刷が施された第2印刷層3b、熱硬化
型樹脂系接着剤からなる接着剤層4が設けられ、反対側
の面には熱硬化型樹脂により形成された透明な硬化オー
バーコート層5が設けられている。
【0045】第1印刷層3aは、エポキシブチラール樹
脂とポリイソシアネート系樹脂とからなり顔料を含む印
刷インキから形成されている。第1印刷層3aは、缶外
面側に所要の表示及びデザインの画像を形成するため
に、所要の各色の顔料を含む前記印刷インキが1色ごと
にグラビア印刷により積層されて、多色印刷されてい
る。また、第2印刷層3bは、エポキシブチラール樹脂
とポリイソシアネート系樹脂とからなり20重量%の雲
母粉末を含むパールインキから形成されており、第1印
刷層3a及び第2印刷層3bの厚さが、乾燥後に約1μ
mになるようにされている。そして、第1印刷層3a及
び第2印刷層3bにより、所定の表示及びデザインの画
像が形成されている。
【0046】接着剤層4は、ビスフェノールとエピクロ
ルヒドリンとの反応により得られるビスフェノール型エ
ポキシ樹脂で数平均分子量10000のエポキシ樹脂と
無水トリメリット酸系硬化剤としてグリセロールトリス
トリメリテート無水物とを95/5の重量比で含む熱硬
化型樹脂系接着剤から形成されている。接着剤層4は、
例えば、前記エポキシ樹脂とグリセロールトリストリメ
リテート無水物とを前記重量比で有機溶剤に溶解した樹
脂溶液を塗布し、接着剤の硬化反応が進行しないように
120℃で10秒間の乾燥を行って前記熱硬化型樹脂系
接着剤の塗布量が2.5g/m2 になるようにして形成
される。尚、PETフィルム2の接着剤層4が形成され
る面には、予めコロナ放電処理が施されていることが好
ましい。
【0047】硬化オーバーコート層5は、エポキシ樹脂
とアミノプラスト樹脂とからなりリン酸触媒を添加した
熱硬化型樹脂により形成されている。また、硬化オーバ
ーコート層5は、ポリエステルフィルム1により保護被
覆層が形成された溶接缶体において、ポリエステルフィ
ルム1からオリゴマーが析出することを防止すると共
に、前記溶接缶体表面の滑り性向上のために、シリコン
またはワックスが添加されていることが好ましい。
【0048】次に、第1の実施例のポリエステルフィル
ム1を用いる溶接缶体について説明する。
【0049】本実施例の溶接缶体は、図2示の缶胴形成
用ブリキ板11から形成される。缶胴形成用ブリキ板1
1は、その缶外面となる側の両側端縁部11a,11a
を除いた部分に図1示のポリエステルフィルム1が接着
剤層4を介して熱接着されて保護被覆層12が形成され
ている。また、ブリキ板11の缶内面となる側の両側端
縁部11a,11aを除いた部分には、透明なPETフ
ィルム13がポリエステルフィルム1と同様の熱硬化型
樹脂系接着剤層14を介して熱接着されて内面保護被覆
層15が形成されている。
【0050】ブリキ板11はポリエステルフィルム1に
よりその缶外面側が被覆されているので、保護被覆層1
2に形成されている前記所定の表示及びデザインの画像
に、第2印刷層3bにより優れた真珠光沢あるいは虹彩
色が付与され、独特のボリューム感が得られる。
【0051】保護被覆層12及び内面保護被覆層15が
形成されたブリキ板11は図2に矢示するように丸めら
れ、図3示のように両側端縁部11a,11aを重ね合
わせて溶接接合することにより缶胴部16が形成され
る。缶胴部16の保護被覆層12及び内面保護被覆層1
5が形成されていない部分には、公知の被覆補正塗料1
7により、被覆補正がなされる。そして、缶胴部16の
両端縁部をネックイン加工、フランジ加工したのち、別
途製造された缶蓋を二重巻締めすることにより、溶接缶
体が得られる。前記溶接缶体は、その缶外面側がポリエ
ステルフィルム1で被覆されて保護被覆層12が形成さ
れているブリキ板11から缶胴部16が形成されるの
で、保護被覆層12に形成されている前記所定の表示及
びデザインの画像により缶胴部16の外面側に優れた美
粧性が得られ、食缶、飲料缶等に好適に用いられる。
【0052】溶接缶体では、通常、内容物を充填したの
ち、レトルト殺菌処理が行われるが、前記溶接缶体では
保護被覆層12を形成するポリエステルフィルム1の第
2印刷層3bにおいて、前記パールインキを形成する樹
脂組成物がエポキシブチラール樹脂とポリイソシアネー
ト系樹脂とからなるので、前記レトルト殺菌処理を行っ
ても前記第1及び第2印刷層に白化が生じることがな
い。従って、前記所定の表示及びデザインに鮮明な画像
が得られる。
【0053】次に、第2の実施例の缶体材料被覆用ポリ
エステルフィルムについて説明する。
【0054】ポリエステルフィルム21は、溶接缶体の
缶胴形成用ブリキ板の缶外面側に接着されるポリエステ
ルフィルムであって、図4示のように、第1の実施例に
使用したものと同じPETフィルム2の一方の面に、顔
料を含む印刷インキによりグラビア印刷が施された第1
印刷層3a、雲母粉末を含むパールインキによりグラビ
ア印刷が施された第2印刷層3b、アルミニウム粉末を
含むシルバーインキによりグラビア印刷が施された第3
印刷層3c、熱硬化型樹脂系接着剤からなる接着剤層4
が設けられ、反対側の面には熱硬化型樹脂により形成さ
れた透明な硬化オーバーコート層5が設けられている。
【0055】ポリエステルフィルム21において、第1
印刷層3a、第2印刷層3b、接着剤層4及び硬化オー
バーコート層5の構成は、前記第1の実施例と同じであ
る。そして、第3印刷層3cがエポキシブチラール樹脂
とポリイソシアネート系樹脂とからなり20重量%のア
ルミニウム粉末が分散されているシルバーインキから形
成され、第1印刷層3a乃至第3印刷層3cの厚さが、
乾燥後に約2〜6μmになるようにされている点での
み、前記第1の実施例と異なっている。そして、第1印
刷層3a乃至第3印刷層3cにより、所定の表示及びデ
ザインの画像が形成されている。
【0056】本実施例のポリエステルフィルム21を用
いる溶接缶体は、図2及び図3示の前記第1の実施例の
ポリエステルフィルム1を用いる溶接缶体と同様にして
製造される。本実施例では、ブリキ板11はポリエステ
ルフィルム21によりその缶外面側が被覆されているの
で、保護被覆層12に形成されている前記所定の表示及
びデザインの画像に、第2印刷層3bにより優れた真珠
光沢あるいは虹彩色が付与され、独特のボリューム感が
得られるとともに、第3印刷層3cにより金属下地の色
調に支配されることなくメタリック感が付与されてい
る。
【0057】本実施例の溶接缶体は、その缶外面側がポ
リエステルフィルム21で被覆されて保護被覆層12が
形成されているブリキ板11から缶胴部16が形成され
るので、保護被覆層12に形成されている前記所定の表
示及びデザインの画像により缶胴部16の外面側に優れ
た美粧性が得られ、食缶、飲料缶等に好適に用いられ
る。
【0058】溶接缶体では、通常、内容物を充填したの
ち、レトルト殺菌処理が行われるが、前記溶接缶体では
保護被覆層12を形成するポリエステルフィルム1の第
3印刷層3cにおいて、前記シルバーインキを形成する
樹脂組成物がエポキシブチラール樹脂とポリイソシアネ
ート系樹脂とからなるので、前記レトルト殺菌処理を行
っても前記第1乃至第3印刷層に白化が生じることがな
い。従って、前記所定の表示及びデザインに鮮明な画像
が得られる。
【0059】尚、前記各実施例では前記各印刷層を形成
する樹脂組成物にエポキシブチラール樹脂とポリイソシ
アネート系樹脂とからなる樹脂組成物を用いているが、
ポリエステルポリウレタン樹脂とポリイソシアネート系
樹脂とからなる樹脂組成物を用いてもよく、この場合に
も前記レトルト殺菌処理の際に前記各印刷層に白化が生
じることがなく、前記所定の表示及びデザインに鮮明な
画像が得られる。
【0060】また、前記各実施例では接着剤層4に数平
均分子量10000のエポキシ樹脂と無水トリメリット
酸系硬化剤としてグリセロールトリストリメリテート無
水物とを95/5の重量比で含む熱硬化型樹脂系接着剤
を用いているが、エポキシ樹脂の数平均分子量は500
0〜20000の範囲で、またエポキシ樹脂と酸無水物
系硬化剤との重量比は70/30〜99/1の範囲で適
宜選択することができる。また、接着剤層4はポリエス
テル樹脂とアミノプラスト樹脂とを70/30〜90/
10の重量比で含む熱硬化型樹脂系接着剤であってもよ
い。
【0061】ただし、前記各印刷層を形成する樹脂組成
物がポリエステルポリウレタン樹脂とポリイソシアネー
ト系樹脂とからなるときには、前記接着剤層4は前記ポ
リエステル樹脂とアミノプラスト樹脂とを前記重量比で
含む樹脂からなることが適している。
【0062】また、接着剤層4はホワイト顔料を含むも
のであってもよい。接着剤層4がホワイト顔料を含むこ
とにより、缶胴形成用ブリキ板11に接着された際に金
属下地が遮蔽され、さらに優れたボリューム感またはメ
タリック感が得られる。
【0063】また、前記各実施例では、二軸延伸PET
フィルム2上に顔料を含む印刷インキから形成される第
1印刷層3aを設け、第1印刷層3aの上にパールイン
キから形成される第2印刷層を設けるようにしている
が、所望により第1印刷層3aを形成する顔料を含む印
刷インキにさらに前記パール顔料を分散させ、第2印刷
層3bを省略しても差し支えない。
【0064】尚、前記各実施例では、ポリエステルフィ
ルム1またはポリエステルフィルム21による保護被覆
層12が形成されたブリキ板11により溶接缶体を形成
しているが、ブリキ板11は缶詰の蓋、エアゾール缶の
底蓋或はドーム状部等を形成するために使用することも
できる。
【0065】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
の缶体材料被覆用ポリエステルフィルムによれば、缶胴
材料用金属板に加熱接着されて保護被覆層を形成したと
きに、前記パール顔料を含む樹脂組成物からなる印刷層
により、前記保護被覆層に形成された所定の表示及びデ
ザインの画像に優れた真珠光沢あるいは虹彩色を有し、
独特のボリューム感がある特殊な色調を付与することが
できる。
【0066】また、前記樹脂組成物はパール顔料を10
〜25重量%の範囲で含むことにより、前記所定の表示
及びデザインの画像にさらに優れたボリューム感を有す
る特殊な色調を付与することができる。
【0067】また、本発明の缶体材料被覆用ポリエステ
ルフィルムは、前記接着剤層が設けられている面の反対
側に熱硬化型樹脂からなる硬化オーバーコート層が設け
られているので、前記加熱接着の際の熱処理に対して寸
法安定性に優れているとともに、缶体を形成した後のレ
トルト殺菌処理等の熱処理によるオリゴマーの析出を防
止することができ、さらに耐傷付性及び缶材及び缶体表
面の滑り性を向上させることができる。
【0068】また、本発明の前記パール顔料を含む樹脂
組成物からなる印刷層と前記接着剤層との間に、金属粉
末が分散された樹脂組成物からなる印刷層が設けられて
いる缶体材料被覆用ポリエステルフィルムによれば、缶
胴材料用金属板に加熱接着されて保護被覆層を形成した
ときに、前記パール顔料を含む樹脂組成物からなる印刷
層により付与されるボリューム感を有する色調に、さら
にメタリック感を付与することができる。
【0069】本発明の溶接缶体によれば、一方の面にパ
ール顔料を含む樹脂組成物からなる印刷層がグラビア印
刷により設けられ、該印刷層上に熱硬化型樹脂系接着剤
層が設けられている前記缶体材料被覆用ポリエステルフ
ィルムでその缶外面側が被覆され、前記所定の表示及び
デザインの画像に優れたボリューム感を有する色調が付
与された缶体材料用金属板から缶胴部が形成されるの
で、該画像によりその缶胴部外面側に優れた美粧性を得
ることができる。
【0070】また、本発明の溶接缶体によれば、前記パ
ール顔料を含む樹脂組成物からなる印刷層と前記接着剤
層との間に、金属粉末が分散された樹脂組成物からなる
印刷層が設けられている前記缶体材料被覆用ポリエステ
ルフィルムでその缶外面側が被覆され、前記所定の表示
及びデザインの画像に優れたボリューム感を有する色調
に加えてメタリック感が付与された缶体材料用金属板か
ら缶胴部が形成されるので、該画像によりその缶胴部外
面側に優れた美粧性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる缶体材料被覆用ポリエステルフ
ィルムの第1の構成例を示す説明的断面図。
【図2】図1示の缶体材料被覆用ポリエステルフィルム
の保護被覆層が形成された缶体材料用金属板の構成を示
す説明的断面図。
【図3】図2示の金属板から形成される溶接缶体の缶胴
部を示す説明的部分断面図。
【図4】本発明に係わる缶体材料被覆用ポリエステルフ
ィルムの第2の構成例を示す説明的断面図。
【符号の説明】
1,21…缶体材料被覆用ポリエステルフィルム、 3b…パール顔料を含む樹脂組成物からなる印刷層、 3c…金属粉末が分散された樹脂組成物からなる印刷
層、 4…熱硬化型樹脂系接着剤層、 5…硬化オ−バーコー
ト層、11…缶体材料用金属板、 11a…側端縁部、
12…保護被覆層、16…缶胴部。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−292942(JP,A) 特開 平4−153077(JP,A) 特開 昭63−54484(JP,A) 特開 平7−41744(JP,A) 特開 平5−96627(JP,A) 特開 昭63−175089(JP,A) 実開 昭61−82940(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 7/00 - 7/04 B32B 15/08 B65D 8/22 B65D 25/36

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】缶体材料用金属板に熱硬化型樹脂系接着剤
    を介して加熱接着されて保護被覆層を形成するポリエス
    テルフィルムであって、該ポリエステルフィルムの一方
    の面にパール顔料を含む樹脂組成物からなる印刷層がグ
    ラビア印刷により設けられ、該印刷層上に熱硬化型樹脂
    系接着剤層が設けられていて、該印刷層を形成する樹脂
    組成物は、エポキシブチラール系樹脂とポリイソシアネ
    ート系樹脂とからなる樹脂組成物、またはポリエステル
    ポリウレタン樹脂とポリイソシアネート系樹脂とからな
    る樹脂組成物であり、該パール顔料を10〜25重量%
    の範囲で含むことを特徴とする缶体材料被覆用ポリエス
    テルフィルム。
  2. 【請求項2】前記ポリエステルフィルムの前記接着剤層
    が設けられている面の反対側に熱硬化型樹脂からなる硬
    化オーバーコート層が設けられていることを特徴とする
    請求項1記載の缶体材料被覆用ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】前記パール顔料を含む樹脂組成物からなる
    印刷層と前記接着剤層との間に、金属粉末が分散された
    樹脂組成物からなる印刷層が設けられていることを特徴
    とする請求項1記載の缶体材料被覆用ポリエステルフィ
    ルム。
  4. 【請求項4】缶体材料用金属板の缶胴部外面側に対し、
    その両側端縁部を除いた部分に、一方の面にパール顔料
    を10〜25重量%の範囲で含むエポキシブチラール系
    樹脂とポリイソシアネート系樹脂とからなる樹脂組成
    物、またはポリエステルポリウレタン樹脂とポリイソシ
    アネート系樹脂とからなる樹脂組成物からなる印刷層が
    グラビア印刷により設けられ、該印刷層上に熱硬化型樹
    脂系接着剤層が設けられている缶体材料被覆用ポリエス
    テルフィルムを、該接着剤層を介して加熱接着して保護
    被覆層を形成し、該金属板の両側端縁部を重ね合せて溶
    接接合することにより缶胴部を形成してなることを特徴
    とする溶接缶体。
  5. 【請求項5】前記缶体材料被覆用ポリエステルフィルム
    が前記パール顔料を含む樹脂組成物 からなる印刷層と前
    記接着剤層との間に、金属粉末が分散された樹脂組成物
    からなる印刷層が設けられているフィルムであることを
    特徴とする請求項4記載の溶接缶体。
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