JP3483726B2 - 生分解性樹脂組成物及び防汚塗料組成物 - Google Patents

生分解性樹脂組成物及び防汚塗料組成物

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JP3483726B2 JP08450697A JP8450697A JP3483726B2 JP 3483726 B2 JP3483726 B2 JP 3483726B2 JP 08450697 A JP08450697 A JP 08450697A JP 8450697 A JP8450697 A JP 8450697A JP 3483726 B2 JP3483726 B2 JP 3483726B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性樹脂組成
物及びそれを用いた防汚塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】生分解性樹脂組成物から得られる塗膜や
成形体は、使用後に微生物等の生物によって分解される
ので、生態系に対して安全であり、環境衛生上の観点か
ら、近年使用が増加している。このような生分解性樹脂
組成物としては、従来より公知の樹脂組成物に、でんぷ
ん等の生分解性成分を混入したもの等が使用されてい
る。しかしながら、でんぷん等を混入しただけのもので
あると、他の成分が生分解性ではないために、塗膜や成
形体の形状が崩壊した後も、生分解されなかった成分が
塊状や粒子状となって残存し、散乱して環境汚染を引き
起こす問題があった。
【0003】そこで、主成分であるバインダーが生分解
性のものである樹脂組成物を使用することが提案されて
おり、このような樹脂組成物としては、例えば、特開平
3−157450号公報には、ポリカプロラクトンと、
ポリ−β−ヒドロキシ酪酸とからなる微生物分解性樹脂
組成物が開示されている。
【0004】しかしながら、この技術のように、バイン
ダーそのものが生分解性のものである生分解性樹脂組成
物を塗料として使用した場合、バインダーとしての機能
が不充分であり、得られる塗膜を屋外で使用すると、微
生物等による分解以前に紫外線等の光によってその形状
が破壊され、ボロボロになってしまう。また、このよう
な生分解性樹脂組成物から得られる塗膜は、基材に対す
る密着性が非常に悪いため、短期間の使用には耐えるこ
とはできるものの、比較的長期間にわたって使用する
と、塗膜としての機能を発揮することができず、頻繁に
塗りなおし等が必要であった。従って、塗膜としての機
能を必要とする間は塗膜の状態を良好に保つことがで
き、しかも使用後には、比較的すみやかに、環境や生態
系に対して無害なものにまで分解される塗膜や成形体を
形成することができる生分解性樹脂組成物の開発が望ま
れている。
【0005】ところで、近年、加水分解型バインダーと
して生分解性樹脂組成物を用い、防汚性を発揮する物質
を配合した防汚塗料組成物が使用されるようになってい
る。このような防汚塗料組成物としては、例えば、特開
平4−120183号公報には、オキシ酸、アミノ酸等
の光学活性物質;キチン、キトサン等の生体構成物質の
抽出物;ポリヒドロキシブチレート等の微生物合成物質
等の重合体等の生分解性ポリマーを塗膜成分として配合
した防汚塗料組成物が開示されている。
【0006】しかしながら、このような防汚塗料組成物
は、生分解性のバインダーがトルエンやキシレン等の塗
料用汎用有機溶剤に室温条件下で長時間安定的に溶解し
ないため、実用上問題があった。更に、減圧条件下や高
温条件下での重縮合反応が必要であるため、特別な合成
設備が必要であると同時に、長時間の反応が必要であ
り、経済的にも改善の余地が残されていた。
【0007】特開平4−230201号公報には、主鎖
内にエステル結合を有する生分解性ポリマーを含有する
水中防汚材が開示されている。しかしながら、この技術
では、塗膜の生分解の速度が速すぎるため、防汚剤を短
時間に放出してしまうので、長期間にわたって、防汚効
果を発揮することができなかった。
【0008】特開平7−109339号公報には、活性
水素基を有する化合物に環状ラクトン化合物をグラフト
重合させて得られる防汚塗料組成物が開示されている。
このものは、充分な防汚活性を有しており、また、汎用
の有機溶剤に可溶であり、特別な合成設備等を必要とし
ないので、経済的にも問題はない。しかしながら、塗膜
形成時にクラックが発生しやすく、基材に対する密着性
が不充分であるため、塗膜が剥がれた部分から水中生物
の付着が開始される問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、耐クラック性及び基材に対する密着性に優れた生分
解性樹脂組成物、及び、充分な防汚性を有し、生分解性
に優れ、かつ、優れた塗膜物性を有する塗膜を形成する
ことができる防汚塗料組成物を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐クラッ
ク性及び基材に対する密着性に優れた塗膜を形成するた
めの生分解性樹脂組成物について、鋭意研究を行った結
果、生分解性樹脂組成物の融点及び融解熱が、得られる
塗膜の性能、特に耐クラック性及び基材に対する密着性
に関与していることを見いだし、本発明を完成するに至
った。
【0011】すなわち、第一の本発明は、生分解性成分
を含有するアクリル系ポリマーからなる生分解性樹脂組
成物であって、融点(Tm)が、10〜50℃であり、
かつ、融解熱(ΔHm)が、5〜60J/gである生分
解性樹脂組成物である。また、第二の本発明は、生分解
性成分を含有するアクリル系ポリマーからなる生分解性
樹脂組成物であって、下記式(1); N=(ΔHm/Tm)×1000 (1) 〔式中、ΔHmは、融解熱(J/g)を表し、Tmは、
融点(K)を表す。〕で表される値(N)が、25〜1
70である生分解性樹脂組成物である。更に、第三の本
発明は、上記生分解性樹脂組成物及び防汚剤からなる防
汚塗料組成物である。以下に本発明を詳述する。
【0012】第一の本発明の生分解性樹脂組成物は、生
分解性成分を含有するアクリル系ポリマーからなる。上
記生分解性成分とは、微生物等の生物の作用により分解
され、環境や生態系に対して事実上無害の物質、状態に
なる物質を意味する。上記生分解性成分としては特に限
定されないが、得られる生分解性樹脂組成物の安定性、
形成される塗膜の基材に対する密着性の点から、ラクト
ン化合物の開環体が好ましい。
【0013】上記ラクトン化合物としては特に限定され
ず、例えば、下記一般式(I)及び下記一般式(II)
で表されるもの等を挙げることができる。
【0014】
【化5】
【0015】式中、R1 は、炭素数1〜6のアルキル基
を表す。aは、2〜12の整数を表す。bは、0〜4の
整数を表す。a、bでくくられた各繰り返し単位の存在
順序は、式中において限定されない。
【0016】
【化6】
【0017】式中、R2 は、炭素数1〜6のアルキル基
を表す。cは、0〜12の整数を表し、dは、0〜4の
整数を表し、かつ、c+d≧1を満たす。c、dでくく
られた各繰り返し単位の存在順序は、式中において限定
されない。
【0018】上記一般式(I)で表されるものとして
は、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクト
ン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、ω−カ
プリロラクトン、ω−カプリノラクトン、ω−ラウロラ
クトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ
−カプロラクトン、δ−カプロラクトン等を挙げること
ができる。
【0019】上記一般式(II)で表されるものとして
は、例えば、グリコールの環状2量体であるグリコリ
ド、乳酸の環状2量体であるラクチド等を挙げることが
できる
【0020】上記生分解性成分の含有量は、全組成物
中、50〜85重量%が好ましい。50重量%未満であ
ると、生分解性が著しく低下し、85重量%を超える
と、得られる塗膜の機械的強度や有機溶剤への溶解性が
得られない。より好ましくは、70〜80重量%であ
る。
【0021】上記アクリル系ポリマーは、アクリル系単
量体及びその他の共重合可能な単量体からなる。上記ア
クリル系単量体としては特に限定されず、例えば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i
−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウ
リル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル
酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸4−ヒドロキシプロピル、(メタ)アク
リル酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)
アクロレイン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミ
ド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチ
ル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メ
タ)アクリル酸N−t−ブチルアミノエチル、アシッド
ホスホキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、
(メタ)アクリル酸3−トリメトキシシリルプロピル、
(メタ)アクリル酸3−トリエトキシシリルプロピル、
(メタ)アクリル酸ジメトキシメチルシリルプロピル、
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチルとε−カプロラクトンとの付加物等を挙げ
ることができる。これらは単独で使用してもよく、2種
以上を併用してもよい。
【0022】上記(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエ
チルとε−カプロラクトンとの付加物としては、市販さ
れているものを使用することができる。このようなもの
としては、例えば、プラクセルFM1(ダイセル化学工
業社製)等を挙げることができる。
【0023】上記アクリル系単量体と共重合可能な単量
体としては特に限定されず、例えば、スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、アリルグリシジルエー
テル、イタコン酸、無水イタコン酸、マレイン酸、無水
マレイン酸、酢酸ビニル、酢酸アリル、アリルアミン、
1−ビニルピロリドン、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン等のアクリル系以外のα,β−
不飽和ビニル単量体等を挙げることができる。これらは
単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上
記アクリル系単量体と共重合可能な単量体の配合量は、
上記アクリル系単量体との合計量に対して、50重量%
以下が好ましい。
【0024】上記アクリル系ポリマーは、例えば、上記
アクリル系単量体と、上記アクリル系単量体と共重合可
能な単量体とを有機溶剤中で公知技術によりラジカル重
合させることによって得ることができる。
【0025】上記有機溶剤としては特に限定されず、例
えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエ
ステル系溶剤;キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素
系溶剤;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン
等のケトン系溶剤;イソプロピルアルコール、n−ブタ
ノール等のアルコール系溶剤;テトラヒドロフラン、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、N−メチルピロリドン等の活性水素を1分子中に含
まない高極性溶剤等を挙げることができる。これらは単
独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】上記ラジカル重合には、ラジカル重合開始
剤を必要とする。上記ラジカル重合開始剤としては特に
限定されず、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、
2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二
塩基酸塩、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、
2,2−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリ
ン−2−イル)プロパン]二塩基酸塩、2,2′−アゾ
ビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメ
チル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、
2,2′−アゾビスイソブチルアミド二水和物等のアゾ
系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート、クメンヒドロパーオキサイド等の過酸化物系
重合開始剤等の通常のラジカル重合に使用されているラ
ジカル重合開始剤等を挙げることができる。
【0027】上記ラジカル重合は、通常、約60〜18
0℃、好ましくは、90〜120℃の温度において行う
ことができ、このような条件下で2〜10時間、好まし
くは、3〜6時間反応させることにより行うことができ
る。
【0028】得られるアクリル系ポリマーの数平均分子
量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)によりポリスチレン換算で求めた値が、800〜1
000000であることが好ましい。この範囲内の平均
分子量を示すアクリル系ポリマーを得るための方法とし
ては特に限定されず、例えば、ラジカル重合開始剤の量
を調節する方法;t−ドデカンチオール、チオグリコー
ル酸2−エチルヘキシル、チオ安息香酸、チオエタノー
ル等のメルカプト化合物系連鎖移動剤を用いる方法;ア
リルアルコール等のアリル化合物を用いる方法;2,4
−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(α−メチル
スチレンダイマー)等の芳香族系連鎖移動剤を用いる方
法等を挙げることができる。
【0029】上記アクリル系ポリマーの数平均分子量が
800未満であると、強靱な塗膜を得ることができず、
1000000を超えると、粘度が高くなりすぎ、塗装
作業性が著しく低下する。より好ましくは、1000〜
500000である。
【0030】第一の本発明の生分解性樹脂組成物は、上
記生分解性成分を含有するアクリル系ポリマーからなる
ものである。上記生分解性成分は、上記アクリル系ポリ
マーと共重合していてもよく、単に配合されたものであ
ってもよい。上記共重合の方法としては特に限定されな
いが、得られる生分解性樹脂組成物の生分解性の点か
ら、上記生分解性成分が枝部となるグラフト共重合が好
ましい。上記生分解性成分としてラクトン化合物を使用
する場合には、上記共重合は、上記アクリル系単量体か
らなるポリマーに上記ラクトン化合物を開環重合させる
ことにより行うことができる。
【0031】第一の本発明の生分解性樹脂組成物をグラ
フト共重合により得る場合、上記グラフト共重合は、公
知の方法によって行われる。例えば、上記生分解性成
分、上記アクリル系ポリマー、重合触媒、及び、必要に
応じて、不活性溶媒を加え、この混合物を加熱し、窒素
送気しながら攪拌する条件下、所定時間グラフト重合反
応させることにより、第一の本発明の生分解性樹脂組成
物を得ることができる。
【0032】上記重合触媒としては特に限定されず、例
えば、ジブチルすずラウレート、ジラウリルすずオキサ
イド、ブチルすずトリ2−エチルヘキサノエート、ジブ
チルすずメトキサイド等の有機すず化合物;テトライソ
プロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラ
キス(2−エチルヘキシル)チタネート等の有機チタン
化合物;三フッ化アンチモン、三塩化アンチモン、三硫
化アンチモン等のアンチモン化合物;モリブデン化合物
等のルイス酸類;水酸化リチウム、ブチル化リチウム等
のアルキル金属;希土類金属錯体等を挙げることができ
る。
【0033】第一の本発明の生分解性樹脂組成物は、塗
膜強度の向上及び生分解の速度制御を目的として、塗膜
の内部を架橋させるために、架橋剤を含んでいることが
好ましい。上記架橋剤としては特に限定されず、例え
ば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソ
シアネート等のポリイソシアネート化合物;ポリ無水マ
レイン酸、スチレン/無水マレイン酸共重合体、無水ピ
ロメリット酸等の二塩基酸無水物及び二塩基酸無水物含
有樹脂;メラミンホルムアルデヒド樹脂;ポリエポキシ
化合物等を挙げることができる。
【0034】上記架橋剤の添加量は、特に限定されるも
のではないが、生分解性を損なわない範囲で添加される
ことが好ましく、通常、得られる生分解性樹脂組成物中
の活性水素基に対して、0〜50モル%であることが好
ましい。より好ましくは、0〜30モル%である。
【0035】第一の本発明の生分解性樹脂組成物には、
必要に応じて、可塑化剤;タレ止め剤、増粘剤等のレオ
ロジー調整剤;酸化チタン、ベンガラ等の着色顔料;有
機染料;保存料、防かび剤、酸化防止剤、殺菌剤、香料
等ので使用が許可されている薬剤;紫外線吸収剤;粘
土、アルミナ、シリカ、タルク等の体質顔料;パラフィ
ン、シリコーンオイル等の表面調整剤等を添加してもよ
い。
【0036】上記各種添加剤の添加量としては、得られ
る生分解性樹脂組成物中、5〜70重量%が好ましい。
5重量%未満であると、これらの添加剤を添加する効果
がなく、70重量%を超えると、バインダー成分となる
生分解性成分及び非生分解性成分のグラフト共重合体が
少なくなりすぎて、塗膜を形成することが困難になる。
より好ましくは、10〜50重量%である。
【0037】第一の本発明の生分解性樹脂組成物は、融
点(Tm)が、10〜50℃である。上記融点(Tm)
は、示差走査熱量測定(DSC)により、測定試料約1
0mgに対して、−60℃から昇温速度5℃/分で測定
された値である。融点(Tm)が10℃未満であると、
強靱な塗膜が得られず、50℃を超えると、結晶性が高
く、得られる塗膜が脆くなり、耐クラック性が不充分と
なるので、上記範囲に限定される。
【0038】また、第一の本発明の生分解性樹脂組成物
は、融解熱(ΔHm)が、5〜60J/gである。5J
/g未満であると、強靱な塗膜が得られず、60J/g
を超えると、結晶性が高く、得られる塗膜が脆くなり、
耐クラック性が不充分となるので、上記範囲に限定され
る。より好ましくは、10〜55J/gである。
【0039】第一の本発明の生分解性樹脂組成物は、上
記融点(Tm)及び上記融解熱(ΔHm)が上記範囲内
であるので、得られる塗膜の耐クラック性及び基材に対
する密着性が良好である。上記融点(Tm)及び上記融
解熱(ΔHm)と、塗膜の性質である耐クラック性及び
基材に対する密着性とは、明確に相関があるとはいえな
いものの、例えば、図1、図2に示すように、上記融点
(Tm)及び上記融解熱(ΔHm)が上記範囲内であれ
ば、耐クラック性及び基材に対する密着性が良好になる
ことは明らかであり、上記融点(Tm)及び上記融解熱
(ΔHm)は、塗膜の耐クラック性及び基材に対する密
着性の評価の指標とすることができる。
【0040】第一の本発明の生分解性樹脂組成物は、基
材表面にそのまま、又は、プライマー処理、下塗り塗装
等が施された基材の表面に塗布し、乾燥することによっ
て塗膜を形成することができる。上記塗布は、公知の方
法によって行うことができる。また、上記乾燥は、室温
で行うことができるが、必要に応じて、加熱乾燥しても
よい。
【0041】第一の本発明の生分解性樹脂組成物は、融
点(Tm)及び融解熱(ΔHm)の範囲をそれぞれ規定
したものであるので、優れた生分解性を有しており、か
つ、耐クラック性、基材に対する密着性に優れた塗膜を
得ることが可能である。従って、第一の本発明の生分解
性樹脂組成物は、例えば、防汚塗料組成物等に好適に使
用することができる。
【0042】第二の本発明の生分解性樹脂組成物は、上
述の組成からなる生分解性樹脂組成物であって、下記式
(1); N=(ΔHm/Tm)×1000 (1) 〔式中、ΔHmは、融解熱(J/g)を表し、Tmは、
融点(K)を表す。〕で表される値(N)が、25〜1
70である。
【0043】第二の生分解性樹脂組成物は、上記式
(1)で表される値(N)が、25〜170である。本
明細書においては、上記式(1)によって定義される上
記値を、以降、N値と称する。N値が25未満であって
も、170を超えても、得られる塗膜の耐クラック性及
び基材に対する密着性が低下するので、上記範囲に限定
される。より好ましくは、25〜150である。上記N
値が塗膜の耐クラック性及び基材に対する密着性に関連
することは、本発明者らによって初めて見いだされたも
のである。
【0044】第二の本発明の生分解性樹脂組成物は、上
記N値が上記範囲内であるので、得られる塗膜の密着性
及び耐クラック性が良好である。上記N値と、塗膜の耐
クラック性及び基材に対する密着性とは、明確な相関が
あるわけではないが、例えば、図3、図4に示すよう
に、上記N値が上記範囲外であると、耐クラック性及び
基材に対する密着性が不良であり、これらの塗膜性能を
良好にするには、上記N値を25〜170にする必要が
ある。従って、上記N値は、塗膜の耐クラック性及び基
材に対する密着性の評価の指標とすることができる。
【0045】第二の本発明の生分解性樹脂組成物は、上
記N値の範囲を規定したものであるので、優れた生分解
性を有しており、かつ、耐クラック性、基材に対する密
着性に優れた塗膜を得ることが可能である。従って、第
二の本発明の生分解性樹脂組成物は、例えば、防汚塗料
組成物に限らず、その他の塗料バインダーや成形材等の
意図的に樹脂組成物を分解させたい分野に好適に使用す
ることができる。
【0046】第三の本発明の防汚塗料組成物は、上述し
た第一の本発明及び第二の本発明の生分解性樹脂組成物
及び防汚剤からなる。上記防汚剤としては特に限定され
ず、通常の防汚塗料組成物に使用されているものであれ
ばよく、例えば、ジンクメチルジチオカーバメート、2
−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロ
ピルアミノ−s−トリアジン、2,4,5,6−テトラ
クロロイソフタロニトリル、N,N−ジメチルジクロロ
フェニル尿素、ロダン銅、亜酸化銅、4,5−ジクロロ
−2−n−オクチル−3(2H)イソチアゾリン、N−
(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、N,
N′−ジメチル−N′−フェニル−(N−フルオロジク
ロロメチルチオ)スルファミド、2−ピリジンチオール
−1−オキシド亜鉛塩(ジンクピリチオン)、2,4,
5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリ
ジン、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメー
ト、ジヨードメチルパラトリルスルホン等を挙げること
ができる。
【0047】また、これらのほかに、アニオン系、カチ
オン系、ノニオン系の界面活性剤;防藻剤;農薬;抗生
物質;アルキルフェノール、アルキルレゾルシノール等
の酵素活性阻害剤;上記以外の毒性が比較的温和な化合
物等を使用することができる。
【0048】上記生分解性樹脂組成物の配合量は、第三
の本発明の防汚塗料組成物中、10〜95重量%が好ま
しい。10重量%未満であると、塗膜の強度を保つこと
ができず、塗料バインダーとして機能しなかったり、優
れた生分解性を発揮することができず、95重量%を超
えると、長期間にわたって防汚効果を発揮することがで
きない。より好ましくは、30〜70重量%である。
【0049】第三の本発明の防汚塗料組成物から塗膜を
形成する方法としては特に限定されず、従来の防汚塗料
と同様に塗膜を形成することができる。例えば、基材表
面に直接、又は、基材にウォッシュプライマー、ジンク
エポキシ系プライマー等のプライマー類;油性錆止め、
塩化ゴム系、エポキシ系等の下塗りプライマー類;長油
性フタル酸樹脂系、塩化ゴム系、エポキシ系等の中塗り
塗料類;上塗り塗料類をそれぞれ組み合わせて塗布し、
プライマー、下塗りプライマー、中塗り塗料、上塗り塗
料を順次塗装して形成させた被膜を設けた基材表面に、
刷毛塗り、吹き付け塗装、ローラー塗装、静電塗装、デ
ィッピング等の手段で塗装し、乾燥させることによって
塗膜を形成することができる。
【0050】上記乾燥は、常温で行うことができるが、
加熱条件下又は室温以下の温度条件下で行うことも可能
である。得られる塗膜の膜厚は、乾燥膜厚として5〜5
00μmであることが好ましい。より好ましくは、10
〜300μmである。
【0051】第三の本発明の防汚塗料組成物を適用する
ことができる基材としては特に限定されず、例えば、船
舶の船底、港湾施設、ブイ、パイプライン、橋梁、海底
基地、養殖漁網、定置網、海中油田関連施設、発電所導
水管及び取水施設、防波堤、船舶係留施設等を構成する
基材等を挙げることができる。
【0052】本発明の防汚塗料組成物は、上述した第一
の本発明及び第二の本発明の生分解性樹脂組成物を加水
分解性のバインダーとして用いているので、塗膜の形成
時にはクラックを発生させず、基材に対する密着性に優
れている。また、塗膜そのものが生分解性を有している
ので、塗膜から防汚剤を効率よく放出することができ、
防汚剤による防汚効果を充分に発揮することができるう
え、水中の微生物等の作用により塗膜が加水分解され、
表面が更新されることにより、長期間にわたって防汚効
果を発揮することができる。更に、生分解された塗膜
は、生態系に対して害を及ぼすものではないので、環境
衛生上好ましい防汚塗料組成物である。
【0053】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0054】製造例1 アクリル系ポリマーAの調製 攪拌機及び窒素送気装置を備えた容積500mlのセパ
ラブルフラスコに、キシレン200重量部を加え、攪拌
及び窒素送気を継続しながら110℃に昇温させた。こ
こに、滴下ロートに入れたメチルメタクリレート106
重量部、2−エチルヘキシルメタクリレート68重量
部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート26重量部及
びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)3.4重量
部を3時間かけて滴下させ、更に3時間反応を継続させ
たところ、アクリル系ポリマーAが得られた。回収した
キシレン溶液の不揮発分を高真空オーブン中(120℃
×3時間、圧力1mmHg以下)で測定したところ、4
9.6%であった。また、GPCを用いてポリスチレン
換算平均分子量を測定したところ、約11000であっ
た。
【0055】製造例2〜4 アクリル系ポリマーB〜D
の調製 各組成の配合量を表1のとおりに変更したこと以外は、
製造例1と同様にしてアクリル系ポリマーB〜Dを得
た。各ポリマーのキシレン溶液中の不揮発分及び数平均
分子量は、表1に示した。
【0056】
【表1】
【0057】実施例1 攪拌機及び窒素送気装置を備えた容積500mlのセパ
ラブルフラスコに、製造例1で得られたアクリル系ポリ
マーA80重量部、ε−カプロラクトン128重量部、
δ−バレロラクトン32重量部、及び、触媒としてモノ
ブチルすずオキサイド0.1重量部を加え、攪拌及び窒
素送気を継続しながら、ε−カプロラクトン及びδ−バ
レロラクトン由来のIRスペクトル吸収がなくなるまで
180℃で反応させた。反応終了後放冷させ、更にトル
エン160重量部を加えて樹脂組成物を回収した。回収
したトルエン溶液の不揮発分を高真空オーブン中(12
0℃×3時間、圧力1mmHg以下)で測定したとこ
ろ、49.3%であった。また、示差走査熱量測定(D
SC)により、融点(Tm)及び融解熱(ΔHm)を測
定したところ、それぞれ31.0℃、46.4J/gで
あった。N値は、153であった。
【0058】実施例2〜8、比較例1〜3 アクリル系ポリマー、ラクトン化合物、トルエンの配合
を表2に示したとおりに変更したこと以外は、実施例1
と同様にして樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の
不揮発分、融点(Tm)、融解熱(ΔHm)及びN値
は、表2に示した。
【0059】
【表2】
【0060】実施例9 実施例1で得られた樹脂組成物40重量部、N,N−ジ
メチルジクロロフェニル尿素6重量部、硫酸バリウム1
2重量部、有機ベントナイト2重量部、キシレン40重
量部及び亜酸化銅100重量部をホモジナイザーを用い
てよく混合し、防汚塗料組成物を調製した。これを市販
のビニタール系の錆止め塗料を塗装した鋼板上に、乾燥
膜厚が平均100〜150μmになるように塗布し、3
昼夜室温条件下で乾燥を行い、塗膜を形成した。
【0061】得られた塗膜を、水深1mの海水中に2か
年継続して浸漬させ、防汚性能の評価を行った。評価は
以下の5段階で行った。結果を表3に示した。 ○:僅かなスライム生物以外の生物付着なし ○〜△:スライム生物以外の大型の動物/植物の付着面
積5%未満 △:スライム生物以外の大型の動物/植物の付着面積5
%以上20%未満 △〜×:スライム生物以外の大型の動物/植物の付着面
積20%以上50%未満 ×:スライム生物以外の大型の動物/植物の付着面積5
0%以上
【0062】また、人工海水に6か月浸漬した塗膜につ
いて、目視により耐クラック性の評価を行った後、表面
をクロスカット(直交2mm巾100目)し、粘着テー
プによる剥離試験により、基板との密着性の評価を行っ
た。結果を表3に示した。耐クラック性の評価 5:クラックの発生なし 4:ルーペ観察で僅かなクラックあり(実用上の問題な
し) 3:僅かなクラックあり 2:明らかにクラックが観察される 1:大きな溝状のクラックあり密着性の評価 5:密着度100〜95 4:密着度94〜85 3:密着度84〜70 2:密着度69〜50 1:密着度49以下
【0063】更に、塗膜を下水溝において6か月間浸漬
した後、塗膜の状態を目視で判定し、生分解性を評価し
た。結果を表3に示した。生分解性 ○:塗膜が原形をとどめず △:塗膜表面が白化し、一部剥離 ×:塗膜形状に変化なし
【0064】実施例10〜16、比較例4〜6 樹脂組成物をそれぞれ実施例2〜8、比較例1〜3で得
られたものに変更したこと以外は、実施例9と同様にし
て防汚塗料組成物を調製し、塗膜を得た。得られた塗膜
の防汚性能、耐クラック性、密着性及び生分解性を実施
例1と同様にして評価した。結果を表3に示した。
【0065】
【表3】
【0066】実施例1〜8、比較例1〜3で得られた樹
脂組成物の融点(Tm)及び融解熱(ΔHm)と、実施
例9〜16、比較例4〜6で得られた塗膜の耐クラック
性との関係を、図1に示した。また、実施例1〜8、比
較例1〜3で得られた樹脂組成物の融点(Tm)及び融
解熱(ΔHm)と、実施例9〜16、比較例4〜6で得
られた塗膜の密着性との関係を、図2に示した。
【0067】図1及び図2から、融点(Tm)10〜5
0℃、かつ、融解熱(ΔHm)5〜60J/gである実
施例1〜8の樹脂組成物は、塗膜の耐クラック性及び基
材に対する密着性が良好であることが判った。
【0068】実施例1〜8、比較例1〜3で得られた樹
脂組成物のN値と、実施例9〜16、比較例4〜6で得
られた塗膜の耐クラック性との関係を、図3に示した。
また、実施例1〜8、比較例1〜3で得られた樹脂組成
物のN値と、実施例9〜16、比較例4〜6で得られた
塗膜の密着性との関係を、図4に示した。
【0069】図3及び図4から、N値が25〜170で
ある実施例1〜8の樹脂組成物は、塗膜の耐クラック性
及び基材に対する密着性が良好であることが判った。
【0070】
【発明の効果】本発明の生分解性樹脂組成物は、上述の
構成よりなるので、塗膜形成時にクックを発生させるこ
となく、基材に対する密着性が良好である塗膜を形成す
ることができる。また、本発明の生分解性樹脂組成物を
用いた防汚塗料組成物は、一定期間以上は良好な塗膜物
性を保つことができ、かつ、防汚剤を効果的に放出する
ことができ、また、使用後には、すみやかに生分解され
るものであるので、中期的、長期的に使用される水中設
置基材に好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜16及び比較例1〜6における融点
(Tm)及び融解熱(ΔHm)と耐クラック性との関係
を表す図である。縦軸は、融点(Tm)及び融解熱(Δ
Hm)を表し、横軸は、耐クラック性を表す。◇は、実
施例1〜8の融点(Tm)を表し、黒塗りの◇は、比較
例1〜3の融点(Tm)を表し、□は、実施例1〜8の
融解熱(ΔHm)を表し、黒塗りの□は、比較例1〜3
の融解熱(ΔHm)を表す。
【図2】実施例1〜16及び比較例1〜6における融点
(Tm)及び融解熱(ΔHm)と密着性との関係を表す
図である。縦軸は、融点(Tm)及び融解熱(ΔHm)
を表し、横軸は、密着性を表す。◇は、実施例1〜8の
融点(Tm)を表し、黒塗りの◇は、比較例1〜3の融
点(Tm)を表し、□は、実施例1〜8の融解熱(ΔH
m)を表し、黒塗りの□は、比較例1〜3の融解熱(Δ
Hm)を表す。
【図3】実施例1〜16及び比較例1〜6におけるN値
と耐クラック性との関係を表す図である。縦軸は、N値
を表し、横軸は、耐クラック性を表す。○は、実施例1
〜8のN値を表し、黒塗りの○は、比較例1〜3のN値
を表す。
【図4】実施例1〜16及び比較例1〜6におけるN値
と密着性との関係を表す図である。縦軸は、N値を表
し、横軸は、密着性を表す。○は、実施例1〜8のN値
を表し、黒塗りの○は、比較例1〜3のN値を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91 C08L 67/04 C09D 167/04

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性成分を含有するアクリル系ポリ
    マーからなる生分解性樹脂組成物であって、融点(T
    m)が、10〜50℃であり、かつ、融解熱(ΔHm)
    が、5〜60J/gであることを特徴とする生分解性樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 生分解性成分を含有するアクリル系ポリ
    マーは、アクリル系ポリマーと生分解性成分とをグラフ
    ト共重合してなるものである請求項1記載の生分解性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 生分解性成分の含有量は、全組成物中、
    50〜85重量%である請求項1又は2記載の生分解性
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 生分解性成分は、ラクトン化合物の開環
    体である請求項1、2又は3記載の生分解性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 ラクトン化合物は、下記一般式(I)又
    は下記一般式(II)で表されるものである請求項4記
    載の生分解性樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。a
    は、2〜12の整数を表す。bは、0〜4の整数を表
    す。a、bでくくられた各繰り返し単位の存在順序は、
    式中において限定されない。) 【化2】 (式中、R2 は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。c
    は、0〜12の整数を表し、dは、0〜4の整数を表
    し、かつ、c+d≧1を満たす。c、dでくくられた各
    繰り返し単位の存在順序は、式中において限定されな
    い。)
  6. 【請求項6】 生分解性成分を含有するアクリル系ポリ
    マーからなる生分解性樹脂組成物であって、下記式
    (1); N=(ΔHm/Tm)×1000 (1) 〔式中、ΔHmは、融解熱(J/g)を表し、Tmは、
    融点(K)を表す。〕で表される値(N)が、25〜1
    70であることを特徴とする生分解性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 生分解性成分を含有するアクリル系ポリ
    マーは、アクリル系ポリマーと生分解性成分とをグラフ
    ト共重合してなるものである請求項6記載の生分解性樹
    脂組成物。
  8. 【請求項8】 生分解性成分の含有量は、全組成物中、
    50〜85重量%である請求項6又は7記載の生分解性
    樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 生分解性成分は、ラクトン化合物の開環
    体である請求項6、7又は8記載の生分解性樹脂組成
    物。
  10. 【請求項10】 ラクトン化合物は、下記一般式(I)
    又は下記一般式(II)で表されるものである請求項9
    記載の生分解性樹脂組成物。 【化3】 (式中、R1 は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。a
    は、2〜12の整数を表す。bは、0〜4の整数を表
    す。a、bでくくられた各繰り返し単位の存在順序は、
    式中において限定されない。) 【化4】 (式中、R2 は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。c
    は、0〜12の整数を表し、dは、0〜4の整数を表
    し、かつ、c+d≧1を満たす。c、dでくくられた各
    繰り返し単位の存在順序は、式中において限定されな
    い。)
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の生
    分解性樹脂組成物及び防汚剤からなることを特徴とする
    防汚塗料組成物。
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