JP3459654B2 - 低脂肪スプレッド - Google Patents

低脂肪スプレッド

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JP3459654B2 JP51881099A JP51881099A JP3459654B2 JP 3459654 B2 JP3459654 B2 JP 3459654B2 JP 51881099 A JP51881099 A JP 51881099A JP 51881099 A JP51881099 A JP 51881099A JP 3459654 B2 JP3459654 B2 JP 3459654B2
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明日香 田尻
修 木村
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    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23DEDIBLE OILS OR FATS, e.g. MARGARINES, SHORTENINGS, COOKING OILS
    • A23D7/00Edible oil or fat compositions containing an aqueous phase, e.g. margarines
    • A23D7/015Reducing calorie content; Reducing fat content, e.g. "halvarines"

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  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、口溶けが良好で、口中に含んだときすみや
かに口中で解乳化し、良好な風味の広がる有塩低脂肪ス
プレッドに関する。
背景技術 平成7年に実施された国民栄養調査では脂肪の摂り過
ぎが指摘され、また、健康志向の高まり等から、低脂肪
化したチーズ、クリームなどの油脂製品の需要は堅調に
伸びている。しかしながら、低脂肪タイプのスプレッド
に関しては、その需要が減少傾向にある。
低脂肪スプレッドは、通常のスプレッドと同様に、油
相と水相よりなる油中水型乳化物を冷却、固化、練圧し
て製造される油中水型乳化油脂組成物の一種である。こ
れらを製造する際、油相と水相という、そのままでは混
ざり合わない性質を有する二つの層を油中水型乳化物に
なるように、乳化、分散させるが、両相の比率や乳化、
分散の方法によっては、乳化時やその後の殺菌工程、冷
却、固化工程において相の転換が生じたり、製品組織が
粗くなったりするなど、生産上の問題や製品の品質を著
しく低下させるなどの問題点があった。特に、低脂肪ス
プレッドの場合、油相に対して水相の比率が通常のスプ
レッドよりも高く、乳化状態が不安定であるので、前記
のような問題点が生じやすい。そこで、このような問題
点を解決するために、低脂肪スプレッドの製造には、乳
化力の強い乳化剤を添加したり、多量の乳化剤と安定剤
を添加する必要があった。このため、低脂肪スプレッド
は口に入れたときに乳化が破壊されず、口中で良好な風
味が十分に広がらない、口溶けが悪いなどの問題点があ
り、消費者に好まれない傾向があった。
本発明は従来技術におけるこのような欠点を解決しよ
うとするものである。すなわち、本発明は、口溶けが良
好で、口に含んだときにすみやかに口中で乳化が破壊さ
れ(以下、乳化が破壊されることを解乳化という)、良
好な風味が広がり、かつ製造上の問題の発生しない有塩
低脂肪スプレッドを提供することを課題とする。
発明の開示 本発明者らは上記課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、
スプレッドの解乳化特性を電気伝導度の値の変化を用い
て示すことが可能であること、そして、この知見をもと
に、口中で良好に解乳化する低脂肪スプレッドの条件
を、その電気伝導度の変化を測定することで設定できる
ことを、新たに見い出し、本発明を完成した。
本発明の有塩低脂肪スプレッドは、乳化剤として、ポ
リグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、グリセリン
脂肪酸エステル及び有機酸モノグリセリドを含有し、脂
肪率40重量%以下であって、36℃付近における電気伝導
度が300秒以内に0.1mS/cm以上への上昇を示すことを特
徴とする。
また、本発明の有塩低脂肪スプレッドの製造方法の1
態様は、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを
0.01〜0.35重量%及びグリセリン脂肪酸エステルを0.3
〜0.8重量%含有する油相40重量%以下に、60重量%以
上の水相を、乳化、分散させる工程を有することを特徴
とする。
また、本発明の有塩低脂肪スプレッドの製造方法の他
の態様は、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル
を0.01〜1.0重量%、グリセリン脂肪酸エステルを0.1〜
1.0重量%及び有機酸モノグリセリドを0.05〜1.0重量%
含有する油相40重量%以下に、60重量%以上の水相を、
乳化、分散させる工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、口溶けが良好で、口に含んだときに
すみやかに口中で解乳化し、良好な風味が広がる低脂肪
スプレッドを得ることができる。
図面の簡単な説明 図1は、本発明における電気伝導度の測定に使用し得
る装置の概要を示す図である。
図2は、従来のスプレッドにおける電気伝導度の変化
を示す図であり、実線は従来の脂肪率が71重量%のスプ
レッドについて、破線は従来の脂肪率39重量%のスプレ
ッドについての変化を示すものである。
図3は、スプレッドの調製及び解乳化に対する脂肪率
とグリセリン脂肪酸エステルの配合量の影響を示す図で
ある。
図4は、スプレッドの調製及び解乳化に対する脂肪率
とポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルの配合量
の影響を示す図である。
図5は、脂肪率20重量%におけるスプレッドの調製及
び解乳化に対するグリセリン脂肪酸エステルとポリグリ
セリン縮合リシノレイン酸エステルとの配合量の影響を
示す図である。
図6は、実施例1及び比較例1で得られたスプレッド
の電気伝導度の変化を示す図であり、実線は実施例1に
おける変化を、破線は比較例1における変化を示す。
図7は、脂肪率20重量%におけるスプレッドの解乳化
に対する有機酸モノグリセリドの影響を示す図である。
領域Aは、グリセリン脂肪酸エステルとポリグリセリン
縮合リシノレイン酸エステルのみを用いた場合に解乳化
が起きるこれらの配合を示し、領域Bは有機酸モノグリ
セリドの添加によって更に解乳化可能となった配合を示
す。
図8は、実施例2で得られたスプレッドの電気伝導度
の変化を示す図である。
発明を実施するための最良の形態 本発明における電気伝導度とは、電解質水溶液中の電
流の流れやすさを示す指標のことであり、常法により測
定可能である。本発明では、スプレッドを脱イオン水中
に置いた状態で、脱イオン水の電気伝導度を測定し、ス
プレッドが解乳化した場合、すなわち乳化が壊れて水相
に含まれている食塩等の電解質が脱イオン水中に放出さ
れた際の電気伝導度の変化が測定され、その変化によっ
てスプレッドの解乳化特性が判定される。
図1に本発明における試料スプレッドの解乳化特性を
判定するための電気伝導度の変化を測定する装置の一例
を示す。この装置での電気伝導度の測定は、試料が直接
電極に触れないよう2つのビーカーをネットを挟んで連
結させ、そして口中温度とほぼ同等の36℃の脱イオン水
に試料を添加した状態で行うことができる。電気伝導度
の値は、水に添加された試料スプレッドが解乳化した時
に、水槽中にスプレッドの水相に含有される塩分が放出
され、それにより電気伝導度が上昇する。スプレッドの
場合、口溶けが良く、食べたときに口中に良好な風味が
広がるためには、通常体温付近(36℃付近、例えば35〜
37℃)で解乳化するものが好ましい。
従来の脂肪率が50重量%以上のスプレッドの36℃にお
ける電気伝導度を測定すると、例えば脂肪率71重量%、
食塩含量1.0重量%のスプレッドでは図2の実線に示す
ように、1050秒付近で、0.63mS/cm、1500秒付近で0.65m
S/cmを示す。一方、従来の脂肪率39重量%、食塩含量1.
3重量%の低脂肪スプレッドは、図2の破線で示すよう
に200秒付近でわずかに電気伝導度が上昇するだけで、
その後ほとんど上昇しない。
低脂肪スプレッドは、通常のスプレッドに比べ油相に
対して水相の比率が高いため、通常の脂肪率のスプレッ
ドに用いられているグリセリン脂肪酸エステル(以下、
MGと略す)等の乳化剤では、乳化が充分に行なわれな
い。そこで、低脂肪スプレッドの製造においては、一般
に、乳化力が強いと言われるポリグリセリン縮合リシノ
レイン酸エステル(以下、PGPRと略す)等が用いられて
いる。しかしながら、このような乳化剤は乳化力が強い
ことから、食べたときに口中で乳化が壊れにくいため、
風味が広がらず味に乏しかった。そこで、本発明では、
口中ですみやかに解乳化する低脂肪スプレッドを得るた
めに、電気伝導度の値を用いて、スプレッドの脂肪率と
用いる乳化剤について、検討を行なった。
本発明では、電気伝導度を解乳化の指標とするが、36
℃付近での電気伝導度が300秒以内に0.1mS/cm以上まで
上昇するものであるときに、解乳化が良好であることを
示す。この電気伝導度の上限は、主に塩分に応じて決ま
り、例えば、塩分2.0重量%で約1.4mS/cm、塩分1.5重量
%で約1.1mS/cm、塩分1.3重量%で約0.9mS/cmに設定す
ることができる。
まず、乳化剤としてMGのみを用いた場合について検討
すると、スプレッド調製の可否及び解乳化の可否に対す
るMGと脂肪率との関係を示す図3からわかるように、脂
肪率40重量%でMGは0.8重量%添加することで、電気伝
導度の値が0.6mS/cmとなり、解乳化した。しかしなが
ら、MGを0.8重量%添加するということは、風味の点で
好ましくない。しかも脂肪率が40重量%以下のスプレッ
ドを得るには、添加量を0.8重量%以上としなくてはな
らない。よって、MGのみでは風味の良好な脂肪率40重量
%以下の低脂肪スプレッドを調製することはできない。
次に、低脂肪スプレッドの調製の際に、最も一般的に
用いられているPGPRについて検討すると、図4に示すよ
うに脂肪率が40重量%の低脂肪スプレッドの場合、PGPR
を0.1重量%添加すれば、乳化は可能なものの、得られ
た乳化物を低温(5℃)で保持しておくと、離水を生
じ、スプレッドとしての適性を有しないものとなる。従
って、解乳化については検討することができない。ま
た、PGPRを0.2重量%以上添加すると、スプレッドは調
製できるが解乳化は生じない。
さらに、上記の2種の乳化剤の併用について検討し
た。検討は脂肪率20重量%の低脂肪スプレッドについて
おこなった。実施例1に示すように低脂肪スプレッドを
調製し、PGPR及びMGの添加量を種々検討したところ、PG
PRとMGの添加率を一定値とすることで、36℃付近での電
気伝導度の値が300秒以内に0.1mS/cm以上に上昇し(図
6)、解乳化することがわかった。PGPR及びMGの添加量
の範囲については、解乳化する点と解乳化しない点、さ
らにスプレッドとして調製不可である点を図5に示す。
すると、図5から明らかなように、PGPRを0.15〜0.35重
量%、MGを0.3〜0.5重量%の範囲で添加することによ
り、脂肪率20重量%の低脂肪スプレッドが、解乳化する
ことがわかった。また、脂肪率40重量%の低脂肪スプレ
ッドについて検討すると、PGPRを0.01〜0.35重量%、MG
を0.5〜0.8重量%の範囲で添加することにより、解乳化
した。このことから、脂肪率40重量%以下の低脂肪スプ
レッドは、乳化剤としてPGPRを0.01〜0.35重量%及びMG
を0.3〜0.8重量%添加することにより、口中温度で、す
みやかに解乳化する低脂肪スプレッドが得られることが
わかる。
一方、乳化剤として、PGPRとMGに加えて有機酸モノグ
リセリドを組み合わせることで、電気伝導度の上昇速度
を更に高める、すなわち解乳化性を向上させることがで
きる。すなわち、図5と図7の比較から、PGPR及びMGの
みでは解乳化しない点(例えば図5のMG0.5重量%及びP
GPR0.4重量%の解乳化不可領域内の点)においても、有
機酸モノグリセリドを添加することで解乳化が起き、解
乳化性が向上している。
これらの乳化剤を組み合わせる場合の各乳化剤の配合
量としては、例えばPGPRを0.01〜1.0重量%、MGを0.1〜
1.0重量%及び有機酸モノグリセリドを0.05〜1.0重量%
とすることができる。
本発明において用い得るPGPRとしては、縮合リシノレ
イン酸ヘキサグリセリンエステルなど通常スプレッドの
製造に使用されるものであればいずれでも良い。
MGとしては不飽和蒸留モノグリセリドなど通常スプレ
ッドの製造に使用されるものであればいずれでも良い。
有機酸モノグリセリドとしては、クエン酸モノグリセ
リド、コハク酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノ
グリセリド、乳酸モノグリセリド及び酢酸モノグリセリ
ド等を挙げることができ、これらの1種以上を必要に応
じて用いることができる。また、クエン酸モノグリセリ
ドを用いる場合の配合量としては0.05〜0.2重量%が、
コハク酸モノグリセリドを用いる場合の配合量としては
0.2〜0.4重量%が、ジアセチル酒石酸モノグリセリドを
用いる場合の配合量としては0.2〜0.4重量%が、乳酸モ
ノグリセリドを用いる場合の配合量としては0.3〜1.0重
量%が、酢酸モノグリセリドを用いる場合の配合量とし
ては0.6〜0.9重量%がより好ましい。
以下、本発明の低脂肪スプレッドの調製について説明
する。本発明の低脂肪スプレッドの製造における各処理
操作は公知の方法に従って行うことができる。まず、参
考として、PGPR0.01〜0.35重量%及びMG0.3〜0.8重量%
含有する油相に、60重量%以上の水相を乳化、分散させ
て乳化物を得ることができる。この乳化物を、必要に応
じて、常法により殺菌、急冷可塑化して有塩低脂肪スプ
レッドを得ることができる。
これに対し、本発明にかかる有塩低脂肪スプレッド
は、PGPRを0.01〜1.0重量%、MGを0.1〜1.0重量%及び
有機酸モノグリセリドを0.05〜1.0重量%含有する油相
に、60重量%以上の水相を乳化、分散させて乳化物を得
ることができる。この乳化物を、必要に応じて、常法に
より殺菌、急冷可塑化して有塩低脂肪スプレッドを得る
ことができる。
ここでいう油相とは、油脂及び油脂性原料から構成さ
れるものをいい、例えば、通常のスプレッドの製造分野
で用いられているものが利用できる。具体的には、植物
油脂、動物油脂及びこれらの硬化油、エステル交換油、
分別油、乳脂等のいずれでも、あるいはこのような油脂
を組み合わせたものであっても、それが低脂肪スプレッ
ドとして要求される製品硬度を満たすような固体脂であ
れば、いずれでも使用することができる。油相の配合量
としては、40重量%以下とされ、その下限は、スプレッ
ドとしての特性が得られる程度とされ、例えば20重量%
とするのが好ましい。
一方、本発明で用られる水相とは、水及び水溶性原料
から構成されるものをいい、例えば、通常のスプレッド
の製造分野で用いられているものが利用できる。なかで
も、後述する理由から、蛋白質を含む水性材料、例え
ば、生乳、牛乳、脱脂乳、還元脱脂乳等を用いることで
より良好な解乳化作用を得ることができるので好まし
い。
水相には、この他に、塩分、ゼラチン等の安定剤、香
料等の水溶性成分を添加することができる。塩分として
は、食塩が主体として用いられ、その添加量としては0.
8〜1.5重量%、好ましくは1.0〜1.3重量%程度とするこ
とができる。
このようにして得られる低脂肪スプレッドは、脂肪率
40重量%以下であって、36℃付近における電気伝導度が
300秒以内に0.1mS/cm以上に上昇することを特徴とする
ものとなる。この電気伝導度の測定は、電極(HORIBA
3582−10D)と導電率メーター(HORIBA ES−12)を用
いて行なうことができ、図1に示すように電極に触れな
いよう2つのビーカーをネットを挟んで連結させ、口中
温度とほぼ同等の36℃の水相400gに試料10gを添加し、
水相の電気伝導度を測定することにより、得られる値で
ある。水相は、恒温槽(東京理化器械PCC−7000)を用
いて温度を36℃と一定にして、スターラーにより約120r
pmで攪拌する。この時の電気伝導度の経時的変化は、電
圧測定装置(HP3852A)で読み込み算出された値をmS/cm
で示す。電気伝導度は、スプレッドの水相中に含有され
る塩分の放出により、測定するため、水相中には塩分が
含有されることが必要となる。通常のスプレッドには、
約1重量%含有され、本発明においても同量の塩分が含
有されればよい。また、本発明の低脂肪スプレッドは、
36℃付近で解乳化するが、これによりスプレッド水相中
に含有される塩分が放出され、電気伝導度が上昇する。
このように36℃付近で解乳化することにより水相中に含
有される塩分とともに香料などの成分も放出され、良好
な風味が口の中に広がるのである。
本発明の低脂肪スプレッドは、食べたときにスプレッ
ドが口中で解乳化し、良好な風味が広がるものである
が、このような低脂肪スプレッドを得るには、乳化剤の
種類、その組み合わせ、さらにそれらの添加量が重要な
要素となるが、これ以外にも水相に添加する水相添加物
も解乳化に大きな影響を与える。すなわち、生乳、牛
乳、脱脂乳、脱脂粉乳のようなタンパク質を含有するも
のであれば、36℃において、300秒以内の電気伝導度の
上昇がみられる。なぜ、タンパク質が解乳化に効果を示
すかということについて、明らかにされていないがタン
パク質と乳化剤との相互作用によるものと考えられる。
以下、参考例、実施例及び比較例を示して、本発明を
詳細に説明する。
参考例1 表1に示す配合に従い低脂肪有塩スプレッドを調製し
た。まず、油脂に乳化剤を添加しこれを60℃に保持しな
がら攪拌し、油相を調製した。次いで、水に食塩、ゼラ
チンを添加し、溶解混合し、均一な水相を調製した。得
られた油相に水相を攪拌しながら加え乳化させた。得ら
れた乳化物を80℃で殺菌し、コンビネーター及びボテー
ターを急冷可塑化機として用い、5℃に冷却可塑化し
て、スプレッドを得、参考品1とした。
比較例1 表2に示す配合に従い、低脂肪有塩スプレッドを調製
した。スプレッドの調製は、実施例1と同様に行い、ス
プレッドを得、比較品1とした。
参考例1及び比較例1で得られた各低脂肪有塩スプレ
ッドを5℃に保存し、36℃での電気伝導度を測定した。
電気伝導度の測定は、図1に示すように電極(HORIBA
3582−10D)に触れないように恒温槽(東京理化器械P
CC−7000)に2つのビーカーを入れ、これをネットを挟
んで連結させ、ビーカー中の脱イオン水からなる水相
(400g)の温度を36℃と一定にした。ビーカーの底部に
はスターラーを配置した。一方のビーカーに試料を10g
添加し、他方に電極を挿入した。両方のビーカー中の水
をスターラーにより120rpmで攪拌し、電気伝導度の変化
を電圧測定装置(HP3852A)で読み込み、算出された値
をmS/cmで示した。結果を図6に示す。
図6から明らかなように、参考品1(実線)は300秒
以内で、0.1mS/cm以上にまで上昇し、口中温度での解乳
化が良好であることがわかった。一方、比較品1(破
線)は電気伝導度が上昇せずに、口中温度では解乳化し
なかった。
実施例1 表3に示す配合に従い低脂肪有塩スプレッドを調製し
た。まず、油脂に乳化剤を添加しこれを60℃に保持しな
がら攪拌し、油相を調製した。次いで、水に食塩、ゼラ
チンを添加し、溶解混合し、均一な水相を調製した。得
られた油相に水相を攪拌しながら加え乳化させた。得ら
れた乳化物を80℃で殺菌し、コンビネーター及びボテー
ターを急冷可塑化機として用い、5℃に冷却可塑化し
て、スプレッドを得、本発明品1とした。
得られた本発明品1の電気伝導度を参考品1と同様の
方法で測定し、得られた結果を図8に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23D 7/00 - 7/015 A23L 1/035

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳化剤として、ポリグリセリン縮合リシノ
    レイン酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル及び有機
    酸モノグリセリドを含有し、脂肪率40重量%以下であっ
    て、36℃付近における電気伝導度が300秒以内に0.1mS/c
    m以上に上昇することを特徴とする有塩低脂肪スプレッ
    ド。
  2. 【請求項2】脂肪率が20〜40重量%である請求項1に記
    載の有塩低脂肪スプレッド。
  3. 【請求項3】乳化剤として、ポリグリセリン縮合リシノ
    レイン酸エステルを0.01〜1.0重量%、グリセリン脂肪
    酸エステルを0.1〜1.0重量%及び有機酸モノグリセリド
    を0.05〜1.0重量%用いて、油相と水相とを乳化するこ
    とによって得られ、摂取の際に口中で解乳化することを
    特徴とする有塩低脂肪スプレッド。
  4. 【請求項4】ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステ
    ルを0.01〜1.0重量%、グリセリン脂肪酸エステルを0.1
    〜1.0重量%及び有機酸モノグリセリドを0.05〜1.0重量
    %含有する油相40重量%以下に、60重量%以上の水相
    を、乳化、分散させる工程を有することを特徴とする有
    塩低脂肪スプレッドの製造方法。
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