JP3466515B2 - 酸性飲料で安定な抗菌剤製剤 - Google Patents
酸性飲料で安定な抗菌剤製剤Info
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- A23L3/00—Preservation of foods or foodstuffs, in general, e.g. pasteurising, sterilising, specially adapted for foods or foodstuffs
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸性飲料中で広範
囲の微生物に対して静菌効果を示し、且つ、酸性飲料中
でのショ糖脂肪酸エステルの結晶化が抑えられ、その結
果、酸性飲料の外観を損なわず、更に、安全性に優れる
抗菌剤製剤に関し、本発明の第１の発明は、酸性飲料中
で安定な、ショ糖脂肪酸エステル０．１〜４０重量％、
ポリグリセリン脂肪酸エステル０．１〜４０重量％、プ
ロピレングリコール５〜７０重量％およびグリセリン１
０〜８０重量％からなる抗菌剤製剤に関し、第２の発明
は、酸性飲料中で安定な、ショ糖脂肪酸エステル０．１
〜４０重量％、ポリグリセリン脂肪酸エステル０．１〜
４０重量％、プロピレングリコール５〜７０重量％、グ
リセリン１０〜８０重量％、エチルアルコール０〜８０
重量％および水０〜８０重量％からなる抗菌剤製剤に関
する。
囲の微生物に対して静菌効果を示し、且つ、酸性飲料中
でのショ糖脂肪酸エステルの結晶化が抑えられ、その結
果、酸性飲料の外観を損なわず、更に、安全性に優れる
抗菌剤製剤に関し、本発明の第１の発明は、酸性飲料中
で安定な、ショ糖脂肪酸エステル０．１〜４０重量％、
ポリグリセリン脂肪酸エステル０．１〜４０重量％、プ
ロピレングリコール５〜７０重量％およびグリセリン１
０〜８０重量％からなる抗菌剤製剤に関し、第２の発明
は、酸性飲料中で安定な、ショ糖脂肪酸エステル０．１
〜４０重量％、ポリグリセリン脂肪酸エステル０．１〜
４０重量％、プロピレングリコール５〜７０重量％、グ
リセリン１０〜８０重量％、エチルアルコール０〜８０
重量％および水０〜８０重量％からなる抗菌剤製剤に関
する。
【０００２】
【従来の技術】従来、飲料、その他の食品の保存性を高
めるために、天然ないし合成の種々の抗菌剤が使用され
ている。ソルビン酸や安息香酸等の合成抗菌剤は使用で
きる食品が限定されており、また、安全性に疑問がある
ことが指摘されている。天然の抗菌剤、例えば、リゾチ
ームやプロタミン、各種の香辛料抽出物は静菌効果が十
分でなく、食品の風味への影響や経済性の問題があり大
量に添加することは実質的に不可能である。
めるために、天然ないし合成の種々の抗菌剤が使用され
ている。ソルビン酸や安息香酸等の合成抗菌剤は使用で
きる食品が限定されており、また、安全性に疑問がある
ことが指摘されている。天然の抗菌剤、例えば、リゾチ
ームやプロタミン、各種の香辛料抽出物は静菌効果が十
分でなく、食品の風味への影響や経済性の問題があり大
量に添加することは実質的に不可能である。
【０００３】これに対し、低級脂肪酸のモノグリセリド
は、かなりの静菌効果を有するものの、炭素数が１０以
下の脂肪酸モノグリセリドは特有の刺激味があり、炭素
数１２以上の脂肪酸モノグリセリドでは、静菌効果が弱
く、溶解性が悪いという難点がある。
は、かなりの静菌効果を有するものの、炭素数が１０以
下の脂肪酸モノグリセリドは特有の刺激味があり、炭素
数１２以上の脂肪酸モノグリセリドでは、静菌効果が弱
く、溶解性が悪いという難点がある。
【０００４】ショ糖脂肪酸エステルは天然物であるショ
糖と脂肪酸とで構成された無味、無臭の可食性界面活性
剤で、体内で消化されて、ショ糖、脂肪酸として吸収さ
れるため安全性に問題がなく、食品、医薬品、化粧品、
洗剤、繊維などに幅広く利用されている。また、このシ
ョ糖脂肪酸エステルをコーヒー乳飲料などの低酸度飲料
に添加する方法（特公昭６２−３３８６０号公報参照）
が提案されているが、炭酸飲料、果実飲料、コーヒー飲
料、紅茶飲料、スポーツドリンク、栄養ドリンク、ミネ
ラルウォーター、フレーバーウォーターなどの酸性飲料
にショ糖脂肪酸エステルを単独で使用した場合には、シ
ョ糖脂肪酸エステルが結晶化することによる濁りや沈殿
物が生じ、酸性飲料の外観を損ねるという難点があっ
た。
糖と脂肪酸とで構成された無味、無臭の可食性界面活性
剤で、体内で消化されて、ショ糖、脂肪酸として吸収さ
れるため安全性に問題がなく、食品、医薬品、化粧品、
洗剤、繊維などに幅広く利用されている。また、このシ
ョ糖脂肪酸エステルをコーヒー乳飲料などの低酸度飲料
に添加する方法（特公昭６２−３３８６０号公報参照）
が提案されているが、炭酸飲料、果実飲料、コーヒー飲
料、紅茶飲料、スポーツドリンク、栄養ドリンク、ミネ
ラルウォーター、フレーバーウォーターなどの酸性飲料
にショ糖脂肪酸エステルを単独で使用した場合には、シ
ョ糖脂肪酸エステルが結晶化することによる濁りや沈殿
物が生じ、酸性飲料の外観を損ねるという難点があっ
た。
【０００５】この様な欠点を解決するため、コーヒー飲
料などの酸性飲料に、ショ糖脂肪酸エステルとポリグリ
セリン脂肪酸エステルを併用して該飲料の保存安定性を
改善する方法が提案されている（特開昭６１−２４２５
６７号公報、特開昭６２−２１５３４５号公報、特開平
７−２８９８７５号公報参照）。これらの提案は該飲料
の保存安定性を向上させるためにそれなりの効果を奏す
るが、未だ十分に満足できるものではない。
料などの酸性飲料に、ショ糖脂肪酸エステルとポリグリ
セリン脂肪酸エステルを併用して該飲料の保存安定性を
改善する方法が提案されている（特開昭６１−２４２５
６７号公報、特開昭６２−２１５３４５号公報、特開平
７−２８９８７５号公報参照）。これらの提案は該飲料
の保存安定性を向上させるためにそれなりの効果を奏す
るが、未だ十分に満足できるものではない。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、炭酸
飲料、果実飲料、コーヒー飲料、紅茶飲料、スポーツド
リンク、栄養ドリンク、ミネラルウォーター、フレーバ
ーウォーターなどの酸性飲料中で、広範囲の微生物に対
して静菌効果を示し、且つ、酸性飲料中でのショ糖脂肪
酸エステルの結晶化が抑えられ、その結果、酸性飲料の
外観を損なわない抗菌剤製剤を提供することである。
飲料、果実飲料、コーヒー飲料、紅茶飲料、スポーツド
リンク、栄養ドリンク、ミネラルウォーター、フレーバ
ーウォーターなどの酸性飲料中で、広範囲の微生物に対
して静菌効果を示し、且つ、酸性飲料中でのショ糖脂肪
酸エステルの結晶化が抑えられ、その結果、酸性飲料の
外観を損なわない抗菌剤製剤を提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記のごと
き従来型の抗菌剤について、その欠点を解決すべく鋭意
研究を行った結果、ショ糖脂肪酸エステル０．１〜４０
重量％、ポリグリセリン脂肪酸エステル０．１〜４０重
量％、プロピレングリコール５〜７０重量％およびグリ
セリン１０〜８０重量％からなる抗菌剤製剤またはショ
糖脂肪酸エステル０．１〜４０重量％、ポリグリセリン
脂肪酸エステル０．１〜４０重量％、プロピレングリコ
ール５〜７０重量％、グリセリン１０〜８０重量％、エ
チルアルコール０〜８０重量％および水０〜８０重量％
からなる抗菌剤製剤を酸性飲料に添加することにより、
広範囲の微生物に対して静菌効果を示し、且つ、酸性飲
料中でのショ糖脂肪酸エステルの結晶化が抑えられ、そ
の結果、酸性飲料の外観を損なわないことを見いだし、
本発明を完成するに至った。
き従来型の抗菌剤について、その欠点を解決すべく鋭意
研究を行った結果、ショ糖脂肪酸エステル０．１〜４０
重量％、ポリグリセリン脂肪酸エステル０．１〜４０重
量％、プロピレングリコール５〜７０重量％およびグリ
セリン１０〜８０重量％からなる抗菌剤製剤またはショ
糖脂肪酸エステル０．１〜４０重量％、ポリグリセリン
脂肪酸エステル０．１〜４０重量％、プロピレングリコ
ール５〜７０重量％、グリセリン１０〜８０重量％、エ
チルアルコール０〜８０重量％および水０〜８０重量％
からなる抗菌剤製剤を酸性飲料に添加することにより、
広範囲の微生物に対して静菌効果を示し、且つ、酸性飲
料中でのショ糖脂肪酸エステルの結晶化が抑えられ、そ
の結果、酸性飲料の外観を損なわないことを見いだし、
本発明を完成するに至った。
【０００８】かくして、本発明によれば、酸性飲料中で
安定な、ショ糖脂肪酸エステル０．１〜４０重量％、ポ
リグリセリン脂肪酸エステル０．１〜４０重量％、プロ
ピレングリコール５〜７０重量％およびグリセリン１０
〜８０重量％からなる抗菌剤製剤またはショ糖脂肪酸エ
ステル０．１〜４０重量％、ポリグリセリン脂肪酸エス
テル０．１〜４０重量％、プロピレングリコール５〜７
０重量％、グリセリン１０〜８０重量％、エチルアルコ
ール０〜８０重量％および水０〜８０重量％からなる抗
菌剤製剤が提供される。
安定な、ショ糖脂肪酸エステル０．１〜４０重量％、ポ
リグリセリン脂肪酸エステル０．１〜４０重量％、プロ
ピレングリコール５〜７０重量％およびグリセリン１０
〜８０重量％からなる抗菌剤製剤またはショ糖脂肪酸エ
ステル０．１〜４０重量％、ポリグリセリン脂肪酸エス
テル０．１〜４０重量％、プロピレングリコール５〜７
０重量％、グリセリン１０〜８０重量％、エチルアルコ
ール０〜８０重量％および水０〜８０重量％からなる抗
菌剤製剤が提供される。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳細に
説明する。
説明する。
【００１０】本発明に用いられるショ糖脂肪酸エステル
は、特に制限されるものではないが、構成脂肪酸として
は、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン
酸、エルカ酸、ベヘニン酸などの炭素数１０〜２４の飽
和または不飽和の脂肪酸の少なくとも１種以上の成分か
らなる脂肪酸を構成脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステル
が好ましく、また、全エステルに占めるモノエステルが
５０重量％以上であるショ糖脂肪酸エステルを好ましく
例示することができる。本発明の抗菌剤製剤には、上記
のショ糖脂肪酸エステルの０．１〜４０重量％、さらに
好ましくは０．５〜２０重量％が用いられる。
は、特に制限されるものではないが、構成脂肪酸として
は、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン
酸、エルカ酸、ベヘニン酸などの炭素数１０〜２４の飽
和または不飽和の脂肪酸の少なくとも１種以上の成分か
らなる脂肪酸を構成脂肪酸とするショ糖脂肪酸エステル
が好ましく、また、全エステルに占めるモノエステルが
５０重量％以上であるショ糖脂肪酸エステルを好ましく
例示することができる。本発明の抗菌剤製剤には、上記
のショ糖脂肪酸エステルの０．１〜４０重量％、さらに
好ましくは０．５〜２０重量％が用いられる。
【００１１】本発明に用いられるポリグリセリン脂肪酸
エステルは、特に制限されるものではないが、構成脂肪
酸としては、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エ
ライジン酸、エルカ酸、ベヘニン酸などの炭素数１０〜
２４の飽和または不飽和の脂肪酸の少なくとも１種以上
の成分からなる脂肪酸を構成脂肪酸とするポリグリセリ
ン脂肪酸エステルが好ましく、また、ＨＬＢ値が８以
上、さらに好ましくはＨＬＢ値が１０〜１２のポリグリ
セリン脂肪酸エステルを挙げることができる。本発明の
抗菌剤製剤には、上記のポリグリセリン脂肪酸エステル
の０．１〜４０重量％、さらに好ましくは０．５〜２０
重量％が用いられる。
エステルは、特に制限されるものではないが、構成脂肪
酸としては、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エ
ライジン酸、エルカ酸、ベヘニン酸などの炭素数１０〜
２４の飽和または不飽和の脂肪酸の少なくとも１種以上
の成分からなる脂肪酸を構成脂肪酸とするポリグリセリ
ン脂肪酸エステルが好ましく、また、ＨＬＢ値が８以
上、さらに好ましくはＨＬＢ値が１０〜１２のポリグリ
セリン脂肪酸エステルを挙げることができる。本発明の
抗菌剤製剤には、上記のポリグリセリン脂肪酸エステル
の０．１〜４０重量％、さらに好ましくは０．５〜２０
重量％が用いられる。
【００１２】本発明の抗菌剤製剤には更に、プロピレン
グリコール５〜７０重量％、さらに好ましくは１０〜６
０重量％およびグリセリン１０〜８０重量％、さらに好
ましくは２０〜７０重量％が用いられる。また更に、エ
チルアルコール０〜８０重量％、さらに好ましくは５〜
６０重量％、水０〜８０重量％、さらに好ましくは５〜
６０重量％が用いられる。
グリコール５〜７０重量％、さらに好ましくは１０〜６
０重量％およびグリセリン１０〜８０重量％、さらに好
ましくは２０〜７０重量％が用いられる。また更に、エ
チルアルコール０〜８０重量％、さらに好ましくは５〜
６０重量％、水０〜８０重量％、さらに好ましくは５〜
６０重量％が用いられる。
【００１３】本発明の抗菌剤製剤には、上記のショ糖脂
肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピ
レングリコールおよびグリセリンの他に、例えば、柑橘
類精油、花精油、植物精油などの油溶性香料類；コーヒ
ーエキス、バニラエキス、ココアエキス、紅茶エキス、
緑茶エキス、ウーロン茶エキスなどの水溶性香料類；合
成香料類；調合香料組成物などの香料類、α−カロチ
ン、β−カロチン、リコペン、パプリカ色素、アナトー
色素、クロロフィル、クチナシ色素、ベニバナ色素、モ
ナスカス色素、ビート色素、エルダベリー色素、マリー
ゴールド色素、コチニール色素などの色素類、ビタミン
類などを適宜配合することができる。
肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピ
レングリコールおよびグリセリンの他に、例えば、柑橘
類精油、花精油、植物精油などの油溶性香料類；コーヒ
ーエキス、バニラエキス、ココアエキス、紅茶エキス、
緑茶エキス、ウーロン茶エキスなどの水溶性香料類；合
成香料類；調合香料組成物などの香料類、α−カロチ
ン、β−カロチン、リコペン、パプリカ色素、アナトー
色素、クロロフィル、クチナシ色素、ベニバナ色素、モ
ナスカス色素、ビート色素、エルダベリー色素、マリー
ゴールド色素、コチニール色素などの色素類、ビタミン
類などを適宜配合することができる。
【００１４】本発明の抗菌剤製剤の調製方法は特に制限
されないが、例えば、プロピレングリコールとグリセリ
ンを混合後、その混合液にショ糖脂肪酸エステルおよび
ポリグリセリン脂肪酸エステルを添加して、約７０℃〜
約９５℃にて加温溶解する方法を挙げることができる。
されないが、例えば、プロピレングリコールとグリセリ
ンを混合後、その混合液にショ糖脂肪酸エステルおよび
ポリグリセリン脂肪酸エステルを添加して、約７０℃〜
約９５℃にて加温溶解する方法を挙げることができる。
【００１５】本発明の抗菌剤製剤を特に、ｐＨ３．５〜
６の酸性飲料に配合した場合、広範囲の微生物に対して
静菌効果を示し、更に、ショ糖脂肪酸エステルの結晶化
を防止することができるため、酸性飲料の外観を損なわ
ないという効果を奏する。この酸性飲料としては、例え
ば、炭酸飲料、果実飲料、コーヒー飲料、紅茶飲料、ス
ポーツドリンク、栄養ドリンク、ミネラルウォーター、
フレーバーウォーターなどを挙げることができる。これ
らの酸性飲料に配合される本発明の抗菌剤製剤の使用量
は、酸性飲料の種類、形態などにより異なるが、一般的
には酸性飲料１００重量部に対して約０．０１〜約５重
量部、好ましくは約０．０５〜２重量部の範囲内で使用
することができる。
６の酸性飲料に配合した場合、広範囲の微生物に対して
静菌効果を示し、更に、ショ糖脂肪酸エステルの結晶化
を防止することができるため、酸性飲料の外観を損なわ
ないという効果を奏する。この酸性飲料としては、例え
ば、炭酸飲料、果実飲料、コーヒー飲料、紅茶飲料、ス
ポーツドリンク、栄養ドリンク、ミネラルウォーター、
フレーバーウォーターなどを挙げることができる。これ
らの酸性飲料に配合される本発明の抗菌剤製剤の使用量
は、酸性飲料の種類、形態などにより異なるが、一般的
には酸性飲料１００重量部に対して約０．０１〜約５重
量部、好ましくは約０．０５〜２重量部の範囲内で使用
することができる。
【００１６】本発明の抗菌剤製剤は、広範囲の微生物に
対して静菌効果を発揮するが、特に酸性飲料で問題とな
る、例えば、アシクロバシラス・アシドカルダリウス
（Ａｌｉｃｙｃｌｏｂａｃｉｌｌｕｓ ａｃｉｄｏｃａ
ｌｄａｒｉｕｓ）、アリシクロバシラス・アシドテレス
トリア（Ａｌｉｃｙｃｌｏｂａｃｉｌｌｕｓ ａｃｉｄ
ｏｔｅｒｒｅｓｔｒｉｓ）などの耐熱性好酸性菌、ビソ
クラミス・フルバ（Ｂｙｓｓｏｃｈｌａｍｙｓ ｆｕｌ
ｖａ）、ネオサルトリア・フィシェリア・バライエティ
ー・グラブラ（Ｎｅｏｓａｒｔｏｒｙａ ｆｉｓｃｈｅ
ｒｉ ｖａｒ．ｇｌａｂｒａ）などの耐熱性カビなどの
微生物に対して有効である。
対して静菌効果を発揮するが、特に酸性飲料で問題とな
る、例えば、アシクロバシラス・アシドカルダリウス
（Ａｌｉｃｙｃｌｏｂａｃｉｌｌｕｓ ａｃｉｄｏｃａ
ｌｄａｒｉｕｓ）、アリシクロバシラス・アシドテレス
トリア（Ａｌｉｃｙｃｌｏｂａｃｉｌｌｕｓ ａｃｉｄ
ｏｔｅｒｒｅｓｔｒｉｓ）などの耐熱性好酸性菌、ビソ
クラミス・フルバ（Ｂｙｓｓｏｃｈｌａｍｙｓ ｆｕｌ
ｖａ）、ネオサルトリア・フィシェリア・バライエティ
ー・グラブラ（Ｎｅｏｓａｒｔｏｒｙａ ｆｉｓｃｈｅ
ｒｉ ｖａｒ．ｇｌａｂｒａ）などの耐熱性カビなどの
微生物に対して有効である。
【００１７】かくして本発明のショ糖脂肪酸エステル
０．１〜４０重量％、ポリグリセリン脂肪酸エステル
０．１〜４０重量％、プロピレングリコール５〜７０重
量％およびグリセリン１０〜８０重量％からなる抗菌剤
製剤またはショ糖脂肪酸エステル０．１〜４０重量％、
ポリグリセリン脂肪酸エステル０．１〜４０重量％、プ
ロピレングリコール５〜７０重量％、グリセリン１０〜
８０重量％、エチルアルコール０〜８０重量％および水
０〜８０重量％からなる抗菌剤製剤は、酸性飲料にショ
糖脂肪酸エステル単独、またはショ糖脂肪酸エステルと
ポリグリセリン脂肪酸エステルを添加したものに比べ、
静菌効果が高く、且つ、ショ糖脂肪酸エステルの結晶化
を防止することができるため酸性飲料の外観を損なわな
いという利点を有する。
０．１〜４０重量％、ポリグリセリン脂肪酸エステル
０．１〜４０重量％、プロピレングリコール５〜７０重
量％およびグリセリン１０〜８０重量％からなる抗菌剤
製剤またはショ糖脂肪酸エステル０．１〜４０重量％、
ポリグリセリン脂肪酸エステル０．１〜４０重量％、プ
ロピレングリコール５〜７０重量％、グリセリン１０〜
８０重量％、エチルアルコール０〜８０重量％および水
０〜８０重量％からなる抗菌剤製剤は、酸性飲料にショ
糖脂肪酸エステル単独、またはショ糖脂肪酸エステルと
ポリグリセリン脂肪酸エステルを添加したものに比べ、
静菌効果が高く、且つ、ショ糖脂肪酸エステルの結晶化
を防止することができるため酸性飲料の外観を損なわな
いという利点を有する。
【００１８】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明する。
らに具体的に説明する。
【００１９】実施例１
プロピレングリコール５０ｇとグリセリン４５ｇを混合
した後、この混合液にモノスターＰ（三菱化学フーズ株
式会社製ショ糖脂肪酸エステル）２．５ｇ、デカグリン
１−Ｌ（日光ケミカルズ株式会社製ポリグリセリン脂肪
酸エステル）２．０ｇを添加して、９０℃にて攪拌溶解
した後、４０℃に冷却し、オレンジフレーバー（長谷川
香料株式会社製）を０．５ｇ添加して本発明の抗菌剤製
剤１００ｇを得た（本発明品１）。
した後、この混合液にモノスターＰ（三菱化学フーズ株
式会社製ショ糖脂肪酸エステル）２．５ｇ、デカグリン
１−Ｌ（日光ケミカルズ株式会社製ポリグリセリン脂肪
酸エステル）２．０ｇを添加して、９０℃にて攪拌溶解
した後、４０℃に冷却し、オレンジフレーバー（長谷川
香料株式会社製）を０．５ｇ添加して本発明の抗菌剤製
剤１００ｇを得た（本発明品１）。
【００２０】実施例２
プロピレングリコール３０ｇ、グリセリン４０ｇ、エチ
ルアルコール１５ｇおよび水１０ｇを混合した後、この
混合液にモノスターＰ（三菱化学フーズ株式会社製ショ
糖脂肪酸エステル）２．５ｇ、デカグリン１−Ｌ（日光
ケミカルズ株式会社製ポリグリセリン脂肪酸エステル）
２．０ｇを添加して、９０℃にて攪拌溶解した後、４０
℃に冷却し、オレンジフレーバー（長谷川香料株式会社
製）を０．５ｇ添加して本発明の抗菌剤製剤１００ｇを
得た（本発明品２）。
ルアルコール１５ｇおよび水１０ｇを混合した後、この
混合液にモノスターＰ（三菱化学フーズ株式会社製ショ
糖脂肪酸エステル）２．５ｇ、デカグリン１−Ｌ（日光
ケミカルズ株式会社製ポリグリセリン脂肪酸エステル）
２．０ｇを添加して、９０℃にて攪拌溶解した後、４０
℃に冷却し、オレンジフレーバー（長谷川香料株式会社
製）を０．５ｇ添加して本発明の抗菌剤製剤１００ｇを
得た（本発明品２）。
【００２１】参考例１
実施例１及び実施例２で得られた抗菌剤製剤、モノスタ
ーＰ（三菱化学フーズ株式会社製ショ糖脂肪酸エステ
ル）単独（比較例１）およびモノスターＰとデカグリン
１−Ｌ（日光ケミカルズ株式会社製ポリグリセリン脂肪
酸エステル）の１：１の混合物（比較例２）を下記に示
す酸性飲料に、ショ糖脂肪酸エステルとして３０ｐｐｍ
となるように配合し、８５℃で１０分間殺菌した後、３
５℃に冷却し、酸性飲料の経時的な外観の変化を観察し
た。その結果を表１に示す。
ーＰ（三菱化学フーズ株式会社製ショ糖脂肪酸エステ
ル）単独（比較例１）およびモノスターＰとデカグリン
１−Ｌ（日光ケミカルズ株式会社製ポリグリセリン脂肪
酸エステル）の１：１の混合物（比較例２）を下記に示
す酸性飲料に、ショ糖脂肪酸エステルとして３０ｐｐｍ
となるように配合し、８５℃で１０分間殺菌した後、３
５℃に冷却し、酸性飲料の経時的な外観の変化を観察し
た。その結果を表１に示す。
【００２２】酸性飲料の組成
砂糖 １０．０ｇ
クエン酸 ２．０
クエン酸ナトリウム ０．１５水 適量
１Ｌに調製 ｐＨ３．５
【００２３】
【表１】表１：酸性飲料の外観の経時変化
【００２４】参考例２
実施例１および２で得られた抗菌剤製剤、モノスターＰ
（三菱化学フーズ株式会社製ショ糖脂肪酸エステル）単
独（比較例１）およびモノスターＰとデカグリン（日光
ケミカルズ株式会社製ポリグリセリン脂肪酸エステル）
の１：１の混合物（比較例２）を上述した酸性飲料に、
ショ糖脂肪酸エステルとして３０ｐｐｍとなるように配
合し、下記に示すように微生物を添加し、微生物菌数の
増減を測定した。その結果を表２に示す。
（三菱化学フーズ株式会社製ショ糖脂肪酸エステル）単
独（比較例１）およびモノスターＰとデカグリン（日光
ケミカルズ株式会社製ポリグリセリン脂肪酸エステル）
の１：１の混合物（比較例２）を上述した酸性飲料に、
ショ糖脂肪酸エステルとして３０ｐｐｍとなるように配
合し、下記に示すように微生物を添加し、微生物菌数の
増減を測定した。その結果を表２に示す。
【００２５】微生物菌数測定方法
酸性飲料１００ｍｌに実施例１、実施例２の抗菌剤製剤
及び前記比較例１、比較例２をショ糖脂肪酸エステルと
して３０ｐｐｍとなるようにそれぞれ添加し、アリシク
ロバシラス・アシドカルダリウス ＪＣＭ５２６０（Ａ
ｌｉｃｙｃｌｏｂａｃｉｌｌｕｓ ａｃｉｄｏｃａｌｄ
ａｒｉｕｓ ＪＣＭ５２６０：耐熱性好酸性菌）の胞子
およびビソクラミス・フルバ ＩＦＯ３１７６７（Ｂｙ
ｓｓｏｃｈｌａｍｙｓ ｆｕｌｖａ ＩＦＯ３１７６
７：耐熱性カビ）の胞子を添加し、８５℃で１０分間加
熱殺菌し、３５℃で保存した。加熱殺菌直後、２週間後
および４週間後に菌数を測定した。なお、Ａ．ａｃｉｄ
ｏｃａｌｄａｒｉｕｓの菌数は標準寒天培地（ｐＨ３．
７）で、Ｂ．ｆｕｌｖａの菌数はポテトデキストロース
寒天培地（クロラムフェニコール入り）で測定した。
及び前記比較例１、比較例２をショ糖脂肪酸エステルと
して３０ｐｐｍとなるようにそれぞれ添加し、アリシク
ロバシラス・アシドカルダリウス ＪＣＭ５２６０（Ａ
ｌｉｃｙｃｌｏｂａｃｉｌｌｕｓ ａｃｉｄｏｃａｌｄ
ａｒｉｕｓ ＪＣＭ５２６０：耐熱性好酸性菌）の胞子
およびビソクラミス・フルバ ＩＦＯ３１７６７（Ｂｙ
ｓｓｏｃｈｌａｍｙｓ ｆｕｌｖａ ＩＦＯ３１７６
７：耐熱性カビ）の胞子を添加し、８５℃で１０分間加
熱殺菌し、３５℃で保存した。加熱殺菌直後、２週間後
および４週間後に菌数を測定した。なお、Ａ．ａｃｉｄ
ｏｃａｌｄａｒｉｕｓの菌数は標準寒天培地（ｐＨ３．
７）で、Ｂ．ｆｕｌｖａの菌数はポテトデキストロース
寒天培地（クロラムフェニコール入り）で測定した。
【００２６】
【表２】表２：微生物検査結果
【００２７】表２から明らかなように本発明の抗菌剤製
剤（実施例１および実施例２）は、ショ糖脂肪酸エステ
ル単独添加（比較例１）及びショ糖脂肪酸エステルとポ
リグリセリン脂肪酸エステルの１：１の混合物添加（比
較例２）に比べ良好な静菌効果を示した。この原因につ
いては定かではないが、参考例１で示したように本発明
の抗菌剤製剤は、酸性飲料中でのショ糖脂肪酸エステル
の結晶生成が見られないことから溶解性が良好なことに
起因していると思われる。
剤（実施例１および実施例２）は、ショ糖脂肪酸エステ
ル単独添加（比較例１）及びショ糖脂肪酸エステルとポ
リグリセリン脂肪酸エステルの１：１の混合物添加（比
較例２）に比べ良好な静菌効果を示した。この原因につ
いては定かではないが、参考例１で示したように本発明
の抗菌剤製剤は、酸性飲料中でのショ糖脂肪酸エステル
の結晶生成が見られないことから溶解性が良好なことに
起因していると思われる。
【００２８】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明の抗菌剤製剤
は酸性飲料中で広範囲の微生物に対して静菌効果を示
し、且つ、酸性飲料中でのショ糖脂肪酸エステルの結晶
化が抑えられ、その結果、酸性飲料の外観を損なわず、
更に、安全性に優れているため各種の酸性飲料に有用で
ある。
は酸性飲料中で広範囲の微生物に対して静菌効果を示
し、且つ、酸性飲料中でのショ糖脂肪酸エステルの結晶
化が抑えられ、その結果、酸性飲料の外観を損なわず、
更に、安全性に優れているため各種の酸性飲料に有用で
ある。
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ
Ａ２３Ｌ 3/3562 Ａ２３Ｌ 1/035
// Ａ２３Ｌ 1/035 2/00 Ｐ
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
A23L 2/00 - 2/44
A23F 3/14
A23F 5/14
A23L 3/349 - 3/3562
A23L 1/035
Claims (2)
- 【請求項１】酸性飲料中で安定な、ショ糖脂肪酸エステ
ル０．１〜４０重量％、ポリグリセリン脂肪酸エステル
０．１〜４０重量％、プロピレングリコール５〜７０重
量％およびグリセリン１０〜８０重量％からなる抗菌剤
製剤。 - 【請求項２】酸性飲料中で安定な、ショ糖脂肪酸エステ
ル０．１〜４０重量％、ポリグリセリン脂肪酸エステル
０．１〜４０重量％、プロピレングリコール５〜７０重
量％、グリセリン１０〜８０重量％、エチルアルコール
０〜８０重量％および水０〜８０重量％からなる抗菌剤
製剤。
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| JP24682899A Expired - Fee Related JP3466515B2 (ja) | 1999-02-10 | 1999-09-01 | 酸性飲料で安定な抗菌剤製剤 |
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| KR101533381B1 (ko) * | 2013-12-12 | 2015-07-02 | 롯데칠성음료주식회사 | 농축 액체 음료 조성물 및 이의 제조방법 |
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| JPH07147953A (ja) * | 1993-11-29 | 1995-06-13 | Yakult Honsha Co Ltd | 抗菌剤及び抗菌剤の使用方法 |
| JP3851710B2 (ja) * | 1996-07-01 | 2006-11-29 | 三菱化学フーズ株式会社 | 液状食品 |
| TW414697B (en) * | 1996-12-11 | 2000-12-11 | Riken Vitamin Co | Antimicrobial agent for food |
-
1999
- 1999-09-01 JP JP24682899A patent/JP3466515B2/ja not_active Expired - Fee Related
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2000
- 2000-02-01 KR KR1020000004977A patent/KR100662318B1/ko not_active IP Right Cessation
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
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