JP3480102B2 - 巻取りテンション制御装置 - Google Patents

巻取りテンション制御装置

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JP3480102B2
JP3480102B2 JP05891795A JP5891795A JP3480102B2 JP 3480102 B2 JP3480102 B2 JP 3480102B2 JP 05891795 A JP05891795 A JP 05891795A JP 5891795 A JP5891795 A JP 5891795A JP 3480102 B2 JP3480102 B2 JP 3480102B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピンチローラーの圧着
機構を用いないテープ駆動手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、VTRに代表される磁気記録再生
装置は、小型・軽量化と同時に製品価格の低下にあわせ
たコストダウンが最大の課題とされている。
【0003】従来、カセット式ビデオテープレコーダー
のような磁気記録再生装置において、テープの駆動手段
として、キャプスタンにテープをピンチローラーで押し
付ける方式をとるのが一般的であった。さらに、キャプ
スタンから送り出された磁気テープを磁気テープを巻装
するリールを一定トルクで回転させるクラッチ機構が通
常採用されていた。
【0004】以下に従来の磁気記録再生装置のテープ駆
動機構を図15を用いて説明する。図15は従来の磁気
記録再生装置の平面図である。図15において、200
は磁気テープ212を巻装した供給リール207、巻取
リール208を内蔵したカセット、201は磁気ヘッド
203a〜203dを円周上に90゜に分割して配置し
た回転シリンダーである。209は音声信号とコントロ
ール信号を磁気テープの両端にそれぞれ記録するオーデ
ィオ・コントロールヘッド、210は記録時すでに書き
込まれた音声信号を消去するオーディオイレースヘッ
ド、211は記録時すでに書き込まれた映像信号を消去
するフルイレースヘッドである。テープガイドポスト2
04a、204b、204c、204d、204eおよ
び傾斜ポスト205aはカセット装着時はカセット開口
部内(破線で示す)に配置され、カセット検出スイッチ
(図示せず)によりカセット装着を検出した後、テープ
ガイドポスト204a、204b、204c、204
d、204eおよび傾斜ポスト205aはカセット開口
部内より引出され図に示す所定の位置にて固定される。
214はキャプスタン213を有するキャプスタンモー
ターであり、装置が記録再生モードにある時、ゴム製の
ピンチローラー215により磁気テープ212をキャプ
スタン213に押し当て、所定の速度で磁気テープ21
2を移送するように構成されている。216a〜216
bはカセット200内に設けられたテープガイドローラ
ーである。217は巻取リールに形成された歯車と噛み
合うリール駆動歯車であり、内部にトルクリミッター機
構(マグネットクラッチなどのクラッチ機構)を内蔵し
ている。キャプスタンモーター214の回転は、キャプ
スタンベルト218、中継プーリー219、アイドラギ
ヤ220を介してリール駆動歯車に伝えられ、巻取リー
ル208を一定トルクで巻取り駆動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、記録再生を行うにあたって、ピンチロー
ラーをキャプスタンに押し当てる機構を必要とし、大幅
なコストダウンを図るために機構を簡素化する上で制約
になっていた。また、ピンチローラーをキャプスタンに
押し付けることにより生じるキャプスタン軸ロスや、リ
ール駆動歯車のトルクリミッター機構における摩擦ロス
が大きいという問題点を有していた。
【0006】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、簡単な機構でかつ省電力化を実現する記録再生装置
を実現する巻取りテンション制御機構を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の巻取りテンション制御装置は、テープを巻装
した供給リールおよび巻取リールと、太陽歯車と、前記
太陽歯車により駆動され前記供給リールおよび前記巻取
リールを選択的に駆動するアイドラギヤと、前記太陽歯
車の回りを噛み合いながら公転する遊星歯車と、前記遊
星歯車と噛み合い前記太陽歯車と回転中心を同じくした
内歯車と、前記遊星歯車を回転自在に保持し前記太陽歯
車の回転中心に回転自在に設けられたリンクと、所定の
回転数で回転するキャプスタンと、前記キャプスタンの
回転を前記リンクに伝達する第一の伝達機構と、前記内
歯車の回転にブレーキ力を与える制動アームと、テープ
張力を検出すべくテープに所定の角度分巻き付くテンシ
ョンポストを有する巻取り側テンションアームと、前記
巻取り側テンションアームに加わる力により前記内歯車
に作用するブレーキ力を可変する制動部材と、前記太陽
歯車の回転出力を巻取りリールに伝達する第二の伝達機
と、テープ張力を検出すべくテープに所定の角度分巻
き付くテンションポストを有しテープテンションの変動
に伴い回動する供給側テンションアームと、前記供給側
テンションアームの回動動作を前記制動アームに伝達す
る連結ロッドとを備え、テープを前記巻取リールで巻き
取っている時のテンション制御は、前記巻取側テンショ
ンアームと前記制動アームとにより前記制動部材の制動
力を可変し、テープを前記供給側リールで巻き取ってい
る時のテンション制御は、前記供給側テンションアーム
と前記連結ロッドと前記制動アームとにより前記制動部
材の制動力を可変するものである
【0008】
【作用】この構成によって、リールで磁気テープを巻取
る際のテープテンションをほぼ一定にすることができ、
これによって従来必要であったピンチローラーの圧着機
構を必要としない方式のテープ駆動機構の大幅なコスト
ダウンと装置の消費電力の低減を実現することができ
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。
【0010】図1は記録再生装置の平面図である。本図
により装置全体の概略を説明する。カセット1内の供給
リール2より出た磁気テープ3は、カセット1内に設け
られたガイドローラー4a,4bを経てカセット外に引
き出され、供給側テンションポスト39、ガイドポスト
40を経て、カセット1の開口部内よりローディングし
て所定の位置に位置決めされたガイドポスト5及び傾斜
ポスト6に巻き付いた後、回転シリンダー7へ至る。磁
気テープ3は、回転シリンダー7に所定の角度巻き付い
た後、カセット1の開口部内よりローディングして所定
の位置に位置決めされたガイドポスト8、傾斜ポスト9
及びガイドポスト8と同様にカセット1の開口部内より
ローディングして所定の位置に位置決めされたガイドポ
スト10を経てACヘッド11に所定の角度巻き付き、
第一のキャプスタン12に至る。第二のキャプスタン1
3は第一のキャプスタン12と平行に設置され同一方向
に回転する。ローラー14は第一のキャプスタンと第二
のキャプスタンとで挟持されており、磁気テープ3は第
一のキャプスタン12に約180度巻き付いた後ローラ
ー14に巻き付きさらに第二のキャプスタン13に約1
80度巻き付く。磁気テープ3は第二のキャプスタン1
3を離れた後巻取り側テンションポスト31、ガイドロ
ーラー4e,4c,4dを経て巻取りリール15に巻取
られる。また、回転シリンダー7には、異なるアジマス
角度を持った磁気ヘッド16a、16bとフライングイ
レースヘッド17が設けられ、それらを所定の回転速度
で回転させるモーター部を内蔵している。
【0011】次に、巻取りリール駆動ギヤ18の駆動力
伝達機構を図2及び図3を用いて説明する。第一のキャ
プスタン12を回転させるダイレクトドライブモーター
19(以後DDモーターとする)と基板20に回転自在
に設けられた中継プーリー21とは伝達ベルト22で結
ばれている。中継プーリー21に設けられた歯車部は遊
星歯車24を太陽歯車25の回りに公転させるリンク2
3に形成された歯車部23aに噛み合っている。前記太
陽歯車25リンク23は基板20に植立した太陽歯車軸
26を中心として回転自在に取り付けられている。遊星
歯車24の外側で噛み合う内歯車27はリンク23に回
転自在に取り付けられ、制動アーム28に設けられた制
動部材29が外周に圧接されている。前記制動アーム2
8は基板20に設けられた軸を中心に回転自在に取り付
けられ一端にスプリング30が取り付けられ他端28a
は巻取り側テンションポスト31を設けた巻取り側テン
ションアーム32の一端32aに当接し、磁気テープ3
の巻取りテンションにより巻取り側テンションポストが
反時計方向に回転力が作用すればブレーキパッドの圧接
力が減少するように設定されている。アイドラギヤ33
はアイドラアーム35の一端に設けられた回転軸34を
中心に回転自在に取り付けられ、太陽歯車25と噛み合
っている。アイドラアーム35はスプリング36により
リンク23の下面に軽い力で押し付けられている。アイ
ドラギヤ33はスプリング36の作用により太陽歯車2
5の回りを回動し、キャプスタンの回転方向により供給
リール台37の歯車部あるいは中継ギヤ38と選択的に
噛み合う。一端に供給側テンションポスト39を設けた
供給側テンションアーム41は第二の基板42上に回動
軸43を持ち供給テンションバネ44によって反時計回
転方向に附勢されている。さらに、他端に供給リール台
37に巻き付け摩擦トルクを与えるテンションバンド4
5の一端を保持している。中継ギヤ38の下部にはクラ
ッチフェルト47およびクラッチ板46が設けられてお
り、装置が巻戻しモードにおいてメインロッド48が右
に移動した時メインロッド48に形成された爪部48d
がクラッチ板46の回転を規制するように構成されてい
る。メインロッド48に上記供給テンションバネの一端
が取り付けられ、巻戻しモードでは弛緩し、記録再生モ
ードにおいては供給テンションバネを図面上の左方向に
引っ張られた状態を維持している。
【0012】図4、図5においてアイドラアーム35の
反転動作でメインロッド48を左右に移動させる機構を
説明する。アイドラギヤ33が中継ギヤ38に噛み合っ
ているとき中継プーリー21の歯車部とアイドラアーム
35の外周に形成された間欠歯車とは噛み合いがはずれ
ている。またアイドラギヤ33が供給リール台と噛み合
っている時においてもアイドラアーム35の歯車に欠落
部に中継プーリーの歯車部が対応し噛み合いがはずれる
ように構成されている。またアイドラアーム35の第二
の歯車部35aには反転ギヤ49が常時噛み合ってい
る。この反転ギヤの下部には同軸に反転レバー50が設
けられており、この反転レバーに形成された長穴50a
に反転ギヤに設けられたボス部49aが挿入されてい
る。この反転レバー50にはボス部50bが形成されて
おり、このボス部50bはメインロッド48に開けられ
た変形穴部48aにはまっている。変形穴部48aは溝
部60aと円弧部60b、60c,60d,60eから
なり円弧60b,60cは円弧60d,60eよりも小
さい半径で形成されている。メインロッド48が移動を
完了した時点では反転レバー50のボス部50bはテー
パー部60fまたは60gにより吸い込まれるように図
5に示したように円弧60eまたは60dに接した位置
で停止する。これにより長穴50aとボス部49aは図
4の破線で示した位置関係となり反転ギヤ49と反転レ
バー50は自由な状態となりプーリー21の歯車部とア
イドラアーム35の歯車35dとの噛み合いがスムーズ
にはずれることになる。
【0013】次に、第一のキャプスタンと第二のキャプ
スタンによるテープ駆動機構を図6〜図8を用いて説明
する。図6は同機構の斜視図である。図7は同機構の側
面図、図8は同機構の上面から見たもので、図8(a)
はテープローディングが完了した状態、図8(b)はア
ンローディング状態を示した略図である。図9はローラ
ー14を保持する構成を表した側面図である。図7にお
いて、第一のキャプスタン12はダイレクトドライブ方
式のDDモーター19で所定の回転速度で回転する。D
Dモーター19には第一のキャプスタン12を回転自在
に保持し、基板20に固定するための第一のキャプスタ
ンホルダー52が取り付けられている。第一のキャプス
タンホルダー52には第二のキャプスタン13を回転自
在に保持しかつ第一のキャプスタン12に平行で第二の
キャプスタン軸の中心とは偏芯した回動中心をもつ第二
のキャプスタンホルダー53が回動自在で取り付けら
れ、テープローディング動作と連動して回転する歯車5
1により回転駆動される構成になっている。第二のキャ
プスタン13は第一のキャプスタン12に設けられたプ
ーリー55、第二のキャプスタン13に設けられたプー
リー56およびゴムベルト54により駆動される。この
とき第二のキャプスタン13は第一のキャプスタン12
よりもわずかに早く回転するようにプーリー55、56
のプーリー径を設定されている。
【0014】図9はローラー14を保持しカセット1内
から磁気テープ3を引き出すローラーアームの構造を示
した図である。ローラー14の中心は上下に円錐状のピ
ボット受け構造となっており、回転時の摩擦ロスを極力
抑えるようになっている。また円錐部に隣接する円柱形
状部14aはローラーアーム57の円筒状の凹部57a
である程度の隙間をもって保持され、ローラー14がテ
ープローディング時カセット1から磁気テープ3を引き
出す時のローラーの姿勢を規制している。なお、記録再
生時等のテープ走行モードにおいては円柱形状部14a
と円筒状の凹部57aとは接触しないようにローラーア
ーム57の位置決めがなされている。58は基板13状
に設けられたローラーアーム57の回動軸である。
【0015】次に、遊星歯車機構を利用した巻取りテン
ション制御機構の動作について図10を用いて説明す
る。図10は巻取りテンション制御機構を説明するため
の概略図である。
【0016】ここで、本装置による巻取りテンション制
御機構により得られる、第2のキャプスタンを出射した
テープのテンションtを求めることにする。
【0017】図10において、テンションt及びt’に
より、テンションポスト31に加わる力Fは、
【0018】
【数1】
【0019】ここでη* はテンションポストにおける走
行ロスであり、テンションポストがローラータイプの場
合、
【0020】
【数2】
【0021】で計算することができる。α1、α2はテン
ションポストへのテープの巻き付け角、dはテンション
ポスト軸径、Dはテンションローラー外径、μ* はテン
ションポスト軸とテンションローラーとの間の摩擦係数
である。次にテンションアームの力の釣合条件、
【0022】
【数3】
【0023】より、ブレーキパッドに発生する圧力f
は、
【0024】
【数4】
【0025】となる。ここで、Pはテンションバネ力、
a,b,cは図10のテンションアームの腕の長さであ
る。(数2)を(数4)に代入して、
【0026】
【数5】
【0027】圧力fにより歯車1に作用するトルクΦ1
は、
【0028】
【数6】
【0029】ここで、eは内歯車27の外周ドラム部の
半径、μはブレーキパッドの摩擦係数である。さらに、
太陽歯車25の回転トルクは内歯車27の歯に加わる接
線力と、太陽歯車25の歯に加わる接線力が等しい為に
(図11)、
【0030】
【数7】
【0031】となる。ここで、太陽歯車25の歯数をZ
2、内歯車27の歯数をZ1とする。Tリールの歯数をZ
Tとし、Tドライブギヤと内歯車27を減速せずに、図
外のアイドラギヤおよび中継ギヤの伝達歯車で連結した
時、
【0032】
【数8】
【0033】という関係が得られる。ここで、ηはカセ
ット内ローラ等の走行ロスである。(数5)を(数8)
に代入して、
【0034】
【数9】
【0035】を得る。これをtについて整理すると、
【0036】
【数10】
【0037】が得られる。次に内歯車27の太陽歯車2
5及びリンク23の回転数V1、V2、VLを求める。太
陽歯車25の回転スピードV2は、
【0038】
【数11】
【0039】で得られ、V1,VLは、
【0040】
【数12】
【0041】
【数13】
【0042】で得られる。ここで、nは任意の数である
がnは、n>ー1とする。リンク23の回転トルクΦL
は、
【0043】
【数14】
【0044】ΦLについて整理して、
【0045】
【数15】
【0046】となる。ここで、
【0047】
【数16】
【0048】であるので、(数15)に代入し、Φ
Lは、
【0049】
【数17】
【0050】となる。また、第1のキャプスタンからリ
ンクLまでのベルトの減速比mは、
【0051】
【数18】
【0052】で表される。ここで、dcapはキャプスタ
ンの直径(mm)、33.35はVHS−SPモードのテ
ープスピード(mmsec)である。
【0053】遊星歯車機構の各歯車の回転数および回転
方向を図13に示す。ここで、z1,z2,z3は内歯
車27、太陽歯車25、遊星歯車24の歯数であり、n
は任意の値である。
【0054】図13において一列目に遊星歯車全体を1
回転させた場合(1)二列目にリンク23を固定して内
歯車27を1回転させた場合(2)を示した。三列目は
(2)のn倍を(1)に加えたもの(3)を示した。
(3)において、リンク23が1回転したとき内歯車2
7、太陽歯車25、遊星歯車24はそれぞれ(1+
n)、(1ーn*z1/z2)、(1+n*z1/z
3)回転する。一例として、z1=51、z2=18、
z3=16とした場合を考える。横軸にn、縦軸に歯車
の回転数として各歯車の回転数の変化を図14の特性図
に表した。
【0055】太陽歯車25は巻取りリール15の回転数
に比例しているのでテープが巻始めから巻終わりに移る
に従い、徐々に回転数が減少していき、外周に制御部材
29が押し付けられた内歯車27は回転数が増加するこ
とになる。また、リンク23はDDモーター19によっ
て駆動されているために常に一定回転を行っている。こ
こで nの値はー1より大きく 、z2/z1=0.35
より小さい値をとればよいが、制御部材29による摩擦
ロスをできるだけ小さくするために内歯車27の回転数
を少なく設定すべきである。したがって巻始めにおい
て、nをー0.9程度に設定するのがよい。
【0056】ここで、本装置による巻取りテンション制
御機構により得られる、第二のキャプスタンを出射した
テープのテンションtを求める。
【0057】図10において、テンションtおよびt’
によりテンションポストに加わる力Fは、
【0058】
【数19】
【0059】で表される。ここではテープガイドポスト
の走行ロス、軸ロスおよび歯車の伝達ロスは無視してい
る。すなわち、t=t’とする。
【0060】テンションアームに加わるモーメントの釣
合い条件より、
【0061】
【数20】
【0062】が求められる。ここで、fは内歯車27の
外周に制御部材29が押し付けられる力、bはテンショ
ンアームの回動軸中心とfの作用点との距離、Pはテン
ションバネのバネ力、cはテンションアームの回動軸中
心とPの作用点との距離、aはテンションポストとテン
ションアームの回動軸中心との距離である。(数20)
をfについて整理して、
【0063】
【数21】
【0064】を得る。(数19)を(数21)に代入し
て、
【0065】
【数22】
【0066】となる。このfにより内歯車27に作用す
るトルクΦ1は、
【0067】
【数23】
【0068】となる。ここで、eは内歯車27の外周ド
ラム部の半径、μは制御部材29の摩擦係数である。遊
星歯車24に作用する力関係を図11に示した。内歯車
27に噛み合う歯に加わる力と太陽歯車25に噛み合う
歯に加わる力の和に等しいから、太陽歯車25に加わる
トルクΦ2は、
【0069】
【数24】
【0070】となる。太陽歯車25から巻取リール15
までの減速比をξ、巻取りリール15のテープ巻径をr
とする。巻取リールに加わる回転トルクは太陽歯車25
の回転トルクΦ2に減速比ξを掛けた値とが等しいこと
から、
【0071】
【数25】
【0072】という関係が得られる。(数22)を(数
25)に代入して、
【0073】
【数26】
【0074】(数26)をtについて整理して、
【0075】
【数27】
【0076】となる。巻取りテンション制御性を求める
ために、巻取りリール15のテープ始端での巻半径をr
S、テープ終端での巻半径をreとしてts/teは、
【0077】
【数28】
【0078】となる。次に、内歯車27、太陽歯車2
5、リンク23の回転数ω1、ω2、ωrを求めることに
する。
【0079】太陽歯車25の回転数ω2は、
【0080】
【数29】
【0081】で与えられ、ここでVはテープスピードで
ある。内歯車27の回転数ω1およびリンク23の回転
数ωrは図13より、
【0082】
【数30】
【0083】である。(数30)に(数28)を代入し
て、
【0084】
【数31】
【0085】で与えられる。したがって、DDモーター
19からリンク23までの減速比ξ'は、DDモーター
19の回転数をω0とすれば
【0086】
【数32】
【0087】であり、第一のキャプスタン12の直径を
d0として、
【0088】
【数33】
【0089】で与えられる。
【0090】図12は、T側リールのテープ巻半径とt
およびDDモーター負荷を算出した結果を示すグラフで
ある。
【0091】図12において設定したテープテンション
tはほぼ30grを保っており、巻取りリール15の巻
半径の増加につれてキャプスタン負荷が増加している。
テープテンションtを巻取りリール15の巻径と無関係
に一定とする場合、従来よりリール駆動専用モーターを
用いるのが一般的であったが、コスト的に高価となる点
と消費電力の観点からしても大きなメリットがない点か
ら得策ではなかった。また、従来技術(図15)におけ
るリール駆動歯車217で発生するクラッチトルクを図
外のテンションアームと制動部材で巻取りテープテンシ
ョンが一定となるように機構的に制御した場合、リール
駆動歯車217のクラッチトルクの初期設定を制動部材
でロスさせる分だけ大きくしなければならない。その結
果キャプスタンモーターの負荷トルクが増大することに
なる。よって、低消費電力と低コストの両面から本発明
の方式が有効であるといえる。
【0092】次に、巻戻し(REW、REV)動作につ
いて説明する。装置がREWモードに切り替わると、D
Dモーター19が反転し、図3におけるスプリング36
により生じるリンク23とアイドラアーム35の摩擦ト
ルクにより、アイドラアーム35は反時計回りに回転し
始める。その結果、それまで噛み合い状態になかった中
継プーリー21の歯車部とアイドラアーム35の歯車部
が噛み合いを始める。この時点でDDモーター19によ
りアイドラアーム35は直接駆動されることになる。ア
イドラアーム35はさらに回動し、アイドラアーム35
と噛み合っている反転ギヤは時計方向に大きく揺動し、
それとともに反転レバー50も時計方向に揺動し、メイ
ンロッド48が右方へ移動する。よって、メインロッド
48の一端48bが巻取りテンションアーム32に作用
し、巻取りテンショアーム32と制動アーム28とは離
間される。また、供給テンションバネ44はメインロッ
ド48の供給テンションバネ取り付け部48cが右方に
移動するため、供給テンションアーム41にバネ力が作
用しない弛緩状態となる。そして、メインロッド48の
爪部48dがクラッチ板46を固定し、REWにおける
巻取りリール15の回転負荷を発生させる。メインロッ
ド48が右方に移動し終えるとアイドラアーム35の歯
車の第二の欠落部35cに中継プーリーの歯車部が位置
し、アイドラアーム35は供給リール台37に噛み合い
REW動作にはいる。供給リール2によって巻取られる
磁気テープ3のテンションにより供給側テンションポス
ト39は回動軸43を中心として時計方向に回動する。
制動アーム28と供給テンションアーム41は連結ロッ
ド59で結ばれておりREW時の巻取りテンションが大
きくなれば制動アーム28の制動部材29の圧力が下げ
られ、その結果、供給リール台37の巻取りトルクが低
下し、磁気テープ3のテンションが下がる。このように
REW時の巻取りテンションがほぼ一定に保たれること
になる。従来、REVでの巻取りはクラッチ機構により
行われていたために、供給リール2の磁気テープ3の巻
径により巻取りテンションが大きく変化していた。この
ため、テンションの低いテープ終端付近ではテープテン
ションが大きくテープダメージが発生する危険性があ
り、REV用のクラッチトルクを抑える必要があった。
反対にテープ始端付近ではテープテンションが低くなり
REV時の再生出力が低下してしまうため、クラッチト
ルクの設定が難しいという問題があった。この問題の一
解決策として有効である。本実施例ではREV及びRE
W時において供給テンションバネを緩める構成を示した
が、通常逆走行時の供給側テンションポスト39近傍の
テープテンションは正方向に走行するときに比べ高くな
る。したがって、逆走行でのテープテンションで供給テ
ンションバネ44がかかった状態でも供給側テンション
アーム41は時計方向に回動される。これによりテンシ
ョンバンド45が解除され、必ずしも供給テンションバ
ネ44を緩める必要はない。
【0093】次にローラー14の引出し動作について図
7を用いて説明する。図7において、ローラー14はカ
セット1内より引き出され第一のキャプスタン12と第
二のキャプスタン13に挟持され図1に示す配置関係と
なる。この時、ローラー14をローラー自体の直径より
僅かに狭いキャプスタン間を通りぬけさせるために図8
に示したように第二のキャプスタン13を保持する第二
のキャプスタンホルダー53を回動させ図8(b)から
図8(a)の状態に移行する。
【0094】
【発明の効果】以上のように本発明は、記録再生装置の
テープ巻取りテンションを略一定に保つことができ、巻
取り機構にDCモーターおよびその制御回路を必要とせ
ず大幅なコストダウンを実現できる。さらに、DDモー
ターの消費電力は従来の一定巻取りトルクを発生するク
ラッチ方式よりも少なくすることが可能である。
【0095】また、本発明は、第一のキャプスタンと、
第一のキャプスタンと平行に設けられた第二のキャプス
タンと、ローディング時において第二のキャプスタンを
移動させる移動手段と、ローディング時において第一お
よび第二のキャプスタンの間を通り抜けテープを第一お
よび第二のキャプスタンに巻き付け、ローディング完了
後は第一および第二のキャプスタンで挟持されるローラ
ーを設けるビデオテープレコーダー等の記録再生装置に
用いることで大きなコストダウン効果をもたらすが、従
来の記録再生装置においても、REV(REW)モード
における供給側リールの巻取りテンションを略一定に保
てるためにテープダメージに対する信頼性が大幅に改善
されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における磁気記録再生装置の
平面図
【図2】同実施例における磁気記録再生装置の巻取りテ
ンション制御機構の平面図
【図3】同実施例における巻取りテンション制御機構の
側面図
【図4】同実施例におけるアイドラアーム機構の要部平
面図
【図5】同実施例におけるアイドラアーム機構の要部斜
視図
【図6】同実施例における第一および第二のキャプスタ
ンによるテープ駆動装置の斜視図
【図7】同実施例における第一および第二のキャプスタ
ンによるテープ駆動機構の側面図
【図8】同実施例における第一および第二のキャプスタ
ンによるテープ駆動機構のローラーによるテープローデ
ィング動作の概略図
【図9】同実施例におけるローラーアームの断面構成図
【図10】同実施例における巻取りテンション制御機構
の動作説明図
【図11】同実施例における巻取りテンション制御機構
の動作説明図
【図12】同実施例における巻取りテンション制御機構
による制御特性を示す特性図
【図13】同実施例における巻取りテンション制御機構
における遊星歯車機構の各歯車の回転数を示す模式図
【図14】同実施例における各歯車の回転数の変化を示
す特性図
【図15】従来の磁気記録再生装置の平面図
【符号の説明】
12 第一のキャプスタン 13 第二のキャプスタン 14 ローラー 24 遊星歯車 25 太陽歯車 27 内歯車 28 制動アーム 29 制御部材 30 スプリング 31 巻取り側テンショポスト 32 巻取り側テンションアーム

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープを巻装した供給リールおよび巻取
    リールと、太陽歯車と、前記太陽歯車により駆動され前
    記供給リールおよび前記巻取リールを選択的に駆動する
    アイドラギヤと、前記太陽歯車の回りを噛み合いながら
    公転する遊星歯車と、前記遊星歯車と噛み合い前記太陽
    歯車と回転中心を同じくした内歯車と、前記遊星歯車を
    回転自在に保持し前記太陽歯車の回転中心に回転自在に
    設けられたリンクと、所定の回転数で回転するキャプス
    タンと、前記キャプスタンの回転を前記リンクに伝達す
    る第一の伝達機構と、前記内歯車の回転にブレーキ力を
    与える制動アームと、テープ張力を検出すべくテープに
    所定の角度分巻き付くテンションポストを有する巻取り
    側テンションアームと、前記巻取り側テンションアーム
    に加わる力により前記内歯車に作用するブレーキ力を可
    変する制動部材と、前記太陽歯車の回転出力を巻取りリ
    ールに伝達する第二の伝達機構と、テープ張力を検出す
    べくテープに所定の角度分巻き付くテンションポストを
    有しテープテンションの変動に伴い回動する供給側テン
    ションアームと、前記供給側テンションアームの回動動
    作を前記制動アームに伝達する連結ロッドとを備え、 テープを前記巻取リールで巻き取っている時のテンショ
    ン制御は、前記巻取側テンションアームと前記制動アー
    ムとにより前記制動部材の制動力を可変し、テープを前
    記供給側リールで巻き取っている時のテンション制御
    は、前記供給側テンションアームと前記連結ロッドと前
    記制動アームとにより前記制動部材の制動力を可変する
    ことを特徴とする巻取りテンション制御装置。
  2. 【請求項2】 テープを巻装した供給リールおよび巻取
    リールと、太陽歯車と、前記太陽歯車により駆動され前
    記供給リールおよび前記巻取リールを選択的に駆動する
    アイドラギヤと、前記太陽歯車の回りを噛み合いながら
    公転する遊星歯車と、前記遊星歯車と噛み合い前記太陽
    歯車と回転中心を同じくした内歯車と、前記遊星歯車を
    回転自在に保持し前記太陽歯車の回転中心に回転自在に
    設けられたリンクと、所定の回転数で回転するキャプス
    タンと、前記キャプスタンの回転を前記リンクに伝達す
    る第一の伝達機構と、前記内歯車の回転にブレーキ力を
    与える制動アームと、テープを正方向に走行させたとき
    供給リールから出たテープのテープ張力を検出すべくテ
    ープに所定の角度分巻き付く供給側テンションポストを
    有する供給側テンションアームと、前記供給側テンショ
    ンアームに一端を取付けるとともに供給リール台に巻き
    付け前記供給リール台に摩擦トルクを加えるテンション
    バンドと、前記供給側テンションアームに取り付けられ
    前記テンションバンドに張力を与える供給テンションバ
    ネと、テープを逆方向に走行する時前記供給側テンショ
    ンアームに加わる力により前記内歯車に作用するブレー
    キ力を可変する制動部材と、前記太陽歯車の回転出力を
    供給リールに伝達する第三の伝達機構と、テープ張力を
    検出すべくテープに所定の角度分巻き付くテンションポ
    ストを有しテープテンションの変動に伴い回動する供給
    側テンションアームと、前記供給側テンションアームの
    回動動作を前記制動アームに伝達する連結ロッドとを備
    え、 テープを前記巻取リールで巻き取っている時のテンショ
    ン制御は、前記巻取側テンションアームと前記制動アー
    ムとにより前記制動部材の制動力を可変し、テープを前
    記供給側リールで巻き取っている時のテンション制御
    は、前記供給側テンションアームと前記連結ロッドと前
    記制動アームとにより前記制動部材の制動力を可変する
    ことを特徴とする巻取りテンション制御装置。
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