JP3424246B2 - オレフィン系重合体組成物 - Google Patents

オレフィン系重合体組成物

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JP3424246B2
JP3424246B2 JP29968592A JP29968592A JP3424246B2 JP 3424246 B2 JP3424246 B2 JP 3424246B2 JP 29968592 A JP29968592 A JP 29968592A JP 29968592 A JP29968592 A JP 29968592A JP 3424246 B2 JP3424246 B2 JP 3424246B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は接着性及び塗膜密着性の
改良されたオレフィン系重合体に関する。詳しくは、炭
化水素系重合体骨格の末端に重合性不飽和基を有する重
合性反応物とビニル系単量体を共重合して得られる共重
合体とオレフィン系重合体とからなるオレフィン系重合
体組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン系樹脂はその構造
中に極性基が存在しないため、塗装しようとすると塗料
の付着力が弱く、接着しようとすると接着剤の接着力が
弱いことが知られている。従って、この付着性や接着性
の悪さを改善するために、ポリオレフィン系樹脂の表面
にプライマーを塗布したり、プラズマ処理等により表面
を改質することが行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法では、次のような問題点があった。すなわち、
プライマー法においては、高価なプライマーを使用しな
ければならないことや、工程数が多くなることなどから
コストが高くなるといった欠点があり、さらにプライマ
ーの溶媒を揮発させる必要があることなどから、作業環
境が悪化し火災の危険性もあり安全性に問題があった。
【0004】一方、プラズマ処理法においては、高価な
装置が必要なことや、生産性が悪いことなどからコスト
が高くなるといった欠点があり、さらにプラズマ処理さ
れた表面は不安定な状態にあり、工程管理が非常に困難
であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果本発明に到達し
た。すなわち、本発明の要旨はオレフィン系重合体に、
数平均分子量が500〜20000のポリヒドロキシ炭
化水素系重合体(A)の水酸基当量をA、1分子中に重
合性不飽和基とイソシアネート基の両方を有する化合物
(B)のイソシアネート基当量をB、1分子中に重合性
不飽和基とカルボキシル基若しくはカルボキシル基から
誘導される官能基の両方を有する化合物(C)のカルボ
キシル基若しくはカルボキシル基から誘導される官能基
の当量をCとして、A/Bが1.5以上となる条件で
(A)と(B)を反応させて得られる重合性組成物また
はA/Cが1.5以上となる条件で(A)と(C)を反
応させて得られる重合性組成物と、ビニル系単量体とを
共重合して得られる共重合体組成物を配合してなること
を特徴とする、オレフィン系重合体組成物に存する。
【0006】以下、本発明をさらに詳しく説明する。本
発明に用いられる成分(A)のポリヒドロキシ炭化水素
系重合体としては、1分子当たり少なくとも一個の水酸
基を有するもので、数平均分子量が500〜2000
0、主鎖の構造が炭化水素で、好ましくはヨウ素価が1
00以下で、常温で液状もしくは脆いワックス状である
ものを挙げることができる。
【0007】このようなポリヒドロキシ炭化水素系重合
体としては、例えばポリヒドロキシジエン系重合体の水
素添加物、イソブチレン−ジエン系モノマー共重合体の
酸化分解還元生成物の水素添加物、α−オレフィン(例
えばエチレン、プロピレン等)−非共役ジエン(または
共役ジエン)共重合体の酸化分解還元生成物の水素添加
物等を挙げることができる。このうち特にポリヒドロキ
シジエン系重合体の水素添加物が好ましい。
【0008】しかして、ポリヒドロキシジエン系重合体
は、共役ジエンまたは共役ジエンとビニルモノマーを原
料として周知の方法、例えばラジカル重合法、アニオン
重合法等によって製造される。ラジカル重合による場
合、過酸化水素を重合開始剤として重合すれば直接末端
に水酸基を有する共役ジエン系ポリマーまたはコポリマ
ーが得られるが、アニオン重合による場合、まずアニオ
ン重合触媒を用いて末端にアルカリ金属が結合した構造
のリビングポリマーを製造し、次いでモノエポキシ化合
物、ホルムアルデヒド等を反応させる。原料共役ジエン
としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプ
レン等が使用し得る。共重合成分としては、スチレン、
アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、酢酸
ビニル等のビニルモノマーが挙げられる。共重合成分の
使用量は総モノマー量の30重量%以下が好ましい。
【0009】また、ポリヒドロキシジエン系重合体の水
素添加物を製造する際の水素添加は、ニッケル、コバル
ト、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム等の触媒
を単独であるいは担体に担持して用いて、常法により、
水素下において実施すればよい。またポリヒドロキシジ
エン系重合体を部分的に水素添加した重合体も用いるこ
とができる。
【0010】水酸基を有する炭化水素系ポリマーのその
他の製法としては、α−オレフィンと他のモノマーとの
共重合体を酸化分解処理し、次いで還元する方法が挙げ
られる。例えば、イソブチレンとブタジエンまたは1,
3−ペンタジエンをカチオン重合させて得られるブチル
ゴム系の重合体をオゾン分解処理し、次いでリチウムア
ルミニウムハイドライドで還元すればポリヒドロキシイ
ソブチレンが得られる。
【0011】また、これらのポリヒドロキシ炭化水素を
ジイソシアネートやジエステル等と反応させ、高分子量
化したポリヒドロキシ炭化水素として用いることもでき
る。なお本発明において、ポリヒドロキシ炭化水素系重
合体の一部を他のポリオールで置き換えることもでき
る。他のポリオールの例としては、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール、等のポリアルキレングリコール、ポリカプ
ロラクトンポリオール、ヒマシ油、エチレングリコー
ル、トリメチロールプロパン等の低級ポリオール、或い
はトリメチロールプロパン等にエチレンオキサイド等を
付加したもの等が挙げられる。置換し得る量はポリヒド
ロキシ炭化水素系重合体の0〜49重量%である。この
範囲を越えるとポリヒドロキシ炭化水素系重合体の特徴
である耐加水分解性、耐候性および耐熱性等が劣るため
好ましくない。
【0012】次に本発明で使用されるもう一方の成分
(B)は、1分子中に重合性不飽和基とイソシアネート
基の両方を有する化合物である。ここで重合性不飽和基
とは、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等の
可能なエチレン性不飽和基を意味し、具体的にはスチリ
ル基、α−メチルスチリル基、ビニルエーテル基、ビニ
ルエステル基、(メタ)アクリル基、置換アクリル基、
アリル基等が挙げられる。このような1分子中に重合性
不飽和基とイソシアネート基の両方を有する化合物の具
体例としては、
【0013】
【化1】
【0014】である。また1分子中に重合性不飽和基と
イソシアネート基の両方を有する化合物の別の例として
は、1分子中に重合性不飽和基と水酸基を有する化合物
とジイソシアネート化合物との反応生成物も挙げられ
る。1分子中に重合性不飽和基と水酸基を有する化合物
としては、代表的なものとしては2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレートのようなヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレート類が挙げられ、またジイソシアネート化合物と
しては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等が挙
げられる。ここでは1分子中に重合性不飽和基と水酸基
を有する化合物とジイソシアネート化合物との反応生成
物を例として挙げたが、反応により1分子中に重合性不
飽和基とイソシアネート基の両方を有する化合物を生成
するものであれば良く、これらに限定されるものではな
い。
【0015】次に本発明で使用されるもう一方の成分
(C)は、1分子中に重合性不飽和基と、カルボキシル
基或いは水酸基と反応してエステル結合を生成するカル
ボキシル基から誘導される官能基の両方を有する化合物
である。ここで重合性不飽和基とは、ラジカル重合、ア
ニオン重合、カチオン重合等の可能なエチレン性不飽和
基を意味し、具体的にはスチリル基、α−メチルスチリ
ル基、ビニルエーテル基、ビニルエステル基、(メタ)
アクリル基、置換アクリル基、アリル基等が挙げられ
る。このような1分子中に重合性不飽和基と、カルボキ
シル基或いは水酸基と反応してエステル結合を生成する
カルボキシル基から誘導される官能基の両方を有する化
合物の具体例としては、ビニル安息香酸、(メタ)アク
リル酸等の不飽和カルボン酸類、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル
酸エステル類、(メタ)アクリル酸クロライド、(メ
タ)アクリル酸ブロマイド等の(メタ)アクリル酸ハラ
イド類、無水マレイン酸等の不飽和酸無水物類が挙げら
れる。
【0016】これらの内で好ましいものは、(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸クロライドであ
る。しかして、本発明においては成分(A)と成分
(B)とを(A)の水酸基当量をA、(B)のイソシア
ネート基当量をBとして、A/B=1.5以上の当量比
で反応させる。この当量比が1.5未満だと、成分
(A)中の多官能成分と成分(B)とが反応する割合が
増え、その結果得られる重合性組成物中の多官能成分も
増えるため、これを原料として他の単量体と共重合させ
ようとすると非常にゲル化しやすくなる。
【0017】成分(A)と成分(B)との反応はウレタ
ン生成反応であり、室温〜120℃の温度で、10分〜
24時間程度の時間で好適に行える。反応には必要に応
じ、トルエン等の溶媒を使用しても良いし、またジブチ
ルスズジラウレート等の触媒を使用しても良い。しかし
て、本発明においては成分(A)と成分(C)とを
(A)の水酸基当量をA、(C)のカルボキシル基或い
は水酸基と反応してエステル結合を生成するカルボキシ
ル基から誘導される官能基の当量をCとして、A/C=
1.5以上の当量比で反応させる。この当量比が1.5
未満だと、成分(A)中の多官能成分と成分(C)とが
反応する割合が増え、その結果得られる重合性組成物中
の多官能成分も増えるため、これを原料として他の単量
体と共重合させようとすると非常にゲル化しやすくな
る。
【0018】成分(A)と成分(C)との反応はエステ
ル生成反応であり、(C)が不飽和カルボン酸、(メ
タ)アクリル酸エステル類ないし不飽和酸無水物の場
合、鉱酸、パラトルエンスルホン酸等の酸触媒、或いは
チタンアルコキサイド、酢酸亜鉛、酸化アンチモン等の
金属触媒を用い、必要に応じ脱離成分を除去しながら、
室温〜200℃の温度で、30分〜24時間程度の時間
で好適に行える。また(C)が(メタ)アクリル酸ハラ
イドの場合、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基を用
いるか、不活性ガス気流を流すことにより生成する酸ハ
ライドを除去しながら、室温〜150℃の温度で、30
分〜24時間程度の時間で好適に行える。これらの反応
は、必要に応じトルエン等の溶媒を使用しても良い。
【0019】本発明で用いられるビニル単量体は、従来
公知のラジカル重合性モノマーである。好ましいビニル
モノマーとしては4級アンモニウム塩、金属塩等を含有
するイオン性残基、ピロリドンないしは重合度1〜20
0のポリエチレンオキシドからなるノニオン性親水基、
炭素数4〜20のパーフルオロアルキル基、重合度1〜
200のポリシロキサン、加水分解性シリル基、ベンゾ
トリアゾール、ヒンダードアミン、ベンゾフェノン、ヒ
ンダードフェノール、リン酸エステル、芳香族スルホニ
ル、芳香族イミン、芳香族窒素、芳香族ハロゲン等特性
基を有するビニルモノマーが挙げられる。
【0020】具体例をあげれば、イオン性の基を有する
単量体としては、カチオン性基を有するジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジイソプロピルアミノ(メタ)アク
リレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジ
エチルアミノビニルサルファイド、ジエチルアミノエチ
ルビニルエーテル、ビニルベンジル−N,N′−ジメチ
ルアミン、ビニルピリジン、ビニルキノリン等の含窒素
モノマーの4級化物などがある。この4級化は、公知の
手法により、第3級アミノ基に、塩化水素、臭化水素、
硫酸等の無機酸やベンジルクロライド、ベンジルブロマ
イド、メチルクロライド、メチルブロマイド等の4級化
剤を作用させて行うことができる。4級化の工程は、共
重合の前のモノマーの段階、ないしは、共重合後、いず
れの段階においておこなってもよい。また、アニオン性
基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、α
−クロル(メタ)アクリル酸、ビニルスルホン酸、スル
ホン化スチレン、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸、スルホメチル(メタ)アクリレート、
2−スルホエチル(メタ)アクリレート、3−スルホエ
チル(メタ)アクリレート、3−スルホプロピル(メ
タ)アクリレート、アリルスルホン酸、1−フェニルビ
ニルスルホン酸、アシッドホスホオキシエチル(メタ)
アクリレート、3−クロロ−2−アミドホスホオキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプ
ロピル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基、スル
ホン酸基、リン酸基を有するビニル系単量体あるいは、
これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、ないしは、
ジメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールア
ミン等の有機アミン、テトラブチルホスホニウム塩であ
る。これらの内、金属塩ないしは有機塩を使用する場合
は、相当するモノマーを直接重合に用いても、また有機
酸モノマーの段階で重合した後、中和をおこなってもよ
い。
【0021】これらの単量体を用いて合成される本発明
の共重合体はいずれも、樹脂に塗布ないしは混合するこ
とにより、帯電防止性が期待できるが、好ましくは、4
級アンモニウム塩を含有する単量体より合成される共重
合体である。また、ノニオン性の親水性基を有する単量
体としては、N−ビニルピロリドン、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、下記一般式〔VII〕で表されるエチレン
グリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0022】
【化2】 R1 −O−(CH2 CH2 −O−)n CO−CH(R4 )=CH2 [VII]
【0023】R1 は、炭素数1〜20のアルキル基、R
4 は、水素またはメチル基、nは1〜200の整数を表
す。これらの単量体から合成される本発明の共重合体
は、樹脂に塗布ないしは混練することにより、親水性を
付与することが期待される。
【0024】また、パーフルオロアルキル基を有する単
量体としては、下記のような構造が挙げられる。
【化3】CF3 (CF2 4 CH2 OCOC(CH3
=CH2 ,CF3 (CF2 6 (CH2 2 OCOC
(CH3 )=CH2 ,(CF3 2 CF(CF2
5 (CH2 2 OCOCH=CH2 ,CF3 (CF2
7 (CH2 7 (CH2 4 OCOCH=CH2 ,CF
3 (CF2 4 CH2 CH2 OCONHCH2 CH2
COC(CH3 )=CH2 ,CF3 (CF2 7 SO2
N(C3 7 )(CH2 2 OCOCH=CH2 ,CF
3 (CF2 7 SO2 N(C3 7 )(CH2 2 OC
OC(CH3 )=CH2 ,CF3 (CF2 7 CONH
(CH2 2 OCOCH=CH2 ,CF3 (CF2 7
CONH(CH2 2 OCOC(CH3 )=CH2 ,H
(CF2 10CH2 OCOCH=CH2 ,CF2 Cl
(CF2 10CH2 OCOCH=CH2等のポリフルオ
ロアルキル基含有(メタ)アクリレート,CF3 (CF
2 8 CH2 CH2 OCH2 CH2 OCH=CH2
(CF3 2 CF(CF7 )CH2 CH2 OCH=CH
2 ,(CF3 2 CF(CF2 7 CH2 CH2 OCH
2 CH2 OCH=CH2 ,CF3 (CF2 5 CH2
2 OCH=CH2 ,H(CF2 10CH2 CH2 OC
H=CH2等のポリフルオロアルキル基含有ビニルエー
テル
【0025】
【化4】
【0026】のようなパーフルオロアルキル基置換(α
−メチル)スチレン、また、CHF=CF2 ,CHCl
=CFCl,CHF=CF2 ,CF2 =C(C
3 2 ,CF3 CH=CH2 ,C3 7 CH=CH2
等の含フッ素ビニルモノマーも使用できる。
【0027】シロキサン結合を有する単量体としては、
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】などを挙げることができる。これら、含フ
ッ素、含シロキサン単量体から合成される本発明の共重
合体は、いずれも樹脂に混練ないしは塗布することによ
り、基材に撥水性を付与することが期待されるが、特に
好ましいのは、下記のパーフルオロ(メタ)アクリレー
トないしはシロキサン(メタ)アクリレートである。
【0033】
【化9】
【0034】また、加水分解性シリル基を有する単量体
としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルジ
エトキシメチルシラン、ビニルトリアセトキシシラン、
ビニルメチルジアセトキシシラン、3−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロ
ピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。これら
の単量体から合成される本発明の共重合体はいずれも、
樹脂に混練することにより、無機充填剤の分散性を高
め、また、金属などへの接着性を改良しうることが期待
されるが、好ましくは、3−メタクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシランおよび3−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシランである。
【0035】ベンゾトリアゾール、ヒンダードアミン、
ベンゾフェノンを有する単量体の例としては、それぞれ
以下のごとき構造が挙げられる。
【0036】
【化10】
【0037】これらの単量体から合成される本発明の共
重合体は、いずれも紫外線吸収能を有し、樹脂に添加さ
れた場合、一般の低分子量の添加剤と異なり、ブリード
アウトのおそれがなく、長期間その性能を維持する。ま
た、ヒンダードフェノール、リン酸エステル、芳香族ス
ルホニル、芳香族イミンを含有する単量体としては、以
下のような構造を挙げることができる。
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】
【化13】
【0041】これらの単量体から合成される本発明の共
重合体は、いずれも、抗酸化性を有し、樹脂に添加され
た場合、一般の低分子量の添加剤と異なり、ブリードア
ウトのおそれがなく、長期間その性能を維持する。さら
に、芳香族窒素含有ないしは芳香族ハロゲン含有単量体
としては、以下のような構造を挙げることができる。
【0042】
【化14】
【0043】
【化15】
【0044】
【化16】
【0045】これらの単量体から合成される本発明の共
重合体は、抗菌性を有し、樹脂に添加ないしは塗布する
ことにより基材へのカビの発生を長期にわたって抑制す
るなどの効果が期待できる。重合性反応物とビニル系単
量体との共重合は、通常のラジカル重合法で容易に行う
ことができる。すなわち、重合性反応物とビニル系単量
体に、アゾ化合物ないしは、過酸化物等のラジカル重合
開始剤を通常、0.1〜10重量%添加し、0℃〜20
0℃の温度で1時間〜24時間で好適に行うことができ
る。
【0046】なおここで、重合度を調節するために、ア
ルキルメルカプタン等の連鎖移動剤を添加してもよい。
重合法としては、ラジカル重合で通常採用される、塊状
重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等のいずれを用い
てもよい。なおここで、重合性反応物とビニル系単量体
の比率は、重量比で1対99ないしは99対1、好まし
くは、5対95ないし95対5の範囲とする。ビニル系
単量体の比率が、1より小さくなると、帯電防止性など
のビニル系単量体固有の期待しうる性能が発現しにくく
なる。また、重合性反応物の比率が1より小さいと、他
の樹脂と混合する際、親和性が悪くなり、均一に分散で
きないばかりでなく、期待しうる性能を発現するために
は、より多量の共重合体を添加せざるをえなくなるた
め、好ましくない。
【0047】また、本発明の共重合体において、前述の
重合性反応物とビニル系単量体の一部を他の単量体で置
き換えることができる。他の単量体の例としては、スチ
レン、酢酸ビニル、炭素数1〜20のアルコールより誘
導される(メタ)アクリル酸エステル等をあげることが
できる。置換しうる量としては、全体の50重量%以
下、好ましくは40重量%以下である。この比率が50
重量%を越えると、本発明の共重合体の特徴であるとこ
ろの種々の機能及び他の樹脂への相溶性が損なわれるた
め好ましくない。
【0048】本発明組成物におけるオレフィン系重合体
とは具体的には、例えば次のようなものをいう。エチレ
ン、プロピレン、ブテン、4−メチルペンテン−1など
で代表されるα−オレフィンの重合体、共重合体であっ
て比較的低分子量のポリマーから高分子量のポリマーま
で含まれる。その密度は0.86程度の低密度品から
0.97程度の高密度品まで含まれ、また、実質上無定
形のものから高度結晶性のものに至るまで含まれる。
【0049】ポリエチレンを例にとっていえば、高圧法
によって製造される長鎖分岐の多い低密度ホモポリマ
ー、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル
酸、アクリレート、メタクリレート等との共重合体、低
圧法によって製造される高密度ポリエチレン又はエチレ
ンと他のオレフィンとの共重合体及び中圧法による高密
度ポリエチレン又はエチレンと他のオレフィンとの共重
合体などが挙げられる。
【0050】ポリプロピレンについていえば、立体規則
性を有するポリプロピレン即ちアイソタクチックポリプ
ロピレン、シンジオタクチックポリプロピレンで結晶性
の高いものや、アタクチックポリプロピレンで結晶性の
低いものまで含まれる。プロピレンより高級なオレフィ
ンのポリマーとしてはブテン−1のポリマーがあり、こ
れについても立体規則性の高い結晶性ポリマーから非結
晶性のポリマーに至るまで含まれる。更に高級オレフィ
ンのポリマーとしてはポリ4−メチルペンテン−1など
がある。その他、α−オレフィンの種類に制限なく、各
種のオレフィンポリマーが用いられる。
【0051】また、エチレンとプロピレン、エチレンと
ブテン−1、エチレンとヘキセン−1の共重合体も用い
られ、この場合、ランダム共重合体、ブロック共重合体
何れでもよく、例えばエチレンとプロピレンとをチグラ
ー系触媒の存在下、重合して得られるエチレン−プロピ
レンゴム、場合によっては更に不飽和成分としてジシク
ロペンタジエン、エチリデンノルボーネン、又は1,4
−ヘキサジエンなどを加えた三元共重合体(EPDM
等)も含まれる。
【0052】さらに、これらの混合物、アロイ等を用い
ることも出来る。重合性反応物とビニル系単量体を共重
合して得られる共重合体をオレフィン系重合体に配合す
るには、次のようにして行うことができる。混合装置と
しては、ブラベンダーブラストグラフ、押出機、強力ス
クリュー型混練機、ロールなど従来知られている混練機
は如何なるものでも使用できる。温度は原料の種類にも
よるが、例えば高密度ポリエチレンの場合は150〜2
50℃で行うことができる。混合比率は後述する本発明
組成物の特性を有効に発揮する割合で選択されるが、通
常ポリオレフィン100重量部に対し、0.1〜30重
量部、好ましくは0.5〜15重量部の範囲内から選ば
れる。
【0053】以上、本発明組成物の構成要件につき好ま
しい例をもって説明したが、本発明組成物においては従
来一般的に用いられる着色剤、安定剤、その他の添加
物、充填剤を更に配合してもよいことはいうまでもな
い。充填剤としては、砂、石英などの天然シリカ、湿式
法、乾式法で製造した合成シリカ、カオリン、マイカ、
タルク、クレー、石綿などの天然珪酸塩、珪酸カルシウ
ム、珪酸アルミニウムなどの合成珪酸塩、アルミナ、チ
タニアなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、その他アルミニウム、ブロンズなどの金属粉、カ
ーボンブラック等を使用することができる。
【0054】以上のようにして得られた本発明組成物
は、これをフイルム状、シート状、プレート状その他の
形状に成型するとき、接着性、塗膜密着性、印刷性が極
めて良好である。
【0055】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの例に
よって限定されるものではない。尚、以下の実施例にお
いて、T剥離強度は、接着シートから25mm幅の短冊
型サンプルを切り出し、これを東洋ボールドウィン社製
テンシロンUTM−III−100型引張試験機を用い
て23℃、60%RHの条件下、引張速度50mm/分
の条件で測定した。また以下の実施例において、数平均
分子量とはGPC法ポリスチレン換算の値を言う。
【0056】参考例(A) 窒素導入口を備えたフラスコに、ポリヒドロキシ炭化水
素系重合体としてポリテールHA(三菱化成(株)製、
数平均分子量2000、水酸基当量0.934meq/
g,ヨウ素価3.8,ポリテールは登録商標)457
g,タケネートTMI(武田薬品工業(株)製、m−イ
ソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネー
ト、イソシアネート基当量4.845meq/g,タケ
ネートは商標)43g(水酸基当量/イソシアネート基
当量=2/1)、スズ触媒(三菱化成ダウ(株)製、U
L−22)0.015gを仕込み、フラスコ内を窒素置
換した後窒素シールとし、60℃で6時間反応させ生成
物を得た。反応が完結したことはIRにより2250c
-1付近のイソシアネート基の吸収が消失したことで確
認した。また同じくIRにより、1620cm-1に炭素
−炭素二重結合の吸収が観測され、重合性不飽和基が導
入されたことも確認した。生成物の数平均分子量は23
00であった。
【0057】参考例(B) ポリテールHAを466g,タケネートTMIの代わり
にメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOE
Iと略、国産化学(株)製、イソシアネート基当量6.
445meq/g)34g(水酸基当量/イソシアネー
ト基当量=2/1)、とした以外参考例(A)と同様に
行い、生成物を得た。反応の完結と重合性不飽和基の導
入の確認も参考例(A)と同様にして行った。生成物の
数平均分子量は2400であった。
【0058】参考例(C) ポリテールHAを470g,タケネートTMIを30g
(水酸基当量/イソシアネート基当量=3/1)とした
以外参考例(A)と同様に行い、生成物を得た。反応の
完結と重合性不飽和基の導入の確認も参考例(A)と同
様にして行った。生成物の数平均分子量は2200であ
った。
【0059】 参考例(D) 攪拌翼、還流冷却器、ガス導入口を備えたフラスコに参
考例(A)で得た重合性反応物50g,2−ヒドロキシ
エチルアクリレート150g,及びα,α−アゾビスイ
ソブチロニトリル(AIBN)2gを仕込み、さらに溶
媒としてテトラヒドロフラン600gを加え、均一溶液
とした後、窒素気流下で、60℃で24時間共重合し
た。重合後、反応液をメタノール中に投入し、生成物を
析出させ、メタノールで十分洗浄し、乾燥した。収率は
約98%であった。またGPCによるポリスチレン換算
数平均分子量は32,000であった。
【0060】参考例(E) 参考例(D)で用いたフラスコに参考例(A)で得た重
合性反応物10g,メタアクロイルオキシエチルトリメ
チルアンモニウムクロライド10g、及びAIBN0.
2gを仕込み、さらに溶媒としてトルエン20gとイソ
プロピルアルコール20gを仕込み、窒素気流下で、7
0℃で7時間、さらに95℃で2時間重合した。重合
後、反応液をメタノール中に投入し、生成物を析出さ
せ、メタノールで十分洗浄し、乾燥した。収率は約95
%であった。
【0061】参考例(F) 参考例(D)で用いたフラスコに参考例(A)で得た重
合性反応物5g,2−パーフルオロオクチルエチルアク
リレート5g、AIBN0.03g及びトルエン7gを
仕込み、均一溶液とした後、窒素気流下で、70℃で8
時間重合した。重合後、参考例(D)と同様に後処理を
行い生成物を得た。収率はほぼ100%であった。また
GPCによるポリスチレン換算数平均分子量は23,0
00であった。
【0062】参考例(G) 参考例(D)で用いたフラスコに参考例(A)で合成し
た重合性反応物15g,N−ビニルピロリドン15g,
2−ヒドロキシエチルアクリレート15g、AIBN
0.05g及びトルエン30gを仕込み、均一溶液とし
た後、窒素気流下で70℃で8時間重合した。重合後、
参考例(D)と同様に後処理を行い生成物を得た。
【0063】参考例(H) 参考例(D)で用いたフラスコに参考例(A)で合成し
た重合性反応物10g,3−メタクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン10g,メチルメタクリレート1
0g、AIBN0.1g及びトルエン20gを仕込み、
均一溶液とした後、窒素気流下で70℃で8時間重合し
た。重合後、参考例(D)と同様に後処理を行い生成物
を得た。収率は89%であった。またGPCによるポリ
スチレン換算数平均分子量は180,000であった。
重合溶液の一部をポリエチレンシート上に塗布して風乾
した後室温で1週間放置したところ密着性にすぐれた強
靱な塗膜が得られた。
【0064】参考例(I) 参考例(D)で用いたフラスコに参考例(B)で得た重
合性組成物10g,4−メタクリロイルオキシエチル−
2−ヒドロキシベンゾフェノン10g、AIBN0.2
g及びテトラハイドロフラン20gを仕込み、窒素気流
下で70℃で8時間重合した。重合後、参考例(D)と
同様に後処理を行い生成物を得た。収率は98%であっ
た。GPCによるポリスチレン換算数平均分子量は3
5,000であった。
【0065】参考例(J) 参考例(D)で用いたフラスコに参考例(C)で得た重
合性組成物100g,2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート100g、AIBN2g及びテトラヒドロフラン6
00gに溶解し、60℃で24時間重合した。重合後、
参考例(D)と同様にして後処理を行い生成物を得た。
収率は96%であった。GPCによるポリスチレン換算
数平均分子量は19,000であった。
【0066】参考例(L) 還流冷却器を備えたフラスコに、ポリヒドロキシ炭化水
素系重合体としてポリテールHA(三菱化成(株)製、
数平均分子量2000、水酸基当量0.934meq/
g,ヨウ素価3.8)481g,アクリル酸メチル19
g(水酸基当量/エステル基当量=2/1)、パラトル
エンスルホン酸1.5g、トルエン500gを仕込み、
生成するメタノールを排出させながら、80℃で8時間
反応させた。反応が完結したことはメタノールの流出が
止まったことで確認した。フラスコの内容を大量のアセ
トン中に投入し、生成物中に含まれるパラトルエンスル
ホン酸を除去し、さらに50℃で1時間減圧乾燥し、生
成物を得た。IRにより、1740cm-1にエステル結
合の吸収、1620cm-1に炭素−炭素二重結合の吸収
が観測され、重合性不飽和基が導入されたことを確認し
た。生成物の数平均分子量は2300であった。
【0067】この重合性組成物50g、メタクリル酸2
−ヒドロキシエチル150g、α,α−アゾビスイソブ
チロニトリル2gをテトラヒドロフラン600gに溶解
し、60℃で24時間共重合させたところ、数平均分子
量21000のポリマーが得られた。
【0068】参考例(M) ポリテールHAを487g,アクリル酸メチルを13g
(水酸基当量/エステル基当量=3/1)とした以外参
考例(L)と同様に行い、生成物を得た。生成物の数平
均分子量は2200であった。この重合性組成物を用い
参考例(L)と同様にメタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ルと共重合させたところ、数平均分子量15000のポ
リマーが得られた。
【0069】<実施例1>参考例(D)で得られたポリ
マーとEPDMとから得られるオレフィン系重合体組成
物の接着性改善検討を行った。次の配合物をブラベンダ
ーを用いて100℃で10分間混練した後、150℃で
40分間プレス加硫し、EPDMシートを作成した。
(括弧内は重量部)EP57C(日本合成ゴム(株)
製)(100)/酸化亜鉛(5)/ステアリン酸(1)
/カーボンブラックFEE(50)/ナフテンオイル
(50)/加硫促進剤CBS(1.6)/加硫促進剤D
PG(0.8)/加硫促進剤TMTD(0.5)/イオ
ウ(2)/参考例(D)で得られたポリマー(2)
【0070】上記EPDMシート同士をポリテールH
(三菱化成(株)製、ポリヒドロキシ炭化水素系重合
体、水酸基当量0.848meq/g)74部、Iso
nate143L(三菱化成ダウ(株)製、ポリイソシ
アネート、イソシアネート基当量6.92meq/g、
Isonateは商標)10部から成る接着剤で貼り合
わせ、120℃で1時間硬化させた。この接着シートの
T剥離強度を測定したところ、8.2kgf/25mm
であり剥離の状況は基材破壊であった。なお参考例
(D)で得られたポリマーを配合せずに同様に行うと、
T剥離強度は6.7kgf/25mmであり剥離の状況
は界面剥離であり、参考例(D)で得られたポリマーを
配合したEPDMの接着性改質効果が確認された。
【0071】<実施例2>参考例(M)で得られたポリ
マーとEPDMとから得られるオレフィン系重合体組成
物の接着性改善検討を行った。次の配合物をブラベンダ
ーを用いて100℃で10分間混練した後、150℃で
40分間プレス加硫し、EPDMシートを作成した。
(括弧内は重量部)EP57C(日本合成ゴム(株)
製)(100)/酸化亜鉛(5)/ステアリン酸(1)
/カーボンブラックFEE(50)/ナフテンオイル
(50)/加硫促進剤CBS(1.6)/加硫促進剤D
PG(0.8)/加硫促進剤TMTD(0.5)/イオ
ウ(2)/参考例2(M)で得られたポリマー(2)
【0072】上記EPDMシート同士をポリテールH
(三菱化成(株)製、ポリヒドロキシ炭化水素系重合
体、水酸基当量0.848meq/g)74部、Iso
nate143L(三菱化成ダウ(株)製、ポリイソシ
アネート、イソシアネート基当量6.92meq/g)
10部から成る接着剤で貼り合わせ、120℃で1時間
硬化させた。この接着シートのT剥離強度を測定したと
ころ、8.3kgf/25mmであり剥離の状況は基材
破壊であった。なお参考例(M)で得られたポリマーを
配合せずに同様に行うと、T剥離強度は6.7kgf/
25mmであり剥離の状況は界面剥離であり、参考例
(M)で得られたポリマーを配合したEPDMの接着性
改質効果が確認された。
【0073】<実施例3>参考例(G)で得られた共重
合体3部とエチレン含量9重量%のプロピレン−エチレ
ンブロック共重合体60部及びEPDM40部とをブラ
ベンダーを用いて200℃で4分間混練した後200℃
で熱プレスシートを作成した。これを実施例1と同様に
して接着性テストを行ったところT剥離強度は7.9k
gf/25mmであり基材破壊であった。一方参考例
(G)で得られた共重合体を配合せずに同様に行うと、
T剥離強度は2.3kgf/25mmであり界面剥離で
あった。
【0074】<実施例4>参考例(E)で得られた共重
合体20部と非晶性ポリエチレン共重合体(三井石油化
学社製、タフマーA4085:タフマーは商標)80部
をキシレンに80℃で加熱溶解し、5重量%の溶液とし
た。この溶液をポリエチレンシート上に流延し75℃で
8時間熱風乾燥機で乾燥しポリエチレンシート上に塗膜
を形成した。この塗膜の表面抵抗値を測定したところ
7.5×108 Ω/口であり、帯電防止性に優れたもの
であった。一方参考例(E)で得られた共重合体を配合
せずに同様に行うと、表面抵抗値は1016Ω/口台であ
り、全く帯電防止性はなかった。
【0075】<実施例5>参考例(F)で得られた共重
合体1部と高圧法ポリエチレン99部をブラベンダーで
200℃4分混練した後、200℃で熱プレスしてポリ
エチレンシートを作成した。このシートの水に対する接
触角を測定したところ120度であり、テフロンと同等
の値が得られ高い撥水性を示した。一方、参考例(F)
で得られた共重合体を配合せずに同様に行うと100度
であった。
【0076】<実施例6>参考例(H)で得られた共重
合体10部と高圧法ポリエチレン90部をブラベンダー
で200℃4分混練した後、200℃で熱プレスしてポ
リエチレンシートを作成した。このシートを煮沸水に4
時間浸漬した後、風乾した。この乾燥シート150℃の
オーブン中に入れても変形しなかった。一方、参考例
(H)で得られた共重合体を配合せずに同様に行ったと
ころ、シートは150℃オーブン中でシートの形をとど
めないまでに変形してしまった。
【0077】<実施例7>参考例(D)で得られた共重
合体の代わりに、参考例(J)で得られた共重合体を用
いる以外は実施例1と全く同様にして実施したところT
剥離強度は7.8kgf/25mmであり基材破壊であ
った。
【0078】<実施例8>参考例(I)で得られた共重
合体10gを非晶性ポリエチレン共重合体(三井石油化
学社製、タフマーA4085、タフマーは商標)90部
をキシレンに80℃で加熱溶解し、5重量%の溶液とし
た。この溶液をガラス板上に流延し75℃で8時間熱風
乾燥機で乾燥した後皮膜を剥離した。このフイルムの紫
外線吸収スペクトルを測定したところほぼ360nm以
下の波長をカットしていた。一方参考例(J)で得られ
た共重合体を配合しないで同様にして行うと、300n
m以下の波長しかカットできていなかった。
【0079】
【発明の効果】本発明の方法により得られるオレフィン
系重合体組成物は、プライマー塗布やプラズマ処理を行
なわなくても接着性、塗布密着性、印刷性が大幅に改良
されており、フイルム、シート、プレートなどに有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08F 299/04 C08F 8/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系重合体に、数平均分子量が
    500〜20000のポリヒドロキシ炭化水素系重合体
    (A)の水酸基当量をA、1分子中に重合性不飽和基と
    イソシアネート基の両方を有する化合物(B)のイソシ
    アネート基当量をBとして、A/Bが1.5以上となる
    条件で(A)と(B)を反応させて得られる重合性組成
    物とビニル系単量体とを共重合して得られる共重合体組
    成物を、オレフィン系重合体100重量部に対し0.1
    〜30重量部の範囲で配合してなることを特徴とする、
    オレフィン系重合体組成物。
  2. 【請求項2】 オレフィン系重合体に、数平均分子量が
    500〜20000のポリヒドロキシ炭化水素系重合体
    (A)の水酸基当量をA、1分子中に重合性不飽和基と
    カルボキシル基若しくはカルボキシル基から誘導される
    官能基の両方を有する化合物(C)のカルボキシル基若
    しくはカルボキシル基から誘導される官能基の当量をC
    として、A/Cが1.5以上となる条件で(A)と
    (C)を反応させて得られる重合性組成物とビニル系単
    量体とを共重合して得られる共重合体組成物を、オレフ
    ィン系重合体100重量部に対し0.1〜30重量部の
    範囲で配合してなることを特徴とする、オレフィン系重
    合体組成物。
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