JP3447795B2 - ブラシレスモータ - Google Patents

ブラシレスモータ

Info

Publication number
JP3447795B2
JP3447795B2 JP04989794A JP4989794A JP3447795B2 JP 3447795 B2 JP3447795 B2 JP 3447795B2 JP 04989794 A JP04989794 A JP 04989794A JP 4989794 A JP4989794 A JP 4989794A JP 3447795 B2 JP3447795 B2 JP 3447795B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stator
coil
tooth
rotor magnet
brushless motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04989794A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07236261A (ja
Inventor
勲 金田
昌信 忠田
哲也 辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec America Corp
Original Assignee
Nidec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nidec Corp filed Critical Nidec Corp
Priority to JP04989794A priority Critical patent/JP3447795B2/ja
Priority to US08/383,813 priority patent/US5689147A/en
Publication of JPH07236261A publication Critical patent/JPH07236261A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3447795B2 publication Critical patent/JP3447795B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Brushless Motors (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マグネット式小型モー
タ全般に係わり、特にスピンドルモータおよび各種マイ
クロモータ等に好適なブラシレスモータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、マグネット式小型モータやス
ピンドルモータ等のブラシレスモータにあっては、各種
の構造が採用されているが、そのほとんどは、複数のス
ロットを有するステータコアの各ティースに多相のコイ
ルを巻装してステータを構成し、このステータに対向し
て、周方向に異極を交互に配列して構成されステータの
スロット数と異なる磁極数を有する円環状のロータマグ
ネットを回転自在に設け、多相のコイルへの通電を選択
的に切り換えることにより、コイル電流により発生した
磁極歯上の電磁極とロータマグネットの磁極との電磁相
互作用によりロータマグネットを備えたロータを回転す
るようにしている。
【0003】この場合、ロータマグネットの極性と交番
位置とをホール素子等のセンサまたはコイルの誘起電圧
で検出することにより、通電タイミングの切り換えを制
御する構成になっている。
【0004】ところで、このような構成のブラシレスモ
ータにあっては、ロータとステータとの相対位置によっ
ては起動死点を形成することがあるので、ロータの起動
信頼性を高めるため、通常、ステータのスロット数とロ
ータマグネットの磁極数とを異なる数とし、複数のセン
サを用いている。さらに、ステータに補極を設けて死点
を避ける場合もある。
【0005】また、コスト要因により1センサを用いた
ファンモータ等においては、ティースの一部を切り欠い
て磁極歯の形状を回転方向の上流側と下流側で非対称と
し、コギングトルクを得ることによってロータとステー
タとが死点から機械的にずれるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来のブラシレスモータにあっては、ステータのスロ
ット数とロータマグネットの磁極数とを異なる数とする
ため、各磁極歯の発生トルクを同期させることが出来
ず、また、複数のセンサを用いたり、ステータに補極を
設ける等の場合、構造が複雑となり、モータが大形にな
るだけでなく高価になる問題を有している。
【0007】また、ティースの一部を切り欠いてその形
状を非対称とするローコスト設計のものの場合は、ステ
ータとロータマグネット間の平均空隙長の増加により磁
気抵抗が増加するため高トルクが得られず、しかも、切
り欠きの非対称性に基づいて回転リプルや振動騒音が高
いという問題がある。
【0008】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に留意してなされたものであり、その目的とする
ところは、複雑な構造上の工夫を要することなく、高い
起動信頼性、高トルクが得られる通常タイプ(高級タイ
プ)とローコストタイプのそれぞれの長所を両立しそれ
ぞれの欠点を解消した新規なブラシレスモータを提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、複数のスロットを有するステータコアの
各ティースにコイルを巻回して構成されたステータと、
該ステータに対向して回転自在に設けられ周方向に異極
を交互に配列してなる円環状のロータマグネットと、該
ロータマグネットの磁束を検知するためのセンシング手
段と、を備えたブラシレスモータであって、前記ステー
タコアは、結晶の磁化容易軸が1方向性を有し、かつ該
磁化容易軸が少なくとも1つの前記ティースの突出方向
に対して偏位している環状の方向性鋼板により構成され
ていることを特徴としている。
【0010】この場合、前記各ティースに巻回された前
記コイルは1つの回路網を形成し、該回路網が、単相電
源により実質的に休止期間を含まないで通電方向が逆転
する双方向通電により同時に駆動されるようにするとよ
【0011】また、前記磁化容易軸が少なくとも1つの
前記ティースの突出方向に一致し、前記磁化容易軸が他
の前記ティースの突出方向に一致せず、前記少なくとも
1つのティースに巻回されたコイルと他の前記ティース
に巻回されたコイルとが並列接続され、前記各コイルに
流れる電流がバランスするようにするとよい。
【0012】また、本発明は、前記目的を達成するため
に、複数のスロットを有するステータコアの各ティース
にコイルを巻回して構成されたステータと、該ステータ
に対向して回転自在に設けられ周方向に異極を交互に配
列してなる円環状のロータマグネットと、該ロータマグ
ネットの磁束を検知するためのセンシング手段と、を備
えたブラシレスモータであって、前記ステータコアは、
結晶の磁化容易軸が互いに直交する方向の2方向性を有
し、かつ該磁化容易軸が少なくとも2つの前記ティース
の突出方向に対して偏位している環状の方向性鋼板によ
り構成されていることを特徴としている
【0013】この場合、例えば、スロットが4個で周方
向等間隔に等配されているステータコアであると、ティ
ースの突出方向に対する磁化容易軸の偏角が4個のティ
ースとも同じになる。
【0014】
【作用】前述した本発明のブラシレスモータによれば、
ステータコアの各ティースに巻回されたコイルを励磁す
ると、ステータコアはその鋼板における結晶の磁化容易
軸に従った磁化が強化され、あるティースにおいては、
その先端のティップの中心と磁化中心とがずれるように
なり、ティップ上に発生した電磁極とこれに対向するロ
ータマグネットの磁極との間に磁気的な吸引力または反
発力が生じ、ロータマグネットに回転力が発生し、ロー
タが回転しようとする。
【0015】ここで、ステータコアを結晶の磁化容易軸
が1方向性を有する方向性鋼板としてステータコアのス
ロット数とロータマグネットの磁極数とを同数とした上
で、磁化容易軸を少なくとも1つのティースの突出方向
に対して偏位させると、発生トルクが高いためより円滑
な起動が可能になる。回転中は、ステータのスロット数
とロータマグネットの磁極数とが等しく形成されている
ため、当該モータはいわゆる同期モータとして作用し、
この回転時にはステータの各ティースとロータマグネッ
トの各磁極とのそれぞれの間にトルクが同期発生するた
め、ロータ全体としての回転トルクが非常に大きなもの
となる。
【0016】さらに、1方向性鋼板よりなるステータコ
アの任意のティースに対する偏位の角度θを設けると、
少なくとも1つのティースにおいては、起動時、そのテ
ィップの磁化中心がティップの中心からずれ、ロータマ
グネットの対向する磁極の中心とに必ずずれが生じ、ロ
ータマグネットに回転力が作用し、ロータが速やかに回
転する。この角度θは、ステータコアのスロット数を増
加することにより減らすことができる。
【0017】そして、ステータコアの各ティースに巻回
されたコイルの各種接続により1つの回路網を形成し、
この回路網を単相電源により実質的に休止期間を含まな
いで通電方向が逆転する双方向通電により同時に駆動す
る構成とすれば、コイルの励磁によってステータコアが
磁化された後、この残留磁気が消滅する以前に今度はコ
イルが逆方向に励磁され、いわゆる逆励磁動作が得ら
れ、ステータコアにおける磁気変化の幅が大きくなり、
結果として大きなトルクを発生させることが可能とな
る。
【0018】一方、方向性鋼板を結晶の磁化容易軸が互
いに直交する方向の2方向性とすれば、ティップの磁化
中心がティップの中心からずれるティースの数が増え、
より起動しやすくなる。
【0019】
【実施例】本発明の実施例につき、図面を参照して説明
する。まず、第1の実施例につき、図1〜図4を用いて
説明する。図2は、CD−ROM等の記録媒体を回転駆
動するマイクロモータに適用した場合を示し、同図にお
いて、駆動装置に固定される珪素鋼板等よりなる基板1
0の取付孔12に円筒状のスリーブ14が、その軸心を
基板10に対し直交させてかつ下方に突出した状態で固
定され、スリーブ14の内側に一対の含油軸受16,1
8を介してシャフト20が回転自在に支持されている。
シャフト20の上下端部はそれぞれスリーブ14より上
下に導出している。
【0020】スリーブ14の下半部の外周には、ステー
タコア22にコイル24を巻回して構成されたステータ
26が固定され、シャフト20の下端部に、ステータ2
6の外周を囲繞して配設されたカップ状のロータホルダ
28がかしめ等により固定され、このロータホルダ28
の円筒壁の内周面に円環状のロータマグネット30が固
定されている。ロータマグネット30はステータ26の
外周面に対し若干の隙間を介して対向している。このロ
ータホルダ28とロータマグネット30とによりロータ
32が構成されている。
【0021】シャフト20の上端部には、基板10の上
側に位置するターンテーブル34が圧入固定され、これ
に図外のCD(記録媒体)が載置される。基板10の下
面のロータマグネット30に対応する位置には、1個の
ホール素子よりなるセンサ36が配設され、ロータマグ
ネット30の磁束を検出する。
【0022】図1は、前記マイクロモータにおけるステ
ータ26とロータ32との関係を示したものである。な
お、コイル24は省略してある。
【0023】ステータ26のステータコア22は1方向
性珪素鋼板からなる6スロット構成であり、6個のティ
ース38が円周方向に等間隔に配列されている。この各
ティース38にはそれぞれコイル24が巻回されている
が、これらコイル24は、隣合うティース38のコイル
24が互いに逆磁極になるように励磁されると共に、直
列接続されて1つの回路網を構成している。従ってコイ
ル24への通電により隣合うティース38の先端部つま
りティップ40がそれぞれ逆磁極に磁化される。
【0024】ステータコア22の結晶の磁化容易軸は、
図1に示すように、任意の1つのティース38の突出方
向に対して偏角θを有する。この偏角θは、ステータコ
ア22のスロット数に基づく電気角の関係から角度の倍
増効果を有する。
【0025】一方、ロータマグネット30は、ステータ
コア22のスロット数と同じ数の6ポール構成であり、
周方向にN極とS極とが交互に配列されて6個の磁極を
形成している。前記センサ36は、基板10の下面にお
いてステータコア22の任意の隣合う2つのティース3
8間中央の径方向外側にロータマグネット30に向かい
合って配置されている。
【0026】図3は、モータ制御回路42の概略構成を
示したものである。このモータ制御回路は、直流電源4
4に接続されコイル24に直流電流を供給する電源制御
部46と、コイル24に接続されたスイッチング素子、
例えばトランジスタT1〜T4をスイッチング制御する
励磁電流制御部48とを有している。
【0027】この電源制御部46は、CDの再生時に得
られるCLV信号によりコイル24に供給する電流を制
御し、ロータ32の回転速度を制御する。また、励磁電
流制御部48は、図4に模式的に示した電流波形のよう
に、コイル24を実質的に休止期間を含まずステータコ
ア22の磁化が残留する間に通電方向が逆転する双方向
通電により同時に駆動し、かつ、通電によって形成され
るステータコア22の各電磁極がロータマグネット30
の対向磁極と逆極性になるようセンサ36の検出信号を
用いてコイル24を励磁する。
【0028】このように構成されたマイクロモータにあ
っては、モータ制御回路42によりステータ26のコイ
ル24を駆動すると、ステータコア22の各ティース3
8は隣合う各ティップ40が異極になるように磁化され
る。
【0029】そして、ロータ32の無通電の停止時に
は、ロータマグネット30の各磁極がステータコア22
の各ティップ40に対向した機械角から偏位θに基づい
て多少偏位するが、起動時、コイル24への通電により
ステータコア22を磁化すると、各ティップ40におけ
る磁化中心がティップ40の中心から偏位θだけ大きく
ずれ、従って、ロータマグネット30の各磁極の中心と
各ティップ40磁化中心とがずれ、ロータマグネット6
2にこれらのずれ角度に基づく回転力が作用し、ロータ
32が速やかに回転する。従って、ステータ26とロー
タ32とがいわゆる死点を形成して起動できないといっ
た不都合がない。
【0030】ロータ32が起動すると、センサ36によ
りロータマグネット30の回転位置つまり磁極の境目が
検出され、この検出信号によりコイル24への通電方向
を切り換えることにより各ティップ40にロータマグネ
ット30の対向磁極と逆極性になる電磁極が形成され、
ロータ32に連続して回転力を与えることが可能とな
る。
【0031】ここで、ステータ26のポール数つまりテ
ィース38の数とロータマグネット30の磁極数とが等
しく形成されているため、当該モータはいわゆる同期モ
ータとして作用し、この回転時には各ティース38のテ
ィップ40とロータマグネット30の各磁極とのそれぞ
れの間にトルクが発生するため、ロータ32全体として
の回転トルクが非常に大きなものとなる。
【0032】特に、CD−ROM用モータにあっては、
回転の立ち上がり速度が要求されるが、前述したマイク
ロモータにあっては、起動が速やかに行われる上、ロー
タ32が回り始めると一挙に同期モータへと移行するた
め、所定回転状態に到るまでの時間が極短時間となり、
CD−ROM駆動用として好適なものとなる。
【0033】図5は、4ポール3スロットの場合を示し
た第2の実施例である。ステータ50のステータコア5
2は3スロット構成であり、3個のティース54が周方
向等間隔つまり120度毎に配列されている。このステ
ータコア52は1方向性珪素鋼板からなり、鋼板におけ
る結晶の磁化容易軸が同図矢印に示すように任意の1つ
のティース54に対して機械角θだけ偏位している。5
6は各ティース54の先端に位置するティップである。
また、各ティース54には、例えば1本のコイルが順に
巻回されている。
【0034】一方、ステータ50に対向するように回転
自在に設けられたロータ58は、ロータホルダ60の周
壁の内周面に環状のロータマグネット62を取り付けて
構成されている。ロータマグネット62は、4ポール構
成であり、N極、S極が交互に周方向等間隔に配列され
ている。このロータマグネット62に対向して、ホール
素子等のセンサ(図示せず)が配設されている。
【0035】このような構成のブラシレスモータにあっ
ては、停止時に図5の状態、つまりあるティップ56が
ロータマグネット62のある磁極に対向すると共に残り
の2つのティップ56がそれぞれロータマグネット62
の2つの磁極に跨って対向しこの状態で釣り合ってい
る。そして起動時、コイルへの通電を開始し、各ティッ
プ56を磁化すると、ステータコア52はその磁化容易
方向に方向性を有するため、各ティップ56における磁
化中心がティップ56の中心からずれ、従って、ロータ
マグネット62の各磁極の中心と各ティップ56の磁化
中心とがずれることによりロータマグネット62に回転
力が作用し、ロータ58が速やかに回転する。
【0036】そして、ロータ58が回転し始めると、セ
ンサによりロータマグネット62の回転位置つまり磁極
の位置が検出され、この検出信号によりコイルへの通電
方向を切り換えることにより、ロータ58に連続して回
転力を与えることが可能となり、これ以降ロータ58の
回転が継続される。
【0037】次に、本発明の第3の実施例を、図6及び
図7を用いて説明する。この実施例は、第2の実施例と
同様に、4ポール3スロットのブラシレスモータに適用
した場合を示し、ステータ70のステータコア72は3
スロット構成であり、3個のティース74が周方向等間
隔つまり120度毎に配列されている。このステータコ
ア72は1方向性珪素鋼板からなり、鋼板における結晶
の磁化容易軸が同図矢印に示すように任意の1つのティ
ース74に対してその突出方向に一致している。従っ
て、前記結晶の磁化容易軸は他の2つのティース74の
突出方向に対して+120度、−120度の偏角を有す
ることになる。76は各ティース74の先端に位置する
ティップである。
【0038】一方、ステータ70に対向するように回転
自在に設けられたロータ78は、ロータホルダ80の周
壁の内周面に環状のロータマグネット82を取り付けて
構成されている。ロータマグネット82は、4ポール構
成であり、N極、S極が交互に周方向等間隔に配列され
ている。このロータマグネット82に対向して、ホール
素子等のセンサ(図示せず)が配設されている。
【0039】さらに、ステータコア72の各ティース7
4にはそれぞれコイル84a,84b,84cが巻回さ
れている。前記任意の1つのティース74に巻回された
コイル84aと他の2つのティース74に巻回されたコ
イル84b,84cとはその通電時の発生磁極の極性が
異なるように巻方向が設定されており、図7に示すよう
に、コイル84aとコイル84b,84cの直列回路と
が並列接続され、この並列回路網が単相電源により駆動
される。
【0040】このような構成のブラシレスモータは、3
相ブラシ付きモータを改良したものとなる。すなわち、
3相ブラシ付きモータは、回転する3相電機子に各相の
コイル(Δ結線)に接続された3相の整流子を設け、単
相電源に接続された一対のブラシを2個の整流子に択一
的に摺接するものである。この場合の通電過程において
は、1相のコイルと直列接続された他の2相のコイルと
が並列状態で単相電源に接続され、前記1相のコイルの
流過電流が他よりも大きいことによりジュール熱が過大
となり、また3相の磁気特性は等価にならないが、電機
子の回転に伴ってコイルの接続状態が順次切り換わり、
平均すれば各相のコイルに等しい電流が供給されるた
め、平均ではジュール熱の発生及び磁気特性が均一にな
る。
【0041】しかしながら、この種ブラシ付きモータに
あっては、通常の3相ブラシレスモータに比べ、常時全
てのコイルが通電されるため、コイル及び電機子コアの
利用効率が高い利点を有するものの、電機子を回転させ
るために整流子及びブラシを必要とし、モータの軸方向
の高さがそれだけ高くなり、また、部品点数が多くなる
はかりかノイズの発生も過大になる難点を有している。
【0042】これに対して、前記第3の実施例のものに
あっては、ブラシレスであるにも拘らずブラシ付きの難
点を克服した上でブラシ付きの有する高効率の特性を満
足することができる。すなわち、コイル84aが巻回さ
れた任意の1つのティース74においては、その突出方
向が磁化容易軸に一致し、直列接続された他のコイル8
4b,84cがそれぞれ巻回された他のティース74に
おいては、その突出方向が磁化容易軸に対し120度の
角度を有する。このため、任意の1つのティース74に
発生する磁束を他のティース74に発生する磁束の2倍
にでき、換言すれば、任意の1つのティース74のコイ
ル84aのジュール熱の発生を他のティース74のコイ
ル84b,84cの半分にでき、コイル84aの電流が
他のコイルの電流の1/2になり、ステータ70を回転
させずとも各コイル84a,84b,84cのコイル電
流が等しくなる。
【0043】ここで、ロータ78の停止時には、ロータ
マグネット82の各磁極とステータコア72の各ティッ
プ76とが磁気的に釣り合い、起動時、ステータ70と
ロータ78とがいわゆる死点を形成して起動できないこ
とが考えられるが、ポール数とスロット数の相違及びス
テータコアの方向性に基づく磁位の違いにより、さらに
は各ティース74における巻回状態(配置,スペースフ
ァクター)に差異があり、各ティップ76における各テ
ィップ76とロータマグネット82の各磁極との間の吸
引と反発とに差が生じ、ロータ78は回転し始める。
【0044】ロータ78が回転し始めると、センサによ
りロータマグネット82の回転位置つまり磁極の境目が
検出され、この検出信号によりコイル84a,84b,
84cへの通電方向を切り換えることにより各ティップ
76にロータマグネット82の対向磁極と逆極性になる
電磁極が形成され、ロータ78に連続して回転力を与え
ることが可能となる。
【0045】次に、第4の実施例を図8を用いて説明す
る。この実施例に示すものは、4ポール4スロットのブ
ラシレスモータであり、ステータ86のステータコア8
8は4スロット構成であり、4個のティース90が周方
向に等間隔つまり90度毎に配列されている。このステ
ータコア88は互いに直交する方向の2方向性珪素鋼板
からなり、鋼板における結晶の磁化容易軸が同図矢印に
示すように中心を挟んで対向する一対のティース90に
対して機械角θだけ偏位すると共に、他の一対のティー
ス90に対して機械角θだけ偏位している。この偏角θ
は例えば7度に設定されている。92は各ティース90
の先端に位置するティップである。また、各ティース9
0には、例えば1本のコイルが順に巻回されている。
【0046】一方、ステータ86に対向するように回転
自在に設けられたロータ94は、ロータホルダ96の周
壁の内周面に環状のロータマグネット98を取り付けて
構成されている。ロータマグネット98は、4ポール構
成であり、N極、S極が交互に周方向等間隔に配列され
ている。このロータマグネット62に対向して、ホール
素子等のセンサ(図示せず)が任意スロット間に1個配
設されている。
【0047】このような構成のブラシレスモータにあっ
ては、停止時に図8の状態、つまり各るティップ92が
ロータマグネット98の各磁極に若干偏位して対向し、
この状態で釣り合っているが、起動時、コイルへの通電
を開始して各ティップ92を磁化すると、ステータコア
88はその磁化容易方向に方向性を有するため、各ティ
ップ92における磁化中心がティップ92の中心からほ
ぼ等しくずれ、従って両者に基づいてロータマグネット
98の各磁極の中心と各ティップ92の磁化中心とがず
れることによりロータマグネット98に回転力が作用
し、ロータ94が速やかに回転する。
【0048】特にこの場合、ステータコア88が2方向
性を有することから、各ティース90の突出方向に対す
る磁化容易軸の偏角が等しくなり、起動時の回転力がロ
ータマグネット98の各磁極に等しく生じることにな
り、ロータ94の起動が極めて迅速に行われることにな
る。
【0049】このような構成によれば、従来のようなス
テータの切り欠きは不要となるから等価ギャップを減少
してモータ効率を高め得るだけでなく、切り欠きに基づ
く回転中の振動騒音も減少するという効果を奏する。
【0050】以上、本発明による各種のブラシレスモー
タの実施例について説明したが、本発明はこれら実施例
に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱するこ
とのない範囲で種々の変更ないし修正が可能であること
は言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているため、次に記載する効果を奏する。ステータのス
テータコアを方向性鋼板により構成したことにより、モ
ータ起動時の死点発生を解消でき、円滑な起動を実現で
きるものである。このため、従来のようにステータのス
ロット数とロータマグネットの磁極数とを異なる数とし
て複数のセンサを用いるといった構造上の工夫を要する
ことがなく、モータ特性に応じたステータのスロット数
とロータマグネットの磁極数とを任意に設定でき、ステ
ータに補極を設ける必要もなく、さらにはティースの形
状を非対称としてロータとステータとが死点から機械的
にずれるようにする必要もなく、構造が簡単となり、安
価でしかも高効率のモータ特性が得られるものであ
る。。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のブラシレスモータの第1の実施
例の要部を示すステータとロータとの平面図。
【図2】図1のブラシレスモータの全体構成を示す切断
正面図。
【図3】図2のコイル駆動回路を示す回路図。
【図4】図3の駆動回路におけるコイル電流の波形図。
【図5】本発明の第2の実施例の要部を示すステータと
ロータとの平面図。
【図6】本発明の第3の実施例の要部を示すステータと
ロータとの平面図。
【図7】図6のコイルの回路図。
【図8】本発明の第4の実施例の要部を示すステータと
ロータとの平面図。
【符号の説明】
22、52、72、88 ステータコア 24、84a、84b、84c コイル 26、50、70、86 ステータ 30、62、82、98 ロータマグネット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−17557(JP,A) 特開 昭63−217940(JP,A) 特開 昭57−208832(JP,A) 実開 昭55−59545(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 29/00 H02K 21/22 H02P 6/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のスロットを有するステータコアの
    各ティースにコイルを巻回して構成されたステータと、
    該ステータに対向して回転自在に設けられ周方向に異極
    を交互に配列してなる円環状のロータマグネットと、該
    ロータマグネットの磁束を検知するためのセンシング手
    段と、を備えたブラシレスモータであって、前記ステー
    タコアは、結晶の磁化容易軸が1方向性を有し、かつ該
    磁化容易軸が少なくとも1つの前記ティースの突出方向
    に対して偏位している環状の方向性鋼板により構成され
    ていることを特徴とするブラシレスモータ。
  2. 【請求項2】 前記各ティースに巻回された前記コイル
    は1つの回路網を形成し、該回路網が、単相電源により
    実質的に休止期間を含まないで通電方向が逆転する双方
    向通電により同時に駆動される請求項1記載のブラシレ
    スモータ。
  3. 【請求項3】 前記磁化容易軸が少なくとも1つの前記
    ティースの突出方向に一致し、前記磁化容易軸が他の前
    記ティースの突出方向に一致せず、前記少なくとも1つ
    のティースに巻回されたコイルと他の前記ティースに巻
    回されたコイルとが並列接続され、前記各コイルに流れ
    る電流がバランスする請求項1記載のブラシレスモー
    タ。
  4. 【請求項4】 複数のスロットを有するステータコアの
    各ティースにコイルを巻回して構成されたステータと、
    該ステータに対向して回転自在に設けられ周方向に異極
    を交互に配列してなる円環状のロータマグネットと、該
    ロータマグネットの磁束を検知するためのセンシング手
    段と、を備えたブラシレスモータであって、前記ステー
    タコアは、結晶の磁化容易軸が互いに直交する方向の2
    方向性を有し、かつ該磁化容易軸が少なくとも2つの前
    記ティースの突出方向に対して偏位している環状の方向
    性鋼板により構成されていることを特徴とするブラシレ
    スモータ。
JP04989794A 1994-02-07 1994-02-22 ブラシレスモータ Expired - Fee Related JP3447795B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04989794A JP3447795B2 (ja) 1994-02-22 1994-02-22 ブラシレスモータ
US08/383,813 US5689147A (en) 1994-02-07 1995-02-06 Brushless motor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04989794A JP3447795B2 (ja) 1994-02-22 1994-02-22 ブラシレスモータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07236261A JPH07236261A (ja) 1995-09-05
JP3447795B2 true JP3447795B2 (ja) 2003-09-16

Family

ID=12843817

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04989794A Expired - Fee Related JP3447795B2 (ja) 1994-02-07 1994-02-22 ブラシレスモータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3447795B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0847185A (ja) * 1994-08-03 1996-02-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd モータの鉄心
JP3590121B2 (ja) * 1995-01-31 2004-11-17 日本電産株式会社 ブラシレスモータ
JP3720417B2 (ja) * 1995-05-12 2005-11-30 日本電産株式会社 磁石モータ
JP2002199629A (ja) * 2001-12-13 2002-07-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd モータ
JP5204377B2 (ja) * 2006-03-03 2013-06-05 並木精密宝石株式会社 直流モータ及び直流振動モータ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07236261A (ja) 1995-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1032967A (ja) トルク発生装置
JP3447795B2 (ja) ブラシレスモータ
JP3524138B2 (ja) ブラシレスモータ
JP2717601B2 (ja) 吸引・反発型電動機
JP3633965B2 (ja) ブラシレスモータ
JP3466706B2 (ja) ブラシレスモータ及びその回転制御方法
JPH048154A (ja) 有鉄心形単相ブラシレスモータ
JPH05236688A (ja) 永久磁石形モータ
JPH0750867Y2 (ja) スロットレス形dcブラシレスモータ
JP2545797B2 (ja) ブラシレスモータ装置
JPH06315293A (ja) 永久磁石形モータの駆動装置
JPH0667165B2 (ja) ブラシレスモ−タ
JP2897057B2 (ja) 電磁回転機
JPS592556A (ja) 直流モ−タ
JP3436573B2 (ja) マイクロモータ
JPH05276724A (ja) ブラシレスモータ
JPH06339241A (ja) 永久磁石形モータ及びその製造方法
JPS60141156A (ja) 磁界内におかれたコイルの誘導出力を位置検知信号として駆動コイルを通電制御するブラシレスモ−タ
JP4312115B2 (ja) モータ駆動装置
JP2001320860A (ja) 2相回転電機
JPS62171449A (ja) 単相ブラシレスモ−タ
JPH0515145B2 (ja)
JPS62152361A (ja) 無刷子電動機
JPS60113647A (ja) ブラシレスモ−タ
JPH11146680A (ja) 多相モータの駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030624

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080704

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080704

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090704

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees