JP3427910B2 - 紙製組立容器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は例えば鉛筆入れに用いら
れる紙製組立容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来文房具の鉛筆入れ等は金属製、合成
樹脂製で作製され、本体に対して蓋体はマグネットや凹
凸釦等で閉止している。又、紙製箱は折曲自在な蓋体を
折込んで本体内に差し込んでいる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】以上のような金属製、
合成樹脂製のものは形が固定していて折畳みができず、
したがって嵩ばるのみならず、使用に際して蓋が開き易
くて、内容物が散乱し易い。そこで蓋が容易に開かない
ように輪ゴムで蓋を固定している。又、紙製箱は単に折
曲自在な蓋板を折込んで本体内に差し込む構造のもので
あるので使用時容易に開蓋して内容物が散乱し易い。し
かして前記何れのものも折畳み自在でないので嵩ばり、
児童雑誌の付録として雑誌に折込むことができない。し
たがって本発明は展開状態から組立形成でき、しかも組
立形成時、内容物が散乱しない実用性に富んだ簡易組立
式の紙製組立容器をうることを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は以上の目的を達
成するために、次のような紙製組立容器を提供するもの
である。すなわち、横側板を介して起立自在な天板を設
けた背面板に縦側板を介して開閉自在な蓋板を連設する
と共に、天板の上下に重ね合されて三重構造を形成する
上重ね上面板と、これから折込自在な連結板とを外縦側
板を介して背面板に連設し、かつ連結板には外縦側板に
重ね合されて二重構造を形成する内縦側板を連設してな
る紙製組立容器であり、かかる紙製組立容器において、
縦側板が折曲線によって湾曲形成されるように構成し、
又蓋板の係合片が上重ね上面板の切込みに対して蓋板の
折曲方向と逆方向に外方から内方に向かって差し込みが
できるように構成し、更に上重ね上面板の切込みに対応
する天板と連結板に透孔を設けて蓋板の係合片を切込み
に差し込める如く構成したものである。

【０００５】

【作用】背面板から天板を起立させ、次いで背面板に外
縦側板を介して、連設された上重ね上面板を天板上に折
り重ね、更に天板の下方に上重ね上面板に連設された連
結板と内縦側板を折込んで、天板の下方に連結板を、外
縦側板の内側に内縦側板をそれぞれ重ね合せて天板が三
重構造の、又側板が二重構造の箱体を形成し、背面板に
縦側板を介して連設された蓋板の係合片を上重ね上面板
の切込みに差し込んで閉蓋するものである。

【０００６】

【実施例】以下図面に示す実施例について説明する。
（１）は背面板であって、これに横側板（３）（３）を
介して天板（２）が起立自在となっている。そして天板
（２）の一方は背面板（１）に連設された横側板（３）
の貼着片（４）が貼着されるが、他方は直接横側板
（３）に連設されている。図示の天板（２）は内容物取
出口（２ｃ）を形成するために縦長部（２ａ）と両袖の
張出部（２ｂ）とでコ字形をなしている。背面板（１）
の一方に蓋板（５）が縦側板（１３）を介して折曲自在
に連設され、他方に外縦側板（７）が折曲自在に連設さ
れていて図示の縦側板（１３）、外縦側板（７）には何
れも折曲線（６）を設けて湾曲形成されるようになって
いる。これに対応して横側板（３）（３）の両側は円弧
状に形成されている。

【０００７】外縦側板（７）には上重ね上面板（８）と
連結板（９）とが折込自在に連設され、連結板（９）に
は更に折曲線（６）で湾曲形成される内縦側板（１１）
が連設されている。連結板（９）の両側は天板（２）の
両袖に設けた張出部（２ｂ）の巾分切欠き（１２）して
ある。そして上重ね上面板（８）には蓋板（５）の切込
み（１０）によって形成される係合片（１４）が差し込
める切込み（１５）があり、この切込み（１５）は２つ
の舌片（１５ａ）（１５ａ）が形成されるように、中央
に切込み（１５ｂ）がある。又、切込み（１５）に対応
して連結板（９）と天板（２）とに透孔（１６）（１
７）が形成されている。

【０００８】本発明の紙製組立容器は以上の如く構成さ
れているので、先ず背面板（１）から予め一方の横側板
（３）がその貼着片（４）で貼着された図２の折畳み状
態の天板（２）を起立させ、次いで上重ね上面板（８）
を天板（２）上に重ねる。上重ね上面板（８）と天板
（２）の縦長部（２ａ）とは同巾同長に形成されている
ので上重ね上面板（８）は天板（１２）の縦長部（２
ａ）をカバーする。次いで天板（２）の下方に内縦側板
（１１）と共に連結板（９）を折込む。その際、切欠き
（１２）と天板（２）の張出部（２ｂ）とは同巾である
ので容易に差し込むことができる。この差し込みによっ
て、連結板（９）の巾が天板（２）の張出部（２ｂ）と
同巾であるので天板の下方に連結板（９）を重ね合わせ
ることができ、上重ね上面板（８）と共に三重構造の天
板がえられる。又、外縦側板（７）の内側に内縦側板
（１１）を重ね合わせて二重の壁板が形成される。そし
て外縦側板（７）と内縦側板（１１）は共に折曲線
（６）によって湾曲形状を形成するので内縦側板（１
１）はその弾力によって外縦側板に圧接し、圧接状態が
崩れることがない。

【０００９】このようにして形成された箱体は天板が三
重構造で縦側板が二重構造であるので、頑丈な箱体が形
成されて崩れることがなく、更に箱体には背面板（１）
に縦側板（１３）を介して蓋板（５）が連設されている
ので上重ね上面板（８）の上から蓋板（５）をかぶせ、
その係合片（１４）を上重ね上面板（８）の切込み（１
５）に蓋板（５）の折曲方向と逆方向に外方から内方に
向って差し込んで閉止するものである。その際、連結板
（９）と天板（２）において切込み（１５）に対応した
位置において透孔（１６）（１７）が形成されているの
で係合片（１４）の差し込みに支障はない。又、天板
（２）の張出部（２ｂ）は上重ね上面板（８）と共に蓋
板（５）の受け面を構成する。しかして係合片（１４）
は縦側板（１３）の折曲線（６）による弾力により蓋板
（５）の開き方向に牽引されてその根元が切込み（１
５）にめり込んで容易に開蓋されない。したがって閉蓋
中は内容物が散乱しない。又、切込み（１５）には中央
の切込み（１５ｂ）によって２つの舌片（１５ａ）（１
５ａ）を形成しているので係合片（１４）の差し込みが
容易であり、係合片（１４）の引出し方向では係合片
（１４）を押えることとなって係合片（１４）の取出し
が容易に行なわれない。更に係合片（１４）は蓋板
（５）の切込み（１０）によって形成されるものである
が、切込み（１０）の根元は破断防止のため逆アール型
（１０ａ）に形成されていて、これより蓋板（５）の摘
み（５ａ）端縁に向かって折曲線（１８）が形成されて
いるので、蓋板（５）を開くに当たって折曲線（１８）
から蓋板（５）の摘み（５ａ）を係合片（１４）の係合
方向に折曲げ、その摘み（５ａ）を摘まんで縦側板（１
３）の折曲線（６）による弾力に抗して係合片（１４）
を切込み（１５）から引き上げることにより開蓋時容易
に開蓋しないものでありながら容易に開蓋される。

【００１０】以上の実施例において縦側板（７）（１
１）（１３）に折曲線（６）を形成して湾曲が形成され
るものについて説明したが平板でもよいもので、この場
合は背面板に圧接する舌片を内縦側板に設けて二重壁が
崩れないようにするとよい。縦側板に折曲線を設けると
側板が湾曲形状を呈するので横側板両側の円弧形状と相
俊って外観が体裁のよいものがえられる。ここで折曲線
の本数は限定されないが、本数によって横側板の形状を
円弧状以外の形状に変化させることが可能である。又、
天板（２）は内容物取出口（２ｃ）を形成するためにコ
字形に形成したが必ずしもコ字形に形成する必要はな
い。更に天板（２）を背面板（１）と別体なもので構成
することにより、突出した天板のない箱体部分を無駄の
ない状態で一枚の紙材から打抜き形成できる。又、以上
の説明に用いた各部の名称は説明の便宜上背面板を基準
として説明したものでこれ以外の名称を用いても差し支
えない。何れにしても本発明の精神の範囲内において、
任意に設計変更しうるものである。

【００１１】本発明は以上の如く横側板を介して起立自
在な天板を設けて背面板に縦側板を介して開閉自在な蓋
板を連設すると共に、天板の上下に重ね合されて三重構
造を形成する上重ね上面板と、これから折込自在な連結
板とを外縦側板を介して背面板に連設し、かつ連結板に
は外縦側板に重ね合されて二重構造を形成する内縦側板
を連設してなる紙製組立容器を特徴とするもので、１つ
のブランク板から頑丈な箱体の母体を形成できる。

【００１２】本発明の好ましい実施態様として背面板上
に側板によって起立せしめられるコ字形天板を起立自在
に形成し、背面板の一方に折曲線で湾曲形成される縦側
板を介して蓋板を他方に折曲線で湾曲形成される外縦側
板をそれぞれ連設し、かつこの外縦側板に上重ね上面
板、連結板を順に連設して、連結板には更に折曲線で湾
曲形成される内縦側板を連設し、天板上に上重ね上面板
を重ね、連結板と内縦側板は天板の下方に折込んで天板
の下方に連結板を、外縦側板の内側に内縦側板をそれぞ
れ重ね、蓋板の係合片を上重ね上面板の切込みに蓋板の
折曲方向と逆方向に外方から内方に向って差し込みがで
きるように構成された紙製組立容器であるこの容器によ
れば蓋板がみだりに開かない。しかも内容物が挿入し易
く体裁のよい紙製組立容器がえられる目的を達成でき
る。しかして係合片に対向して折曲げ自在な摘みを設け
ることにより、容易に開蓋しないものでありながら、容
易に係合片を引き抜くことができる目的を達成できる。

【００１３】

【発明の効果】請求項１によれば、天板が三重構造で、
これに連設する縦側板が二重構造のものがえられるので
頑丈な箱母体を形成でき、したがって紙製でも実用化に
耐えうる紙製組立容器がえられる。請求項２によれば側
板の外観が体裁のよい箱体がえられ、しかもその折曲線
によって縦側板が弾力性に富み、内縦側板は外縦側板に
対して二重構造姿勢が崩れない状態で圧接できる。請求
項３によれば、蓋体に連設された縦側板は折曲線によっ
て弾力性が付与され、その係合片が上重ね上面板の切込
みに係合するとき、蓋板の開き方向に係合片が牽引され
てその根元が切込みにめり込んで容易に開蓋されないの
で内容物が散乱することはない。請求項４によれば連結
板と天板に上重ね上面板の切込みに対応した位置におい
て透孔が形成されているので天板が三重構造のものでも
蓋板の係合片の差し込みに支障はない。何れにしても本
発明の紙製組立容器を児童雑誌の付録として使用すると
き、はさみ、のり等を用いずに組立て可能で１枚のブラ
ンク板で折込むことができて、嵩ばらず、しかも組立時
には児童の想像力を起こさせるので教育用として好まし
い付録として使用ができ、組立た後は十分に実用に耐え
る容器がえられるので、これを鉛筆入れ等に利用すると
きは児童の向上心に資するところが大であって、展開状
態から組立形成でき、しかも組立形成時、内容物が散乱
しない実用性に富んだ簡易組立式の紙製組立容器がえら
れるという特徴がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明紙製組立容器の展開図

【図２】雑誌等への折込み時の状態を示す平面図

【図３】同上の組立途中状態の斜面図

【図４】連結板の折込状態説明図

【図５】組立外観図

【図６】連結板の折込状態を示す断面図

【図７】蓋板に形成された係合片の上重ね上板の切込み
に対する係合状態を示す断面図

【図８】開蓋状態斜面図

【符号の説明】

１ 背面板 ２ 天板 2a 縦長部 2b 張出部 2c 内容物取出口 ３ 横側板 ４ 貼着片 ５ 蓋板 5a 摘み ６ 折曲線 ７ 外縦側板 ８ 上重ね上面板 ９ 連結板 10 切込み 11 内縦側板 12 切欠き 13 縦側板 14 係合片 15 切込み 16 透孔 17 透孔 18 折曲線

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 横側板を介して起立自在な天板を設けた
   背面板に縦側板を介して開閉自在な蓋板を連設すると共
   に、天板の上下に重ね合されて三重構造を形成する上重
   ね上面板と、これから折込自在な連結板とを外縦側板を
   介して背面板に連設し、かつ連結板には外縦側板に重ね
   合されて二重構造を形成する内縦側板を連設してなる紙
   製組立容器。
2. 【請求項２】 縦側板が折曲線によって湾曲形成される
   ように構成した請求項１記載の紙製組立容器。
3. 【請求項３】 蓋板の係合片が上重ね上面板の切込みに
   対して蓋板の折曲方向と逆方向に外方から内方に向かっ
   て差し込みができるように構成された請求項１記載の紙
   製組立容器。
4. 【請求項４】 上重ね上面板の切込みに対応する天板と
   連結板に透孔を設けて蓋板の係合片を切込みに差し込め
   る如く構成した請求項１又は３記載の紙製組立容器。