JP3466269B2 - 金属処理方法 - Google Patents

金属処理方法

Info

Publication number
JP3466269B2
JP3466269B2 JP08891594A JP8891594A JP3466269B2 JP 3466269 B2 JP3466269 B2 JP 3466269B2 JP 08891594 A JP08891594 A JP 08891594A JP 8891594 A JP8891594 A JP 8891594A JP 3466269 B2 JP3466269 B2 JP 3466269B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
methylene chloride
vapor
water
surfactant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08891594A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07292489A (ja
Inventor
與太郎 橋本
Original Assignee
株式会社永和
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社永和 filed Critical 株式会社永和
Priority to JP08891594A priority Critical patent/JP3466269B2/ja
Priority to US08/383,484 priority patent/US5545264A/en
Priority to DE69510990T priority patent/DE69510990T2/de
Priority to EP95105121A priority patent/EP0679728B1/en
Priority to KR1019950009167A priority patent/KR950032714A/ko
Priority to CN95104554A priority patent/CN1125779A/zh
Publication of JPH07292489A publication Critical patent/JPH07292489A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3466269B2 publication Critical patent/JP3466269B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属の組織空隙の内部
の付着物を溶出し、金属組織空隙を洗浄する方法に関す
る技術である。
【0002】
【従来の技術】従来から、メチレンクロライドは金属洗
浄溶液として使用されており、半導体や金属製品の洗浄
においては、メチレンクロライド溶液にそのまま金属を
浸漬するという使い方は行われていたのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の如く、メチレンクロライドの溶液に直接に金属を浸漬
するのではなくて、メチレンクロライドと水を一旦蒸気
化して、該メチレンクロライドと水の蒸気を金属に当て
ることにより、金属組織空隙内にまで界面活性剤の蒸気
と、メチレンクロライドと水の蒸気を浸透させて、金属
組織空隙の内部に侵入して付着した付着物を溶出させ洗
浄するものである。またこの洗浄作用と同時に、副次的
に金属に耐候性錆びが発生し、この錆びがそれ以上の錆
びの発生を阻止する不動態皮膜を構成することにより、
金属の腐食をも防止するのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の
手段を説明する。請求項1においては、メチレンクロラ
イド溶液と水を混合して加熱し、メチレンクロライド蒸
気と水蒸気を発生させ、該メチレンクロライド蒸気と水
蒸気を、金属を封入した処理タンク内に充填して金属組
織空隙に浸透させ、金属組織空隙中の付着物を溶出する
ことを特徴とする金属処理方法である。
【0005】請求項2においては、メチレンクロライド
溶液と水と界面活性剤液を混合して混合液とし、該混合
液を加熱し、メチレンクロライド蒸気と水蒸気と界面活
性剤蒸気を発生させ、該混合蒸気を、金属を封入した処
理タンク内に充填して金属組織空隙に浸透させ、金属組
織空隙中の付着物を溶出することを特徴とする金属処理
方法である。
【0006】請求項3においては、請求項1又は2に記
載の金属処理方法において、処理タンクを負圧状態と
し、金属を脱気状態で処理することを特徴とする金属処
理方法である。
【0007】請求項4においては、請求項2の金属処理
方法において、メチレンクロライド溶液と水と界面活性
剤液の重量比率を、略5・4・1とし、界面活性剤液の
比率は1以下の比率とし、該混合液の加熱温度を80〜
100°Cの範囲としたことを特徴とする金属処理方法
である。
【0008】
【作用】次に作用を説明する。本発明のメチレンクロラ
イド蒸気又は、メチレンクロライド蒸気と水蒸気と界面
活性剤蒸気は、金属Wの金属組織空隙の部分まで浸透
し、金属組織空隙内の付着物や残留物を溶出して、金属
や金属性遺物の洗浄を行うのである。
【0009】
【実施例】次に実施例を説明する。メチレンクロライド
は化学式がCH2Cl2で表示される分子量84.93
の物質である。化学名は塩化メチレンであり、一般名と
してメチレンクロライドの他に、ジクロルメタンとか、
二塩化メチレンと呼称される場合もある。沸点は40.
4°Cで、融点は−96.8°Cである。また、界面活
性剤は、陰イオン性界面活性剤と、陽イオン性界面活性
剤と、非イオン性界面活性剤と、両性界面活性剤に分類
される。陰イオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸
ナトリウム、アミド硫酸ナトリウム、第二アルキル硫酸
ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、アミドス
ルホン酸ナトリウム、アルキルアリルスルホン酸ナトリ
ウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム等があ
る。
【0010】また、陽イオン性界面活性剤としては、酢
酸アミン塩、アルキルトリメチルアンモニウムクロリ
ド、ジアルキルメチルアンモニウムクロリド、アルキル
ピリジウムハロゲニド、アルキルジメチルベンジルアン
モニウムクロリド等がある。両性界面活性剤としては、
カルボン酸型、スルホン酸型、硫酸エステル型等があ
る。
【0011】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレン脂
肪アルコール、ポリオキシエチレン脂肪酸、ポリオキシ
エチレン酸アミド、ポリオキシエチレン脂肪アミン、ポ
リプロピレングリゴール等がある。本発明の金属処理方
においては、アルカリ性が強くなると、Cl2が発生
しやすくるなるので、これを回避する必要があり、酸・
アルカリに対して比較的安定した、アルコール系の非イ
オン界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルフェ
ノールや、ポリオキシエチレン脂肪アルコールが、この
点において有効である。しかし、金属組織空隙内の付着
物を溶出する為には、全ての界面活性剤が有効である。
【0012】本発明の金属処理方法において、メチレン
クロライド溶液と水と界面活性剤液の重量比率を、略5
・4・1とし、界面活性剤液の比率は1以下の比率と
し、該混合液の加熱温度を80〜100°Cの範囲とし
ている。そして、本発明の如く、メチレンクロライド溶
液と、水と、界面活性剤液の3者の混合液を加熱する
と、メチレンクロライド蒸気や水蒸気や界面活性剤蒸気
の他に、次のようなガスや化合物が発生している。即
ち、HCHO、HF、HCl、HBr、NH3、Cl2
(僅少)、CH4、CO、CO2、有機酸、有機化合物
である。有機酸としては、りん酸、くえん酸、ピルビン
酸、りんご酸、こはく酸、乳酸、ぎ酸、酢酸、レブリン
酸、ピログルタミン酸、プロピオン酸、いそ酪酸、いそ
吉草酸等である。また、有機化合物を、ガスクロマトグ
ラフにより質量分析すると、鎖状飽和炭化水素やセキス
テルペンやセキステルペンアルコール等の金属の付着物
に含まれる精油に由来する有機化合物が分析されるので
ある。これらは、金属組織空隙の付着物がメチレンクロ
ライドと界面活性剤により溶出されたものである。
【0013】図1は本発明の金属処理方法の基本構成図
面、図2は金属処理方法の行程と手順をバルブ機構の開
閉により示した図面、図3は処理タンクTと蓋体22と
金属載置台26の部分の側面図、図4は処理タンクTに
蓋体22を閉鎖した状態の側面図、図5は蓋体22の正
面図、図6は処理タンクTの正面断面図、図7は金属載
置台26の上に金属Wを載置した状態の正面図、図8は
処理状態における処理タンクTの内部の断面図である。
【0014】図3・図4・図5・図6・図7において、
処理タンクTと蓋体22と金属載置台26の構成を説明
する。即ち、処理タンクTは圧力容器を構成しており、
本発明の金属処理方法においては、脱気状態において5
0Torrとなり、メチレンクロライドの蒸気回収時に
200Torrとなるので、これに耐える程度の圧力容
器に構成されている。そして、正面に蓋体22が設けら
れており、該蓋体22が金属載置台26と一体的に構成
されている。該金属載置台26は処理タンクTの内部に
設けられた移動レール25の上で移動し、また蓋体22
は蓋体支持部23の下部の移動レール24の部分で、両
者が一体的に移動可能としている。
【0015】該蓋体22と一体的に引出し、挿入される
金属載置台26の上に、処理対象である金属Wを載置す
るのである。該金属載置台26の部分を処理タンクTの
内部に挿入した状態で、蓋体22と処理タンクTとを密
閉固定し、圧力を掛けるのである。該処理タンクTの内
側底部に加温・冷却パイプ20が配置されており、加温
の場合にはボイラーBより、100数十°Cの水蒸気が
供給される。また、冷却の場合には、冷却水タンク18
の冷却水が供給される。メチレンクロライドと水の混合
液は、そのまま処理タンクTの内部に注入されても良い
し、また予備タンクの部分で混合蒸気の状態として、処
理タンクTに供給しても良いのである。図1の実施例に
おいては、混合液の状態として処理タンクTの内部に供
給すべく構成している。
【0016】そして、混合液の状態で、加温・冷却パイ
プ20を浸漬する程度まで、混合液を注入した状態で、
ボイラーBから100数十°Cの水蒸気を加温・冷却パ
イプ20に供給し、沸点が40度であるメチレンクロラ
イドは勿論、水も蒸気となるのである。該水蒸気とメチ
レンクロライドの蒸気とを同時に供給するのは、水蒸気
により金属Wの外周の組織を柔らかくして、金属組織空
隙の付着物の溶出を促進し、次にメチレンクロライドの
蒸気が金属組織空隙の内部に浸透するのを促進するので
ある。本発明においては、メチレンクロライドと水と界
面活性剤の混合液は、図6に示す如く、液面が最大でも
金属載置台26の下までしか成らず、金属が混合液に浸
漬されることは無いのである。あくまで、混合液の蒸気
を金属に吸収させて処理するのである。
【0017】次に図1において、本発明の金属処理方法
の基本構成を説明する。設備としては、処理タンクTと
混合液タンク14が主体であり、該混合液タンク14の
内部に、メチレンクロライドと水と界面活性剤の混合さ
れた混合液が投入される。また、ボイラーBは蒸気をパ
イプ内に供給し、前述の如く混合液を蒸気化するもので
あり、コンプレッサCは、処理終了後に処理タンクTの
内部の混合液を混合液タンク14に戻す際に圧力を掛け
るものである。
【0018】また、真空ポンプPは混合液を押し出した
後に、処理タンクTの内部と金属Wの金属組織空隙の内
部に残っているメチレンクロライド蒸気を吸引するもの
である。そして該吸引したメチレンクロライド蒸気は、
大気に排出することが出来ないので、コンデンサ16に
おいて冷却して液化し、コンデンサパイプ21の部分か
ら再度混合液タンク14に戻している。チラー15は該
コンデンサ16の内部の冷却水を冷却するものである。
またフィルター19が設けられており、処理タンクTか
らコンプレッサCにより押し出される混合液内のゴミ等
の不純物を濾過する。また冷却水タンク17は、混合液
蒸気を液化する為に使用した冷却水の受け皿である。
【0019】そして、各部に電磁バルブが配置されてい
る。該電磁バルブは、自動制御装置により、一定時間毎
に開閉すべく構成しており、処理の行程である『金属脱
気』,『混合液送り込み』,『金属洗浄』,『混合液冷
却』,『混合液タンク戻し』,『混合液蒸気回収』,
『コンデンサ内部混合液回収』の順に、図2に示す如
く、自動的に開閉操作される。同時に、コンプレッサC
とボイラーBと真空ポンプPとチラー15が自動的に駆
動停止される。この処理の1行程は、24時間で終了す
べく構成されている。
【0020】次に図2において、金属処理方法の各行程
の電磁バルブの状態を示す。まず『金属脱気』の行程に
おいては、真空ポンプPが駆動される。そして真空ポン
プPとコンデンサ16を連結する回路の電磁バルブ1が
開く、またコンデンサ16と処理タンクTを連通する電
磁バルブ3も開く。その他の電磁バルブはすべて閉鎖さ
れている。これにより、処理タンクTの内部は、50T
orr程度の真空となり、金属Wの金属組織空隙内の空
気が引き出される。
【0021】次に『混合液送り込み』の行程において
は、処理タンクTと混合液タンク14を連通する電磁バ
ルブ4が開き、他の電磁バルブは閉鎖される。これによ
り混合液タンク14と処理タンクTとは略同じレベルに
配置されているので、混合液タンク14内と処理タンク
T内が同じレベルになるように、混合液が処理タンクT
内に移動する。
【0022】次に、『金属洗浄』の行程においては、ボ
イラーBと処理タンクTとの間の電磁バルブ7と、処理
タンクTからドレーンを連通する電磁バルブ9が開き、
他の電磁バルブは閉鎖される。これにより、ボイラーB
からの高熱蒸気が処理タンクT内の加温・冷却パイプ2
0に供給され、処理タンクT内の混合液は、メチレンク
ロライド蒸気と水蒸気と界面活性剤蒸気となって、金属
Wの金属組織空隙内に浸透する。この『金属洗浄』の段
階を約6時間行う。
【0023】次に、『混合液冷却』の行程を説明する。
この場合には、冷却水タンク18と処理タンクTとを連
通する電磁バルブ8と、処理タンクTと冷却水タンク1
7を連通する電磁バルブ10が開放される。他の電磁バ
ルブは閉鎖されている。これにより、冷却水が加温・冷
却パイプ20内を通過し、処理タンクTの内部はメチレ
ンクロライドの沸点である40°C以下となるので、メ
チレンクロライドも水蒸気も薬液に戻るのである。
【0024】次に、『混合液タンク戻し』の行程を説明
する。この場合には、処理タンクT内の空気を逃がす為
に電磁バルブ2が開き、処理タンクTの下部の電磁バル
ブ5と、コンプレッサCと処理タンクTを連通する電磁
バルブ6が開き、コンプレッサCが駆動される。また、
フィルター19と混合液タンク14の間の電磁バルブ1
2と、混合液タンク14と大気を連通する電磁バルブ1
3が開く。これにより処理タンクT内にある程度の圧力
が掛かるので、液化した混合液は混合液タンク14内に
押し戻される。
【0025】次に、『タンク内部混合液蒸気回収』の行
程について説明する。この場合には、真空ポンプPが駆
動される。そして真空ポンプPとコンデンサ16を連通
する電磁バルブ1と、コンデンサ16と処理タンクTを
連通する電磁バルブ3が開く。他の電磁バルブは閉鎖さ
れる。この状態で、真空ポンプPにより処理タンクT内
及び金属Wの金属組織空隙内に浸透したメチレンクロラ
イドの蒸気を回収する。この際の真空度は、200To
rr程度まで下げる。次に『コンデンサ内部混合液回
収』の行程においては、大気と連通する電磁バルブ2
と、コンデンサパイプ21と混合液タンク14とを連通
する電磁バルブ11を開く。これにより、コンデンサ1
6のコンデンサパイプ21の内部に溜まったメチレンク
ロライド等の混合液を、混合液タンク14に回収するこ
とが出来る。これらの1行程を24時間で終了するので
ある。
【0026】次に、図8において、処理状態に於ける処
理タンクTの内部の断面図を説明する。処理タンクTの
内部の下方に、加温・冷却パイプ20が配置されてお
り、該加温・冷却パイプ20の上部に、金属載置台26
が移動可能に配置されている。該金属載置台26の上に
金属Wが載置されるのである。そして、水Waと界面活
性剤液Sとメチレンクロライド溶液Meの混合液は、該
加温・冷却パイプ20よりも液位が高く、しかし、金属
載置台26上の金属Wを浸漬しない程度の液位となるよ
うに注入される。
【0027】水Waの比重は1.00であり、界面活性
剤液Sの比重は1.04であるので、略同じ液位とな
り、界面活性剤液Sは水Waに溶けるので一体的にな
り、図8に示す如く、水Wa+界面活性剤液Sの液層を
構成する。これに対して、メチレンクロライド溶液Me
は、比重が1.33であり、水Waに溶解しないので、
水Wa+界面活性剤液Sの層の下に層を構成するのであ
る。そして、水Wa+界面活性剤液Sの層に配置した加
温・冷却パイプ20に160°Cに加熱した水蒸気を供
給すると、加温・冷却パイプ20の周囲の温度が上昇す
る。該加温・冷却パイプ20は水Wa+界面活性剤液S
の層に配置されており、該部分が先に温度上昇する。
【0028】徐々に加温・冷却パイプ20の温度が上昇
し、約40°Cに達すると、メチレンクロライド溶液M
eが沸点に達し、メチレンクロライド蒸気に変わり水W
a+界面活性剤液Sの層を泡となって通過して、金属W
に至り、該金属Wの金属組織空隙内に侵入する。金属W
の場合には、約80°Cに加熱し、メチレンクロライド
の蒸気が、水Waと界面活性剤液Sの液の中を潜り抜け
て、金属Wに達するような状態で処理を続けるのであ
る。そして該メチレンクロライドMeが水Waと界面活
性剤液Sを通過する間に、メチレンクロライドから発生
するCl2(塩素ガス)を水Waに吸収させて、処理に
悪影響を与えるCl2の発生を押さえるのである。ま
た、該メチレンクロライドの蒸気に、界面活性剤液Sが
附加された状態で、金属Wの金属組織空隙に侵入するの
である。これにより溶出の切れを良くすることが出来
る。
【0029】このように、水Waと界面活性剤液Sとメ
チレンクロライド溶液Meを、混合液として、加温・冷
却パイプ20により加温することにより、メチレンクロ
ライドMeの蒸気は、水Waと界面活性剤液Sを通過し
てから、処理タンクT内に蒸発するのでCl2が少なく
なるのである。該メチレンクロライドの蒸気は、金属W
の穿孔に侵入するのである。また、界面活性剤液Sが混
在された状態で穿孔内に入るので、付着物を溶出する場
合の切れが良く、また低温でメチレンクロライドの蒸気
を大量に発生することが出来るので、処理タンクT内を
高温にして処理する必要がないのである。
【0030】本実施例においては、金属を処理する実施
例について説明したが、金属を加工して製造し、何十
年、何百年、何千年と経過した、刀や金属製遺物の修復
・復元において、本発明の金属処理方法を使用すること
が可能である。即ち、処理タンクT内に長年を経た金属
製遺物を入れて、メチレンクロライド溶液と水と界面活
性剤液を混合して混合液の蒸気を当てることにより、金
属製遺物の内部に残った付着物を溶出することができ、
それと共に表面の汚れや煤等を全て流し出すことが出来
るのである。この操作により、古い金属製遺物の内部か
らの洗浄を行うことが出来るのである。その洗浄操作に
より、メチレンクロライドによる殺菌効果も発生し、付
着物の溶出後は表面が硬化するので、そのまま恒温展示
装置にて展示することが出来るのである。この修復・復
元は、金属製遺物等に関わらず、遺跡の調査において発
掘される金属や、金属製遺物においてもその洗浄が可能
である。該洗浄により長期保存可能な状態とすることが
出来るのである。
【0031】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。即ち、請求項1の如く構
成したので、メチレンクロライドの蒸気と水蒸気とが、
金属の内部に浸透することにより、金属組織の空隙の付
着物を溶出することが容易にできるのである。
【0032】請求項2の如く構成したので、メチレンク
ロライドと界面活性剤と水の蒸気により、金属組織空隙
の付着物を溶出することが可能となり、特に界面活性剤
を混合することにより、付着物溶解後の金属組織空隙か
らの分離や切れを良くすることが出来るのである。故
に、同じく、メチレンクロライドの溶液に金属を浸漬し
た場合よりも、メチレンクロライド蒸気と水蒸気を、高
圧化して吸収させ、かつ界面活性剤の蒸気をも金属の機
構に吸収させて処理することの方が、金属組織空隙の付
着物の溶出効果を3倍程度に向上することができるので
ある。 また、この洗浄作用と同時に、副次的に金属に耐候性錆
びが発生し、この錆びがそれ以上の錆びの発生を阻止す
る不動態皮膜を構成することにより、金属の腐食をも防
止するのである。
【0033】請求項3の如く構成したことにより、メチ
レンクロライド蒸気と水蒸気と界面活性剤蒸気を浸透さ
せる前の段階において、真空状態とした処理タンク内に
おいて、金属を脱気処理するので、金属Wの内部の空気
を抜き取った状態で、メチレンクロライドの蒸気を浸透
させることが出来るので、より内部まで浸透させること
ができ、金属組織空隙の付着物の溶出がスムーズに出来
るのである。
【0034】請求項4の如く構成したので、水Waと界
面活性剤液Sとメチレンクロライド溶液Meを混合液と
した状態で、メチレンクロライドMeの蒸気を水Waの
層と、界面活性剤液Sの層を通過して、金属Wに供給す
るので、Cl2がHClとして水に吸収されるので、そ
の発生率を抑制することができ、金属Wの組織を破壊す
ることがなく、また処理終了後に処理タンクT内を負圧
にし真空にすることにより、簡単にメチレンクロライド
の蒸気を吸引し、回収することが出来るのである。また
このメチレンクロライドを回収した後の、金属Wは組織
破壊が発生していないのである。また、メチレンクロラ
イドの蒸気の回収が、直ぐに完全に行われるので、冷却
・液化に伴い、再利用が出来るのである。これにより、
メチレンクロライド溶液Meの使用量を減少し、処理に
要するコストを低くすることが出来るのである。
【0035】また、該界面活性剤を混合することによ
り、低温度において、メチレンクロライドや水の蒸気化
を促進することが出来るのである。通常は、水は100
°Cの温度で蒸気化するのであるが、界面活性剤を混合
することにより、低温で水蒸気にすることができ、10
0°C以上の高温にすることなく、80〜100°Cの
範囲内で充分な圧力を得ることが出来るので、130°
C以上の高温にして蒸気を得て、高圧を得る必要が無
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属処理方法の基本構成図面。
【図2】金属処理方法の行程と手順を、バルブ機構の開
閉により示した図面。
【図3】処理タンクTと蓋体22と金属載置台26の部
分の側面図。
【図4】処理タンクTに蓋体22を閉鎖した状態の側面
図。
【図5】蓋体22の正面図。
【図6】処理タンクTの正面断面図。
【図7】金属載置台26の上に金属Wを載置した状態の
正面図。
【図8】処理状態における処理タンクTの内部の断面
図。
【符号の説明】
Me メチレンクロライド溶液 C コンプレッサ B ボイラー T 処理タンク P 真空ポンプ W 金属 Wa 水 S 界面活性剤液 14 混合液タンク 15 チラー 16 コンデンサ 18 冷却水タンク 21 コンデンサパイプ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチレンクロライド溶液と水を混合して
    加熱し、メチレンクロライド蒸気と水蒸気を発生させ、
    該メチレンクロライド蒸気と水蒸気を、金属を封入した
    処理タンク内に充填して金属組織空隙に浸透させ、金属
    組織空隙中の付着物を溶出することを特徴とする金属処
    理方法
  2. 【請求項2】 メチレンクロライド溶液と水と界面活性
    剤液を混合して混合液とし、該混合液を加熱し、メチレ
    ンクロライド蒸気と水蒸気と界面活性剤蒸気を発生さ
    せ、該混合蒸気を、金属を封入した処理タンク内に充填
    して金属組織空隙に浸透させ、金属組織空隙中の付着物
    を溶出することを特徴とする金属処理方法
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の金属処理方法
    おいて、処理タンクを負圧状態とし、金属を脱気状態で
    処理することを特徴とする金属処理方法
  4. 【請求項4】 請求項2の金属処理方法において、メチ
    レンクロライド溶液と水と界面活性剤液の重量比率を、
    略5・4・1とし、界面活性剤液の比率は1以下の比率
    とし、該混合液の加熱温度を80〜100°Cの範囲と
    したことを特徴とする金属処理方法
JP08891594A 1994-04-26 1994-04-26 金属処理方法 Expired - Fee Related JP3466269B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08891594A JP3466269B2 (ja) 1994-04-26 1994-04-26 金属処理方法
US08/383,484 US5545264A (en) 1994-04-26 1995-02-02 Method of and apparatus for processing metal material
DE69510990T DE69510990T2 (de) 1994-04-26 1995-04-05 Verfahren und Vorrichtung zur Behandlung von metallichem Material
EP95105121A EP0679728B1 (en) 1994-04-26 1995-04-05 Method and apparatus for processing metal material
KR1019950009167A KR950032714A (ko) 1994-04-26 1995-04-19 금속재의 처리방법 및 장치
CN95104554A CN1125779A (zh) 1994-04-26 1995-04-24 金属材料的处理方法和装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08891594A JP3466269B2 (ja) 1994-04-26 1994-04-26 金属処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07292489A JPH07292489A (ja) 1995-11-07
JP3466269B2 true JP3466269B2 (ja) 2003-11-10

Family

ID=13956235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08891594A Expired - Fee Related JP3466269B2 (ja) 1994-04-26 1994-04-26 金属処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3466269B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07292489A (ja) 1995-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4443269A (en) Tool decontamination method
JP6309750B2 (ja) 洗浄方法及び洗浄装置
JPH05255876A (ja) 金属品洗浄方法、金属品洗浄装置及び金属品乾燥装置
CA2263980A1 (en) Improved general parts washer
JP2002018372A (ja) 洗浄方法及び洗浄装置
JP3466269B2 (ja) 金属処理方法
JP6344665B2 (ja) 航空機の飲料水供給網の配管を清掃するための処理方法。
US2348465A (en) Process of treating articles for removing grease and oils
JP3067926B2 (ja) 木材処理方法
JPH07227581A (ja) 真空洗浄・乾燥方法及び装置
US9034108B2 (en) Cleaning compositions for use in closed loop cleaning machines
EP1972390A2 (en) An aqueous washing system and method
JP4252295B2 (ja) メタルマスクの洗浄方法及び装置
JP3052103B2 (ja) 真空脱脂洗浄装置
JPS634638B2 (ja)
US20160008855A1 (en) Apparatus for continuous separation of cleaning solvent from rinse fluid in a dual-solvent vapor degreasing system
JP4737800B2 (ja) 分離方法および装置
JPH08131705A (ja) 生ゴミ又は植物成分の処理方法
JP2003039029A (ja) 洗浄装置
JPH08165586A (ja) 鋼材処理方法及び装置
JPH08217906A (ja) 廃車処理方法と装置
JP6373331B2 (ja) 真空脱脂洗浄装置、及びその洗浄方法
US20180187315A1 (en) Process for degreasing a chemical plant
JP3184672B2 (ja) 金属品洗浄方法及び金属品洗浄装置
JP2023133264A (ja) 被洗浄物の洗浄方法および洗浄装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees