JP3465526B2 - インクジェット記録装置およびその制御方法 - Google Patents
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Description
録装置に関し、特に、画像をスムージングすることがで
きるインクジェット記録装置に関する。
リントヘッドに圧電素子(PZT)を用いたものが知ら
れている。このようなプリントヘッドでは、圧電素子に
画像データに応じたパルス電圧が印加され、このパルス
電圧の印加によって生じる圧電素子のひずみにより、所
定の容器(インクチャンネル)内のインクが加圧され、
インクチャンネルに設けられたノズルから記録シートに
向かってインクドロップが飛翔する。記録シート上に
は、これらのインクドロップの飛翔によって画像データ
に基づいた画像が形成される。
は、圧電素子に印加するパルス電圧のパルス振幅を変化
させることにより圧電素子に大きさの異なるひずみを生
じさせ、飛翔させるインクドロップの液適量が調節され
る。このようにインクドロップの液適量を調節すること
により、記録シートに付着するインクのドット径を複数
得ることができる。これらの複数のドット径のうち、ド
ット径の大きいものは画像の濃い部分を表現し、ドット
径の小さいものは画像の淡い部分を表現する。
も、画像データから画像を再生する際、仮想的に画像の
解像度を向上させジャギーを改善するスムージング処理
が行なわれている。このようなスムージング処理は、上
述のような径の小さいドットを用いることによって行な
われる。
る。図29は、通常のインクジェットプリンタによる画
像のプリントを説明するための図である。
る画像は仮想的に区画化され、これらの区画内には上述
のような複数の大きさのドット251〜ドット254が
印字され濃度を有する画像がプリントされる。このよう
な画像では、あるドットの中心と上下左右に隣接するド
ットの中心との間の距離である、ドット中心間距離はド
ットの大きさによらず一定である。このようにして画像
をプリントする従来のインクジェットプリンタでは、次
のようなスムージング処理が行なわれている。
でのスムージング処理を説明するための図である。
状に区画化された画像では、通常のドット255の周辺
に通常のドット255より径が小さいスムージング用ド
ット256が印字されることにより画像にスムージング
処理が施される。
ようにスムージング処理として小径のドットを印字した
場合、プリントされる画像によってはドット中心間距離
が離れて見えることがある。このような画像ではスムー
ジング処理の効果は低下しており、ユーザは高品位な画
像を得ることができない。
めになされたもので、その目的は、高品位な画像を記録
することのできるインクジェット記録装置を提供するこ
とである。
は、画像データに応じて複数の大きさのインクドロップ
を吐出し、複数の大きさのインクドロップの各々に対応
する複数の大きさのドットをシート上に印字することに
より、画像を記録するインクジェット記録装置である。
ドを駆動するためのデータは、複数の大きさのドットの
うちの小さな径のドットによるスムージングドットが、
隣接する、それよりも大きなドットに近づけて印字され
るように構成されてなることを特徴としている。
集合からなる画像を、複数の大きさのドットのうち比較
的小さな径のドットによりスムージング処理する際に、
比較的小さな径のドットは、画像を構成するドットに近
づけて印字される。これにより、従来のようにプリント
される画像によってはスムージングされるドットとスム
ージングするドットとの中心間距離が離れて見えるとい
うことがなく、高品位な画像を記録することができる。
この発明の他の局面に従うと、画像データに応じて複数
の大きさのインクドロップを吐出し、複数の大きさのイ
ンクドロップの各々に対応する複数の大きさのドットを
シート上に印字することにより、画像を記録するインク
ジェット記録装置は、ドットの集合からなる画像を、複
数の大きさのドットのうち比較的小さな径のドットによ
りスムージング処理する際に、比較的小さな径のスムー
ジングドットを、それより大きな径を有する、スムージ
ングされるドットに近づけて印字することを特徴とす
る。 好ましくはインクジェット記録装置は、スムージン
グドットの印字位置を変えるために、インクドロップを
飛翔させるタイミングを変えることを特徴とする。 好ま
しくはインクジェット記録装置は、スムージングドット
の印字位置を変えるために、インクドロップの飛翔速度
とキャリッジの走査速度との2つのパラメータを合わせ
て考慮することを特徴とする。 好ましくはインクジェッ
ト記録装置は、スムージングドットの印字位置を変える
ために、インクドロップの飛翔速度を変化させることを
特徴とする。 この発明のさらに他の局面に従うと、画像
データに応じて複数の大きさのインクドロップを吐出
し、複数の大きさのインクドロップの各々に対応する複
数の大きさのドットをシート上に印字することにより、
画像を記録するインクジェット記録装置の制御方法は、
複数の大きさのドットのうちの小さな径のドットによる
スムージングドットが、隣接する、それよりも大きなド
ットに近づいて印字されるように、画像データに基づく
インクジェットヘッドを駆動するためのデータを構成
し、そのデータによって画像を記録することを特徴とす
る。
における第1の実施の形態であるインクジェットプリン
タについて説明する。
ェットプリンタ1の概略構成を示す斜視図である。
Pシートなどの記録媒体である記録シート2に印字を行
なう、インクジェット方式のプリントヘッドであるイン
クジェットヘッド3と、インクジェットヘッド3を保持
するキャリッジ4と、キャリッジ4を記録シート2の記
録面に平行に往復移動させるための揺動軸5、6と、キ
ャリッジ4を揺動軸5、6に沿って往復駆動する駆動モ
ータ7と、駆動モータ7の回転をキャリッジ4の往復運
動に変えるためのアイドルプーリ8、タイミングベルト
9とを含んでいる。
シート2を搬送経路に沿って案内するガイド板を兼ねる
プラテン10と、プラテン10との間の記録シート2を
抑えて浮きを防止する紙押さえ板11と、記録シート2
を排出するための排出ローラ12、拍車ローラ13と、
インクジェットヘッド3のインクを吐出するノズル面を
洗浄しインク吐出不良を良好な状態に回復させる回復系
14と、記録シート2を手動で搬送するための紙送りノ
ブ15とを含んでいる。
はカットシートフィーダ等の給紙装置によって、インク
ジェットヘッド3とプラテン10とが対向する記録部へ
送り込まれる。この際、図示しない紙送りローラの回転
量が制御され、記録部への搬送が制御される。
用のエネルギ発生源として圧電素子(PZT)が用いら
れる。圧電素子には電圧が印加され、ひずみが生じる。
このひずみは、インクで満たされたチャンネルの容積を
変化させる。このチャンネルの容積の変化により、チャ
ンネルに設けられたノズルからインクが吐出され、記録
シート2への記録が行なわれる。
プーリ8、タイミングベルト9により、記録シート2を
横方向に主走査し、キャリッジ4に取り付けられたイン
クジェットヘッド3は1ライン分の画像を記録する。1
ライン分の記録が終わるごとに、記録シート2は縦方向
に送られ副走査され、次のラインが記録される。
れ、記録部を通過した記録シート2は、その搬送方向下
流側に配置された排出ローラ12とこれに一定の圧力で
接する拍車ローラ13とによって排出される。
トヘッド3とその周辺の構成とを説明する。
構成を説明するための図である。図2はインクジェット
ヘッド3のノズルを有する面の平面図であり、図3は図
2のIII−III線断面図であり、図4は図3のIV
−IV線断面図である。
ト301、隔壁302、振動板303、基板304を一
体に重ねた構成となっている。
ミックなどからなり、ノズル307を有し、表面318
には撥インク層を有する。隔壁302には、薄肉フィル
ムが使用されており、ノズルプレート301と振動板3
03との間に固定されている。
との間には、インク305を収容する複数のインクチャ
ンネル306と、各インクチャンネル306をインク供
給室308に連結するインクインレット309が形成さ
れている。インク供給室308はインクカートリッジ4
04(図5参照)に接続されており、インク供給室30
8内のインク305はインクチャンネル306へと供給
される。
06に対応した複数の圧電素子313が含まれる。振動
板303の加工は、まず、振動板303が配線部317
を有する基板304に絶縁接着剤で固定され、その後、
ダイシングによりセパレート溝315、316が形成さ
れ振動板303が分断されることにより行なわれる。ま
た、この分断によって各インクチャンネル306に対応
する圧電素子313と、隣接する圧電素子313との間
に位置する圧電素子柱部314と、これらを囲む周囲壁
310とが分離される。
接続されインクジェットヘッド3内の圧電素子313に
共通に接続される共通電極側配線部311とインクジェ
ットヘッド3内の各圧電素子313に個別に接続される
個別電極側配線部312とを有する。この基板304上
の共通電極側配線部311は圧電素子313内の共通電
極に接続され、個別電極側配線部312は圧電素子31
3内の個別電極に接続される。
ド3の動作は、インクジェットプリンタ1の制御部によ
ってコントロールされる。制御部のヘッド吐出駆動部1
05(図6参照)からは、圧電素子313内部に設けら
れた共通電極と個別電極との間に、印字信号である所定
の電圧が印加され、圧電素子は隔壁302を押す方向に
変形する。圧電素子313の変形は隔壁302に伝えら
れ、これによりインクチャンネル306内のインク30
5が加圧され、ノズル307を介してインクドロップが
記録シート2(図1参照)に向かって飛翔する。
るための斜視図である。キャリッジ4周辺には、インク
を収容し通気口404を有するインクカートリッジ40
3と、インクカートリッジ403を収納するケーシング
401、ケーシング蓋405と、インクカートリッジ4
03を着脱可能にしつつインクをインクジェットヘッド
3に受給するインク受給ピン402と、ケーシング蓋4
05を閉じた際ケーシング401にケーシング蓋405
を固定するための付勢クラッチ406、付勢クラッチ止
め407と、インクカートリッジ403を収納する向き
(矢印D3の向き)とは反対の向きにインクカートリッ
ジ403を押しつつインクカートリッジ403をケーシ
ング蓋406とともに保持する板ばね408とが含まれ
る。図に示す矢印D1方向にキャリッジ4が移動するこ
とにより記録シートは主走査され、矢印D2方向にイン
クドロップは吐出される。
は、溶剤として水を80.9%、多価アルコール/ジエ
チレングリコールを11.0%、増粘剤/ポリエチレン
グリコール#400を2.5%含み、色剤として染料/
Bayer BK−SPを4.6%含み、添加剤として
界面活性剤/オルフィンE1010を0.8%、pH調
整剤/NaHCO3を0.2%含むものを用いる。ま
た、この組成を有するインク305は25[℃]におい
て表面張力36[dyn/cm]、粘度2.0[cp]
であり、記録シート2(図1参照)にはエプソン社製ス
ーパーファイン紙を用いる。
部について説明する。図6は、インクジェットプリンタ
1の制御部の概略構成を示すブロック図である。
U(中央演算処理部)101には、ROM(リードオン
リメモリ)とRAM(ランダムアクセスメモリ)とを含
む記憶部102と、コンピュータ本体あるいはワープロ
本体などのホスト20とデータが授受可能なように接続
されているインタフェース部103と、センサ検出部1
04と、表示操作部105と、ヘッド吐出駆動部106
と、キャリッジモータ駆動部107と、シート送りモー
タ駆動部108とが接続されている。
トプリンタ1を制御する制御プログラムが格納されてお
りまたROMはキャラクタジェネレータを含む。また、
記憶部102のRAM内にはホスト20から転送される
データを一時的に記憶する受信バッファや、受信データ
を実際に印字するデータに展開し一時的に記憶するプリ
ントバッファが含まれる。
の検出、温度の検出および記録シートの有無の検出等に
必要なセンサ類を含み、表示操作部105は、表示ラン
プ、各種操作スイッチ等を含んでいる。
出信号に基づいて、ヘッド吐出駆動部106、キャリッ
ジモータ駆動部107、シート送りモータ駆動部108
を介して、それぞれ、プリントヘッド、キャリッジモー
タ、シート送りモータを制御し、画像を記録シート上に
記録する。
を説明するためのブロック図である。これらの処理は、
図6のCPU101によって実行される。
タは、コマンド解析部111で解析される。入力された
画像データがキャラクタデータであれば、CGメモリ1
12からデータが読み出され、展開修飾処理部113で
プリントバッファ内にビットマップデータが展開され
る。また、入力された画像データがイメージデータであ
れば、イメージデータ展開処理部114でプリントバッ
ファ内にイメージデータが展開される。
部115でプリントバッファ内のデータに対してスムー
ジング処理を行なうか否かが判別される。スムージング
処理を行なうよう設定されていなければ、プリントバッ
ファ内のデータに対してスムージング処理が行なわれな
いまま次処理117へと処理は進められ、スムージング
処理を行なうよう設定されていれば、プリントバッファ
内のデータに対してスムージング処理部116にてスム
ージング処理が施された後次処理117へと処理は進め
られる。次処理117では、スムージング処理を終えた
画像データがさらに圧電素子を駆動するためのデータへ
と変換され、このデータに基づいてヘッド吐出駆動部1
06(図6参照)が制御され圧電素子が駆動される。
のヘッド吐出駆動部106からは次に図8を用いて示す
ような波形を有するパルス電圧が圧電素子313(図2
〜図4参照)に印加される。
される圧電素子を駆動するパルス電圧の波形を示す図で
ある。ここでは、プリントされる画像の階調は5階調と
し、縦軸を電圧、横軸を電圧印加開始からの時間とする
座標上に電圧印加開始時間をそろえて表示し、パルス振
幅の小さなものから順に波形A1、波形A2、…、波形
5とする。
圧電素子に印加することによって飛翔するインクドロッ
プの飛翔速度、ドロップ体積、記録シートへの着弾後の
ドットの径であるドット着弾径を測定すると、図9〜図
11に示す結果を得た。これらの飛翔速度、ドロップ体
積、ドット着弾径は100ドットの印字による平均であ
り、インク、記録シートには、図5とともに説明したも
のを用いた。
印加することによって飛翔するインクドロップの飛翔速
度を示す図であり、図10は図8に示すパルス電圧を圧
電素子に印加することによって飛翔するインクドロップ
のドロップ体積を示す図であり、図11は図8に示すパ
ルス電圧を圧電素子に印加することによって飛翔するイ
ンクドロップの記録シートへの着弾後の径である、ドッ
ト着弾径を示す図である。これらの図においては、横軸
には図8に示すパルス電圧のパルス振幅、縦軸にはこれ
らのパルス振幅に対する、インクドロップの飛翔速度、
ドロップ体積、ドット着弾径をとる。
A1〜波形A5を有するパルス電圧においてパルス振幅
を大きくするに従って、対応するインクドロップのドロ
ップ体積、ドット着弾径はそれぞれ増大していく。ま
た、図9に示すように、波形A1〜波形A5に対応する
インクドロップの飛翔速度は、インクドロップの大きさ
にかかわらず5m/sでほぼ一定である。
より印字されるドットの例を示す図である。
2、203は、図8の波形A1、A3、A5にそれぞれ
対応し、一定の速度での走査に対して画像上の仮想的に
区画化された格子内に中心間距離をほぼ一定に保持して
印字されている。このような大きさの異なるドット20
1、202、203の中心間距離がほぼ一定に保持され
ているのは、対応するインクドロップの飛翔速度とキャ
リッジの走査速度と圧電素子の駆動周波数とが一定に保
たれているからである。
ットプリンタ1でのスムージング処理を説明するための
第1の図である。
動周波数に基づいて)印字されるドット204に対し
て、圧電素子への電圧の印加のタイミングを早めること
により、通常のタイミングで印字されるドット204よ
りもスムージングされるドット206に近づけて(中心
間距離を短くして)スムージングドット205を印字す
ることができる。ここで、矢印D4は走査方向を示して
いる。
ットプリンタ1でのスムージング処理を説明するための
第2の図である。
ングドットA211〜213とスムージングドットB2
14〜216とによってスムージングされる。このよう
なスムージングに際しては、スムージングドットA21
1〜213は走査方向D4に対して通常のドットより遅
いタイミングで印字され、スムージングドットB214
〜216は走査方向D4に対して通常のドットより早い
タイミングで印字される。実際にはこれらのタイミング
は次のようにして求めることができる。
ミングを説明するための図である。ここでは、スムージ
ングされるドット232の径を100μmとし、スムー
ジングドット231を印字する際には圧電素子はパルス
振幅15Vで駆動され、スムージングドットの径を60
μmとし、記録シートには250dpi(ドット間隔は
100μmとなる)で印字するものとし、キャリッジの
走査速度を250mm/s、インクジェットヘッドのノ
ズル面と記録シートとの間隔を1mmとする。また、大
きさにかかわらずインクドロップの飛翔速度を5m/s
で一定とする。
あるが、上述のような条件の下、スムージングされるド
ット232とスムージングドット231との中心間距離
を80μmとする(このとき、ドット232とスムージ
ングドット231とは接する)。中心間距離を短くする
ために変化される圧電素子へのパルス電圧を印加するタ
イミングは次のようにして求められる。
字するときには、ドットの中心間距離は100μmであ
り、キャリッジのスキャン速度は250mm/sである
ので、あるドットを印字した後次のドットを印字するま
での時間は、 0.1/250=4×10-4[s]=0.4[ms] と求められ、この時間の逆数から圧電素子の駆動周波数
は2.5kHzと求められる。また、スムージングを行
なうときには、ドットの中心間距離は80μmであり、
あるドットを印字した後このドットをスムージングする
ドットを印字するまでの時間は、 0.08/250=3.2×10-4[s]=0.32
[ms] と求められる。上2式より、ドットを通常より、 0.4−0.32=0.08[ms] 早い(あるいは遅い)タイミングで印字することによ
り、スムージングされるドットまでの中心間距離の短い
スムージングドットを印字することができることがわか
る。
ットプリンタでのスムージングドットを印字するための
圧電素子へのパルス電圧の印加を説明するための図であ
る。
めの波形501に対して、図14のスムージングドット
A211〜213を印字するために圧電素子に印加する
パルス電圧は波形502を有し、図14のスムージング
ドットB214〜216を印字するために圧電素子に印
加するパルス電圧は波形503を有する。
るために、次に示すような制御(図7のスムージング判
定処理部115での処理に相当する)がCPU101
(図6参照)で行なわれる。
ージング判定処理部115での処理の手順を説明するた
めのフローチャートである。
するn番目のライン(直線状のドットの集合)である、
ラインnの各ドットを特定するための変数dn(ライン
の端から順に番号が付される)に対してdn=1とされ
る。次にS2では、このdnの特定するドットのデータ
が参照される。
対応するドットのデータから、隣接する左右のドットの
いずれかに対してスムージングが必要であるか否かが判
断される。右に隣接するドットに対してスムージング処
理が必要と判断されると(S3にて、YES)、S5で
スムージング処理が必要であるか否かを示す変数Tdn
に対してTdn=1とされ、左に隣接するドットに対し
てスムージング処理が必要と判断されると(S3にてN
O、かつ、S4にてYES)、S6でTdn=2とされ
る。また、スムージング処理が不要であると判断される
と(S3にてNO、かつ、S4にてNO)、S7でTd
n=0とされる。
されると、S8でこれらのTdnの値がライン毎にプリ
ンタバッファAに格納される。S9ではn番目のライン
が終了したか否かが判断され、1ライン分のデータがバ
ッファに格納されれば(S9にて、YES)、本ルーチ
ンは終了され、1ライン分のデータがバッファに格納さ
れていなければ(S9にて、NO)、S10でdnに1
が加えられた後S2からの処理が繰り返される。
を構成する各ラインのドット毎に圧電素子に印加される
パルス電圧の波形(パルス電圧の印加タイミング)が選
択され、各ライン毎にプリンタバッファAに格納され
る。また、印字されるドットの径の大きさについては、
スムージングドットを印字するのであれば60μm、ス
ムージングドット以外のドットを印字するのであればデ
ィザ法等の階調処理の結果に応じて決定され、ドットの
径を示すデータはプリンタバッファBに格納される。
るパルス電圧の印加タイミングを示すデータと、プリン
タバッファBに格納されているドットの径を表わすデー
タとに基づいて印字が行なわれる。
ージングする際に、印字のタイミングを変化させ、小さ
な径のドットをスムージングされるドットに近づけて印
字することで、従来のようにプリントされる画像によっ
てはスムージングされるドットとスムージングするドッ
トとの中心間距離が離れて見えるということがなく、高
品位な画像を記録することができる。
ジェットプリンタについて説明する。以下に示す第2、
第3の実施の形態のインクジェットプリンタについて
は、主に図面を用いて説明する部分を第1の実施の形態
のインクジェットプリンタからの変更点とし、インクジ
ェットプリンタの全体構成、インクジェットヘッドの構
成、制御部の構成、制御部での制御の手順等のこれら以
外の部分については、第1の実施の形態のインクジェッ
トプリンタに準ずるものとする。
ットプリンタで圧電素子を駆動するために印加されるパ
ルス電圧の波形を示す図である。ここでは、プリントさ
れる画像の階調は8階調である。図18は、第1の実施
の形態のインクジェットプリンタの図8に対応する。パ
ルス電圧の波形をそのパルス振幅の小さなものから順に
波形B1、波形B2、…、波形8とする。
圧電素子に印加することによって飛翔するインクドロッ
プの飛翔速度、ドロップ体積、ドット着弾径を測定する
とそれぞれ図19〜図21に示す結果を得た。これらの
図19〜図21は、第1の実施の形態のインクジェット
プリンタの図9〜図11に対応し、測定条件、データの
表示方法等は、第1の実施の形態のインクジェットプリ
ンタのものと同様である。
形B1〜波形B8を有するパルス電圧においてパルス振
幅を大きくするに従って、対応するドロップ体積、ドッ
ト着弾径はそれぞれ増大していく。また、図19に示す
ように、波形B1〜波形B8に対応するインクドロップ
の飛翔速度は、波形B4から波形B8に対応するものに
ついてはほぼ一定となっているが、パルス電圧のパルス
振幅が小さく飛翔するインクドロップの径が比較的小さ
い波形B1〜波形B3に対応するものについては、飛翔
速度はパルス振幅を上昇させるに従って大きくなってい
く。このように飛翔速度が異なる場合には、一定の走査
速度を有するキャリッジで一定の駆動周波数で圧電素子
を駆動すると印字位置がずれてしまう。
れを生じたドットの印字を説明するための図である。
のインクドロップと、大径のインクドロップとは飛翔速
度の異なる小径のインクドロップとを飛翔させると、こ
れに対応して大径のドット251と小径のドット252
とが記録シート上に印字されるが、小径のインクドロッ
プは大径のインクドロップより記録シートへの着弾まで
に時間を要するためキャリッジの走査方向D4への移動
距離が長くなる。このため、記録シート上の仮想的な格
子状の区画に対して、小径のインクドロップの中心は大
径のインクドロップの中心から走査方向D4へずれた位
置に着弾する。
ンクドロップの大きさによって変化する場合、スムージ
ングドットの印字位置を変えるためには、インクドロッ
プの飛翔速度とキャリッジの走査速度との2つのパラメ
ータを合わせて考慮する必要がある。
ミングを説明するための図である。ドット261は、対
応するインクドロップの径が小さく飛翔速度が小さいス
ムージングドットC262とスムージングドットD26
3とによってスムージングされる。ドット264、26
5は、通常のタイミングで(ドット261を印字すると
きと同じ一定の圧電素子の駆動周波数に基づいて)印字
されるドットを示している。
ングに際しては、スムージングドットC262は走査方
向D4に対してドット264を印字する場合よりも遅い
タイミングで印字され、スムージングドットD263は
走査方向D4に対してドット265を印字する場合より
も速いタイミングで印字される。実際にはこれらのタイ
ミングは次のようにして求めることができる。
1の径を100μm、スムージングドット262、26
3の径を40μmとし、記録シートには250dpi
(ドット間隔は100μmとなる)で印字するものと
し、インクジェットヘッドのノズル面と記録シートとの
間隔を0.5mmとする。また、ドット261を印字す
る際にはインクドロップの飛翔速度は5m/sとし、ス
ムージングドット262、263(ドット264、26
5)を印字する際にはインクドロップの飛翔速度は3m
/sとする。キャリッジの走査速度は第1の実施の形態
のインクジェットプリンタと同様250mm/sであ
り、圧電素子の駆動周波数は2.5kHzである。
インクジェットヘッドのノズル面から記録シート上に着
弾するまでに、ドット261に対応するインクドロップ
の走査方向D4への移動距離は、 250×(0.5/5000)=0.025[mm] と求められ、ドット264、265に対応するインクド
ロップがインクジェットヘッドのノズル面から記録シー
ト上に着弾するまでに、ドット264、265に対応す
るインクドロップの走査方向への移動距離は、 250×(0.5/3000)≒0.042[mm] と求められる。これらよりドット264、265の中心
が格子状の区画の中心から 0.042−0.025=0.017[mm] 走査方向D4にずれて印字されることがわかる。
4よりも走査方向D4に、 30−17=13[μm] 移動させなくてはならず、通常より、 0.013/250=5.2×10-5[s]≒0.05
[ms] 遅いタイミングで印字する必要がある。
ト265よりも走査方向D4とは逆向きに、 17+30=47[μm] 移動させなくてはならず、通常より、 0.047/250=1.9×10-4[s]≒0.19
[ms] 速いタイミングで印字する必要がある。これらのように
して印字タイミングを変えることにより、スムージング
されるドットまでの中心間距離の短いスムージングドッ
トを印字することができることがわかる。
ットプリンタでのスムージングドットの印字するための
圧電素子へのパルス電圧の印加を説明するための図であ
る。
字するための波形551に対して、図23のスムージン
グドットC262を印字するために圧電素子に印加する
パルス電圧は波形552を有し、図23のスムージング
ドットD263を印字するために圧電素子に印加するパ
ルス電圧は波形553を有する。
ェットプリンタの場合、スムージングドットの大きさに
応じて飛翔速度が変化するため、この飛翔速度に応じ
て、上述のように圧電素子へのパルス電圧の印加のタイ
ミングを変化させる必要がある。これについては、ドッ
ト径と飛翔速度とのテーブルをスムージング処理部11
6(図7参照)に設けて、これらに応じて印字のタイミ
ングを変化させることにより解決される。
ージングする際に、印字のタイミングを変化させ、小さ
な径のドットをスムージングされるドットに近づけて印
字することで、従来のようにプリントされる画像によっ
てはスムージングされるドットとスムージングするドッ
トとの中心間距離が離れて見えるということがなく、高
品位な画像を記録することができる。
ットプリンタで圧電素子を駆動するために印加されるパ
ルス電圧の波形を示す図である。ここでは、第1の実施
の形態のインクジェットプリンタと同様にプリントされ
る画像の階調は5階調とし、また、スムージングによる
効果、スムージングによって印字される画像は、それぞ
れ図13、図14に示すものと同様である。パルス電圧
の波形をそのパルス振幅の小さなものから順に波形60
1、波形602、…、波形605とし、スムージングド
ットに対応するパルス電圧の波形を波形606、波形6
07とする。
れる電圧が大きければ大きいほどインクドロップの飛翔
速度は速くなることがわかっている。波形606による
インクドロップの飛翔速度は波形601によるインクド
ロップの飛翔速度より遅められ、波形607によるイン
クドロップの飛翔速度は波形601によるインクドロッ
プの飛翔速度より速められる。
ことにより、図25に示すような、通常の波形601を
有するパルス電圧を圧電素子に印加することによって印
字されるドット(図13のドット204)に対して、走
査方向D4に中心が移動された図14のスムージングド
ット211〜213が印字される。また、このように飛
翔速度が通常より速くされることにより、図25に示す
ような、通常の波形601を有するパルス電圧を圧電素
子に印加することによって印字されるドットに対して、
走査方向D4とは逆むきに中心が移動された図14のス
ムージングドット214〜216が印字される。
圧を圧電素子に印加することによって飛翔するインクド
ロップの飛翔速度、ドロップ体積、ドット着弾径を測定
するとそれぞれ図26〜図28に示す結果を得た。これ
らの図26〜図28は、第1の実施の形態のインクジェ
ットプリンタの図9から図11に対応し、測定条件、デ
ータの表示方法等は、第1の実施の形態のインクジェッ
トプリンタのものと同様である。
形601〜波形605を有するパルス電圧においてパル
ス振幅を大きくするに従って、対応するインクドロップ
のドロップ体積、ドット着弾径はそれぞれ増大してい
く。また、図26に示すように、波形601から波形6
05に対応するインクドロップの飛翔速度は、インクド
ロップの大きさにかかわらず、5m/sでほぼ一定であ
る。
ージングする際に、対応するインクドロップの飛翔速度
を変化させ、小さな径のドットをスムージングされるド
ットに近づけて印字することで、従来のようにプリント
される画像によってはスムージングされるドットとスム
ージングするドットとの中心間距離が離れて見えるとい
うことがなく、高品位な画像を記録することができる。
にも、圧電素子によって飛翔するインクドロップの飛翔
速度が変化する際には、第2の実施の形態のインクジェ
ットプリンタのように、インクドロップの飛翔速度と走
査速度との2つのパラメータを考慮して、適切な位置に
ドットを印字できることは言うまでもない。
タ1の概略構成を示す斜視図である。
平面図である。
図である。
を示すブロック図である。
めのブロック図である。
子を駆動するパルス電圧の波形を示す図である。
とによって飛翔するインクドロップの飛翔速度を示す図
である。
ことによって飛翔するインクドロップのドロップ体積を
示す図である。
ことによって飛翔するインクドロップのドット着弾径を
示す図である。
るドットの例を示す図である。
1でのスムージング処理を説明するための第1の図であ
る。
1でのスムージング処理を説明するための第2の図であ
る。
するための図である。
でのスムージングドットを印字するための圧電素子への
パルス電圧の印加を説明するための図である。
処理部115での処理の手順を説明するためのフローチ
ャートである。
で圧電素子を駆動するために印加されるパルス電圧の波
形を示す図である。
ることによって飛翔するインクドロップの飛翔速度を示
す図である。
ることによって飛翔するインクドロップのドロップ体積
を示す図である。
ることによって飛翔するインクドロップのドット着弾径
を示す図である。
ットの印字を説明するための図である。
するための図である。
でのスムージングドットの印字するための圧電素子への
パルス電圧の印加を説明するための図である。
で圧電素子を駆動するために印加されるパルス電圧の波
形を示す図である。
ることによって飛翔するインクドロップの飛翔速度を示
す図である。
ることによって飛翔するインクドロップのドロップ体積
を示す図である。
ることによって飛翔するインクドロップのドット着弾径
を示す図である。
プリントを説明するための図である。
ング処理を説明するための図である。
るために圧電素子に印加するパルス電圧の波形 503 スムージングドットB214〜216を印字す
るために圧電素子に印加するパルス電圧の波形
Claims (6)
- 【請求項1】 画像データに応じて複数の大きさのイン
クドロップを吐出し、前記複数の大きさのインクドロッ
プの各々に対応する複数の大きさのドットをシート上に
印字することにより、画像を記録するインクジェット記
録装置であって、前記画像データに基づく、インクジェットヘッドを駆動
するためのデータは、前記複数の大きさのドットのうち
の小さな径のドットによるスムージングドットが、隣接
する、それよりも大きなドットに近づけて印字されるよ
うに構成されてなること を特徴とする、インクジェット
記録装置。 - 【請求項2】 画像データに応じて複数の大きさのイン
クドロップを吐出し、前記複数の大きさのインクドロッ
プの各々に対応する複数の大きさのドットをシート上に
印字することにより、画像を記録するインクジェット記
録装置であって、 ドットの集合からなる画像を、前記複数の大きさのドッ
トのうち比較的小さな径のドットによりスムージング処
理する際に、比較的小さな径のスムージングドットを、
それより大きな径を有する、スムージングされるドット
に近づけて印字することを特徴とする、インクジェット
記録装置。 - 【請求項3】 前記スムージングドットの印字位置を変
えるために、インクドロップを飛翔させるタイミングを
変えることを特徴とする、請求項1または2に記載のイ
ンクジェット記録装置。 - 【請求項4】 前記スムージングドットの印字位置を変
えるために、インクドロップの飛翔速度とキャリッジの
走査速度との2つのパラメータを合わせて考慮すること
を特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のイン
クジェット記録装置。 - 【請求項5】 前記スムージングドットの印字位置を変
えるために、インクドロップの飛翔速度を変化させるこ
とを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のイ
ンクジェット記録装置。 - 【請求項6】 画像データに応じて複数の大きさのイン
クドロップを吐出し、前記複数の大きさのインクドロッ
プの各々に対応する複数の大きさのドットを シート上に
印字することにより、画像を記録するインクジェット記
録装置の制御方法であって、 前記複数の大きさのドットのうちの小さな径のドットに
よるスムージングドットが、隣接する、それよりも大き
なドットに近づいて印字されるように、前記画像データ
に基づくインクジェットヘッドを駆動するためのデータ
を構成し、 そのデータによって画像を記録することを特徴とする、
インクジェット記録装置の制御方法。
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