JP3452985B2 - 複合材料加工用コアドリル - Google Patents

複合材料加工用コアドリル

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JP3452985B2
JP3452985B2 JP21731494A JP21731494A JP3452985B2 JP 3452985 B2 JP3452985 B2 JP 3452985B2 JP 21731494 A JP21731494 A JP 21731494A JP 21731494 A JP21731494 A JP 21731494A JP 3452985 B2 JP3452985 B2 JP 3452985B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、難削材を含む複数種類
の材料が積層されてなる複合材料に形成された下穴の内
周面を加工するための複合材料用コアドリルに関するも
のである。 【0002】 【従来の技術】難削材を含む複数種類の材料が積層され
てなる複合材料に形成された下穴をそのリーマ加工など
に先立って拡径する際には、据置型回転駆動装置或いは
手持型回転駆動装置に装着されたコアドリルが、回転駆
動されつつその下穴内へ前進させられる。 【0003】 【発明が解決すべき課題】ところで、上記複合材料に
は、たとえばβチタン、チタン合金などの耐食性や比強
度の高い構造材が積層されるが、その構造材は難削材で
あるため、たとえば図7に示す従来のコアドリル80に
より仕上げ穴精度、仕上げ面粗さが充分に得られず、ま
た加工変質層の厚さを充分に薄く抑えることができなか
った。たとえば、航空機のスポイラー、ラダー、エレベ
ータなどに用いられる複合材料では、たとえばβチタ
ン、CFRP(カーボン繊維強化型樹脂)、アルミニウ
ム合金などが厚さ1mm程度の合成樹脂接着剤であるリ
キッドシムを介して積層されているが、βチタンの切削
時にはそのスプリングバック作用によって切削抵抗が極
めて大きくなることから、高接触圧下の摺動摩擦や切り
くずの巻き込みによって仕上がり穴精度や内周仕上げ面
の精度が低下するとともに、摩擦熱によって発生する加
工変質層が厚くなる欠点があった。また、切れ刃から発
生する切りくずの搬送される過程で、上記βチタンやC
FRPを相互に接着するリキッドシムを切りくずが接触
するので、そのリキッドシム部分の内周径が拡大される
欠点があった。さらに、難削材であるβチタンの切削
や、カーボン繊維の含有率の高いCFRPの切削によっ
て切れ刃が摩耗し易いので、コアドリルの寿命が短縮さ
れるとともに、CFRP側の穴の出口においてカーボン
繊維が毛羽立つという欠点もあった。 【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、難削材を含む複
数種類の材料が積層されてなる複合材料の下穴の内周面
を加工するに際し、仕上がり穴精度や内周仕上げ面の精
度が得られ、加工変質層の厚みを抑制し、リキッドシム
部分の内周径が拡大されないようにし、しかも耐久寿命
を長くしてカーボン繊維の毛羽立ちを防止できる複合材
料用コアドリルを提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】斯る目的を達成するため
の、本発明の要旨とするところは、シャンク部および円
柱状の刃部を備え、難削材を含む複数種類の材料が積層
されてなる複合材料に形成された下穴をその刃部によっ
て拡径加工する複合材料加工用コアドリルにおいて、先
端部に向かうに従って予め設定された回転方向と反対方
向へねじれるねじれ溝を前記刃部に形成してその回転方
向に対向する内壁面と外周面との間にリーディングエッ
ジを設け、前記刃部の先端から前記シャンク部に向かう
に従って外径が増加する食付き部を形成し、溝底が先端
部に向かうに従って中心軸に接近するスパイラルポイン
ト溝を前記ねじれ溝の先端側に形成することによりその
スパイラルポイント溝とそれに隣接するランドとの間の
稜線によって主切れ刃を構成し、そのスパイラルポイン
ト溝の軸方向長さがコアドリル径に対する比の0.4〜
1.5とし、そのスパイラルポイント溝の中心線に対す
る傾斜角が25〜60°としたことにある。 【0006】 【作用】このようにすれば、先端部に向かうに従って予
め設定された回転方向と反対方向へねじれるねじれ溝を
前記刃部に形成してその回転方向に対向する内壁面と外
周面との間にリーディングエッジを設け、前記刃部の先
端から前記シャンク部に向かうに従って外径が増加する
食付き部を形成し、溝底が先端部に向かうに従って中心
軸に接近するスパイラルポイント溝を前記ねじれ溝の先
端側に形成することによりそのスパイラルポイント溝と
それに隣接するランドとの間の稜線によって主切れ刃を
構成し、そのスパイラルポイント溝の軸方向長さをコア
ドリル径に対する比の0.4〜1.5とし、そのスパイ
ラルポイント溝の中心線に対する傾斜角を25〜60°
としているので、専ら切削に関与する食付き部の主切れ
刃の切れ味が高められて切削抵抗が好適に低減される。
また、先端部に向かうに従って予め設定された回転方向
と反対方向へねじれるようにリーディングエッジが設け
られ且つその先端部側にはスパイラルポイント溝が形成
されているので、上記主切れ刃から発生した切りくずは
前方すなわちコアドリルの先端方向へ排出される。 【0007】上記スパイラルポイント溝の軸方向長さが
コアドリル径に対する比の0.4未満となると、スパイ
ラルポイント溝が浅くなって食付き部の主切れ刃のすく
い角が得られなくなる。また、スパイラルポイント溝の
軸方向長さがコアドリル径に対する比の1.5を超える
と、主切れ刃の切れ味を高める効果が飽和すると同時
に、スパイラルポイント溝が深くなって主切れ刃或いは
ランドの剛性が低くなり、コアドリルの耐久寿命が短く
なる。 【0008】上記スパイラルポイント溝の中心線に対す
る傾斜角が25°未満となると、そのスパイラルポイン
ト溝の長さが長くなって主切れ刃或いはランドの剛性が
低くなり、コアドリルの耐久寿命が短くなるとともに、
主切れ刃から発生する切りくずの形状が詰まったカール
状となるため、切りくずの排出が困難となる。反対に、
上記スパイラルポイント溝の中心線に対する傾斜角が6
0°を超えると、主切れ刃から発生する切りくずの形状
が長く伸びた形状となってその排出が困難となるととも
に、主切れ刃の長さを確保できなくなる。 【0009】 【発明の効果】したがって、本発明によれば、ねじれ溝
の先端部にスパイラルポイント溝を形成することにより
そのスパイラルポイント溝とそれに隣接するランドとの
間の稜線によって主切れ刃を構成し、そのスパイラルポ
イント溝の軸方向長さがコアドリル径に対する比の0.
4〜1.5とし、そのスパイラルポイント溝の中心線に
対する傾斜角が25〜60°としている結果、専ら切削
に関与する食付き部の主切れ刃の切れ味が高められ、β
チタンのような難削材によるスプリングバック作用の下
でも切削抵抗が好適に低減されるので、仕上がり穴精度
や内周仕上げ面の精度が高くなるとともに、加工変質層
の厚みが抑制される。また、先端部に向かうに従って予
め設定された回転方向と反対方向へねじれるようにねじ
れ溝が設けられ且つその先端部側にはスパイラルポイン
ト溝が形成されている結果、主切れ刃から発生した切り
くずは前方すなわちコアドリルの先端方向へ排出される
ので、リキッドシム部分の内周径が拡大されない。さら
に、難削材であるβチタンの切削や、カーボン繊維の含
有率の高いCFRPの切削によっても、上記のように高
接触圧下の摺動摩擦が軽減される結果、切れ刃が摩耗し
難くなってコアドリルの寿命が長くされるので、CFR
P側の穴の出口においてカーボン繊維が毛羽立つという
ことも好適に解消される。 【0010】ここで、好適には、前記リーディングエッ
ジは、高速度鋼、超硬合金、ダイヤモンド超高圧焼結体
のいずれかから構成される。 【0011】また、好適には、前記コアドリルの刃部の
表面には、チタン(Ti)と、アルミニウム(Al)、
炭素(C)、および窒素(N)のうちの少なくとも1つ
とから成る硬質被膜、たとえばTiC、TiN、TiA
lNなどが1〜5μmの厚さで設けられる。 【0012】また、好適には、前記シャンク部には、軸
方向にのびて前記ねじれ溝に連通するクーラント案内溝
が形成され、切削中の主切れ刃に対してそのクーラント
案内溝、ねじれ溝、およびスパイラルポイント溝を介し
てクーラントが供給される。このようにすれば、切削熱
がより低減されるので、仕上がり穴精度や内周仕上げ面
の精度が高くなるとともに、加工変質層の厚みが一層抑
制される。 【0013】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、コアドリル10の側面図であ
り、図2は、上記コアドリル10の先端部に設けられた
スパイラルポイント溝50の角度βを示す図であり、図
3は上記コアドリル10の先端面を示す図であり、図4
は上記コアドリル10の後端面を示す図である。 【0014】上記コアドリル10は、たとえば図5およ
び図6に示す複合材料12および14に形成された下穴
16および18の内周面を拡径して仕上げ加工するため
に、据置型回転駆動装置或いは手持型回転駆動装置に装
着されて回転駆動されつつ、その下穴16および18内
で軸方向へ前進させられる。 【0015】上記複合材料12は、たとえば耐食性およ
び比強度の高いβチタン20とCFRP(カーボン繊維
強化型樹脂)22とが合成樹脂接着剤であるリキッドシ
ム24によって張り合わせられることにより構成された
2層型の航空機用のパネル材である。また、上記複合材
料14は、βチタン20、CFRP22、およびβチタ
ン20が順次積層され且つリキッドシム24によってそ
れぞれ張り合わせられることにより構成された3層型の
航空機用のパネル材である。上記βチタン20およびC
FRP22は、たとえば10mm程度の厚みを備えた板
材であり、上記リキッドシム24はたとえば0.5mm
程度の厚みに形成される。 【0016】上記コアドリル10は、全体として円柱状
を成し、図示しないチャック装置によって把持されるた
めのシャンク部30と、リーディングエッジ40が形成
された刃部32とを備えている。この刃部32には、先
端部に向かうに従って予め設定された回転駆動方向(右
まわり方向)Aと反対方向へねじれ角θが25°程度で
ねじれる3本のねじれ溝34が周方向において等間隔で
形成されており、そのねじれ溝34の回転方向Aに対向
する内壁面と外周面すなわち正確にはランド38との間
の稜線に上記リーディングエッジ40が設けられてい
る。このリーディングエッジ40のすくい角は−16〜
−18°程度に形成されている。本実施例のねじれ溝3
4は回転駆動方向Aと反対方向へねじれることにより、
切りくず排出機能を備えておらず、専らクーラントを案
内する溝として機能している。このねじれ溝34の深さ
は、コアドリル径Dの0.2〜0.3の範囲内の値に設
定される。 【0017】上記刃部32には、中心軸Cに対する傾斜
角αが60°程度のテーパが形成されることにより、コ
アドリル径Dの0.5〜0.8の径寸法を有する先端面
42からシャンク部30に向かうに従って外径が増加す
る食付き部44と、その食付き部44に続いてシャンク
部30に向かうに従って外径がコアドリル径Dの定径部
46とが設けられている。 【0018】上記刃部32の先端部では、ねじれ溝34
に続いてスパイラルポイント溝50が形成されている。
このスパイラルポイント溝50は、ガン溝或いは副溝な
どと称されるものであり、図2に示すようにその溝底線
Mの中心線Cとの成す角度βは25°〜60°の範囲内
の値とされている。また、そのスパイラルポイント溝5
0の軸方向長さLは、コアドリル径Dの0.4〜1.5
の範囲内の値に設定されている。上記溝底線Mは図2の
紙面と平行である。 【0019】上記のスパイラルポイント溝50が形成さ
れる結果、食付き部44において、スパイラルポイント
溝50とランド38との間の稜線によって、26〜28
°のすくい角を有する主切れ刃52が構成される。この
主切れ刃52は、下穴12或いは14を拡径するための
切削を専ら行い、前記リーディングエッジ40は切削に
関与せず、専ら案内面として機能する。図3は、図1の
左端面視図であり、上記主切れ刃52付近を詳しく示し
ている。図において、54は11〜13°の逃げ角を有
する第1逃げ面であり、56は18〜22°の逃げ角を
有する第2逃げ面である。図3の1点鎖線はウエブを示
している。 【0020】そして、上記コアドリル10のシャンク部
30には、刃部32に形成されたねじれ溝34よりも幅
寸法が小さいがそれと同様の深さを有し且つ各ねじれ溝
34のシャンク部30側にそれぞれ連通する直線状の3
本のクーラント案内溝60が形成されている。図4に示
すように、そのクーラント案内溝60はコアドリル10
の後端面に達しており、後端面において放射状に形成さ
れた放射状溝62に連通させられている。このクーラン
ト案内溝60は、コアドリル径Dの0.1〜0.3の範
囲内の深さたとえば1.5mm程度の深さを備えてい
る。 【0021】ここで、上記コアドリル10は、通常は高
速度鋼により構成されるが、好適には、その刃部32或
いは食付き部44の表面に、チタン(Ti)と、アルミ
ニウム(Al)、炭素(C)、および窒素(N)のうち
の少なくとも1つとから成る硬質被膜、たとえばTi
C、TiN、TiAlNなどが1〜5μmの厚さで設け
られる。或いは、上記コアドリル10自体またはその刃
部32或いは食付き部44の表面は超硬合金またはダイ
ヤモンド超高圧焼結体により構成される。これらの場合
には、リーディングエッジ40または主切れ刃52は、
少なくとも超硬合金、ダイヤモンド超高圧焼結体のいず
れかから構成されることになる。 【0022】本発明者等の実験によれば、コアドリル径
Dが9.1mmであり、食付き部44(主切れ刃52)
の中心軸Cに対する傾斜角αが60°であり、スパイラ
ルポイント溝50の中心軸Cに対する傾斜角βが30°
であり、スパイラルポイント溝50の軸方向長さLが
0.45Dであり、先端面42の径dが0.65Dであ
り、ねじれ溝34のねじれ角θが25°であり、ねじれ
溝34の幅および深さが2.5mmおよび1.8mmで
あり、クーラント案内溝60の底の径が0.55Dであ
り、材質が超硬合金であるコアドリル10を用いて、切
削速度18.5m/min(650min-1)、送り量
0.05mm/rev、クーラント使用という切削条件
下で、前記複合材料12の下穴16を7.5mmから
9.1mmに加工すると、図7に示す従来のコアドリル
80に比較して、充分な穴精度が得られるとともに、加
工変質層の厚みが大幅に抑制されて10μm以下となっ
た。 【0023】また、本発明者等の実験によれば、コアド
リル径Dが12.2mmであり、材質が超硬合金である
点の他は上記のものと同様なコアドリルを用いて、切削
速度25m/min(650min-1)、送り量0.0
5mm/rev、クーラント使用という切削条件下で、
前記複合材料12の下穴16を9.1mmから12.2
mmに加工すると、図7に示す従来のコアドリル80に
比較して、充分な穴精度が得られるとともに、加工変質
層の厚みが大幅に抑制されて10μm以下となった。 【0024】因に、図7に示す従来のコアドリル80
は、先端に向かうほど回転方向A側へねじれるねじれ溝
82を備える一方、スパイラルポイント溝が形成されて
いない。このため、上記の実験例と同様の条件で切削を
行うと、所望する穴の性状、穴精度、穴内周面粗さが得
られず、また切削熱のために発生する加工変質層が厚く
なるとともに、下穴を中心とする領域においてリキッド
シム24の部分の剥離が発生していた。 【0025】上述のように、本実施例のコアドリル10
によれば、先端部に向かうに従って予め設定された回転
方向Aと反対方向へねじれるねじれ溝34を刃部32に
形成してそのねじれ溝34の回転方向Aに対向する内壁
面と外周面との間にリーディングエッジ40を設け、刃
部32の先端からシャンク部30に向かうに従って外径
が増加する食付き部44を形成し、溝底が先端部に向か
うに従って中心軸に接近するスパイラルポイント溝50
を前記ねじれ溝34の先端側に形成し、そのスパイラル
ポイント溝50の軸方向長さLをコアドリル径Dに対す
る比の0.4〜1.5とし、そのスパイラルポイント溝
50の中心線Cに対する傾斜角βを25〜60°として
いるので、専ら切削に関与する食付き部44の主切れ刃
52の切れ味が高められて切削抵抗が好適に低減され
る。また、先端部に向かうに従って予め設定された回転
方向Aと反対方向へねじれるようにリーディングエッジ
40が設けられ且つその先端部側にはスパイラルポイン
ト溝50が形成されているので、上記主切れ刃から発生
した切りくずは前方すなわちコアドリルの先端方向へ排
出される。 【0026】したがって、本実施例によれば、ねじれ溝
34の先端部にスパイラルポイント溝50が形成される
結果、専ら切削に関与する食付き部44の主切れ刃52
の切れ味が高められ、βチタンのような難削材によるス
プリングバック作用の下でも切削抵抗が好適に低減され
るので、仕上がり穴精度や内周仕上げ面の精度が高くな
るとともに、加工変質層の厚みが抑制される。また、回
転方向Aと反対方向へねじれるようにねじれ溝34が設
けられ且つその先端部側にはスパイラルポイント溝50
が形成されている結果、主切れ刃52から発生した切り
くずは前方すなわちコアドリル10の先端方向へ排出さ
れるので、リキッドシム部分の内周径が拡大されない。
さらに、難削材であるβチタンの切削や、カーボン繊維
の含有率の高いCFRPの切削によっても、上記のよう
に高接触圧下の摺動摩擦が軽減される結果、切れ刃が摩
耗し難くなってコアドリルの寿命が長くされるので、C
FRP側の穴の出口においてカーボン繊維が毛羽立つと
いうことも好適に解消される。 【0027】ここで、上記スパイラルポイント溝50の
軸方向長さLがコアドリル径Dに対する比の0.4未満
となると、スパイラルポイント溝50が浅くなって食付
き部44の主切れ刃52のすくい角が得られなくなる。
また、スパイラルポイント溝50の軸方向長さLがコア
ドリル径Dに対する比の1.5を超えると、主切れ刃5
2の切れ味を高める効果が飽和すると同時に、スパイラ
ルポイント溝50が深くなって主切れ刃52或いはラン
ド38の剛性が低くなり、コアドリル10の耐久寿命が
短くなる。 【0028】さらに、上記スパイラルポイント溝50の
中心線Cに対する傾斜角βが25°未満となると、その
スパイラルポイント溝50の長さLが長くなって主切れ
刃52或いはランド38の剛性が低くなり、コアドリル
10の耐久寿命が短くなるとともに、主切れ刃52から
発生する切りくずの形状が詰まったカール状となるた
め、切りくずの排出が困難となる。反対に、上記スパイ
ラルポイント溝50の中心線Cに対する傾斜角βが60
°を超えると、主切れ刃52から発生する切りくずの形
状が長く伸びた形状となってその排出が困難となるとと
もに、主切れ刃52の長さを確保できなくなる。 【0029】また、本実施例のコアドリル10のシャン
ク部30には、刃部32に形成されたねじれ溝34と同
様の深さを有し且つ各ねじれ溝34のシャンク部30側
にそれぞれ連通する直線状のクーラント案内溝60が形
成されていることから、図示しない回転駆動装置のチャ
ック装置に装着された状態でそのチャック装置からクー
ラントが供給されると、上記クーラント案内溝60を介
してねじれ溝34内へクーラントが供給されるので、主
切れ刃52から発生する切りくずがコアドリル10の前
方へ飛ばされて切りくずに起因する内周面の粗れが一層
抑制されるとともに、主切れ刃52の冷却が行われるの
で、耐久寿命が延長される利点がある。 【0030】本実施例において、中心線Cに対する食付
き部44の傾斜角αが60°であり、ねじれ溝34およ
びスパイラルポイント溝50がそれぞれ3本以上であ
り、コアドリル径Dが3.170〜15.875mmの
範囲内であり、先端面42の径が0.5〜0.8Dであ
るものに対して、前記本願発明の主要な構成要件、すな
わち、先端部に向かうに従って予め設定された回転方向
Aと反対方向へねじれるねじれ溝34の先端部に、スパ
イラルポイント溝50を形成し、そのスパイラルポイン
ト溝50の軸方向長さLをコアドリル径Dに対する比の
0.4〜1.5とし、そのスパイラルポイント溝50の
中心線Cに対する傾斜角βを25〜60°とするという
構成を適用すると、特に好適な結果が得られる。 【0031】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。 【0032】たとえば、前述の複合材料12および14
は、インコネルなどの耐熱合金部材がβチタン20に替
えて用いられてもよいし、ケプラーなどの繊維により強
化されたプラスチック部材がCFRP22に替えて用い
られてもよい。また、上記複合材料12および14は、
アルミニウムリチウム合金シートとアミラド繊維層とが
交互に積層されたものなどであってもよい。 【0033】また、前述の実施例のコアドリル10にお
いて、クーラント案内溝60とねじれ溝34との深さは
相互に同じであってもよいし、異なっていてもよい。ま
た、そのクーラント案内溝60に替えて、後端面から先
端面42に軸方向に縦通するクーラント供給穴が設けら
れてもよい。 【0034】また、前述の実施例において、刃部32に
おけるリーディングエッジ40および主切れ刃52は周
方向において等間隔であったが、不等間隔に設けられて
いてもよい。この場合には、所謂びびり振動の防止効果
が得られる。 【0035】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例のコアドリルを示す側面図あ
る。 【図2】図1の実施例の先端部に設けられたスパイラル
ポイント溝の傾斜角βを示す図である。 【図3】図1の実施例の先端面を示す図である。 【図4】図1の実施例の後端面を示す図である。 【図5】図1の実施例のコアドリルによって下穴の拡径
が行われる複合材料の一例の構成を説明する要部断面図
である。 【図6】図1の実施例のコアドリルによって下穴の拡径
が行われる複合材料の他の例の構成を説明する要部断面
図である。 【図7】従来のコアドリルの構成を説明する図である。 【符号の説明】 10:コアドリル 12,14:複合材料 16,18:下穴 30:シャンク部 32:刃部 34:ねじれ溝 44:食付き部 50:スパイラルポイント溝 52:主切れ刃

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 シャンク部および円柱状の刃部を備え、
    難削材を含む複数種類の材料が積層されてなる複合材料
    に形成された下穴を該刃部によって拡径加工する複合材
    料加工用コアドリルにおいて、 先端部に向かうに従って予め設定された回転方向と反対
    方向へねじれるねじれ溝を前記刃部に形成して該回転方
    向に対向する内壁面と外周面との間にリーディングエッ
    ジを設け、前記刃部の先端から前記シャンク部に向かう
    に従って外径が増加する食付き部を形成し、溝底が先端
    部に向かうに従って中心軸に接近するスパイラルポイン
    ト溝を前記ねじれ溝の先端側に形成することにより該ス
    パイラルポイント溝とそれに隣接するランドとの間の稜
    線によって主切れ刃を構成し、該スパイラルポイント溝
    の軸方向長さがコアドリル径に対する比の0.4〜1.
    5とし、該スパイラルポイント溝の中心線に対する傾斜
    角が25〜60°としたことを特徴とする複合材料加工
    用コアドリル。
JP21731494A 1994-09-12 1994-09-12 複合材料加工用コアドリル Expired - Lifetime JP3452985B2 (ja)

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