JP3436219B2 - カーボン材料とその製造方法、及びそれを用いた電界放出型冷陰極 - Google Patents

カーボン材料とその製造方法、及びそれを用いた電界放出型冷陰極

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カーボン材料及
び電界放出型冷陰極に関し、詳しくは、特に電子を放出
するエミッタを有する電界放出型冷陰極に関し、さらに
はカーボン膜を用いたエミッタを有する電界放出型冷陰
極において針状構造を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電界放出型冷陰極はエミッタに電界をか
けることにより、真空中に電子を放出することができる
熱カソードに代わる電子銃として、近年ディスプレイ応
用等で注目されている。特に微小な形状を有するコーン
形状のエミッタやエミッタとしてダイヤモンドを用いる
方法が注目されている。微小なコーン形状を有するエミ
ッタは半導体素子の微細加工技術の進展によりミクロン
以下の加工が可能になったことにより、容易に微小電子
源を形成することが可能となったことによる。また、ダ
イヤモンドは硬度が高いこと、化学的に安定で有るこ
と、さらには伝導体表面のエネルギー準位が真空のエネ
ルギー準位よりも低くなる負の電子親和力といった電子
放出素子としては有利な特性も有している。負の電子親
和力の特性を有しているとダイヤモンドの伝導体に電子
が供給され、ダイヤモンド表面に電子が到達すると電子
が真空中に放出させることが可能となる利点が発生す
る。
【0003】そこで、これまでにもエミッタ材料として
ダイヤモンドを利用する技術が提案されてきている。例
えばコーン型に形成された微小電子源の表面にダイヤモ
ンドやダイヤモンドライクカーボンといったカーボン膜
を薄くコーティングする方法がある。これはコーン型の
電界放出型冷陰極にCVD(Chemical Vap
orDeposition)法等によりコーン先端にダ
イヤモンド薄膜を堆積する工程を追加するだけで形成で
きる利点がある。また、ダイヤモンド膜自体をエッチン
グする手法も報告されており、これは例えば特開平6−
132254号公報に開示されている。
【0004】この方法はダイヤモンド膜の表面にアルミ
ニウム等のマスク材を形成しアルゴンガスと酸素ガスと
の混合ガスを用いてダイヤモンド膜を選択的にプラズマ
エッチングする手法である。この方法によると、マスク
材とダイヤモンドとの選択比を多くとることが可能とな
りダイヤモンドの微細加工性が高くなる利点がある。な
お、この手法においてダイヤモンドを酸素ガスでプラズ
マエッチングを行うと、マスク材との選択比はさらに大
きくなるがダイヤモンド表面の平坦性が悪くなり10〜
50nmの柱状構造が形成されることが報告されてい
る。
【0005】さらには、特開平9−265892号公報
に開示されている突起状のエミッタ先端にダイヤモンド
を形成する方法がある。
【0006】図9は従来例の電界放出型冷陰極及びその
製造工程を示す模式的断面図である。図9(e)に示す
ように、例えばシリコン基板よりなる基板電極21上に
例えばシリコンよりなる突起状の導電性材料28が形成
され、その先端にダイヤモンド26が形成された構造と
なっている。作成方法を工程順に説明する。まず、図9
(a)に示すように、シリコンよりなる基板電極21に
気相成長法によりダイヤモンド膜26を形成する。次に
図9(b)に示すように、ダイヤモンドを加工するマス
クとなるアルミニウム層27を真空蒸着法で形成する。
次に図9(c)に示すように、フォトリソグラフィ法に
よりレジストを例えば5ミクロンの径で20ミクロン間
隔の所望のパターンに加工し、それをマスクとしてアル
ミニウム層27をパターニングする。次に図9(d)に
示すように、アルミニウム層27をマスクとして、酸素
ガスを用いた反応性イオンエッチングによりダイヤモン
ド26をパターニングする。次に図9(e)に示すよう
に、アルミニウム層27を除去した後、ダイヤモンド2
6をマスクとして、基板電極21を反応性イオンエッチ
ングによりエッチングし突起構造の導電性材料28を形
成する。以上により、突起構造の導電性材料28上にダ
イヤモンド26が形成されたエミッタを有する電界放出
型冷陰極が形成できる。この方法ではダイヤモンド26
をエミッタの先端にのみ形成し突起構造はエッチングの
容易な導電性材料28で形成するために加工が容易であ
る。
【0007】また、他の方法としてはアプライド・フィ
ジックス・レターズ(Applied Physics
Letters)Volume73、Number1
5、1998年、2119〜2121頁に開示されてい
る、選択成長したグラファイトのナノファイバーを形成
するものがある。これはニッケルよりなる基板に窒素と
アセチレンガス中でプラズマアシストCVD法を行うこ
とにより基板よりファイバー状のグラファイトが成長す
るものである。この方法では、30から100nmのナ
ノファイバーが形成されることが報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図9に示した従来技術
の第1の問題点は、コーン型のエミッタを形成した後に
ダイヤモンド等のカーボン膜をコーティングする方法で
はエミッタ先端の曲率半径が大きくなり電子放出に不利
になることである。一般に電界放出特性はエミッタ材料
の先端曲率半径と仕事関数に大きく依存する。従って、
ダイヤモンド等エミッションしやすい材料をコーン形状
のエミッタ表面にコーティングしたとしても先端曲率半
径はコーティング膜厚分だけ大きくなる。その結果、コ
ーティング材料によりエミッションしやすくなったとし
ても、先端曲率半径が大きくなり必ずしも特性が大きく
向上しない可能性があった。
【0009】図9に示した従来技術の第2の問題点は、
ダイヤモンドのエッチングガスに酸素ガスを主に用いて
いることによりダイヤモンド表面が酸素終端されやすく
なることである。酸素ガスはダイヤモンドに対してエッ
チングレートは高く、アルミニウム等のマスク材に対し
て選択比が高い利点がある。しかしながら、ダイヤモン
ドのエッチングに酸素ガスを使用すると、ダイヤモンド
表面が酸素により終端された構造とすることにより、水
素終端されたときに得られる負の電子親和力の特性が得
られなくなりエミッションが劣化する課題があった。さ
らには、水素終端されているとダイヤモンドの表面電導
性が高くなりエミッションに寄与する電子をエミッタ先
端に供給することが容易であったが、酸素終端されてい
ると導電性の低いダイヤモンドのバルクを通して電子を
エミッタ先端に供給することになり、ダイヤモンドだけ
でエミッタを形成した場合、高エミッション電流を得る
には不利であった。
【0010】図9に示した従来技術の第3の問題点は、
主なエッチングガスとして酸素ガスを用いダイヤモンド
を加工する場合マスク材との選択比が高く得られる反
面、柱状の構造になり突起状のエミッタ先端に電界がか
かりにくくなることである。前述のようにエミッション
特性はエミッタ先端の曲率半径に大きく依存するために
先鋭な先端曲率半径の小さい形状とすることがエミッシ
ョン特性向上には有利である。しかし、酸素を用いたエ
ッチングの場合は柱状構造となるため、先端は平坦な形
状となりエミッションには不利な形状となっていた。
【0011】図9に示した従来技術の第4の問題点は、
エミッタ形状を比較的容易に形成できる材料で突起状の
エミッタを形成し先端にダイヤモンドを形成する方法
は、先端のダイヤモンドの形状がダイヤモンドを形成す
るフォトリソグラフィで決まり、先端の微細化とエミッ
タ間距離の縮小が困難なことである。一般にフォトリソ
グラフィを用いた場合、サブミクロン程度の径とパター
ニング間距離が限界と考えられる。従って、先端曲率半
径はコーン型の微小エミッタで形成されている10nm
程度よりも10倍以上大きい曲率半径しか得られずエミ
ッションには不利である。さらに、エミッタ数が多いほ
どエミッションは得られやすいが、エミッタ間距離も限
界があるため、エミッタ数を増やすことによるエミッシ
ョン向上にも限界がある。
【0012】さらに、前記文献に示されている従来技術
の第5の問題点は、ナノファイバーを形成する方法では
形成された針状のエミッタはグラファイトのファイバー
になるために、膜質がグラファイト的な膜に限定される
こととなり、ダイヤモンドで得られる負の電子親和力の
特性が得られないことがあることである。また形状がフ
ァイバー構造に限定されるために先端の直径も最低では
30nm程度が得られているものの、60〜70nmの
直径が主であり先端の微細化に限界がある。
【0013】この発明の目的はダイヤモンド等のカーボ
ン膜よりなるエミッタを先鋭に多数個形成できエミッシ
ョンポイント、エミッション特性を向上させ低電圧で高
電流のエミッションが得られる電界放出冷陰極を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は、カーボン膜
の表面が炭素よりなる針状の突起構造で覆われているこ
とを特徴とするカーボン材料及びそれを用いた電界放出
型冷陰極である。
【0015】また、このようなカーボン材料は、カーボ
ン膜を水素ガス中でプラズマ処理することによりカーボ
ン膜表面に針状のカーボン膜を形成することによって得
られる。ここで、プラズマ処理で前記カーボン膜をエッ
チングすることにより針状のカーボン膜を形成してもよ
く、その際、カーボン膜中あるいは表面にエッチング速
度の異なる材料を形成することで所望の形状を得ること
ができる。エッチング速度の異なる材料としてはsp2
構造とsp3構造が混在するカーボン膜が考えられる。
【0016】この発明によれば、カーボン膜よりなるエ
ミッタを複数の先端が先鋭な針状形状とすることによ
り、エミッタ先端への電界強度が高くなり、かつ、エミ
ッションポイントが多く形成することができるために、
エミッション電流が低電圧で高電流値が得られる高性能
な電界放出型冷陰極を提供できる。
【0017】また、この発明の構成において、エミッシ
ョン性の高いダイヤモンド膜つまりsp3構造のカーボ
ン膜と導電性の高いグラファイト膜つまりsp2構造の
カーボン膜が複合化されたカーボン膜をエミッタ材料と
して用いることにより導電性が高くかつエミッション特
性も高い電界放出型冷陰極を提供できる。この構成にお
いてエミッタ先端をsp3構造のカーボン膜を配置する
ことにより、エミッション特性はさらに高くすることが
できる。
【0018】また、この発明によればカーボン膜を水素
中でプラズマ処理を行うことにより、容易に先鋭な針状
のエミッタを同時に複数個形成することが可能となる電
界放出型冷陰極の製造方法を提供できる。
【0019】また、この発明の製造方法において、カー
ボン膜中あるいは表面に水素プラズマの際にエッチング
速度の異なる材料を混在させることにより、カーボン膜
がエッチングされる際に、エッチング速度の遅い材料が
マスクとなり自己整合的に針状のエミッタを形成するこ
とが可能となる。
【0020】そこで、カーボン膜成膜時に水素プラズマ
処理でエッチングされる速度の速いsp2構造のカーボ
ンとエッチング速度の遅いカーボン膜を同時に形成する
ことにより同じ成膜装置でカーボン膜の形成とエミッタ
形成のマスク材を形成することが可能となる。さらには
エミッション特性の高いsp3構造のカーボンがエミッ
タ先端に自己整合的に形成できるために、エミッション
特性の向上も同時に実現することが可能となる。
【0021】また、水素プラズマ処理をECR(Ele
ctron CyclotronResonance)
プラズマで行うことにより高いプラズマ性を得ることが
可能となり、容易に先鋭な針状のエミッタを形成するこ
とが可能となる。
【0022】また、水素プラズマ処理により、針状のエ
ミッタ表面をアモルファスカーボン膜、あるいは好まし
くはsp2構造のカーボンよりなる導電性膜で覆うこと
により、導電性の高い電界放出型冷陰極を形成できる。
【0023】また、針状のエミッタを下部基板電極まで
到達する構造とすることにより、より導電性の高い電界
放出型冷陰極を形成できる。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。図1はこの発明の第1の
実施の形態の電界放出型冷陰極及びその製造方法を示し
た模式的断面図である。この発明の第1の実施の形態は
図1(c)に示すように、導電性のカソード電極となる
基板電極1上に上面が先鋭な針状の突起構造で覆われた
カーボン膜2が形成された構成となっている。針状の突
起構造は数nmから200nmの底面の幅を有する円錐
状或いは角錐状の形状であり高さは略10nmから1μ
mである、底面の幅と同等のピッチで配置されている。
このように先端が先鋭な針状のカーボン膜よりなるエミ
ッタが緻密に存在する構造とすることにより、エミッタ
の先端の先鋭度が高いことから個々のエミッタから得ら
れる電流量が大きくなり、さらにエミッタが密に配置さ
れ個数が多いいことから得られるエミッション電流量は
大きくなる。さらにカーボン膜としてsp3性の高い膜
を用いることによりダイヤモンドの特性が得られエミッ
ション特性はさらに改善される。個々で表面を水素終端
させた構造とすることにより、ダイヤモンド表面での電
気伝導は向上しエミッション電流はさらに得られ易くな
る。
【0025】次に、製造方法について説明する。図1
(a)において、基板電極1として例えばn型のシリコ
ン基板を用意する。この例ではシリコン基板であるが、
これに限ったものではなく例えばディスプレイ応用では
ガラス基板上に形成された金属による基板電極でも良
い。
【0026】次に、図1(b)に示すように、基板電極
1上にカーボン膜2を略5μm熱フィラメントCVD法
により堆積する。カーボン膜の形成条件の一例は、粒径
略1μmのダイヤモンドパウダーで基板電極1上にスク
ラッチ処理を行い基板電極表面にダイヤモンドパウダー
を付着させ、その後熱フィラメントCVDのチャンバー
内で略1.33×10−4Pa(Pascal)(略略
10−6Torr)まで排気し、例えばメタン/水素を
略5sccm(Standard cubiccent
imeter per minute)/略500sc
cmの流量で流し、略2.66×10Pa(略20T
orr)で成膜する。このときのフィラメント温度は略
2200℃で基板温度は略800℃である。これにより
多結晶のsp3性の高いカーボン膜が形成されているこ
とがラマン評価よりわかっている。なお、本実施例では
成膜前にスクラッチ処理によりダイヤモンドパウダーを
基板電極に付着させたが、他の方法で付着させてもいい
し付着させることなく成膜してもかまわない。さらには
今回熱フィラメントCVDで成膜したが、他の方法、例
えばマイクロ波プラズマCVD法や直流アーク法、燃焼
炎法により形成してもかまわない。
【0027】次に図1(c)に示すように水素を略40
sccm導入し略0.0133〜0.133Pa(略1
−4〜10−3Torr)の圧力下でECRイオン源
に略850から900Gの磁場と略2.5GHzのマイ
クロ波を印加したECRプラズマを略500W出力で発
生させた処理を行う。それによりカーボン膜の表面状態
は針状の構造が密に形成される。これはECRプラズマ
処理によりカーボン膜の構造、あるいは表面のデポジシ
ョン物、あるいはプラズマ処理中の再成長物がプラズマ
処理によりカーボン膜をエッチングする際のマスク材と
なる、あるいはカーボン膜の面方位や多結晶構造のグレ
インでのエッチングレートの差により局所的に形状が変
わる現象が単独或いは複合的に生じることによって針状
構造となっている。
【0028】なお、この発明では材質によらずエッチン
グレートのあるアルゴンガスが主成分のエッチングでは
ないので、マスク材が急速にエッチング除去されること
はないのでアスペクト比の高い突起が形成できる利点が
ある。また、選択比が高い酸素ガスを主成分としていな
いため、針状ではなく柱状の構造となることもなく、エ
ッチング速度も酸素ほど高くないので針状構造が形成さ
れる前にカーボン膜がエッチング除去されることもな
い。図10にエッチング後のカーボン膜の写真を示す。
【0029】次に、この発明の第2の実施の形態につい
て説明する。図2はこの発明の第2の実施の形態の電界
放出型冷陰極及びその製造工程を示す模式的断面図であ
る。この発明の第2の形態は図2(c)に示すように、
導電性のカソード電極となる基板電極1上に上面が突起
構造で覆われたカーボン膜2が形成され、そのカーボン
膜2の先端にsp3構造のカーボン3が先鋭な形状で形
成されている構成となっている。突起構造は数nmから
200nmの底面の幅を有する円錐状或いは角錐状の形
状であり高さは略10nmから1μmである。このよう
に、針状構造の先端をsp3構造のカーボン膜とするこ
とによりダイヤモンド的なエミッション特性を得ること
ができる。このsp3構造のカーボン3の曲率は略10
0nm以下、望ましくは略10nm程度である。これは
針状のエミッタのエミッション特性は先端曲率半径に大
きく依存するためである。さらにカーボン膜2をsp2
構造とすると低抵抗のグラファイト的な特性が得られ、
sp3構造のダイヤモンドでカーボン膜全体を形成する
よりもエミッションポイントとなる針状構造先端への電
流供給に有利となる。
【0030】次に第2の実施の形態の製造工程を説明す
る。図2(a)は例えばシリコン基板よりなる基板電極
1上にカーボン膜2を略5μm厚に例えば熱フィラメン
トCVD法により形成する。次に図2(b)に示すよう
に粒状のsp3構造のカーボン3をカーボン膜2表面に
例えばダイヤモンドのスクラッチにより形成する。その
後、図2(c)に示すように、水素ガスを用いたECR
プラズマ処理によりsp3構造のカーボン3をマスクと
してカーボン膜2をエッチングする。この工程において
カーボン膜2をsp2構造を有するグラファイト膜とす
ることにより、表面のsp3構造のカーボン膜との選択
比が適度に得られカーボン膜2が深さ方向にエッチング
されると同時にマスクのsp3構造のカーボン膜3もエ
ッチングされ小さくなっていくことにより針状の形状で
かつ先端にsp3構造のカーボン3が残る形状が得られ
る。
【0031】なお、この方法においてさらにECRプラ
ズマ処理を長くすることにより先端のsp3構造のカー
ボン3が除去することもできる。これにより第1の実施
の形態の電界放出型冷陰極も形成することができる。以
上述べたように、本実施例では容易に高さが揃った針状
のエミッタの先端をエミッション特性の高いsp3構造
のダイヤモンドを選択的に形成することが可能となる。
なお、本実施例ではスクラッチ処理によりsp3構造の
カーボン膜3を形成した例を示したが、これに限るもの
ではなく、それに代わり、例えば熱フィラメントCVD
法で基板温度を略600℃としてカーボン膜2表面にカ
ーボン膜を形成するとsp2とsp3構造の混在したカ
ーボン膜が形成される。この膜中のsp3構造のカーボ
ンをマスクとして用いることもできる。この方法では、
成膜条件によりsp3構造のカーボンの粒径を制御する
ことが可能であり、スクラッチで行うよりも微小な径の
制御が可能である。また、カーボン膜2と連続して形成
することもできるため、工程を簡略化することが可能と
なる利点もある。
【0032】次に、この発明の第3の実施の形態につい
て説明する。図3はこの発明の第3の実施の形態の電界
放出型冷陰極及びその製造工程を示す模式的断面図であ
る。この発明の第3の形態は図3(c)に示すように、
導電性のカソード電極となる基板電極1上に上面が突起
構造で覆われ膜中にsp3構造のカーボン3を含有する
カーボン膜2が形成されている構成となっている。さら
には図のようにエミッタとなる針状の突起の先端をsp
3構造のカーボン3を配置しても良い。突起構造は数n
mから200nmの底面の幅を有する円錐状或いは角錐
状の形状であり高さは略10nmから1μmである、底
面の幅と同等のピッチで配置されている。このカーボン
膜2は電子を放出するカソード材料であり、このカーボ
ン膜2はsp2構造のカーボン2aとsp3構造のカー
ボン3とから構成されている。カーボン膜2はsp2構
造2aを主にした構造とした方がよい。このように、s
p2構造を主構造としたカーボン膜2が形成されること
により低抵抗のエミッション電流供給に有利な針状構造
の突起を形成することができる。さらには針状構造の先
端をsp3構造のカーボン膜とすることによりダイヤモ
ンド的なエミッション特性を得ることができる。
【0033】次に第3の実施の形態の製造工程を説明す
る。図3(a)は例えばシリコン基板よりなる基板電極
1上にsp3構造のカーボン3を含有し、sp3構造の
カーボンよりも水素プラズマ処理工程でのエッチング速
度の速い例えばsp2構造が主成分のカーボン膜2を略
5μm厚に例えば熱フィラメントCVD法により形成す
る。次に図3(b)〜(c)に示すように、水素ガスを
用いたECRプラズマ処理によりカーボン膜2をエッチ
ングする。ECRプラズマ処理を行う途中形状は図3
(b)に示すように、カーボン膜2がエッチングされて
行くが、膜中のsp3構造のカーボン3が露出するとエ
ッチング速度が遅いためマスクとなりそこから針状の突
起構造が形成される。選択比が適度に得られるようにE
CRプラズマ条件或いは膜特性を設定するとカーボン膜
2が深さ方向にエッチングされると同時にマスクのsp
3構造のカーボン3もエッチングされ小さくなっていく
ことにより針状の形状でかつ先端にsp3構造のカーボ
ン膜3が残る形状が得られる。さらにECRプラズマ処
理を行うと図3(c)に示すように、カーボン膜2の膜
深くに形成されたsp3構造のカーボン3が露出し、こ
れが新たなマスクとなり針状の突起が形成される。これ
により高さは異なるが針状突起は面内にくまなく形成さ
れるようになる。
【0034】なお、この方法においてさらにECRプラ
ズマ処理を長くすることにより先端のsp3構造のカー
ボン膜3を除去することもできる。また、酸素プラズマ
処理を追加することにより、針状の突起構造の高さを調
整することができる。なお、カーボン膜中のsp3構造
のカーボン3の粒径は、エミッタ先端の径を決めるため
に最終的に略10nm以下となるようにするのが望まし
い。アスペクト比が略10以上の針状の突起構造を形成
しようとすると選択比が略10程度必要となる。この場
合等方的にECRプラズマ処理でsp3構造のカーボン
3がエッチングされるとすると粒径はエミッタ先端径の
選択比倍必要となる。従って、略100nm程度である
ことが望ましい。
【0035】この方法では、カーボン膜2を成膜する際
に膜中に針状の突起を形成するマスクとなるsp3構造
のカーボン3を同時に形成でき工程が簡略化できる利点
がある。さらには、膜中のsp3構造のカーボン3をマ
スクとして使用するために自己整合的に針状の突起つま
りエミッタの先端にエミッション特性の高いsp3構造
のカーボン膜3を配置することが可能である。さらには
カーボン膜2の深さ方向にに針状の突起を形成するマス
クとなるsp3構造のカーボン3が配置された構造とな
っているために、針状突起の間にも針状突起が形成され
る構造となり針状の突起の面内密度を大きく向上させる
ことが可能となる。
【0036】次に、この発明の第4の実施の形態につい
て説明する。図4はこの発明の第4の実施の形態の断面
図である。図4に示すように、導電性のカソード電極と
なる基板電極1上に上面が例えば高さが略1μm程度の
突起構造で覆われたカーボン膜2が形成され、例えば略
800nm厚の酸化膜より成る絶縁膜4を介して、略2
00nm厚の金属膜より成るゲート電極5が形成された
構成となっている。なお、この例ではエミッタとなる針
状の突起を有するカーボン膜3の構成はこの発明の第1
の実施の形態で示してあるが、これに限ったものではな
くこの発明の第2あるいは第3の実施の形態のエミッタ
を使用してもかまわない。この発明の第4の実施の形態
のエミッタ近傍にゲート電極5を配置した構成となって
おり、低電圧でエミッタ先端に所望の電界をかけること
が可能であり、容易に高エミッション特性を得ることが
可能となる。
【0037】次に、この発明の第5の実施の形態につい
て説明する。図5(d)はこの発明の第5の実施の形態
を示す電界放出型冷陰極素子の断面図である。基板電極
1は冷陰極材料堆積時に基体となる物質であり、下部電
極を兼ねている。この基板電極1は半導体物質、あるい
は導体であれば何でもよく、例としてSi、Mo、F
e、Ni、Pt等があげられる。またガラスのような絶
縁基板上に金属膜を貼り付けたり、蒸着、堆積させたも
のを基板電極として用いてもよい。冷陰極材料となるカ
ーボン膜2は電子放出を起こす材料である。またこのカ
ーボン膜2の表面は針状の突起構造をしている。表面電
導膜9はsp2を含むカーボン膜であり、カーボン膜2
と比較して電導性が高くその厚みは略10nm以下、表
面の抵抗率は略10Ωcm以下である。表面電導膜9
は電子供給の経路の一部であるためその抵抗が低い方が
好ましく、略10Ωcm以下であることが好ましい。
絶縁膜4はカーボン膜2とゲート電極5を電気的に分離
する絶縁材料であり主に酸化膜等で形成される。ゲート
電極5はカーボン膜2により電子を引き出すための電極
であり、金属薄膜で構成される。
【0038】図5はこの発明の第5の実施の形態の製造
工程を示す断面図である。図5(a)に示すように、基
板電極1にはn型シリコン基板電極を用いた。次に図5
(b)に示すように、この基板電極1上にCVD法にて
カーボン膜2として多結晶ダイヤモンドを基板電極1上
に成膜し、このときの膜厚を略5μmとした。その後、
図5(c)に示すように、カーボン膜2の表面を水素プ
ラズマにさらした。この水素プラズマ処理はECRによ
り発生させた。この際CVD多結晶ダイヤモンド膜内に
存在する不純物や微小欠陥部分が選択的にエッチングさ
れ針状の突起構造となる。この方法では冷陰極材料自体
を加工するのにリソグラフィ工程は必要としない。また
エッチング過程において水素プラズマ処理がカーボン膜
2にダメージを与えるため、カーボン膜2の表面、及び
針状の突起構造の表面にはアモルファスカーボン膜、あ
るいは好ましくはsp2構造を含む炭素膜からなる表面
電導膜9が形成される。次に、図5(d)に示すよう
に、絶縁膜4とゲート電極5となる金属膜を堆積させた
後、リソグラフィ工程によって、絶縁膜4とゲート電極
5を任意の形状に加工する。本実施例では水素プラズマ
処理のみにより針状の突起構造を形成したが、予め酸素
プラズマ処理を行った後に水素プラズマ処理を行っても
構わない。酸素プラズマ処理を行うことにより、カーボ
ン膜2の膜厚を薄くし針状の突起構造を水素プラズマ処
理により形成できるために、容易に基板電極2から針状
の突起構造を形成することができる利点がある。カーボ
ン膜2を水素プラズマ処理によって針状の突起構造とし
た後、絶縁膜4とゲート電極5を形成したが、先に絶縁
膜4とゲート電極5を形成した後、水素プラズマ処理に
よってカーボン膜9を針状の突起構造に加工しても問題
はない。また、本実施例では絶縁膜4下のカーボン膜2
を針状の形状のまま形成した例を示したが、図4に示す
ように絶縁膜4下のカーボン膜2の針状形状を予め酸素
プラズマエッチング等の方法で除去し平坦化してから絶
縁膜4を形成しても構わない。
【0039】次に、この発明の第5の実施の形態の電界
放出型冷陰極素子の動作について、図5(d)を用いて
詳細に説明する。本実施例の電界放出型冷陰極素子を動
作させるためには基板電極1に負バイアスあるいはゲー
ト電極5に正バイアスを印加する。すると表面が針状の
突起構造となったカーボン膜2の先端部には電界集中が
発生するため、基板電極1あるいはゲート電極5に印加
する電圧を低くすることが可能となる。以下の表1に、
水素プラズマ処理前のas−grown状態のダイヤモ
ンド膜(サンプル1)、水素プラズマ処理によって表面
が針状の突起構造を持ちその表面がsp2構造を含むダ
イヤモンド膜で覆われたダイヤモンド膜(サンプル
2)、このsp2構造を含むカーボン膜を酸化剤、ある
いは酸素プラズマ処理で取り去ったダイヤモンド膜(サ
ンプル3)の各閾値電界強度を示す。このときの判定電
流密度は10μA/cmである。表1の結果から、サ
ンプル2の閾値電界強度が最も高く、電界電子放出特性
が改善されていることが判明した。
【0040】
【表1】
【0041】次に、この発明の第6の実施の形態につい
て説明する。図6(d)はこの発明の第6の実施の形態
を示す電界放出型冷陰極素子の断面図である。基板電極
1は下部電極である。この基板電極1は半導体物質、あ
るいは導体であれば何でもよく、例としてSi、Mo、
Fe、Ni、Pt等があげられる。カーボン膜2は電子
を放出するカソード材料であり、好ましくはsp3構造
をしたカーボンを含有している。またこのカーボン膜2
の表面は針状の突起構造をしている。表面電導膜9はア
モルファスカーボン膜、あるいは好ましくはsp2構造
を含むカーボン膜であり、カーボン膜2と比較して電導
性が高くその厚みは略10nm以下、表面の抵抗率は略
10Ωcm以下である。表面電導膜9は電子供給の経
路の一部であるためその抵抗が低い方が好ましく、略1
Ωcm以下であることが好ましい。絶縁膜4はカー
ボン膜2とゲート電極5を電気的に分離する絶縁材料で
あり主に酸化膜等で形成される。ゲート電極5はカーボ
ン膜2により電子を引き出すための電極であり、金属薄
膜で構成される。支持基板10は電界放出型冷陰極素子
の基体となる部分で、ガラス、プラスチック、セラミッ
ク材料等の絶縁材料で形成される。
【0042】図6はこの発明の第6の実施の形態の製造
工程を示す断面図である。図6(a)は基板電極1にM
oを使用し、この基板電極1上にCVD法により冷陰極
材料として例えば多結晶ダイヤモンドを含むカーボン膜
2を成膜する。このときカーボン膜2の膜厚を略5μm
とした。次に、絶縁膜4となる酸化膜とゲート電極5と
なる金属膜を堆積させる。次に図6(b)に示すよう
に、リソグラフィ工程によって、絶縁膜4とゲート電極
5を任意の形状に加工する。その後、図6(c)に示す
ように、カーボン膜2の表面を水素プラズマにさらし
た。この際CVD多結晶ダイヤモンド膜内に存在する不
純物や微小欠陥部分が選択的にエッチングされ針状の突
起構造となる。このとき針状の突起構造がカーボン膜2
の表面から基板電極1の表面に達するような構造とす
る。オーバーエッチングにより基板電極1の表面の一部
をエッチングされたような構造としても差し支えない。
またエッチング過程において水素プラズマ処理条件をカ
ーボン膜2にダメージを与える条件とすることにより、
カーボン膜2の表面、及び針状の突起構造の表面にはア
モルファスカーボン膜、あるいは好ましくはsp2構造
を含む炭素膜からなる表面電導膜9が形成される。本実
施例ではカーボン膜2上に絶縁膜4とゲート電極5とを
形成した後、カーボン膜2を水素プラズマ処理によって
針状の突起構造を形成したが、予めカーボン膜2を水素
プラズマ処理によって針状の突起構造とした後に、絶縁
膜4とゲート電極5とを形成しても問題はない。最後
に、図6(d)に示すように、支持基体となる支持基板
10を、基板電極1の裏面に張り合わせて形成する。
【0043】次に、この発明の第6の実施の形態の電界
放出型冷陰極素子の動作について、図6(d)を用いて
詳細に説明する。本実施例の電界放出型冷陰極素子を動
作させるためには基板電極1に負バイアスあるいはゲー
ト電極5に正バイアスを印加する。すると表面が針状の
突起構造となったカーボン膜2の先端部には電界集中が
発生し、かつ針状突起部分が基板電極1に到達している
ため、基板からの電子の供給が容易となり、基板電極1
あるいはゲート電極5に印加する電圧を低くすることが
可能となる。
【0044】次に、この発明の第7の実施の形態につい
て説明する。図7(d)はこの発明の第7の実施の形態
を示す電界放出型冷陰極素子の断面図である。基板電極
1は冷陰極材料堆積時に基体となる物質であり、下部電
極を兼ねている。この基板電極1は半導体物質、あるい
は導体であれば何でもよく、例としてSi、Mo、F
e、Ni、Pt等があげられる。またガラスのような絶
縁基板上に金属膜を貼り付けたり、蒸着、堆積させたも
のを基板電極として用いてもよい。冷陰極材料となるカ
ーボン膜2は電子放出を起こす材料である。このカーボ
ン膜2は電子を放出するカソード材料であり、このカー
ボン膜2はsp2構造のカーボン2aとsp3構造のカ
ーボンとから構成されている。またこのカーボン膜2の
表面は針状の突起構造をしている。表面電導膜9はアモ
ルファスカーボン膜、あるいは好ましくはsp2構造を
含むカーボン膜であり、カーボン膜2と比較して電導性
が高くその厚みは略10nm以下、表面の抵抗率は略1
Ωcm以下である。表面電導膜9は電子供給の経路
の一部であるためその抵抗が低い方が好ましく、略10
Ωcm以下であることが好ましい。絶縁膜4はカーボ
ン膜2とゲート電極5を電気的に分離する絶縁材料であ
り主に酸化膜等で形成される。ゲート電極5はカーボン
膜2により電子を引き出すための電極であり、金属薄膜
で構成される。
【0045】図7はこの発明の第7の実施の形態の製造
工程を示す断面図である。図7(a)に示すように、基
板電極1にはn型シリコン基板を用いた。次に、図7
(b)に示すように、この基板電極1上にCVD法、又
はスパッタ法によりカーボン膜2を成膜する。本実施例
ではダイヤモンドライクカーボン膜を基板電極1上に冷
陰極材料のカーボン膜2として成膜し、このときの膜厚
を略3μmとした。このカーボン膜2はsp2構造のカ
ーボン2a中にsp3構造のカーボン3が点在する膜を
している。その後、図7(c)に示すように、カーボン
膜2の表面を水素プラズマ処理にさらした。この際sp
3構造のカーボン3がマスクとなり、sp2構造のカー
ボン2aが選択的にエッチングされ針状の突起構造とな
る。これはsp3構造がsp2構造と比較して、結合力
が強いために選択エッチングが発生するからである。エ
ッチング過程において水素プラズマがカーボン膜2にダ
メージを与える条件となるように設定することにより、
カーボン膜2の表面、及び針状の突起構造の表面にはア
モルファスカーボン膜、あるいはsp2構造を含むカー
ボン膜からなる表面電導膜9が形成される。次に、図7
(d)に示すように、絶縁膜4とゲート電極5とを選択
的に形成する。絶縁膜4はカーボン膜2とゲート電極5
とを電気的に分離する絶縁材料であり主に酸化膜等で形
成される。ゲート電極5はカーボン膜2より電子を引き
出すための電極であり、金属薄膜で構成される。この実
施例ではカーボン膜2の針状の突起構造はカーボン膜2
を土台に残した形状を示しているが、図6(d)に示す
ように基板電極1から直接に針状の突起構造を形成して
も構わない。
【0046】次に、この発明の第7の実施の形態の電界
放出型冷陰極素子の動作について、図7(d)を用いて
詳細に説明する。本実施例の電界放出型冷陰極素子を動
作させるためには基板電極1に負バイアスあるいはゲー
ト電極5に正バイアスを印加する。すると表面が針状の
突起構造となったカーボン膜2の先端部には電界集中が
発生し、かつ針状突起部分表面が上面電導膜9で覆われ
ているため、基板からの電子の供給が容易となり、基板
電極1あるいはゲート電極5に印加する電圧を低くする
ことが可能となる。
【0047】次に、この発明の第8の実施の形態につい
て説明する。図8(d)はこの発明の第8の実施の形態
を示す電界放出型冷陰極素子の断面図である。基板電極
1は下部電極で半導体物質、あるいは導体であれば何で
もよく、例としてSi、Mo、Fe、Ni、Pt等があ
げられる。このカーボン膜2は電子を放出するカソード
材料であり、このカーボン膜2はsp2構造のカーボン
2aとsp3構造のカーボンとから構成されている。ま
たこのカーボン膜2の表面は針状の突起構造をしてい
る。表面電導膜9はsp2構造を含むカーボン膜であ
り、カーボン膜2と比較して電導性が高くその厚みは略
10nm以下、表面の抵抗率は略10Ωcm以下であ
る。表面電導膜9は電子供給の経路の一部であるためそ
の抵抗が低い方が好ましく、略10Ωcm以下である
ことが好ましい。したがって、sp3構造のカーボン膜
よりもアモルファスカーボン膜の方が望ましく、さらに
は低抵抗のsp2構造のカーボン膜の方が望ましい。絶
縁膜4はカーボン膜2とゲート電極5を電気的に分離す
る絶縁材料であり主に酸化膜等で形成される。ゲート電
極5はカーボン膜2により電子を引き出すための電極で
あり、金属薄膜で構成される。支持基板10は電界放出
型冷陰極素子の基体となる部分で、ガラス、プラスチッ
ク、セラミック材料等の絶縁材料で形成される。
【0048】図8はこの発明の第8の実施の形態の製造
工程を示す断面図である。図8(a)に示すように、支
持基板10にはガラスを用いてこの上に、スパッタ法に
より基板電極1となるMoを堆積させた。次に図8
(b)に示すように、この基板電極1上にCVD法、又
はスパッタ法によりカーボン膜2を成膜する。本実施例
ではダイヤモンドライクカーボン膜を基板電極1上に冷
陰極材料として成膜し、このときの膜厚を略3μmとし
た。このカーボン膜2はsp2構造のカーボン2a中に
sp3構造のカーボン3が点在する膜をしている。その
後、図8(c)に示すように、絶縁膜4となる酸化膜と
ゲート電極5となる金属膜を堆積させた後、リソグラフ
ィ工程によって、絶縁膜4とゲート電極5を任意の形状
に加工する。その後、図8(d)に示すように、冷陰極
材料2の表面を水素プラズマにさらした。この際sp3
構造のカーボン3がマスクとなり、sp2構造のカーボ
ン2aが選択的にエッチングされ針状の突起構造とな
る。またエッチング過程において水素プラズマがカーボ
ン膜2にダメージを与える条件となるように設定するこ
とにより、カーボン膜2の表面、及び針状の突起構造の
表面にはsp2構造を含むカーボン膜からなる表面電導
膜9が形成される。
【0049】次に、この発明の第8の実施の形態の電界
放出型冷陰極素子の動作について、図8(d)を用いて
詳細に説明する。本実施例の電界放出型冷陰極素子を動
作させるためには基板電極1に負バイアスあるいはゲー
ト電極5に正バイアスを印加する。すると表面が針状の
突起構造となったカーボン膜2の先端部には電界集中が
発生し、かつ針状突起部分が基板電極1に到達している
ため、基板からの電子の供給が容易となり、基板電極1
あるいはゲート電極4に印加する電圧を低くすることが
可能となる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の電界放出
型冷陰極は、低電圧で高エミッション電流特性を容易に
実現できる効果がある。
【0051】これは、カーボン膜よりなるエミッタを複
数の先端が先鋭な針状形状とすることにより、エミッタ
先端への電界強度が高くなり、かつ、エミッションポイ
ントが多く形成することができるからである。
【0052】さらには、エミッション性の高いダイヤモ
ンド膜つまりsp3構造のカーボンと導電性の高いグラ
ファイト膜つまりsp2構造のカーボン膜が複合化され
たカーボン膜をエミッタ材料として用いることにより、
導電性が高くかつエミッション特性も高くなる。
【0053】さらに、エミッタ先端をsp3構造のカー
ボン膜を配置することにより、エミッション特性はさら
に高くすることができる効果がある。
【0054】また、この発明によれば、高エミッション
電流特性を容易に実現できる電界放出型冷陰極の製造方
法を提供できる。これはカーボン膜を水素中でプラズマ
処理を行うことにより、容易に先鋭な針状のエミッタを
同時に複数個形成することが可能となるからである。
【0055】特に、カーボン膜中あるいは表面に水素プ
ラズマの際にエッチング速度の異なる材料を混在させる
ことにより、カーボン膜がエッチングされる際に、エッ
チング速度の遅い材料がマスクとなり自己整合的に針状
のエミッタを形成することが可能となる効果がある。
【0056】また、カーボン膜成膜時に水素プラズマ処
理でエッチングされる速度の速いsp2構造のカーボン
とエッチング速度の遅いカーボン膜を同時に形成するこ
とにより同じ成膜装置でカーボン膜の形成とエミッタ形
成のマスク材を形成することも可能となる。
【0057】特に、sp3構造、あるいはsp3を含む
カーボン膜を、水素プラズマによって処理を行うことに
より、冷陰極材料の表面をリソグラフィ技術を用いるこ
となる微細加工できる効果がある。その理由は、微小欠
陥や不純物あるいはsp2構造部分が選択的にエッチン
グされ、sp3構造の部分がマスクとなり針状の突起構
造を形成するからである。
【0058】さらには、エミッション特性の高いsp3
構造のカーボンがエミッタ先端に自己整合的に形成でき
るために、エミッション特性の向上も同時に実現できる
効果もある。
【0059】特に、sp3あるいはsp3構造を含むカ
ーボン膜の表面形状を針状の突起構造とすることによ
り、低電界で高電流特性を実現できる効果がある。その
理由は、冷陰極材料表面と針状の突起構造とすることに
より、電界集中の効果が高まるためである。
【0060】また、水素プラズマ処理をECRプラズマ
で行うことにより高いプラズマ性を得ることが可能とな
り、容易に先鋭な針状のエミッタを形成することが可能
となる。
【0061】さらには、針状の突起構造の形成時、水素
プラズマによるダメージによって針状構造表面がアモル
ファスカーボン膜、あるいはsp2構造の膜で覆うこと
により、高電流の電子放出を実現できる効果がある。そ
の理由は、sp2構造の膜の針状構造先端への電子供給
が容易になるためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態の電界放出型冷陰
極及びその製造工程の実施例を示す模式的断面図であ
る。
【図2】この発明の第2の実施の形態の電界放出型冷陰
極及びその製造工程の実施例を示す模式的断面図であ
る。
【図3】この発明の第3の実施の形態の電界放出型冷陰
極及びその製造工程の実施例を示す模式的断面図であ
る。
【図4】この発明の第4の実施の形態の電界放出型冷陰
極の模式的断面図である。
【図5】この発明の第5の実施の形態の電界放出型冷陰
極及びその製造工程の実施例を示す模式的断面図であ
る。
【図6】この発明の第6の実施の形態の電界放出型冷陰
極及びその製造工程の実施例を示す模式的断面図であ
る。
【図7】この発明の第7の実施の形態の電界放出型冷陰
極及びその製造工程の実施例を示す模式的断面図であ
る。
【図8】この発明の第8の実施の形態の電界放出型冷陰
極の模式的断面図である。
【図9】従来の電界放出型冷陰極及びその製造工程を示
す模式的断面図である。
【図10】この発明の第1の実施の形態により得られた
ECRプラズマ処理によって針状の突起構造が形成され
たカーボン膜の写真である。
【符号の説明】
1 基板電極 2 カーボン膜 2a sp2構造のカーボン 3 sp3構造のカーボン 4 絶縁膜 5 ゲート電極 6 ダイヤモンド 7 アルミニウム層 8 導電性材料 9 表面電導膜 10 支持基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉木 政行 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−45215(JP,A) 特開 平2−239192(JP,A) 特開 平8−236010(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 1/304 C01B 31/00 - 31/36 C23C 16/00 - 16/56 C30B 1/00 - 35/00 H01J 9/02

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボン膜の表面が炭素よりなる針状の
    突起構造で覆われ、かつその針状の突起構造表面がsp
    2構造を含む導電性膜で覆われていることを特徴とする
    カーボン材料。
  2. 【請求項2】 前記カーボン膜がダイヤモンドであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のカーボン材料。
  3. 【請求項3】 前記カーボン膜がダイヤモンドライクカ
    ーボンであることを特徴とする請求項1記載のカーボン
    材料。
  4. 【請求項4】 前記カーボン膜がsp2構造とsp3構
    造とが複合された構造であることを特徴とする請求項1
    記載のカーボン材料。
  5. 【請求項5】 前記針状の突起構造表面を覆う導電性膜
    がアモルファスカーボンであることを特徴とする請求項
    1記載のカーボン材料。
  6. 【請求項6】 前記針状の突起構造表面を覆う導電性膜
    の厚さが略10nm以下であることを特徴とする請求項
    1記載のカーボン材料。
  7. 【請求項7】 前記針状の突起構造表面を覆う導電性膜
    の抵抗率が略105Ωcm以下であることを特徴とする請
    求項1記載のカーボン材料。
  8. 【請求項8】 前記針状の突起構造の少なくとも先端部
    がsp3構造であることを特徴とする請求項1記載のカ
    ーボン材料。
  9. 【請求項9】 前記針状の突起構造の先端部の曲率が1
    〜100nmであることを特徴とする請求項1記載のカ
    ーボン材料。
  10. 【請求項10】 前記針状の突起構造が円錐状あるいは
    角錐状の形状で、高さが10nm〜1μmであることを
    特徴とする請求項1記載のカーボン材料。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれか1に記載
    のカーボン材料をエミッタとして有することを特徴とす
    る電界放出型冷陰極。
  12. 【請求項12】 前記カーボン材料の少なくとも下層に
    sp3構造を有することを特徴とする請求項11記載の
    電界放出型冷陰極。
  13. 【請求項13】 前記カーボン材料の前記針状の突起構
    造が、下部基板電極まで到達していることを特徴とする
    請求項12記載の電界放出型冷陰極。
  14. 【請求項14】 カーボン膜を水素ガス中でプラズマ処
    理することによりカーボン膜表面に針状のカーボン膜を
    形成する工程を有することを特徴とするカーボン材料の
    製造方法。
  15. 【請求項15】 前記水素ガス中でプラズマ処理する工
    程の前あるいは後に酸素ガス中でプラズマ処理を行う工
    程を有することを特徴とするカーボン材料の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記プラズマ処理で前記カーボン膜を
    エッチングすることにより針状のカーボン膜を形成する
    工程を有することを特徴とする請求項14又は15記載
    のカーボン材料の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記カーボン膜中あるいは表面にエッ
    チング速度の異なる材料を形成する工程を有することを
    特徴とする請求項16記載のカーボン材料の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記カーボン膜をsp2構造とsp3
    構造とが混在するように形成する工程を有することを特
    徴とする請求項17記載のカーボン材料の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記プラズマ処理をECRプラズマで
    行うことを特徴とする請求項14〜18のいずれか1に
    記載のカーボン材料の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記ECRプラズマ処理をECR装置
    基板にバイアスを印加して行うことを特徴とする請求項
    19記載のカーボン材料の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項14〜18のいずれか1に記載
    のカーボン材料の製造方法によってエミッタとなる針状
    の突起構造を形成する工程を有することを特徴とする電
    界放出型冷陰極の製造方法。
  22. 【請求項22】 基板電極上にカーボン膜を設け、前記
    カーボン膜を水素ガス中でプラズマ処理することにより
    基板電極表面に針状のカーボン膜を形成する工程を有す
    ることを特徴とする電界放出型冷陰極の製造方法。
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