JP3479411B2 - 水性塗料用樹脂組成物 - Google Patents
水性塗料用樹脂組成物Info
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- JP3479411B2 JP3479411B2 JP18770596A JP18770596A JP3479411B2 JP 3479411 B2 JP3479411 B2 JP 3479411B2 JP 18770596 A JP18770596 A JP 18770596A JP 18770596 A JP18770596 A JP 18770596A JP 3479411 B2 JP3479411 B2 JP 3479411B2
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Description
成物に関する。さらに詳しくは、たとえば建築物内外
装、自動車、家電用品、プラスチック製品などの、とく
に耐候性、耐水性および耐汚染性が要求される被塗物の
塗装に好適に用いられ、該被塗物にすぐれた塗膜性能を
有する塗膜を形成しうる水性塗料用樹脂組成物に関す
る。
公害対策、省資源などの観点から、有機溶剤が用いられ
た樹脂を、有機溶剤が用いられていない水溶性樹脂また
は水分散性樹脂や粉体樹脂などへ転換することが試みら
れている。
観点から、前記粉体樹脂を用いた粉体塗料よりも、前記
水溶性樹脂または水分散性樹脂を用いた水性塗料への転
換が精力的に行なわれてきている。
る樹脂は、一般に分子中に架橋性官能基を有していない
ものであるため、重合の際に用いられた界面活性剤の強
い影響により、かかる水性塗料から形成される塗膜は、
その耐候性、耐水性、耐汚染性などがいちじるしく低
く、有機溶剤系塗料と比べて塗膜性能に劣るという欠点
があった。
試みがなされている。たとえば架橋性官能基として加水
分解性シリル基を有する重合体のエマルジョンが用いら
れた水性塗料(特開平3−227312号公報)や、カ
ルボキシル基とヒドラジル基との反応によって粒子間の
架橋構造が形成された水性エマルジョン塗料(特開平5
−59305号公報)のほか、有機溶剤系で高性能を呈
するフッ素樹脂を水性化した水分散型フッ素樹脂塗料
(特開平5−25421号公報)などの水性塗料が提案
されている。
ことにより、形成される塗膜の耐候性および耐水性はあ
る程度向上したものの、かかる水性塗料を、とくに耐候
性および耐水性が要求される被塗物に用いるためには、
かかる塗膜の耐候性および耐水性は、未だ不充分であ
る。また、これらの水性塗料のなかでも、水分散型フッ
素樹脂塗料は、フッ素樹脂を水性化したことから、塗膜
の耐候性は向上するが、外観や耐汚染性の低下がいちじ
るしいといった欠点を有するものである。
近年、各方面での要求が高まってきていることを考慮す
ると、耐汚染性にきわめてすぐれた塗膜を形成しうる水
性塗料が必要とされる。しかしながら、前記水性塗料
は、その塗膜の耐汚染性が、有機溶剤系塗料から形成さ
れる塗膜の耐汚染性と比べると、かなり劣るという欠点
を有するものである。
るとともに、耐汚染性にもすぐれた塗膜を形成すること
ができる水性塗料の開発が待ち望まれている。
術に鑑みてなされたものであり、耐候性および耐水性に
すぐれるとともに、耐汚染性にもすぐれた塗膜を形成す
ることができる水性塗料用樹脂組成物を提供することを
目的とする。
(I):
1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基ま
たは炭素数7〜10のアラルキル基、X1は同一または
異なり、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、
アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアル
コキシ基またはアミノ基、aは0、1または2を示す)
で表わされるシリル基を含有するビニル系単量体(a−
1)および該ビニル系単量体(a−1)と共重合可能な
ビニル系単量体(a−2)からなる重合成分を乳化重合
させてなる乳化共重合体(A)100重量部に対して、
一般式(II):
独立して炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10
のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基、R
3およびR4はそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキ
レン基、R5は直接結合または炭素数1〜10のアルキ
レン基、X21、X22およびX23はそれぞれ独立してハロ
ゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アシロキシ
基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基ま
たはアミノ基、X3はヒドロキシ基または炭素数1〜4
のアルコキシ基、X4はビニル基、(メタ)アクリロイ
ルオキシ基またはスチリル基、b1、b2およびb3は
それぞれ独立して0、1または2、cは2〜100の整
数、k、l、mおよびnはそれぞれモル比が式:k/l
/m/n=0〜50/1〜50/1〜50/0〜50を
満足する整数を示す)で表わされるシリコン含有化合物
(B)1〜50重量部、および硬化触媒(C)0〜20
重量部を配合してなる水性塗料用樹脂組成物に関する。
は、前記したように、一般式(I):
1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基ま
たは炭素数7〜10のアラルキル基、X1は同一または
異なり、ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、
アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアル
コキシ基またはアミノ基、aは0、1または2を示す)
で表わされるシリル基を含有するビニル系単量体(a−
1)および該ビニル系単量体(a−1)と共重合可能な
ビニル系単量体(a−2)からなる重合成分を乳化重合
させてなる乳化共重合体(A)100重量部に対して、
一般式(II):
独立して炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10
のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基、R
3およびR4はそれぞれ独立して炭素数1〜20のアルキ
レン基、R5は直接結合または炭素数1〜10のアルキ
レン基、X21、X22およびX23はそれぞれ独立してハロ
ゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アシロキシ
基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基ま
たはアミノ基、X3はヒドロキシ基または炭素数1〜4
のアルコキシ基、X4はビニル基、(メタ)アクリロイ
ルオキシ基またはスチリル基、b1、b2およびb3は
それぞれ独立して0、1または2、cは2〜100の整
数、k、l、mおよびnはそれぞれモル比が式:k/l
/m/n=0〜50/1〜50/1〜50/0〜50を
満足する整数を示す)で表わされるシリコン含有化合物
(B)1〜50重量部、および硬化触媒(C)0〜20
重量部を配合してえられるものである。
ル基を含有する乳化共重合体(A)と特定のシリコン含
有化合物(B)とが特定の配合割合で用いられているこ
とに大きな特徴の1つがある。このことにより、本発明
の水性塗料用樹脂組成物は、従来の水性塗料用樹脂組成
物を用いたばあいと比べて、よりすぐれた耐水性および
耐候性を呈するとともに、耐汚染性にもすぐれた塗膜を
形成することができる。
被塗物に塗布することによって、とくに樹脂組成物を調
製した直後に塗布することによって効果的に発現され
る。かかる耐汚染性が発現されるメカニズムは、定かで
はないが、おそらく、シリコン含有化合物(B)が架橋
反応の際に塗膜表面に存在することにより、該塗膜表面
に親水性が付与され、このように塗膜が親水性であるの
で、たとえば雨などによる洗浄効果が発現され、塗膜が
汚染されにくくなるものと考えられる。
は、一般式(I)で表わされるシリル基を含有するビニ
ル系単量体(a−1)(以下、モノマー(a−1)とい
う)および該モノマー(a−1)と共重合可能なビニル
系単量体(a−2)(以下、モノマー(a−2)とい
う)からなる重合成分を乳化重合させてえられたもので
ある。かかる乳化共重合体(A)としては、たとえば前
記一般式(I)で表わされるシリル基を含有したエポキ
シ樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ア
クリル系樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂などがあげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いるこ
とができる。これらのなかでは、えられる水性塗料用樹
脂組成物から形成される塗膜が耐候性および耐薬品性に
すぐれ、また樹脂設計の幅を広くすることができるとい
う点から、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂
などが好ましく、さらに低価格であるという点から、ア
クリル系樹脂が好ましい。
1は、炭素数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル
基、炭素数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基ま
たは炭素数7〜10、好ましくは7〜8のアラルキル基
であるが、Si−X1部位の反応性および合成の簡便さ
の点から、かかるR1はアルキル基であることが望まし
い。また、官能基の反応性および安定性の点から、一般
式(I)中のX1は、アルコキシ基、ヒドロキシ基また
はアシロキシ基であることが望ましい。
れるモノマー(a−1)としては、たとえば
水素原子またはメチル基、X5はハロゲン原子を示す)
で表わされる化合物;
同じ、pは1〜12の整数を示す)で表わされる化合
物;
R7は炭素数1〜16のアルキル基を示す)で表わされ
る化合物;
記と同じ)で表わされる化合物;
記と同じ)で表わされる化合物;
記と同じ)で表わされる化合物;
同じ)で表わされる化合物;
記と同じ)で表わされる化合物;
記と同じ、R8は−CH2O−または−CH2OCO−を
示す)で表わされる化合物;
記と同じ、qは1〜12の整数を示す)で表わされる化
合物などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。これらのなかでは、安定
性にすぐれ、取扱いが容易で、低価格であり、反応副生
成物が生じない点から、とくにアルコキシシリル基含有
ビニル系単量体が好ましい。
れるモノマー(a−2)には、とくに限定がなく、たと
えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチ
ル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレ
ートなどのアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなど
の(メタ)アクリル酸エステル;トリフルオロエチル
(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メ
タ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプ
ロピルメタクリレート、2−(パーフルオロオクチル)
エチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチレン、
テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレ
ン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピ
レン、フッ化ビニリデンなどのフッ素含有ビニル系単量
体;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、
4−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族
炭化水素系ビニル単量体;(メタ)アクリル酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、
クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸などのα,β−エ
チレン性不飽和カルボン酸;スチレンスルホン酸、ビニ
ルスルホン酸などの重合可能な炭素−炭素二重結合を有
する酸、またはこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム
塩、アミン塩などの塩;無水マレイン酸などの酸無水物
またはこれらと炭素数1〜20の直鎖状または分岐鎖状
のアルコールとのハーフエステル;ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリル
アミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホ
リン、またはこれらの塩酸塩もしくは酢酸塩;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレート、トリア
リルシアヌレートなどのビニルエステルやアリル化合
物;(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル基含有ビ
ニル系単量体;グリシジル(メタ)アクリレートなどの
エポキシ基含有ビニル系単量体;2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキ
シスチレン、アロニクス5700(東亜合成化学工業
(株)製)、PlaccelFA−1、Placcel
FA−4、PlaccelFM−1、PlaccelF
M−4(以上、ダイセル化学工業(株)製)、HE−1
0、HE−20、HP−10、HP−20(以上、
(株)日本触媒製)、ブレンマーPPシリーズ、ブレン
マーPEシリーズ、ブレンマーPEPシリーズ、ブレン
マーAP−400、ブレンマーAE−350、ブレンマ
ーNKH−5050、ブレンマーGLM(以上、日本油
脂(株)製)、MA−30、MA−50、MA−10
0、MA−150、RA−1120、RA−2614、
RMA−564、RMA−568、RMA−1114、
MPG130−MA(以上、日本乳化剤(株)製)、水
酸基含有ビニル系変性ヒドロキシアルキルビニル系モノ
マーなどの水酸基含有ビニル系単量体;エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレートなどのアルキレングリコールジ
(メタ)アクリレート;たとえばエチレンオキシ基数が
5以上、好ましくは5〜30、さらに好ましくは5〜2
0のポリオキシエチレン(メタ)アクリレートなどのポ
リオキシエチレン鎖を有する親水性ビニル系単量体や、
プロピレンオキシ基数が5以上、好ましくは5〜20、
さらに好ましくは5〜10のポリオキシプロピレン(メ
タ)アクリレートなどのポリオキシプロピレン鎖を有す
る親水性ビニル系単量体(アルキレンオキシ末端は水酸
基またはアルコキシ基);(メタ)アクリル酸のヒドロ
キシアルキルエステル類などのα,β−エチレン性不飽
和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸
またはリン酸エステル類との縮合生成物などのリン酸エ
ステル基含有ビニル化合物、ウレタン結合またはシロキ
サン結合含有(メタ)アクリレートなどのビニル化合
物;東亜合成化学工業(株)製のマクロモノマーである
AS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5な
どの化合物、ビニルメチルエーテル、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、
N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその
他のビニル系単量体;旭電化工業(株)製のLA87、
LA82、LA22などの重合型光安定剤、重合型紫外
線吸収剤などがあげられ、これらは単独でまたは2種以
上を混合して用いることができる。
る水性塗料用樹脂組成物の目的とする物性に応じて適宜
選択すればよい。
安定性を向上させるためには、(メタ)アクリル酸、マ
レイン酸、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリルアミド、水酸基含有ビニル系単量
体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポ
リプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどの親
水性ビニル系単量体を用いることが好ましい。
形成される塗膜の耐水性および耐久性を向上させるため
には、フッ素含有ビニル系単量体やシロキサン結合含有
(メタ)アクリレートなどのビニル化合物を用いたり、
乳化共重合体(A)の粒子間に架橋構造を形成させるこ
とができる官能基を有するビニル系単量体を用いること
が好ましい。このように架橋構造を形成させようとする
ばあいには、たとえばポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、トリアリルシアヌレートなどの重合性の不飽
和二重結合を2以上有する単量体を用いることもでき
る。
には、乳化共重合体(A)の機械的安定性が向上すると
いう利点がある。
たとえばポリオキシエチレン鎖を有する親水性ビニル系
単量体を用いたばあいには、前記モノマー(a−1)中
の一般式(I)で表わされるシリル基の安定性が低下す
ることなく、乳化共重合体(A)の機械的安定性および
化学的安定性や、えられる水性塗料用樹脂組成物から形
成される塗膜の耐水性および光沢が向上するという利点
がある。
レート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル
(メタ)アクリレートなどの炭素数4以上、好ましくは
4〜12、さらに好ましくは4〜10のアルキル基を有
するアルキル(メタ)アクリレートや、シクロヘキシル
(メタ)アクリレートなどの炭素数4以上、好ましくは
6〜10、さらに好ましくは6〜8のシクロアルキル基
を有するシクロアルキル(メタ)アクリレートを用いた
ばあいには、乳化共重合体(A)中のシリル基の安定性
が向上するので、好ましい。
重合成分は、前記モノマー(a−1)およびモノマー
(a−2)からなるものである。
2)との配合割合は、乳化共重合体(A)を用いてえら
れる水性塗料用樹脂組成物から形成される塗膜の耐水性
および耐候性を向上させるためおよび乳化共重合体
(A)とシリコン含有化合物(B)との反応性を向上さ
せるためには、モノマー(a−1)が重合成分全量の
0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、さらに好
ましくは2重量%以上となるように、すなわちモノマー
(a−2)が重合成分全量の99.9重量%以下、好ま
しくは99重量%以下、さらに好ましくは98重量%以
下となるように調整することが望ましい。また、乳化共
重合体(A)の安定性を向上させ、えられる水性塗料用
樹脂組成物の貯蔵安定性を向上させるためには、モノマ
ー(a−1)が重合成分全量の30重量%以下、好まし
くは25重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下
となるように、すなわちモノマー(a−2)が重合成分
全量の70重量%以上、好ましくは75重量%以上、さ
らに好ましくは80重量%以上となるように調整するこ
とが望ましい。
リオキシエチレン鎖を有する親水性ビニル系単量体を用
いるばあいには、乳化共重合体(A)の機械的安定性
や、えられる水性塗料用樹脂組成物から形成される塗膜
の耐水性および光沢が低下するおそれをなくすために
は、かかるポリオキシエチレン鎖を有する親水性ビニル
系単量体の量は、重合成分全量の0.1重量%以上、好
ましくは1重量%以上であることが好ましい。また、塗
膜が軟化し、汚れが付着しやすくなるおそれをなくすた
めには、かかるポリオキシエチレン鎖を有する親水性ビ
ニル系単量体の量は、重合成分全量の10重量%以下、
好ましくは5重量%以下であることが望ましい。
は、モノマー(a−1)およびモノマー(a−2)から
なる重合成分を乳化重合させることによってうることが
できる。
えばバッチ重合法、モノマー滴下重合法、乳化モノマー
滴下重合法などの各種乳化重合法のなかから適宜選択し
て採用することができる。本発明においては、とくに製
造時の乳化物の安定性を確保するうえで、モノマー滴下
重合法および乳化モノマー滴下重合法が好ましい。
は、乳化剤を用いることが好ましい。
いられるものであればとくに限定がなく、たとえばイオ
ン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤があげられ
る。
ばラウリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、イソオクチルベンゼンスルホン酸
ナトリウムなどのスルホン酸塩;Newcol−723
SF、Newcol−707SN、Newcol−70
7SF、Newcol−740SF、Newcol−5
60SN(以上、日本乳化剤(株)製)などの(ポリ)
オキシエチレン鎖を有するアニオン系界面活性剤;イミ
ダリンラウレート、アンモニウムハイドロオキサイドな
どのアンモニウム塩などが代表例としてあげられる。
たとえばポリエチレングリコールノニルフェニルエーテ
ル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチ
レン類;L−77、L−720、L−5410、L−7
602、L−7607(以上、ユニオンカーバイド社
製)などのシリコン含有ノニオン系界面活性剤などが代
表例としてあげられる。
ソープNE−10、NE−20、NE−30、NE−4
0、SE−10N(以上、旭電化工業(株)製)、An
tox−MS−60、Antox−MS−2N、RMA
−653(以上、日本乳化剤(株)製)、アクアロンR
N20、RN30、RN50、HS05、HS10、H
S20、HS1025(以上、第一工業製薬(株)製)
などの重合反応性乳化剤を用いたばあいには、えられる
水性塗料用樹脂組成物から形成される塗膜の耐水性がよ
り向上する。
合して用いることができる。該乳化剤の量は、形成され
る塗膜の耐水性が低下するおそれをなくすためには、重
合成分全量100部(重量部、以下同様)に対して10
部以下、好ましくは0.5〜8部であることが望まし
い。
めには、かかる乳化剤を用いるかわりに、水溶性樹脂に
前記一般式(I)で表わされるシリル基を導入したもの
を用いることが好ましい。
(a−2)との重合をより安定に行なうために、重合開
始剤としてレドックス系触媒を用いることが好ましい。
さらに、重合中の混合液の安定性を維持し、重合を安定
に行なうためには、混合液の温度が70℃以下、好まし
くは40〜65℃であることが望ましく、シリル基の安
定化のためには、混合液のpHが5〜8、好ましくは5
〜7であることが望ましい。
く、たとえば過硫酸カリウムまたは過硫酸アンモニウム
と酸性亜硫酸ナトリウムまたはロンガリットとの組み合
わせ、過酸化水素とアスコルビン酸との組み合わせ、t
−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキ
サイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メタンハ
イドロパーオキサイドなどの有機過酸化物と酸性亜硫酸
ナトリウム、ロンガリットなどとの組み合わせなどがあ
げられる。とくに、有機過酸化物と還元剤との組み合わ
せが、より安定に重合を行なうことができるという点か
ら好ましい。
くなるおそれをなくすためには、重合成分全量100部
に対して0.01部以上、好ましくは0.05部以上で
あることが望ましい。また、えられる乳化共重合体
(A)の分子量が低下し、水性塗料用樹脂組成物から形
成される塗膜の耐久性が低下するおそれをなくすために
は、かかる重合開始剤の量は、重合成分全量100部に
対して10部以下、好ましくは5部以下であることが望
ましい。
与するために、たとえば硫酸鉄などの2価の鉄イオンを
含む化合物と、たとえばエチレンジアミン四酢酸二ナト
リウムなどのエチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩と
のキレート化剤を用いてもよい。かかるキレート化剤の
量は、重合成分全量100部に対して0.0001〜1
部、なかんづく0.001〜0.5部であることが好ま
しい。
形分濃度は、重合操作の面では何ら問題は生じないが、
1回の重合操作によって生じる樹脂量が少なく、経済面
で不利となったり、塗膜形成の際に塗膜の膜厚が薄くな
ってしまい、性能劣化をおこしたり、塗装作業性の点で
不利となるおそれをなくすためには、20重量%以上、
好ましくは30重量%以上となるように調整することが
望ましい。また、系の粘度がいちじるしく上昇するた
め、重合反応に伴なう発熱を除去することが困難になっ
たり、重合器からの取り出しに長時間を要するようにな
るおそれをなくすためには、かかる乳化共重合体(A)
の固形分濃度は、70重量%以下、好ましくは60重量
%以下となるように調整することが望ましい。
子径が0.02〜1μm程度という超微粒子から構成さ
れているので、すぐれた塗膜形成能を有する。
性シリル基が安定しており、低価格であり、えられる水
性塗料用樹脂組成物から塗膜を形成する際に、副生成物
が塗膜に悪影響を与えないという点から、乳化共重合体
(A)が、モノマー(a−1)としてアルコキシシリル
基含有ビニル系単量体、ならびにモノマー(a−2)と
してポリオキシエチレン鎖を有する親水性ビニル系単量
体および他のビニル系単量体からなる重合成分を、ポリ
オキシエチレン鎖を有するアニオン系界面活性剤を用い
て共重合させてえられる乳化共重合体であることが好ま
しい。とくに前記重合成分がアルコキシシリル基含有ビ
ニル系単量体0.1〜30重量%、好ましくは1〜25
重量%、ポリオキシエチレン鎖を有する親水性ビニル系
単量体0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜10重
量%および残部他のビニル系単量体からなるものである
ことが、アルコキシシリル基の安定性、乳化共重合体
(A)の機械的安定性ならびに形成された塗膜の耐水性
および光沢がすぐれるという点から、望ましい。なお、
前記のように、アルコキシシリル基含有ビニル系単量体
およびポリオキシエチレン鎖を有する親水性ビニル系単
量体を重合成分として用いて乳化共重合体をうるばあい
には、乳化剤であるポリオキシエチレン鎖を有するアニ
オン系界面活性剤を、重合成分全量100部に対して
0.2〜10部、好ましくは0.5〜8部用いること
が、アルコキシシリル基の安定性の点から望ましい。
定性がすぐれ、えられる水性塗料用樹脂組成物から形成
される塗膜の耐候性が向上するという点から、乳化共重
合体(A)が、ビニル系単量体(a−2)として炭素数
4以上、好ましくは4〜10のアルキル基を有するアル
キル(メタ)アクリレートおよび炭素数4以上、好まし
くは4〜10のシクロアルキル基を有するシクロアルキ
ル(メタ)アクリレートの少なくとも1種を、60〜9
0重量%、好ましくは60〜80重量%含有した重合成
分を共重合させてえられる乳化共重合体であることが好
ましい。
(B)は、一般式(II)で表わされるものである。
R22およびR23は、それぞれ独立して炭素数1〜10、
好ましくは1〜6のアルキル基、炭素数6〜10、好ま
しくは6〜8のアリール基または炭素数7〜10、好ま
しくは7〜8のアラルキル基であるが、反応性および合
成の簡便さの点から、かかるR21、R22およびR23はア
ルキル基であることが望ましい。
1〜20、好ましくは1〜15のアルキレン基であり、
R5は、直接結合または炭素数1〜10、好ましくは1
〜6のアルキレン基である。
式(II)中のX4は(メタ)アクリロイルオキシ基であ
ることが好ましい。
好ましく、またk、l、mおよびnは、それぞれモル比
が式:k/l/m/n=0〜50/1〜50/1〜50
/0〜50を満足する整数を示すが、かかるモル比(k
/l/m/n)は、0〜30/1〜40/1〜40/0
〜30であることが好ましい。
しては、たとえば
21、X22、X23、X3、b1、b2、b3およびcは前
記と同じ、lおよびmはそれぞれモル比が式:l/m=
1〜50/1〜50を満足する整数を示す)で表わされ
る化合物;
21、X22、X23、X3、b1、b2、b3およびcは前
記と同じ、k´、lおよびmはそれぞれモル比が式:k
´/l/m=1〜50/1〜50/1〜50を満足する
整数を示す)で表わされる化合物;
5、X21、X22、X23、X3、X4、b1、b2、b3お
よびcは前記と同じ、l、mおよびn´はそれぞれモル
比が式:l/m/n´=1〜50/1〜50/1〜50
を満足する整数を示す)で表わされる化合物;
5、X21、X22、X23、X3、X4、b1、b2、b3お
よびcは前記と同じ、k´、l、mおよびn´はそれぞ
れモル比が式:k´/l/m/n´=1〜50/1〜5
0/1〜50/1〜50を満足する整数を示す)で表わ
される化合物などがあげられ、これらは単独でまたは2
種以上を混合して用いることができる。
子量は、えられる水性塗料用樹脂組成物から形成される
塗膜に充分な耐汚染性を付与するという点から、500
以上、好ましくは1000以上であることが望ましい。
また、塗膜の外観が低下しないという点から、かかるシ
リコン含有化合物(B)の数平均分子量は、50000
以下、好ましくは30000以下であることが望まし
い。
る水性塗料用樹脂組成物から形成される塗膜に耐汚染性
を向上させるのに充分な親水性を付与するためには、乳
化共重合体(A)の固形分100部に対して1部以上、
好ましくは2部以上である。また、塗膜の耐水性が低下
するおそれをなくすためには、かかるシリコン含有化合
物(B)の量は、乳化共重合体(A)の固形分100部
に対して50部以下、好ましくは30部以下である。
水性塗料用樹脂組成物を調製する際に、あらかじめ乳化
共重合体(A)に配合しておいてもよく、ほかの成分と
同時に乳化共重合体(A)と混合してもよい。
合物(B)による耐汚染性付与効果を充分に引き出すと
いう点から、乳化共重合体(A)およびシリコン含有化
合物(B)として、モノマー(a−1)およびモノマー
(a−2)からなる重合成分と、シリコン含有化合物
(B)との混合物を、たとえば乳化共重合体(A)をう
る際に採用される乳化重合法などによって重合させてえ
られた生成物を用いることが好ましい。かかる生成物
は、乳化共重合体(A)とシリコン含有化合物(B)と
が混合されたものであってもよく、乳化共重合体(A)
を構成するモノマー(a−1)およびモノマー(a−
2)からなる重合成分と、シリコン含有化合物(B)と
が共重合したものであってもよく、シリコン含有化合物
(B)が乳化剤として作用し、前記モノマー(a−1)
およびモノマー(a−2)からなる重合成分が重合した
ものであってもよい。なお、前記生成物をうる際の混合
物中の重合成分とシリコン含有化合物(B)との割合
は、えられた生成物中の乳化共重合体(A)とシリコン
含有化合物(B)との割合が前記範囲内にあるように、
適宜調整すればよい。
化性の促進と要求される硬化物性をうるために用いられ
る成分である。
とえばジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレ
エート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズ
ジマレエート、オクチル酸スズなどの有機スズ化合物;
リン酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェ
ート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェ
ート、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェー
ト、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジ
オクチルホスフェート、ジデシルホスフェートなどのリ
ン酸またはリン酸エステル;ヘキシルアミン、ジ−2−
エチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミ
ン、ドデシルアミンなどの有機アミン類;これら有機ア
ミン類と酸性リン酸エステルとの混合物または反応物;
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グ
リシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシラン、(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどの
反応性シラン化合物;プロピレンオキサイド、ブチレン
オキサイド、シクロヘキセンオキサイド、グリシジル
(メタ)アクリレート、グリシドール、(メタ)アクリ
ルグリシジルエーテル、カーデュラ(E)、エピコート
828、エピコート1001(以上、油化シェルエポキ
シ(株)製)などのエポキシ化合物とリン酸および/ま
たは酸性モノリン酸エステルとの付加反応物;イソプロ
ピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルト
リス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、ビ
ス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテート
チタネートなどの有機チタネート化合物;トリス(エチ
ルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチル
アセトナート)アルミニウムなどの有機アルミニウム化
合物;テトラブチルジルコネート、テトラキス(アセチ
ルアセトナート)ジルコニウム、テトライソブチルジル
コネート、ブトキシトリス(アセチルアセトナート)ジ
ルコニウムなどの有機ジルコニウム化合物;マレイン
酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イタコン
酸、クエン酸、コハク酸、フタル酸、トリメリット酸、
ピロメリット酸などの飽和または不飽和多価カルボン酸
などの有機カルボン酸類およびこれらの酸無水物;有機
カルボン酸類と有機アミン類との混合物または反応物;
パラトルエンスルホン酸などの酸性化合物;水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性化合物などが
あげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用
いることができる。
脂組成物が硬化性および保存安定性にすぐれるという点
から、有機金属化合物、とくに有機アルミニウム化合物
または有機スズ化合物を、たとえばポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリル
エーテルなどのアルキルエーテル型界面活性剤を主成分
とする界面活性剤を用いて乳化させてえられた乳化物
を、硬化触媒(C)として用いることが好ましい。
量は、その主成分であるアルキルエーテル型界面活性剤
の量が、有機金属化合物100部に対して10〜200
部、好ましくは20〜100部となるように調整するこ
とが望ましい。また、前記乳化物をうる際には、通常、
有機金属化合物100部に対して、脱イオン水が80〜
1500部、好ましくは200〜1200部、またポリ
エチレングリコールなどの凍結防止剤が10〜200
部、好ましくは20〜100部となるように調整し、こ
れらを用いることが望ましい。
化合物が、通常5〜50重量%、好ましくは7〜30重
量%含有されている。
という点から、酸性リン酸エステルもしくは有機カルボ
ン酸類と有機アミン類との混合物または反応物が好まし
い。
ることが好ましいが、えられる水性塗料用樹脂組成物の
硬化性が低下しないようにするためには、かかる硬化触
媒(C)の量は、乳化共重合体(A)の固形分100部
に対して0.1部以上、好ましくは0.5部以上である
ことが望ましい。また、えられる水性塗料用樹脂組成物
から形成される塗膜の外観が低下しないようにするため
には、かかる硬化触媒(C)の量は、乳化共重合体
(A)の固形分100部に対して20部以下、好ましく
は10部以下である。
重合体(A)にシリコン含有化合物(B)および硬化触
媒(C)を配合したものであり、良好な塗膜形成能を有
するものであるが、助溶剤を用いることにより、その塗
膜形成能をさらに高めることができる。
チルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、イソブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オク
チルアルコールなどのアルコール類;メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエー
テル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピ
レングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレン
グリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコ
ールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコ
ールモノイソブチルエーテルなどのエーテル類;ブチル
セロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブ
チルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモ
ノ−n−ブチルエーテルアセテート、トリプロピレング
リコールモノイソブチルエーテルアセテートなどのグリ
コールエーテルエステル類などがあげられ、これらは単
独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
(A)の重合時に添加してもよく、重合後にほかの成分
とともに添加してもよい。
形成される塗膜の耐候性をより向上させるために、水性
塗料用樹脂組成物には、紫外線吸収剤や光安定剤を添加
することが好ましい。
ないが、取扱いが容易であるという点から、液状のもの
が好ましい。かかる紫外線吸収剤の具体例としては、た
とえばi−オクチル−3−(3−(2H−ベンゾトリア
ゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、メチル−3−(3−(2H
−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレ
ングリコールとの反応生成物(登録商標TINUVIN
1130、日本チバガイギー(株)製)などのベンゾト
リアゾール系の紫外線吸収剤などの常温で液状のものが
あげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用
いることができる。
がないが、取扱いが容易であるという点から、液状のも
のが好ましい。かかる光安定剤の具体例としては、たと
えばビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケー
トなどのヒンダードアミン系の光安定剤などの常温で液
状のものがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。
は、併用することができる。
点から、これらの紫外線吸収剤および光安定剤のなかで
は、その構造中にイミノ基を有しないものが好ましい。
いられている、たとえば二酸化チタン、炭酸カルシウ
ム、炭酸バリウム、カオリンなどの白色顔料、カーボン
ブラック、ベンガラ、シアニンブルーなどの有色系顔料
などの顔料、可塑剤、溶剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、
防腐剤、沈降防止剤、レベリング剤、湿潤剤などの添加
剤を、必要に応じて、水性塗料用樹脂組成物に配合する
ことができる。なお、前記二酸化チタンを配合するばあ
い、たとえばJR901、JR603、JR602(以
上、テイカ(株)製)などの等電点が7以上の二酸化チ
タンを用いると、形成される塗膜の光沢および耐候性が
より向上するという利点がある。
明の水性塗料用樹脂組成物に配合することができる。か
かる水系の塗料としては、たとえばアクリル系塗料、ア
クリルメラミン系塗料などの熱硬化性アクリル塗料、ア
ルキッド塗料、エポキシ系塗料、フッ素樹脂塗料などが
あげられ、これらの塗料を配合したばあいには、えられ
る水性塗料用樹脂組成物から形成される塗膜の耐候性、
耐酸性、耐溶剤性などをより向上させることができる。
には、とくに限定がなく、たとえば乳化共重合体(A)
およびシリコン含有化合物(B)、ならびに必要に応じ
てそのほかの添加剤などを、それぞれ配合量を調整して
たとえば300〜1000rpm程度で2〜10分間程
度撹拌し、さらに硬化触媒(C)を配合する方法などを
採用することができる。
水性塗料を調製するには、かかる樹脂組成物を調製する
際に塗料用の顔料ペーストなどを配合する方法などを採
用することができる。
ば浸漬、吹付け、刷毛などを用いた塗布などの通常の方
法によって被塗物に塗布したのち、通常10℃程度以上
で養生させることで、被塗物の表面に、適度な硬度を有
し、耐汚染性、耐候性、耐水性、密着性、耐久性などの
物性にすぐれた硬化物(塗膜)を形成させることができ
る。
ば建築物内外装用、メタリックベースまたはメタリック
ベース上のクリアーなどの自動車用、家電用品用、プラ
スチック製品用、アルミニウム、ステンレス鋼、銀など
の金属直塗用、スレート、コンクリート、瓦、モルタ
ル、石膏ボード、石綿スレート、アスベストボード、プ
レキャストコンクリート、軽量気泡コンクリート、ケイ
酸カルシウム板、タイル、レンガなどの窯業系基材直塗
用、ガラス用、天然大理石、御影石などの石材用の塗料
をはじめ、表面処理剤として好適に使用しうる。また、
前記直塗用だけでなく、本発明の樹脂組成物は、水系ま
たは溶剤系プライマー上、アクリルゴム上、複装仕上げ
のトップコート、コンクリートなどの無機系基材に塗装
する水系または溶剤系浸透性吸水防止剤上に塗装する上
塗り塗料用としても好適に使用しうるものである。
施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかか
る実施例のみに限定されるものではない。
トを備えた反応容器に、脱イオン水40部、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテルスルフェート1部(製
造例1〜3)またはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム1部(製造例4)、ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル1部、酢酸アンモニウム0.5部、ロンガ
リット0.3部およびt−ブチルハイドロパーオキサイ
ド0.1部を仕込み、チッ素ガスを導入しつつ50℃に
昇温した。ついで、表1に示す組成の混合物158部中
の20部を滴下ロートを用いて30分間かけて滴下し、
初期重合を行なった。滴下終了1時間後に、前記混合物
158部中の残りの138部およびt−ブチルハイドロ
パーオキサイド0.1部を滴下ロートを用いて3時間か
けて等速滴下した。こののち、1時間後重合を行ない、
脱イオン水を添加し、固形分濃度が50重量%であり、
表1に示す平均粒子径を有する微粒子から構成されたエ
マルジョン(乳化共重合体)(A−1)〜(A−4)を
えた。
表2に示す組成の混合物を用いたほかは、製造例1と同
様にして固形分濃度が50重量%であり、表2に示す平
均粒子径を有する微粒子から構成された乳化共重合体
(A)を含むエマルジョン(生成物)((A+B)−
1)および((A+B)−2)をえた。
表2に示す組成の混合物を用いたほかは、製造例4と同
様にして固形分濃度が50重量%であり、表2に示す平
均粒子径を有する微粒子から構成された乳化共重合体
(A)を含むエマルジョン(生成物)((A+B)−
3)および((A+B)−4)をえた。
ことを示す。
ピルトリメトキシシラン MPTESi :γ−メタクリロキシプロピルトリエト
キシシラン BMA :ブチルメタクリレート MMA :メチルメタクリレート BA :ブチルアクリレート MA100 :ポリオキシエチレン(10)メタクリ
レート(商品名MA−100、日本乳化剤(株)製) POENPE :ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル POENPES:ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテルスルフェート SDBS :ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム DIW :脱イオン水 b−14 :化合物(b−14)(シリコン含有化
合物(B)、数平均分子量5000) b−15 :化合物(b−16)(シリコン含有化
合物(B)、数平均分子量6000) b−20 :化合物(b−20)(シリコン含有化
合物(B)、数平均分子量5000) b−24 :化合物(b−24)(シリコン含有化
合物(B)、数平均分子量5000)
して、SMA1440(ATOCHEM社製、分散剤)
3部、エマルゲンA−60(花王(株)製、湿潤剤)1
部、チローゼH−4000P(ヘキスト合成(株)製、
増粘剤)の2%水溶液10部、SNディフォーマー24
7(サンノプコ(株)製、消泡剤)0.5部、15%ア
ンモニア水0.5部および脱イオン水25部を配合し、
これに粒子径が2mmのガラスビーズを必要量加え、サ
ンドミルを用いて1000rpmで1時間撹拌し、顔料
ペーストを調製した。
CS−12(チッソ(株)製)3部を加え、充分に撹拌
したのち、顔料ペースト30部とチローゼH−4000
Pの2%水溶液2部、アデカノールUH−420(旭電
化(株)製)の20%の水溶液2部、プロピレングリコ
ール2.9部およびSNディフォーマー247 0.1
部配合し、500rpmで10分間撹拌し、さらに化合
物(b−1)(数平均分子量4000)3部を加え、5
00rpmでさらに10分間撹拌して白エナメル(A−
I)をえた。
用いて塗装に適した粘度となるように希釈して塗料をえ
た。
ーで塗装したのち、かかる塗装されたスレート板を20
℃で10日間養生し、厚さ50μmの塗膜を形成させ
た。
エマルジョン(A−2)を用い、化合物(b−1)のか
わりに化合物(b−5)(数平均分子量6000、実施
例2)、化合物(b−8)(数平均分子量8000、実
施例3)、化合物(b−9)(数平均分子量5000、
実施例4)または化合物(b−11)(数平均分子量6
000、実施例5)を用いたほかは、実施例1と同様に
して白エナメル(A−II)〜(A−V)をえた。
白エナメル(A−II)(実施例2)、白エナメル(A−
III)(実施例3)、白エナメル(A−IV)(実施例
4)、白エナメル(A−V)(実施例5)を用いたほか
は、実施例1と同様にして厚さ50μmの塗膜を形成さ
せた。
エマルジョン(A−3)を用い、化合物(b−1)3部
のかわりに化合物(b−12)(数平均分子量700
0)5部を用いたほかは、実施例1と同様にして白エナ
メル(A−VI)をえた。
白エナメル(A−VI)を用いたほかは、実施例1と同様
にして厚さ50μmの塗膜を形成させた。
7)、エマルジョン((A+B)−2)(実施例8)、
エマルジョン((A+B)−3)(実施例9)またはエ
マルジョン((A+B)−4)(実施例10)60部に
対して、CS−12 3部を加え、充分に撹拌したの
ち、顔料ペースト30部とチローゼH−4000Pの2
%水溶液2部、アデカノールUH−420の20%水溶
液2部、プロピレングリコール2.9部およびSNディ
フォーマー247 0.1部を配合し、500rpmで
10分間撹拌して白エナメル(A−VII)〜(A−X)
をえた。
7)、白エナメル(A−VIII)(実施例8)、白エナメ
ル(A−IX)(実施例9)または白エナメル(A−X)
(実施例10)を、脱イオン水を用いて塗装に適した粘
度となるように希釈して塗料をえた。
ーで塗装したのち、かかる塗装されたスレート板を20
℃で10日間養生し、厚さ50μmの塗膜を形成させ
た。
(実施例11)、白エナメル(A−II)(実施例12)
または白エナメル(A−VI)(実施例13)100部に
対して、ジブチルスズジラウレートの乳化物(ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテルを用いて乳化、ジブ
チルスズジラウレートの含有率10重量%)3部を配合
し、脱イオン水を用いて塗装に適した粘度となるように
希釈して塗料をえた。
ーで塗装したのち、かかる塗装されたスレート板を20
℃で10日間養生し、厚さ50μmの塗膜を形成させ
た。
マルジョン(A−2)(比較例2)、エマルジョン(A
−3)(比較例3)またはエマルジョン(A−4)(比
較例4)60部に対して、CS−12 3部を加え、充
分に撹拌したのち、顔料ペースト30部とチローゼH−
4000Pの2%水溶液2部、アデカノールUH−42
0の20%水溶液2部、プロピレングリコール2.9部
およびSNディフォーマー247 0.1部を配合し、
500rpmで10分間撹拌して白エナメル(A−XI)
〜(A−XIV)をえた。
白エナメル(A−XI)(比較例1)、白エナメル(A−
XII)(比較例2)、白エナメル(A−XIII)(比較例
3)または白エナメル(A−XIV)(比較例4)を用い
たほかは、実施例1と同様にして厚さ50μmの塗膜を
形成させた。
4で形成された塗膜の物性として、耐汚染性、親水性、
硬度、耐候性および耐水性を以下の方法にしたがって調
べた。その結果を表3および表4に示す。
形成された塗膜について、L*a*b*表色系で表わさ
れる明度を測定した。かかる明度の測定は、大阪府摂津
市で南面30°の屋外曝露を6月〜8月のあいだの3カ
月間にわたって実施する前および実施したのちに行な
い、曝露後の塗膜の明度と、曝露前の塗膜の明度との差
の絶対値(ΔL値)を求めた。
すぐれていることを示す。
ちの塗膜について、接触角測定機(協和界面科学(株)
製、CA−S150型)を用い、水との接触角(°)を
測定した。
が高いことを示す。
ちの塗膜について、振子式硬度計(エリクセン(株)
製、PERSOZ硬度計)を用い、ペロゾス硬度を測定
した。
硬度が高いことを示す。
進耐候性試験を実施し、3000時間実施後の塗膜の光
沢保持率を以下の式に基づいて求めた。塗膜の光沢とし
ては、60°鏡面光沢度を測定した。
の光沢/実施前の光沢)×100 なお、前記光沢保持率の値が大きいほど耐候性にすぐれ
ていることを示す。
を以下の式に基づいて求めた。塗膜の光沢としては、6
0°鏡面光沢度を測定した。
/浸漬前の光沢)×100 なお、前記光沢保持率の値が大きいほど耐水性にすぐれ
ていることを示す。
例1〜13で形成された塗膜は、本発明の水性塗料用樹
脂組成物が用いられていない比較例1〜4の塗膜と比べ
て、ΔL値が小さいことから耐汚染性にすぐれるうえ、
接触角が小さいことから親水性にすぐれ、かかるすぐれ
た親水性に基づいてすぐれた耐汚染性を示すものであ
り、さらに適度な硬度を有し、耐候性および耐水性にも
すぐれたものであることがわかる。
よび実施例6と13をそれぞれ比較して、硬化触媒
(C)を用いたばあいには、塗膜の硬度がより向上する
ようになることがわかる。
される塗膜は、適度な硬度を有し、耐候性および耐水性
にすぐれるうえ、耐汚染性にもすぐれたものである。
物は、たとえば建築物内外装、自動車、家電用品、プラ
スチック製品などの、とくに耐候性、耐水性および耐汚
染性が要求される被塗物の塗装に好適に用いられ、該被
塗物にすぐれた塗膜性能を有する塗膜を形成することが
できる。
Claims (7)
- 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1は同一または異なり、炭素数1〜10のア
ルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7
〜10のアラルキル基、X1は同一または異なり、ハロ
ゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アシロキシ
基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基ま
たはアミノ基、aは0、1または2を示す)で表わされ
るシリル基を含有するビニル系単量体(a−1)および
該ビニル系単量体(a−1)と共重合可能なビニル系単
量体(a−2)からなる重合成分を乳化重合させてなる
乳化共重合体(A)100重量部に対して、一般式(I
I): 【化2】 (式中、R21、R22およびR23はそれぞれ独立して炭素
数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基
または炭素数7〜10のアラルキル基、R3およびR4は
それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキレン基、R5
は直接結合または炭素数1〜10のアルキレン基、
X21、X22およびX23はそれぞれ独立してハロゲン原
子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アシロキシ基、アミ
ノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基またはアミ
ノ基、X3はヒドロキシ基または炭素数1〜4のアルコ
キシ基、X4はビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ
基またはスチリル基、b1、b2およびb3はそれぞれ
独立して0、1または2、cは2〜100の整数、k、
l、mおよびnはそれぞれモル比が式:k/l/m/n
=0〜50/1〜50/1〜50/0〜50を満足する
整数を示す)で表わされるシリコン含有化合物(B)1
〜50重量部、および硬化触媒(C)0〜20重量部を
配合してなる水性塗料用樹脂組成物。 - 【請求項2】 乳化共重合体(A)が、ビニル系単量体
(a−1)としてアルコキシシリル基含有ビニル系単量
体0.1〜30重量%、ならびにビニル系単量体(a−
2)としてポリオキシエチレン鎖を有する親水性ビニル
系単量体0.1〜10重量%および残部他のビニル系単
量体からなる重合成分を、ポリオキシエチレン鎖を有す
るアニオン系界面活性剤を用いて共重合させてなる乳化
共重合体である請求項1記載の水性塗料用樹脂組成物。 - 【請求項3】 乳化共重合体(A)が、ビニル系単量体
(a−2)として炭素数4以上のアルキル基を有するア
ルキル(メタ)アクリレートおよび炭素数4以上のシク
ロアルキル基を有するシクロアルキル(メタ)アクリレ
ートの少なくとも1種60〜90重量%を含有した重合
成分を共重合させてなる乳化共重合体である請求項1記
載の水性塗料用樹脂組成物。 - 【請求項4】 乳化共重合体(A)およびシリコン含有
化合物(B)として、ビニル系単量体(a−1)および
ビニル系単量体(a−2)からなる重合成分と、シリコ
ン含有化合物(B)との混合物を重合させてえられた生
成物を用いてなる請求項1記載の水性塗料用樹脂組成
物。 - 【請求項5】 シリコン含有化合物(B)の数平均分子
量が500〜50000である請求項1記載の水性塗料
用樹脂組成物。 - 【請求項6】 硬化触媒(C)が、有機アルミニウム化
合物または有機スズ化合物を、アルキルエーテル型界面
活性剤を主成分とする界面活性剤を用いて乳化させてな
る乳化物である請求項1記載の水性塗料用樹脂組成物。 - 【請求項7】 硬化触媒(C)が酸性リン酸エステルも
しくは有機カルボン酸類と有機アミン類との混合物また
は反応物である請求項1記載の水性塗料用樹脂組成物。
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JPH1036760A JPH1036760A (ja) | 1998-02-10 |
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DE102007021776B4 (de) * | 2007-05-10 | 2016-11-10 | Lohmann Gmbh & Co. Kg | Verfahren zur Herstellung anorganisch/organischer Hybridpolymere |
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1996
- 1996-07-17 JP JP18770596A patent/JP3479411B2/ja not_active Expired - Lifetime
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