JP3437681B2 - 多孔性シート及びその製造方法 - Google Patents

多孔性シート及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透湿性及び防水性を有
する多孔性シートに関するものであり、詳しくは、伸縮
弾性を有し且つ透湿性及び耐水圧を有する多孔性シート
に関する。更に本発明は、そのような多孔性シ─トの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
多孔性シートの製造方法として、ポリエチレンやポリプ
ロピレン等のポリオレフィンに無機充填剤を混合しシー
トに成形した後、シートを一軸又は二軸延伸する方法が
知られている。このようにして得られた多孔性シート
は、通気性及び透湿性に優れており、しかも結露現象を
生じないので、壁紙や包装用シートなどに好適に用いら
れている。また、このような多孔性シートの優れた性質
に更に柔軟性を付与することにより、該シートを例えば
使い捨ておむつや生理用ナプキンのような吸収性物品の
裏面材として使用することが提案されている。一方、こ
のような多孔性シートに伸縮弾性を付与するために、多
孔性シートを形成するポリマー中にエラストマー成分を
添加することが提案されている。
【0003】しかしながら、シートを延伸することによ
りポリマーの分子鎖が配向するために、延伸方向のシー
トの伸縮性は改善されていない。伸縮弾性を大きくする
ために、エラストマー成分をポリマーに多量に添加する
と、延伸によってシートに微細孔を形成しても、延伸後
に弾性回復が起こり微細孔が閉じてしまうので多孔性シ
ートは得られない。すなわち、シートの伸縮弾性を大き
くしようとすると透湿性が発現しない。逆に透湿性を高
くしようとすると伸縮弾性が比較的小さなものとなると
いう矛盾した問題が生じる。
【0004】従って、本発明の目的は、良好な透湿性及
び伸縮弾性を併せ持った多孔性シート及びその製造方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、透湿性シートとゴム弾性体の組み合せによ
り、透湿性及び伸縮弾性の双方が向上した多孔性シート
が得られることを知見し、本発明を完成するに到った。
【0006】即ち、本発明は、透湿性シート上にゴム弾
性体部分的に積層さてなり、該透湿性シート部分の
みによって形成される透湿性領域と、該透湿性シート部
分及び該ゴム弾性体部分によって形成される伸縮弾性領
域とが交互に且つ多列に配されており、上記透湿性シー
トが、下記組成物(a)〜(c)の何れかから得られ
ことを特徴とする多孔性シートを提供することにより、
上記目的を達成したものである。組成物(a):ポリオレフィン100重量部、充填剤5
0〜400重量部及び柔軟化剤0〜20重量部からなる
組成物。 組成物(b):結晶性ポリオレフィン65〜90重量部
と、該結晶性ポリオレフィンの融点以上の温度では該結
晶性ポリオレフィンに対して相溶性があり、且つ、該結
晶性ポリオレフィンの融点以下の温度では該結晶性ポリ
オレフィンと相分離を起こす化合物35〜10重量部と
からなる組成物。 組成物(c):ポリオレフィン100重量部と、該ポリ
オレフィンに対して相溶性がない熱可塑性樹脂10〜1
00重量部とからなる組成物
【0007】本発明の多孔性シートは、透湿性シートと
ゴム弾性体とからなる。透湿性シートの原料としては、
上記組成物(a)〜(c)の何れかを使用する。
【0008】本発明において用いられる透湿性シートの
透湿度は、0.4〜6g/100cm2 ・hrであるこ
とが好ましく、特に好ましくは0.8〜4g/100c
2・hrである。透湿度がこれ未満では本発明のシー
トを吸収性物品に用いた際、ムレてしまい、透湿度がこ
れを超えると耐水圧が落ちる可能性があり好ましくな
い。
【0009】本発明の一態様によれば、透湿性シート
は、ポリオレフィン、充填剤及び柔軟化剤からなる組成
物(a)から得られる。ポリオレフィンとしては、オレ
フィンのホモポリマー又はコポリマーやオレフィンと他
のモノマーとのコポリマーを使用することができる。オ
レフィンとしてはエチレン又はプロピレンが好適に使用
される。ポリオレフィンとしては、特に高密度ポリエチ
レン、低密度ポリエチレン及び線状低密度ポリエチレン
を使用することが好ましく、なかんずく密度が0.91
0〜0.940g/cm3 でメルトフローレート(MF
R)が0.1〜5g/10分の線状低密度ポリエチレン
が好ましく用いられる。また、上記のホモポリマーやコ
ポリマーを2種類以上配合して用いることも好ましい。
特に、結晶性ポリオレフィンと、X線による結晶化度5
〜25%で且つ密度0.86〜0.90g/cm3 であ
る(エチレン−α−オレフィン)コポリマーとの配合物
を使用した場合には、得られる多孔性シートに柔軟性が
付与されるため、特に引っ張り・引き裂き強度に優れる
利点を有する。上記(エチレン−α−オレフィン)コポ
リマーは、一般に結晶性ポリオレフィン100重量部に
対して20〜100重量部の割合で配合される。尚、ポ
リオレフィンの特性を失わない範囲でポリオレフィン以
外の他の樹脂を配合してもよい。
【0010】組成物(a)における充填剤に特に制限は
ないが、通常ゴム、又はプラスチック中に混合される充
填剤、例えば、炭酸カルシウム、石膏、硫酸カルシウ
ム、燐酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシ
ウム、水和けい酸、無水ケイ酸、ソーダ灰、塩化ナトリ
ウム、硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、タルク、クレ
ー、各種セメント、火山灰、シラス、酸化チタン、酸化
鉄及びカーボンブラックのような無機充填剤、種々の金
属粉、その他の無機物及び無機物を主体とする有機金属
塩等が挙げられる。また、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂及びポリアクリル酸ソーダ等の熱硬化性樹脂、ポリエ
チレン、ポリプロピレン及びポリアクリル酸エステル等
の熱可塑性樹脂を放射線等で架橋した樹脂、或いは融解
温度が透湿性シートの成形温度よりも高い樹脂のような
ポリマーが挙げられる。これらの充填剤は50μm以
下、好ましくは0.05〜30μmの範囲、特に0.1
〜5μm程度の平均粒径を有する粉粒体として用いるこ
とが望ましい。平均粒径がこれを超える場合には、得ら
れる透湿性シートの孔の緻密性が低下し、また平均粒子
径がこれ以下の場合には、延伸ムラが生じ易く良好な透
湿性シートが得られない。
【0011】ポリオレフィンと充填剤との配合割合は、
ポリオレフィン100重量部に対して充填剤が50〜4
00重量部、好ましくは60〜300重量部である。充
填剤がこれ未満では、得られる透湿性シートに形成され
る連通孔の数が少なくなるため透湿性が小さくなり、充
填剤がこれを超えると、シートの成形及び延伸が困難に
なる。
【0012】組成物(a)における柔軟化剤に特に制限
はないが、通常ゴムやプラスチックに配合される可塑剤
や滑剤を使用することができ、例えば、脂肪酸と脂肪族
アルコールとからなるモノエステル、芳香族カルボン酸
と脂肪族アルコールとからなるモノエステル又はポリエ
ステル、脂肪族ポリカルボン酸とポリアルコールとから
なるポリエステル、モノカルボン酸及び/又はポリカル
ボン酸とモノアルコール及び/又はポリアルコールとか
らなるポリエステル、アルコール及び/又はカルボン酸
の一部を残したエステル又はポリエステル、脂肪族アミ
ド、芳香族アミド、脂肪酸の金属石鹸、芳香族カルボン
酸の金属石鹸、ブタジエンオリゴマー、ブテンオリゴマ
ー、イソブチレンオリゴマー、イソプレンオリゴマー、
石油樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、塩素化パラフィ
ン、シリコーン油、流動パラフィン、ポリエチレンワッ
クスが挙げられる。
【0013】上記ポリオレフィンと上記柔軟化剤との配
合割合は、上記柔軟化剤と上記ポリオレフィンとの親和
性、上記柔軟化剤と上記充填剤との親和性及び多孔性シ
ートに要求される柔軟性によって、上記ポリオレフィン
100重量部に対して、上記柔軟化剤を0〜20重量
部、更に好ましくは0.1〜10重量部の範囲から選択
する。柔軟化剤が20重量部より多くなると多孔性シー
ト表面に柔軟化剤がブリードアウトしてベタツキが生じ
るため上記範囲とするのが好ましい。
【0014】本発明の別の態様によれば、透湿性シート
は、結晶性ポリオレフィンと、該結晶性ポリオレフィン
の融点以上の温度では該結晶性ポリオレフィンに対して
相溶性があり、且つ、該結晶性ポリオレフィンの融点以
下の温度では該結晶性ポリオレフィンと相分離を起こす
化合物とからなる組成物(b)から得られる。上記組成
物(b)に用いられる上記結晶性ポリオレフィンは、主
にポリプロピレン樹脂からなるが、その他にプロピレン
とエチレンとの共重合樹脂や、プロピレンとエチレン及
び/又は結晶性を阻害しない程度含まれる他のビニルモ
ノマーとの共重合樹脂でもよい。また、ポリプロピレン
樹脂またはエチレン、プロピレン共重合樹脂とポリエチ
レン樹脂のブレンド系でもよい。また、上記結晶性ポリ
オレフィンは、そのメルトインデックスが好ましくは5
g/10分以下、更に好ましくは0.2〜4g/10分
である。中でも一般に押出成形に用いられるメルトイン
デックスが0.2〜3g/10分の結晶性ポリプロピレ
ン樹脂、結晶性エチレン−プロピレン共重合樹脂、及
び、これらの樹脂とポリエチレン樹脂とのブレンド系が
特に好ましく用いられる。特に風合いと強度(降伏点強
度)との観点から吸収性物品の裏面材として用いる場合
には、エチレン−プロピレンブロック共重合樹脂、該樹
脂及び/またはポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂
とのブレンド系が好ましい。このようなブレンド系にお
いて、エチレンとプロピレンとのモノマー換算重量比
(エチレン重量/プロピレン重量)が4/96〜40/
60の結晶性樹脂組成が最も好ましい。また、上記の如
き重合体(樹脂)あるいは共重合体(共重合樹脂)を2
種以上混用することもできる。
【0015】上記結晶性ポリオレフィンのメルトインデ
ックスが5g/10分より大きいものを多孔性シートに
用いると、その強度が低下して使い捨てオムツ等の裏面
材としての必要な強度を得ることが難しくなる。また必
要な強度を得るために多孔性シートの厚みを厚くするこ
とが考えられるが、厚くするとその透湿性が低下すると
共にその製品のコストアップを招く。また、上記結晶性
ポリオレフィンのメルトインデックスが0.2g/10
分に満たない場合は、そのシート成形時の押出成形で大
きな動力を必要とする不都合が生じてくる。尚、上記メ
ルトインデックスは、ASTM D−1238に準拠し
て、ポリプロピレン樹脂及びポリプロピレン系共重合樹
脂は230℃、2.16kgfで、ポリエチレン樹脂は
190℃、2.16kgfで測定した値である。
【0016】上記組成物(b)に用いられる上記化合物
は、上記結晶性ポリオレフィンの融点以上の温度では上
記結晶性ポリオレフィンに対して相溶性があり、且つ、
上記結晶性ポリオレフィンの融点以下の温度では上記結
晶性ポリオレフィンと相分離を起こすものである。この
ような化合物としては、例えば鉱物油及び分子内にエス
テル結合を有する化合物を挙げることができる。
【0017】上記鉱物油は、天然から採取され、低揮発
分を除去された芳香族/脂環族/脂肪族からなる炭素水
素、及びこれらを水素添加等により芳香族を除去した脂
環族/脂肪族からなる炭素水素が用いられる。更にま
た、合成鉱油と呼ばれるエチレン/αオレフィンオリゴ
マーが用いられる。
【0018】また、上記の分子内にエステル結合を有す
る化合物としては、脂肪族もしくは芳香族の一塩基もし
くは多塩基カルボン酸と脂肪族、脂環族もしくは芳香族
の一価もしくは多価アルコールの各々組み合わせ、また
は分子内にヒドロキシル基とカルボキシル基の両方を有
する化合物の組み合わせによる脱水縮合反応から得られ
るエステル化合物(つまり、モノ又はポリエステル)が
挙げられる。上記脂肪族及び芳香族カルボン酸として
は、多塩基カルボン酸が好ましく、特に芳香族多塩基カ
ルボン酸では芳香族ジカルボン酸、トリカルボン酸及び
テトラカルボン酸が好ましく、例えばフタル酸、トリメ
リット酸及びピロメリット酸等が挙げられる。脂肪族カ
ルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸及びトリカルボ
ン酸が好ましく、例えば、アジピン酸、セバチン酸若し
くはクエン酸等が挙げられる。上記アルコールとして
は、一価のアルキルアルコール等が好ましく、例えば、
オクチルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリル
アルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。
【0019】上記の分子内にエステル結合を有する化合
物としては、特に、芳香族多塩基カルボン酸と一価のア
ルキルアルコールから得られるエステル化合物(つま
り、モノ又はポリエステル)や、脂肪族多塩基カルボン
酸と一価のアルキルアルコールから得られるエステル化
合物(つまり、モノ又はポリエステル)が好ましい。ま
た、多価アルコール(特に多価のアルキルアルコール)
とモノカルボン酸(特に脂肪族モノカルボン酸)とのエ
ステル化合物(つまり、モノ又はポリエステル)も好ま
しく、具体的には例えば、グリセリン、ジグリセリン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール又はソルビタン等の多価アルコール
と、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリ
ン酸又はオレイン酸等の脂肪族モノカルボン酸とから得
られるエステル化合物等が好ましく挙げられる。また、
得られたエステル化合物がゲル化しない程度に少量のア
ジピン酸等ポリカルポン酸をエステルに加えることもで
きる。更に、環境汚染防止、安全性の観点からは脂肪族
カルボン酸と脂肪族アルコールから得られるポリエステ
ルが好ましい。
【0020】上記の分子内にエステル結合を有する化合
物は、上記カルボン酸の1種又はそれ以上と上記アルコ
ールの1種又はそれ以上から調整することができ、調整
方法は特に制限されずに従来公知の如何なるエステル化
方法も用いることができる。また、上記の分子内にエス
テル結合を有する化合物はカルボン酸中のカルボキシル
基及びアルコール中のヒドロキシル基のすべてが完全に
反応したエステル化合物でなくてもよく、カルボン酸中
のカルボキシル基及び/又はアルコール中のヒドロキシ
ル基の一部が未反応のまま残された部分エステルであっ
てもよい。
【0021】また、上記化合物は、常圧での揮発温度が
好ましくは200℃以上、更に好ましくは240℃以
上、最も好ましくは260℃以上であり、また、融点は
好ましくは100℃以下、更に好ましくは80℃以下で
ある。本発明における上記組成物(b)のシート成形温
度は好ましくは180〜250℃、更に好ましくは19
0〜240℃であり、上記化合物の常圧での揮発温度が
200℃未満であると、シート成形時に揮発物の発煙が
生じ易くなる。該揮発物の発煙は環境汚染や引火の危険
性があるのみでなく、揮発物がダイリップに付着して通
称「目ヤニ」と呼ばれている焼け発生の原因となるた
め、シート成形を一旦中断してダイリップの分解掃除を
たびたび行わねばならず、工業的な生産性が著しく劣
る。
【0022】また、融点が100℃以下であるのが好ま
しいのは、成形されたシートを延伸処理する時、該化合
物が延伸温度で軟化又は溶融している方が、シートが容
易に微多孔化するためである。尚、本明細書で用いる
「揮発温度」とは熱天秤を用い、窒素気流中(30ml
/min)、昇温速度10℃/min、サンプル10m
gで測定、加熱減量曲線を描き、その減量1%の温度を
意味する。
【0023】上記化合物の好ましい具体例としては、鉱
物油としては石油各社から販売されている機械潤滑油、
ゴム用プロセスオイル、繊維用流動パラフィン等が挙げ
られ、分子内にエステル結合を有する化合物としては、
ジステアリルフタレート、トリオクチルトリメリテー
ト、テトラオクチルピロメリテート、ジステアリルアジ
ペート、ジステアリルセバテート、トリメチロールプロ
パントリラウレート、ペンタエリスリトールテトラカプ
レート等を挙げることができる。また、これらは結晶性
ポリオレフィンの溶解度パラメーターと数単位以内の組
み合わせから選ぶことができる。
【0024】上記結晶性ポリオレフィンと上記化合物と
の配合割合は、上記結晶性ポリオレフィン65〜90重
量部に対して、上記化合物35〜10重量部である。
記結晶性ポリオレフィンの配合割合がこれ未満の場合に
は、マトリックスとなるポリマーの割合が少ないため
に、延伸して得られた多孔性シートの微細孔が潰れたり
鉱油等の液状物がにじみ出したりする。また、上記結晶
性ポリオレフィンの配合割合がこれを超える場合には、
シートを延伸しても透湿性を付与するような微細孔を形
成することができない。
【0025】また、組成物(b)には、任意成分とし
て、結晶核剤、裂け防止用無機フィラー、無機フィラー
及び/又は着色剤を添加してもよい。上記結晶核剤とし
ては、結晶性ポリオレフィン、特に上記結晶性ポリプロ
ピレンの結晶の大きさを制御するものであり、例えばp
−tert−ブチル安息香酸アルミニウム塩、1,2,
3,4−ジベンジリデンソルビトール及び1,2,3,
4−ジ−(p−エチルベンジリデン)ソルビトール等を
使用することができる。上記結晶核剤は、上記組成物
(b)の全量に対して0.5wt%以下添加することが
好ましい。上記裂け防止用無機フィラーとしては、無水
シリカやゼオライト等を使用することができ、組成物
(b)の全量に対して1wt%以下添加することが好ま
しい。上記無機フィラーは、透湿性シートに隠蔽性を付
与するためのものであり、例えば酸化チタン、硫酸バリ
ウム、炭酸カルシウム及びタルク等を使用することがで
きる。無機フィラーは、上記組成物(b)の全量に対し
て20wt%以下添加することが好ましい。上記着色剤
としては、例えばフタロシアニンブルー、キナクリドン
レッド、ジオキサンバイオレット及びイソインドリノン
等を使用することができ、上記組成物(b)の全量に対
して0.05wt%以下添加することが好ましい。
【0026】本発明の他の態様によれば、透湿性シート
は、ポリオレフィンと、該ポリオレフィンに対して相溶
性がない熱可塑性樹脂とからなる組成物(c)から得ら
れる。組成物(c)におけるポリオレフィンに特に制限
はなく、例えば組成物(a)におけるポリオレフィンと
同様のものを使用することができる。組成物(c)にお
けるポリオレフィンに対して相溶性がない熱可塑性樹脂
としては、例えば汎用ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチ
レン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ブタジエ
ン−スチレン共重合体及びアクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体のようなスチレン系ポリマー;ポ
リメチルメタクリレート;ポリエチレンテレフタレート
及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ナ
イロン6及びナイロン66等のポリアミド;ポリカーボ
ネート;ポリアクリロニトリル;並びにこれらの変成物
及び誘導体の中から少なくとも1種類以上を選んで用い
ることができる。これらの熱可塑性樹脂に熱可塑性エラ
ストマー、例えばスチレン系ポリマー、ポリオレフィン
類、ポリウレタン類、ポリエステル類、ポリアミド類、
ポリ(1,2−ブタジエン)、ポリ(トランス−1,4
−イソプレン)等から選択される1種又はそれ以上のポ
リマーを添加することにより、該熱可塑性樹脂の分散性
を容易にコントロールできる。熱可塑性樹脂は、50μ
m以下、好ましくは0.05〜30μmの範囲、特に
0.1〜5μm程度の平均粒径を有する分散状態にする
ことが望ましい。平均粒径がこれを超える場合には、得
られる透湿性シートの孔の緻密性が低下し、平均粒子径
がこれ未満の場合には、延伸ムラが生じ易く良好な透湿
性シートが得られない。
【0027】シートを延伸して孔の大きさや数をコント
ロールするには、エチレン−アクリル酸共重合体、エチ
レン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタク
リル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重
合体、エチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重
合体、エチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共
重合体、エチレン−酢酸ビニル−メタクリル酸グリシジ
ル共重合体及びエチレン−無水マレイン酸−アクリル酸
エステル共重合体から選ばれる1種又は2種以上のエチ
レン系共重合体を組成物(c)に添加することができ
る。
【0028】ポリオレフィンに対して相溶性がない熱可
塑性樹脂の融解温度が該ポリオレフィンのシート成形温
度に近いに場合は、該ポリオレフィンの溶融粘度と該熱
可塑性樹脂の溶融粘度とをコントロールすることによ
り、シート成形の際に該ポリオレフィンにかかる該熱可
塑性樹脂の剪断力を少なくすることが重要である。この
様な場合、組成物(c)に柔軟化剤を添加することによ
り、該ポリオレフィン及び該熱可塑性樹脂の溶融粘度及
び延伸開孔性を目的のものにすることができる。
【0029】そのような柔軟化剤としては、通常ゴムや
プラスチックに混合される可塑剤や滑剤を使用すること
ができる。そのような可塑剤や滑剤の例としては、脂肪
酸と脂肪族アルコールとからなるモノエステル、芳香族
カルボン酸と脂肪族アルコールとからなるモノエステル
又はポリエステル、脂肪族ポリカルボン酸とポリアルコ
ールとからなるポリエステル、モノカルボン酸及び/又
はポリカルボン酸とモノアルコール及び/又はポリアル
コールとからなるポリエステル、アルコール及び/又は
カルボン酸の一部を残したエステル又はポリエステル、
脂肪族アミド、芳香族アミド、脂肪酸の金属石鹸、芳香
族カルボン酸の金属石鹸、ブタジエンオリゴマー、ブテ
ンオリゴマー、イソブチレンオリゴマー、イソプレンオ
リゴマー、石油樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、塩素
化パラフィン、シリコーン油、流動パラフィン、ポリエ
チレンワックス等が挙げられる。
【0030】組成物(c)におけるポリオレフィンと、
該ポリオレフィンに対して相溶性がない熱可塑性樹脂と
の配合割合は、ポリオレフィン100重量部に対して該
熱可塑性樹脂が10〜100重量部、好ましくは20〜
100重量部である。熱可塑性樹脂の配合割合がこれ未
満では、得られる透湿性シートにおける連通孔が少なく
なるため透湿性が小さくなり、また熱可塑性樹脂の配合
割合がこれを超えると、透湿性シートのマトリックス相
と分散相とが相反転するために好ましくない。
【0031】本発明において用いられるゴム弾性体は好
ましくは熱可塑性エラストマーからなる。熱可塑性エラ
ストマーは、分子中にゴム弾性を有する柔軟性成分(ソ
フトセグメント、軟質相)と塑性変形を防止するための
分子拘束成分(ハードセグメント、硬質相)とから構成
されている。熱可塑性エラストマーは、そのハードセグ
メントの種類により分類することができ、本発明におい
ては、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラスト
マー、塩ビ系エラストマー、ウレタン系エラストマー、
エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、シン
ジオタクチックポリ(1,2−ブタジエン)及びポリ
(トランス−1,4−イソプレン)等を好適に用いるこ
とができる。更に、これらの熱可塑性エラストマーの溶
融流動性やブロッキング性等を改質するために、熱可塑
性エラストマーに熱可塑性プラスチックやオイル成分等
を添加してもよい。
【0032】また、本発明において用いられるゴム弾性
体の伸縮弾性特性は、100%伸長から解放した時の永
久歪が40%以内であることが好ましい。永久歪がこれ
を超えると吸収性物品として好ましくなくなる。本発明
においては、上記永久歪は小さいほど良い。
【0033】上記組成物(a)及び組成物(c)は、一
般にヘンシェルミキサー等の高速攪拌(混合)機を用い
て、各成分を混合して調製する。好ましくは、混合後に
混合物を二軸押出機等によって溶融混練し、ストランド
に押し出して、切断し、ペレットにする。かかる調製に
おいて、少量の安定剤、着色剤及び/又は滑剤を同時に
あるいは別途に混合することもできる。
【0034】上記組成物(b)は、一般に二軸押出機を
用いて各成分を溶融混練し、ペレットに成形して調製す
る。調製の際には、二軸押出機中で溶融状態にあるポリ
オレフィンに、上記化合物をギアポンプ等により二軸押
出機へ注入することができる。
【0035】本発明の多孔性シートにおいては、透湿性
シートの機械方向(成形方向)に対して直角方向に平行
にゴム弾性体を部分的に積層することが好ましい。これ
によって、透湿性及び耐水圧性を保持しつつ、伸縮性に
優れた多孔性シートが得られる。
【0036】本発明においては、透湿性領域と伸縮弾性
領域との構成には特に制限はないが、ゴム弾性体が配置
されている透湿性シート部分3cm四方上に占めるゴム
弾性体の面積の割合は、15〜80%であることが好ま
しく、特に好ましくは20〜50%である。ゴム弾性体
の面積の割合がこれ未満では伸縮性が十分ではなく、面
積の割合がこれを超えると透湿性が十分ではない。ま
た、伸縮弾性領域の配置態様は必ずしも制限されない
が、後述する図1に示す如く、帯状形状の伸縮弾性領域
及び透湿性領域とが交互に存するようにゴム弾性体を配
するのが好ましい。また、伸縮性の観点から、透湿性領
域と伸縮弾性領域との幅を同じ幅として繰り返してもよ
いが、例えば多孔性シートをおむつやナプキン等の吸収
性物品の透湿シートとして使用する場合には、その左右
両周縁部が伸縮弾性領域のみであるか又は伸縮弾性領域
の方が透湿性領域よりも密であるようにするのが好まし
い。
【0037】本発明の多孔性シートは、透湿性シート上
にゴム弾性体を部分的に積層させてなり、該透湿性シー
ト部分のみによって形成される透湿性領域と、該透湿性
シート部分及び該ゴム弾性体部分によって形成される伸
縮弾性領域とが交互に且つ多列に配されているので、本
発明の多孔性シートを例えば使い捨ておむつの裏面材と
して用いるような場合には、該使い捨ておむつはフィッ
ト性が極めて良く、しかも、***された体液を漏らさず
に気化放出するため、ムレることが無く、快適な装着感
を与えるものとなる。
【0038】以下、図面を参照して、本発明の多孔性シ
ート及びその製造方法を詳細に説明すると共に、実施例
を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0039】本発明の多孔性シート1は、図1に示す如
く、透湿性シート2上にゴム弾性体3を部分的に積層し
てなる。多孔性シート1は、透湿性シート2部分のみに
よって形成される透湿性領域4と、透湿性シート2部分
及びゴム弾性体3部分によって形成される伸縮弾性領域
5とが交互に且つ多列に配されている。図1において
は、透湿性領域4と伸縮弾性領域5との幅は同一であ
る。ゴム弾性体3は、透湿性シート2の一端から対向す
る他端まで延在していることが好ましい。透湿性シート
2の厚みには特に制限はないが、10〜100μmが好
ましく、特に好ましくは20〜40μmである。一方、
ゴム弾性体3の厚みにも特に制限はないが、1〜100
μmが好ましく、特に好ましくは5〜50μmである。
更に、多孔性シート全体としての厚みにも特に制限はな
いが、10〜100μmが好ましく、特に好ましくは2
0〜60μmである。また、ゴム弾性体の幅は、本発明
の多孔性シートの形態により大きく異なるが、ゴム弾性
体の面積が透湿性シート2上に前述の割合となるような
幅に配される。
【0040】次いで、本発明の多孔性シートの製造方法
について説明する。本発明に係る多孔性シートの製造方
法としては、2以上の押出機を用いる共押出成形を用い
ることができる。即ち、本発明の方法によれば、透湿性
シート上にゴム弾性体を部分的に積層させた多孔性シー
トの製造方法であって、以下の工程:該透湿性シートを
形成すべき樹脂組成物と該ゴム弾性体とを共押出するに
際して、該樹脂組成物をシート状に押出し、該シート上
にゴム弾性体を部分的に積層させ、それによって該シー
ト部分のみによって形成される領域と、該シート部分及
び該ゴム弾性体部分によって形成される伸縮弾性領域と
が交互に配された積層シートを形成する工程;及び該積
層シートを延伸する工程;から成る。この方法によれ
ば、多孔性シートには、透湿性シート部分のみによって
形成される透湿性領域と、透湿性シート部分及びゴム弾
性体部分によって形成される伸縮弾性領域が存在する。
透湿性領域は単層であり、伸縮弾性領域は二層である。
多孔性シートにおいて二層の領域が多い場合であって
も、ダイの構造を適宜改変することにより容易に多孔性
シートを得ることができる。また、シート成形方向につ
いて透湿性領域と伸縮性領域との面積比を変化させるに
は、ダイの構造と押出機の吐出量を制御すればよい。従
って、本発明の方法を実施するにあたっては、従来用い
られている押出機を特別に変更することなく使用するこ
とができる。
【0041】共押出によりシートを成形する方法には、
インフレーション法(サーキュラーダイ法)とTダイ法
(フラットダイ法)があるが、本発明においてはその両
方を用いることができる。シートの成形温度は、インフ
レーション法では組成物の融点の20〜90℃高い温度
が好ましく、Tダイ法の場合は、この温度から更に20
〜50℃高い温度が好ましい。
【0042】本発明に係る透湿性シートの製造方法の別
法は以下の通りである。即ち、透湿性シート上にゴム弾
性体を部分的に積層させた多孔性シートの製造方法であ
って、以下の工程:該透湿性シートを形成すべき樹脂組
成物をシ─ト状に押し出す工程;該ゴム弾性体のエマル
ションを該シート上に塗布し、それによって該シート部
分のみによって形成される領域と、該シート部分及び該
ゴム弾性体部分によって形成される伸縮弾性領域とが交
互に配された積層シートを形成する工程;該エマルショ
ンを乾燥し、架橋させる工程;及び該積層シートを延伸
する工程;から成る。エマルションとしては、例えば、
アクリル酸エステル共重合体、アクリル共重合体、酢酸
ビニル、酢酸ビニル共重合体、スチレン系共重合体等の
エマルションを用いることができる。エマルションとし
ては市販品も使用することができ、例えば日本ゼオン
(株)製のアクリレートラテックス、SB系ラテック
ス、NBRラテックス等を用いることができる。
【0043】上記2つの方法におけるシートの延伸方法
としては、縦方向に一軸延伸するか、又は一軸延伸後、
引き続きテンター延伸機、エアーインフレーション延伸
機又はマンドレル延伸機などにより横方向に逐次二軸延
伸するか、あるいは縦方向及び横方向に同時二軸延伸す
る方法が用いられる。延伸温度は、一般に常温以上で樹
脂組成物の融点以下が好ましい。延伸倍率は少なくと
も、一軸方向に1.2倍〜4倍、即ち一軸延伸の場合は
縦方向に、また二軸延伸の場合は縦方向及び横方向にそ
れぞれ1.2倍〜4倍とすることが、力学的バランスや
強度の保持と同時に優れた透湿性及び耐水圧を得るため
に好ましい。さらに一般的には、かかる延伸行程に次い
で、緊張下で熱処理を行った後、延伸温度以下に室温ま
で冷却することが好ましい。また、この後に、多孔性シ
ートの印刷性や接着性を改良するために、コロナ放電処
理等の表面処理を行うこともできる。
【0044】本発明の多孔性シートは、透湿性及び防水
性を要求される分野での素材として特に有用である。
【0045】
【発明の効果】本発明の上記構成により、本発明の多孔
性シートは、透湿性と伸縮弾性を同時に付与することが
できる。また、本発明の多孔性シートの製造方法によれ
ば、上記多孔性シートを良好に製造することができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例にて更に詳細に説明す
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例における多孔性シートは、上述
の図1の態様及びその他の態様に適合することはいうま
でもない。
【0047】〔実施例1〕線状低密度ポリエチレン10
0重量部(ウルトゼックス2520F/三井石油化学工
業、密度0.925、MFR2.0)、表面処理炭酸カ
ルシウム(ライトン22S/白石工業:平均粒径1μ
m)150重量部、及びポリエステル(トリメチロール
プロパン/アジピン酸/ステアリン酸のモル比=2/1
/4、SV=240、AV=1、OHV=8)5重量部
をヘンシェルミキサーで混合し、次いで混合物をスクリ
ュー径45mmの二軸押出機を用いてストランドに押し
出し、ストランドを切断してペレットとした。このペレ
ットを透湿シート形成用の樹脂組成物として用いた。ゴ
ム弾性体としてスチレン系熱可塑性エラストマー(クレ
イトンG1657/シェル化学、永久歪9%)を用い
た。樹脂組成物用押出機としてスクリュー径32mmの
単軸押出機を用い、ゴム弾性体用押出機としてはスクリ
ュー径25mmの単軸押出機を用いた。これらの押出機
を用いて樹脂組成物及びゴム弾性体を、それ自体公知の
共押出サーキュラーダイから共押し出しし、バブル切開
後のシート幅が300mmの部分積層シートを成形し
た。この積層シートにおいて、樹脂組成物からなるシー
ト部分の厚みは60μmであり、ゴム弾性体の厚みは3
0μmであった。径200mm、幅300mmのロール
延伸機を用いて、上記積層シートを50℃で縦方向に
2.3倍一軸延伸した。延伸後の多孔性シートの厚みは
透湿性領域で35μm、伸縮弾性領域で50μmであっ
た。また、透湿性シート上に占めるゴム弾性体の面積の
割合は50%であった。
【0048】〔実施例2〕結晶性ポリプロピレン70重
量部(WT6061/チッソ石油化学、アイソタクチッ
クペンダット分率0.94%、MI0.5、Mw/Mn
6.5)、流動パラフィン(PW−90/出光石油化
学)25重量部、及び結晶造核剤マスターバッチ(結晶
造核剤「イーシー化学製EC−1」2wt%)5重量部
を混合し、次いで混合物をスクリュー径45mmの二軸
押出機を用いてストランドに押し出し、ストランドを切
断してペレットとした。このペレットを透湿シート形成
用の樹脂組成物として用いた。ゴム弾性体としてスチレ
ン系熱可塑性エラストマー(クレイトンG1657/シ
ェル化学)を用いた。上記樹脂組成物及びゴム弾性体を
実施例1と同様の方法でシート状に押し出し、未延伸シ
ートを得た。次いで、未延伸シートを実施例1と同様の
方法で延伸し、延伸後の厚みが透湿性領域で35μm、
伸縮弾性領域で50μmである多孔性シートを得た。ま
た、透湿性シート上に占めるゴム弾性体の面積の割合は
50%であった。
【0049】〔実施例3〕結晶性ポリプロピレン75重
量部(XF1932/チッソ石油化学)、及び表面処理
炭酸カルシウム(ライトン22S/白石工業)25重量
部を混合し、次いで混合物をスクリュー径45mmの二
軸押出機を用いてストランドに押し出し、ストランドを
切断してペレットとした。このペレットを透湿シート形
成用の樹脂組成物として用いた。ゴム弾性体としてスチ
レン系熱可塑性エラストマー(クレイトンG1657/
シェル化学)を用いた。上記樹脂組成物及びゴム弾性体
を実施例1と同様の方法でシート状に押し出し、未延伸
シートを得た。次いで、未延伸シートを実施例1と同様
の方法で延伸し、延伸後の厚みが透湿性領域で35μ
m、伸縮弾性領域で50μmである多孔性シートを得
た。また、透湿性シート上に占めるゴム弾性体の面積の
割合は50%であった。
【0050】〔実施例4〕線状低密度ポリエチレン(密
度0.925、MFR2.0)100重量部、ポリエチ
レンテレフタレート(エリーテルMA2100/ユニチ
カ)60重量部、スチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体(SIS、シェルジャパン(株)、カリフ
レックス)5重量部、及びエチレン−無水マレイン酸−
アクリル酸エステル共重合体(E−EA−MAH/住友
化学(株)、ボンダイン)10重量部をヘンシェルミキ
サーで混合し、次いで混合物をスクリュー径45mmの
二軸押出機を用いてストランドに押し出し、ストランド
を切断してペレットとした。このペレットを透湿シート
形成用の樹脂組成物として用いた。ゴム弾性体としてス
チレン系熱可塑性エラストマー(クレイトンG1657
/シェル化学)を用いた。上記樹脂組成物及びゴム弾性
体を実施例1と同様の方法でシート状に押し出し、未延
伸シートを得た。次いで、未延伸シートを実施例1と同
様の方法で3倍に延伸し、延伸後の厚みが透湿性領域で
35μm、伸縮弾性領域で50μmである多孔性シート
を得た。また、透湿性シート上に占めるゴム弾性体の面
積の割合は50%であった。
【0051】〔実施例5〕実施例1〜4で得られた多孔
性シートの透湿度、耐水圧、応力緩和、永久歪及び10
0%モジュラスを測定した。透湿度及び耐水圧は、それ
ぞれJIS Z−0208及びJIS L−1092に
従った。応力緩和(%)は、(100%伸長で1分間保
持したときの応力低下)/(100%伸長時の応力)か
ら求めた。永久歪み(%)は、(応力緩和測定後、弾性
回復させたときの長さ)/(伸長前の長さ)から求め
た。100%モジュラスは、100%伸長時の応力とし
て求めた。なお、応力緩和、永久歪及び100%モジュ
ラスの測定は、透湿性シートとゴム弾性体とが積層され
た領域で行った。これらの測定結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多孔性シートの一態様を表す図であ
る。
【符号の説明】
1 多孔性シート 2 透湿性シート 3 ゴム弾性体 4 透湿性領域 5 伸縮弾性領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 吉弘 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式 会社研究所内 (72)発明者 鳥前 安宏 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−224882(JP,A) 実公 昭40−32696(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透湿性シート上にゴム弾性体部分的に
    積層さてなり、該透湿性シート部分のみによって形成
    される透湿性領域と、該透湿性シート部分及び該ゴム弾
    性体部分によって形成される伸縮弾性領域とが交互に且
    つ多列に配されており、 上記透湿性シートが、ポリオレフィン100重量部、充
    填剤50〜400重量部及び柔軟化剤0〜20重量部か
    らなる組成物から得られる ことを特徴とする多孔性シー
    ト。
  2. 【請求項2】 透湿性シート上にゴム弾性体が部分的に
    積層されてなり、該透湿性シート部分のみによって形成
    される透湿性領域と、該透湿性シート部分及び該ゴム弾
    性体部分によって形成される伸縮弾性領域とが交互に且
    つ多列に配されており、 上記透湿性シートが、結晶性ポリオレフィン65〜90
    重量部と、該結晶性ポリオレフィンの融点以上の温度で
    は該結晶性ポリオレフィンに対して相溶性があり、且
    つ、該結晶性ポリオレフィンの融点以下の温度では該結
    晶性ポリオレフィンと相分離を起こす化合物35〜10
    重量部とからなる組成物から得られることを特徴とする
    多孔性シート。
  3. 【請求項3】 透湿性シート上にゴム弾性体が部分的に
    積層されてなり、該透湿性シート部分のみによって形成
    される透湿性領域と、該透湿性シート部分及び該ゴム弾
    性体部分によって形成される伸縮弾性領域とが交互に且
    つ多列に配されており、 上記透湿性シートが、ポリオレフィン100重量部と、
    該ポリオレフィンに対して相溶性がない熱可塑性樹脂1
    0〜100重量部とからなる組成物から得られることを
    特徴とする多孔性シート。
  4. 【請求項4】 上記ゴム弾性体が、熱可塑性エラストマ
    ーである、請求項1〜3の何れかに記載の多孔性シー
    ト。
  5. 【請求項5】 透湿性シート上にゴム弾性体部分的に
    積層されてなる多孔性シートの製造方法であって、以下
    の工程: 該透湿性シートを形成すべき樹脂組成物と該ゴム弾性体
    とを共押出するに際して、該樹脂組成物をシート状に押
    出し、該シート上にゴム弾性体を部分的に積層させ、そ
    れによって該シート部分のみによって形成される領域
    と、該シート部分及び該ゴム弾性体部分によって形成さ
    れる伸縮弾性領域とが交互に配された積層シートを形成
    する工程;及び 該積層シートを延伸する工程;から成る方法。
  6. 【請求項6】 透湿性シート上にゴム弾性体部分的に
    積層されてなる多孔性シートの製造方法であって、以下
    の工程: 該透湿性シートを形成すべき樹脂組成物をシート状に押
    し出す工程; 該ゴム弾性体のエマルションを該シート上に塗布し、そ
    れによって該シート部分のみによって形成される領域
    と、該シート部分及び該ゴム弾性体部分によって形成さ
    れる伸縮弾性領域とが交互に配された積層シートを形成
    する工程; 該エマルションを乾燥し、架橋させる工程;及び 該積層シートを延伸する工程;から成る方法。
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