JP3436270B2 - 血小板特異性免疫複合体 - Google Patents

血小板特異性免疫複合体

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 血小板凝集は動脈血餅(血栓)の形成における必須の
出来事である。正常の状況では、血液血餅は血液細胞や
流体の血管系からの逃散を防止するのに役立つ。しかし
ながら、ある種の病気(例えば心筋梗塞)では血餅は血
流を制限または全面的に阻止し、細胞壊死に至る。
冠状動脈造影の研究によると、経壁心筋梗塞の87%が
冠状動脈血栓によつて引き起こされている。デウツド
(DeWoos)ら、N.Eng.J.Med.303、897−902(1980)。
現在入手し得る血栓溶解剤(thrombolytic agent)は症
例の50〜75%において早い時間での血栓における冠状動
脈血栓を溶解し、それによつて心臓損傷を小さくするこ
とができる。しかしながら、それらの臨床での適用は重
大な問題によつて伴われた。
ストレプトキナーゼ及びウロキナーゼはプロ酵素プラ
スミノーゲンを活性化して血餅(clots)におけるフイ
ブリンを溶解するフイブリン溶解酵素プラスミンにする
プラスミノーゲン活性化剤である。しかしながら、プラ
スミンは非選択的で血栓におけるフイブリンを溶解する
のみならず、生じたフイブリノーゲン溶解も促進し、時
として重大な出血を引き起こす。加えて、循環血液中に
生成したプラスミンはかなり迅速に中和され有用な血栓
溶解をすることができない。残余のプラスミンはいくつ
かの凝血因子タンパク質、例えばフイブリノーゲン、第
V因子及び第VIII因子を解体し(degrade)、出血の可
能性を増大させる。加えて、ストレプトキナーゼは強い
抗原性を有し、高い抗体価を有する患者は治療に非能率
的に反応し、連続治療に残ることができず、シヨツクを
はじめとするアレルギー反応が記述されてきた。
組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)及び一
本鎖(single−chain)ウロキナーゼプラスミノーゲン
アクチベーター(scuPA)が最近入手可能になったこと
により治療的展望は幾分改善された。なぜなら、それら
はよりフイブリン特異的であるからである。しかしなが
ら、有効な血餅溶解のためには高い用量が必要とされる
ので特異性は部分的に失われる。従つてストレプトキー
ナゼで見い出されたような出血合併症が観察された。
加えて、現在流通しているプラスミノーゲンアクチベ
ーターの使用によるフイブリン溶解に伴う主な合併症
は、血餅が溶解した後に血小板が再凝集する傾向がある
ことである。これによつて再閉塞が起こり、心臓が再び
損傷を受ける。
治療的フイブリン溶解の現在の方法に伴う問題をさけ
る方法として、フイブリン溶解剤を動脈血栓に直接指向
させる(target)ことによつて、血栓溶解治療の効能及
び特異性を改善することは有用であろう。
発明の概要 本発明は血栓溶解剤に結合した。血小板特異性モノク
ローナル抗体もしくはその断片よりなる免疫複合体、及
び抗血栓治療におけるその使用に関する。抗体は(血小
板凝集に関与する)GP II b/III a受容体または他の血
小板成分に特異的であることができる。これらの抗体は
血小板に結合して血小板凝集を阻止する。フイブリンよ
りむしろ血小板に結合する本発明の免疫複合体は静脈血
餅(例えば肺塞栓、深部静脈血栓症(DVT))に対する
意味で動脈血餅(例えば急性心筋梗塞、発作)に対して
選択的である。
ヒト抗体、または超可変部位を含有するマウス抗体の
小断片を含有する「キメラ抗体」が、非ヒトタンパク質
より構成される抗体に伴う免疫原性の問題のいくつかを
最小にするので、好ましい。本発明の免疫複合体の血栓
溶解部分はウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、組織型
プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)、一本鎖ウロ
キナーゼプラスミノーゲンアクチベーター、一本鎖スト
レプトキナーゼ、アシル−プラスミノーゲン−ストレプ
トキナーゼアクチベーター複合体、これらの化合物の組
換え変異体、またはその酵素的に活性な部分を含む断片
であることができる。
本発明の詳細な記述 本発明は血栓溶解剤に結合した、血小板特異性モノク
ローナル抗体もしくはその断片よりなる免疫複合体に関
する。静脈血栓ではほんの少しの血小板しか存在しない
のに対し、動脈血栓では血小板はその大部分を構成す
る。本発明の免疫複合体は血栓溶解剤を(両血餅に存在
するが静脈血餅により多く存在する)フイブリンよりも
むしろ血小板に指向させることにより、動脈血餅(例え
ば急性心筋梗塞及び発作)に対する選択性を示す。静脈
血餅(例えば肺塞栓及びDVT)はフイブリン特異性剤で
より良く治療されるのに対し、本発明の血小板特異性免
疫複合体は静脈血餅の溶解用にデザインされている。
好ましい態様において、抗体はGP II b/III aの受容
体の如き、血小板凝集に関与するヒトモノクローナル抗
体である。免疫複合体は血小板に結合し、かくして血栓
溶解剤を血栓に選択的に供給する。結合した免疫複合体
はまた血小板凝集及び血栓再形成を防止する。
本発明の免疫複合体は血小板表面成分に対し特異的で
ある。免疫複合体を作るのに好ましい抗体は血小板GP I
I b/III aの受容体に特異的である。一旦抗体がGP II b
/III a受容体に結合すると、それらは血小板に対するリ
ガンドの結合を阻止する。抗体はまた個別にGP II bま
たはGP III a成分に特異的であり得る。別法として、他
の血小板抗原に特異的な抗体(例えば、血小板顆粒膜タ
ンパク質GMP−140に結合するヒト抗体)を用いることも
可能である。
一般に、血小板特異性抗体は血小板抗原に対する抗体
を産生する脊椎動物からリンパ球系細胞を得ることによ
り生産することができる。リンパ球系細胞を不死化細胞
に融合させて一連のハイブリツド細胞系を産生する。
好ましいリンパ球系細胞は個々人から得られるBリン
パ球である。リンパ球系細胞は脾臓、リンパ節または末
梢血管から静脈穿刺またはフエレーシスによつて得るこ
とができる。リンパ球系細胞はフイコール・ヒパキュー
(Ficoll−Hypaque)等の1工程勾配(a ane step grad
ient)の使用によつて豊富化することができる。回収し
た細胞は洗浄して、有毒であり得る勾配物質を完全に除
去できる。
目的としないまたは望ましくない細胞集団、例えばサ
プレツサー細胞(CD8+)やIgM等の目的としないイソタ
イプを作るB細胞は除去できる。これは補体媒介溶解
(complement mediated lysis)、フローサイトメトリ
ー(flow cytometry)を用いる細胞選抜、またはパニン
グ(panning)等の親和性精製によつて行われる。
融合に先立つて、B細胞を、抗原、リンホカイン及び
/または他の***促進物質またはB細胞を抗体を合成し
分泌するよう誘導する物質で刺激する。融合用の抗体分
泌細胞を形成する別の方法は、GP II b/III a複合体が
発現されない病気である、グランツマン血小板無力症の
患者からのリンパ球系細胞を用いることである。この方
法は同時係属出願であるSN278,805[H.レイザラス(Laz
arus)及びB.S.コラー(Coller)、1988年12月1日]に
記述されている。
適切に刺激した細胞をついで標準的操作を用いて融合
する。ケラー(kohler)及びミルシユタイン(Milstei
n)、Nature、256、495−497(1975);オルソン(Olss
on)及びカプラン(Kaplan)、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A,77,5429(1980)。融合の相手はヒト抗体の合成及び
分泌を支えることができるB細胞系統の細胞またはハイ
ブリツドである。
一般に、不死化細胞はハイブリドーマに培養物中で永
遠に増殖し得る能力を与える腫瘍細胞である。これによ
つて、連続的供給でモノクローナル抗体を生産できる抗
体産生ハイブリドーマ細胞の安定な培養物が確保され
る。不死化細胞は形質細胞腫細胞、例えばミエローマ細
胞であることができる。ミエローマ細胞はヒト、非ヒト
またはヘテロミエローマであることができる。適当なヒ
ト不死化細胞としてはHMMA2.11.HF2及びU−266細胞系
が挙げられる。ヘテロミエローマは2つの異なる種の細
胞の融合によつて形成されるミエローマハイブリツドで
ある。エストベルグ(Oestberg)、米国特許4634664参
照。
ハイブリドーマをついで血小板またはGP II b/III a
受容体等の血小板成分と反応する抗体の産生についてス
クリーニングする。スクリーニングはエンザイムイムノ
アツセイによつて行うことができる。例えば、精製した
GP II b/III aを固体相に結合させることができる。固
体相をついでハイブリドーマ上清と接触させ、GP II b/
III a固相に結合する抗体を酵素複合化抗ヒト抗体で評
価することができる。反応性抗体を分泌するハイブリド
ーマをクローン化する。
抗体産生細胞を形成する別の方法はウイルスまたは造
腫瘍性の形質転換による。例えば、血小板特異性抗体を
産生したヒトBリンパ球をエプスタイン・バール(Epst
ein−Barr)ウイルス等のウイルスに感染させて形質転
換して不死化抗体産生細胞を得る。例えばコズボール
(Kozbor)及びローダー(Roder)(1983)Immurology
Today,(3)、72−79参照。別法として、Bリンパ球
を遺伝子または遺伝子産物を形質転換することによつて
形質転換することができる。
血小板特異性モノクローナル抗体または抗体断片(例
えばFab、Fab′、F(ab′)等)を血栓溶解剤に複合
化して本発明の免疫複合体を形成させる。ここで用いら
れる用語「血栓溶解剤」は血栓の溶解(lysis)を誘導
しまたは開始させるために用いられるいずれの剤をも広
く包含する。もつとも通常の剤はウロキナーゼ、ストレ
プトキナーゼ、組織型プラスミノーゲンアクチベーター
(tPA)、一本鎖ストレプトキナーゼ、アシル−プラス
ミノーゲン−ストレプトキナーゼアクチベーター複合
体、またはこれらの剤の組換え変異体である。
ここで用いられる「複合体」(conjugate)なる語は
抗血小板抗体への血栓溶解剤の固い結合(firm attachm
ent)を広く包含する。この結合は非共有結合であつて
もよいが、好ましくは共有結合である。例えば、抗血小
板抗体H鎖のヒンジ領域に血栓溶解剤ペプチドを共有結
合させるのに組換え技術を用いることができる。これ
は、血小板抵抗体H鎖をコードする遺伝子を血栓溶解剤
ペプチドをコードする遺伝子と結合し、この構築物を、
唯1つの抗体L鎖を産生し得るミエローマ細胞中にトラ
ンスフエクトする(trnsfect)ことによつて達成され
る。シユニー(Schnee)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8
4、6904−6908(1987)及びニユーバーガー(Neuberge
r)ら、Nature 312、604−608(1984)。シユニー及び
ニユーバーガーの研究は、組換え技術によつて産生した
複合体中の抗体H鎖のカルボキシル末端に結合したペプ
チドの活性が、ペプチド活性が多重鎖内ジスルフイド結
合(multiple in trachain disulfide bonds)に依存す
る場合でも、正常値に接近していることをも実証してい
る。
2種の成分のカツプリングはカツプリング剤または複
合化剤を用いて達成してもよい。利用し得るいくつかの
分子内架橋試薬がある[例えばミーンズ(Means)、G.
E.及びフイーネイ(Feeney)、R.E.,Chemical Modifica
tion of Proteins(タンパク質の化学的修飾)、ホール
デン・デイ(Holden−Day)、1974、39−43頁、参
照]。これらの試薬として、例えば、N−サクシンイミ
ジル3−12−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)
またはN,N′−(1,3−フエニレン)ビスマレイミド(共
にスルフヒドリルに高度に特異的で不可逆的結合を形成
する);N,N′−エチレン−ビス−(ヨードアセタミド)
または6〜11の炭素メチレン橋を有する他の同様の試薬
(スルフヒドリル基に比較的に特異的である);1,5−ジ
フルオロ−2,4−ジニトロベンゼン(アミノ基及びチロ
シン基と不可逆的結合を形成する);p,p′−ジフルオロ
−m,m′−ジニトロジフエニルスルホン(アミノ基及び
フエノール性基と不可逆的架橋結合を形成する)、ジメ
チルアジピミデート(adipimidate)(アミノ基に特異
的);フエノール−2,4−ジスルホニルクロライド(主
としてアミノ基と反応する);ヘキサメチレンジイソシ
アネートもしくはジイソチオシアネート、またはアゾフ
エニル−pジイソシアネート(主としてアミノ基と反応
する);グルタルアルデヒド(いくつかの異なる側鎖と
反応する)及びジスジアゾベンジジン(disdiazobenzid
ine)(主としてチロシン及びヒスチジンと反応する)
が挙げられる。これらは利用し得るいくつかの架橋剤の
ほんの一部である。
免疫複合体は医薬組成物として用いることができる。
例えば、複合体は、有効量の目的生産物を薬理的に適切
な担体に含有せしめることによつて、適切な組成物に製
剤化することができる。一般に、これらの担体は食塩水
や緩衝化媒体をはじめとする水もしくはアルコール/水
の溶液、乳濁液または懸濁液を包含する。非経口媒体
(vehicles)としては塩化ナトリウム溶液、リンゲル
(Ringer′s)デキストロース、デキストロース及び塩
化ナトリウム、ラクテート化したリンガーもしくは固定
化油(lactated Ringer′s or fixed oil)が挙げられ
る。静脈内への媒体としては流体及び栄養補給剤、電解
質補給剤、例えばリンゲルデキストロースに基づくもの
等が挙げられる。保存剤及び他の添加剤、例えば抗微生
物剤、抗酸化剤、キレート剤及び不活性ガス等も存在さ
せ得る。一般的に、Remington′s Pharmacentical Scie
nces(レミングトン医薬科学)16版、マツク(Mack)
編、1980参照。
本発明方法によつて製造される医薬組成物を投与する
ルートは当業者に通常知られたルートのいずれでもよ
い。
血栓溶解治療のためには、本発明のカツプリングさせ
た免疫複合体をかかる治療を必要とするいずれの患者に
も投与することができる。投与は非経口、静脈内、腹腔
内をはじめとする適当な方法によつて、または、適切な
場合には、冠状動脈内投与におけるが如きカテーテルを
用いる直接注入(infusion)によつて行うことができ
る。投与量及び投与頻度は、臨床医によつて考慮され
る、患者の年令、性及び症状、他の薬物の同時投与、対
抗適応症(counter indications)及び他のパラメータ
ーに依存する。本発明の免疫複合体を、治療用組成物と
して用いる際に、投与する正確な用量及び頻度は当業者
が知り得るものであり、ごくマイナーな実験で容易に確
かめることができる。
例えば、本発明の医薬組成物を治療に用いる場合、投
与量及び投与頻度は、先行技術においてモノクローナル
抗体それ自体の血栓溶解剤の投与について用いられるそ
れらと同等であることができる。しかしながら、一般
に、用量は血栓溶解剤それ自体の投与について通常用い
られる用量の約0.05倍である。
本発明の好ましい態様においては、ウロキナーゼ(U
K)または組織型プラスミノーゲンアクチベーター(tP
A)を、血小板膜糖タンパク質GP II b/III aに選択的に
結合するモノクローナル抗体(7E3)のFab′断片にカツ
プリングさせる。目的とする複合体(Uk−AB及びtPA−A
B)をジスルフイド交換によつて生成させ、ベンズアミ
ジンセフアロース(Benzamidine Sepharose)及び抗−
マウス−Fab−セフアロースを用いる2工程親和性操作
によつて精製する。
プラスミノーゲンアクチベーターと7E3の機能は1分
子中に結合され、それによつてプラスミノーゲンアクチ
ベーターを血小板リツチ血餅の部位に指向させる(targ
et)。アクチベーター指向によつて、血小板の付近に著
しく高められたプラスミン(線溶酵素)の発生が起こ
り、インビトロでの血栓溶解(thrombolysis)が高めら
れる。
以下の実施例によつて本発明をさらに説明する。
実施例I 免疫複合体の製造 A. 材料 主として一本鎖の組換え組織型プラスミノーゲンアク
チベーター(rtPA)(アクチライズ(ACTILYSE)R)は
トーメー社(Thomae GmbH),ビベラツハ,ドイツより
購入した。高分子量二本鎖(two−chain)ウロキナーゼ
(UROKINASE MEDACR)はメダツク社(Medac GmbH),
ハンブルグ,ドイツから購入した。ウロキナーゼの色素
生産性基質であるL−ピログルタミル−グリシル−L−
アルギニン−p−ニトロアニリド塩酸塩(S−2444)は
カビビトラム(Kabivitrum)より得た。セリンプロテア
ーゼの色素生産性基質であるH−D−イソロイシル−L
−プロリル−L−アルギニン−p−ニトロアニリド−二
塩酸塩(S−2288)、及びプラスミンの色素生産性基質
であるH−D−バリル−L−ロイシル−L−リジン−p
−ニトロアニリド二塩酸塩も同様である。親和性精製し
たポリクローナルウサギ抗ヒトアルブミンIgGはベーリ
ンガー・マンハイムより購入した。N−サクシンイミジ
ル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPD
P)はピアスケミカル(Pierce Chemical)(ロツクフ
オード,米国)から購入し、125−I−標識ヒトフイブ
リノーゲンはアメルシヤム ビツフラー社(Amersham
Buchler GmbH),ブロウシユベイグ,ドイツから購入
した。新鮮凍結血漿及び血小板リツチ血漿はハイデルベ
ルグ血液銀行の大学またはドイツ赤十字、バデン−バデ
ン,ドイツから購入した。
プラスミノーゲンは確立された操作に従って、新鮮凍
結血漿からリジン−セフアロースで精製した。ドイチユ
(Deutch)DG,メルツ(Mertz)ET,Science,170,1095−1
096(1970)。純度はSDS−PAGE及び色素形成基質アツセ
イ(S−2251)によって評価した。バイオビーズ(Bio
−Beads)SM2はバイオラツド(Bio−Rad)より得た。ホ
ルムベルグ(Holmberg)ら、Biochim.Biophys.Acta,44
5,215−222(1976)によって記述されたようにして、CH
−セフアロース4Bにp−アミノベンズアミジンをカツプ
リングさせた。モノクローナル抗体7E3(Fab′)はセ
ントコル(Centocor),マルベルン,PA,米国からの贈与
されたものである(1985年5月30日付でアメリカン・タ
イプ・カルチャー・コレクションの国際寄託当局にブタ
ペスト条約の規定に基づき受託されたMurine Hybridom
a,7E3(ATCC HB 8832)から産生されるモノクローナル
抗体由来)。他のすべての化学物質はシグマ(Sigma)
(セントルイス,MO,米国)から得た。
B. 糖タンパク質GP II b/III aの精製 GP II b/III aは記述されたようにして血小板リツチ
血漿から精製した。フイツツジエラルド(Fitzgeral
d),L.A.ら,Anal.Biochem.,151,169−177(1985)。ア
ツセイ操作でタンパク質を用いるに先立って、バイオビ
ーズ(Bio−Beads)SM−2カラムでのゲル濾過によって
トリトンX−100を定量的に除去した。ホロウエイ(Hol
loway),P.W.,Anal.Biochem.,53,304−308(1973)。別
法として、SPDPを用いて予め7E3−Fab′をカツプリング
したリジン−セフアロース4BカラムでGP II b/III aを
精製した。還元及び非還元条件下でのドデシル硫酸ナト
リウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAG
E)によって、得られたタンパク質調製物の純度を評価
した。タンパク質はTBS−CaCl(0.13M NaCl、20mM ト
リス、1mM CaCl、pH7.4)中−80℃で貯えた。予めポリ
クローナルウサギ抗ヒトアルブミン抗体をカツプリング
させた臭化シアン活性化セフアロース4Bカラムでのアフ
イニイテイークロマトグラフイーによって、ヒト血清ア
ルブミンスタビライザーからウロキナーゼを分離した。
ウロキナーゼ−アルブミン混合物を、分画採取した落下
液中のウロキナーゼが電気泳動的にアルブミンフリーと
なるまで、繰り返しクロマトグラフ処理に付した。
タンパク質濃度はブラツドフオード(Bradford),M.
M.,Anal.Biochem.,72,248−254(1976)によって、また
は定量的な280nmでの吸光度によって測定した。洗剤含
有試料はスミス(Smith),P.K.ら,Anal.Biochem.,150,7
6−85(1985)の方法によって定量した。
SDS−PAGEはレムリ(Laemmli),Nature,227,680−685
(1970)に従って行い、タンパク質はノイホフ(Neuhof
f),V.ら,Electrophoresis,,255−262(1988)に従い
クマシーブリリアントブルーG−250を用いて、または
銀染色によって視覚化した。メリル(Merril),C.R.ら,
Science,211,1437(1981)。
C. 7E3−Fab′の調製 7E3−(Fab′)(10mg,2mg/ml 0.1Mリン酸ナトリ
ウム,pH6.8)を1mM 2−メルカプトエチルアミン、1mMエ
チレンジアミン四酢酸及び10mM亜砒酸ナトリウム中、室
温で18時間還元し、ついで固体状のエルマン試薬(Ellm
an's reagent)を添加することによって抗血小板モノ
クローナル抗体7E3−Fab′を調製した。室温で30分後、
過剰の試薬を、0.1Mリン酸ナトリウム(pH6.8)で平衡
化したセフアデツクスG−25カラム(30×2)cmでのゲ
ル濾過によって除去した。この保護された形態におい
て、7E3−Fab′は無菌状態及び4℃で3ケ月以上構造的
及び機能的に損われずに残存した。チオール形態の7E3
−Fab′は10mM 2−メルカプトエチルアミンを用いて室
温で30分処理し、ついでゲル濾過することにより容易に
再生された。
D. rtPA−7E3−Fab′複合体及びウロキナーゼ7E3−Fa
b′複合体の調製 NaPi緩衝液(0.14M NaCl、3.7mMリン酸ナトリウム、
1mM KCl、pH7.4)中のウロキナーゼ(3.0mg/ml)4mlを
SPDPと混合し(SPDP:無水エタノール中20mM、5倍モル
過剰を撹拌溶液に滴下した)、室温で30分反応させた。
ついで反応混合物を、0.1Mリン酸ナトリウム(pH6.8)
を数回交換しながらそれに対して一夜透析した。2−ピ
リジルジスルフイド含量を分析したところ[スタツクブ
リイ(stuchbury),Biochem.J.,151,417(1975)]、代
表的には、ウロキナーゼ1分子に対して約0.5〜2.0残基
を示した。ウロキナーゼの特異的性質をなるべく妨害し
ないようにし、より高分子量の凝集体の生成をさけるた
めに、置換レベルは意図的に低く保った。
組換えtPA(5.7mg,1.0mg/ml)は修飾直前にセフアデ
ツクスG−25でのゲル濾過によってNaPi緩衝液で平衡化
した。SPDPを上記と同様にして添加した。30分後、直ち
に反応混合物を、1.0Mアルギニン及び0.1%ツイーン80
を含有するNaPi緩衝液に対して、2回交換、4℃で12時
間に亘って透析した。ルンゲ(Runge),M.S.ら,Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA,84,7659−7662(1987)。
チオール形態の7E3−Fab′[リン酸ナトリウム(pH6.
8)中1.0mg/mlを5.0ml]をSPDP修飾ウロキナーゼまたは
SPDP修飾rtPAと混合し、室温で20時間反応させた。タン
パク質濃度と比較して100倍モル過剰の、0.1Mリン酸ナ
トリウム(pH8.0)中のヨードアセタミドの添加によっ
て反応を停止させた。
E. 複合体の精製 2つの引き続いてのアフイニテイークロマトグラフイ
ー工程によって反応混合物から目的複合体を精製した、
まず、ベンズアミジン−セフアロースに結合するプラス
ミノーゲンアクチベーターの選別によって、複合体がプ
ラスミノーゲン及び非複合化プラスミノーゲンアクチベ
ーターが保持されたが、カツプリングされなかった7E3
−Fab′(回収された)は保持されなかった。溶出液
(溶出緩衝液:0.1M酢酸ナトリウム、0.4M塩化ナトリウ
ム、pH4.0)を3Mトリス−HCl pH8.0で中和し、ヤギ抗
マウスFab抗体に複合化させたセフアロースをカラムに
通した。目的とする複合体のみを保持したこのカラムを
0.2Mグリシン、pH2.8で溶出し、ついで3Mトリス−HCl塩
化ナトリウム、0.01%ツイーン80及び0.01%アジ化ナト
リウムで中和した。複合体はこの緩衝液中無菌状態、4
℃で少なくとも4週間貯蔵できた。
ジスルフイド結合したウロキナーゼ−7E3−Fab′及び
rtPA−7E3−Fab′複合体の性質はそれらの精製によって
部分的に定義される。これら2つの工程のアフイニテイ
ー精製操作により、複合体はベンズアミジンに結合する
能力(すなわち、セリンプロテアーゼ活性)とヤギ抗マ
ウスfab抗体に結合する能力(すなわちfab部分を含有す
る)の両方を有していなければならない。還元条件下に
電気泳動する場合には、ジスルフイド結合が切断され
(is broken)、個々の成分(66KDに1本鎖rtPA、また
は34KD及び21KDにそれぞれウロキナーゼのH及びL鎖、
28KD及び25KDにそれぞれFab′のH及びL鎖)を視覚化
することができる。非還元条件下では約110KD及び100KD
の見掛けの分子量を有する分子が視覚化された。
F. ウロキナーゼ及びrtPA活性の定量 ルンゲ(Runge)ら,Biochem,27,1153−1157(1988)
に記載されたようにしてウロキナーゼ及びrtPAの活性を
測定した。
概略を述べると、プラウ(Plough)単位及びmg/mlのU
Kの標準試料及び国際単位及びmg/mlの一本鎖組換えtPA
の標準試料を色素生産性(chromogenic)基質アツセイ
(0.15Mトリス及び0.15M NaCl、pH8.4中のS−2288、
基質濃度1×10-3mol/L及び酵素濃度8×10-9mol/L)で
分析した。UKについては1プラウ単位は1.8×10-4nmol
に等しいとし、tPAについては1国際単位は6.3×10-5nm
olに等しいとした。S−2288アツセイについて報告され
た吸光度/分における変化と当該試料におけるそれとの
相関関係は優れており、UK100単位(8×10-5mmol)ま
たは一本鎖tPA100単位(6.3×10-6mmol)が405nmでの吸
光度における約0.060/minの変化を与えた。これらの結
果をもとに、UKまたはtPAの未知試料中の活性酵素の
(上記の如く適切な単位での)活性でのまたは(ミリモ
ルでの)モル量での測定がなされるごとに、S−2288ア
ツセイにおいて、上述の如く、405nmで0.060/minの吸光
度変化となるまで試料を希釈した。吸光度変化に対する
酵素濃度の直線範囲は我々の実験では(in our hand
s)4×10-10mol/L〜3.2×10-8mol/Lであった。フイブ
リン溶解のアツセイでこの範囲より上の濃度を用いる
と、より高い濃度を有するストツク溶液から適当な希釈
液を作れるであろう(S−2288アツセイではその一定部
分を1:10希釈で試験した)。
ウロキナーゼもしくはrtPA及びそれぞれの複合体のプ
ラスミノーゲン活性化性(plasminogen activation p
roperties)のより一層実際的な比較をするために、プ
ラスミン感受性色素生産基質S−2251を用いて酵素活性
を検討した(was monitored)。非特異的吸収を抑制す
るために、96穴細胞培養プレート(リンブロー(Linbr
o))に5%(w/v)ウシ血清アルブミン(BSA)を含有
するTBS−CaClを塗布した。ついでプレートを水で十分
(extensively)すすぎ、乾燥した。異なる量の酵素を
含有する50llプラスミノーゲンアクチベーター溶液を各
穴に加えた。ついで、H2O中3.5mM S−2251 1部とS
−2251アツセイ緩衝液(50mMトリス、110mM塩化ナトリ
ウム)中のプラスミノーゲン3部よりなる基質溶液を混
合し、この溶液100llを各穴に加えた。基質S−2251の
プラスミン依存性変換を常用のエライサ読取り装置を用
い405nmで読んだ。メダツク(Medac)ウロキナーゼを標
準として用いた。
実施例II 全GP II b/III a複合体の存在下でのプラス
ミノーゲン活性化 96穴U型微量力価(microtiter)プレート[ベクトン
・デイキンセン(Becton Dickinsen)]に4℃で一夜1
00llGP II b/III a溶液(50lg/ml)を塗布した。プレー
トを水で十分に(extensively)すすぎ、1%BSAを含有
するTBS−CaCl 200llを加えて非特異的結合を阻止し
た。室温で6時間後プレートを再びすすいだ。ついで異
なる量のrtPAもしくはウロキナーゼまたはそれぞれの複
合体を含有するTBS−CaCl 100llを各穴に加え、室温で
4時間保持した。プレートを再びすすぎ、上記の組成の
基質溶液100μlを各穴に加えた。プラスミンの存在を
示す、405nmでの吸光度の増加を90分後及び120分後に測
定した。
GP II b/III aの存在下に以下のようにしてウロキナ
ーゼ、rtPA及びそれらの複合体を比較した。まず、既述
した如く、GP II b/III aの不存在下に各アクチベータ
ーのプラスミノーゲン活性化能力を評価した。アクチベ
ーター濃度が0.1〜10単位/100llの範囲になるように試
料を希釈した。表1は、それぞれの親分子によってより
複合体によってかなりな程度により多くのプラスミンが
生成したことを示している。120分では、UK−7E3−Fa
b′はUKよりほぼ20倍有効であり、rtPA−7E3−Fab′は
カツプリングしていないrtPAに比べ20〜25倍有効であ
る。ウロキナーゼは4より小さいフアクター(factor)
でrtPAより効能が劣るが、UK−7E3−Fab′は非カツプリ
ングrtPAに比較して実に5倍有効である。
実施例III 全血小板の存在下でのプラスミノーゲンの
活性化 血小板濃縮物を−80℃で貯蔵した。解凍後それらを4
℃、1800gで15分遠心分離した。血小板を含有するペレ
ツトをTBS−EDTA(0.13M NaCl、20mMトリス、1mM EDT
A、pH7.4)で3回洗浄した。最終ペレツト中の血小板を
TBS−CaCl中に約100,000血小板/llの濃度になるように
再懸濁した。血小板懸濁液100llを96穴微量力価プレー
トの各穴に加えた。プレートを2000gで10分遠心分離し
た。デマルコ(DeMarco),L.ら,Acta Haemat.,75,203
−208(1986)。プレートを水で2回洗浄した後、5%B
SA(w/v)を含有するTBS−CaCl 200llを各穴に加え
た。室温で6時間後、プレートを水で再び洗浄した。こ
の時点で塗布プレートを4℃で1週間まで貯蔵し得る。
ついで、2.5%BSAを含有するTBS−CaCl中のプラスミノ
ーゲンアクチベーターを各穴に加え、室温で3時間イン
キユベートした。水で十分に(extensively)すすいだ
後、基質溶液を加え、プラスミンの存在を示す、405nm
での吸光度の増加を90及び120分後に測定した。
表2は、天然の(native)プラスミノーゲンアクチベ
ーターと比較して、両複合体についてプラスミノーゲン
のプラスミンへの変換が著しく高められたことを示して
いる。向上フアクターは精製II b/III aの存在下におけ
るよりやや低いと思われるが、このことは恐らく、この
アツセイでは結合のためにより少ないII b/III b分子し
か利用されないという事実によって説明できる。さら
に、このアツセイでは、rtPAはUK7E3−Fab′よりより効
率的なプラスミノーゲンアクチベーターであると思われ
る。
実施例IV 緩衝液及びヒト血漿における血餅溶解アツセ
イ いくつかの修飾を加えてリジネン(Lijinen)らの方
法を用いた。リジネンら、Throm.Haemostas,52,208−31
0(1984)。地方の血液銀行から得た新鮮凍結血漿5単
位をプールし(were pooled)、等分し(aliquote
d)、再凍結した。各実験の直前に、種々のプラスミノ
ーゲンアクチベーターの活性を上述のようにして較正し
た(were calibrated)。抗体標的分子の不存在下での
プラスミノーゲンアクチベーターの能力を標準濃度のウ
ロキナーゼのそれと関連させた。プラスミノーゲン活性
化が各試料について等しくなるように適切な希釈を行っ
た。血小板濃縮物を室温で上述のようにして洗浄した。
最終ペレツトを同容量の血漿中に再懸濁した。血小板懸
濁液に125−I標識ヒトフイブリノーゲン(500,000cpm/
ml懸濁液)、0.5M CaCl(血漿中の最終濃度0.05M)及
びトロンビン(8NIH単位/ml血漿)をこの順序で加える
ことによって、血小板リツチ血餅を調製した。トロンビ
ンの添加直後に、溶液をシラステイツク管(内径4mm)
に入れ、37℃で30分凝固させた。ついで管を2.5cmの断
片(sections)に切り、約0.2mlの血餅を得た。管から
血餅を分離し、それぞれプラスチツクバイアルに入れ、
0.15M NaCl3mlで洗浄した。ついでこれらをカウントし
(were counted)、プラスミノーゲン(0.1mg/ml)を
含有するTBS2mlまたは(同じプールの)新鮮凍結血漿2m
lに懸濁した。TBS200ll中のプラスミノーゲンアクチベ
ーター(またはコントロールとしてのTBS)の添加によ
って実験を開始した。プラスミノーゲン溶液(または新
鮮凍結血漿)の一定量を、種々の間隔で、カウントのた
め各管から取り出した。血餅から放出された放射能の計
算された合計量と血餅中に最初に入れた放射能から溶解
を測定した。
ヒト血餅の溶解についてのアツセイでウロキナーゼと
その複合体を比較した。まず、プラスミノーゲン含有緩
衝液中の血小板リツチ血餅に対して溶解(lysis)を行
った。表3は同じ温度で複合体がプラスミノーゲンアク
チベーターより首尾一貫してより多くの溶解を行うこと
を実証したことを示している。活性比は約2であると測
定された。
表4は、リジネンらの方法をTBS−プラスミノーゲン
緩衝液よりむしろヒト血漿環境を用いて繰り返した場合
に、UK−7E3−Fab′が一層大なる係数(factor)で血栓
溶解を高めたことを示している。用いられた濃度ではウ
ロキナーゼはほとんど活性を示さなかったが、UK−7E3
−Fab′は効率のよい溶解剤(lytic agent)であるこ
とが判明した。
以上の実験は以下のことを実証している: 1.抗体7E3はウロキナーゼ(UK)または組織プラスミノ
ーゲンアクチベーター(tPA)にカツプリングして免疫
複合体を形成することができる; 2.該抗体部分もしくはカツプリングしたfab′断片部分
は血小板に結合する能力を保持しており、プラスミノー
ゲンアクチベーター部分はプラスミノーゲンを活性化す
る能力を保持している; 3.プラスミノーゲンの活性化を標的タンパク質II b/III
aの近辺に集中させることができる;及び 4.プラスミノーゲンの活性化を全血小板の近辺に集中さ
せることができる; 5.(存在するすべてのインヒビターを含有する)ヒト血
漿中でのアクチベーターの集中が可能であり、血小板リ
ツチ血栓の高められた血栓溶解を行うことができる。
同等物 当業者は、ここに記述した発明の特定の態様に対する多
くの同等物(equivalants)を認識し、または、ルーチ
ンにすぎない実験を用いて、それらを確認することがで
きるであろう。かかる同等物は以下の請求の範囲に包含
されるものである。
なお、本発明の主たる特徴及び態様を示せば次のとお
りである。
1.血小板特異性抗体もしくはその断片と血栓溶解剤より
なる免疫複合体。
2.血小板特異性抗体がモノクローナル抗体である上記第
1項記載の免疫複合体。
3.モノクローナル抗体もしくはその断片が血小板の糖タ
ンパク質II b/III a受容体複合体に特異的に結合する上
記第2項記載の免疫複合体。
4.モノクローナル抗体が7E3である上記第3項記載の免
疫複合体。
5.血小板特異性モノクローナル抗体がヒト起源である上
記第2項記載の免疫複合体。
6.抗体断片がFab、Fab'及びF(ab')よりなる群から
選ばれる上記第1項記載の免疫複合体。
7.血栓溶解剤がストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、組
織プラスミノーゲンアクチベーター、一本鎖ストレプト
キナーゼ、アシルプラスミノーゲンストレプトキナーゼ
アクチベーター複合体、及び血栓溶解剤もしくはその断
片の組換え変異体よりなる群から選ばれる上記第1項記
載の免疫複合体。
8.血栓溶解剤がプラスミノーゲンアクチベーターである
上記第7項記載の免疫複合体。
9.組換え技術によって生産される上記第1項記載の免疫
複合体。
10.血栓溶解剤にカップリングされた、モノクローナル
抗体のFab'断片よりなる免疫複合体。
11.カップリング組換え技術によって行う上記第10項記
載の免疫複合体。
12.血栓溶解剤が組織型プラスミノーゲンアクチベータ
ーである上記第10項記載の免疫複合体。
13.血栓溶解剤がウロキナーゼである上記第10項記載の
免疫複合体。
14.血栓溶解剤にカップリングされた、GP II b/III c受
容体に特異的なヒトモノクローナル抗体に由来するFab'
抗体断片よりなる免疫複合体。
15.血栓溶解剤が組織型プラスミノーゲンアクチベータ
ーである上記第14項記載の免疫複合体。
16.血栓溶解剤がウロキナーゼである上記第14項記載の
免疫複合体。
17.血栓または血栓形成の危険を有する患者に、血小板
特異性抗体もしくはその断片と血栓溶解剤よりなる免疫
複合体の有効量に投与することを特徴とする抗血栓治療
の方法。
18.抗体もしくは抗体断片がGP II b/III a受容体に特異
的である上記第17項記載の方法。
19.抗体断片がFab、Fab'またはF(ab')断片である
上記第17項記載の方法。
20.血栓溶解剤が組織プラスミノーゲンアクチベータ
ー、ストレプトキナーゼ、一本鎖ストレプトキナーゼ、
アシル−プラスミノーゲン−ストレプトキナーゼアクチ
ベーター複合体、ウロキナーゼ、及び血栓溶解剤の組換
え変異体よりなる群から選ばれる上記第17項記載の方
法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヘイバー,エドガー アメリカ合衆国ニユージヤージイ州 08540 プリンストン・プリテイブルツ クロード アールデイ2 (72)発明者 メインハード,ギヤブリール アメリカ合衆国カリフオルニア州92037 ラジヨーラ・ハイデンバレイロード 2466 (56)参考文献 特開 昭63−269980(JP,A) Circulation,Vol. 77,No.3,P670〜677(1988) Biochemistry,Vol. 27,No.4,P1153〜1157(1988) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 38/363 A61K 47/48 A61P 7/02 CA(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】血小板特異性抗体もしくはその断片と血栓
    溶解剤を含んでなり、かつ血小板特異的抗体もしくはそ
    の断片が血栓溶解剤へ 不可逆的に共有結合している免疫複合体。
  2. 【請求項2】血小板特異性抗体がモノクローナル抗体で
    ある請求項1記載の免疫複合体。
  3. 【請求項3】モノクローナル抗体もしくはその断片が血
    小板の糖タンパク質II b/III a受容体複合体に特異的に
    結合する請求項2記載の免疫複合体。
  4. 【請求項4】モノクローナル抗体が7E3である請求項3
    記載の免疫複合体。
  5. 【請求項5】血栓溶解剤がストレプトキナーゼ、ウロキ
    ナーゼ、組織プラスミノーゲンアクチベーター、一本鎖
    ストレプトキナーゼ、アシルプラスミノーゲンストレプ
    トキナーゼアクチベーター複合体、及び血栓溶解剤もし
    くはその断片の組換え変異体よりなる群から選ばれる請
    求項1記載の免疫複合体。
  6. 【請求項6】血栓溶解剤へ不可逆的に共有結合された、
    モノクローナル抗体7E3のFab'断片よりなる免疫複合
    体。
  7. 【請求項7】請求項1記載の免疫複合体を有効成分とす
    ることを特徴 とする抗血栓治療剤。
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