JP3480323B2 - 酸化セリウム研磨剤、基板の研磨法及び半導体装置 - Google Patents
酸化セリウム研磨剤、基板の研磨法及び半導体装置Info
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剤、基板の研磨法及び半導体装置に関する。
プラズマ−CVD、低圧−CVD等の方法で形成される
SiO2絶縁膜等無機絶縁膜層を平坦化するための化学
機械研磨剤として、コロイダルシリカ系の研磨剤が一般
的に検討されている。コロイダルシリカ系の研磨剤は、
シリカ粒子を四塩化珪酸の熱分解等の方法で粒成長さ
せ、アンモニア等のアルカリ金属を含まないアルカリ溶
液でpH調整を行って製造している。しかしながら、こ
の様な研磨剤は無機絶縁膜の研磨速度が充分な速度を持
たず、実用化には低研磨速度という技術課題がある。
て、酸化セリウム研磨剤が用いられている。酸化セリウ
ム粒子はシリカ粒子やアルミナ粒子に比べ硬度が低く、
したがって研磨表面に傷が入りにくいことから仕上げ鏡
面研磨に有用である。また、酸化セリウムは強い酸化剤
として知られるように、化学的活性な性質を有してい
る。この利点を活かし、絶縁膜用化学機械研磨剤への適
用が有用である。しかしながら、フォトマスク用ガラス
表面研磨用酸化セリウム研磨剤をそのまま無機絶縁膜研
磨に適用すると、1次粒子径が大きく、そのため絶縁膜
表面に目視で観察できる研磨傷が入ってしまう。また、
酸化セリウム粒子は理論密度が7.2g/ccと大きい
ことから沈降しやすい。そのことから研磨時の研磨剤供
給濃度むら、供給管での詰まり等の問題が生じる。
く、またSiO2絶縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研
磨することが可能な酸化セリウム研磨剤及び基板の研磨
法を提供するものである。
粒子、アクリル酸アンモニウム塩とアクリル酸メチルの
共重合体および水を含む酸化セリウム研磨剤である。ア
クリル酸アンモニウム塩とアクリル酸メチルの共重合体
が酸化セリウム粒子100重量部に対して0.01以上
5重量部以下添加することがこのましい。アクリル酸ア
ンモニウム塩とアクリル酸メチルの共重合体の重量平均
分子量は1000〜20000が好ましい。アクリル酸
アンモニウム塩とアクリル酸メチルとのモル比は、アク
リル酸アンモニウム塩/アクリル酸メチルが10/90
〜90/10が好ましい。酸化セリウム研磨剤のpHは
7以上10以下が好ましい。本発明の基板の研磨法は、
シリカ膜が形成された半導体チップ等の所定の基板を上
記の研磨剤で研磨するものである。本発明の半導体装置
は、シリカ膜が上記の研磨剤で研磨された半導体チップ
を備えるものである。
硫酸塩、蓚酸塩等のセリウム化合物を焼成することによ
って得られる。TEOS−CVD法等で形成されるSi
O2絶縁膜は1次粒子径が大きく、かつ結晶歪が少ない
ほど、すなわち結晶性がよいほど高速研磨が可能である
が、研磨傷が入りやすい傾向がある。そこで、本発明で
用いる酸化セリウム粒子は、あまり結晶性を上げないで
作製される。また、半導体チップ研磨に使用することか
ら、アルカリ金属およびハロゲン類の含有率は1ppm
以下に抑えることが好ましい。本発明の研磨剤は高純度
のもので、Na、K、Si、Mg、Ca、Zr、Ti、
Ni、Cr、Feはそれぞれ1ppm以下、Alは10
ppm以下である。本発明において、酸化セリウム粒子
を作製する方法として焼成法が使用できる。ただし、研
磨傷が入らない粒子を作製するために、できるだけ結晶
性を上げない低温焼成が好ましい。セリウム化合物の酸
化温度が300℃であることから、焼成温度は600℃
以上900℃以下が好ましい。炭酸セリウムを600℃
以上900℃以下で5〜300分、酸素ガス等の酸化雰
囲気で焼成すること好ましい。
等の乾式粉砕、ビ−ズミル等の湿式粉砕で粉砕すること
ができる。ジェットミルは例えば化学工業論文集第6巻
第5号(1980)527〜532頁に説明されてい
る。焼成酸化セリウムをジェットミル等の乾式粉砕等で
粉砕した酸化セリウム粒子には、一次粒子サイズの小さ
い粒子と一次粒子サイズまで粉砕されていない粉砕粒子
が含まれ、この粉砕粒子は一次粒子が再凝集した凝集体
とは異なっており、2つ以上の一次粒子から構成され結
晶粒界を有している。この結晶粒界を有す粉砕粒子を含
む研磨剤で研磨を行うと、研磨時の応力により破壊され
活性面を発生すると推定され、SiO2絶縁膜等の被研
磨面を傷なく高速に研磨することに寄与していると考え
られる。
上記の方法により製造された酸化セリウム粒子を含有す
る水溶液又はこの水溶液から回収した酸化セリウム粒
子、水及び必要に応じて分散剤からなる組成物を分散さ
せることによって得られる。ここで、酸化セリウム粒子
の濃度に制限は無いが、懸濁液(研磨剤)の取り扱い易
さから0.5〜10重量%の範囲が好ましい。また分散
剤としては、アクリ酸アンモニウム塩とアクリル酸メチ
ルの共重合体が使用され、重量平均分子量1000〜2
0000のアクリル酸アンモニウム塩とアクリル酸メチ
ルの共重合体が好ましい。アクリル酸アンモニウム塩と
アクリル酸メチルとのモル比は、アクリル酸アンモニウ
ム塩/アクリル酸メチルが10/90〜90/10が好
ましい。これらの分散剤の添加量は、スラリー中の粒子
の分散性及び沈降防止性等から、酸化セリウム粒子10
0重量部に対して0.01重量部から5重量部の範囲が
好ましく、その分散効果を高めるためには、分散処理時
に分散機の中に粒子と同時に入れることが好ましい。ア
クリル酸アンモニウム塩とアクリル酸メチルの共重合体
が酸化セリウム粒子100重量部に対して0.01重量
部未満では沈降し易く、5重量部を超えると再凝集によ
る粒度分布の経時変化が生じやすい。また、重量平均分
子量が20000を超えると再凝集による粒度分布の経
時変化が生じやすい。重量平均分子量が1000未満で
は分散性及び沈降防止の効果が十分でない場合がある。
せる方法としては、通常の撹拌機による分散処理の他
に、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル等を用
いることができる。サブミクロンオーダの酸化セリウム
粒子を分散させるためには、ボールミル、振動ボールミ
ル、遊星ボールミル、媒体撹拌式ミル等の湿式分散機を
用いることが好ましい。また、スラリーのアルカリ性を
高めたい場合には、分散処理時又は処理後に、アンモニ
ア水などの金属イオンを含まないアルカリ性物質を添加
することができる。
リ−をそのまま使用してもよいが、N,N−ジエチルエ
タノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノ−ルアミン、
アミノエチルエタノ−ルアミン等の添加剤を適宜添加し
て研磨剤とすることができる。
から構成され結晶粒界を有する多結晶粒子が使用でき
る。その粒子径の中央値は、60〜1500nmが好ま
しく、一次粒子径の中央値は30〜250nmが好まし
い。前記結晶粒界を有する酸化セリウム粒子は、全酸化
セリウム粒子の5〜100体積%であることが好まし
く、結晶粒界を有する酸化セリウム粒子の他には一次粒
子径と同等サイズの小さな粒子、一次粒子が凝集した凝
集粒子がスラリ−に混在することができる。結晶粒界を
有する酸化セリウム粒子の最大径が3000nm以下で
あることが好ましい。酸化セリウム粒子を構成する一次
粒子は、最大径が600nm以下、さらには10〜60
0nmの範囲のものを使用することが好ましい。酸化セ
リウム粒子は、炭酸セリウムを焼成したものが好まし
い。本発明の酸化セリウム研磨剤は沈降し難く、所定の
基板、例えばシリカ膜が形成された半導体チップのシリ
カ膜を高速、かつ傷を付けることなく研磨法することが
できる。
ム粒子を構成する一次粒子のアスペクト比は1〜2、中
央値1.3が好ましい。アスペクト比は、走査型電子顕
微鏡(例えば(株)日立製作所製 S−900型)によ
る観察で測定する。本発明のスラリ−に分散された酸化
セリウム粒子として、粉末X線リートベルト法(RIE
TAN−94)による解析で、等方的微小歪を表わす構
造パラメーター:Yの値が、0.01以上0.70以下
である酸化セリウム粒子を使用することができる。この
ような結晶歪みを有する酸化セリウム粒子を使用するこ
とにより、被研磨表面に傷をつけることなく、かつ高速
に研磨することができる。本発明のスラリ−に分散され
た酸化セリウム粒子の比表面積は、7〜45m2/gが
好ましい。比表面積が7m2/g未満だと被研磨表面に
傷を付け易くなり、45m2/gを越えると研磨速度が
遅くなる傾向にある。スラリ−の酸化セリウム粒子の比
表面積は、分散される酸化セリウム粒子の比表面積と同
じである。比表面積はBET法で測定することができ
る。本発明のスラリ−中の酸化セリウム粒子のゼ−タ電
位は、−100mV以上−10mVが好ましい。これに
より、酸化セリウム粒子の分散性を良好にし、被研磨表
面に傷を付けることなく、かつ高速に研磨することがで
きる。本発明のスラリ−のpHは、7以上10以下が好
ましく、8以上9以下がより好ましい。スラリ−調整
後、ポリエチレン等の容器に入れ5〜55℃で7日以
上、より好ましくは30日以上放置して使用すれば傷の
発生が少なくなる。本発明のスラリ−は、分散性に優れ
沈降速度が遅く、直径10cm高さ1mの円柱容器のど
の高さの位置でも、2時間放置濃度変化率が10%未満
である。
無機絶縁膜の作製方法として、定圧CVD法、プラズマ
CVD法等が挙げられる。定圧CVD法によるSiO2
絶縁膜形成は、Si源としてモノシラン:SiH4、酸
素源として酸素:O2を用いる。このSiH4−O2系酸
化反応を、400℃程度以下の低温で行わせることによ
り得られる。高温リフローによる表面平坦化を図るため
に、リン:Pをドープするときには、SiH4−O2−P
H3系反応ガスを用いることが好ましい。プラズマCD
法は、通常の熱平衡下では高温を必要とする化学反応が
低温でできる利点を有する。プラズマ発生法には、容量
結合型と誘導結合型の2つが挙げられる。反応ガスとし
ては、Si源としてSiH4、酸素源としてN2Oを用い
たSiH4−N2O系ガスとテトラエトキシシラン(TE
OS)を、Si源に用いたTEOS−O2系ガス(TE
OS−プラズマCVD法)が挙げられる。基板温度は2
50℃〜400℃、反応圧力は67〜400Paの範囲
が好ましい。このように、本発明のSiO2絶縁膜には
リン、ホウ素等の元素がド−プされていても良い。
路素子とアルミニウム配線が形成された段階の半導体基
板、回路素子が形成された段階の半導体基板等の半導体
基板上にSiO2絶縁膜層が形成された基板等が使用で
きる。このような半導体基板上に形成されたSiO2絶
縁膜層を、上記酸化セリウム研磨剤で研磨することによ
って、SiO2絶縁膜層表面の凹凸を解消し、半導体基
板全面に渡って平滑な面とする。ここで、研磨する装置
としては、半導体基板を保持するホルダーと研磨布(パ
ッド)を貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取
り付けてある)定盤を有する一般的な研磨装置が使用で
きる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレ
タン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がな
い。また、研磨布にはスラリーが溜まる様な溝加工を施
すことが好ましい。研磨条件には制限はないが、定盤の
回転速度は、半導体が飛び出さない様に100rpm以
下の低回転が好ましく、半導体基板にかける圧力は、研
磨後に傷が発生しない様に1kg/cm2以下が好まし
い。研磨している間、研磨布にはスラリーをポンプ等で
連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨布
の表面が常にスラリーで覆われていることが好ましい。
洗浄後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着
した水滴を払い落としてから乾燥させることが好まし
い。このようにして平坦化されたSiO2絶縁膜層の上
に、第2層目のアルミニウム配線を形成し、その配線間
および配線上に再度上記方法により、SiO2絶縁膜を
形成後、上記酸化セリウム研磨剤を用いて研磨すること
によって、絶縁膜表面の凹凸を解消し、半導体基板全面
に渡って平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すこ
とにより、所望の層数の半導体を製造する。
板に形成されたSiO2絶縁膜だけでなく、所定の配線
を有する配線板に形成されたSiO2絶縁膜、ガラス、
窒化ケイ素等の無機絶縁膜、フォトマスク・レンズ・プ
リズム等の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス
及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチン
グ素子・光導波路、光ファイバ−の端面、シンチレ−タ
等の光学用単結晶、固体レ−ザ単結晶、青色レ−ザ用L
EDサファイア基板、SiC、GaP、GaAS等の半
導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等
を研磨するために使用される。
は、SiO2絶縁膜が形成された半導体基板、SiO2絶
縁膜が形成された配線板、ガラス、窒化ケイ素等の無機
絶縁膜、フォトマスク・レンズ・プリズム等の光学ガラ
ス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構
成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、
光ファイバ−の端面、シンチレ−タ等の光学用単結晶、
固体レ−ザ単結晶、青色レ−ザ用LEDサファイア基
板、SiC、GaP、GaAS等の半導体単結晶、磁気
ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を含む。
であり、その上の形成層が有機SOG膜及び化学気相堆
積や熱酸化によって形成されたSiO2膜であり、不活
性化膜が形成される膜がSiO2膜で、選択的に研磨さ
れる膜が有機SOG膜である基板上に2種類以上の異な
る膜が形成された基板であっても良い。有機SOG膜と
は、例えばアルコキシシラン及びアルキルアルコキシシ
ランをアルコール等の有機溶媒中で水及び触媒を添加す
ることにより、加水分解して得られる塗布液をスピンコ
ート法等により基板に塗布後、加熱処理により硬化さた
ものである。
gを白金製容器に入れ、800℃、2時間空気中で焼成
することにより、黄白色の粉末を約1kg得た。この粉
末をX線回折法で相同定を行ったところ、酸化セリウム
であることを確認した。焼成粉末粒子径は30〜100
ミクロンであった。焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微
鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察され
た。粒界に囲まれた酸化セリウム一次粒子径を測定した
ところ、その分布の中央値が190nm、最大値が50
0nmであった。焼成粉末についてX線回折精密測定を
行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN
−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメ
ータ−:Xの値が0.080、等方的微少歪みを表わす
構造パラメータ−:Yの値が0.223であった。酸化
セリウム粉末1kgをジェットミルにより乾式粉砕を行
った。粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察したと
ころ、一次粒子径と同等サイズの小さな粒子の他に、1
ミクロンから3ミクロンの大きな粉砕粒子と0.5から
1ミクロンの粉砕粒子が混在していた。これらの粉砕粒
子は、一次粒子が再凝集した凝集体とは異なっており、
2つ以上の一次粒子から構成され結晶粒界を有してい
る。この粉砕粒子についてX線回折精密測定を行い、そ
の結果についてリートベルト法(RIETAN−94)
による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメータ−:
Xの値が0.085、等方的微少歪みを表わす構造パラ
メータ−:Yの値が0.264であった。この結果、粉
砕による一次粒子径変量は殆どなく、また粉砕により粒
子に歪みが導入されていた。さらに、BET法による比
表面積測定の結果、10m2/gであることがわかっ
た。
の酸化セリウム粒子1kgとアクリル酸アンモニウム塩
とアクリル酸メチルの共重合体水溶液(40重量%)2
3gと脱イオン水8977gを混合し、撹拌しながら超
音波分散を10分間施した。アクリル酸アンモニウム塩
とアクリル酸メチルの共重合体の重量平均分子量は10
000で、アクリル酸アンモニウム塩とアクリル酸メチ
ルのモル比は3:1のものを使用した。得られたスラリ
ーを1ミクロンフィルターでろ過をし、さらに脱イオン
水を加えることにより3wt%研磨剤を得た。スラリー
pHは8.3であった。スラリー中の粒子を走査型電子
顕微鏡で観察するために、スラリーを適当な濃度に希釈
し、それを乾燥した。スラリー中に含まれる結晶粒界を
有する粉砕粒子径を測定したところ、作製した酸化セリ
ウム粒子の中央値が825nm、最大値が1230nm
であった。その粉砕粒子は全体の84体積%であった。
この場合、他の粒子は殆ど一次粒子径と同等サイズの小
さな粒子であった。この場合、他の粒子は殆ど一次粒子
径と同等サイズの小さな粒子であった。スラリーの分散
性およびスラリー粒子の電荷を調べるため、スラリーの
ゼータ電位を調べた。両側に白金製電極を取り付けてあ
る測定セルに、酸化セリウムスラリーを入れ、両電極に
10Vの電圧を印加した。電圧を印加することにより電
荷を持ったスラリー粒子は、その電荷と反対の極を持つ
電極側に移動する。この移動速度を求めることにより、
粒子のゼータ電位を求めることができる。ゼータ電位測
定の結果、それぞれマイナスに荷電し、−50mVと絶
対値が大きく分散性が良好であることを確認した。ま
た、アンドレアゼンピペットにより沈降速度を測定した
ところ、3時間で濃度変化は0.01wt.%で、沈降
速度は6.7cm/hと沈降速度が遅く、また研磨時に
攪拌することにより研磨剤濃度むらが生じなかった。研
磨剤を6ヶ月間5℃〜55℃で保管した。その後、攪拌
により均一な濃度分布の研磨剤に戻し、レーザー回折粒
度分布測定を行ったところ、作製直後と同一の粒度分布
であることを確認できた。BET法によるスラリー粒子
の比表面積測定の結果、作製1の場合は10m2/g、
作製2の場合は16m2/gであった。
用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに、TEOS−プ
ラズマCVD法で作製したSiO2絶縁膜を形成させた
Siウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パ
ッドを貼り付けた定盤上に、絶縁膜面を下にしてホルダ
ーを載せ、さらに加工荷重が300g/cm2になるよ
うに重しを載せた。定盤上に上記の酸化セリウムスラリ
ー(固形分:3重量%)を50cc/minの速度で滴
下しながら、定盤を30rpmで2分間回転させ、絶縁
膜を研磨した。研磨後ウエハをホルダーから取り外し
て、流水で良く洗浄後、超音波洗浄機によりさらに20
分間洗浄した。洗浄後、ウエハをスピンドライヤーで水
滴を除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。
光干渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚変化を
測定した結果、この研磨によりそれぞれ600nm、5
80nm(研磨速度:300nm/min、290nm
/min)の絶縁膜が削られ、ウエハ全面に渡って均一
の厚みになっていることがわかった。また、光学顕微鏡
を用いて絶縁膜表面を観察したところ、明確な傷は見ら
れなかった。
絶縁膜を形成させたSiウエハについて、市販シリカス
ラリー(キャボット社製、商品名SS225)を用いて
研磨を行った。この市販スラリーのpHは10.3で、
SiO2粒子を12.5wt%含んでいるものである。
研磨条件は実施例と同一である。その結果、研磨による
傷は見られず、また均一に研磨がなされたが、2分間の
研磨により150nm(研磨速度:75nm/min)
の絶縁膜層しか削れなかった。
SiO2絶縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研磨するこ
とが可能となる。
Claims (7)
- 【請求項1】 酸化セリウム粒子、アクリル酸アンモニ
ウム塩とアクリル酸メチルの共重合体および水を含む酸
化セリウム研磨剤であって、アクリル酸アンモニウム塩
とアクリル酸メチルの共重合体の重量平均分子量が10
00〜20000である酸化セリウム研磨剤。 - 【請求項2】 アクリル酸アンモニウム塩とアクリル酸
メチルの共重合体が酸化セリウム粒子100重量部に対
して0.01以上5重量部以下添加された請求項1記載
の酸化セリウム研磨剤。 - 【請求項3】 アクリル酸アンモニウム塩/アクリル酸
メチルのモル比が10/90〜90/10である請求項
1または請求項2記載の酸化セリウム研磨剤。 - 【請求項4】 pHが7以上10以下である請求項1〜
3のいずれかに記載の酸化セリウム研磨剤。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の酸化セ
リウム研磨剤で、所定の基板を研磨する基板の研磨法。 - 【請求項6】 所定の基板がシリカ膜が形成された半導
体チップである請求項5記載の基板の研磨法。 - 【請求項7】 請求項6記載の半導体チップを備える半
導体装置。
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