JP3465858B2 - スチレン系樹脂ペレット及びその成形品 - Google Patents

スチレン系樹脂ペレット及びその成形品

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JP3465858B2 JP26379194A JP26379194A JP3465858B2 JP 3465858 B2 JP3465858 B2 JP 3465858B2 JP 26379194 A JP26379194 A JP 26379194A JP 26379194 A JP26379194 A JP 26379194A JP 3465858 B2 JP3465858 B2 JP 3465858B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスチレン系樹脂ペレット
及びこれを用いた成形品に関し、さらに詳しくは、シン
ジオタクチック構造のスチレン系樹脂が本来有する優れ
た耐熱性や高い機械的強度を損なうことなく、耐衝撃性
や高温実用特性を大幅に向上させたスチレン系樹脂ペレ
ット及びその成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スチレン系樹脂は汎用樹脂として
種々の分野において幅広く用いられているが、このスチ
レン系樹脂は一般に耐衝撃性に劣るという大きな欠点を
有している。そのため、スチレン系樹脂の耐衝撃性を改
良する目的でポリスチレンにゴム状重合体をブレンドし
たり、あるいはゴム状重合体の存在下に、スチレンを重
合させることにより、該ゴム状重合体にスチレンが一部
グラフト重合され、かつスチレンの残部がポリスチレン
となって、実質上ゴム状重合体/スチレンのグラフト共
重合体とポリスチレンとが混在された状態とし、いわゆ
るゴム状変性ポリスチレン樹脂組成物とすることが工業
的に行われている。さらに、特開平5−247292号
公報には、高度のシンジオタクチック構造を有するスチ
レン系重合体,重量平均分子量とスチレン系単量体単位
含量との積が30,000以上のゴム状重合体及びガラス
繊維等の充填材を含有してなるスチレン系樹脂組成物が
耐衝撃性とともに高温金型での離型性に優れることが開
示されている。このスチレン系樹脂組成物は、高温金型
での離型性においては充分に向上したものの、耐衝撃
性,耐熱性などの一般物性は充分ではなく、特に、ガラ
ス転移温度以上の高温クリープ,高温振動疲労などの実
用特性に劣っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、優れた成形性を保持しながら、耐衝撃
性,耐熱性などの一般物性を向上させ、ガラス転移温度
以上の高温引張クリープ,高温振動疲労特性などの実用
特性に優れた成形品の原料となるスチレン系樹脂ペレッ
トを提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有するスチレン系樹脂ペレットを開発すべ
く鋭意研究を重ねた結果、上記のような従来のスチレン
系樹脂組成物では単に各成分を溶融混練するだけである
ため、充填材としてガラス繊維を加えても混練時に折れ
てしまったりするために前記の欠点が生じるものと考
え、極性基をもつシンジオタクチック構造を有するスチ
レン系重合体で含浸させたガラス繊維の繊維長をペレッ
ト長と等しくすることにより、上記の目的を達成しうる
ことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、(A)極性基をもつ
シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体に
(B)カップリング剤で表面処理されたガラス繊維を含
浸させてなるロープ状又はテープ状の長繊維強化熱可塑
性樹脂組成物を成形し、切断して得られた樹脂ペレット
であって、ガラス繊維含有量が10重量%以上、好まし
くは30〜80重量%であり、ペレット長が2〜100
mmであり、かつガラス繊維長がペレット長に等しいこ
とを特徴とするスチレン系樹脂ペレット及び(C)主と
してシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体
及び(D)重量平均分子量とスチレン系単量体単位の含
有率との積が30000以上のゴム状弾性体の合計量1
00重量部に対して、(E)極性基を有するポリフェニ
レンエーテル,(A)極性基をもつシンジオタクチック
構造を有するスチレン系重合体及び(F)極性基を有す
るゴム状弾性体のうちの少なくとも1種0.1〜60重量
部を配合した樹脂成分に(B)カップリング剤で表面処
理されたガラス繊維を含浸させてなる樹脂ペレットであ
って、ガラス繊維含有量が10重量%以上、好ましくは
30〜80重量%であり、ペレット長が2〜100mm
であり、かつガラス繊維長がペレット長に等しいことを
特徴とするスチレン系樹脂ペレットを提供するものであ
る。また、本発明は、上記のようなスチレン系樹脂ペレ
ットをそのまま又はシンジオタクチックスチレン系重合
体若しくはガラス維強化シンジオタクチックスチレン系
重合体と共に成形してなる成形品であって、成形品中に
長さ2mm以上のガラス繊維を総ガラス繊維の1重量%
以上含むことを特徴とする成形品を提供するものであ
る。
【0006】本発明における第一の目的は、前記(A)
成分で(B)成分を含浸させてなる樹脂ペレットであっ
て、(B)成分であるガラス繊維の含有量が10重量%
以上、好ましくは30〜80重量%であり、ペレット長
が2〜100mmであり、かつガラス繊維長がペレット
長に等しいことを特徴とするスチレン系樹脂ペレットを
提供することにある。この樹脂ペレットにおいて、
(A)成分としては極性基を持つシンジオタクチック構
造を有するスチレン系重合体が用いられる。シンジオタ
クチック構造を有するスチレン系重合体(以下、SPS
と略すことがある。)とは、立体化学構造がシンジオタ
クチック構造、即ち炭素−炭素結合から形成される主鎖
に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互
に反対方向に位置する立体構造を有するものであり、そ
のタクティシティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(
13C−NMR法)により定量される。13C−NMR法に
より測定されるタクティシティーは、連続する複数個の
構成単位の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド,
3個の場合はトリアッド,5個の場合はペンタッドによ
って示すことができるが、本発明に言うシンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系重合体とは、通常はラセミ
ダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、若し
くはラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50%
以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレ
ン,ポリ(アルキルスチレン),ポリ(ハロゲン化スチ
レン),ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン),ポリ
(アルコキシスチレン),ポリ(ビニル安息香酸エステ
ル)、これらの水素化重合体及びこれらの混合物、ある
いはこれらを主成分とする共重合体を指称する。なお、
ここでポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチ
ルスチレン),ポリ(エチルスチレン),ポリ(イソプ
ロピルスチレン),ポリ(ターシャリーブチルスチレ
ン),ポリ(フェニルスチレン),ポリ(ビニルナフタ
レン),ポリ(ビニルスチレン)などがあり、ポリ(ハ
ロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレ
ン),ポリ(ブロモスチレン),ポリ(フルオロスチレ
ン) などがある。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチ
レン)としては、ポリ(クロロメチルスチレン) など、
また、ポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メ
トキシスチレン),ポリ(エトキシスチレン)などがあ
る。また、このSPSは、分子量や分子量分布について
は、特に制限はなく製造すべき組成物の用途などに応じ
て適宜定めればよい。なお、このSPSは、融点が26
0〜270℃であって、従来のアタクチック構造のスチ
レン系重合体に比べて耐熱性が格段に優れている。本発
明の(A)成分は、前記のSPSを変性したものであっ
て、例えば(1)重合時の共重合反応による極性基の導
入、(2)重合反応停止時における極性基の導入、
(3)前記(1)又は(2)の極性基を利用したグラフ
ト化などによって得られるが、これらの方法に限定され
るものではない。また、変性率については特に制限はな
い。前記(1)の例としては、スチレンとp−メチルス
チレンやジビニルベンゼンなどとの共重合体が挙げら
れ、(2)の例としては末端グリシジルメタクリレート
変性SPS,末端無水マレイン酸変性SPSなどが挙げ
られる。また、(3)の例としては、スチレンとジビニ
ルベンゼンとの共重合体にグリシジルメタクリレートを
グラフトしたもの、スチレンとp−メチルスチレンとの
共重合体にラジカル発生剤の存在下で無水マレイン酸を
グラフト化したものなどを挙げることができる。また、
このような極性基としては、酸ハライド,カルボニル
基,酸無水物,酸アミド,カルボン酸エステル,酸アジ
ド,スルフォン基,ニトリル基,シアノ基,イソシアン
酸エステル基,アミノ基,水酸基,イミド基,チオール
基,オキサゾリン基,エポキシ基などである。特に好ま
しい極性基は酸無水物であり、その中でも無水マレイン
酸基が好ましい。この極性基の含量は、該SPSに対し
て0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上であれ
ばよく、0.01重量%未満では機械的強度の向上を望む
ことは難しい。
【0007】(B)成分としては、カップリング剤で表
面処理されたガラス繊維を用いる。カップリング剤とし
ては、いわゆるシラン系カップリング剤,チタン系カッ
プリング剤として従来公知のものの中から任意のものを
選択して用いることができる。このシラン系カップリン
グ剤の具体例としては、トリエトキシシラン;ビニルト
リス(β−メトキシエトキシ)シラン;γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン;γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン;β−(1,1−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン;N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン;N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン;γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン;N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン;γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン;γ−アミノプロピル
−トリス(2−メトキシ−エトキシ)シラン;N−メチ
ル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン;N−ビニ
ルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン;
トリアミノプロピルトリメトキシシラン;3−ウレイド
プロピルトリメトキシシラン;3−4,5ジヒドロイミ
ダゾールプロピルトリエトキシシラン;ヘキサメチルジ
シラザン;N,O−(ビストリメチルシリル)アミド;
N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレアなどが挙げら
れる。これらの中でもγ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン;N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシランなどのアミノシラン,エ
ポキシシランが好ましい。特に前記のアミノシランを用
いることが好ましい。
【0008】また、チタン系カップリング剤の具体例と
しては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネー
ト;イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタ
ネート;イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフ
ェート)チタネート;テトライソプロピルビス(ジオク
チルホスファイト)チタネート;テトラオクチルビス
(ジトリデシルホスファイト)チタネート;テトラ
(1,1−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス
(ジトリデシル)ホスファイトチタネート;ビス(ジオ
クチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネー
ト;ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチ
タネート;イソプロピルトリオクタノイルチタネート;
イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネー
ト;イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネー
ト;イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタ
ネート;イソプロピルトリクミルフェニルチタネート;
イソプロピルトリ(N−アミドエチル,アミノエチル)
チタネート;ジクミルフェニルオキシアセテートチタネ
ート;ジイソステアロイルエチレンチタネートなどが挙
げられる。これらの中でも、イソプロピルトリ(N−ア
ミドエチル,アミノエチル)チタネートが好適である。
【0009】このようなカップリング剤を用いてガラス
繊維の表面処理を行うには、通常の方法で行うことがで
き、特に制限はない。例えば、前記カップリング剤の有
機溶媒溶液あるいは懸濁液をいわゆるサイジング剤とし
てガラス繊維に塗布するサイジング処理にて行うことが
できる。また、前記のカップリング剤とともにガラス用
フィルム形成性物質を併用することができる。このフィ
ルム形成性物質には、特に制限はなく、例えばポリエス
テル系,ウレタン系,エポキシ系,アクリル系,酢酸ビ
ニル系,イソシアネート系などの重合体が挙げられる。
【0010】ガラス繊維を(A)成分で含浸させるに
は、ガラス繊維のロービングを使用するのが好ましい。
ロービングを形成する単糸は、通常、1000〜300
00本程度であり、これらは撚りをもたないものが好ま
しい。好ましい含浸方法としては、繊維ロービングを開
繊ロールを用いて連続的に走行させながら開繊させた
後、溶融熱可塑性樹脂と接触させ、樹脂を付着させる方
法がある。このとき、繊維が充分にほぐされているた
め、繊維ロービングを構成するフィラメント1本、1本
まで樹脂が付着、含浸されやすくなる。熱可塑性樹脂を
付着、含浸させるには、例えば、溶融熱可塑性樹脂に繊
維ロービングを浸漬して通す方法,コーティング用ダイ
に繊維ロービングを通す方法,ダイを用いて繊維ロービ
ングの周りに溶融熱可塑性樹脂を押し出す方法などを採
用することができる。繊維ロービング中への溶融熱可塑
性樹脂の含浸、濡れ性をさらに向上させるために、ダイ
内に凹凸部を設け、張力下に溶融熱可塑性樹脂の付着し
た繊維ロービングを引き抜き、さらに加圧ロールでプレ
スする工程を組み込むことが特に好ましい。このように
して得られたロープ状又はテープ状の長繊維強化熱可塑
性樹脂組成物をそのまま、あるいはロープ状に成形し、
冷却後、適切な長さのペレットに切断することにより、
ガラス繊維長とペレット長とが等しい樹脂ペレットを得
ることができる。本発明においては、2〜100mmの
長さのペレットに切断される。したがって、ガラス繊維
の長さはペレット長と等しい2〜100mmとなる。繊
維長が2mm未満では機械的強度や衝撃強度の向上が充
分でなく、100mmを超えると射出成形時の希釈SP
Sペレット長が3mmであることから、成形時に分離し
やすく、物性にバラツキを生じると共に、成形時かみ込
み不良などが発生し易くなる。また、本発明のスチレン
系樹脂ペレットにおいて、(B)成分の含有量が10重
量%以上であることを必要とする。(B)成分の含有量
が10重量%未満であると、射出成形して得られる成形
品は、強度,剛性,衝撃強度などが充分に発現しない。
【0011】本発明における第二の目的は、(C)SP
S及び(D)重量平均分子量とスチレン系単量体単位の
含有率との積が30000以上のゴム状弾性体の合計量
100重量部に対して、(E)極性基を有するポリフェ
ニレンエーテル,(A)極性基をもつSPS及び(F)
極性基を有するゴム状弾性体のうちの少なくとも1種0.
1〜60重量部を配合した成形材料に(B)成分を含浸
させてなる樹脂ペレットであって、ガラス繊維含有量が
10重量%以上、好ましくは30〜80重量%であり、
ペレット長が2〜100mmであり、かつガラス繊維長
がペレット長に等しいことを特徴とするスチレン系樹脂
ペレットを提供することにある。ここで、(C)成分と
して用いるSPSについては、前記(A)成分において
極性基を導入する前のSPSとして詳述したものと同じ
である。また、(D)成分である重量平均分子量とスチ
レン系単量体単位の含有率との積が30000以上のゴ
ム状弾性体とは、スチレン系単量体単位を含有するもの
であって、このようなものとしては、例えばスチレン−
ブタジエンブロック共重合体ゴム,スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体のブタジエン部分を一部あるいは完
全に水素化したゴム,スチレン−ブタジエン共重合体ゴ
ム,アクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体
ゴム,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体ゴム,アクリル酸メチル−アクリル酸−2−エチルヘ
キシル−スチレン共重合体ゴムなどが挙げられ、これら
はいずれもスチレン単位を有するため、(A)成分であ
る高度のシンジオタクチック構造を有するスチレン系重
合体に対する分散性が良好であり、その結果、物性の改
善効果が著しい。これらの中で特にスチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体のブタジエン部分を95%以上水素
化したゴム状重合体が好適である。水素化が95%未満
では得られる組成物は長期耐熱性が不十分であって、長
期間熱を受けた場合、着色や物性が低下するおそれがあ
る。本発明においては、前記()成分のゴム状弾性体
は、その重量平均分子量(Mw)とスチレン系単量体単
位の含有量との積が30,000以上、好ましくは40,0
00以上であることが必要である。この値が30,000
未満では得られる組成物は、離型性及び剛性が不十分で
あるとともに、耐熱性にも劣る。
【0012】また、(E)成分である極性基を有するポ
リフェニレンエーテルにおける極性基としては、酸ハラ
イド,カルボニル基,酸無水物,酸アミド,カルボン酸
エステル,酸アジド,スルフォン基,ニトリル基,シア
ノ基,イソシアン酸エステル基,アミノ基,水酸基,イ
ミド基,チオール基,オキサゾリン基,エポキシ基など
である。特に好ましい極性基は酸無水物であり、その中
でも無水マレイン酸基が好ましい。この極性基の含量
は、該ポリフェニレンエーテルに対して0.01重量%以
上であればよく、0.01重量%未満では機械的強度の向
上を望むことはできない。該極性基を有するポリフェニ
レンエーテルは、例えば(1)ポリフェニレンエーテル
に、前記極性基と不飽和基とを併せもつ化合物を反応さ
せる方法、(2)前記極性基を有するフェノール化合物
の単独又は二種以上を重合させる方法、(3)前記極性
基を有するフェノール化合物の単独又は二種以上を、極
性基を有しないフェノール化合物と重合させる方法、な
どによって製造することができる。
【0013】該ポリフェニレンエーテルは、それ自体公
知の化合物(米国特許第3,306,874号,同3,306,875
号,同3,257,357 号,同3,257,358 号各明細書)であっ
て、通常、銅アミン錯体、一種又はそれ以上の2箇所も
しくは3箇所置換フェノールの存在下で、ホモポリマー
又はコポリマーを生成する酸化カップリング反応によっ
て製造される。ここで、銅アミン錯体としては、第一,
第二及び/又は第三級アミンから誘導される銅アミン錯
体を使用できる。適切なポリフェニレンエーテルの具体
例としては、ポリ(2,3−ジメチル−6−エチルフェ
ニレン−1,4−エーテル),ポリ(2−メチル−6−
クロロメチル−1,4−フェニレン)エーテル,ポリ
(2−メチル−6−ヒドロキシジエチル−1,4−フェ
ニレン)エーテル,ポリ(2−メチル−6−n−ブチル
−1,4−フェニレン)エーテル,ポリ(2−エチル−
6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル,ポ
リ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレ
ン)エーテル,ポリ(2,3,6−トリメチルフェニレ
ン−1,4−エーテル),ポリ〔2−(4’−メチルフ
ェニル)フェニレン−1,4−エーテル〕,ポリ(2−
ブロモ−6−フェニルフェニレン−1,4−エーテ
ル),ポリ(2−メチル−6−フェニルフェニレン−
1,4−エーテル),ポリ(2−フェニルフェニレン−
1,4−エーテル),ポリ(2−クロロフェニレン−
1,4−エーテル),ポリ(2−メチルフェニレン−
1,4−エーテル),ポリ(2−クロロ−6−エチルフ
ェニレン−1,4−エーテル),ポリ(2−クロロ−6
−ブロモフェニレン−1,4−エーテル),ポリ(2,
6−ジ−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテ
ル),ポリ(2−メチル−6−イソプロピルフェニレン
−1,4−エーテル),ポリ(2−クロロ−6−メチル
フェニレン−1,4−エーテル),ポリ(2−メチル−
6−エチルフェニレン−1,4−エーテル),ポリ
(2,6−ジブロモフェルレン−1,4−エーテル),
ポリ(2,6−ジクロロフェニレン−1,4−エーテ
ル),ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エ
ーテル)及びポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,
4−エーテル)などが挙げられる。
【0014】さらには、前記ホモポリマーの製造に用い
られるフェノール化合物二種以上から誘導される共重合
体や、スチレンなどのビニル芳香族化合物と前記のポリ
フェニレンエーテルとのグラフト共重合体及びブロック
共重合体なども挙げることができる。これらの中で特に
ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテ
ル)が好適である。また、前記極性基と不飽和基を併せ
もつ化合物とは、不飽和基、すなわち炭素−炭素二重結
合又は炭素−炭素三重結合と、極性基としてカルボン酸
基,カルボン酸より誘導される基すなわちカルボキシル
基の水素原子あるいは水酸基が置換した各種の塩やエス
テル,酸アミド,酸無水物,イミド,酸アジド,酸ハロ
ゲン化物あるいはオキサゾリン,ニトリル,エポキシ
基,アミノ基,水酸基、さらにはイソシアン酸エステル
基などを同一分子内に併せもつ化合物である。不飽和基
と極性基を併せもつ化合物としては、不飽和カルボン
酸,不飽和カルボン酸誘導体,不飽和エポキシ化合物,
不飽和アルコール,不飽和アミン,不飽和イソシアン酸
エステルが主に用いられる。具体的には、無水マレイン
酸,マレイン酸,フマール酸,マレイミド,マレイン酸
ヒドラジド,無水マレイン酸とジアミンとの反応物、例
えば一般式
【0015】
【化1】
【0016】(式中、Yは脂肪族残基又は芳香族残基で
ある。)などで示される構造を有するもの、無水メチル
ナジック酸,無水ジクロロマレイン酸,マレイン酸アミ
ド,イタコン酸,無水イタコン酸,大豆油,キリ油,ヒ
マシ油,アマニ油,麻実油,綿実油,ゴマ油,菜種油,
落花生油,椿油,オリーブ油,ヤシ油,イワシ油などの
天然油脂酸、アクリル酸,ブテン酸,クロトン酸,ビニ
ル酢酸,メタクリル酸,ペンテン酸,アンゲリカ酸,テ
ブリン酸,2−ペンテン酸,3−ペンテン酸,α−エチ
ルアクリル酸,β−メチルクロトン酸,4−ペンテン
酸,2−ヘキセン酸,2−メチル−2−ペンテン酸,3
−メチル−2−ペンテン酸,α−エチルクロトン酸,
2,2−ジメチル−3−ブテン酸,2−ヘプテン酸,2
−オクテン酸,4−デセン酸,9−ウンデセン酸,10
−ウンデセン酸,4−ドデセン酸,5−ドデセン酸,4
−テトラデセン酸,9−テトラデセン酸,9−ヘキサデ
セン酸,2−オクタデセン酸,9−オクタデセン酸,ア
イコセン酸,ドコセン酸,エルカ酸,テトラコセン酸,
マイエリベン酸,2,4−ペンタジエン酸,2,4−ヘ
キサジエン酸,ジアリル酢酸,ゲラニウム酸,2,4−
デカジエン酸,2,4−ドデカジエン酸,9,12−ヘ
キサデカジエン酸,9,12−オクタデカジエン酸,ヘ
キサデカトリエン酸,リノール酸,リノレン酸,オクタ
デカトリエン酸,アイコサジエン酸,アイコサトリエン
酸,アイコサテトラエン酸,リシノール酸,エレオステ
アリン酸,オレイン酸,アイコサペンタエン酸,エルシ
ン酸,ドコサジエン酸,ドコサトリエン酸,ドコサテト
ラエン酸,ドコサペンタエン酸,テトラコセン酸,ヘキ
サコセン酸,ヘキサコジエン酸,オクタコセン酸,トラ
アコンセン酸などの不飽和カルボン酸あるいはこれら不
飽和カルボン酸のエステル,酸アミド,無水物あるいは
アリルアルコール;クロチルアルコール;メチルビニル
カルビノール;アリルカルビノール;メチルプロペニル
カルビノール;4−ペンテン−1−オール;10−ウン
デカン−1−オール;プロパルギルアルコール;1,4
−ベンタジエン−3−オール;1,4−ヘキサジエン−
3−オール;3,5−ヘキサジエン−2−オール;2,
4−ヘキサジエン−1−オール;一般式 Cn 2n-5OH,Cn 2n-7OH,Cn 2n-9OH (ただし、nは正の整数)で示されるアルコール;3−
ブテン−1,2−ジオール;2,5−ジメチル−3−ヘ
キセン−2,5−ジオール;1,5−ヘキサジエン−
3,4−ジオール;2,6−オクタジエン−4,5−ジ
オールなどの不飽和アルコールあるいはこのような不飽
和アルコールのOH基が、NH2 基に置き変わった不飽
和アミン、あるいはブタジエン,イソプレンなどの低重
合体(例えば平均分子量が500〜10000程度のも
の)や高分子量体(例えば平均分子量が10000以上
のもの)に無水マレイン酸,フェノール類を付加したも
の、アミノ基,カルボン酸基,水酸基,エポキシ基など
を導入したもの、さらにはイソシアン酸アリルなどが挙
げられる。
【0017】また、エポキシ基を有するビニル化合物と
して、例えばグリシジルメタクリレート,グリシジルア
クリレート,ビニルグリシジルエーテル,ヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレートのグリシジルエーテル,ポ
リアルキレングリコール(メタ)アクリレートのグリシ
ジルエーテル,グリシジルイタコネートなどが挙げら
れ、これらのうちグリシジルメタクリレートが特に好ま
しい。これらの極性基と不飽和基とを併せもつ化合物と
前記ポリフェニレンエーテルを反応させる方法として
は、例えば(1)極性基と不飽和基とを併せもつ化合物
とポリフェニレンエーテルとをロールミル,バンバリー
ミキサー,押出機などを用いて150℃〜350℃の温
度で溶融混練し、反応させる方法、(2)ベンゼン,ト
ルエン,キシレンなどの溶媒中でポリフェニレンエーテ
ルと、極性基と不飽和基を併せもつ化合物とを加熱反応
させる方法などを挙げることができる。さらにこれらの
反応を容易に進めるため、反応系にベンゾイルパーオキ
サイド,ジ−t−ブチル−パーオキサイド,ジクミルパ
ーオキサイド,t−ブチルパーオキシベンゾエートなど
の有機過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル,アゾ
ビスイソバレロニトリルなどのアゾ化合物で代表される
ラジカル開始剤を存在させることは有効である。より有
効な方法は、ラジカル開始剤の存在下に溶融混練する方
法である。
【0018】さらに、(F)成分である極性基を有する
ゴム状弾性体は、本発明の樹脂ペレットの耐衝撃性を改
良するために用いられる。そのようなゴム状弾性体とし
ては種々のものを用いることができるが、例えばポリス
ルフィドゴム,チオコールゴム,アクリルゴム,ウレタ
ンゴム,エピクロロヒドリンゴム,塩素化ゴム,スチレ
ン−ブチルアクリレートゴム,エチレン−メチルメタク
リレート−グリシジルメタクリレート共重合体ゴム,エ
チレン−メチルメタクリレート−無水マレイン酸共重合
体ゴム等のエチレン−極性ビニルモノマー共重合体ゴ
ム、天然ゴム,ポリブタジエン,ポリイソプレン,ポリ
イソブチレン,ネオプレン,シリコーンゴム,スチレン
−ブタジエンブロック共重合体ゴム(SBR),スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SB
S),水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体(SEBS),スチレン−イソプレンブロッ
ク共重合体(SIR),スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体(SIS),水素添加スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体(SEPS),エ
チレンプロピレンゴム(EPM),エチレンプロピレン
ジエンゴム(EPDM),エチレンブチレンゴム(EB
M)等を極性基を有する変性剤により変性したゴム等が
挙げられる。この中で好適なものはSEBS,SBR,
SBS,SEPS,SISを変性したゴム状弾性体であ
る。なお、上記極性基を有するゴム状弾性体は、一種の
みを単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることが
できる。ここで、極性基は特に限定されるものではな
く、例えば酸ハライド,カルボニル基,酸無水物,酸ア
ミド,カルボン酸エステル,酸アジド,スルフォン基,
ニトリル基,シアノ基,イソシアン酸エステル基,アミ
ノ基,水酸基,イミド基,チオール基,オキサゾリン
基,エポキシ基等が挙げられる。特に好ましい極性基は
酸無水物であり、その中でも無水マレイン酸基およびエ
ポキシ基が好ましい。この極性基の含量は、極性基を有
するゴム状弾性体に対して好ましくは0.1重量%以上で
あれば良く、0.1重量%未満では機械的強度の向上を望
めない場合がある。極性基を有するゴム状弾性体として
は、特に無水マレイン酸基およびエポキシ基を有するS
EBSが好ましく用いられる。
【0019】本発明における上記樹脂ペレットにおける
樹脂成分は、(C)成分と(D)成分の合計100重量
部に対して、(E)成分,(A)成分及び(F)成分の
うちの少なくとも1種0.1〜60重量部を配合したもの
である。ここで、(E)成分,(A)成分及び(F)成
分のうちの少なくとも1種が0.1重量部未満であると、
機械的強度の向上が不充分であるという問題があり、ま
た、60重量部を超えると、希釈成形時の結晶化速度が
遅くなって冷却時間の増大による生産性低下をおこすと
いう不都合がある。本発明の樹脂ペレットを製造するに
は、上記の樹脂成分を所定の配合割合でドライブレンド
した後、ペレット化し、得られたペレットを用いて
(B)成分であるガラス繊維を含浸させる。含浸方法
は、前記と同じである。なお、前記の(A)成分に
(B)成分を含浸させた樹脂ペレット及び(C)成分と
(D)成分の合計100重量部に対して、(E)成分,
(A)成分及び(F)のうちの少なくとも1種0.1〜6
0重量部を配合してなる樹脂成分に(B)成分を含浸さ
せた樹脂ペレットのいずれにおいても、上記必須成分の
他にさらに、難燃剤,難燃助剤,カップリング剤で表面
処理された充填材を添加することができ、また、SPS
と共に、PA,PBT,PPS等の種々異なった成形材
料をそのアロイとして添加してもよい。
【0020】難燃剤としては、種々のものが挙げられる
が、特にハロゲン系難燃剤及びリン系難燃剤が好まし
い。ハロゲン系難燃剤としては、例えばテトラブロモビ
スフェノールA,テトラブロモ無水フタール酸,ヘキサ
ブロモベンゼン,トリブロモフェニルアリルエーテル,
ペンタブロモトルエン,ペンタブロモフェノール,トリ
ブロモフェニル−2,3−ジブロモープロピルエーテ
ル,トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェー
ト,トリス(2−クロロ−3−ブロモプロピル)ホスフ
ェート,オクタブロモジフェニルエーテル,デカブロモ
ジフェニルエーテル,オクタブロモビフェニル,ペンタ
クロロペンタシクロデカン,ヘキサブロモシクロドデカ
ン,ヘキサクロロベンゼン,ペンタクロロトルエン,ヘ
キサブロモビフェニル,デカブロモビフェニル,テトラ
ブロモブタン,デカブロモジフェニルエーテル,ヘキサ
ブロモジフェニルエーテル,エチレン−ビス−(テトラ
ブロモフタルイミド),テトラクロロビスフェノール
A,テトラブロモビスフェノールA,テトラクロロビス
フェノールA又はテトラブロモビスフェノールAのオリ
ゴマー,臭素化ポリカーボネートオリゴマーなどのハロ
ゲン化ポリカーボネ−トオリゴマー,ハロゲン化エポキ
シ化合物, ポリクロロスチレン,ポリトリブロモスチレ
ンなどの臭素化ポリスチレン,ポリ(ジブロモフェニレ
ンオキシド),ビス(トリブロモフェノキシ)エタンな
どが挙げられる。一方、リン系難燃剤としては、例えば
リン酸アンモニウム,トリクレジルホスフェート,トリ
エチルホスフェート,酸性リン酸エステル,トリフェニ
ルホスフェンオキシドなどが挙げられる。難燃剤として
は、これらの中でも特にポリトリブロモスチレン,ポリ
(ジブロモフェニレンオキシド),デカブロモジフェニ
ルエーテル,ビス(トリブロモフェノキシ)エタン,エ
チレン−ビス−(テトラブロモフタルイミド),テトラ
ブロモビスフェノールA,臭素化ポリカーボネートオリ
ゴマーが好ましい。難燃助剤としては、例えば三酸化ア
ンチモン,五酸化アンチモン,アンチモン酸ナトリウ
ム,金属アンチモン,三塩化アンチモン,五塩化アンチ
モン,三硫化アンチモン,五硫化アンチモンなどのアン
チモン難燃助剤が挙げられる。また、これら以外にホウ
酸亜鉛,メタホウ酸バリウム,酸化ジルコニウムなどを
挙げることができるが、これらの中で、特に三酸化アン
チモンが好ましい。
【0021】また、カップリング剤で表面処理された充
填材は、その形状については特に制限はなく、繊維状,
粒状,粉状のいずれであってもよい。繊維充填材として
は、例えば、ガラス繊維,炭素繊維,有機合成繊維,ウ
ィスカー,セラミック繊維,金属繊維,天然植物繊維な
どが挙げられる。具体的な有機合成繊維としては、全芳
香族ポリアミド繊維,ポリイミド繊維などの繊維、ウィ
スカーとしては、ホウ素,アルミナ,シリカ,炭化ケイ
素などのウィスカー、セラミック繊維としては、セッコ
ウ,チタン酸カリウム,硫酸マグネシウム,酸化マグネ
シウムなどの繊維,金属繊維としては、銅,アルミニウ
ム,鋼などの繊維が挙げられるが、特にガラス繊維,炭
素繊維が好ましい。ここで充填材の形状としてはクロス
状,マット状,集束切断状,短繊維,フィラメント状の
もの,ウィスカーがあるが、集束切断状の場合、長さが
0.05mm〜50mm,繊維径が5〜20μmのものが
好ましい。また、炭素繊維としてはポリアクリロニトリ
ル(PAN)系のものが好ましい。
【0022】一方、粒状,粉状充填材としては、例え
ば、タルク,カーボンブラック,グラファイト,二酸化
チタン, シリカ,マイカ,炭酸カルシウム,硫酸カルシ
ウム,炭酸バリウム,炭酸マグネシウム,硫酸マグネシ
ウム,硫酸バリウム,オキシサルフェート,酸化スズ,
アルミナ,カオリン,炭化ケイ素,金属粉末,ガラスパ
ウダー,ガラスフレーク,ガラスビーズなどが挙げられ
る。特にタルク,炭酸カルシウム,マイカが好ましい。
タルクの好ましい平均粒径は0.3〜20μm、さらに好
ましくは0.6〜10μmのものがよい。炭酸カルシウム
の好ましい平均粒径は0.1〜20μmである。また、マ
イカの好ましい平均粒径は40〜250μm、さらに好
ましくは50〜150μmである。これらの各種の充填
材の中でも、特にガラス充填材、例えばガラスパウダ
ー,ガラスフレーク,ガラスビーズ,ガラスフィラメン
ト,ガラスファイバー,ガラスロビング,ガラスマット
などが好ましい。前記充填材の表面処理に用いられるカ
ップリング剤としては、前記(B)成分のガラス繊維の
表面処理に用いられるカップリング剤として詳述したも
のと同一のものを用いることができる。本発明のスチレ
ン系樹脂ペレットには、本発明の目的が損なわれない範
囲で、必要に応じさらに各種添加剤、例えば安定剤,酸
化防止剤,光安定剤,滑剤,可塑剤,帯電防止剤,離型
剤,着色剤などを配合することができる。
【0023】本発明における第三の目的は、本発明の樹
脂ペレットを用いて各種特性の優れた成形品を提供する
ことにある。本発明の成形品は、本発明の樹脂ペレット
をそのまま、又はSPS若しくはガラス繊維強化SPS
とドライブレンドした後、射出成形,押出成形,プレス
成形など、各種成形法によって成形することによって得
られる。本発明の成形品においては、該成形品中に長さ
2mm以上のガラス繊維を総ガラス繊維の1重量%以上
含むことを必要とする。長さ2mm以上のガラス繊維が
総ガラス繊維の1重量%未満では、耐衝撃性,耐熱性,
高温物性に優れた成形品が得られない。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、各特性は次のようにして求め
た。 (1)アイゾット衝撃強度(ノッチ付又はノッチ無) JIS K7110に準拠して求めた。 (2)熱変形温度 JIS K7207に準拠して求めた。 (3)落錘衝撃強さ JIS K7211に準拠して求めた。 (4)引張クリープ(120℃) JIS K7115に準拠して求めた。 (5)振動疲労強度 JIS K7118に準拠して106 回で破壊に至る強
度を求めた。
【0025】参考例1 アルゴン置換した内容積500ミリリットルのガラス製
容器に、硫酸銅5水塩(CuSO4 ・5H2 O)17.8
g(71ミリモル),トルエン200ミリリットル及び
トリメチルアルミニウム24ミリリットル(250ミリ
モル)を入れ、40℃で8時間反応させた。その後、固
体部分を除去して得られた溶液から、さらに、トルエン
を室温下で減圧留去して接触生成物6.7gを得た。この
ものの凝固点降下法によって測定した分子量は610で
あった。
【0026】製造例1〔(C)SPSの製造〕 内容積2リットルの反応容器に、精製スチレン1リット
ル,参考例1で得られた接触生成物をアルミニウム原子
として7.5ミリモル,トリイソブチルアルミニウムを7.
5ミリモル及びペンタメチルシクロペンタジエニルチタ
ントリメトキシド0.038ミリモルを用いて90℃で5
時間重合反応を行った。反応終了後、生成物を水酸化ナ
トリウムのメタノール溶液で触媒成分を分解したのち、
メタノールで繰返し洗浄後、乾燥して重合体466gを
得た。この重合体の重量平均分子量を、1,2,4−ト
リクロロベンゼンを溶媒として、130℃でゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーにて測定したところ290,
000 であり、また重量平均分子量/数平均分子量は2.7
2であった。また、融点及び13C−NMR測定により、
この重合体はシンジオタクチック構造のポリスチレン
(SPS)であることを確認した。
【0027】製造例2〔(E)極性基を有するポリフェ
ニレンエーテルの製造〕 製造例1で得られたSPS500g、ポリフェニレンエ
ーテル(三菱瓦斯化学製;YPX−100L)500
g、無水マレイン酸(和光純薬(株)製,Sグレード)
33gおよびラジカル開始剤として2,3−ジメチル−
2,3−ジフェニルブタン(日本油脂製;ノフマーB
C)20gをヘンシェルミキサーにて混合後、300〜
320℃の温度下で二軸押出機により加熱溶融下、混練
し、無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル(以
下、MA−PPOと略すことがある。)を得た。得られ
たMA−PPOをトルエンに溶解後、メタノール中へ滴
下再沈することにより精製した。精製MA−PPOをプ
レス成形後、赤外線(IR)測定することによりカルボ
ニル基に基づくピークを観測し、無水マレイン酸変性さ
れていることを確認した。
【0028】製造例3〔(A)極性基を有するSPSの
製造〕 参考例1のSPS100重量部、無水マレイン酸3重量
部、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(日
本油脂(株)製;ノフマーBC)1重量部をドライブレ
ンドし、30mm二軸押出機を用いてスクリュー回転数
200rpm、設定温度300℃で溶融混練を行った。
このとき樹脂温度は約330℃であった。ストランドを
冷却後ペレット化し無水マレイン酸変性SPS(以下、
MA−SPSと略すことがある。)を得た。変性率測定
のため、得られたMA−SPS1gをクロロホルムに溶
解後、メタノールに再沈し、回収したポリマーをメタノ
ールでソックスレー抽出し、乾燥後IRスペクトルのカ
ルボニル吸収により変性を確認した。
【0029】製造例4〔(F)極性基を有するゴム状弾
性体の製造〕 SEBS(Shell Chem.Co.Kraton
G−1651)1000gに対し、無水マレイン酸3
0gをドライブレンドし、30mm二軸押出機を用いて
スクリュー回転数200rpm 、設定温度300℃で溶融
混練を行い、無水マレイン酸変性SEBS(以下、MA
−SEBSと略すことがある。)を得た。変性率を測定
するため、得られたMA−SEBSをクロロホルムに溶
解した。次いで、メタノールに再沈澱させて回収したポ
リマーを、メタノールでソックスレー抽出し、乾燥後I
Rスペクトルのカルボニル吸収の強度及び滴定により変
性率を求めた。このMA−SEBSの変性率は0.8重量
%であった。
【0030】実施例1〜6及び比較例1〜2 第1表に示す配合で樹脂成分をドライブレンドした後、
二軸押出機にて溶融混練を行い、ペレット化した。この
ペレットを用いて第1表に示した割合のガラス繊維(旭
ファイバーグラス(株)製ER1150 FT582)
を含浸させ、引抜き成形法により成形し、第1表に示し
たペレット長に切断することにより樹脂ペレットを製造
した。なお、実施例6に、その他の成分として用いたア
ロイは、宇部興産(株)製のPA66 2015Bであ
る。
【0031】
【表1】
【0032】実施例7〜15及び比較例3〜6 上記実施例及び比較例で製造した樹脂ペレットを用い
て、場合により第2表に示す希釈用成分で希釈した後、
射出成形法によって第2表に示す割合でガラス繊維を含
有する成形品を得た。なお、希釈用ガラス短繊維強化S
PSは、旭ファイバーグラス(株)製のアミノシランで
表面処理したガラス繊維(03 JA FT−712)
を充填材として添加したSPS(以下、GF−SPSと
略すことがある。)であり、PAアロイは、SPSとP
Aを主成分としたGF強化を含むアロイである。また、
得られた成形品の一般物性(アイゾット強度,熱変形温
度及び落錘衝撃強さ)及び120℃での実用物性(引張
クリープ及び振動疲労強度)を測定し、結果を第3表に
示す。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】本発明の樹脂ペレットは、シンジオタク
チック構造のスチレン系重合体の結晶性ポリマーとして
の属性を実質的に享受しながら、耐衝撃性及び耐熱性の
改善ばかりでなく、ガラス転移温度以上での高温特性、
例えば高温引張クリープ,高温振動疲労特性などに優れ
た成形品を提供しうるものであり、諸特性に優れた成形
品の製造に好適である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29K 309:08 B29K 309:08 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 25/00 - 25/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)極性基をもつシンジオタクチック
    構造を有するスチレン系重合体に(B)カップリング剤
    で表面処理されたガラス繊維を含浸させてなるロープ状
    又はテープ状の長繊維強化熱可塑性樹脂組成物を成形
    し、切断して得られた樹脂ペレットであって、ガラス繊
    維含有量が10重量%以上であり、ペレット長が2〜1
    00mmであり、かつガラス繊維長がペレット長に等し
    いことを特徴とするスチレン系樹脂ペレット。
  2. 【請求項2】 (C)主としてシンジオタクチック構造
    を有するスチレン系重合体及び(D)重量平均分子量と
    スチレン系単量体単位の含有率との積が30000以上
    のゴム状弾性体の合計量100重量部に対して、(E)
    極性基を有するポリフェニレンエーテル,(A)極性基
    をもつシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
    体及び(F)極性基を有するゴム状弾性体のうちの少な
    くとも1種0.1〜60重量部を配合した樹脂成分に、
    (B)カップリング剤で表面処理されたガラス繊維を含
    浸させてなる樹脂ペレットであって、ガラス繊維含有量
    が10重量%以上であり、ペレット長が2〜100mm
    であり、かつガラス繊維長がペレット長に等しいことを
    特徴とするスチレン系樹脂ペレット。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の樹脂ペレットを成
    形してなる成形品であって、成形品中に長さ2mm以上
    のガラス繊維を総ガラス繊維の1重量%以上含むことを
    特徴とする成形品。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の樹脂ペレットをシ
    ンジオタクチックスチレン系重合体又はガラス繊維強化
    シンジオタクチックスチレン系重合体と共に成形してな
    る成形品であって、成形品中に長さ2mm以上のガラス
    繊維を総ガラス繊維の1重量%以上含むことを特徴とす
    る成形品。
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