JP3472988B2 - 車両の差動制限装置 - Google Patents

車両の差動制限装置

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JP3472988B2 JP02577093A JP2577093A JP3472988B2 JP 3472988 B2 JP3472988 B2 JP 3472988B2 JP 02577093 A JP02577093 A JP 02577093A JP 2577093 A JP2577093 A JP 2577093A JP 3472988 B2 JP3472988 B2 JP 3472988B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の差動制御装置に
関し、より詳細には、前輪、後輪及び前後輪用車軸間に
それぞれ差動装置を備えた自動車の差動制御に関する。
【0002】
【従来の技術】4輪駆動車は、旋回時における前後及び
左右輪の軌跡差を補償すべく、前後輪の車軸間に配設さ
れるセンタデファレンシャル、前輪間に配設されるフロ
ントデファレンシャル、更に、後輪間に配設されるリヤ
デファレンシャルをそれぞれ備えている。これらのデフ
ァレンシャルの働きによって、所謂タイトコーナーブレ
ーキング現象等を排除することが可能となる。しかしな
がら、これらのデファレンシャルを備えた自動車では、
発進・加速時に4輪の内のいずれかの車輪が空転すると
他の車輪に駆動力が十分伝わらず、安定した発進・加速
が困難となってしまい、操縦安定性、制動性、加速性が
低下してしまうという問題があった。
【0003】このような問題に鑑み、特開昭62−16
6114号公報には、運転状態に応じて油圧によりロッ
ク状態及びアンロック状態の作動状態が夫々設定される
フロントデファレンシャル、リヤデファレンシャル及び
センタデファレンシャルの作動状態が設定される差動制
限装置を備えた4輪駆動車が開示されている。この差動
制限装置は、各車輪の車輪速度信号と操舵角信号とを制
御回路に入力し、これらの値に基づいて悪路判定、直進
判定、加速判定及び制動判定を行い、各種の走行状態に
対応して、フロントデファレンシャル、リヤデファレン
シャル及びセンタデファレンシャルの作動を制御し、こ
れによって、操縦安定性、制動性、加速性などの向上を
図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭62−1661
14号公報に開示される装置のように複数のデファレン
シャルを制御する装置では、各デファレンシャルは各種
のパラメータに応じて独立して制御されていた。しか
し、車両の全体的な走行性から考えれば、各デファレン
シャル間で互いの制御状態を検知し、その情報に基づき
制御するのが望ましく独立して制御を行うと、走破性、
旋回性、走行安定性等の走行性がかえって悪化してしま
う恐れがある。
【0005】たとえば、センターデファレンシャルがロ
ックされているとき前後のデファレンシャルの駆動力配
分比を同じにし、センターがフリーの状態にあるとき、
フロントデファレンシャルの駆動力の配分をリアデファ
レンシャルに比して減少させるように制御する四輪駆動
車において、旋回加速時に後輪の1つがスリップした場
合には、センターデファレンシャルがフリーとなったと
き、前後のデファレンシャルに対して均等に駆動力を配
分する制御行う場合に比し、リアデファレンシャルに駆
動力の配分を高める制御を行う場合に方がよりオーバー
ステアが助長される傾向がある。
【0006】この理由は、以下の通りである。駆動力の
配分比が変化すると、同一のエンジン出力であっても各
車輪が路面に伝達する駆動力は変化する。しかし、タイ
ヤの持つキャパシティ(摩擦円)は、同一であるためリ
ヤ側の駆動力が大きくなると、横力に対抗するグリップ
力が低下し、オーバステア傾向となる。さらに、リヤデ
ファレンシャルがロックすると、さらに横力に対抗する
グリップ力が低下し急激なオーバーステア傾向を生じる
恐れがある。
【0007】したがって、デファレンシャルの差動制限
の状態に応じて、配分比を変化させる場合には、各デフ
ァレンシャル間で互いの制御状態を検出し、デファレン
シャルの差動制限力を制御するのが望ましい。本発明は
このような事情に鑑みて構成されたもので、前後輪の駆
動力配分の変化に応じて車輪間デファレンシャルの差動
制限力を制御して、前後輪の駆動力配分の変化に関わら
ず、所望の走行特性を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために本発明は、車軸間に設けられ前後輪の駆動
力分配比率を連続的に変更することができる駆動力分配
装置と、左右の前輪または左右の後輪の車輪間に設けら
れた車輪間デファレンシャルと、車両の走行状態を検出
して車輪間デファレンシャルを制御するための所定のパ
ラメータを設定するパラメータ設定手段と、前記パラメ
ータに基づいて車輪間デファレンシャルの差動制限力を
制御する差動制御手段とを備えた差動制限装置におい
て、前記駆動力分配装置による前後輪の駆動力分配比率
を算出する分配比率算出手段と、該算出した前後輪の駆
動力分配比率に基づいて差動制限力を変更する変更手段
とを備えたことを特徴とする。
【0009】好ましくは、前記変更手段は、前後輪のう
ち一方の駆動力配分比が増大したとき前記一方の車輪間
デファレンシャルの差動制限力を緩和する。左右の車輪
間の差動を許容することにより旋回加速時のステア特性
の変化を緩和し、旋回安定性を高めることができる。後
輪の配分比が大きくなると、オーバーステア傾向とな
り、前輪の配分比が大きくなれば、アンダーステア傾向
となるからである。
【0010】また、別の態様では、前記変更手段は、前
後輪のうち一方の駆動力配分比が増大したとき前記一方
の車輪間デファレンシャルの差動制限力を強める。左右
輪間の差動を規制することにより、低摩擦係数路面上を
直進走行する場合の走破性を高めることができる。たと
えば、後輪側の配分比が高まると、後輪がスリップしや
すくなるが、上記のように制御することによりスリップ
傾向を抑制することができるからである。
【0011】さらに、前記変更手段は、前後輪のうち一
方の駆動力配分比が増大したとき他方の車輪間デファレ
ンシャルの差動制限力を強めるようにしても良い。駆動
力の配分の低下した車輪間の差動を規制することによ
り、直進走行時の走行安定性を高めることができる。す
なわち、駆動力配分の低下した車輪は、横方向のグリッ
プ力が大きいため横風などの外乱が車体に生じても、横
方向のスリップがなくなり、また、差動を規制すること
との相乗効果により、直進安定性を高めることができ
る。
【0012】逆に、前後輪のうち一方の駆動力配分比が
増大したとき他方の車輪間デファレンシャルの差動制限
力を緩和するようにしてもよい。旋回時には、上記直進
走行の場合と異なり車輪間の差動を許容することにより
旋回性能を高めることができる。すなわち、駆動力の配
分の低下した車輪は横方向のグリップ力が高くなるが、
旋回時に差動を規制すると、横方向のグリップ力が低下
して、旋回性能が低下する。これを防止するため、差動
を許容するものである。
【0013】上記パラメータとして、たとえば左右輪の
回転数差を用いることができる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は、本発明の一実施例の自動車の制御
装置の概略構成図である。先ず、図1に示された自動車
の動力伝達系を説明する。自動車はエンジン10を備
え、エンジン10にはトランスミッション11が接続さ
れる。トランスミッション11の出力側に、センタデフ
ァレンシャル12が配置される。センタデファレンシャ
ル12には、エンジン10からの出力を前輪側に伝達す
るフロントプロペラシャフト13及び後輪側に伝達する
リヤプロペラシャフト14がそれぞれ接続されている。
このフロントプロペラシャフト13には、フロントアク
スル15を介して前輪16が接続されている。またリヤ
プロペラシャフト14には、リヤアクスル17を介して
後輪18が接続されている。フロントアクスル15には
フロントデファレンシャル19(以下、フロントデフと
いう。)が、リヤアクスル15にはリヤデファレンシャ
ル20(以下、リヤデフという。)がそれぞれ設けられ
ている。
【0015】本例の自動車は、アンチスキッドブレーキ
装置を備えておりこの装置を制御するためのブレーキ装
置用コントロールユニット21(以下、ABS用コント
ロールユニットという。)を備える。さらに本例の自動
車は、トランスミッション11及びエンジンを制御する
パワートレインコントロールユニット22を備える。
【0016】これらのコントロールユニット21、22
には、各種の走行状態を表す信号が入力される。まず、
各前輪16及び各後輪18には、各車輪の車輪速を検出
する車輪速センサがそれぞれ取り付けられており、車輪
速センサからの信号は、ABS用コントロールユニット
21に入力される。ブレーキの操作状態を検出するブレ
ーキスイッチ23が設けられておりこのブレーキスイッ
チ23からの信号を検出する。エンジンの吸気系にはス
ロットル開度を検出するスロットルセンサが設けられて
いる。
【0017】コントロールユニット22には、スロット
ルセンサからのスロットル開度、ヨーレイトセンサ31
からの走行中の車両のヨーレイト、エンジン回転数セン
サからのエンジン回転数、またステアリングホイール2
4の回転すなわち操舵角を検出する操舵角センサ等から
の信号が入力される。コントロールユニット22は、エ
ンジン10に対しスロットル開度信号を出力してスロッ
トル開度を調整するとともに、燃料噴射信号を出力し
て、燃料噴射弁の制御を行う。さらに、イグニッション
信号を出力して点火時期を制御するようになっている。
また、トランスミッション11にシフト信号を出力して
変速制御を行う。パワートレインコントロールユニット
22は、ABS用コントロールユニット21に接続され
ており、これを介して、車輪速信号、各車輪についての
推定μ(推定路面摩擦係数)を入力する。また、コント
ロールユニット22はABS用コントロールユニット2
1に対し非常時等の必要な場合にはフェイル信号を出力
してデフロックを解除する。
【0018】コントロールユニット21及び22は、そ
れぞれ入出力セクション25、26、CPU27、28
及びメモリ29、30を備えている。上記の入出力信号
は、すべて入出力セクションを介して送られる。差動制
御においてはコントロールユニット22は、各入力され
た値に基づいてセンタデフ12へセンタデフ電流、フロ
ントデフ19へフロントデフ電流、リヤデフ20へリヤ
デフ電流をそれぞれ供給し、これらの電流値に基づいて
センタデフ12、フロントデフ19及びリヤデフ20が
アンロック状態、中間ロック状態及び完全ロック状態が
与えられる。中間ロック状態において差動トルクが電流
量に応じて連続的に変化するようになっている。
【0019】図2は、センタデフに設けられた電磁多板
クラッチを示す断面図である。センタデフ12、フロン
トデフ19及びリヤデフ20には、それぞれ電磁多板ク
ラッチ50が設けられ、この電磁多板クラッチ50によ
り各センタデフ12、フロントデフ19及びリヤデフ2
0がアンロック状態から完全ロック状態まで連続的に差
動状態が連続的に変化する。この電磁多板クラッチ50
は、フロントプロペラシャフト13とリヤプロペラシャ
フト14との差動を制限できるものであれば、どのよう
な形式のものでもよい。その一例を図2に示す。図2に
おいて、電磁多板クラッチ50は複数枚のインナディス
クとアウタディスクとよりなるクラッチ板51及びこの
クラッチ板51へ押圧力を生じさせるアクチュエータ5
2から構成されている。また53は軸受、54は一方の
プロペラシャフトに伝動連結する伝動部材、55は他方
のプロペラシャフトに伝動連結する伝動部材である。ア
クチュエータ52は、ソレノイド56に電流が流れる時
に発生する磁力によってアーマチュア57がクラッチ板
51を押圧するように構成されている。この電磁多板ク
ラッチ50においては、ソレノイド56に流れる電流と
クラッチ板51を摩擦係合させる押圧力すなわち電磁多
板クラッチ50で発生するトルクとが比例関係にあるの
で、センタデフ12、フロントデフ19及びリヤデフ2
1の差動回転数を電流の増減により連続的に変化させる
ことができる。
【0020】図3、図4及び図5には、本発明に係るデ
ファレンシャル12、19及び20の差動制御のフロチ
ャートが示されている。図3に示すフロチャートは、デ
ファレンシャル12、19及び20の差動制御のメイン
ルーチンの内容を示す。コントロールユニットは、先
ず、各車輪の車輪速(左前輪車輪速NFL 、右前輪車輪速
NFR 、左後輪車輪速NRL 及び右後輪車輪速NRR を演算す
る(ステップS1)。つぎに、これらの車輪速に基づい
て各デフ19、12及び20の差動回転ΔNF、ΔNC及び
ΔNRを演算する(ステップS2)。つぎに、コントロー
ルユニット22は、各デフ19、12及び20のロック
力すなわち差動制限力FF、FC及びFRを図4のフロチャー
トに示すルーチンによって算出する(ステップS3)。
各デフの差動制限力FF、FC及びFRが求まると各デフ1
9、12及び20の電磁多板クラッチ50を動作させる
ソレノイド56に通電する制御電流量IF、IC及びIRを決
定する(ステップS4)。この場合、各制御電流量IF、
IC及びIRは、差動制限力FF、FC及びFRの関数IF=f(FF)
、IC=f(FC) 及びIR=f(FR) である。したがって、所
定の関数を与えておくことにより差動制限力FF、FC及び
FRをしって電流値を求めることができる。また、フロン
トデフ19についての図5に示すような特性を各デフに
ついて予め設定してメモリ29に記憶しておき、この特
性にしたがって電流値を求めるようにしてもよい。
【0021】そして、コントロールユニット22は、求
めた電流値を各デフのソレノイド56に通電することに
より所定の差動制限力FF、FC及びFRを得る。つぎに図4
を参照して図3におけるステップS3の内容である差動
制限力FF、FC及びFRを算出する手順について説明する。
この手順は、各デフ12、19及び20について共通で
あるので、リヤデフ20について説明し、他のデフ19
及び20についての説明は省略する。
【0022】コントロールユニット22は、車両の走破
性及び走行安定性の面からの重み付けを行う走破性重み
付け関数kr1(ΔNR) 、走行安定性重み付け関数kr2(ΔN
R) に基づいて重みKR1 =kr1(ΔNR) 及びKR2 =kr2(ΔN
R) を算出する(ステップT1)。重みは0.0から
1.0の間で図6に示すように変化する。走破性重み付
け関数kr1(ΔNR) は差動回転数ΔNRが所定値以上に増大
すると、ほぼ0から1になる。また、走行安定性重み付
け関数kr2(ΔNR) は、逆に差動回転数ΔNRが所定値以下
のときは1で所定値を越えるとほぼ0となる。この理由
は差動制限力FRを小さくすると走破性が向上し、差動制
限力FRを大きくすると走行安定性が向上するからであ
る。
【0023】本例の構成では、コントロールユニット2
2は、センタデフ12によるリヤデフ20への駆動力の
配分比率Sを算出するようになっており、コントロール
ユニット22は、配分比率Sに基づく差動制限力FRの補
正量HR1 、HR2 を決定する(ステップT2)。これらの
補正量HR1 、HR2 は走破性を重視する配分比率補正関数
hr1(S) 、走行安定性を重視する配分比率補正関数hr
2(S) に基づいて決定される。すなわち、HR1 =hr1
(S) 、HR2 =hr2(S) である。
【0024】この配分比率補正関数hr1(S) 及びhr2 (
S) は本例では、図7に示すような特性で与えられてい
る。すなわち、リアデフ20への駆動力配分比率が増大
するとき、走破性を重視する配分比率補正関数hr1(S)
は2から徐々に減少し、逆に走行安定性を重視する配分
比率補正関数hr2(S) は、0から徐々に増大する。走行
安定性を重視する場合、差動制限力FRを増大させて左右
輪の差動回転を減少させるように制御し、走破性を重視
する場合には、差動制限力FRを減少させてスリプを減少
させるように制御する。
【0025】つぎに、コントロールユニットは、このリ
アデフ20への配分比率HR1 、HR2を考慮して重みKR1
及びKR2 を更新する(ステップT3)。そして差動制限
力FRは、リアデフ20の差動回転ΔHRの関数に基づいて
与えられ、走破性を重視する制御関数fr1(ΔNR) と走行
安定性を重視する制御関数fr2(ΔNR) に上記の手順で求
めた重みKR1 及びKR2 にしたがい重み付けを行って求め
る。すなわち、差動制限力FRをFR={KR1 ×fr1(ΔNR)
+KR2 ×fr2(ΔNR) }/(KR1 +KR2)により計算する(ス
テップT4)。
【0026】ここで走破性を重視した差動制限力の制御
関数は、図8に示すような特性を有する。すなわち、差
動回転数が小さい領域において差動回転ΔNRが増大する
とき、差動制限力FRが比較的急激に増大し、その後差動
回転ΔNRが増大しても差動制限力FRの増大はそれほど大
きくならない。また走行安定性を重視する差動制限力の
制御関数は図9に示すような特性を有する。差動回転Δ
NRが比較的小さい領域では、差動回転ΔNRと差動制限力
FRとはほぼ比例関係にあるが、差動回転ΔNRが増大して
も差動制限力FRはそれほど増大しない。比較的差動回転
ΔNRの大きい範囲では、差動回転ΔNRの増大とともに差
動制限力FRの増加幅は大きくなる。
【0027】フロントデフ19についての差動制限力FF
及びFRの算出手順は、上記と異なるところがないのでそ
の説明は省略する。なお、この場合、使用する重み付け
関数の特性は異なる。たとえば、フロントデフ19の重
み付け関数kc1(ΔNF) 、kc2(ΔNF) には図10に示すよ
うな特性を与える。各フロントデフ19とリヤデフ20
の特性を比較するとフロントデフ12は、リヤデフ20
に比して安定性の特性の重み付けが差動回転ΔN が大き
くなるまで安定性重視の傾向になっている。差動回転Δ
N 増大するとき、フロントデフ19の方がリアデフ20
より遅れて安定性重視の重み付けから走破性重視の重み
付けに移行する。
【0028】なお、別の態様では、配分比率補正関数hr
1(S) 、hr2(S) を図11に示すような特性に設定する
ことができる。すなわち、走行安定性重み付け関数kr2
(ΔNR) の値と走破性重み付け関数kr1(ΔNR) の値のリ
アデフ20への駆動力配分比率に対する変化を図7の特
性と反対になるように設定する。このようにすると、前
例とは異なる走行特性が得られる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のように前
後の駆動力配分の変化に応じて、左右輪の差動制限力を
制御することによって前後輪の駆動力配分比率の変化に
関わらず所望の走行感覚を維持することができる。走行
中において、前後輪のうち一方たとえば、後輪の駆動力
配分比が増大したとき前記後輪の車輪間デファレンシャ
ルの差動制限力を緩和するようにすると、左右輪のスリ
ップを減少させることができ走破性を高めることができ
る。
【0030】また、逆に駆動力配分の増大した車輪の車
輪間デファレンシャルの差動制限力を強めるようにする
と、左右の回転数差が減少して、走行安定性が向上する
という特性が得られる。また、前後輪のうち一方の駆動
力配分比が増大したとき増大していない車輪の車輪間デ
ファレンシャルの差動制限力を強めるようにすると、横
力に対する抵抗力が増大するので直進安定性を高めるこ
とができる。また、逆に差動制限力を弱めるようにする
と旋回性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の差動制限装置を適用した自動車の制御
装置の全体構成を示す全体構成図である。
【図2】センタデフに設けられた電磁多板クラッチを示
す断面図である。
【図3】デファレンシャルの差動制御のメインルーチン
を示すフローチャートである。
【図4】差動制限力を算出するルーチンのフロチャート
である。
【図5】差動制限力とソレノイドへの制御電流との関係
を示すグラフである。
【図6】リヤデフの差動回転量と差動制限力の重み付け
係数との関係を示すグラフである。
【図7】リアデフへの駆動力配分比率に基づく差動制限
力の補正係数との関係を示すグラフである。
【図8】リアデフの差動回転と走破性を重視した差動制
限力との関係を示すグラフである。
【図9】リアデフの差動回転と走行安定性を重視した差
動制限力との関係を示すグラフである。
【図10】フロントデフの差動回転量と差動制限力の重
み付け係数との関係を示すグラフである。
【図11】他の実施例に従うリアデフへの駆動力配分比
率に基づく差動制限力の補正係数との関係を示すグラフ
である。
【符号の説明】
12 センタデファレンシャル(センタデフ) 19 フロントデファレンシャル(リアデフ) 20 リアデファレンシャル(リアデフ) 22 デファレンシャル用コントロールユニット 31 ヨーレイトセンサ 50 電磁多板クラッチ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車軸間に設けられ前後輪の駆動力分配比
    率を連続的に変更することができる駆動力分配装置と、左右の前輪または左右の後輪の 車輪間に設けられた車輪
    間デファレンシャルと、 車両の走行状態を検出して車輪間デファレンシャルを制
    御するための所定のパラメータを設定するパラメータ設
    定手段と、 前記パラメータに基づいて車輪間デファレンシャルの差
    動制限力を制御する差動制御手段とを備えた差動制限装
    置において、 前記駆動力分配装置による前後輪の駆動力分配比率を算
    出する分配比率算出手段と、 該算出した前後輪の駆動力分配比率に基づいて差動制限
    力を変更する変更手段とを備えたことを特徴とする車両
    の差動制限装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において前記変更手段は、前後
    輪のうち一方の駆動力配分比が増大したとき前記一方の
    車輪間デファレンシャルの差動制限力を緩和することを
    特徴とする車両の差動制限装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において前記変更手段は、前後
    輪のうち一方の駆動力配分比が増大したとき前記一方の
    車輪間デファレンシャルの差動制限力を強めることを特
    徴とする車両の差動制限装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において前記変更手段は、前後
    輪のうち一方の駆動力配分比が増大したとき他方の車輪
    間デファレンシャルの差動制限力を強めることを特徴と
    する車両の差動制限装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において前記変更手段は、前後
    輪のうち一方の駆動力配分比が増大したとき他方の車輪
    間デファレンシャルの差動制限力を緩和することを特徴
    とする車両の差動制限装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において前記パラメータが左右
    輪の回転数差であることを特徴とする車両の差動制限装
    置。
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