JP2005039286A - 酸化セリウム研磨剤および基板の研磨法 - Google Patents

酸化セリウム研磨剤および基板の研磨法 Download PDF

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Hiroki Terasaki
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靖 倉田
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清仁 丹野
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Abstract

【課題】 SiO絶縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研磨する酸化セリウム研磨剤を提供する。
【解決手段】 TEOS−CVD法等で作製したSiO絶縁膜を形成させたSiウエハを、原料に90体積%以上が一次粒子径3〜60μmで凝集粒子径の中央値が20〜100μmの炭酸セリウムを使用して製造した、BET法による比表面積が10〜40m/gである酸化セリウムを含み、酸化セリウム粒子径の中央値が150〜600nmである酸化セリウム粒子を媒体に分散させたスラリーを含む酸化セリウム研磨剤で研磨する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、酸化セリウム研磨剤及び基板の研磨法に関する。
従来、半導体装置の製造工程において、プラズマ−CVD、低圧−CVD等の方法で形成されるSiO絶縁膜等無機絶縁膜層を平坦化するための化学機械研磨剤として、コロイダルシリカ系の研磨剤が一般的に検討されている。コロイダルシリカ系の研磨剤は、シリカ粒子を四塩化珪素を熱分解する等の方法で粒成長させ、アルカリ溶液でpH調整を行って製造している。しかしながら、この様な研磨剤は、無機絶縁膜の研磨速度が充分な速度を持たず、実用化には低研磨速度という技術課題がある。
一方、フォトマスクやレンズ等のガラス表面研磨剤として、酸化セリウム研磨剤が用いられている。酸化セリウム粒子は、シリカ粒子やアルミナ粒子に比べ硬度が低く、したがって研磨表面に傷が入りにくいことから仕上げ鏡面研磨に有用である。また、酸化セリウムは、強い酸化剤として知られるように化学的活性な性質を有している。この利点を活かし、絶縁膜用化学機械研磨剤への適用が有用である。しかしながら、ガラス表面研磨用酸化セリウム研磨剤は、不純物を多く含有するためそのまま半導体用研磨剤として適用することはできない。さらに、ガラス表面研磨用酸化セリウム研磨剤をそのまま無機絶縁膜研磨に適用すると、酸化セリウム粒子径(一次粒子や凝集粒子)が大きく、そのため絶縁膜表面に目視で観察できる研磨傷が入ってしまう。
本発明は、SiO絶縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研磨することが可能な酸化セリウム研磨剤および基板の研磨法を提供するものである。
本発明の酸化セリウム研磨剤は、酸化セリウム粒子、分散剤、及び水を含むものである。酸化セリウム粒子は、炭酸セリウムを原料として製造したもので、炭酸セリウムは全体の90体積%以上が一次粒子径3〜60μmであるものが使用される。炭酸セリウムは、板状結晶の凝集体が好ましく、凝集体の平均粒子径が20〜100μmであることが好ましい。本発明の酸化セリウム研磨剤を構成する酸化セリウム粒子は、粒子径の中央値が150〜600nmであることが好ましい。出発原料である炭酸セリウムの一次粒子径は走査型電子顕微鏡(例えば(株)日立製作所製 S−900型)による観察で測定する。粒子の長径と短径を求め長径と短径の積の平方根をその粒子の粒子径とする。出発原料である炭酸セリウム凝集体の粒子径又は酸化セリウム研磨剤に含まれる酸化セリウム粒子の粒子径は、レーザー回折法(例えば測定装置、Malvern Instruments社製 Mastersizer Microplus、光源He−Neレーザー、粒子の屈折率1.9285、吸収0で測定)で測定する。中央値は、体積粒子径分布の中央値であり、粒子径の細かいものからその粒子の体積割合を積算していき50%になったときの粒子径を意味する。すなわち、ある区間Δの粒子径の範囲に体積割合Vi%の量の粒子が存在するとき、区間Δの平均粒子径をdiとすると粒子径diの粒子がVi体積%存在するとする。粒子径diの小さい方から粒子の存在割合Vi(体積%)を積算していき、Vi=50%になったときのdiを中央値とする。酸化セリウム研磨剤中の酸化セリウム粒子は、99体積%以上が3000nm以下であることが好ましい。本発明の基板の研磨法は、上記の酸化セリウム研磨剤で所定の基板、例えばSiO絶縁膜が形成された基板で研磨することを特徴とするものである。本発明は、炭酸セリウムを原料に用いて製造した酸化セリウム粒子を含む酸化セリウム研磨剤が、SiO絶縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研磨することを見い出したことによりなされたものである。
本発明の研磨剤により、SiO絶縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研磨することが可能となる。
炭酸セリウムは、八水和物として結晶化するが、これを空気中等の酸素含有雰囲気中で加熱すると、分解して酸化セリウムが生成する。このときの重量減少は50%に及ぶが分解後の酸化セリウムは、原料の炭酸セリウムの形態を保持している。したがって、熱分解直後の酸化セリウムは、相対密度が約50%に低下しており、強度の低い酸化セリウムが得られる。そこで本発明によれば、炭酸セリウムを用いて酸化セリウムを製造し、これを酸化セリウム研磨剤に使用することで、SiO絶縁膜等の被研磨面を傷なく高速に研磨できる酸化セリウム研磨剤および基板の研磨法が得られる。本発明で用いる酸化セリウム粒子は、炭酸セリウムを原料とし、炭酸セリウムは全体の90体積%以上が一次粒子径3〜60μmである。炭酸セリウムは板状結晶の凝集体が好ましく、凝集体の平均粒子経が20〜100μmであることが好ましい。炭酸セリウムは水和物として結晶化するため、本発明で用いる炭酸セリウムは水和物をさす。本発明の酸化セリウム研磨剤を構成する酸化セリウム粒子は、粒子径の中央値が150〜600nmであることが好ましい。酸化セリウム研磨剤中の酸化セリウム粒子は、99体積%以上が3000nm以下であることが好ましい。また、半導体チップ研磨に使用することから、アルカリ金属およびハロゲン類の含有率は、10ppm以下に抑えることが好ましい。
本発明において、酸化セリウム粉末を作製する方法として、焼成法が使用できる。焼成温度は、600℃以上900℃以下が好ましい。上記の方法により製造された酸化セリウム粒子は凝集しているため、機械的に粉砕することが好ましい。粉砕方法として、ジェットミル等による乾式粉砕や遊星ビーズミル等による湿式粉砕方法が好ましい。ジェットミルは、例えば化学工学論文集第6巻第5号(1980)527〜532頁に説明されている。
本発明における酸化セリウムスラリーは、例えば上記の特徴を有する酸化セリウム粒子とポリアクリル酸アンモニウム塩を含む分散剤と水からなる組成物を分散させることによって得られる。ここで、酸化セリウム粒子の濃度に制限はないが、懸濁液の取り扱いやすさから0.5以上20重量%以下の範囲が好ましい。また、分散剤として、半導体チップ研磨に使用することから、Na、K等のアルカリ金属および、ハロゲン、イオウを含まないものとして、ポリアクリル酸アンモニウム塩が好ましい。また、ポリアクリル酸アンモニウム塩と水溶性有機高分子類(ポリグリセリン脂肪酸エステル等)、水溶性陰イオン性界面活性剤(アルキルエーテルカルボン酸塩)、水溶性非イオン性界面活性剤(ポリエチレングリコールモノステアレート等)、水溶性アミン類(モノエタノールアミン等)から選ばれた少なくとも1種類を含む2種類以上の分散剤を使用してもよい。これらの分散剤添加量は、スラリー中の粒子の分散性および沈降防止、さらに研磨傷と分散剤添加量との関係から、酸化セリウム粒子100重量部に対して0.01以上2.0重量部以下の範囲が好ましい。ポリアクリル酸アンモニウム塩の分子量(重量平均分子量)は、1000〜10000が好ましく、3000〜8000がより好ましい。これらの酸化セリウム粒子を水中に分散させる方法としては、通常の撹拌機による分散処理の他にホモジナイザ−、超音波分散機、ビーズミル、遊星ボールミル、振動ミル等を用いることができる。分散後のスラリー中の大きな凝集粒子を分級により除去する方法としては、沈降分離法、液体サイクロン、フィルターろ過等を用いることができる。
本発明の酸化セリウム研磨剤は、上記スラリ−をそのまま使用してもよいが、N,N−ジエチルエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノ−ルアミン、アミノエチルエタノ−ルアミン等の添加剤を添加して研磨剤とすることができる。
本発明の酸化セリウム研磨剤が使用される無機絶縁膜の作製方法として、低圧CVD法、プラズマCVD法等が挙げられる。低圧CVD法によるSiO絶縁膜形成は、Si源としてモノシラン:SiH、酸素源として酸素:Oを用いる。このSiH−O系酸化反応を400℃程度以下の低温で行わせることにより得られる。場合によっては、CVD後1000℃またはそれ以下の温度で熱処理される。高温リフローによる表面平坦化を図るためにリン:Pをドープするときには、SiH−O−PH系反応ガスを用いることが好ましい。プラズマCVD法は、通常の熱平衡下では、高温を必要とする化学反応が低温でできる利点を有する。プラズマ発生法には、容量結合型と誘導結合型の2つが挙げられる。反応ガスとしては、Si源としてSiH、酸素源としてNOを用いたSiH−NO系ガスとテトラエトキシシラン(TEOS)をSi源に用いたTEOS−O系ガス(TEOS−プラズマCVD法)が挙げられる。基板温度は250℃〜400℃、反応圧力は67〜400Paの範囲が好ましい。このように、本発明のSiO絶縁膜にはリン、ホウ素等の元素がド−プされていても良い。
所定の基板として、半導体基板すなわち回路素子と配線パターンが形成された段階の半導体基板、回路素子が形成された段階の半導体基板等の半導体基板上に、SiO絶縁膜層が形成された基板が使用できる。このような半導体基板上に形成されたSiO絶縁膜層を、上記酸化セリウム研磨剤で研磨することによって、SiO絶縁膜層表面の凹凸を解消し、半導体基板全面に渡って平滑な面とする。ここで、研磨する装置としては、半導体基板を保持するホルダーと研磨布(パッド)を貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等が使用でき、特に制限がない。また、研磨布には、スラリーが溜まる様な溝加工を施すことが好ましい。研磨条件には制限はないが、定盤の回転速度は、半導体が飛び出さない様に100rpm以下の低回転が好ましく、半導体基板にかける圧力は、研磨後に傷が発生しない様に1kg/cm以下が好ましい。研磨している間、研磨布にはスラリーをポンプ等で連続的に供給する。この供給量には制限はないが、研磨布の表面が常にスラリーで覆われていることが好ましい。
研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。このようにして平坦化されたSiO絶縁膜層の上に、第2層目のアルミニウム配線を形成し、その配線間および配線上に再度上記方法によりSiO絶縁膜を形成後、上記酸化セリウム研磨剤を用いて研磨することによって、絶縁膜表面の凹凸を解消し、半導体基板全面に渡って平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すことにより、所望の層数の半導体を製造する。
本発明の酸化セリウム研磨剤は、半導体基板に形成されたSiO絶縁膜だけでなく、所定の配線を有する配線板に形成されたSiO絶縁膜、ガラス、窒化ケイ素等の無機絶縁膜、フォトマスク・レンズ・プリズム等の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバ−の端面、シンチレ−タ等の光学用単結晶、固体レ−ザ単結晶、青色レ−ザLED用サファイア基板、SiC、GaP、GaAs等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を研磨するために使用される。このように本発明において所定の基板とは、SiO絶縁膜が形成された半導体基板、SiO絶縁膜が形成された配線板、ガラス、窒化ケイ素等の無機絶縁膜が形成された基板、フォトマスク・レンズ・プリズム等の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバ−の端面、シンチレ−タ等の光学用単結晶、固体レ−ザ単結晶、青色レ−ザLED用サファイア基板、SiC、GaP、GaAs等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を含む。
実施例1
(酸化セリウム粒子の作製1)
出発原料に板状結晶の凝集した炭酸セリウムを使用した。走査型電子顕微鏡観察により一次粒子の長径、短径を測定し、直径を長径×短径の平方根で求めたところ、この炭酸セリウムの一次粒子は、90体積%以上が直径3〜60μmの板状結晶であった。炭酸セリウムの凝集粒子径は、レーザー光回折法(測定装置:Malvern Instruments社製 Mastersizer Microplus、光源He−Neレーザー、粒子の屈折率1.9285、吸収0で測定)で測定したところ、中央値が31μmであった。炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、800℃で2時間空気中で焼成することにより、黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ、酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末粒子径は30〜100μmであった。焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム一次粒子径を測定したところ、その分布の中央値が190nm、最大値が500nmであった。焼成粉末についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメーター:Xの値が0.080、等方的微少歪みを表わす構造パラメーター:Yの値が0.223であった。酸化セリウム粉末1kgをジェットミルを用いて乾式粉砕を行った。粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子径と同等サイズの小さな粒子の他に、1μmから3μmの大きな粉砕残り粒子と0.5から1μmの粉砕残り粒子が混在していた。粉砕残り粒子は、一次粒子の凝集体ではない。粉砕粒子についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメーター:Xの値が0.085、等方的微少歪みを表わす構造パラメーター:Yの値が0.264であった。この結果、粉砕による一次粒子径変量は殆どなく、また粉砕により粒子に歪みが導入されていた。さらに、BET法による比表面積測定の結果、10m/gであることがわかった。
(酸化セリウム粒子の作製2)
酸化セリウム粒子の作製1で用いたのと同じ炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、750℃で2時間空気中で焼成することにより、黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ、酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末粒子径は30〜100μmであった。焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム一次粒子径を測定したところ、その分布の中央値が141nm、最大値が400nmであった。焼成粉末についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIRTAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメーター:Xの値が0.101、等方的微少歪みを表わす構造パラメーター:Yの値が0.223であった。酸化セリウム粉末1kgをジェットミルを用いて乾式粉砕を行った。粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子径と同等サイズの小さな粒子の他に、1μmから3μmの大きな粉砕残り粒子と0.5から1μmの粉砕残り粒子が混在していた。粉砕残り粒子は、一次粒子の凝集体ではない。粉砕粒子についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメーター:Xの値が0.104、等方的微少歪みを表わす構造パラメーター:Yの値が0.315であった。この結果、粉砕による一次粒子径変量は殆どなく、また粉砕により粒子に歪みが導入されていた。さらに、BET法による比表面積測定の結果、16m/gであることがわかった。
(酸化セリウムスラリーの作製)
上記作製1、2の酸化セリウム粒子1kgとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8977gを混合し、撹拌しながら超音波分散を10分間施した。得られたスラリーを1μmフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより3wt%研磨剤を得た。スラリーpHは8.3であった。スラリー粒子の粒度分布をレーザー回折法を用いて調べたところ、中央値が共に200nmであった。最大粒子径は、780nm以上の粒子が0体積%であった。スラリーの分散性およびスラリー粒子の電荷を調べるため、スラリーのゼータ電位を調べた。両側に白金製電極を取り付けてある測定セルに酸化セリウムスラリーを入れ、両電極に10Vの電圧を印加した。電圧を印加することにより電荷を持ったスラリー粒子は、その電荷と反対の極を持つ電極側に移動する。この移動速度を求めることにより、粒子のゼータ電位を求めることができる。ゼータ電位測定の結果、それぞれマイナスに荷電し、−50mV、−63mVと絶対値が大きく分散性が良好であることを確認した。
(絶縁膜層の研磨)
保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに、TEOS−プラズマCVD法で作製したSiO絶縁膜を形成させたSiウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた定盤上に、絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工荷重が300g/cmになるように重しを載せた。定盤上に、上記の酸化セリウムスラリー(固形分:3重量%)を50cc/minの速度で滴下しながら、定盤を30rpmで2分間回転させ、絶縁膜を研磨した。研磨後ウエハをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄後、超音波洗浄機によりさらに20分間洗浄した。洗浄後、ウエハをスピンドライヤーで水滴を除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。光干渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚変化を測定した結果、この研磨によりそれぞれ600nm、580nm(研磨速度:300nm/min、290nm/min)の絶縁膜が削られ、ウエハ全面に渡って均一の厚みになっていることがわかった。また、光学顕微鏡を用いて絶縁膜表面を観察したところ、明確な傷は見られなかった。
実施例2
(酸化セリウム粒子の作製)
実施例1で用いたのと同じ炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、700℃で2時間空気中で焼成することにより、黄白色の粉末を約1kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ、酸化セリウムであることを確認した。焼成粉末粒子径は30〜100μmであった。焼成粉末粒子表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、酸化セリウムの粒界が観察された。粒界に囲まれた酸化セリウム一次粒子径を測定したところ、その分布の中央値が50nm、最大値が100nmであった。焼成粉末についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメーター:Xの値が0.300、等方的微少歪みを表わす構造パラメーター:Yの値が0.350であった。酸化セリウム粉末1kgをジェットミルを用いて乾式粉砕を行った。粉砕粒子について走査型電子顕微鏡で観察したところ、一次粒子径と同等サイズの小さな粒子の他に、2μmから4μmの大きな粉砕残り粒子と0.5から1.2μmの粉砕残り粒子が混在していた。粉砕残り粒子は、一次粒子の凝集体ではない。粉砕粒子についてX線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト法(RIETAN−94)による解析で、一次粒子径を表わす構造パラメーター:Xの値が0.302、等方的微少歪みを表わす構造パラメーター:Yの値が0.412であった。この結果、粉砕による一次粒子径変量は殆どなく、また粉砕により粒子に歪みが導入されていた。さらに、BET法による比表面積測定の結果、40m/gであることがわかった。
(酸化セリウムスラリーの作製)
上記作製の酸化セリウム粒子1kgとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8977gを混合し、撹拌しながら超音波分散を10分間施した。得られたスラリーを2μmフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより3wt%研磨剤を得た。スラリーpHは8.0であった。スラリー粒子の粒度分布をレーザー回折法を用いて調べたところ、中央値が510nmで、最大粒子径は1440nm以上の粒子が0%であった。スラリーの分散性およびスラリー粒子の電荷を調べるため、スラリーのゼータ電位を調べた。両側に白金製電極を取り付けてある測定セルに酸化セリウムスラリーを入れ、両電極に10Vの電圧を印加した。電圧を印加することにより電荷を持ったスラリー粒子は、その電荷と反対の極を持つ電極側に移動する。この移動速度を求めることにより粒子のゼータ電位を求めることができる。ゼータ電位測定の結果、マイナスに荷電し、−64mVと絶対値が大きく分散性が良好であることを確認した。
(絶縁膜層の研磨)
保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに、TEOS−プラズマCVD法で作製したSiO絶縁膜を形成させたSiウエハをセットし、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドを貼り付けた定盤上に、絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工加重が300g/cmになるように重しを載せた。定盤上に、上記の酸化セリウムスラリー(固形分:3重量%)を35cc/minの速度で滴下しながら、定盤を30rpmで2分間回転させ、絶縁膜を研磨した。研磨後ウエハをホルダーから取り外して、流水で良く洗浄後、超音波洗浄機によりさらに20分間洗浄した。洗浄後、ウエハをスピンドライヤーで水滴を除去し、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。光干渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚変化を測定した結果、この研磨により740nm(研磨速度:370nm/min)の絶縁膜が削られ、ウエハ全面に渡って均一の厚みになっていることがわかった。また、光学顕微鏡を用いて絶縁膜表面を観察したところ、明確な傷は見られなかった。
比較例
実施例と同様にTEOS−CVD法で作製したSiO絶縁膜を形成させたSiウエハについて、市販シリカスラリー(キャボット社製、商品名SS225)を用いて研磨を行った。この市販スラリーのpHは10.3で、SiO粒子を12.5wt%含んでいるものである。研磨条件は実施例と同一である。その結果、研磨による傷は見られず、また均一に研磨がなされたが、2分間の研磨により150nm(研磨速度:75nm/min)の絶縁膜層しか削れなかった。

Claims (5)

  1. 全体の90体積%以上が一次粒子径3〜60μmの炭酸セリウムを原料に用いて製造した、BET法による比表面積が10〜40m/gである酸化セリウム粒子を含有する酸化セリウム研磨剤。
  2. 炭酸セリウムは板状結晶の凝集体からなり、凝集体粒子径の中央値が20〜100μmである請求項1記載の酸化セリウム研磨剤。
  3. 粒子径の中央値が150〜600nmである酸化セリウムを含む請求項1又は2記載の酸化セリウム研磨剤。
  4. 請求項1〜3各項記載の酸化セリウム研磨剤で所定の基板を研磨することを特徴とする基板の研磨法。
  5. 所定の基板がSiO絶縁膜が形成された基板である請求項4記載の基板の研磨法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8388710B2 (en) 2005-01-26 2013-03-05 Lg Chem, Ltd. Cerium oxide powder, method for preparing the same, and CMP slurry comprising the same

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