JP3047495B2 - 金属板へのラミネート用フィルム - Google Patents

金属板へのラミネート用フィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、清涼飲料、ビール、缶
詰の如き金属缶材の耐熱、美粧、防錆用として使用され
るラミネート用フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種清涼飲料、ビール、缶詰等の缶材と
しては主として鋼やアルミニウム等の金属板が使用され
ており、そのボデー面には内容物の表示もしくはブラン
ド表示等を目的として様々の印刷・着色が施される。こ
れらの容器の印刷・着色法として現在実用化されている
のは、金属板を所定の寸法にスリット加工した後オフセ
ット印刷等により印刷してから焼付処理を行なう方法、
あるいはスリット加工後円筒状に曲げ加工し、シーム溶
接した後オフセット印刷等により印刷・焼付けを行なう
方法である。そしてその後フランジ加工、インサイドコ
ーティングと焼付け、シーミング加工等を行なって金属
容器を得ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが金属材に直接
印刷する方法では、平板状で印刷するにしても又円筒状
に成形した後印刷する方法を採用するにしても、グラビ
ア印刷の如き金属製凹版を用いた印刷法を採用すること
はできない。なぜならば、金属材は硬質であるため、そ
の印刷面全域に金属製凹版を均一に接触させることが極
めて困難であるからである。そのため従来はゴム版や可
撓性樹脂版の様な弾力性を持った版が使用されている
が、この様な弾力性凹版を用いた場合の印刷精度は悪
く、鮮明な印刷が得られ難いばかりでなく、ハーフトー
ン印刷や写真印刷の様に広範囲の階調設定を必要とする
複雑な印刷は困難であり、極く単調な印刷・着色しか行
なわれていないのが実情である。
【0004】更に美麗で立体感のある印刷を可能にする
には多数の塗料を用いた多重印刷が必要となるが、それ
に伴なって印刷インキの乾燥・焼付けに長時間がかかる
ため、この様な多重印刷を製缶工程に組込むと、印刷イ
ンキの乾燥・焼付けが律速となって製缶速度が極端に遅
くなるという問題も生じてくる。そのため工業規模での
実用可能な重ね印刷数にも自ずと制限があり、満足のい
く鮮明度及び美的意匠感を持った印刷は得られない。
【0005】またスリット加工された金属板にオフセッ
ト印刷する方法も知られているが、やはりハーフトーン
印刷等が困難であり、満足のいく鮮明度と美的意匠感を
持った印刷が得られない点では、前記グラビア印刷の場
合と同様である。
【0006】本発明は上記の様な事情に着目してなされ
たものであって、その目的は、板状もしくは円筒状に加
工された金属板に直接印刷を施す場合に指摘される前述
の問題点を一掃することのできる全く新規な技術を提供
するものであって、シーム溶接缶用の金属板にラミネー
トすることによって鮮明且つ美麗で高級感を持った美粧
金属板を得ることのできるラミネート用フィルムを提供
しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係るラミネート用フィルムの構成は、
印刷インキ層を設けた熱可塑性樹脂フィルムの片面に、
硬化性樹脂からなる接着剤層を介して透明または着色フ
ィルムが積層され、該積層体の表面には透明の硬化耐熱
層が形成されると共に、反対面側にはヒートシール層が
形成されたものであるところに要旨を有している。そし
てこのフィルムは、鋼やアルミニウム等のシーム溶接缶
用金属板のラミネート用として使用することにより、鮮
明で高級感を持った美粧ラミネート金属板を得ることが
でき、更にこのラミネート金属板のラミネート面側を外
側にして常法により製缶を行なうと、ボデー部の美粧さ
れたシーム溶接缶を得ることができる。
【0008】
【作用】本発明者らは、鋼板に直接印刷を施す従来技術
で指摘される前述の様な問題を一挙に解消することので
きる新たな美粧手段として、ラミネート法を応用できる
のではないかと考え、こうした目的にかなうラミネート
用フィルムの開発を期して鋭意研究を行なった。
【0009】即ちラミネートフィルムに予め印刷を施し
ておき、これを金属板にラミネートする方法を採用すれ
ば、製缶工程が著しく簡素化されて高速生産が可能にな
るばかりでなく、印刷は軟質のフィルムに対して行なう
ことになるので金属凹版を用いた鮮明な印刷が可能にな
ると共に、ハーフトーン印刷や写真印刷あるいは立体感
のある多色刷りも容易に行なうことができ、高級感のあ
る美粧印刷が達成できると考え、こうした着想に沿って
研究を進めた。
【0010】その結果、上記ラミネート法を採用すれ
ば、当初予測された上記の効果が見事に達成されるばか
りでなく、後述する如く様々の付帯的効果が得られるこ
とを知り、ここに本発明の完成を見た。以下本発明の構
成及び作用効果について詳述する。
【0011】本発明に係るラミネート用フィルムの基本
となる構成は、たとえば図1(一部拡大断面図)に示す
通りであり、熱可塑性樹脂1の片面に印刷インキ層2を
設け、該インキ層2に更に硬化性樹脂からなる接着剤層
3を介して透明もしくは着色されたフィルム4が積層さ
れ、更に該フィルム4の外側にヒートシール層5が形成
された5層構造のものであり、破線で示す金属板Meに
対してヒートシール層5側をドライラミネート法やサー
マルラミネート法等によってラミネートし得る様に構成
したものである。
【0012】ここで熱可塑性樹脂1は、印刷インキ層2
が形成される基材フィルムとなるものであり、鮮明で美
麗な多重印刷を可能とし、且つラミネート後の製缶加工
時における湾曲加工等が容易に行なえる様、適度の可撓
性を有する熱可塑性樹脂が使用される。但しこの熱可塑
性樹脂は、製缶時のシーム溶接や製缶後のインサイドコ
ーティング処理、内容物を封入したあとで行なわれる煮
沸処理、あるいはその後のレトルト処理等で受ける熱に
耐える様、融点が160 ℃程度以上のものを使用するのが
よく、融点が低すぎる場合は、インサイドコーティング
処理時の加熱等によってピンホール欠陥が生じたり、フ
ィルムが溶融もしくは軟化収縮して平滑性を喪失したり
光沢を失い、更には該フィルムにブリスター状の凹凸や
ストレスクラック、デラミネーション等の欠陥を生じ易
くなる。
【0013】こうした観点からより好ましい熱可塑性樹
脂の融点は160 ℃以上のものであり、好ましい具体例と
しては上記融点に合致するポリエステル樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリメチルペンテン−1、ポリマーボネー
ト、ポリイミド、PPS、PEK、PEEK等、あるい
はこれらの各種変性樹脂が例示される。この熱可塑性樹
脂層1は、図1に示す如く該樹脂層1の内側に印刷イン
キ層2を形成する場合は、外面側から印刷インキ層が透
視できる様に透明なものとすべきである。
【0014】次に印刷インキ層2は格別特殊なものでは
なく、従来の包装フィルム用等として用いられるあらゆ
るタイプの印刷インキを使用することができ、その形成
法も常法に従って行なえばよい。
【0015】また接着剤層3は、印刷インキ層2と透明
もしくは着色フィルム4を接合させるために使用れるも
のであり、当該目的にかなう接着性を有するものであれ
ばどの様なタイプの接着剤であってもよいが、本発明の
ラミネート用フィルムは前述の如く金属板もしくは金属
容器の外装用としてラミネートされるものであり、製缶
工程或は内容物充填後のボイル処理やその後のレトルト
処理等でかなり高温に過熱されるので、その様な熱に対
して十分な接着性を維持し得る様、硬化性樹脂からなる
接着剤を使用することが望まれる。
【0016】その様な硬化性樹脂の好ましい例としては
エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエス
テルポリウレタン、イソシアネート系樹脂、あるいはそ
れらの各種変性樹脂を挙げることができる。
【0017】上記接着剤層3に接合される透明または着
色フィルム4は、ラミネート用フィルムとしての強度を
高めると共に、取扱い時の便宜のための支持層として積
層されるものである。即ちラミネート用フィルムの片面
に接着剤層3が露出している場合は、取扱い工程で該フ
ィルムがブロッキングを起こしたり、予期しない部位に
粘着し、あるいはラミネート工程でテンションを受けた
ときにフィルムが破れたりする恐れがあるが、接着剤層
3に該フィルム4を積層しておくとこうした問題が一切
起こらず、取扱いが極めて容易となる。しかも該フィル
ム4を着色しておけば、金属板にラミネートしたときに
該着色フィルム4が金属板Meの地色を隠蔽する効果を
発揮し、ラミネート金属板の外面側に表れる印刷インキ
層の鮮明度や彩色効果を一段と高める効果も発揮される
ので好ましい。
【0018】尚該フィルムに与えられる着色は、印刷イ
ンキの色に応じてその彩色効果をより効果的に高めるこ
とのできる最適の色を選択すればよいが、白色の着色フ
ィルムとすれば、どの様な色彩の印刷インキに対しても
一様に優れた彩色性向上効果が発揮されるので有利であ
る。上記透明または着色フィルム4の素材は特に制限さ
れないが、金属板にラミネートした後の製缶工程あるい
はその後の煮沸処理やレトルト処理等で受ける熱に耐え
得る様、好ましくは融点が160℃程度以上、より好ま
しくは200℃以上のものを使用するのがよく、好まし
い具体例としてはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルペ
ンテン、ポリイミド等、あるいはそれらの各種変性樹脂
等が挙げられ、その肉厚は4〜180μm,より一般的
には7.5〜100μmのものである。
【0019】次に、上記透明または着色フィルム4の外
側に設けられるヒートシール層5は、金属板Meにラミ
ネートする時の接着層として形成されるものであり、ヒ
ートシール性を有するものであればその種類は特に限定
されないが、前述の如くラミネート後の製缶工程あるい
はその後にかなり高温の熱が加わることを考慮すると、
あまり低融点のものは好ましくなく、好ましくは160
℃以上、より好ましくは175℃以上の融点を持ったヒ
ートシール性樹脂を使用することが望まれる。この様な
高融点のヒートシール性樹脂としては、ポリエステル
系、ポリアミド系、ビニル系等の各種熱可塑性エラスト
マー等、あるいはそれらの各種変性樹脂などが挙げられ
る。該ヒートシール性を発揮し得る限度でむしろ薄肉に
する方がよく、好ましい肉厚は0.1〜50μmの範囲
である。より好ましい肉厚は0.5〜20μm、更に好
ましくは0.8〜10μmの範囲である。
【0020】尚このヒートシール層5は、ラミネート用
フィルムを製造する際の最終工程で最外層に形成するこ
とも可能であるが、最も一般的なのは、透明または着色
フィルム4にラミネート法あるいはコーティング法等に
よって予めヒートシール層5を貼合しておき、これを接
着剤層3に貼り合せてラミネート用フィルムとする方法
である。
【0021】図2は、前記図1の基本構成のラミネート
用フィルムに対し改善を加えた本発明の実施例を示すも
のであり、図1と同様に構成された基本構成のラミネー
ト用フィルムにおける熱可塑性樹脂層1の外面側に硬化
耐熱層6を形成し、表層部の耐熱性を一段と高めたもの
である。即ち印刷インキ層2の設けられる熱可塑性樹脂
層1としては、前述の如く高軟化点の熱可塑性樹脂が使
用されるが、それでも製缶時のシーム溶接条件等によっ
ては熱可塑性樹脂層1が軟化したり熱変質し、あるいは
内容物封入後の熱処理やレトルト処理等により白化現象
を起こして美感を損なうことがある。しかし該熱可塑性
樹脂層1の表面に硬化耐熱層6を形成しておくと、該硬
化耐熱層6が耐熱保護層としての機能を発揮し、熱可塑
性樹脂層1の熱劣化や軟化に伴なう変形あるいは白化現
象等を抑制する。従って該硬化耐熱層6で保護すること
とすれば、熱可塑性樹脂層1として比較的低軟化点の樹
脂を使用することも可能となる。
【0022】またこの場合は、硬化耐熱層6が最外面側
で保護層としての機能を果たすので、たとえば図3に示
す如く熱可塑性樹脂層1と、該硬化耐熱層6の間に印刷
インキ層2を形成することも可能となる。
【0023】この様な硬化耐熱層6の構成材としては、
軟化点もしくは分解温度が250 ℃以上、より好ましくは
300 ℃以上のものを使用するのがよく、たとえばシリコ
ン系、エポキシ系、尿素系、アクリル系、ウレタン系、
不飽和ポリエステル系等の種々の硬化反応性樹脂を使用
することができるが、印刷インキ層2によってもたらさ
れる美感を阻害することのない様、透明なものを使用す
べきである。またその厚さは0.5 〜10g/m2、より好まし
くは0.5 〜5g/m2の範囲であり、薄過ぎる場合は表面保
護効果が十分に発揮され難く、一方厚すぎると曲げ加工
時に該硬化耐熱層6にクラックが生じ易くなる。
【0024】本発明のラミネート用フィルムは上記の様
に6層構造を有する積層フィルムであり、これは前述の
如く金属板上にドライラミネート法やサーマルラミネー
ト法等によってラミネートされる。このとき、たとえば
図4に示す如く該金属板Meのラミネート面側に、透明
もしくは着色されたコート層(あるいはプライマー層)
7を予め形成しておいてからラミネートする方法を採用
すれば、ラミネート接着性が高められると共に、ラミネ
ート速度を一段と高めることが可能となるので好まし
い。
【0025】特に該コート層5を着色しておけば、それ
によって金属板の地色が隠蔽されて印刷インキ層2によ
ってもたらされる鮮明度が一段と向上すると共に、ラミ
ネート強度も高められるので好ましい。下地層として形
成される該コート層7の色は、印刷インキ層2の彩色に
応じて適当に選定すればよいが、白色のものとすれば、
どの様な彩色の印刷インキ層2に対しても一様に優れた
鮮明度向上効果が発揮されるので好ましい。
【0026】この様にして得られるラミネート用フィル
ムを前述の様な方法で金属板上あるいはコート層の形成
された金属板上にラミネートすると、美粧された金属板
を得ることができ、これはそのままの状態で様々のパネ
ル材や美粧外板材等として使用できるばかりでなく、こ
れを常法に従って製缶すると、極めて美麗で意匠性の高
い金属容器を得ることができる。
【0027】本発明は以上の様に構成されるが、その特
徴を従来から実施されている金属板上に直接印刷し焼付
けを行なう方法と対して整理すると下記の通りである。
【0028】(1) 高級感のある印刷の実現 金属板へ直接印刷する方法では、先に述べた様に鮮明度
に欠けると共にハーフトーン印刷や写真印刷が困難であ
り、単調な印刷しか得られないが、本発明ではフレキシ
ブルな熱可塑性樹脂層に印刷を施してからラミネートす
る方法であるから、印刷の鮮明度が高く且つハーフトー
ン印刷や写真印刷、多重印刷による立体感の付与等も容
易であり、高級感を持った幅広い彩色、色調の印刷が可
能となる。
【0029】(2) 高速印刷の達成 従来法では、前述の如く印刷インキの乾燥乃至硬化に要
する時間が製缶工程の律速となるため、製缶速度を十分
に高めることができないが、本発明では印刷されたラミ
ネート用フィルムを予め準備しておき、これを製缶ライ
ンに持ち込んで金属板に対して連続的にラミネートする
ことができるので、製缶速度を著しく高めることができ
る。
【0030】(3) 光沢性の向上 従来法でも、金属板への印刷・焼付けの後、オーバーコ
ート層を形成することによってある程度光沢を高めるこ
とができるが、オーバーコート層についてはきめの細か
いコーティングが困難であり、また乾燥時の微収縮によ
ってコーティング層表面に微細な凹凸ができるため、満
足な光沢が得られ難い。これに対し本発明では、ラミネ
ート用フィルムの製造工程で鏡面ロールで処理すること
によって平滑度の高いフィルムを得ることができ、更に
はラミネート工程でフィルムにストレッチが作用するほ
か、その後の曲げ加工々程で外面側が若干引き伸ばされ
るので、製缶状態でのラミネートフィルム最表面の平滑
度は一段と高まり、極めて優れた光沢が得られる。
【0031】(4)耐スクラッチ性及び防汚性の向上 従来例の場合、堅い金属上に印刷されたインキ層は引掻
き等によって容易に傷つき、印刷インキの脱落等が生じ
易いが、本発明における印刷インキ層は硬化耐熱層およ
び高軟化点の熱可塑性樹脂層によって保護されているの
で、インキの脱落やスクラッチ等を生ずることがない。
またこぼれ出た内容物(飲料、スープ等の液体)や外部
からの汚染物による印刷インキ層の汚染が起こらない。
【0032】(5) 美粧された金属板あるいは金属容器の
低コスト化 金属板やその円筒成形体に印刷する方法では、印刷ミス
が生じると、当該印刷された金属板や円筒成形体のすべ
てが不良品となる。つまり付加価値の高い状態に至って
からロスを生ずることになる。しかしながら本願発明で
は熱可塑性樹脂フィルムへの印刷段階でその良否を選別
することができ、且つ樹脂フィルムへの印刷技術は著し
く高度化しており不良品発生率は極めて少なく、また印
刷ミスを生じたとしても付加価値の低い状態であるた
め、損失を最小限に抑えることができる。またフィルム
への印刷及び該フィルムの金属板へのラミネートも高速
で行なうことができるので高速生産が可能であり、こう
した観点からしても製品価格を下げることができる。
【0033】(6) 多品種生産への対応 従来例では一旦金属板等に印刷してしまうとその用途・
目的にしか使用できないが、本発明のラミネート用フィ
ルムは、同一サイズのものであれば他の金属板や成形体
に対しても同様にラミネートすることができ、同一品種
大量生産はもとより、多品種少量生産への対応も容易で
ある。
【0034】(7) ラミネート 接着性の向上 ヒートシール層を接着層として形成することにより高速
ラミネート性が増進されると共にラミネート強度を高め
ることができる。しかも残留溶剤が金属板とフィルムの
間に残らないので、レトルト処理、ボイル処理などの加
熱によってバブルの発生が起こらず、美しい外観が損な
われることがない。しかもフィルムを着色しておけば、
金属の色を隠蔽して印刷インキ本来の色調をより効果的
に発現することができる。
【0035】次に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前述の趣旨を逸脱しない限度に
おいて変更して実施することはいずれも本発明の技術的
範囲に含まれる。
【0036】
【実施例】実施例1 極限粘度が0.65であるポリエチレンテレフタレート(ガ
ラス転移点:65℃)を用いて得た厚さ12μm のフィル
ム(100℃における収縮応力:0.5kg/mm2)の片面に、エ
ポキシ変性ウレア樹脂を固形分で2g/m2となる様にコー
ティングして硬化させ硬化耐熱層を形成した。次いで該
フィルムの硬化耐熱層とは反対側の面に印刷を施した
後、該印刷インキ層の上に接着剤(東洋インク社製「ア
デュード」)を介して、ヒートシール層(東洋紡社製の
バイロン樹脂:厚さ:2μm )が予めラミネートされた
ポリエステル系フィルム(厚さ:12μm )を接合して
ラミネート用フィルムを得た。
【0037】このラミネート用フィルムを、脱脂処理し
た冷延鋼板にサーマルラミネート法によってラミネート
し、ラミネート鋼板を得た。
【0038】このラミネート鋼板を用いて常法により清
涼飲料用の金属容器を作成したところ、得られた容器ボ
デー部のラミネート面は鮮明で光沢に富んだ美しい外観
を有しており、優れた光沢を有するものであった。
【0039】尚上記製缶工程では、ラミネート用フィル
ムに250℃以上の熱が加わり、それによって該フィル
ムのポリエチレンテレフタレート層は若干軟化している
ものと思われるが、エポキシ変性ウレア樹脂よりなる硬
化耐熱層によって保護されているため収縮変形や光沢の
低下、及び印刷インキ層の変質は殆んど認められなかっ
た。またこの容器を100℃の熱水及び125℃の水蒸
気で処理したが、ラミネート用フィルム層の白濁や熱劣
化は全く認められず、美しい外観が損なわれることはな
かった。
【0040】
【0041】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、前
記(1) 〜(6) で記載した様に、ハーフトーンや写真印
刷、多重印刷による立体感の付与等が容易で高級感のあ
る美麗な金属板もしくは金属容器を優れた生産性のもと
で安価に提供することができ、更には印刷インキの脱落
やスクラッチ等を生ずることがなく、且つ高光沢で耐汚
染性等に優れた美粧金属板及び美粧金属容器を提供し得
ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るラミネート用フィルムの基本構
造を示す断面説明図である。
【図2】 本発明に係るラミネート用フィルムの積層構
造例を示す断面説明図である。
【図3】 本発明に係る他のラミネート用フィルムの積
層構造例を示す断面説明図である。
【図4】 本発明に係る更に他のラミネート用フィルム
の積層構造例を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 熱可塑性樹脂層 2 印刷インキ層 3 接着剤層 4 透明または着色フィルム 5 ヒートシール層 6 硬化耐熱層 7 コート層(又はプライマー層) Me 金属板

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷インキ層を設けた熱可塑性樹脂フィ
    ルムの片面に、硬化性樹脂からなる接着剤層を介して透
    明または着色フィルムが積層され、該積層体の表面には
    透明の硬化耐熱層が形成されると共に、反対面側には
    ートシール層が形成されたものであることを特徴とする
    金属板へのラミネート用フィルム。
  2. 【請求項2】 印刷インキ層を、熱可塑性樹脂フィルム
    層と接着剤層の間に形成したものである請求項1に記載
    のフィルム。
  3. 【請求項3】 予め着色コート層またはプライマー層を
    形成した金属板へのラミネートに供されるものである
    求項1または2に記載のフィルム。
  4. 【請求項4】 着色コート層における着色が白色である
    請求項3記載のフィルム。
  5. 【請求項5】 硬化耐熱層の軟化点もしくは分解温度が
    250℃以上である請求項1〜4のいずれかに記載のフ
    ィルム。
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