JP3427065B2 - 自動変速装置 - Google Patents

自動変速装置

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JP3427065B2
JP3427065B2 JP2001337726A JP2001337726A JP3427065B2 JP 3427065 B2 JP3427065 B2 JP 3427065B2 JP 2001337726 A JP2001337726 A JP 2001337726A JP 2001337726 A JP2001337726 A JP 2001337726A JP 3427065 B2 JP3427065 B2 JP 3427065B2
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input shaft
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晴夫 藤木
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Fuji Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両の走行状態に応
じて変速操作を自動的に行う自動変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動変速装置は複数の歯車比を形成する
歯車列と、動力伝達を行う歯車列の切換を行う切換機構
とを有している。自動変速装置には歯車列の形態によっ
て、1軸上での変速が可能な遊星歯車式と、手動変速機
と同様な平行軸式とがある。遊星歯車式の自動変速装置
にあっては、入力軸と出力軸との間に設けられた遊星歯
車列をクラッチやブレーキからなる摩擦係合要素を作動
させることによって動力伝達を行う歯車列の切換が行わ
れる。
【0003】一方、平行軸式の自動変速装置にあって
は、たとえば、特開2000-65199号公報に開示されるよう
に、相互に平行となって配置された入力軸と出力軸の間
に設けられた複数の常時噛み合い式の変速歯車列の中か
ら動力伝達を行う変速歯車列をシンクロメッシュつまり
同期噛合機構によって切換動作している。この自動変速
装置にあっては、入力軸と出力軸との間に、切換操作を
行わせるときに入力軸から出力軸にトルクを伝達する油
圧式多板クラッチからなるバイパスクラッチを設け、切
換操作が行われる際には、バイパスクラッチを介して出
力軸にトルクを伝達している。また、変速操作時には、
入力軸回転と出力軸回転の回転同期を、エンジンのスロ
ットルによって制御しようとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
平行軸式の自動変速装置にあっては、変速中に入力軸回
転と出力軸回転との回転同期を、エンジンのスロットル
によって制御しようとしているので、アクセルペダルが
踏み込まれて加速変速操作が行われているときに運転者
がアクセルペダルを戻してもすぐに減速されずに、回転
同期がとれて加速変速操作が終了した後に減速操作が行
われることになる。したがって、運転者がアクセルペダ
ルを戻したにも拘わらず、変速中は加速を続けることに
なり、運転者は違和感を感じることになる。
【0005】さらに、バイパスクラッチの油圧制御やエ
ンジンのスロットル制御は誤差、バラツキ、応答不良が
あるため、バイパスクラッチによってエンジントルクが
全てバイパスされない可能性がある。その場合には、次
の変速段への回転同期時間つまり変速時間が伸びてしま
い、運転者がアクセルペダルを戻した際に感じる違和感
はさらに大きくなる。
【0006】一方、変速中もアクセルに追従するように
スロットルを制御した場合、変速中に運転者がアクセル
を戻すことによりスロットルを閉じると、入力軸回転数
が急激に低下するために、次の変速段の回転数を下回
り、回転同期がとれずに、変速が終了しない問題も発生
する。
【0007】本発明の目的は、変速操作中に運転者がア
クセルを操作しても、違和感なく変速操作を終了させる
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の自動変速装置
は、エンジン動力が伝達される入力軸と、前記入力軸に
複数の歯車列を介して連結されるとともに前記入力軸に
平行に配置され、駆動輪に動力を伝達する出力軸とを有
する自動変速装置であって、前記エンジンの吸入空気量
を調整する電子制御スロットルと、前記エンジンと前記
入力軸との間に設けられ、前記エンジンの動力を前記入
力軸に伝達する状態と遮断する状態とに切り換える入力
クラッチと、前記入力軸と前記出力軸との間に設けら
れ、前記入力軸から前記出力軸に伝達されるエンジント
ルクを調整するバイパスクラッチと、複数の前記歯車列
の中から動力の伝達を行う歯車列を切換え操作する切換
機構と、変速操作中に入力軸回転数が次の変速段の回転
数よりも所定値以上下回ったときに回転同期不良を判定
する同期不良判定手段と、同期不良が検出されたとき
に、前記入力クラッチを開放し、前記電子制御スロット
ルを制御して前記切換機構により再度歯車列の切換操作
を行う制御手段とを有することを特徴とする。
【0009】本発明の自動変速装置にあっては、変速操
作中に入力軸回転数が次の変速段の回転数よりも下回る
ことにより、回転同期がとれずに同期不良となった場合
には、入力クラッチを開放して再度次の変速段に変速操
作を行うので、確実に変速操作を行うことができる。
【0010】同期不良の判断は、変速操作中にアクセル
ペダルが所定時間継続して戻されたときに同期不良と判
定するようにしても良く、変速操作中にアクセルペダル
が所定時間継続して戻され、かつ前記入力軸が次の変速
段における回転数よりも下回ったときに同期不良と判定
するようにしても良い。また、変速制御は運転者のアク
セル操作に応じて求められるスロットル開度以下で行う
ようにしても良い。
【0011】本発明の自動変速装置は、エンジン動力が
伝達される入力軸と、前記入力軸に複数の歯車列を介し
て連結されるとともに前記入力軸に平行に配置され、駆
動輪に動力を伝達する出力軸とを有する自動変速装置で
あって、前記エンジンの吸入空気量を調整する電子制御
スロットルと、前記入力軸と前記出力軸との間に設けら
れ、前記入力軸から前記出力軸に伝達されるエンジント
ルクを調整するバイパスクラッチと、複数の前記歯車列
の中から動力の伝達を行う歯車列を切換え操作する切換
機構と、変速操作中に入力軸回転数が次の変速段の回転
数よりも所定値以上下回ったときに回転同期不良を判定
する同期不良判定手段と、同期不良が検出されたとき
に、前記バイパスクラッチに連結された歯車列を介して
動力伝達を行うことを特徴とする。
【0012】本発明の自動変速装置にあっては、変速操
作中に入力軸回転数が次の変速段の回転数よりも下回っ
て回転同期がとれずに同期不良となった場合には、入力
クラッチを締結したまま、バイパスクラッチに連結され
た歯車列を介して動力伝達を行うようにしたので、バイ
パスクラッチに連結された歯車列を介して確実に変速操
作を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形
態である自動変速装置を示すスケルトン図であり、エン
ジン1には、エンジントルクやエンジン回転数を調整す
る電子制御スロットル2が設けられており、通常は図示
しないアクセルペダルの踏込み量に応じた電子制御装置
(制御ユニット)からの出力信号により電子制御スロッ
トル2を開閉してエンジン制御を行う。また、電子制御
スロットル2は、必要に応じてアクセルペダルの踏込み
量に関係なく、検出された運転状態により予め設定され
たマップなどに基づき開閉してエンジン制御を行うこと
が可能である。
【0014】そして、エンジン1により発生した動力を
駆動輪に伝達する自動変速装置は、エンジン1に連結さ
れる入力軸3と、これに平行となって駆動輪に連結され
る出力軸4とを有し、これらは車両の進行方向を向いて
トランスミッションケース5内に組み込まれている。入
力軸3はトルクコンバータ6を介してエンジン1のクラ
ンク軸7に連結されている。
【0015】入力軸3には、第1速と第2速の駆動歯車
11,12が一体に設けられ、第3速から第5速までの
駆動歯車13〜15が回転自在に設けられている。出力
軸4には、第1速と第2速の被駆動歯車21,22が回
転自在に取り付けられ、第3速から第5速までの被駆動
歯車23〜25が一体に設けられている。それぞれの駆
動歯車11〜15は対応する被駆動歯車21〜25に常
時噛み合って変速歯車列となっており、それぞれの歯車
列により第1速から第5速までの前進側変速段が形成さ
れる。これらの変速歯車列の中から動力を伝達すること
になる変速歯車列を切り換えることによって変速動作が
行われる。入力軸3にはさらに後退用の駆動歯車16が
一体に設けられている。
【0016】出力軸4には、第1速の被駆動歯車21と
第2速の被駆動歯車22との間に第1の切換機構31が
設けられている。入力軸3には第3速の駆動歯車13と
第4速の駆動歯車14との間に第2の切換機構32が設
けられ、第5速の駆動歯車15に隣接させて第3の切換
機構33が設けられている。これらの切換機構はそれぞ
れ同期噛合機構つまりシンクロメッシュにより構成され
ている。ただし、第1の切換機構31を入力軸3に設
け、第2および第3の切換機構を出力軸4に設けるよう
にしても良い。
【0017】切換機構31は出力軸4に固定されたシン
クロハブつまり切換ハブ31aと、これに常時噛み合う
シンクロスリーブつまり切換スリーブ31bとを有し、
この切換スリーブ31bを第1速の被駆動歯車21に設
けられた外歯21aに噛み合わせると変速比は第1速に
設定され、逆に第2速の被駆動歯車22に設けられた外
歯22aに噛み合わせると第2速に設定される。それぞ
れの外歯21a,22aは、歯車21,22に形成され
たスプライン歯部と、シンクロナイザリングに形成され
た歯部とにより形成される。
【0018】他の切換機構32,33も同様の構造であ
り、入力軸3に固定された切換ハブ32a,33aと、
それらにそれぞれ常時噛み合う切換スリーブ32b,3
3bとを有し、それぞれ対応する外歯13a,14a,
15aのいずれかに噛み合わせることにより、変速比は
第3速から第5速のいずれかに設定される。それぞれの
切換スリーブ31b,32bおよび33bの軸方向の噛
合移動は、図示しない油圧アクチュエータによって行わ
れる。
【0019】第1の切換機構31の切換スリーブ31b
には後退用の被駆動歯車26が取り付けられ、入力軸3
と出力軸4とに平行となったアイドラ軸(図示省略)に
は、後退用の駆動歯車16と被駆動歯車26とに噛み合
う位置と、噛み合いを離脱する位置とに移動自在にアイ
ドラ歯車(図示省略)が軸方向に摺動自在に装着されて
いる。したがって、切換スリーブ31bが中立位置のも
とで、アイドラ歯車を摺動させると、アイドラ歯車は後
退用の駆動歯車16と被駆動歯車26とに噛み合い、入
力軸3の回転は出力軸4に逆方向となって伝達される。
【0020】出力軸4は中空軸となっており、内部には
前輪出力軸34が組み込まれ、出力軸4と前輪出力軸3
4はセンタディファレンシャル装置35により連結され
ている。前輪出力軸34はフロントディファレンシャル
装置36を介して前輪用のドライブシャフト(図示省
略)に連結され、このドライブシャフトにより前輪が駆
動される。また、センタディファレンシャル装置35は
駆動歯車37と被駆動歯車38とを介して後輪出力軸3
9に連結されており、後輪出力軸39は図示しないリヤ
ディファレンシャル装置を介して後輪用のドライブシャ
フト(図示省略)に連結され、このドライブシャフトに
より後輪が駆動される。
【0021】入力軸3には駆動側のバイパス歯車17が
回転自在に取り付けられ、出力軸4には被駆動側のバイ
パス歯車27が一体に取り付けられ、これらの歯車1
7,27は所定の歯車比で常時噛み合っている。図示す
る場合にはこれらの歯車比は第3速相当に設定されてい
る。入力軸3には油圧式多板クラッチからなるバイパス
クラッチ18が設けられており、バイパスクラッチ18
は入力軸3に固定されたクラッチハブ20と、バイパス
歯車17に固定されたクラッチドラム19とを有してい
る。クラッチドラム19とクラッチハブ20とにそれぞ
れ交互に複数の駆動側および従動側のクラッチプレート
が配置されており、油圧によりクラッチプレートを押圧
すると、入力軸3のトルクはバイパスクラッチ18を介
して出力軸4に伝達される。
【0022】トルクコンバータ6のタービン軸8と入力
軸3との間には、発進クラッチつまり入力クラッチ41
が設けられており、この入力クラッチ41はタービン軸
8に固定されるクラッチドラム42と、入力軸3に取り
付けられるクラッチハブ43とを有している。クラッチ
ドラム42とクラッチハブ43との間に装着されるクラ
ッチプレートを係合させることによりタービン軸8と入
力軸3とが締結状態となって、エンジン動力が入力軸3
に伝達される。一方、係合を離脱させると、タービン軸
8と入力軸3は開放された状態となり、エンジン動力の
入力軸3に対する動力伝達が遮断される。
【0023】トランスミッションケース5内にはオイル
ポンプ44が装着され、オイルポンプ44のロータはト
ルクコンバータ6のポンプ側アウターシェルに連結さ
れ、クランク軸7により回転駆動される。オイルポンプ
44から吐出する作動油は、トルクコンバータ6、バイ
パスクラッチ18、入力クラッチ41および前述した油
圧アクチュエータなどの油圧作動機器に供給されるとと
もに各潤滑部に供給される。ただし、オイルポンプ44
をエンジンにより駆動することなく、電動モータにより
駆動するようにしても良い。
【0024】この自動変速装置は、エンジン回転数、ア
クセル開度、車速、入力軸の回転数および変速段位置な
どの信号によって車両の走行状態を検出して予め設定さ
れたマップに基づいて変速動作が自動的に行われる。
【0025】図2は図1に示した自動変速装置の作動を
制御する制御回路を示すブロック図である。図2に示す
ように、この自動変速装置はバイパスクラッチ18を作
動するためのバイパスクラッチアクチュエータ51と、
入力クラッチ41を作動するための入力クラッチアクチ
ュエータ52とを有している。さらに、自動変速装置は
複数の変速歯車列の中から動力伝達を行う変速歯車列に
切り換えるために、セレクトアクチュエータ53とシフ
トアクチュエータ54とを有している。これらの2つの
アクチュエータ53,54の直線往復動を、図示しない
セレクトレバーおよびシフトレバーを有する方向変更機
構を介して前述したそれぞれの切換機構31〜33およ
び後退用の切換機構の切換移動に変換することにより、
第1速〜第5速の前進段と後退段の切換が自動的に行わ
れる。
【0026】前述したそれぞれのアクチュエータは油圧
アクチュエータであり、それぞれのアクチュエータには
オイルポンプ44から吐出する作動油が供給される。バ
イパスクラッチアクチュエータ51には電磁圧力制御弁
VA1を介し、入力クラッチアクチュエータ52には電磁
圧力制御弁VA2を介してそれぞれ作動油が供給される。
また、セレクトアクチュエータ53には電磁切換弁VA3,
VA4を介して作動油が供給され、シフトアクチュエータ
54には電磁圧力制御弁VA5,VA6を介して作動油が供給
される。セレクトアクチュエータ53は図2において矢
印Aで示す方向にセレクトレバーを駆動し、シフトアク
チュエータ54は図2において矢印Bで示す方向にセレ
クトレバーを駆動する。
【0027】シフトアクチュエータ54を電磁圧力制御
弁VA5,VA6により制御するのに対し、セレクトアクチュ
エータ53が電磁切換弁VA3,VA4により制御可能なの
は、A方向の切換操作(セレクト操作)は、デッドスト
ップに突き当てるまで大きな操作力で単純に押せば足り
るからである。これに対して、B方向の3位置切換操作
(シフト操作)は、シンクロによる同期が必要であり、
過大な操作力はシンクロリングの摩耗を招来させるため
操作力自体の制御が求められるため、シフトアクチュエ
ータ54を電磁圧力制御弁VA5,VA6により制御する。ま
た、B方向のシフト操作はA方向のセレクト操作力に比
して大きいため、デッドストップ当接時に大きな音が出
易く操作音対策も必要となる。このため、シフト操作で
はシフトアクチュエータ54により操作期間を3段階に
分け、迅速なシフト動作とシンクロリングの保護、そし
て操作音の低減という要求を満たしている。すなわち、
初期は強く、シンクロ同期時は中程度、終期は弱く操作
力を調整している。したがって、シフトアクチュエータ
54については、単に油圧のオンオフを行うのみの制御
弁ではなく、供給油圧の調整が可能な電磁圧力制御弁を
使用して作動させる。
【0028】それぞれの電磁弁VA1〜VA6は制御ユニット
ECU55からの信号によって制御され、オイルポンプ4
4からの吐出圧(ライン圧)は圧力センサ56によりモ
ニタされるようになっている。オイルポンプ44から供
給される作動油は、その一部がアキュムレータ57に貯
留される。アキュムレータ57の密封容器内には窒素等
の気体が充満されており、そこに作動油を押し込むこと
により気体が圧縮され、作動油の圧力エネルギが気体の
圧力エネルギに変換されて蓄えられる。つまり、アキュ
ムレータ57にはライン圧が蓄えられてライン圧の安定
化が図られている。また、アキュムレータ57に蓄えた
圧力により、ポンプの故障やオイル漏れなどの油圧系に
障害が生じた場合でも、変速段をたとえば第3速に強制
的にシフトチェンジするなどの最低限の非常動作が確保
できるようになっている。
【0029】制御ユニットECU55には、入力軸3の回
転数を検出する入力軸回転センサ61、出力軸4の回転
数を検出する出力軸回転センサ62、セレクトレバーの
位置を検出するセレクトセンサ63、およびシフトレバ
ーの位置を検出するシフトセンサ64からの検出信号が
入力される。この制御ユニットECU55は電子制御スロ
ットル2に対して制御信号を出力する。なお、図示する
場合には、セレクトアクチュエータ53とシフトアクチ
ュエータ54の2つの油圧アクチュエータによって前進
5段と後退段の切換動作を行うようにしているが、それ
ぞれの切換機構を別々の油圧アクチュエータによって切
換動作させるようにしても良い。
【0030】図3は第1速から第2速へのアップシフト
時におけるエンジン回転数Neと出力軸4のトルクToの
変化を示すタイムチャートである。図3において、シフ
ト位置は切換スリーブ31bの噛み合い位置を示す。切
換スリーブ31bは、第1速の被駆動歯車21に設けら
れた外歯21aに噛み合う第1速の位置から、中立位置
を経て第2速の被駆動歯車22に設けられた外歯22a
に噛み合う第2速の位置に移動する。
【0031】この変速動作が行われる際には、駆動歯車
11と被駆動歯車21からなる第1速の変速歯車列を介
して動力伝達が行われている状態から、第1速の変速歯
車列とバイパス歯車17,27の歯車列との2系統を介
して動力の伝達を行う1相の状態に変化する。ここで、
第1速の被駆動歯車21とバイパス歯車27は同一出力
軸に配置されているが、各々は相違した歯車比となって
おり、第1速の被駆動歯車21の回転に対してバイパス
歯車27の回転は変速比の関係から駆動歯車11よりも
早く回転するので、バイパスクラッチ18を係合すると
係合状態に応じたトルクがバイパス歯車17,27によ
り伝達される。
【0032】次いで、切換スリーブ31bは切換ハブ3
1aのみに噛み合った中立位置つまり2相状態となり、
この状態のもとではバイパス歯車17,27の歯車列を
介して入力軸3から出力軸4に対して動力伝達されると
ともに、電子制御スロットル2を閉動作するように制御
してエンジン動力つまり入力軸3の回転数を低下させて
同期させる。
【0033】エンジンの回転数が第2速相当の回転数に
まで低下した時点で切換スリーブ31bを、切換ハブ3
1aのみに噛み合った状態から切換ハブ31aと外歯2
2aとに噛み合う状態に移動させると、第2速の変速歯
車列とバイパス歯車17,27の歯車列との2系統を介
して動力の伝達が行われる3相状態となる。この3相状
態のもとでバイパスクラッチ18に供給される油圧をド
レンしてバイパスクラッチ18を開放すると、第2速へ
のアップシフトが完了する。これにより、入力軸3から
出力軸4に対しては第2速の変速歯車列を介して動力伝
達がなされることになる。
【0034】このように、アップシフト時にはバイパス
クラッチ制御とエンジン制御とをともに行いエンジン回
転数が第2速相当の回転数まで低下した時点で切換スリ
ーブ31bが外歯22aと噛み合うことになるので、ギ
ヤ鳴きが発生することなく、円滑に変速操作が行われ
る。しかも、切換スリーブ31bが中立位置になるとき
には、バイパスクラッチ18を介して動力伝達を行うよ
うにしたので、特に駆動力変化の大きな第1速から第2
速、第2速から第3速などのアップシフト時に問題とな
る駆動力の落ち込みつまりトルク切れの発生を低減する
ことができる。
【0035】図3は第1速から第2速へのアップシフト
時のエンジン回転数とトルクの変化を示すが、第2速か
ら第3速などの他の変速段へのアップシフト動作も同様
に行うことができる。図示する場合には、バイパスクラ
ッチ18のバイパス歯車17,27の歯車比を第3速相
当に設定されているが、第4速相当あるいはそれよりも
高速段側に設定するようにしても良い。また、第4速か
ら第5速へのアップシフトなどの高速段におけるアップ
シフト動作を行う際には、駆動力の落ち込みの影響が少
ないので、バイパスクラッチ18を開放した状態で変速
動作を行うようにしても良い。
【0036】一方、ダウンシフト時には出力トルクの落
ち込みは走行性能上あまり問題とならないので、入力ク
ラッチ41により入力軸3への動力伝達を遮断させるよ
うにしても良い。また、ダウンシフト時にもアップシフ
ト時と同様にバイパスクラッチ18を係合状態とし、こ
れとともにエンジン制御を行って変速歯車列とバイパス
歯車17,27の歯車列との2系統での動力伝達と、バ
イパスクラッチ18のみの動力伝達とに切換制御しなが
らダウンシフト時の同期を円滑かつ迅速に行うようにし
ても良い。
【0037】図4〜図8は、図3に示した第1速から第
2速へのアップシフト動作が行われる際における変速動
作の制御手順を示すフローチャートであり、図4は切換
スリーブ31bを外歯21aから開放させるギヤ開放制
御を示すフローチャートである。図4に示すように、車
速とアクセル開度などの走行状態のマップデータに基づ
いて第1速から第2速への変速開始がステップS1にお
いて判定されたときには、第2速の変速比よりも高速側
の歯車比に設定されたバイパスクラッチ18を介してエ
ンジントルクを出力軸4に伝達させるために、ステップ
S2,S3においてバイパストルクTbとバイパスクラ
ッチアクチュエータ51に供給するバイパスクラッチ油
圧Pbを次式により演算して、ステップS4においてバ
イパス油圧指令を出力する。これにより、バイパスクラ
ッチアクチュエータ51に油圧が供給される。
【0038】しかし、実際のバイパスクラッチ油圧には
応答遅れがあるため、すぐには全てのエンジントルクが
入力軸3から出力軸4にバイパスされない。そこで、ス
テップS5においてタイマーTM1を起動させて、バイ
パスクラッチ油圧が立ち上がって全てのエンジントルク
がバイパスされるまでの時間T1(設定値)が経過する
まで、バイパスクラッチ油圧を保持する。
【0039】Tb=Te ただし、Teはエンジントルクであり、Tb≧0としてリ
ミッタ処理を行う。
【0040】Pb=k1×Tb+k2 ただし、k1、k2は油圧変換係数である。
【0041】ステップS6で設定時間T1が経過したこ
とが判定されたならば、全てのエンジントルクがバイパ
スされて、切換スリーブ31bを外歯21aから開放す
ることが可能となるので、ステップS7においてシフト
アクチュエータ54に対してで第1速歯車の開放指令を
出力する。シフトアクチュエータ54にはシフトセンサ
64が装着されており、シフトセンサ64からの信号に
基づいて、ステップS8では切換スリーブ31bが締結
状態であるか開放状態となったかを判定する。すなわ
ち、spn1≧シフトセンサ≧spn2となったときに、開放完
了と判定し、ギヤ開放制御を終了する。ただし、spn1、
spn2は設定値である。なお、変速開始を除くときには、
ステップS1からステップS9へ進み、タイマTM1を
リセットしてルーチンを抜ける。
【0042】図5は回転同期制御を示すフローチャート
であり、ステップS11でギヤ開放の終了が判断された
ならば、入力軸3の回転を第2速相当の回転数に降下さ
せるため、バイパストルクをエンジントルクよりも大き
くさせるように、ステップS12〜S16において、目
標入力軸回転変化dωi/dt、バイパストルクTb、バイ
パスクラッチ油圧Pbを次式により求め、ステップS1
7においてバイパスクラッチ油圧指令を出力する。
【0043】dωi/dt=No×(Gnxt−Gnw)/Tsft ただし、Gnxtは変速後の歯車比、Gnwは変速前の歯車
比、Noは出力軸回転数、Tsftは目標同期時間(設定
値)である。
【0044】Tb=Te −Ie× dωi/dt ただし、Te はエンジントルク、Ieはエンジン1から
入力軸3までの慣性モーメント(イナーシャ)であり、
Tb≧0としてリミッタ処理を行う。
【0045】Pb=k1×Tb+k2 ただし、k1、k2は油圧変換係数である。
【0046】回転同期制御時には、慣性力による変速シ
ョックを軽減するために、スロットルを閉じてエンジン
トルクを低下させる。この時の目標エンジントルクTe
t、目標スロットル開度Thtは、ステップS18でアク
セル要求トルクTaを算出した後に、ステップS19,
S22において次式により演算される。
【0047】Tet=Gnxt/Gb×Ta+Ie× dωi/dt ただし、Gbはバイパス歯車のギヤ比であり、Ieはエン
ジン1から入力軸3までの慣性モーメントであり、運転
者のアクセルペダル操作によって要求される要求トルク
Taはアクセル開度accとエンジン回転数Neのマップか
ら求められる。
【0048】図9(A)はこの要求トルクTaを求める
マップデータf1の一例であり、制御ユニット内のメモ
リにこのデータが格納されており、アクセル開度accと
エンジン回転数Neに基づいて要求トルクTaが求められ
る。目標スロットル開度Thtは、目標エンジントルクT
etとエンジン回転数Neのマップf2から求められる。
図9(B)はこの目標スロットル開度Thtを求めるマッ
プデータの一例であり、制御ユニット内のメモリーに格
納されている。
【0049】また、目標エンジントルクTetを、運転者
のアクセルペダルの操作により設定されるアクセル開度
Accとエンジン回転数Neとから求められる要求トルク
Ta以下となるように設定すれば、変速操作中に運転者
がアクセルペダルを戻したときには、すぐに減速するこ
とができる。すなわち、ステップS20で目標エンジン
トルクTetを要求トルクTaより大きいと判断されたと
きには、ステップS21で目標エンジントルクTetを要
求トルクTaに設定する。一方、目標エンジントルクTe
tが要求トルクTaよりも小さいと判断されたときには、
算出された目標エンジントルクTetの値に基づいてステ
ップS22により目標スロットル開度Thtを算出する。
【0050】求められた目標スロットル開度Thtは、ス
テップS23で電子制御スロットル2に出力される。こ
れにより、バイパスクラッチ油圧が立ち上がってバイパ
ストルクがエンジントルクよりも大きくなり、入力軸3
の回転が降下する。その結果、入力軸3の回転数Ni
と、切り換えられる変速歯車列のギヤ比Gnxtに出力軸
回転数Noを積算した値との差が所定値以下、つまり|N
i−Gnxt×No|≦N1(N1は設定値)を満たしたことが
ステップS24で判断されたら、ステップS25で回転
同期完了と判断し、回転同期制御を完了する。一方、ス
テップS24でNOと判断されたときには、ステップS2
6の同期不良判定制御が実行される。
【0051】図6はギヤ挿入制御を示すフローチャート
であり、ステップS25で回転同期が完了したと判断さ
れた後には、切換スリーブ31bを外歯22aに噛み合
わせて第2速に変速歯車列を切り換えるために、図6に
示すギヤ挿入制御が実行される。ステップS31におい
て回転同期完了が判断されたならば、バイパストルクT
bと、バイパスクラッチ油圧Pbが算出される(ステップ
S32,S33)。ステップS34でバイパスクラッチ
油圧指令が出力され、ステップS35においてギヤ挿入
指令が出力されて、切換スリーブ31bが外歯22aに
向けて挿入移動を開始する。そして、閉じていたスロッ
トルつまりダウンしていたエンジントルクは、アクセル
に追従するように、次式により目標スロットル開度Tht
を求めて制御し、スロットル開度の指令を出力する(ス
テップS36,S37)。
【0052】Tht=acc ただし、accはアクセル開度である。
【0053】スロットル開度の指令が出力されてシフト
センサによって第2速の変速歯車列に切り換えられたこ
とをステップS38で判定したら、ステップS39で変
速操作が終了する。
【0054】図7は図5におけるステップS26のサブ
ルーチンを示すフローチャートであり、図5に示すステ
ップS24でNOと判断されたときには、図7に示す同期
不良判定制御が実行される。ステップS41において
は、Ni−Gnxt×No≦N2(ただし、N2は負の設定値)
のとき、つまり入力軸3の回転数Niが、次の変速段の回
転数(Gnxt×No)を下回るときにはYESと判断され、
さらにステップS42においては、アクセル開度Accが
設定値Acc1以下のとき、たとえば運転者がアクセルペダ
ルをオフしているときにはYESと判断される。
【0055】そして、ステップS43〜S44により、
前述したように回転数Niが下回り、かつ運転者がアク
セルペダルをオフしている状態の継続時間が設定値T2
以上であると判断されたならば、ステップS45におい
て同期不良と判断し、後述するように入力クラッチ41
を開放した変速操作へ移行する。一方、ステップS4
1,S42においてNOと判断されたときには、ステップ
S46でタイマーTM2をリセットする。
【0056】図8はステップS45で同期不良と判断さ
れた場合における入力クラッチ開放変速制御を示すフロ
ーチャートである。ステップS51で同期不良と判断さ
れたら、バイパスクラッチアクチュエータ51の油圧P
bをPb=0に設定し、バイパスクラッチ油圧指令を出力
する(ステップS52,S53)。そして、ステップS
54で第2速ギヤへの切換挿入が完了していないと判断
された時、つまりシフトセンサ>Sp2の時には、ステッ
プS55で入力クラッチ41の開放を指令し、ステップ
S58において第2速ギヤへの挿入指令を出力する。こ
の際には、入力クラッチ41の応答遅れがあるため、ス
テップS56,S57を経て、入力クラッチ41が完全
に開放される時間T3が経過した後に第2速ギヤへの挿
入指令を出力する。
【0057】第2速ギヤへの挿入指令が出力された後
に、ステップS59,S60で目標エンジントルクTe
t,目標スロットル開度Thtを以下のようにして順次求
めて、ステップS61でスロットル指令を出力し、エン
ジン回転数Neと入力軸回転Niの差が無くなるようにス
ロットル開度を制御する。
【0058】Tet=f3(Ne−Ni) ただし、Ne−Niはエンジン回転数Neと入力軸回転数
Niとの差である。
【0059】Tht=f2(Tet,Ne) 図10は前記回転数差Ne−Niと目標エンジントルクT
etとの関係の一例を示す特性線図であり、このような特
性に対応した演算式やマップデータは制御ユニット55
内のメモリに格納されている。また、目標スロットル開
度Thtは、図9(B)に示すマップデータにより目標エ
ンジントルクTetとエンジン回転数Neに基づいて設定
される。
【0060】一方、ステップS54で第2速ギヤへの挿
入が完了していると判断されたとき、つまりシフトセン
サ≦Sp2のときには、入力クラッチ41の締結ショック
を軽減するために、エンジン回転数Neと入力軸回転数
Niとの差の絶対値|Ne−Ni|が所定値N3よりも小さく
なったとステップS62で判断したら、ステップS63
で入力クラッチ41の締結指令を出力する。そして、エ
ンジン回転数Neと入力軸回転数Niとの差が無くなるよ
うに制御していたスロットル開度を、アクセルに追従す
るように、目標スロットル開度Thtを求めてステップS
64,S65においてスロットル開度を制御し、ステッ
プS61で変速が終了する。なお、ステップS62で|
Ne−Ni|>N3のときには、上述のステップS59へ進
み、また、ステップS51において同期不良でないとき
には、ステップS67でタイマTM3をリセットしてル
ーチンを抜ける。
【0061】図11は回転同期不良と判断されて入力ク
ラッチを開放した変速制御が実行された場合における入
力クラッチなどの作動タイミングを示すタイムチャート
である。このタイムチャートにも示されるように、図4
〜図8に示した実施の形態にあっては、第1速から第2
速に変速操作を行うときに、入力軸回転数Niが低下し
過ぎることによって入力軸回転数Niと第2速の変速段
の回転数(No×Gnxt)とが同期しなかった場合には、運
転者がアクセルを所定時間T3以上オフしていることを
条件として、同期不良と判断し、入力クラッチ41を開
放して再度第2速への変速操作を行うようにしている。
【0062】このような制御方式に代えて、入力軸回転
数Niが第2速の回転数(No×Gnxt)よりも低下したこ
とを判断することなく、運転者によってアクセルが所定
量以下に戻されている時間が、図11に示すように、所
定時間T4経過したときには、同期不良と判断するよう
にしても良い。この場合には、変速操作が開始した後に
アクセルペダルが戻される時間が所定時間T4以上経過
したときには、入力軸回転数が第2速の変速段の回転数
を下回ったことを判断しないので、より迅速に図8に示
す入力クラッチ開放変速制御に移行させることができ
る。
【0063】前述した変速制御は第1速から第2速へ変
速する場合を基本として説明したが、第2速から第3速
など他の変速段への切換制御についても同様に行うこと
ができる。また、図1に示すように、第3速相当の変速
歯車列を有するバイパスクラッチ18を有する自動変速
装置についての変速制御について説明したが、第3速相
当と第5速相当の2つのバイパスクラッチを有する場合
にも同様にして変速制御を行うことができる。
【0064】図12は本発明のさらに他の制御方式を示
すフローチャートである。この制御方式にあっては、同
期不良と判断された場合には、前述した制御方式のよう
に入力クラッチ41をオフして再度変速操作を行うこと
なく、バイパスクラッチ18を締結してバイパスクラッ
チ18に連結された歯車列を介して動力伝達を行うよう
にしている。したがって、入力クラッチ41を開放する
ことなく、締結した状態を保持することになる。
【0065】すなわち、ステップS71で同期不良と判
断された場合には、ステップS72においてバイパスク
ラッチ油圧Pbを前回の値としてステップS73でバイ
パスクラッチ油圧指令を出力する。このように前回の油
圧を保持すると、入力軸回転NiがNo(出力軸回転)×
Gb(バイパスギヤ比)の値に近づいてくる。そして、|
Ni−No×Gb|≦N4(設定値)となったことがステッ
プS74で判断されたら、ステップS75でバイパスク
ラッチ油圧Pbを最大油圧Pbmaxとして、ステップS7
6でバイパスクラッチ油圧指令を出力し、バイパスクラ
ッチ18を完全に締結させる。バイパスクラッチ締結
後、閉じていたスロットルつまりダウンしていたエンジ
ントルクは、アクセルに追従するように、目標スロット
ル開度Thtを算出して制御される(ステップS77,S
78)。さらに、目標エンジントルクTetと、これに対
応する目標スロットル開度ThtとをステップS79,S
80で算出してスロットルを制御することにより変速が
終了する(ステップS81,S82)。
【0066】したがって、第1速から第2速に変速する
ときに変速不良が発生した場合には、第3速相当のバイ
パス歯車を介して動力伝達が行われる。第2速から第3
速に変速するときに変速不良が発生した場合にも同様に
してバイパス歯車を介して動力伝達を行うようにする。
また、前述したように、第3速相当のバイパスクラッチ
と第5速相当のバイパスクラッチとを設けるようにすれ
ば、第3速から第4速への変速、第4速から第5速への
変速を行う際にそれぞれ変速不良が発生した場合には、
第5速相当のバイパスクラッチを介して動力伝達が行わ
れることになる。
【0067】このような制御方式においても、変速不良
の判定方式としては、図7に示すように、入力軸回転数
が次の変速段の回転数よりも下回り、かつ運転者がアク
セルを所定時間以上オフしていることを条件としても良
く、入力軸回転数が次の変速段の回転数よりも低下した
ことを判断することなく、運転者によってアクセルが所
定量以下に戻されている継続時間が所定時間T4経過し
たときに同期不良と判断するようにしても良い。
【0068】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
ある。たとえば、この自動変速装置は四輪駆動式のみな
らず、二輪駆動式でも良く、縦置き式でも横置き式でも
いずれでも良い。また、切換機構としては、シンクロメ
ッシュに限られず、選択摺動式などの他のタイプの切換
機構としても良い。さらに、図1に示すバイパスクラッ
チ18に連結される歯車列は第3速相当の歯車比を有し
ているが、他の変速段、たとえば第5速相当の歯車比と
しても良い。
【0069】
【発明の効果】本発明の自動変速装置によれば、変速操
作が行われているときに運転者がアクセルペダルを戻す
ことによって、入力軸回転数が次の変速段の回転数を下
回って回転同期不良となっても、変速操作を確実に行っ
て動力伝達することができる。
【0070】回転同期不良が発生した場合には、入力ク
ラッチを開放した状態で再度変速操作を行うことによ
り、確実に変速することができる。また、回転同期不良
が発生した場合には、バイパスクラッチに連結された歯
車列を介して動力伝達を行いつつ変速操作を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である自動変速装置を示
すスケルトン図である。
【図2】図1の自動変速装置の作動を制御する制御回路
を示すブロック図である。
【図3】第1速から第2速へのアップシフト時における
エンジン回転数と出力軸トルクの変化を示すタイムチャ
ートである。
【図4】変速操作が行われる際における変速動作の制御
手順のうちギヤ開放制御を示すフローチャートである。
【図5】回転同期制御を示すフローチャートである。
【図6】ギヤ挿入制御を示すフローチャートである。
【図7】同期不良判定制御を示すフローチャートであ
る。
【図8】入力クラッチ開放変速制御を示すフローチャー
トである。
【図9】(A)はアクセル開度とエンジン回転数から求
められるアクセル要求トルクを示すマップであり、
(B)は目標エンジントルクとエンジン回転数から求め
られる目標スロットル開度を示すマップである。
【図10】エンジン回転数と入力軸回転数との差と目標
エンジントルクとの関係を示す特性線図である。
【図11】回転同期不良と判断されて入力クラッチを開
放した変速制御が実行された場合における入力クラッチ
などの作動タイミングを示すタイムチャートである。
【図12】本発明の他の実施の形態であるバイパスクラ
ッチ締結変速制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 電子制御スロットル 3 入力軸 4 出力軸 6 トルクコンバータ 7 クランク軸 11〜16 駆動歯車 17 バイパス歯車 18 バイパスクラッチ 21〜26 被駆動歯車 31〜33 切換機構 31a,32a,33a 切換ハブ 31b,32b,33b 切換スリーブ 51 バイパスクラッチアクチュエータ 52 入力クラッチアクチュエータ 53 セレクトアクチュエータ 54 シフトアクチュエータ 55 制御ユニット(制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 29/00 F02D 29/00 H 41/04 310 41/04 310G // F16H 59:18 F16H 59:18 59:24 59:24 59:42 59:42 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16J 59/00 - 63/00 B60K 41/00 - 41/12 F02D 29/00 - 43/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン動力が伝達される入力軸と、前
    記入力軸に複数の歯車列を介して連結されるとともに前
    記入力軸に平行に配置され、駆動輪に動力を伝達する出
    力軸とを有する自動変速装置であって、 前記エンジンの吸入空気量を調整する電子制御スロット
    ルと、 前記エンジンと前記入力軸との間に設けられ、前記エン
    ジンの動力を前記入力軸に伝達する状態と遮断する状態
    とに切り換える入力クラッチと、 前記入力軸と前記出力軸との間に設けられ、前記入力軸
    から前記出力軸に伝達されるエンジントルクを調整する
    バイパスクラッチと、 複数の前記歯車列の中から動力の伝達を行う歯車列を切
    換え操作する切換機構と、 変速操作中に入力軸回転数が次の変速段の回転数よりも
    所定値以上下回ったときに回転同期不良を判定する同期
    不良判定手段と、 同期不良が検出されたときに、前記入力クラッチを開放
    し、前記電子制御スロットルを制御して前記切換機構に
    より再度歯車列の切換操作を行う制御手段とを有するこ
    とを特徴とする自動変速装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動変速装置において、
    変速操作中にアクセルペダルが所定時間継続して戻され
    たときに同期不良と判定することを特徴とする自動変速
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の自動変速装置において、
    変速操作中にアクセルペダルが所定時間継続して戻さ
    れ、かつ前記入力軸が次の変速段における回転数よりも
    下回ったときに同期不良と判定することを特徴とする自
    動変速装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の自動変速装置において、
    前記制御手段は運転者のアクセル操作に応じてスロット
    ル開度を求め、求められたスロットル開度以下で変速制
    御を行うことを特徴とする自動変速装置。
  5. 【請求項5】 エンジン動力が伝達される入力軸と、前
    記入力軸に複数の歯車列を介して連結されるとともに前
    記入力軸に平行に配置され、駆動輪に動力を伝達する出
    力軸とを有する自動変速装置であって、 前記エンジンの吸入空気量を調整する電子制御スロット
    ルと、 前記入力軸と前記出力軸との間に設けられ、前記入力軸
    から前記出力軸に伝達されるエンジントルクを調整する
    バイパスクラッチと、 複数の前記歯車列の中から動力の伝達を行う歯車列を切
    換え操作する切換機構と、 歯車列の切換操作中に入力軸回転数が低下することによ
    り入力軸回転数と次の変速段の回転数との回転同期不良
    を判定する同期不良判定手段と、 同期不良が検出されたときに、前記バイパスクラッチに
    連結された歯車列を介して動力伝達を行うことを特徴と
    する自動変速装置。
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