JP3465001B2 - ステインリムーバーおよびその製造方法 - Google Patents

ステインリムーバーおよびその製造方法

Info

Publication number
JP3465001B2
JP3465001B2 JP25611894A JP25611894A JP3465001B2 JP 3465001 B2 JP3465001 B2 JP 3465001B2 JP 25611894 A JP25611894 A JP 25611894A JP 25611894 A JP25611894 A JP 25611894A JP 3465001 B2 JP3465001 B2 JP 3465001B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
stain
composition
stain remover
nonwoven fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP25611894A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0892031A (ja
Inventor
一麿 古瀬
庸介 村嶋
和美 大野
嘉夫 山岡
Original Assignee
リアル化学株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by リアル化学株式会社 filed Critical リアル化学株式会社
Priority to JP25611894A priority Critical patent/JP3465001B2/ja
Publication of JPH0892031A publication Critical patent/JPH0892031A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3465001B2 publication Critical patent/JP3465001B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はステインリムーバーおよ
びその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは主
として染毛処理後に頭皮や生え際などに付着した染毛剤
の除去のためのステインリムーバーおよびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、主として染毛処理後に頭皮や生え
際などに付着した染毛剤の除去を目的として、主に美容
院において業務用としてステインリムーバーが使用され
る。美容院の現場ではボトル容器入りのステインリムー
バー剤を用時、ガーゼや脱脂綿、綿球(綿棒)に適当量
を含浸させ使用している。しかるに、図3に綿繊維(脱
脂綿)の繊維構造を示すが、綿繊維5は直線的な形状で
あって縮れ構造がなく、綿繊維5が相互に加熱融着され
おらず、かつ、単位面積当たりの構成密度が低く綿繊維
5の目が粗いので、少量の使用では汚れ落とし機能を十
分に発揮し得ない。図4は綿繊維(脱脂綿)の繊維構造
を示す顕微鏡写真(倍率300倍)である。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】本発明の目的は、汚
れ落とし組成物の浸透性や保持性に優れ、少量の使用で
も汚れ落とし機能を十分に発揮でき、拭き取り操作が簡
単であり、かつ染毛剤の除去効果に優れたステインリム
ーバーおよびそれを容易に経済的に製造する方法を提供
することである。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決すべく研究を重ねた結果、多数のマイクロクリンプを
有する捲縮性に富む特定のセルロース不織布に汚れ落と
し組成物を含浸させることにより、課題を解決できるこ
とを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】本発明の第1の発明は、ステインリムーバ
ーに関するものであり、多数の微細な縮れ構造を有する
短繊維が相互に加熱融着されたセルロース不織布に所定
量の汚れ落とし組成物を含浸させたステインリムーバー
であって、該汚れ落とし組成物が下記の(1)〜(4)
から成ることを特徴とする。 (1)油性成分;流動パラフィン、スクアラン、パルミ
チン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オリ
ーブ油、オクチルドデカノール、フェノキシイソプロパ
ノール、 イソステアリン酸から選ばれる少なくとも1つ 1〜8重量%、 (2)界面活性剤; ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチ
レンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテルから選ばれる少なくとも1つ 5〜15重量%、 硫酸化ヒマシ油 1〜5重量%、 (3)溶解補助剤; ベンジルアルコール 0〜5重量%、 エチレングリコールメチルエーテル 0〜7重量%、 グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールから選ばれる 少なくとも1つ 0〜10重量%、 平均分子量600以下のポリエチレングリコール 0〜15重量%、 ヤシ油脂肪酸プロピルベタイン 0〜5重量%、 エタノール 5〜50容量%、 (4)溶解剤; 精製水または常水を加えて組成物全体を100mlとす
る。(但し、上記配合割合は組成物全体に対するもので
ある)
【0006】本発明の第2の発明は、ステインリムーバ
ーの製造方法に関するものであり、パルプを原料として
ビスコース化し、紡糸直後にセルロースへの再生を一部
分に留め、短繊維にカットした後、繊維を相互に加熱融
着させ、更に繊維を自由収縮させてクリンプ(縮れ)を
形成させた後、セルロースへ再生して得られるセルロー
ス不織布に所定量の汚れ落とし組成物を含浸させるステ
インリムーバーの製造方法であって、該汚れ落とし組成
物が前記の(1)〜(4)から成ることを特徴とする。
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。本発明で
用いる該不織布は、パルプを原料としてビスコース化
し、紡糸直後にセルロースへの再生を一部分に止どめて
短繊維にカットした後、繊維を相互に加熱融着させ、更
に繊維を自由収縮させてクリンプ(縮れ)を形成させた
後、セルロースへ再生する独自の方式で容易に経済的に
製造することができる。製造法の具体例としては特開昭
51−136976号公報に記載の方法を挙げることが
できる。上記の方法で製造された該不織布としては具体
的には、例えば太閤TCF繊維[商品名、二村化学工業
(株)製]を挙げることができる。
【0008】図1に、独自の工程で製造された該不織布
(太閤TCF繊維)の繊維構造を示す。該不織布1の繊
維は多数のマイクロクリンプ(微小縮れ構造)4を有し
捲縮性に富んでおり、このような多数の微細な縮れ構造
を有する短繊維2が相互に加熱融着されて不織布1が構
成されている。3は加熱融着部を示す。図2は、該不織
布(太閤TCF繊維)の繊維構造を示す顕微鏡写真(倍
率300倍)である。
【0009】ちなみに図5はレーヨン繊維の8倍拡大図
であるが、従来のレーヨン、スフの繊維の捲縮数は1イ
ンチ間に約7〜12個であるのに対して、図6に太閤T
CF繊維の8倍拡大図を示すが、該不織布の繊維の捲縮
数は、1インチ間に約20〜25個ある。従って、該不
織布の繊維は綿に近い風合いを持ち、かつ、吸水性・抱
水性などの湿潤特性に優れた特性を有している。
【0010】また、該不織布は、接着剤を一切使用せず
繊維同志を熱融着させる独自の方法で製造されたセルロ
ース100%素材の製品であるので、従来の不織布に配
合されているアクリル系、スチレン系、ブタジエンゴム
系等の接着剤が、安全性や汚れ落とし組成物中の薬剤へ
及ぼす影響等の懸念がない。
【0011】
【作用】特有の多数の微細な縮れ構造を有する該不織布
は汚れ落とし組成物の浸透性や保持性に優れ、該不織布
に特有の多数の微細な縮れ構造が、使用時に汚れを不織
布の内部に包み込み、皮膚への汚れの再付着を防ぐ役割
を果すので、従来の不織布や綿繊維に比べ少量の使用で
染毛剤などの除去効果が発揮され、拭き取り操作が簡単
に行える。
【0012】
【実施例】以下、本発明の内容をさらに具体的に説明す
るが、本発明はこれらの内容に何ら限定されるものでは
ない。
【0013】(本発明で使用する不織布の製造例)(特
開昭51−136976号公報に記載の方法に準じる) セルロース7%、全アルカリ4%を含み、γ−価85、
塩点22のビスコースを孔径0.06mmの紡糸口金を
用いて硫酸35g/l、芒硝75g/l、ホルムアルデ
ヒド13g/lを含み、温度25℃の凝固浴中に紡糸
し、続いて硫酸5g/l、温度60℃の延伸浴中で1.
5倍延伸して単繊維繊度1.5デニールのヒドロキシメ
チルセルロースサンテートを含む繊維を得た。この繊維
を長さ20mmに切断し、硫酸0.2g/l、温度20
℃の抄紙浴中に分散させ、60メッシュのステンレス製
金網上に乾燥繊維として50g/m2 の目付に抄紙し
た。次に、このウエブを金網上で特定のパターンを有す
る、110℃に加熱された一辺8m/mの正方形の突起
を有するエンボスロールによって圧力10kg/cmで
網状に部分圧着してウエブを安定化させた。続いて、こ
のウエブ(シート)を硫酸0.2g/l、温度55℃の
収縮浴に2倍のオーバーフィードで供給して35%面積
収縮させた。収縮浴から引出されたシートは続いて5倍
のオーバーフィードでネット上に折りたたまれ、次の再
生、精練工程をへて乾燥されるか、各工程の間にはしぼ
りロールが設けられており、折りたたみのしわが強化さ
れていた。
【0014】精練工程における水洗後のシートを実質的
な引伸ばしのない状態に迄折りたたみ状態を開放し、シ
ートに直接水を噴射した。噴射は孔径0.3mm多孔板
で行われ、シート上に噴射水の軌跡の間隔が1mmにな
るように噴射孔が配列されている。水は5kg/cm2
Gで供給され、噴射孔とシート間の距離は約20cmで
あった。なお、噴射孔とシート間の距離は、噴射水流の
径が約1mmとなるように調整されたものである。続い
てしぼりロールで搾液後、ヤンキードライヤーでシート
を乾燥した。
【0015】汚れ落とし組成物を構成する各種基剤およ
び汚れ落とし組成物の該不織布に対する浸透性とその汚
れ落とし効果について試験した。
【0016】(不織布への浸透性の試験方法)縦14c
m、横2.5cmに裁断し、5枚重ねにした太閤TCF
不織布の下部先端を1cm試料溶液に浸し、各試料の浸
透性を観察した。油性の基剤は、その1%をn−ヘキサ
ンに、水溶性の基剤は、その5%を精製水に、それぞれ
溶解して試料とした。浸透性は試料溶液へ浸漬した直後
の30秒から10分後における各試料溶液の浸透の高さ
(cm)を測定した。観察は25℃で行い、実験は3回
行い、その平均値を求めた。なお、浸透性の観察を容易
にするために油性の基剤には法定色素の赤色225号
を、水溶性の基剤には法定色素の青色4号を夫々微量加
えた。
【0017】(汚れ落とし効果の試験方法)酸性染料を
主成分とする市販のヘアマニキュア(商品名:セピアー
ジュ・ダークブラウン、リアル化学株式会社製)を5分
間、酸化染料を主成分とする市販の酸化染毛剤(商品
名:ケアトーン・N2、リアル化学株式会社製)を10
分間、それぞれ10名の被験者の上腕部の皮膚上に塗布
した後、水洗いし、水分を乾いた布切れで除き、夫々の
試料を1.3ml含浸させた不織布(サイズ:100×
140mm)にて5回づつ拭き取り、拭き取り前後の皮
膚の色を色差計(ハンデー色差計 NR−3000型、
光源:ハロゲンランプ;検出器:フォトダイオード;測
定径:φ10mm、日本電色工業株式会社製)を用いて
Lab値を計測し、拭き取り後の明度(L値)を拭き取
り前の明度(L値)で除した数値の100分率比[以
下、拭き取り後の明度(L値)の100分率比と称す]
から汚れ落とし効果を評価した。
【0018】流動パラフィン、セタノール、ミリスチン
酸イソプロピル、イソステアリン酸、オクチルドデカノ
ール、フェノキシイソプロパノールなどの疎水性基剤類
(1)1%ヘキサン溶解液およびn−ヘキサン(対照)
の該不織布への浸透性の試験結果を図7に示す。流動パ
ラフィン、スクアラン、ミリスチン酸イソプロピル、イ
ソステアリン酸、オリーブ油、パルミチン酸イソプロピ
ルなどの疎水性基剤類(2)1%ヘキサン溶解液および
n−ヘキサン(対照)の該不織布への浸透性の試験結果
を図8に示す。
【0019】硫酸化ヒマシ油、ポリオキシエチレントリ
デシルエーテル酢酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、塩化セチル
トリメチルアンモニウムなどの界面活性剤類5%水溶液
および精製水(対照)の該不織布への浸透性の試験結果
を図9に示す。
【0020】エタノール、グリセリン、プロピレングリ
コール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレング
リコール600、ポリエチレングリコール4000など
の親水性基剤類(1)5%水溶液および精製水(対照)
の該不織布への浸透性の試験結果を図10に示す。
【0021】エタノール、ベンジルアルコール、エチレ
ングリコールメチルエーテル、n−アセチルモノエタノ
ールアミン、1,3−ブチレングリコール、プロピレン
グリコールなどの親水性基剤類(2)5%水溶液および
精製水(対照)の該不織布への浸透性の試験結果を図1
1に示す。
【0022】以上、各種基剤成分の該不織布に対する浸
透性について観察した結果、疎水性基剤類の中では、ス
クアラン、パルミチン酸イソプロピル、オリーブ油、流
動パラフィンなどが、優れた浸透性を示した。
【0023】油性成分(疎水性基剤)の乳化、可溶化剤
として配合される界面活性剤類中では、塩化セチルトリ
メチルアンモニウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタ
イン、ラウリル硫酸ナトリウム、硫酸化ヒマシ油などが
共に同等の浸透性を示した。
【0024】ヘアマニキュアおよび酸化染毛剤の溶解補
助剤として配合される親水性基剤類について保湿剤とし
ての観点から観察すると、グリセリンの浸透性が最も優
れ、次いでポリエチレングリコール600、プロピレン
グリコールと、いずれも優れた浸透性を示したが、高分
子ポリエチレングリコール4000の浸透性は劣ること
が示された。親水性基剤類中では、エチレングリコール
メチルエーテル、プロピレングリコール、エタノール
(95%)が優れた浸透性を示し、次いで1,3−ブチ
レングリコール、ベンジルアルコールであった。
【0025】(実施例1)以上の基剤類の該不織布に対
する浸透性についての観察結果から表1に示す組成の汚
れ落とし組成物1および汚れ落とし組成物2を調製し、
それぞれ、1枚(サイズ:100×140mm)当たり
1.3ml該不織布に含浸させて本発明のステインリム
ーバーを製造した。組成物1および組成物2の該不織布
に対する浸透性と本発明のステインリムーバーのヘアマ
ニキュア及び酸化染毛剤による汚れに対する落とし効果
の試験を行った。
【0026】
【表1】
【0027】該不織布に対する浸透性の試験結果を図1
2に示す。図12から該不織布に対する浸透性はスクア
ランを油性成分として配合する組成物2の方が流動パラ
フィンを油性成分として配合する組成物1に比べて僅か
に優れる傾向が認められた。
【0028】(汚れ落とし効果)ヘアマニキュア及び酸
化染毛剤による汚れに対する落とし効果を拭き取り後の
明度(L値)の100分率比と官能試験(5点評価法)
により観察した。その結果、表2に示すように、ヘアマ
ニキュア及び酸化染毛剤に対する汚れ落とし効果は、拭
き取り後の明度(L値)の100分率比で観察すると、
スクアランを油成分として配合する組成物2が流動パラ
フィンを油成分として配合した組成物1に比べて優れる
傾向が認められた。一方、官能試験の結果はヘアマニキ
ュア及び酸化染毛剤に対する汚れ落とし効果の評価点は
組成物1、組成物2とも、それぞれ3点であり同等の評
価が得られた。
【0029】
【表2】
【0030】更に、本特許の目的を果たし得る最適な組
成物を見い出すべく、これまでの実験から該不織布に対
する浸透性が優れた基剤についてヘアマニキュア及び酸
性染毛剤に対する汚れ落とし効果の観察を前記の(汚れ
落とし効果の試験方法)により行った。表3にその結果
を示す。
【0031】
【表3】
【0032】表3に示すように、ヘアマニキュアに対し
ては疎水性基剤類の中ではパルミチン酸イソプロピルが
顕著な汚れ落とし効果を発揮し、界面活性剤類の中では
硫酸化ヒマシ油が、次いで塩化セチルトリメチルアンモ
ニウムが最も優れた汚れ落とし効果を発揮した。
【0033】親水性基剤類の汚れ落とし効果はいずれも
優れているが、中でもプロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール600及びエチレングリコールメチルエ
ーテルの効果が最も優れ、次いでベンジルアルコールで
あった。
【0034】一方、酸性染毛剤に対しては親水性基剤類
よりも疎水性基剤類のパルミチン酸イソプロピル、流動
パラフィン、界面活性剤類のヤシ油脂肪酸アミドプロピ
ルベタインや硫酸化ヒマシ油等の効果が優れる結果が示
されたが、全般に単剤での汚れ落とし効果はヘアマニキ
ュアに対するよりも劣る傾向が観察された。
【0035】以上の実験結果からヘアマニキュア並びに
酸化染毛剤に対し、ともに単剤で優れた汚れ落とし効果
を発揮し該不織布への浸透性が優れ、且つ皮膚への安全
性を考慮して本特許の目的を果たし得る汚れ落とし組成
物に適する素材としては、パルミチン酸イソプロピル、
流動パラフィン、硫酸化ヒマシ油、塩化セチルトリメチ
ルアンモニウム、ポリエチレングリコール600、エチ
レングリコールエチルエーテル及びベンジルアルコール
等が挙げられる。
【0036】以上の検討結果から、該不織布に含浸させ
て本発明の目的を果たし得る汚れ落とし組成物3〜10
を製造した。その組成を表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】(汚れ落とし組成物3〜10の製造法):
表4に示す油性成分とその乳化剤である界面活性剤を夫
々、乾いた容器に秤取し、70〜80℃に加温融解す
る。次いで適量の精製水に表4に示すヘアマニキュアや
染毛剤の溶解補助剤の内、ベンジルアルコール及びエタ
ノール以外の夫々の成分を溶解し90〜95℃に加温
し、先の加温融解液へ攪拌しながら徐々に添加し、室温
まで冷却後、ベンジルアルコール及びエタノールを加
え、更に適量の精製水を加えて全量を100mlとす
る。
【0039】(汚れ落とし組成物3〜10の該不織布へ
の浸透性):前記の(不織布への浸透性の試験方法)に
より精製水を対照として該不織布への浸透性を測定した
結果を表5に示す。
【0040】
【表5】
【0041】該不織布への浸透性は、表5に示すように
組成物3、組成物4および組成物6が優れ、組成物7の
浸透性が最も劣ることが判った。一方、全ての試料につ
いて粘度計(株式会社東京計器製B型粘度計;形式BL
2号ローター;25℃)にて粘度を測定したところ、
20〜30センチポワズの範囲であり、中でも組成物7
の粘度が最も高い値を示した。
【0042】このことから、本発明で用いる汚れ落とし
組成物の粘度は30センチポワズ以下が望ましく、20
センチポワズ以下がより好ましい。
【0043】そのためには、汚れ落とし組成物に配合す
る油性成分、界面活性剤及び溶解補助剤等の配合量の総
和は40重量%以下が好ましく、25重量%以下がより
好ましい。
【0044】なお、汚れ落とし組成物3〜10の25℃
におけるpHの実測値は5.38〜7.40の範囲で、
中性〜弱酸性域を呈した。一般に酸化染毛剤の多くはア
ルカリ性を呈することから、また、皮膚に対する安全性
からも、汚れ落とし組成物のpHは中性〜弱酸性域であ
ることが望ましい。
【0045】(実施例2)実施例1と同様にして該不織
布1枚(サイズ:100×140mm)当たり汚れ落と
し組成物3を1.3ml含浸させて本発明のステインリ
ムーバーを製造した。先に述べた(汚れ落とし効果の試
験方法)によりヘアマニキュア及び酸化染毛剤に対する
汚れ落とし効果試験した。結果を表6に示す。
【0046】(実施例3〜9)組成物4〜10をそれぞ
れ用いる以外は実施例2と同様にして本発明のステイン
リムーバーを製造した。実施例2と同様にしてヘアマニ
キュア及び酸化染毛剤に対する汚れ落とし効果試験し
た。結果をまとめて表6に示す。
【0047】(比較例1)精製水を用いる以外は実施例
2と同様にして比較のステインリムーバーを製造した。
実施例2と同様にしてヘアマニキュア及び酸化染毛剤に
対する汚れ落とし効果試験した。結果を表6に示す。
【0048】
【表6】
【0049】表6に示すように、ヘアマニキュアに対す
る汚れ落とし効果は拭き取り後の明度(L値)の100
分率比からの観察結果からは、実施例8が最も優れ、次
いで、実施例2及び実施例7である。一方、官能試験評
価からは、実施例2並びに実施例9が最も優れ、次い
で、実施例7及び実施例8である。また、酸化染毛剤に
対する汚れ落とし効果は、拭き取り後の明度(L値)の
100分率比からの観察結果からは、実施例2並びに実
施例5が優れ、次いで、実施例3である。一方、官能試
験評価からは、実施例2が最も優れることが観察され
た。実施例2〜9は比較例1よりいずれも優れている。
【0050】以上の試験結果から本発明で用いる汚れ落
とし組成物は下記の油性成分、界面活性剤、溶解補助
剤、溶解剤などの成分から成ることが好ましいことが判
った。
【0051】本発明で用いる油性成分としては、流動パ
ラフィン、スクアラン、パルミチン酸イソプロピル、ミ
リスチン酸イソプロピル、オリーブ油、オクチルドデカ
ノール、フェノキシイソプロパノール、イソステアリン
酸等を夫々、あるいは、組み合わせて全体の1〜8重量
%、好ましくは2〜5重量%配合する。
【0052】本発明で用いる界面活性剤は油成分の乳
化、可溶化剤として配合されるものであり、人の皮膚に
対して安全上の懸念がなく、且つ該不織布への浸透性が
優れた非イオン界面活性剤のポリオキシエチレンオレイ
ルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルをそれぞれ、
あるいは組み合わせて5〜15重量%配合する。さら
に、硫酸化ヒマシ油を1〜5重量%、好ましくは1〜3
重量%配合する。
【0053】本発明で用いる溶解補助剤はヘアマニキュ
アおよび酸化染毛剤の溶解補助剤であり、ベンジルアル
コールを0〜5重量%、好ましくは3〜5重量%、より
好ましくは4〜5重量%、エチレングリコールメチルエ
ーテルを0〜7重量%、好ましくは3〜7重量%、より
好ましくは5重量%配合する。さらに、グリセリン、プ
ロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールを夫
々、あるいは、組み合わせて0〜10重量%、好ましく
は3〜10重量%、より好ましくは5〜8重量%配合す
る。また、平均分子量600以下のポリエチレングリコ
ール0〜15重量%、好ましくは、3〜15重量%、よ
り好ましくは5〜10重量%配合する。さらに、ヤシ油
脂肪酸プロピルベタインを0〜5重量%、好ましくは2
〜5重量%、より好ましくは3〜4重量%配合する。さ
らに、エタノールを5〜50容量%、好ましくは10〜
50容量%、さらに好ましくは10〜20容量%配合す
る。
【0054】溶解剤として、精製水または常水を加えて
全体として100mlの汚れ落とし組成物を調製する。
【0055】上記の汚れ落とし組成物の所定量を該不織
布へ含浸させて本発明のステインリムーバーを製造す
る。該不織布へ含浸させる汚れ落とし組成物の量は該不
織布の坪量、厚さなど、また汚れ落とし組成物の組成な
どにより異なるので、特に限定されない。該不織布に対
する汚れ落とし組成物の飽和含浸量以内の量で、ステイ
ンリムーバーの使用時に汚れ落とし組成物が滴下せず、
汚れを容易に除去できるように適宜決めることが好まし
い。
【0056】本発明のステインリムーバーを入れる包装
容器は特に限定されない。本発明の目的を果たし得る好
ましい包装容器の具体的な例としては、例えば、一定量
の汚れ落とし組成物(ステインリムーバー液)を含浸さ
せた該不織布を使用時に、一枚づつ取り出せる密閉可能
な取り出し口を設けた円筒型、角柱型、弁当箱型の合成
樹脂製の容器、及び、合成樹脂製又はアルミラミネート
フィルム中に封入したパウチタイプの容器などを挙げる
ことができる。
【0057】
【発明の効果】本発明のステインリムーバーは、処理後
に頭皮や生え際などに付着したヘアマニキュアや酸化染
毛剤などに対する汚れ落とし効果に優れる汚れ落とし組
成物を用い、かつ、汚れ落とし組成物を含浸させる不織
布として多数のマイクロクリンプを有する捲縮性に富む
不織布であって、しかも汚れ落とし組成物の浸透性や保
持性に優れる特定のセルロース不織布を用いたので、少
量の使用でも汚れ落とし機能を十分に発揮でき、拭き取
り操作が簡単であり、かつ染毛剤・パーマ液などの除去
効果に優れる。本発明の方法により容易に経済的にステ
インリムーバーを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いる不織布の繊維構造を示す説明
図である。
【図2】 本発明で用いる不織布の繊維構造を示す顕微
鏡写真である。
【図3】 綿繊維の繊維構造を示す説明図である。
【図4】 綿繊維の繊維構造を示す顕微鏡写真である。
【図5】 レーヨン繊維の8倍拡大図である。
【図6】 本発明で用いる不織布の繊維の8倍拡大図で
ある。
【図7】 疎水性基剤類(1)1%ヘキサン溶解液およ
びn−ヘキサンの不織布への浸透性を示すグラフであ
る。
【図8】 疎水性基剤類(2)1%ヘキサン溶解液およ
びn−ヘキサンの不織布への浸透性を示すグラフであ
る。
【図9】 界面活性剤類5%水溶液および精製水の不織
布への浸透性を示すグラフである。
【図10】 親水性基剤類(1)5%水溶液および精製
水の不織布への浸透性を示すグラフである。
【図11】 親水性基剤類(2)5%水溶液および精製
水の不織布への浸透性を示すグラフである。
【図12】 汚れ落とし組成物1および組成物2の不織
布への浸透性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 不織布 2 短繊維 3 加熱融着部 4 マイクロクリンプ 5 綿繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−57295(JP,A) 特開 平4−46111(JP,A) 特開 昭51−136976(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の微細な縮れ構造を有する短繊維が
    相互に加熱融着されたセルロース不織布に所定量の汚れ
    落とし組成物を含浸させたステインリムーバーであっ
    て、該汚れ落とし組成物が下記の(1)〜(4)から成
    ことを特徴とするステインリムーバー。 (1)油性成分; 流動パラフィン、スクアラン、パルミチン酸イソプロピ
    ル、ミリスチン酸イソプロピル、オリーブ油、オクチル
    ドデカノール、フェノキシイソプロパノール、 イソステアリン酸から選ばれる少なくとも1つ 1〜8重量%、 (2)界面活性剤; ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチ
    レンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウ
    リルエーテルから選ばれる少なくとも1つ 5〜15重量%、 硫酸化ヒマシ油 1〜5重量%、 (3)溶解補助剤; ベンジルアルコール 0〜5重量%、 エチレングリコールメチルエーテル 0〜7重量%、 グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールから選ばれる 少なくとも1つ 0〜10重量%、 平均分子量600以下のポリエチレングリコール 0〜15重量%、 ヤシ油脂肪酸プロピルベタイン 0〜5重量%、 エタノール 5〜50容量%、 (4)溶解剤; 精製水または常水を加えて組成物全体を100mlとす
    る。(但し、上記配合割合は組成物全体に対するもので
    ある)
  2. 【請求項2】 該セルロース不織布の繊維の捲縮数が1
    インチ間に20〜25個である請求項1記載のステイン
    リムーバー。
  3. 【請求項3】 該汚れ落とし組成物の25℃における粘
    度が30センチポアズ以下である請求項1あるいは請求
    記載のステインリムーバー。
  4. 【請求項4】 該汚れ落とし組成物の25℃におけるp
    Hが中性〜弱酸性域である請求項1ないし請求項3のい
    ずれかに記載のステインリムーバー。
  5. 【請求項5】 パルプを原料としてビスコース化し、紡
    糸直後にセルロースへの再生を一部分に留め、短繊維に
    カットした後、繊維を相互に加熱融着させ、更に繊維を
    自由収縮させてクリンプ(縮れ)を形成させた後、セル
    ロースへ再生して得られるセルロース不織布に所定量の
    汚れ落とし組成物を含浸させるステインリムーバーの製
    造方法であって、該汚れ落とし組成物が下記の(1)〜
    (4)から成ることを特徴とするステインリムーバーの
    製造方法。 (1)油性成分; 流動パラフィン、スクアラン、パルミチン酸イソプロピ
    ル、ミリスチン酸イソプロピル、オリーブ油、オクチル
    ドデカノール、フェノキシイソプロパノール、 イソステアリン酸から選ばれる少なくとも1つ 1〜8重量%、 (2)界面活性剤; ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチ
    レンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウ
    リルエーテルから選ばれる少なくとも1つ 5〜15重量%、 硫酸化ヒマシ油 1〜5重量%、 (3)溶解補助剤; ベンジルアルコール 0〜5重量%、 エチレングリコールメチルエーテル 0〜7重量%、 グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールから選ばれる 少なくとも1つ 0〜10重量%、 平均分子量600以下のポリエチレングリコール 0〜15重量%、 ヤシ油脂肪酸プロピルベタイン 0〜5重量%、 エタノール 5〜50容量%、 (4)溶解剤; 精製水または常水を加えて組成物全体を100mlとす
    る。(但し、上記配合割合は組成物全体に対するもので
    ある)
JP25611894A 1994-09-27 1994-09-27 ステインリムーバーおよびその製造方法 Expired - Lifetime JP3465001B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25611894A JP3465001B2 (ja) 1994-09-27 1994-09-27 ステインリムーバーおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25611894A JP3465001B2 (ja) 1994-09-27 1994-09-27 ステインリムーバーおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0892031A JPH0892031A (ja) 1996-04-09
JP3465001B2 true JP3465001B2 (ja) 2003-11-10

Family

ID=17288153

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25611894A Expired - Lifetime JP3465001B2 (ja) 1994-09-27 1994-09-27 ステインリムーバーおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3465001B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3629400B2 (ja) * 2000-04-19 2005-03-16 ポーラ化成工業株式会社 ヘアマニュキア用のリムーバー及びそれを構成要素とする、ヘアマニュキアセット
JP2001302450A (ja) 2000-04-21 2001-10-31 Kao Corp クレンジング材料
JP4699599B2 (ja) * 2000-11-30 2011-06-15 日本フイリン株式会社 水性粘着剤リムーバー
JP2003081810A (ja) * 2001-06-25 2003-03-19 Kanebo Ltd 酸性染毛剤用染着除去化粧料
DE10234259A1 (de) * 2002-07-27 2004-02-05 Beiersdorf Ag Tensidgetränktes Reinigungssubstrat
CA2599118C (en) * 2005-03-04 2012-05-01 The Procter & Gamble Company Methods of cleansing skin and rinse-off wipe-off compositions therefor
JP6513389B2 (ja) * 2014-12-24 2019-05-15 日本メナード化粧品株式会社 染着除去剤

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0892031A (ja) 1996-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2003272428B2 (en) Nonwoven products having a patterned indicia
RU2555510C2 (ru) Продукты из нетканых материалов с улучшенными свойствами переноса
ES2321941T3 (es) Articulo cosmetico adaptado al mojado y a la desintegrcion.
RU2260421C2 (ru) По существу сухое косметическое очищающее средство с повышенной способностью образовывать мыльную пену и с повышенной влажной гибкостью
JP2005537826A (ja) 化粧用コットンパッド
KR102312470B1 (ko) 개인 케어 및 가정용 세정을 위한 겔-와이프
CN109429482A (zh) 含有洗涤剂的无纺布纸巾及其制造方法
JP2005330637A (ja) 美容用具またはヘルスケア用具
JP2005330637A5 (ja)
JP3465001B2 (ja) ステインリムーバーおよびその製造方法
JP4054939B2 (ja) メイクアップ又は皮脂汚れ除去用顔洗浄用シート
KR200381099Y1 (ko) 마사지팩용 마스크
JP2009297535A (ja) 化粧用基材及びこれを用いた皮膚洗浄用シート
JP2007176850A (ja) シート状化粧料
JP2013124435A (ja) 化粧用シート
JP4471620B2 (ja) セルロース繊維不織布及びそれを用いた不織布製品
JP2005218525A (ja) 清拭用シート
JP2001261527A (ja) 湿潤用基材
JP4873836B2 (ja) 化粧用基材及びこれを用いた皮膚洗浄用シート
JP3793028B2 (ja) 皮膚洗浄用シート
JPH05156557A (ja) 複合不織布
EP3650082B1 (en) Dispersion including glitters for the preparation of humidifying wipes
JP2004261440A (ja) ウェットティッシュ
WO2021192985A1 (ja) 不織布およびその製造方法、ならびに液体含浸シートおよび拭き取りシート
JP3517675B2 (ja) 染毛剤等の拭き取り材

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080829

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080829

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090829

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100829

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100829

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130829

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term