JP3423212B2

JP3423212B2 - 洗濯機の排水装置

Info

Publication number: JP3423212B2
Application number: JP08066198A
Authority: JP
Inventors: 敦福島; 昌宏佐藤
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 1998-03-27
Filing date: 1998-03-27
Publication date: 2003-07-07
Anticipated expiration: 2018-03-27
Also published as: JPH11276791A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ドラム式乾燥洗濯
機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】水平軸を中心に回転する横型のドラム式
洗濯機は、従来より、数多く提案されており、また、欧
州において使用されている洗濯機は、この種のドラム式
洗濯機がほとんどである。この形式の洗濯機は一般に回
転ドラムを低速で連続回転して洗濯作業を行うが、この
回転ドラムを用いて脱水、乾燥までも容易に行えるよう
になっている。

【０００３】従来の循環ポンプを有するドラム式洗濯機
は、特開平９−１７３６８９号公報，特開平９−２１５
８９３号公報に開示されており、その概要を以下、図５
に示す概略縦断正面図、および、図６に示す概略縦断側
面図にしたがって説明する。

【０００４】図５及び図６に示すドラム式乾燥洗濯機
は、洗濯機本体１の内側上端に防振機構２８により懸架
された水槽４と、この水槽４の内側で水平軸Ｏ−Ｏを中
心に回転するように配されたドラム２との二重構造とな
っている。図６の２１は、操作・表示部分であり、この
裏側に制御装置２２が取り付けられている。水槽４は、
洗濯液や脱水液を貯え、かつ、排出する機能を有してい
る。また、乾燥時の温風を熱交換器８へと導くための排
気ダクト１９を接続するための排気口を有している。ド
ラム２はその周壁全体に洗濯時の給水、脱水時の排水、
および、乾燥時の温風を通過させるために多数の小孔が
設けられている。水槽４の上部には水槽４内の空気を循
環させるための送風ファン２０、ヒータ２９、該ヒータ
２９を収納するとともに空気の循環経路となるヒータダ
クト３０からなる乾燥ユニット１４が設けられている。

【０００５】洗濯機本体１の正面には洗濯物を出し入れ
するためのドア２４が設けられており、このドア２４は
水槽４との間のドアパッキン２６により密閉する構造と
なっている。１７はドラム２を回転させるための駆動モ
ータであり、１２は洗濯液等を洗濯機外に排出するため
の排水弁である。２７は水槽４と排水弁１２の間の配管
経路に設けられた糸屑フィルタである。乾燥工程時に
は、空気はヒータ２９で温められて、送風ファン２０で
ドラム２内に送り込まれ、洗濯物の湿気を除去する。次
いで、そこから、水槽４の排気口から排気ダクト１９を
通過し、水槽４側面に位置する熱交換器８で冷水と接触
するときの熱交換によって、湿気が凝縮される。冷却さ
れた乾燥空気は再び送風ファン２０に送られて、ヒータ
２９で再加熱されてドラム２に再循環される。

【０００６】以上のような構成の中で、洗濯やすすぎ工
程中には、循環ポンプ１１を作動させて水槽４内の洗濯
液を排水ダクト９及びフィルタケース１０、フィルタ２
７、循環ポンプ１１、循環パイプ１１１を経て水槽４内
へ循環させる。脱水や排水工程の排水時は循環ポンプ１
１を停止させ、排水弁１２を開とすることにより、水槽
４内の洗剤液を排水ダクト９、排水弁１２、排水経路１
３より洗濯機の外部へ自然放出している。また、高所へ
排水するために、循環用ポンプ１１とは別に排水専用の
ポンプを具備し、この排水専用ポンプにて高所へ強制排
水させているドラム式洗濯機もある。

【０００７】更には、図７に示すように、上部を開口し
中央底部に洗濯物を撹拌するパルセータ９０を有する洗
濯兼脱水槽２、その洗濯兼脱水槽２の周囲に水を受ける
水槽４、この水槽４の底裏面にモータ１７や排水弁１２
などを有し、この水槽４を弾性体９２にて洗濯機本体１
に係止した全自動洗濯機では、特開平９−１２２３８０
号公報に記載されているように、送水切替え手段９１を
具備し、水槽４内の水を１個のポンプ１１で洗濯兼脱水
槽２へ循環するための循環パイプ１１１と排水弁１２
へ、該切替え手段９１により適時切り替え実行するよう
にしている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ドラム式洗濯機において、自然排水式のものにあっては
排水に多くの時間を要し、また、１個のポンプの出力を
切替え弁にて切り替えて水槽への循環と排水とをさせる
ものにあっては、この切替え手段に糸屑や洗剤が蓄積す
ると言う欠点があると共に、コスト高となっていた。

【０００９】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、洗濯
槽兼脱水ドラムと、該ドラムを内包する水槽と、該水槽
内の水を排水する排水手段と、前記水槽と接続されたポ
ンプと、洗い又はすすぎ時に前記水槽内の水を該水槽に
戻して循環させるための循環経路と、洗い・すすぎ・脱
水工程を自動運転させる制御手段とを備え、前記ポンプ
の吐出側を分岐し、一方を上記循環経路を経て水槽内に
接続すると共に、他方を排水弁を介して排水経路に接続
し、洗い・すすぎ運転時には前記ポンプを駆動して水槽
内の水の循環を行い、排水運転時には前記ポンプを駆動
して排水を行うようにしてなる洗濯機の排水装置におい
て、前記水槽内の水位を検出する水位検知手段を有し、
脱水や排水などの排水工程において、自然排水開始後、
前記水槽内の水位が前記ポンプが前記水槽内の水を該水
槽に循環できない水位に達したことを前記水位検知手段
によって検知し、検知後に前記ポンプの運転を開始する
ことを特徴としたものである。

【００１０】請求項２の発明は、洗濯槽兼脱水ドラム
と、該ドラムを内包する水槽と、該水槽内の水を排水す
る排水手段と、前記水槽と接続されたポンプと、洗い又
はすすぎ時に前記水槽内の水を該水槽に戻して循環させ
るための循環経路と、洗い・すすぎ・脱水工程を自動運
転させる制御手段とを備え、前記ポンプの吐出側を分岐
し、一方を上記循環経路を経て水槽内に接続すると共
に、他方を排水弁を介して排水経路に接続し、洗い・す
すぎ運転時には前記ポンプを駆動して水槽内の水の循環
を行い、排水運転時には前記ポンプを駆動して排水を行
うようにしてなる洗濯機の排水装置において、脱水や排
水などの排水工程において、自然排水開始から前記ポン
プが前記水槽内の水を該水槽内に循環できない水位にな
る時間が経過した後に前記ポンプの運転を開始するよう
にしたことを特徴としたものである。

【００１１】請求項３の発明は、請求項１又は２の発明
において、吐出口を２個有し、インペラの回転方向によ
り択一的に吐出するポンプを具備し、一方の吐出口を上
記循環経路を経て水槽内に開通接続すると共に、他方の
吐出口を排水弁に接続した排水経路を有し、２個の吐出
口への吐出を択一的に実行する制御手段を有したことを
特徴としたものである。

【００１２】請求項４の発明は、請求項１又は２の発明
において、前記ポンプが配設されたポンプケーシングの
排水弁に連通する吐出口を該ポンプケーシングの最下面
以下に配し、その吐出口が前記排水弁より高く位置して
なることを特徴としたものである。

【００１３】

【００１４】請求項５の発明は、請求項１又は２の発明
において、排水時のポンプ作動開始に基づいて水槽内の
水位変化有無を検知する水位変化有無検知手段を有し、
水位変化無しと検知したとき前記ポンプを停止させる制
御手段を有することを特徴としたものである。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例をドラム式
洗濯機を例として図面に基づいて説明する。本実施例に
おけるドラム式洗濯機の基本構成は、図５及び図６に示
したような従来のドラム式洗濯機とほぼ類似したものと
なっている。以下、主要な部分および発明にかかわる部
分を中心に説明を行う。

【００１６】図１は、本発明によるドラム式乾燥洗濯機
の内部構造を示す概略縦断側面図で、以下、図１と前述
の図５に基づき、本発明によるドラム式洗濯機の構造の
説明をする。図１，図５において、１は洗濯機本体、２
は回転ドラム、３は撹拌バッフル、４は水槽、５は給水
ホース、６は洗濯用給水弁、７は乾燥用給水弁、８は冷
却ダクト、９は排水ダクト、１０はフィルタケース、１
１は循環ポンプ、１２は排水弁、１３は排水ホース、１
４は乾燥ユニット、１５は回転軸、１６はドラムプー
リ、１７はモータ、１８はベルト、１９は排気ダクト、
２０は送風ファン、２１は操作パネル、２２は制御装
置、２３は給水口、２４はドア、２５は水位センサー、
２６はドアパッキン、２７はフィルタ、２８は防振機
構、２９は乾燥ヒータ、３０は送風ダクト、６１は給水
管である。

【００１７】洗濯機本体１内にほぼ円柱形状の回転ドラ
ム２と水槽４とが設けられており、回転ドラム２にはほ
ぼ水平方向に沿って回転軸１５が配設される。回転軸１
５に沿った方向の一端部（回転軸１５は反対側端部）に
ドア２４が配設されており、このドア２４を開口して洗
濯物の投入を行う。２６はドアパッキンであり、ゴムな
どの弾性体からなるシール材として内嵌されている。従
って、ドア２４が閉じたときには、ドア２４の周縁部と
投入口内周縁部とで前記シール材が挟圧されて、洗濯機
本体１、および、水槽４の水密が保持されるようになっ
ている。なお、振動吸収のため、水槽４は洗濯機本体１
の上部から防振機構２８により弾性支持されており、こ
れにより水槽４の振動を減衰させるようにしている。

【００１８】回転ドラム２は、洗濯物を収容して回転す
るものであって、回転ドラム２内には、中心軸に向けて
突出する山脈状に撹拌バッフル３が形成される。水槽４
は前記回転ドラム２を囲んで設けられ、洗濯水（洗剤を
含む水、すすぎ水も含む）をためるものである。この洗
濯水は、水道につながる高圧ホース５を通り、洗濯用給
水弁６を開閉制御することによって、洗剤ケース６２に
給水口２３より給水し、洗剤ケース６２内の洗剤と混流
し、給水管６１を通り水槽４の最下面より下方に設けら
れたフィルタケース１０を介して排水ダクト９を通り、
水槽４内に供給される。また、前記給水弁７内部には、
乾燥・除湿用の冷却水を冷却ダクト８内にシャワー状に
浴びせられるように冷却ダクト８内に水道水を送る切り
替え機構も兼ね備えている。

【００１９】水槽４の底部には水槽４内の洗濯水を排出
する排水ダクト９が設けられ、この排水ダクト９は、排
水された洗濯水に含まれる糸屑やゴミ等の挟雑物を除去
するフィルタケース１０につながり、フィルタ２７によ
り糸屑やゴミ等が除去される。フィルタケース１０は、
洗濯水を水槽４内に循環させる循環ポンプ１１と水槽４
内の洗濯水を洗濯機外部に排水するための排水ダクト９
と、給水口２３と接続した給水管６１がつながってい
る。

【００２０】水槽４内にためられた洗濯水を循環させる
ときには、水槽４内の洗濯水は排水ダクト９からフィル
タケース１０内のフィルタ２７を通り、挟雑物が除去さ
れた後に、循環ポンプ１１により水槽４の洗濯物投入口
付近のドアパッキン２６に開口する循環パイプ１１１を
通して水槽４内に返される。また、水槽４内の洗濯水を
排水するときには、フィルタケース１０より分岐した排
水弁１２から、排水ホース１３を通り洗濯機本体１から
排水されるようになっている。

【００２１】洗濯機本体１内には、洗濯物を乾燥するた
めの乾燥ユニット１４と冷却ダクト８とが設けられてい
る。冷却ダクト８は一端部、および、他端部が水槽４の
上端部、および、下端部にそれぞれ連通したダクトであ
り、乾燥用給水弁７から水管路を介して乾燥・除湿用の
水が内部に入るようになっている。また、乾燥ユニット
１４は、冷却ダクト８の空気流路の途中に設けられてい
てヒータ２９、ファン２０から構成されるものであっ
て、冷却ダクト８を介して水槽４内に温風を送風する。
すなわち、洗濯物からの蒸発した水分は冷却ダクト８内
で水道水により除湿され、再び乾燥ユニット１４を通り
乾燥した温風で洗濯物を乾燥させる。

【００２２】水槽４の中心部を貫通してドラム２の回転
中心であって投入口（ドア２４側）の反対側端部に水平
な回転軸１５が固定して設けられており、この回転軸１
５にはドラムプーリ１６が固定されている。水槽４の下
端部にはドラム駆動用モータ１７が設けられており、こ
のモータ１７の回転軸とドラムプーリ１６をベルト１８
で連結している。これら水槽４、回転軸１５、ドラムプ
ーリ１６、および、ドラム駆動用モータ１７などは洗濯
機本体１に収容されている。

【００２３】なお、振動吸収のため、水槽４は洗濯機本
体１の上部からは防振機能を備えたスプリング２８によ
り、下部からはショックアブソーバにより懸架させてお
り、これにより水槽４の振動を減衰させるようになって
いる。洗濯機本体１の底面には設置脚が複数個設けら
れ、これらの設置脚で洗濯機本体１を支えている。

【００２４】以下、本発明の各実施例の動作について説
明を行うが、各実施例とも、基本的な洗いから乾燥にい
たる動作は従来のドラム式洗濯機とほぼ同様である。図
２は、ポンプ１１部の概略側面図（図２（Ａ））及び正
面図（図２（Ｂ））で、実施例１の発明は、図１，図２
に示すように、２個の吐出口８０，８１を有するポンプ
１１を配し、一つの吐出口８０を水槽４内へ開通接続
し、他の一つの吐出口８１を排水弁１２に接続し、洗い
工程やすすぎ工程などの循環を必要とし、排水を必要と
しない工程時には排水弁１２を閉じた状態でポンプ１１
を稼働して水槽４内へ洗濯液を循環させ、一方、脱水や
排水工程などの排水を必要とする工程時には、排水弁１
２を開いた状態でポンプ１１を稼働させ、これにより、
排水工程時に強制的に排水させることが出来るようにし
たものである。なお、ポンプ１１に１個の吐出口を配
し、２個の吐出口に分岐してもよい。

【００２５】図１及び図２により更に詳細に説明する
と、洗い工程は、ドラム２内に洗濯物を入れ、給水口２
３内の洗剤ケース６２に洗剤を投入し、スタートキーを
押すと、開始される。ドア２４がロックされ、洗濯用給
水弁６が開き、給水口２３から洗剤ケース６２内に給水
される。給水によって洗剤は流されて給水管６１、フィ
ルタケース１０、排水ダクト９を通り、水槽４の下方よ
り水が溜まっていく。また、フィルタケース１０には循
環ポンプ１１が接続されているため、給水管６１を通っ
てきた洗剤と水とは循環ポンプ１１にも流れ込む。循環
ポンプ１１が作動することにより、流れ込んできた洗剤
と水は激しく撹拌され、洗剤は水に溶解する。洗剤を十
分に溶解した洗剤液は、循環ポンプ１１の一つの吐出口
８０からは水槽４の投入口付近のドアパッキン２６付近
に開口する循環パイプ１１１により水槽４内の洗濯物に
上方からかけられる。

【００２６】水槽４内の洗濯水は排水ダクト９からフィ
ルタケース１０内のフィルタ２７を通り、挟雑物を除去
した後に、循環ポンプ１１へ再び送り込まれ、水槽４へ
つながる吐出口８０より水槽４内に返される。一方、吐
出口８１より吐出される洗濯水は排水弁１２にて閉塞さ
れており、排水されることはない。また、水槽４内の洗
濯水を排水するときには、排水弁１２が作動し、弁１２
が開くことにより、洗濯水が排水ホース１３を通り洗濯
機本体１から排水されるようになっている。この時、循
環ポンプ１１を同時に作動させることにより、排水経路
につながる吐出口８１から圧送され、より多くの洗濯水
を排出し、排水に要する時間を短縮できる。

【００２７】図３は、ポンプ１１の他の例を示す概略側
面図（図３（Ａ））及び正面図（図３（Ｂ））で、図
１，図３に示すように、２個の吐出口８２，８３を有す
ると共に回転方向により択一的に吐出するポンプ１１を
採用し、一方の吐出口８２を上記水槽４内に開通接続す
ると共に、他方の吐出口８３を排水弁１２に接続し、洗
い工程やすすぎ工程などの循環を必要とし、排水を必要
としない工程時には排水弁１２を閉じた状態で、水槽４
に開通接続した吐出口８２へ効率的に吐出する方向、例
えば、時計方向にポンプを回転させ水槽４内へ洗濯液を
効率よく循環させ、一方、脱水や排水工程などの排水を
必要とする工程時には、排水弁１２を開いた状態でポン
プ１１を反対方向、例えば、反時計方向に回転させて排
液を効率的に吐出口より吐出させ、強制的に排水させる
ことが出来るようにしたものである。

【００２８】図１及び図３により更に詳細に説明する
と、左右回転可能に制御されるポンプ１１と２個の吐出
口８２，８３をポンプ１１に配し、１つの吐出口８２を
水槽へ開口接続し、１つの吐出口８３を排水弁１２に接
続し、水槽４内への循環時と排水時とでポンプ１１の回
転方向を変えるように電気制御する。例えば、２個の吐
出口８２，８３を図３に示す位置に配したポンプ１１を
採用し、矢印方向に回転させた時に吐出口８２の吐出流
量が吐出口８３より大となり、反対方向へ回転させた時
には、吐出口８３の吐出流量が吐出口８２より大とな
る。洗い工程やすすぎ工程などの循環を必要とし、排出
を必要としない工程時には排水弁１２を閉じた状態でポ
ンプ１１を矢印方向へ稼働させることにより吐出口８２
から水槽４内へ洗濯液を効率よく循環させることが出来
る。一方、脱水や排水工程などの排水を必要とする工程
時には、排水弁１２を開いた状態でポンプ１１を反対方
向へ回転させることにより、強制的に効率よく排水させ
ることが出来る。

【００２９】図４は、ポンプ１１の他の例を示す概略側
面図（図４（Ａ））及び正面図（図４（Ｂ））で、図
１，図４に示すように、２個の吐出口８４，８５を有す
るポンプ１１を配し、一つの吐出口８４を水槽４内へ開
通接続し、一つの吐出口８５を排水弁１２に接続し、洗
い工程やすすぎ工程などの循環を必要とし、排水を必要
としない工程時には排水弁１２を閉じた状態でポンプを
稼働し水槽４内へ洗濯液を循環させ、一方、脱水や排水
工程などの排水を必要とする工程には、排水弁１２を開
いた状態でポンプを稼働することにより、自然排水に加
え強制的に排水させるドラム式洗濯機において、ポンプ
１１の排水弁１２に連通する吐出口８５をポンプの最下
面以下に配し、その吐出口８５を排水弁１２より高く位
置させ、これにより、洗濯機の運転休止後、ポンプ１１
内に残水することなく流出させることが出来るようにし
たものである。

【００３０】図４により更に詳細に説明すると、排水弁
１２に連通する吐出口８５をポンプ１１の最下面に配
し、排水弁１２より高く位置させる。これにより排水弁
工程終了時すなわちポンプ１１の運転終了後、ポンプ１
１内の水は吐出口８５から自然に排水弁１２へ流出させ
ることが出来る。

【００３１】本発明は上述のごとき、洗濯機本体１内に
水位検知手段を設けると共に、排水工程において、排水
による水槽４内の水位低下により、ポンプ１１が循環水
を水槽内へ吐出できない水槽内の水位を設定し、この水
位を検知するまでポンプ１１を運転しないようにし、洗
濯やすすぎ工程後の水槽４内の汚水がポンプ１１を介し
て水槽４内に循環し、洗濯物を汚水で浴水させないよう
にし、もって、汚水が水槽内に循環しない水位になった
後、ポンプ１１を稼働して排水させるようにしたもので
ある。

【００３２】図１により更に詳細に説明すると、水位検
知装置（図示せず）とポンプ１１を配し、ポンプ１１の
揚程能力の限度、すなわち、循環パイプ１１１の出口よ
りポンプ１１が吐出出来得る水槽４内の水位と循環パイ
プ１１１の出口との落差量を実験的に求め、例えば、排
水により水槽４内の水位が低下し水槽４の水を循環パイ
プ１１１の出口より吐出出来なくなったときの水槽４内
の水位を所定の水位と定め、排水時、この水位になるま
では自然排水を実行し、この水位を水位検知装置が検知
してからポンプ１１を稼働させる。この時点でポンプ１
１を稼働させても水槽４内の汚水は水槽４内へ吐出でき
ず、汚水が循環して該汚水により洗濯物を汚染すること
がなくなる。

【００３３】また、本発明は、上述のごとき洗濯機の、
排水工程において、排水による水槽４内の水位低下によ
り、ポンプ１１が循環水を水槽内へ吐出できない水位に
なる時間を設定し、この時間に至るまで循環ポンプを運
転しないようにし、洗濯やすすぎ工程後の水槽４内の汚
水がポンプ１１を介して水槽４内に循環して洗濯物を汚
水で浴水させないようにしたものである。

【００３４】更に詳細に説明すると、ポンプ１１の揚程
能力の限度になるまでの時間を実験的に求め、排水時、
この時間を経過するまでは自然排水を実行し、この時間
を経過してからポンプ１１を稼働させるものである。こ
の時点でポンプ１１を稼働させても水槽４内の汚水は水
槽４内へ吐出できず、汚水が循環して該汚水により洗濯
物を汚染することがなくなる。

【００３５】更に、本発明においては、水位検知手段を
設けると共に、排水工程において、ポンプ１１の稼働開
始から所定時間後、水槽４内の水位を検知し所定の水位
に達していない場合に、ポンプ１１を停止させる制御を
行うもので、排水時のポンプ１１の稼働開始から一定時
間内に一定水位以下に到達しない現象を排水経路に異常
があると認識し、この排水経路の異常時にポンプ１１が
無駄に運転することを防止させるようにしたものであ
る。

【００３６】更に詳細に説明すると、水位検知装置とポ
ンプ１１を配し、ポンプ１１の所定排水時間後の水槽４
内の水位を実験的に求め、例えば、正常時に、ポンプ１
１稼働ｂ分後、排水により水槽４内の水位がＨ→ｈに低
下する実験結果の場合、ポンプ１１稼働ｂ分後に水槽４
の水位を検知し、ｈの水位に達していない時には、ポン
プ１１を停止させる。ポンプ１１稼働を開始してｂ分後
に水位がｈに達しないことは、排水経路に支障があるの
が原因であり、排水を継続させることなく危険の前に停
止させることが出来る。また、水槽内に水位がｈに達す
るまでのポンプ１１の稼働時間を検知してもよい。

【００３７】なお、本発明における水位変化有無の検知
には、ポンプ作動開始から所定時間経過後の水位が所定
水位以下になっているかどうかの検知、あるいは、時間
当りの水位変化量が所定値以上かどうかの検知、逆に所
定水位に達する迄の時間が所定時間以内かどうかの検
知、あるいは所定の水位変化に要する時間が所定時間以
内かどうかの検知等が考えられる。

【００３８】

【発明の効果】請求項１の発明によると、排水工程にお
いて、自然排水開始後、水槽内の所定の水位に達したこ
とを水位センサーによって検知した後、循環ポンプの運
転を開始する制御をすることにより、水槽内へ汚水を循
環させずに排水を行うことが可能となる。

【００３９】請求項２の発明によると、排水工程におい
て、自然排水開始後、水槽内の水を該水槽内に循環でき
ない水位になる時間が経過した後に、循環ポンプの運転
を開始する制御を行うことにより、水槽内へ汚水を循環
させずに排水を行うことができ、排水流量の増加、排水
時間の短縮が可能となる。

【００４０】請求項３の発明によると、回転方向の制御
が可能なポンプを備え、各回転方向に応じた吐出口を有
しているため、洗い工程において、循環ポンプを一方向
回転に作動させることにより洗濯水を水槽内へ効率よく
循環させることができ、排水時には循環ポンプを逆方向
回転に作動させることにより、洗濯水を効率よく排水さ
せることができ、吐出口の切換手段を用いる必要がなく
なりコストダウンにつながる。また、排水工程への回転
方向時の揚程能力を高めた循環ポンプを使用すれば高所
への排水もできる。

【００４１】請求項４の発明によると、ケーシングの最
下面が、排水経路より高く位置しているため、循環ポン
プ運転終了後、ポンプケーシング内に残った水を自然に
排出することが出来、残水を防ぐことが出来、凍結や腐
敗を防ぐことが出来る。

【００４２】請求項５の発明によると、排水経路に詰ま
りなどの異常が発生した場合に、循環ポンプにより圧送
が継続され、溢水や故障などの異常の発生を防止でき
る。

【００４３】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるドラム式乾燥洗濯機の内部構造を
示す概略縦断側面図である。

【図２】本発明による循環ポンプの正面図及び側面図で
ある。

【図３】本発明による循環ポンプの他の例を示す正面図
及び側面図である。

【図４】本発明による循環ポンプの他の例を示す正面図
及び側面図である。

【図５】従来のドラム式洗濯機の概略側断面図である。

【図６】従来のドラム式洗濯機の概略平断面図である。

【図７】従来の全自動洗濯機の概略断面図である。

【符号の説明】

１…洗濯機本体、２…ドラム、３…撹拌バッフル、４…
水槽、５…給水ホース、６…洗濯用給水弁、７…乾燥用
給水弁、８…冷却ダクト（熱交換器）、９…排水ダク
ト、１０…フィルタケース、１１…循環ポンプ、１１１
…循環パイプ、１２…排水弁、１３…排水ホース、１４
…乾燥ユニット、１５…回転軸、１６…ドラムプーリ、
１７…モータ、１８…ベルト、１９…排気ダクト、２０
…送風ファン、２１…操作パネル、２２…制御装置、２
３…給水口、２４…ドア、２５…水位センサー、２６…
ドアパッキン、２７…フィルタ、２８…防振機構、２９
…ヒータ、３０…送風ダクト、６１…給水管、６２…洗
剤ケース、８０，８２，８４…循環ポンプの吐出口（水
槽へつながる）、８１，８３，８５…循環ポンプの吐出
口（排水経路につながる）、９０…パルセータ、９１…
切り替え手段、９２…弾性体。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開平９−122380（ＪＰ，Ａ) 特開平10−43119（ＪＰ，Ａ) 特開平９−117593（ＪＰ，Ａ) 特開平６−170079（ＪＰ，Ａ) 特開平１−136696（ＪＰ，Ａ) 実開昭53−133482（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) D06F 39/08 321 D06F 23/02 D06F 33/02 A47L 15/42

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】洗濯槽兼脱水ドラムと、該ドラムを内包
する水槽と、該水槽内の水を排水する排水手段と、前記
水槽と接続されたポンプと、洗い又はすすぎ時に前記水
槽内の水を該水槽に戻して循環させるための循環経路
と、洗い・すすぎ・脱水工程を自動運転させる制御手段
とを備え、前記ポンプの吐出側を分岐し、一方を上記循
環経路を経て水槽内に接続すると共に、他方を排水弁を
介して排水経路に接続し、洗い・すすぎ運転時には前記
ポンプを駆動して水槽内の水の循環を行い、排水運転時
には前記ポンプを駆動して排水を行うようにしてなる洗
濯機の排水装置において、前記水槽内の水位を検出する
水位検知手段を有し、脱水や排水などの排水工程におい
て、自然排水開始後、前記水槽内の水位が前記ポンプが
前記水槽内の水を該水槽に循環できない水位に達したこ
とを前記水位検知手段によって検知し、検知後に前記ポ
ンプの運転を開始することを特徴とする洗濯機の排水装
置。
【請求項２】洗濯槽兼脱水ドラムと、該ドラムを内包
する水槽と、該水槽内の水を排水する排水手段と、前記
水槽と接続されたポンプと、洗い又はすすぎ時に前記水
槽内の水を該水槽に戻して循環させるための循環経路
と、洗い・すすぎ・脱水工程を自動運転させる制御手段
とを備え、前記ポンプの吐出側を分岐し、一方を上記循
環経路を経て水槽内に接続すると共に、他方を排水弁を
介して排水経路に接続し、洗い・すすぎ運転時には前記
ポンプを駆動して水槽内の水の循環を行い、排水運転時
には前記ポンプを駆動して排水を行うようにしてなる洗
濯機の排水装置において、脱水や排水などの排水工程に
おいて、自然排水開始から前記ポンプが前記水槽内の水
を該水槽内に循環できない水位になる時間が経過した後
に前記ポンプの運転を開始するようにしたことを特徴と
する洗濯機の排水装置。
【請求項３】吐出口を２個有し、インペラの回転方向
により択一的に吐出するポンプを具備し、一方の吐出口
を上記循環経路を経て水槽内に開通接続すると共に、他
方の吐出口を排水弁に接続した排水経路を有し、２個の
吐出口への吐出を択一的に実行する制御手段を有したこ
とを特徴とする請求項１又は２記載の洗濯機の排水装
置。
【請求項４】前記ポンプが配設されたポンプケーシン
グの排水弁に連通する吐出口を該ポンプケーシングの最
下面以下に配し、その吐出口が前記排水弁より高く位置
してなることを特徴とする請求項１又は２記載の洗濯機
の排水装置。
【請求項５】排水時のポンプ作動開始に基づいて水槽
内の水位変化有無を検知する水位変化有無検知手段を有
し、水位変化無しと検知したとき前記ポンプを停止させ
る制御手段を有することを特徴とする請求項１又は２記
載の洗濯機の排水装置。