JP3441923B2 - カーボンナノチューブの製法 - Google Patents

カーボンナノチューブの製法

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JP3441923B2 JP16129297A JP16129297A JP3441923B2 JP 3441923 B2 JP3441923 B2 JP 3441923B2 JP 16129297 A JP16129297 A JP 16129297A JP 16129297 A JP16129297 A JP 16129297A JP 3441923 B2 JP3441923 B2 JP 3441923B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子デバイスやマ
イクロデバイスなどの機能材料や、構造材料などとして
広い範囲で、特に、電子放出材料、STMなどの探針、
マイクロマシン用細線、量子効果素子用の細線、バイオ
デバイスなどの機能材料として有効に利用可能なカーボ
ンナノチューブの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維状のカーボンを一般的にカーボンフ
ァイバーと呼んでいるが、直径数μm以上の太さの構造
材料として用いられるカーボンファイバーは、従来から
何種類もの製法が研究されてきている。そのなかで現在
主流を占めているのは、PAN系やピッチ系の原料から
作製する製法である。この製法の概略は、PAN繊維や
等方性ピッチ、メソフェーズピッチから紡糸した原料を
不融化、耐炎化し、800〜1400℃で炭素化後、1
500〜3000℃で高温処理する方法である。こうし
て得られたカーボンファイバーは強度や弾性率など機械
的特性に優れ且つ軽量なのでスポーツ用品や断熱材、航
空宇宙関連や自動車関連の構造材などに複合材料として
も利用されている。
【0003】これとは別に近年発見されたカーボンナノ
チューブは直径1μm以下の太さのチューブ状の材料で
あり、理想的なものとしては炭素六角網目の面がチュー
ブの軸に平行になって管を形成したものである。さらに
この管は多重になることもある。このカーボンナノチュ
ーブはカーボンでできた六角網目の繋り方やチューブの
太さにより金属的になったり半導体的になることが理論
的に予想され、将来の機能材料として期待されている。
【0004】これらの炭素系の繊維材料の一般的な製造
方法の概略をまとめると以下のとおりである。 (1)カーボンファイバーについて カーボンファイバーには多くの種類のものが存在し、合
成されるファイバーの構造は合成方法やその条件により
大きく変化することが知られているので、その用途など
により合成方法が選択されている。詳細は稲垣道夫著
「ニューカーボン材料」(技術堂出版)等に記述されて
いる。
【0005】以下に主だった3種類の合成方法について
簡単に説明する。 PAN系カーボンファイバー 原料にポリアクリロニトリルを用いて前駆体の紡糸、そ
の不融化処理、高温処理の3つの主なプロセスを経て合
成される。不融化処理、高温処理では環化と酸素による
脱水素化、さらに炭素六角網目形成をともなう脱炭化水
素化が行われる。また、プロセスの途中でファイバーに
延伸操作を加えることにより炭素六角網目がファイバー
の軸方向に配列するようになり、特性が著しく向上する
ことが知られている。こうして得られるPAN系カーボ
ンファイバーには汎用(GeneralPurpose, GP)グレー
ド、および高強度(High Tensile Strength, HT)タイプ
がある。 ピッチ系カーボンファイバー ピッチ系カーボンファイバーには等方性ピッチからつく
られる等方性ピッチ系炭素繊維と光学的に異方性を示す
メソフェーズ系ピッチ系炭素繊維の主に2種類に分けら
れる。製造プロセスは上記のPAN系カーボンファイバ
ーに類似しており、紡糸、不融化処理、高温処理による
炭素化からなっている。
【0006】メソフェーズ系ピッチ系炭素繊維はPAN
系カーボンファイバーの場合のような延伸操作を加えな
くても軸方向の良好な配列が得られ、繊維断面の組織も
放射状(ラジアル)、ランダム、同軸円筒状(オニオ
ン)などがピッチの粘度で制御できる。メソフェーズ系
ピッチ系炭素繊維は高弾性率(High Modulus, HM)タイプ
であり将来の複合材料として注目されている。等方性ピ
ッチ系炭素繊維はGPグレードに属しており断熱材など
に利用されてきた。 気相成長系カーボンファイバー 代表的な1例を示すと、水素をキャリアガスにしてベン
ゼン蒸気を1050℃前後に保持した電気炉内に送り込
み、鉄微粒子を触媒として基板上に成長させる方法があ
る。成長過程には核形成、極めて細いファイバーの軸方
向の成長、ファイバーの径方向に太さを増す径方向成長
期の3種類が考えられている。触媒には10nm程度の
鉄の超微粒子が必要であり、ファイバーが得られた後で
はファイバーの先端にFe3Cが存在することになる。
水素ガスは鉄の還元やベンゼンの熱分解の抑制の作用も
あると考えられている。
【0007】得られたファイバーは中心から中空チュー
ブ、平坦で薄い網目層、軸にほぼ平行に配列し1nm程
度の網目を持つ厚い外周部からなっている。中心付近の
平坦で薄い網目層を持つ中空チューブは鉄触媒が核にな
ってでき、厚い外周部はベンゼンの熱分解により得られ
たものと考えられる。このようなチューブは鉄を触媒と
して一酸化炭素を気相熱分解した場合にも見られる。G.
G. Tibbetssはメタンガスを用いても同様なファイバー
が得られることをJ. Crysi. Growth, 73 (1985) 431 で
説明している。
【0008】気相成長法では基板に触媒を付けておくシ
ーディング法(Seeding Catalyst Method) と、触媒を気
相中に浮遊させる流動触媒法(Floating Catalyst Metho
d)がある。流動触媒法ではファイバーの径が細く折れ曲
がった形状になりやすい。またIshioka らはキャリアガ
スに水素と二酸化炭素及び一酸化炭素の混合ガスを用い
ることによりファイバーの集率が向上すること、また触
媒としてフェロセンと金属アセチルアセテトネイトの混
合物を用いることによりさらにファイバーの集率が向上
することをCarbon, 30 (1992) 859 およびCarbon, 30
(1992) 865 において説明している。
【0009】シーディング法で得られたファイバーは熱
処理を加えることにより黒鉛的積層構造が発達する。す
なわち2000℃付近で網目構造が発達し、2500℃
付近から網目の積層構造が発達していく。流動触媒法で
作成したファイバーではあまり黒鉛的積層構造は発達し
ない。これらのファイバーを2800℃以上で熱処理す
るとファイバー外壁が多角形になるポリゴニゼイション
が発生する。
【0010】これらの製法を全体的にみると、PAN
系、ピッチ系では空気中150〜400℃の雰囲気で耐
炎化、不融化が必要であり、その後気相成長法も含め炭
素化、黒鉛化の熱処理が必要である。すなわち1300
℃付近の熱処理で炭素化された炭素質の材料と、280
0℃付近で黒鉛化された黒鉛質の材料がある。この加熱
処理にともなって密度は増加し抵抗率は減少する傾向に
ある。材料別にみるとおおむね等方性ピッチ系、PAN
系、メソフェーズピッチ系、気相成長系の順に密度、引
張強度、引張弾性率は増大し、抵抗率は低下する。等方
性カーボンファイバーでは平均面間隔が0.344nm
程度で高温熱処理を施しても乱層構造が残っている。し
かし気相成長系カーボンファイバーでは2400℃以上
で高温熱処理を施すと平均面間隔が0.336nm程度
になり理想的な積層構造が得られる。これは磁気抵抗値
の測定からも評価できる。
【0011】以上記載した製法で得られるカーボンファ
イバーの径は数μm以上であるが、これらの中で比較し
た場合、気相成長法が最も軸に平行な積層網目構造が得
られ易くカーボンナノチューブに近い材料であると言え
る。 (2)カーボンナノチューブについて 直径がカーボンファイバーよりも細い、1μm以下の材
料は通称カーボンナノチューブと呼びカーボンファイバ
ーとは区別しているが、明確な境界はない。本明細書中
では直径数μm以上の太さで細長い形状の材料をカーボ
ンファイバー、直径1μm以下の太さで細長い形状をし
ている材料をカーボンナノチューブと呼ぶ。また、狭義
には、カーボンの6角網目の面が軸とほぼ平行である材
料をカーボンナノチューブと呼び、カーボンナノチュー
ブの周囲にアモルファス的なカーボンが存在する場合も
カーボンナノチューブに含める。
【0012】カーボンナノチューブの製法には現在大き
く分類して2種類知られている。それはカーボンファイ
バーの気相成長法と類似の熱分解法、および熱プラスマ
を用いる方法である。熱プラズマを用いる方法は更にア
ーク放電法と高周波誘導法の2種類に分類される。以下
これらの方法について代表的な例を挙げて簡単に説明す
る。
【0013】1)触媒を用いた熱分解法 この方法はカーボンファイバーの気相成長法とほぼ同じ
である。このような製法をC. E. SNYDERらが国際公開W
O89/07163に記載している。この方法は、反応
容器中に炭素導入用の原料ガスを水素と共に導入し、同
時に金属超微粒子を導入してカーボンナノチューブを得
る方法である。ここで原料としては、例えばメタン、エ
タン、プロパン、ブタン、ヘキサン、シクロヘキサンな
どの飽和炭化水素やエチレン、プロピレン、ベンゼン、
トルエンなどの不飽和炭化水素、アセトン、メタノー
ル、一酸化炭素など酸素を含む原料が利用されている。
また原料ガスと水素の比は1:20〜20:1が良好で
あり、触媒はFe単独、あるいはFeとMo、Cr、C
eまたはMnの混合物が推奨されており、それを微粒状
(fumed)アルミナ上に付着させておく方法も提唱され
ている。反応容器は550〜850℃の範囲で、ガスの
流量は1インチ径当たり水素が100sccm、炭素を
含む原料ガスが200sccm程度が好ましく、微粒子
を導入して30分〜1時間程度でカーボンチューブが成
長する。
【0014】こうして得られるカーボンチューブの形状
は直径が3.5〜75nm程度であり、長さは直径の5
〜1000倍に達する。カーボンの網目構造はチューブ
の軸に平行になり、チューブ外側の熱分解カーボンの不
着は少ない。
【0015】2)アーク放電法 アーク放電法はIijimaにより最初に見いだされ、詳細は
Nature Vol. 354 (1991) p.56-58に記載されている。ア
ーク放電法とは、アルゴン100Torrの雰囲気中で
炭素棒電極を用いて直流アーク放電を行うという単純な
方法であり、発生するプラズマは熱プラズマとなる。カ
ーボンナノチューブは負の電極の表面の一部分に5〜2
0nmの炭素微粒子と共に成長する。このカーボンチュ
ーブは直径4〜30nmで長さ約1μm、2〜50重の
チューブ状のカーボン網目が重なった層状構造であり、
そのカーボンの網目構造は軸に平行に螺旋状に形成され
ている。螺旋のピッチはチューブごと、またチューブ内
の層ごとに異なっており、また多層チューブの場合の層
間距離は0.34nmとグラファイトの層間距離にほぼ
一致する。チューブの先端はやはりカーボンのネットワ
ークで閉じている。
【0016】また、T. W. Ebbesenらはアーク放電法で
カーボンナノチューブを大量に生成する条件をNature V
ol. 358(1992) p.220-222に記載している。陰極に直径
9mm、陽極に直径6mmの炭素棒を用い、チャンバー
中で1mm離して対向するよう設置し、ヘリウム約50
0Torrの雰囲気中で約18V、100Aのアーク放
電を発生させる。500Torr以下だとカーボンナノ
チューブの割合は少なく、500Torr以上でも全体
の生成量は減少する。最適条件の500Torrだと生
成物中のカーボンナノチューブの割合は75%に達す
る。投入電力を変化させたり、雰囲気をアルゴンにして
もカーボンナノチューブの収集率は低下した。またナノ
チューブは生成したカーボンロッドの中心付近に多く存
在する。
【0017】3)高周波誘導プラズマ法 高周波誘導プラズマ法は本質的にアーク放電法と同じ熱
プラズマを利用する方法であり、田中らがフラーレンお
よびカーボンナノチューブの製法に利用する技術を特開
平7−61803号公報に開示している。これによる
と、アルゴンガスなどの雰囲気で、容器を100Tor
r以上の圧力にし、数MHzの高周波により容器中に誘
導プラズマを発生させ、そこにカーボンの粉を送り込
み、そのカーボンを蒸発、再結合させるという方法であ
る。この際、プラズマ中の温度は5000〜20000
Kに達しており、このような熱プラズマは通称ICP
(Inductively Coupled Plas
ma)と呼ばれる。
【0018】なお、多層チューブのことを一般的にマル
チコアチューブ、単層のチューブをシングルチューブと
略称するので本明細書においても以後略称を用いる。
【0019】以上を簡単にまとめると、図1に示すよう
にカーボンファイバーは、軸に平行でかつチューブ状の
網目構造が発達していない図1(a)に示すような形状
を有し、触媒を利用した気相熱分解法では図1(b)の
ように中心に軸に平行でかつチューブ状の構造(炭素六
角網目構造からなる。網目構造は不図示。)があるが、
その周囲に乱れた構造の炭素が多く付着しており、アー
ク放電法では図1(c)のように中心に軸に平行で且つ
チューブ状の構造(炭素六角網目構造からなる。網目構
造は不図示。)が発達し、周囲のアモルファス状のカー
ボンの付着量も少ない。このカーボンナノチューブのマ
ルチコアの場合の断面図を図1(d)に示す。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術にお
けるカーボンナノチューブの製法では、得られるカーボ
ンナノチューブは太さも方向もランダムなものであり、
不純物の炭素材料も混合している。この方法で得られる
カーボンナノチューブは利用に際して、合成後に回収し
て精製し、さらに利用する形態に合わせて特定の形状に
形成しなければならない。例えば、電子源として利用し
ようとする場合には A. G. RinzlerらはSCIENCE Vol. 2
69 (1995) p.1550-1553 に示されているようにカーボン
ファイバーの1本を取り出し、片方を電極に接着してカ
ーボンファイバーの中心に存在するカーボンナノチュー
ブの反対側の端部から電子を電圧により引き出してい
る。また、Walt A. de Heer らはSCIENCE Vol. 270 (19
95) p.1179-1180 およびSCIENCE Vol. 268(1995) p.845
-847に示されるように、アーク放電で作製したカーボン
ナノチューブを精製した後、セラミックフィルターを用
いて基板上にチューブを立たせて電子源を作製してい
る。
【0021】シーディングの触媒を用いた熱分解法でも
基体上に直接カーボンナノチューブを成長させることが
できるが、基板温度を800℃程度と高く設定する必要
があり、また成長するカーボンナノチューブの方向も制
御できず、太さも制御しずらくチューブの周壁にはアモ
ルファス状のカーボンが成長しやすかった。また基体と
カーボンナノチューブの接合も弱いものであった。
【0022】さらにアーク放電では大電流が必要であ
り、かつカーボンナノチューブの成長部分の温度が極め
て高く、石英や金属の基板などのような基体上に直接カ
ーボンナノチューブを成長させることは不可能であっ
た。同様に高周波誘導プラズマ法でも、プラズマ中の温
度が数1000℃以上と非常に高いので、基体上に直接
カーボンナノチューブを成長させることは不可能であっ
た。
【0023】以上から理解されるよう広範囲の材質から
なる基体上に所望とする方向にカーボンナノチューブを
形成するのは非常に困難であり、さらに所望の間隔でカ
ーボンナノチューブを形成することや低温での成長は不
可能であった。本発明の目的はこれらの問題点を解決す
ることにある。
【0024】すなわち、本発明の目的は、比較的低温で
基体上にカーボンナノチューブを成長させ得る方法を提
供することにある。
【0025】本発明の他の目的は、基体上に特性の均一
なカーボンナノチューブを成長させ得る方法を提供する
ことにある。
【0026】本発明の他の目的は、基体上に方向性がよ
り改善されたカーボンナノチューブを成長させ得る方法
を提供することにある。
【0027】本発明の他の目的は、基体上に特定の方向
性を有したカーボンナノチューブを成長させることので
きる方法を提供することにある。
【0028】本発明の他の目的は、基体上に特定の間隔
で多数のカーボンナノチューブを成長させることのでき
る方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明のカーボンナノチ
ューブの製造方法は、反応容器中に配置した基体上にカ
ーボンナノチューブを成長させることによるカーボンナ
ノチューブの製造方法であって、表面にカーボンナノチ
ューブ成長開始領域を予め形成した基体を前記反応容器
内に配置した状態で、炭素導入用の炭素と水素からなる
原料である第1のガスと水素あるいはヘリウムの少なく
とも一方を含む第2のガスその総圧力が10 -2 〜10 4
パスカルであって 且つ該第1のガス分圧が1〜10%と
なるように該反応容器内に導入し、該反応容器中にマイ
クロ波を用いた交流グロー放電によるプラズマを発生さ
せることによって前記基体上にカーボンナノチューブを
形成することを特徴とする。この製造方法ではカーボン
ナノチューブの製造にグロー放電が利用されるが、この
グロー放電はアーク放電と明確に区別されるものであ
り、以下にその違いについて図2を用いて説明する。な
お、ここでは便宜上直流における例について説明する
が、グロー放電とアーク放電との関係においては交流で
も同様である。
【0030】図2は適当な圧力容器の中で正負の電極間
に直流の電圧を印加した場合の電流と電圧の関係を示し
ている。図中Aの領域をグロー放電領域、Bをアーク電
流領域と呼び、さらに細かくはグロー放電領域中の電圧
が電流にほとんど依存しない領域を正規グロー放電領域
と呼び、それより低電流側に前期グロー放電領域、高電
流側が異常グロー放電領域と呼ばれる。グロー放電領域
とアーク放電領域の間の部分は過渡状態と呼ばれる。以
下にもう少し詳しくグロー放電とアーク放電について述
べる。 グロー放電 グロー放電は圧力が数1000パスカル以下で放電電流
が数10mA以下の低圧力、低電流の安定した放電であ
る。このような放電は交流電圧によっても得られる。直
流グロー放電では陰極側からアストン暗部(励起電圧の
高いHe、Neなどで見られる)、陰極グロー、陰極暗
部、負グロー、ファラデー暗部、そして大部分を占める
陽光柱、最後に陽極グローがある。印加した電圧の大部
分は陰極近傍に集中する。 アーク放電 アーク放電ではグロー放電と比べて電圧が10分の1程
度に減少し、電流は4〜5桁程度大きい。陰極は白熱す
るほど加熱され、そこから熱電子が多量に放出されるた
めに放電維持電圧が下がっている。アーク放電では陰極
側の陰極輝点、陽極端の陽極点、およびその間のプラズ
マ状態のアーク柱からなる。
【0031】アーク放電法においてカーボンナノチュー
ブが得られる過程は以下のように考えられる。すなわち
アーク放電で加熱された炭素電極から炭素が蒸発しプラ
ズマ中でイオン化され、その炭素イオンC+ などが陰極
に引き寄せられる。陰極では非常に高温になっているた
めグラファイト化が起こりやすい状況にある。ただし、
なぜナノチューブの形状が得られやすいかは現在のとこ
ろ明確にはなっていない。
【0032】次に、低圧低電離プラズマと高圧高電離プ
ラズマについて説明する。前述のグロー放電は、直流、
交流(高周波を含む)ともに低圧低電離プラズマであ
る。低圧低電離プラズマは一般に104パスカル以下の
圧力で発生させるプラズマであり、電離度が低く、プラ
ズマ中には電子やイオンの他に多量の中性の電離してい
ないガスが存在する。そして、プラズマ中では非平衡な
状態になっており、中性ガス、イオン、電子の順に温度
が高くなる。このプラズマ中に基体を設置した場合、基
体温度は数100℃から高くても1000℃程度であ
る。
【0033】一方、高電圧電離プラズマにはアーク放電
によるものと、高圧高周波誘導プラズマによる方法があ
り、電離度は高く、プラズマ中では電子やイオンが熱平
衡状態になっている。プラズマ中の中性ガスは低圧低電
離プラズマに比べて少ない。この高圧高電離プラズマは
一般に104パスカル以上の圧力で発生し、プラズマ中
の温度は数1000〜20000℃に達する。高圧高周
波誘導プラズマの発生は、一般に数MHzの周波数で数
10Aの電流を流したコイル中に設置した石英管内で行
われる。
【0034】本発明の第1の製造方法では、前者の交流
グロー放電が利用される。アーク放電法では電極棒以外
の基体を用いることはほぼ不可能である。また、高圧高
周波誘導プラズマではプラズマ中に基体を設置すること
は高温のためほぼ不可能である。本発明の第1の方法で
は低圧低電離ガスプラズマ中で炭素や炭化水素などのイ
オンをつくり、それをプラズマと基体との間に発生する
シース電圧により加速、供給することや、成長を始めた
カーボンナノチューブ自身に誘導される電流などの効果
により、基体表面にカーボンナノチューブを成長させる
ものである。
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法では、基体表面
に設けた成長開始領域または成長核を開始点として利用
してカーボンナノチューブを成長させる。このカーボン
ナノチューブ成長開始領域または成長核としては、例え
ば物理的形状や化学的組成をその他の部分と変えるなど
の方法によって、他の部分よりもカーボンナノチューブ
の成長を開始させ易い部分を提供できる領域または核部
分として形成されたものであれば良い。
【0039】化学組成の変化によってカーボンナノチュ
ーブ成長開始領域を形成する方法としては、例えばカー
ボンナノチューブ成長開始領域または成長核として機能
し得る組成の部分を基体に形成する方法を挙げることが
でき、また、物理的形状の変化によってカーボンナノチ
ューブ成長開始領域または成長核を形成する方法とし
て、例えば、電圧等の集中を可能とする突起構造を設け
るなどの方法を好ましいものとして挙げることができ
る。このように基体上にカーボンナノチューブ成長開始
領域を設けておくことによって、アモルファスカーボン
やグラファイト状の構造が成長するのを抑制し、かつカ
ーボンナノチューブの成長を効果的に促進させることが
可能となる。
【0040】化学組成を変化させたカーボンナノチュー
ブ成長開始領域または成長核としては、カーボンナノチ
ューブの成長開始をより効果的に誘導可能な部分を形成
できるものが利用でき、例えば金属もしくは低抵抗の半
導体を好適なものとして挙げることができる。これら金
属もしくは低抵抗の半導体としては、Fe、Ti、V、
Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Pd、
W、Ptなどの遷移金属、ランタノイド元素及びSiC
などが挙げられる。これらの中では、炭化水素の脱水素
反応を促進させることが可能な金属触媒であるFe、C
o、Niやそれらを含むインバーなどの合金がより好ま
しい。
【0041】これらの材料からなるカーボンナノチュー
ブ成長開始領域または成長核を基体上に形成する方法と
しては、例えば、これらの材料からなる超微粒子を基体
上に固定させる方法や、基体の表面にこれらの材料から
なる部分を形成する方法等を挙げることができる。
【0042】超微粒子として基体上に固定させる方法と
しては、超微粒子を基体表面に吹き付ける方法が利用で
きる。
【0043】なお、これらの材料からなる超微粒子は、
例えばガス中蒸発法と呼ばれる一般的な方法によって得
ることができる。すなわち、104パスカル程度のアル
ゴンなどの不活性ガス中で、ルツボなどを用いて金属を
加熱蒸発させ、ガス中で超微粒子に成長させる方法であ
る。この発生した超微粒子を直接別のチャンバーにおい
た基体上に差圧を利用して吹き付けることも可能である
し、また一度超微粒子を回収した後基体上に分散塗布し
たり吹き付けたりすることも可能である。このような方
法以外にも、例えば基体上に超薄膜を成膜してから加熱
凝集させることにより超微粒子を得ることも可能であ
る。
【0044】さらに制御された方法として若干のオイル
などのガスが存在するSEM(Scanning Electron Micro
scope:走査型電子顕微鏡)などで電子線を基体上に照射
することにより、その部分にカーボン超微粒子を成長さ
せることが可能である。この場合ガスを有機金属などの
特定な原料に変えることにより、カーボン以外の金属を
成長させることも可能である。
【0045】なお、「超微粒子」については以下のよう
な一般的な認識がある。すなわち、小さな粒子を「微粒
子」と呼び、これよりも小さなものを「超微粒子」と呼
ぶ。「超微粒子」よりもさらに小さく原子の数が数百個
程度以下のものを「クラスター」と呼ぶことは広く行わ
れている。しかしながら、それぞれの境は厳密なもので
はなく、どのような性質に注目して分類するかにより変
化する。また、「微粒子」と「超微粒子」を一括して
「微粒子」と呼ぶ場合もある。
【0046】「実験物理学講座14 表面・微粒子」
(木下是雄 編、共立出版1986年9が1日発行)で
は次のように記述されている。
【0047】「本稿で微粒子というときにはその直径が
だいたい2〜3μm程度から10nm程度までとし、特
に超微粒子というときには粒径が10nm程度から2〜
3nm程度までを意味することにする。両者を一括して
単に微粒子と書くこともあって決して厳密なものではな
く、だいたいの目安である。粒子を構成する原子の数が
2個から数十〜数百個程度の場合はクラスターと呼
ぶ。」(195ページ22〜26行目参照)。
【0048】付言すると、新技術開発事業団“林・超微
粒子プロジェクト”での「超微粒子」の定義は、粒径の
下限はさらに小さく、次のようなものであった。
【0049】「創造科学技術促進制度の“超微粒子プロ
ジェクト”(1981〜1986)では、粒子の大きさ
(径)がおよそ1〜100nmの範囲のものを“超微粒
子”(utlra fain particle) と呼ぶことにした。すると
1個の超微粒子はおよそ100〜108 個くらいの原子
の集合体ということになる。原子の尺度でみれば超微粒
子は大〜巨大粒子である。」(「超微粒子・創造科学技
術」林主税、上田良二、田崎明 編、三田出版1988
年2ページ1〜4行目参照)「超微粒子よりさらに小さ
いもの、すなわち原子が数個〜数百個で構成される1個
の粒子は、普通クラスターと呼ばれる」(同書2ページ
12〜13行目参照)。
【0050】以上のような一般的な呼び方をふまえて、
本明細書において「超微粒子」とは1nm〜数μmの範
囲の粒径を有する微粒子を指すこととするが、カーボン
ナノチューブの成長開始領域用の超微粒子の粒径は本発
明の方法が実施できる程度であれば特に限定されない。
【0051】更に、超微粒子を用いない方法としては、
可視光、紫外線やX線や電子線などの描画によるリソグ
ラフィー技術により、所望の位置に上記の材料からなる
表面部分を形成する方法を挙げることができる。
【0052】一方、物理的な形状を変化により、カーボ
ンナノチューブ成長開始領域または成長核として利用し
得る突起構造を基体表面に作製する方法としては、FE
(Field Emission:電界放射)の電子源で用いられる製法
やSTM(Scanning Tunneling Microscope: 走査型トン
ネル顕微鏡)の探針の作製に用いられる製法が挙げられ
る。これには逆テーパーを有するレジストの穴の上から
金属を斜め蒸着し、穴の部分をリフトオフするスピント
法や、針の先端部分になる部所にマスクを付けておきサ
イドエッチングを行ってからマスクを取り除くエッチン
グ法や、基板の穴になる部分以外の部所にマスクを付け
ておき異方性エッチングを行って穴を開けてモールドと
し、その上から金属を成膜してモールド部分を取り除く
転写方法などである。
【0053】以上の方法によって得られるカーボンナノ
チューブ成長開始領域の代表的構造を図3に示す。図3
(a)〜(c)は、基体1上にカーボンナノチューブ成
長開始領域2が形成された状態を模式的断面図として表
したもので、図3(a)は超微粒子を用いて形成された
場合、図3(b)はリソグラフィー技術を利用して所定
のドット状にパターンニングした金属等の薄膜を用いた
場合を、図3(c)は突起構造(頂点が鋭角な場合)を
用いた場合をそれぞれ示す。
【0054】本発明の方法に用い得る基体としては、各
種金属基板やSiウエハー、石英、ガラス、セラミック
ス等が挙げられ、本発明の製造方法では基体に直接カー
ボンナノチューブを成長できるのでカーボンナノチュー
ブの用途の大幅な拡大を図ることが可能となる。
【0055】カンボンナノチューブの成長方法として
は、本発明の製造方法では交流グロー放電により原料と
なるプラズマを発生させることにより行われる。以下、
この方法についての代表例を説明する。
【0056】本発明の製造方法では、上述した方法によ
り基体の表面に予めカーボンナノチューブ成長開始領域
を形成した後、これを内圧を調整可能な反応容器内の所
定位置に配置する。
【0057】基体の配置が終了したところで、反応容器
内を排気して10-6パスカル程度に減圧にしてから、炭
素導入用の原料を含むガスを反応容器内に連続的に導入
する。導入速度は、所望とするカーボンナノチューブの
構造や成長速度等に応じて適宜選択することができる
が、例えば、原料ガスの導入系や反応容器の排気系を調
節して、反応容器内の圧力が10-2〜104パスカルの
範囲となるように原料ガスを反応容器内に導入するのが
好ましい。
【0058】反応容器内に導入する炭素導入用の原料と
しては、炭素を含む化合物で、反応容器内へガスの状態
で導入し得るものが利用可能である。例えば、炭素と水
素のみからなるメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペ
ンタン、ヘキサン、エチレン、アセチレン、ベンゼン、
トルエン、シクロヘキサンなどの炭化水素や、その他の
元素を含むベンゾニトリル、アセトン、エチルアルコー
ル、メチルアルコール、一酸化炭素などが挙げられる。
これらの中でも好ましい原料は基体の種類や超微粒子な
どの組成や成長温度や圧力によって若干異なるものの、
炭素と水素からなる原料の方が不純物が入りにくくても
よい。またこれらの原料だけでも可能であるが、水素や
ヘリウムなどを混合して用いた方が好ましい。これらの
混合比は、所望とする成長速度等に応じて選択できる。
【0059】原料ガスの反応容器内への導入状態が維持
されているところで、交流グロー放電を起してプラズマ
を発生させて、カーボンナノチューブの成長を基体表面
に予め設けたカーボンナノチューブ成長開始領域から開
始させる。交流グロー放電としては、高周波(RF)や
マイクロ波を用いることが好ましい。この場合、基体が
電極を兼用していてもかまわないし、勿論電極とは別に
プラズマ中に設置されるような構成としてもよい。
【0060】カーボンナノチューブはプラズマ中に誘起
される電流の方向に成長する傾向を示す場合がある。こ
れを積極的に利用して電源にマイクロ波を用い、マイク
ロ波の空洞共振器中でプラズマを発生させ、空洞共振器
中における電流の誘起方向にカーボンナノチューブを成
長させることで方向性を制御した成長を行うことができ
る。この際用い得る空洞共振器としては例えば、同軸共
振器、半同軸共振器、円形空洞共振器、方形空洞共振
器、ドーナッツ形空洞共振器、凹形空洞共振器などが利
用可能である。誘起させる電流の方向は、空洞共振器の
形状や使用の際に設定されるモード等によって異なり、
所望の成長方向に応じて選択することができる。
【0061】例えば、円形空洞共振器のTE011モード
では、図4(a)に示したように電流は円筒の軸を中心
にした円周に沿った方向であり、円形空洞共振器のTE
111モードでは図4(b)示したように電流は円筒の軸
に垂直な方向となる。基体は円形空洞共振器の空間内に
設置しても、壁に添うように配置してもかまわない。な
お、電流誘起の方向とカーボンナノチューブの成長方向
の因果関係は明確でないが、成長にC+などのイオンが
関わっていることや、カーボンナノチューブの軸方向の
電気伝導率が大きいこと、チューブ先端に電界が集中し
易いことなどの複合的な原因が考えられる。
【0062】なお、基体温度は、例えば400〜900
℃の範囲から選択することができ、最適温度はガス種、
ガス圧、成長開始領域の組成等に応じて設定すると良
い。
【0063】交流グロー放電としてマイクロ波を用いた
装置の一例を図5に示す。11は反応容器としての円形
空洞共振器、12は石英のマイクロ波導入窓、1は基体
である。14はマクロ波を吸収しない、あるいはほとん
ど吸収しない基体ホルダー、15はマイクロ波発振器、
16はアイソレーター、17はマッチング及び検知器で
ある。18はガス導入系で、19はロータリーポンプと
ターボポンプからなる排気系である。このほかに、図示
していないが、導波管、基体の温度モニター、真空計及
びそのモニター、圧力調整バルブ、ガス流量計などが設
置されている。また、円形空洞共振器内でマッチングを
ネジにより調整できるようにしてある。
【0064】この装置においては、まず基体ホルダー1
4に基体1を設置した後反応容器11内を所定の圧力、
例えば10ー6パスカル程度まで排気する。その後原料ガ
ス(例えばエチレン)と、必要に応じて希釈または成長
促進用のガス(例えばヘリウム、水素ガスなど)を反応
容器内に導入する。導入後の反応容器11内での各ガス
の圧力を所定の値に調整した段階で、マイクロ波を発振
する。このときの反応容器11内の圧力は、例えば10
-2〜104パスカルの範囲から選択することができる。
なお、反応容器内の圧力はガスの流量と排気系の排気量
により調節することができる。ここでマッチングを調節
して反応容器11内にプラズマを発生させ、所定時間保
持してカーボンナノチューブを成長させる。そしてマイ
クロ波の発振を終了してプラズマを止め、ガス供給を遮
断した後真空引し、窒素リークしてから基体1を大気中
に取り出す。
【0065】一方、交流グロー放電を高周波として行う
場合には、高周波発生用の電極としては、所望とする交
流グロー放電を発生させることが可能で、かつカーボン
ナノチューブの成長を妨げないものであれば特に制限な
く利用可能である。その際、基体の、少なくともカーボ
ンナノチューブ成長開始領域を配置した面が電極となる
ように基体の材質や構造を選択して用いることができ
る。電極間距離は用いるガスおよび圧力等に依存する
が、数cm以下で、放電が可能な間隔とするのが好まし
い。またカーボンナノチューブの成長方向を特定の方向
に揃えるには、電極間に印加される平均の電界強度は5
0V/cm以上であることが有効である。なお、この平
均電界強度の上限は、電極構造、ガス種、ガス圧などに
応じて設定可能であるが、例えば約10kV/cm程度
とすることができる。
【0066】なお、上述したとおり電界の方向とカーボ
ンナノチューブの成長方向の因果関係は明確ではない
が、高周波を用いる場合にも、成長にC+などのイオン
が関わっていることや、カーボンナノチューブの軸方向
の電気伝導率が大きいこと、チューブの先端に電界が集
中しやすいことなどの複合的な原因が考えられる。
【0067】図6に高周波を用いてカーボンナノチュー
ブを成長させる装置の一例を示す。図6において、21
は反応容器、22は対向電極、1は基体である。24は
基体1の加熱用のヒーターを内蔵する基体ホルダーで、
基体1自体を電極として機能させるのに必要な構造を有
する。25はグロー放電発生用のRF電源でマッチンン
グボックスと一体となっている。26はガス導入系、2
7はロータリーポンプとターボポンプからなる排気系で
ある。更に、図示していないが、基体の温度モニター、
真空計およびそのモニター、圧力調整バルブ、ガス流量
計などが設置されている。更に、電極間の距離は導入す
るガスの種類や圧力、投入電力に応じて数mm〜100
mmまでの範囲で可変に調節できるようにしてある。な
お、対向電極22や基体ホルダー24はスパッタリング
による不純物の混入を避けるため、例えばカーボン製に
してある。
【0068】この装置におけるカーボンナノチューブの
製造は例えば以下のようにして行うことができる。ま
ず、反応容器21内の基体ホルダー24に基体1をセッ
トしてから排気系27により反応容器21内を所定の圧
力まで(例えば10-6パスカルまで)排気した後、基体
ホルダー24を600℃に加熱し、原料ガス(例えばア
セチレン)と、必要に応じて水素や不活性ガス(ヘリウ
ム等)を導入する。ガス導入開始後の反応容器21内の
総圧力や原料ガスの分圧は所望とする反応速度等に応じ
て選択されるが、総圧力は例えば500パスカルとする
ことができる。なお、反応容器内の圧力はガスの流量と
排気ラインでの排気量により調節することができる。
【0069】反応容器21内に所定の圧力が安定して得
られたところで、電極間にRF電力を印加してプラズマ
を発生させて基体1上でのカーボンナノチューブを形成
を行う。所定時間この状態を維持した後、電圧印加を終
了しプラズマを止め、ガス供給を遮断した後、反応容器
21内を真空排気し、基体1の温度を室温にしてから窒
素リークして基体1を大気中に取り出す。
【0070】以上説明した本発明の方法によれば、数n
m〜サブミクロンの直径を有し、長数10nm〜数10
μmの長さのカーボンナノチューブを得ることができ
る。しかも、チューブの片側、すなわち基体側は既に基
体と結合しているので電界電子放出やSTMなどの探針
やマイクロマシンの振動子などのナノチューブの片側だ
け接合して用いる応用には特に都合がよい。もちろん両
側接合や複数の電極を接合させる場合にも応用できる。
また表面処理などの基体表面の改質、例えば表面の不活
性化処理や高強度化処理としても利用可能である。
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【実施例】以下に実施例等により挙げて、本発明をさら
に詳しく記述する。 実施例1 まず、石英基板の所定面に、直径約20nmのFeNi
合金(Fe0.5Ni0.5)の超微粒子を、1μm角に数個
〜数10個程度の分散状態となるように加熱処理によっ
て分散させ、図5に示す構造の装置のホルダー14上の
所定位置に設置し、反応容器11内を10-6パスカルま
で排気系19により排気した。次に、基板の温度を50
0℃として、エチレンガス、ヘリウムガス及び水素ガス
をガス導入系18から導入し、これらのガスの総圧力を
10パスカル、エチレンの分圧を1パスカル、水素の分
圧を10パスカルとした。この状態でマイクロ波発振器
からマイクロ波(200W)を発振させ、マッチングを
調節して反応容器11内にプラズマを発生させ、30分
間保持した。そしてマイクロ波の発振を終了してプラズ
マを止め、ガス供給を遮断した後排気系19により真空
引きし、窒素リークしてから基板を大気中に取り出し
た。取り出した石英基板の表面をFE−SEM(Field
Emission-Scanning Electron Miciroscope: 電界放出走
査型電子顕微鏡)にて観察したところ、基板を空洞共振
器の中央に、その超微粒子分散面を電流誘起方向と垂直
方向に設置した場合では図7(a)に示すような直径数
10〜数100nmのカーボンナノチューブが基板表面
にチューブの片側が接合した状態で基板からやや垂直方
向に成長しており、空洞共振器中で基板の超微粒子分散
面を電流誘起方向と平行方向に設置した場合では図7
(b)に示すようにカーボンナノチューブが基板におお
むね平行方向に成長していた。また、基板の石英には若
干のアモルファスカーボンの堆積が見られたがカーボン
ナノチューブの成長に比べれば微量であった。
【0091】実施例2 石英基板の表面上に、Ni、Fe、Co、FeNi(F
0.5Ni0.5)、NiCo(Ni0.5Co0.5)、Au及
びAgのうちのいずれか1種からなる超微粒子を1μm
角に数個〜数10個程度分散したものを基体として用意
した。次に、これらの基板を個々に用いて図5の装置に
よるカーボンナノチューブの製造を行った。すなわち、
予め超微粒子を付与した基板を、図5に示す装置のホル
ダー上14に設置した。そして反応容器11を10-6
スカルまで排気した後ホルダー14を600℃に加熱
し、原料ガスであるベンゼンに、ヘリウムと水素を混合
した混合ガスを導入した。導入後の総圧力は10パスカ
ルとして、ベンゼンの分圧は0.1パスカル、水素の分
圧は1パスカルにした。そしてマイクロ波発振器15か
らマイクロ波(200W)を発振させ、マッチングを調
節して反応容器11内にプラズマを発生させ、60分間
保持した。そしてマイクロ波の発振を終了してプラズマ
を止め、ガス供給を遮断した後排気系19により真空引
きし、窒素リークしてから基板を大気中に取り出した。
取り出した石英基板の表面をFE−SEMにより観察し
たところ、Ni、Fe、Co、FeNi及びNiCoの
超微粒子を分散した石英基板上では図7(a)に示すよ
うな直径数10〜数100nmのカーボンナノチューブ
が基板表面からやや垂直方向に成長していた。このとき
石英基板には若干のアモルファスカーボンの堆積が見ら
れたが、カーボンナノチューブの成長に比べれば微量で
あった。一方、Auからなる微粒子またはAgからなる
微粒子を用いた場合には、若干のアモルファスカーボン
の堆積が見られたがカーボンナノチューブの成長はほと
んど認められなかった。
【0092】実施例3 次に、リソグラフィー技術などを用いてカーボンナノチ
ューブの成長部分を作製した実施例について説明する。
【0093】まず、以下の3種の基板を用意した。 (1)石英基板上にTiを薄く成膜(膜厚20nm)し
た上にPtをスパッタ法により成膜(膜厚40nm)し
た。さらにその上に10nmの膜厚のNiを成膜し、こ
のNi薄膜層を、電子線リソグラフィー法および一般の
露光法により約50nm〜10μm角のドット状(各ド
ットの間隔:ドット径の10倍程度)に加工した。 (2)Pt薄膜(膜厚40nm)を形成した石英基板の
表面に、若干のカーボンソース(CH4またはオイル)
がある雰囲気のSEM中で、基板の一部に電子線を当て
ることにより数10nm角のカーボンのドット(各ドッ
トの間隔:ドット径の10倍程度)を形成した。 (3)石英基板上に約10nmの膜厚のNi膜を成膜
し、これを真空中で1000℃に加熱してNi膜を凝集
させて超微粒子状に変化させた。
【0094】こうして得られた基板をそれぞれ個々に図
6に示す装置のホルダー24に設置し、反応容器21内
を排気系27で10-6パスカルまで排気した後、ホルダ
ー24を300℃に加熱し、原料ガスであるアセチレン
に加えて、ヘリウムと水素をガス導入系26から導入し
た。反応容器21内のガス圧を総圧力を50パスカル、
アセチレンの分圧を5パスカル、ヘリウムの分圧を40
パスカルとなるように調整し、基板1と対向電極22の
間にFR電力(300W)を印加してプラズマを発生さ
せて30分間保持した。なお、電極間距離は20mmに
調節した。反応終了後、電圧印加を終了し、プラズマを
止め、ガス供給を遮断した後真空排気し、基板を室温に
してから窒素リークして大気中に取り出した。
【0095】取り出した石英基板の表面をFE−SEM
により観察したところ、上記の3種の基板のいずれにお
いても、図7(a)に示すような直径数10〜数100
nmのカーボンナノチューブが基板からやや垂直方向に
成長していた。このとき基板の他の部分には若干のアモ
ルファスカーボンの堆積が見られたが、カーボンナノチ
ューブの成長に比べれば微量であった。
【0096】実施例4 次に、リソグラフィー技術などを用いて針状の成長部分
を作製した実施例について説明する。
【0097】まず、石英基板上にTiを薄く成膜(膜厚
20nm)した上にPtをスパッタ法により成膜(膜厚
40nm)した。その上にレジスト(商品名:RD20
00;日立化成(株))を塗布し、金属薄膜のパターニ
ング用の通常のリソグラフィー法により直径数μmの逆
テーパーを有する穴を開けた。この上から斜入射法によ
りCoを成膜し、その後レジストを取り除くことにより
図3(c)に示したような円錐状のCo突起構造を基板
表面に作製した。
【0098】この基板を基板1として図6に示す装置の
ホルダー24に設置し、反応容器21内を排気系27で
10-6パスカルまで排気した後、ホルダー24を600
℃に加熱し、原料ガスであるベンゼンと水素をガス導入
系26から導入した。反応容器21内のガス圧を総圧力
を5パスカル、ベンゼンの分圧を0.5パスカルとなる
ように調整し、基板1と対向電極22の間にFR電力
(300W)を印加してプラズマを発生させて60分間
保持した。なお、電極間距離は20mmに調節した。反
応終了後、電圧印加を終了し、プラズマを止め、ガス供
給を遮断した後真空排気し、基板を室温にしてから窒素
リークして大気中に取り出した。
【0099】取り出した石英基板の表面をFE−SEM
により観察したところ、図12(a)に示すような直径
数100nmのカーボンナノチューブが基板からほぼ垂
直に成長していた。このとき基板Pt膜上に若干のアモ
ルファスカーボンの堆積が見られたが、カーボンナノチ
ューブの成長に比べれば微量であった。
【0100】実施例5 次に、実施例1と同じ図5の装置により、各種ガスを用
いてカーボンナノチューブを作製した。
【0101】実施例1と同様に石英の基板上にFeNi
の超微粒子を1μm角に数個〜数10個程度分散し、図
5に示す装置のホルダー14上に設置した。そして反応
容器を10-6パスカルまで排気した後、原料ガスである
Aとそれ以外のガスBを導入した。導入後の総圧力を1
ー2〜104パスカルとし、ガスAの分圧は総圧力の1
〜10%にした。ガスAとガスBの種類とその組合せは
以下の表1に示すとおりである。
【0102】
【表1】 所定の圧力に達したところで、マイクロ波(200W)
を発振させ、マッチングを調整して反応容器11内にプ
ラズマを発生させ、30分間保持した。なお、基板温度
は600℃とした。そしてマイクロ波の発振を終了して
プラズマを止め、ガス供給を遮断した後排気系19によ
り真空引きし、窒素リークしてから基板を大気中に取り
出した。取り出した石英基板の表面をFE−SEMによ
り観察した。その結果、上記のどのガスでも、図12
(a)に示すような直径数10〜数100nmのカーボ
ンナノチューブが基板に成長していたが、なかでも原料
ガスNo.5〜10においてカーボンナノチューブが細
く、軸に平行な網目構造がきれいに得られ、また石英基
板上のアモルファスカーボンの堆積が少なかった。
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、比較的低い
基体温度で、基体に直接カーボンナノチューブを形成す
ることができ、基体の材質の選択の幅を広げることが可
能となる。更に、特性が均一で、成長の方向性がより改
善されたカーボンナノチューブを製造することが可能と
なる。
【0121】
【0122】また、本発明によれば、精製処理の不要な
カーボンナノチューブを提供することができる。更に、
本発明によって得られるカーボンナノチューブは、基体
にその一端が結合した状態で提供され、しかも基体を電
極として機能可能な材質で形成できるので、これをその
まま電子機能材料として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】カーボンファイバー及びカーボンナノチューブ
の構造を模式的に示す図であり、(a)は等方的なカー
ボンファイバーの繊維軸方向での断面図、(b)は触媒
を用いた熱分解、気相成長法で得られるカーボンファイ
バーの繊維軸方向での断面図、(c)はカーボンナノチ
ューブの繊維軸方向での断面図、(d)はマルチコアカ
ーボンナノチューブの繊維軸に垂直な方向での断面図で
ある。
【図2】グロー放電とアーク放電における電流、電圧の
相関図である。
【図3】基体表面に形成したカーボンナノチューブの成
長開始領域の構造を示す図であり、(a)は超微粒子を
表面分散させて得た成長開始領域を示す図、(b)は金
属の微小領域で形成した成長開始領域を示す図、(c)
は針状の突起からなる成長開始領域を示す図である。
【図4】マイクロ波の円形空洞共振器の電流誘導方向の
概略図であり、(a)はT011モードの断面図、(b)
はT111モードの断面図である。
【図5】マイクロ波を用いたカーボンナノチューブ製造
装置の一例を示す図である。
【図6】RFを用いたカーボンナノチューブ製造装置の
一例を示す図である。
【図7】基体上に成長したカーボンナノチューブの概略
図であり、(a)は基体面に垂直な方向での成長状態を
示す図、(b)は基体面に沿った方向でのカーボンナノ
チューブの成長状態を示す図である。
【符号の説明】
1 基体(基板) 1b 基体表面 2 成長核 4 カーボンナノチューブ 11 反応容器 12 マイクロ波導入窓 14 基体ホルダー 15 マイクロ波発振器 16 アイソレーター 17 マッチング及び検知器 18 ガス導入系 19 排気系 21 反応容器 22 対向電極 24 基体ホルダー 25 RF電源(マッチンングボックスと一体) 26 ガス導入系 27 排気系
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−13254(JP,A) 特開 平7−11520(JP,A) 特開 平8−100328(JP,A) 特開 平10−265208(JP,A) 特開 平10−203810(JP,A) MASAKO YUDASAKA,e t al,Specific cond ition for Ni catal yzed carbon nanotu be growth by chemi cal vapor depositi on,Appl.Phys.Lett, 1995年10月23日,Vol.67,No. 17,p.2477−2479 応用物理学会、薄膜・表面物理分科会 編,薄膜作製ハンドブック,共立出版株 式会社,1991年 3月25日,p.277− 280 W.Z.Li,et al,Larg e−Scale Synthesis of Aligned Carbon Nanotubes,SCIENCE, 1996年12月 6日,Vol.274,p. 1701−1703 湯田阪雅子、菊池理恵,CVD法によ るグラファイト薄膜とカーボンナノチュ ーブの作製,表面科学,日本,1996年, Vol.17,No.4,p.208−213 宝田恭之 外3名,マイクロ波プラズ マCVD法によるカーボンナノチューブ の合成,化学工学会関東支部大会研究発 表講演要旨集,1997年 7月16日,Vo l.1997,No.Gunma,p.42 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 31/02 D01F 9/127 C23C 16/26

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器中に配置した基体上にカーボン
    ナノチューブを成長させることによるカーボンナノチュ
    ーブの製造方法であって、 表面にカーボンナノチューブ成長開始領域を予め形成し
    た基体を前記反応容器内に配置した状態で、炭素導入用
    炭素と水素からなる原料である第1のガスと水素ある
    いはヘリウムの少なくとも一方を含む第2のガスその
    総圧力が10 -2 〜10 4 パスカルであって 且つ該第1のガ
    ス分圧が1〜10%となるように該反応容器内に導入
    し、該反応容器中にマイクロ波を用いた交流グロー放電
    によるプラズマを発生させることによって前記基体上に
    カーボンナノチューブを形成することを特徴とするカー
    ボンナノチューブの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記基体のカーボンナノチューブ成長開
    始領域を、物理的形状または化学的組成をその他の部分
    と変化させて形成した請求項1に記載のカーボンナノチ
    ューブの製造方法。
  3. 【請求項3】 カーボンナノチューブ成長開始領域が、
    金属超微粒子である請求項1または2に記載のカーボン
    ナノチューブの製造方法。
  4. 【請求項4】 カーボンナノチューブ成長開始領域が、
    Fe、Co及びNiのいずれかの金属を含有する請求項
    またはに記載のカーボンナノチューブの製造方法。
  5. 【請求項5】 カーボンナノチューブ成長開始領域が、
    突起構造からなる請求項に記載のカーボンナノチュー
    ブの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記突起構造が針状構造からなる請求項
    に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項に記載のカーボンナノチューブ
    の製造方法を実施するための装置であって、前記反応容
    器、及び圧力調整バルブを有することを特徴とするカー
    ボンナノチューブ製造装置。
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