JP2724120B2 - 複合材料加工用リーマ - Google Patents

複合材料加工用リーマ

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JP2724120B2
JP2724120B2 JP21731294A JP21731294A JP2724120B2 JP 2724120 B2 JP2724120 B2 JP 2724120B2 JP 21731294 A JP21731294 A JP 21731294A JP 21731294 A JP21731294 A JP 21731294A JP 2724120 B2 JP2724120 B2 JP 2724120B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難削材を含む複数種類
の材料が積層されてなる複合材料に形成された下穴の内
周面を加工するための複合材料用リーマに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】難削材を含む複数種類の材料が積層され
てなる複合材料に形成された下穴の内周面を仕上げるた
めにリーマで加工する際には、据置型回転駆動装置或い
は手持型回転駆動装置に装着されたリーマが、回転駆動
されつつガイドブッシュを通して上記下穴内へ前進させ
られる。
【0003】
【発明が解決すべき課題】ところで、上記複合材料に
は、たとえばβチタン、チタン合金などの耐食性や比強
度の高い構造材が積層されるが、その構造材は難削材で
あるため、たとえば図5に示す従来のリーマ60により
仕上がり穴精度、仕上げ面粗さが充分に得られず、また
加工変質層の厚さを充分に薄く抑えることができなかっ
た。たとえば、航空機用のスポイラー、ラダー、エレベ
ータ等に用いられる複合材料では、たとえばβチタン、
CFRP(カーボン繊維強化型樹脂)、アルミニウム合
金などが厚さ1mm程度の合成樹脂接着剤であるリキッ
ドシムを介して積層されているが、βチタンの切削時に
はそのスプリングバック作用によって切削抵抗が極めて
大きくなることから、高接触圧下の摺動摩擦や切りくず
の巻き込みによって仕上がり穴精度や内周仕上げ面の精
度が低下するとともに、摩擦熱によって発生する加工変
質層が厚くなる欠点があった。また、切れ刃から発生す
る切りくずの搬送される過程で、上記βチタンやCFR
Pを相互に接着するリキッドシムを切りくずが接触する
ので、そのリキッドシム部分の内周径が拡大される欠点
があった。さらに、難削材であるβチタンの切削や、カ
ーボン繊維の含有率の高いCFRPの切削によって切れ
刃が摩耗し易いので、リーマの寿命が短縮されるととも
に、CFRP側の穴の出口においてカーボン繊維が毛羽
立つという欠点もあった。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、難削材を含む複
数種類の材料が積層されてなる複合材料の下穴の内周面
を加工するに際し、仕上がり穴精度や内周仕上げ面の精
度が得られ、加工変質層の厚みを抑制し、リキッドシム
部分の内周径が拡大されないようにし、しかも耐久寿命
を長くしてカーボン繊維の毛羽立ちを防止できる複合材
料用リーマを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】斯る目的を達成するため
の、本発明の要旨とするところは、シャンク部および円
柱状の切れ刃部を備え、難削材を含む複数種類の材料が
積層されてなる複合材料に形成された下穴の内周面をそ
の切れ刃部によって切削加工する複合材料加工用リーマ
において、先端部に向かうに従って予め設定された回転
方向と反対方向へねじれるねじれ溝を前記切れ刃部に形
成してその回転方向に対向する内壁面と外周面との間に
外周切れ刃を設け、その切れ刃部の先端から前記シャン
ク部に向かうに従って外径が増加する食付き部と、その
食付き部に続いて前記シャンク部に向かうに従って外径
が0.05〜0.25mm/100mmの割合で減少す
るバックテーパ部とを前記切れ刃部に形成し、前記食付
き部の外周切れ刃の前記反対方向に隣接して0.05〜
0.20mmの幅寸法のマージン部を形成し、そのマー
ジン部に続いて20〜30°の逃げ面を設けたことにあ
る。
【0006】
【作用】このようにすれば、外径が0.05〜0.25
mm/100mmの割合で減少するという極めて大きな
バックテーパ部が食付き部に続いて形成され、食付き部
の外周切れ刃の前記反対方向に隣接して0.05〜0.
20mmの幅寸法という極めて小さなマージン部が形成
され、しかもそのマージン部に続いて20〜30°とい
う大きな角度の逃げ面が設けられているので、複合材料
加工用リーマの切削抵抗が好適に低減される。また、上
記20〜30°という大きな角度の逃げ面が設けられて
いる結果、切れ刃から発生した切りくずが充分に収容さ
れる空間が形成されるので、切りくずの巻き込みにより
切りくずと内周壁との摺動によって仕上げ面が荒らされ
ることがない。また、先端部に向かうに従って予め設定
された回転方向と反対方向へねじれるように外周切れ刃
が設けられているので、食付き部から発生した切りくず
は前方すなわちリーマの先端方向へ排出される。
【0007】上記バックテーパの割合が0.05mm/
100mm未満となると、βチタンのような難削材のス
プリングバックのために仕上げ加工穴の内周面とバック
テーパ部とが高い接触圧で摺接するので、切削抵抗軽減
効果が得られ難くなる。また、上記バックテーパの割合
が0.25mm/100mmを超えると、リーマ加工に
際して使用するガイドブッシュとの間隙が大きくなって
仕上がり穴精度が低下する。
【0008】前記マージン部の幅寸法が0.20mmを
超えると、上記バックテーパの割合が0.05mm/1
00mm未満となったときと同様に、βチタンのような
難削材のスプリングバックのために仕上げ加工穴の内周
面とマージン部とが高い接触圧で摺接するので、切削抵
抗軽減効果が得られ難くなる。また、マージン部の幅寸
法が0.05mm未満となると、リーマの外周切れ刃の
強度が不足し、切れ刃の撓みによって穴寸法が拡大さ
れ、寸法精度が低下する。
【0009】前記マージン部に続く逃げ面の逃げ角が2
0°未満となると、切れ刃から発生する切りくずを収容
する充分な空間が形成されないので、切りくずが穴内周
面と摺接して仕上げ面が粗くなり、反対にマージン部に
続く逃げ面の逃げ角が30°を超えると、リーマの外周
切れ刃の強度が不足し、切れ刃の撓みによって穴寸法が
拡大され、寸法精度が低下する。
【0010】据置型回転駆動装置に用いられるリーマ
は、上記バックテーパの割合が0.15〜0.25mm
/100mmの範囲内であり、前記マージン部の幅が
0.10〜0.20mmの範囲内であり、且つ前記マー
ジン部に続く逃げ面の逃げ角が25〜30°の範囲内で
あることが望ましい。また、手持型回転駆動装置に用い
られるリーマは、上記バックテーパの割合が0.05〜
0.15mm/100mmの範囲内であり、前記マージ
ン部の幅が0.05〜0.15mmの範囲内であり、且
つ前記マージン部に続く逃げ面の逃げ角が20〜25°
の範囲内であることが望ましい。手持型回転駆動装置に
用いられるリーマは、据置型回転駆動装置に用いられる
リーマに比較して不安定となるからである。
【0011】
【発明の効果】したがって、本発明によれば、外径が
0.05〜0.25mm/100mmの割合で減少する
という極めて大きなバックテーパ部が食付き部に続いて
形成され、食付き部の外周切れ刃の前記反対方向に隣接
して0.05〜0.20mmの幅寸法という極めて小さ
なマージン部が形成され、しかもそのマージン部に続い
て20〜30°という大きな角度の逃げ面が設けられて
いる結果、高接触圧下の摺動摩擦が軽減されて複合材料
加工用リーマの切削抵抗が好適に低減され、また、上記
20〜30°という大きな角度の逃げ面が設けられてい
る結果、切れ刃から発生した切りくずが充分に収容され
る空間が形成されて切りくずの巻き込みが抑制されるの
で、仕上がり穴精度や内周仕上げ面の精度が高くなる。
また、先端部に向かうに従って予め設定された回転方向
と反対方向へねじれるように外周切れ刃が設けられてい
ることから、食付き部から発生した切りくずは前方すな
わちリーマの先端方向へ排出されるので、切れ刃から発
生する切りくずの搬送される過程でリキッドシムが切り
くずにより削られることがなくなり、リキッドシム部分
の内周径が拡大されることが防止される。さらに、難削
材であるβチタンの切削や、カーボン繊維の含有率の高
いCFRPの切削によっても、上記のように高接触圧下
の摺動摩擦が軽減される結果、切れ刃が摩耗し難くなっ
てリーマの寿命が長くされるので、CFRP側の穴の出
口においてカーボン繊維が毛羽立つということも好適に
解消される。
【0012】ここで、好適には、前記ねじれ溝のねじれ
角θが3〜15°であり、前記食付き部の軸方向長さL
が2.5〜3.5mmであり、その食付き部の回転中心
軸に対する傾斜角αが8〜12°であり、前記リーマの
外径Dが3.175〜15.875mmである。このよ
うな複合材料加工用リーマによれば、前記発明の効果が
一層顕著となる。
【0013】また、好適には、前記リーマ本体或いはそ
の外周切れ刃は、高速度鋼、超硬合金、ダイヤモンド超
高圧焼結体のいずれかから構成される。さらに、好適に
は、前記リーマの切れ刃部の表面には、チタン(Ti)
と、アルミニウム(Al)、炭素(C)、および窒素
(N)のうちの少なくとも1つとから成る硬質被膜、た
とえばTiC、TiN、TiAlNなどが1〜5μmの
厚さで設けられる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、リーマ10の側面図であって、
その中心線を境にした一方の側を切り欠いて示してい
る。図2は、上記リーマ10の先端面の外形を拡大して
示す図である。
【0015】上記リーマ10は、たとえば図3および図
4に示す複合材料12および14に形成された下穴16
および18の内周面を仕上げ加工するために、据置型回
転駆動装置或いは手持型回転駆動装置に装着されて回転
駆動されつつ、ガイドリングを通してその下穴16およ
び18内で軸方向へ前進させられる。
【0016】上記複合材料12は、たとえば耐食性およ
び比強度の高いβチタン20とCFRP(カーボン繊維
強化型樹脂)22とが合成樹脂接着剤であるリキッドシ
ム24によって張り合わせられることにより構成された
2層型の航空機用のパネル材である。また、上記複合材
料14は、βチタン20、CFRP22、およびβチタ
ン20が順次積層され且つリキッドシム24によってそ
れぞれ張り合わせられることにより構成された3層型の
航空機用のパネル材である。上記βチタン20およびC
FRP22は、たとえば10mm程度の厚みを備えた板
材であり、上記リキッドシム24はたとえば0.5mm
程度の厚みに形成されている。
【0017】上記リーマ10は、全体として円柱状を成
し、図示しないチャック装置によって把持されるための
シャンク部30と、外周切れ刃40が形成された切れ刃
部32とを備えている。この切れ刃部32には、先端部
に向かうに従って予め設定された回転方向(右まわり方
向)Aと反対方向へねじれ角θが5°でねじれる5本の
ねじれ溝34が周方向において等間隔で形成されてお
り、そのねじれ溝34の回転方向Aに対向する内壁面す
なわちすくい面36と外周面すなわち正確にはマージン
部38との間の稜線に上記外周切れ刃40が設けられて
いる。
【0018】上記切れ刃部32には、中心線に対する傾
斜角αが10°程度に形成されることにより切れ刃部3
2の先端からシャンク部30に向かうに従って外径が増
加する食付き部42と、その食付き部42に続いてシャ
ンク部30に向かうに従って外径が0.05〜0.25
mm/100mmの範囲内の割合で減少するバックテー
パ部44とが設けられている。前記外周切れ刃40のう
ち上記食付き部42に位置するものは主切れ刃40aと
して機能し、前記外周切れ刃40のうち上記バックテー
パ部44に位置するものは副切れ刃40bとして機能す
る。リーマ10による仕上げ加工における切削は専ら主
切れ刃40aにより行われる。
【0019】図2において詳しく示すように、上記切れ
刃部32において、外周切れ刃40のうちの上記食付き
部42に位置する切れ刃すなわち主切れ刃40aのすく
い角β、すなわち回転中心Cと主切れ刃40aとを結ぶ
直線とすくい面36との成す角度βは5°程度に形成さ
れており、前記主切れ刃40aの前記回転方向Aと反対
方向に隣接する逃げ角零のマージン部38の幅寸法W
は、0.05〜0.20mmの範囲内に形成されてお
り、そのマージン部38に続く逃げ面46の逃げ角γ
は、20〜30°の範囲内に形成されている。
【0020】バックテーパ部44における副切れ刃40
bのすくい角β、マージン部38の幅寸法W、逃げ面4
6の逃げ角γは、加工の都合上、上記食付き部42と略
同様に形成されているが、副切れ刃40bは切削に殆ど
関与せず、バックテーパ部44は専ら案内面として機能
するので、他の数値範囲であってもよい。
【0021】ここで、上記リーマ10は、通常は高速度
鋼により構成されるが、好適には、切れ刃部32或いは
食付き部42の表面に、チタン(Ti)と、アルミニウ
ム(Al)、炭素(C)、および窒素(N)のうちの少
なくとも1つとから成る硬質被膜、たとえばTiC、T
iN、TiAlNなどが1〜5μmの厚さで設けられ
る。またリーマ10またはその切れ刃部32或いは食付
き部42の表面は超硬合金またはダイヤモンド超高圧焼
結体により構成される。少なくともこれらの場合には、
外周切れ刃40或いは主切れ刃40aは、高速度鋼、超
硬合金、ダイヤモンド超高圧焼結体のいずれかから構成
されることになる。
【0022】また、上記リーマ10のシャンク部30に
は、切れ刃部32に形成されたねじれ溝34と同様の深
さを有し且つ各ねじれ溝34のシャンク部30側にそれ
ぞれ連通する直線状のエア溝50が形成されている。
【0023】圧縮空気を動力源とする据置型回転駆動装
置に装着される場合は、仕上げ径6.35mmのための
上記リーマ10は、食付き部42の先端径が5.3m
m、食付き部42の最大径Dが6.37mmに形成され
るとともに、バックテーパ部44のバックテーパの割合
が0.15〜0.25mm/100mmの範囲内とさ
れ、マージン部38の幅寸法Wが0.10〜0.20m
mの範囲内とされ、食付き部42の逃げ面46の逃げ角
γが25〜30°に形成される。また、圧縮空気を動力
源とする手持型回転駆動装置に装着される場合は、仕上
げ径10.11mmのための上記リーマ10は、食付き
部42の先端径が9.07mm、食付き部42の最大径
Dが10.13mmに形成されるとともに、バックテー
パ部44のバックテーパの割合が0.05〜0.15m
m/100mmの範囲内とされ、マージン部38の幅寸
法Wが0.05〜0.15mmの範囲内とされ、食付き
部42の逃げ面46の逃げ角γが20〜25°に形成さ
れる。本発明者等の実験によれば、上記前者および後者
の2種類のリーマを用いて、3,250min-1(切削
速度:650m/min)且つ送り量0.07mm/r
ev(227.5mm/min)、および1,850〜
2,050min-1(切削速度:590〜650m/m
in)且つ送り量0.07mm/rev(129.5〜
143.5mm/min)という切削条件にて、図3或
いは図4に示す複合材料12或いは14の下穴16或い
は18の内周面の仕上げをそれぞれ行った場合、加工変
質層の深さ10μm以下、穴精度0〜+0.076mm
以内、仕上げ面粗さ12.5Z以下という要求精度が満
たされるとともに、従来のリーマ60にない長寿命が得
られた。同時に、下穴16或いは18の出口側にCFR
P22が位置したときにおいても毛羽立ちが発生しなか
った。
【0024】上述のように、本実施例のリーマ10によ
れば、外径が0.05〜0.25mm/100mmの割
合で減少するという極めて大きなバックテーパ部44が
食付き部42に続いて形成され、食付き部42の主切れ
刃40aの回転方向Aの反対方向に隣接して幅寸法Wが
0.05〜0.20mmという極めて小さなマージン部
38が形成され、しかもそのマージン部38に続いて2
0〜30°という大きな角度の逃げ面46が設けられて
いるので、複合材料加工用リーマ10の切削抵抗が好適
に低減される。また、上記20〜30°という大きな角
度の逃げ面46が設けられている結果、主切れ刃40a
から発生した切りくずが充分に収容される空間が形成さ
れるので、切りくずの巻き込みにより切りくずと内周壁
との摺動によって仕上げ面が荒らされることがない。ま
た、先端部に向かうに従って予め設定された回転方向と
反対方向へねじれるように外周切れ刃40が設けられて
いるので、食付き部42から発生した切りくずは前方す
なわちリーマの先端方向へ排出される。
【0025】したがって、実施例によれば、極めて大き
な割合で径が減少するバックテーパ部44と、幅寸法W
が極めて小さなマージン部38と、しかもそのマージン
部38に続いて大きな角度γの逃げ面46が設けられて
いる結果、高接触圧下の摺動摩擦が軽減されて複合材料
加工用リーマ10の切削抵抗が好適に低減され、また、
上記20〜30°という大きな角度の逃げ面46が設け
られている結果、主切れ刃40aから発生した切りくず
が充分に収容される空間が形成されて切りくずの巻き込
みが抑制されるので、仕上がり穴精度や内周仕上げ面の
精度が高くなる。また、先端部に向かうに従って予め設
定された回転方向Aと反対方向へねじれるように主切れ
刃40aが設けられていることから、食付き部42から
発生した切りくずは前方すなわちリーマの先端方向へ排
出されるので、主切れ刃40aから発生する切りくずの
搬送される過程でリキッドシム24の内周面が切りくず
により削られることがなくなり、リキッドシム24の内
周径が拡大されることが防止される。さらに、難削材で
あるβチタンの切削や、カーボン繊維の含有率の高いC
FRPの切削においても、上記のように高接触圧下の摺
動摩擦が軽減される結果、主切れ刃40aが摩耗し難く
なってリーマ10の寿命が長くされるので、CFRP側
の穴の出口においてカーボン繊維が毛羽立つということ
も好適に解消される。
【0026】ここで、上記バックテーパ部44の径の減
少割合が0.05mm/100mm未満となると、βチ
タン20のような難削材のスプリングバックのために仕
上げ加工穴の内周面とバックテーパ部44とが高い接触
圧で摺接するので、切削抵抗軽減効果が得られ難くな
る。また、上記バックテーパ部44の径の割合が0.2
5mm/100mmを超えると、リーマ加工に際して使
用するガイドブッシュとの間隙が大きくなって仕上がり
穴精度が低下する。
【0027】また、上記マージン部38の幅寸法Wが
0.20mmを超えると、上記バックテーパ部44の径
の割合が0.05mm/100mm未満となったときと
同様に、βチタン20のような難削材のスプリングバッ
クのために仕上げ加工穴の内周面とマージン部38とが
高い接触圧で摺接するので、切削抵抗軽減効果が得られ
難くなる。また、マージン部38の幅寸法Wが0.05
mm未満となると、リーマ10の主切れ刃40aの強度
が不足し、主切れ刃40aの撓みによって穴寸法が拡大
され、寸法精度が低下する。
【0028】さらに、上記マージン部38に続く逃げ面
46の逃げ角γが20°未満となると、主切れ刃40a
から発生する切りくずを収容する充分な空間が形成され
ないので、切りくずが穴内周面と摺接して仕上げ面が粗
くなり、反対にマージン部38に続く逃げ面46の逃げ
角γが30°を超えると、リーマ10の主切れ刃40a
の強度が不足し、主切れ刃40aの撓みによって穴寸法
が拡大され、寸法精度が低下する。
【0029】因に、図5に先に考案した従来のリーマ6
0を示す。このリーマ60は、先端に向かうほど回転方
向Aと反対方向に捩じれるねじれ溝62を備え、そのね
じれ溝62の回転方向Aと対向する内壁面すなわちすく
い面64と外周面或いはランドとの間に外周切れ刃66
が形成されている。この外周切れ刃66が形成された切
削部68の先端部には、中心線に対して所定の傾斜角を
成す食付き部70が形成されており、それに隣接する案
内部72の径は一様となっている。また、上記食付き部
70の外周切れ刃66に隣接するマージン部の幅寸法W
は通常の切削工具と同様に比較的大きく且つそのマージ
ン部に続く逃げ面の逃げ角γも通常の切削工具と同様に
比較的小さい。したがって、上記従来のリーマ60によ
って図3或いは図4に示す複合材料の下穴16或いは1
8の内周面を仕上げ加工すると、βチタン20のスプリ
ングバックによる高い面圧にて摺動させられて切削抵抗
が極めて大きくなることから、高接触圧下の摺動摩擦や
切りくずの巻き込みによって仕上がり穴精度や内周仕上
げ面の精度が低下するとともに、摩擦熱によって発生す
る加工変質層が厚くなる欠点があった。また、難削材で
あるβチタン20の切削や、カーボン繊維の含有率の高
いCFRP22の切削によって外周切れ刃66が摩耗し
易いので、リーマの寿命が短縮されるとともに、CFR
P側の穴の出口においてカーボン繊維が毛羽立つという
欠点もあったのである。
【0030】また、本実施例のリーマ10のシャンク部
30には、切れ刃部32に形成されたねじれ溝34と同
様の深さを有し且つ各ねじれ溝34のシャンク部30側
にそれぞれ連通する直線状のエア溝50が形成されてい
ることから、図示しない回転駆動装置のチャック装置に
装着された状態でそのチャック装置から圧縮エア或いは
クーラント液が供給されると、上記エア溝50を介して
ねじれ溝34内へその圧縮エア或いはクーラント液が供
給されるので、主切れ刃40aから発生する切りくずが
リーマ10の前方へ吹き飛ばされて切りくずに起因する
内周面の粗れが一層抑制されるとともに、主切れ刃40
aの冷却が行われるので、耐久寿命が延長される利点が
ある。
【0031】ここで、前述の複合材料12および14
は、インコネルなどの耐熱合金シートがβチタン20に
替えて用いられてもよいし、ケプラーなどの繊維により
強化されたプラスチックシートがCFRP22に替えて
用いられてもよい。また、上記複合材料12および14
は、アルミニウムリチウム合金シートとアミラド繊維層
とが交互に積層されたものなどであってもよい。
【0032】また、ねじれ溝34のねじれ角θが3〜1
5°の範囲内であり、食付き部42の軸方向長さLが
2.5〜3.5mmの範囲内であり、食付き部42の傾
斜角αが8〜12°の範囲内であり、リーマ10の外径
D(食付き部42の最大径)が3.175〜15.87
5mmであるものに対して、前記本願発明の主要な構成
要件、すなわち、外径が0.05〜0.25mm/10
0mmの範囲内の割合で減少するバックテーパ部44を
食付き部42に続いて形成し、食付き部42の主切れ刃
40aの回転方向Aの反対方向に隣接して幅寸法Wが
0.05〜0.20mmの範囲内のマージン部38を形
成し、しかもそのマージン部38に続いて20〜30°
の範囲内の逃げ角γを有する逃げ面46を設けるという
構成を、適用すると、前記の作用効果が特に好適に得ら
れる。
【0033】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のリーマを示す側面図であっ
て、その中心線の片側が切り欠かれて示されている。
【図2】図1の実施例の先端面を示す図である。
【図3】図1の実施例のリーマによって下穴の内周面の
仕上げが行われる複合材料の一例の構成を説明する要部
断面図である。
【図4】図1の実施例のリーマによって下穴の内周面の
仕上げが行われる複合材料の他の例の構成を説明する要
部断面図である。
【図5】従来のリーマの構成を説明する図である。
【符号の説明】
10:リーマ 12,14:複合材料 16,18:下穴 30:シャンク部 32:切れ刃部 34:ねじれ溝 38:マージン部 40a:主切れ刃(外周切れ刃) 42:食付き部 44:バックテーパ部 46:逃げ面

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャンク部および円柱状の切れ刃部を備
    え、難削材を含む複数種類の材料が積層されてなる複合
    材料に形成された下穴の内周面を該切れ刃部によって切
    削加工する複合材料加工用リーマにおいて、 先端部に向かうに従って予め設定された回転方向と反対
    方向へねじれるねじれ溝を前記切れ刃部に形成して該回
    転方向に対向する内壁面と外周面との間に外周切れ刃を
    設け、該切れ刃部の先端から前記シャンク部に向かうに
    従って外径が増加する食付き部と、該食付き部に続いて
    前記シャンク部に向かうに従って外径が0.05〜0.
    25mm/100mmの割合で減少するバックテーパ部
    とを該切れ刃部に形成し、前記食付き部の外周切れ刃の
    前記反対方向に隣接して0.05〜0.20mmの幅寸
    法のマージン部を形成し、該マージン部に続いて20〜
    30°の逃げ面を設けたことを特徴とする複合材料加工
    用リーマ。
  2. 【請求項2】 前記ねじれ溝のねじれ角θが3〜15°
    であり、前記食付き部の軸方向長さが2.5〜3.5m
    mであり、該食付き部の回転中心軸に対する傾斜角が8
    〜12°であり、前記リーマの外径が3.175〜1
    5.875mmである請求項1の複合材料加工用リー
    マ。
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