JP3422935B2 - 透光性物質の不均一性検査方法及びその装置並びに透明基板の選別方法 - Google Patents

透光性物質の不均一性検査方法及びその装置並びに透明基板の選別方法

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    • G01N21/84Systems specially adapted for particular applications
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    • G01N21/95Investigating the presence of flaws or contamination characterised by the material or shape of the object to be examined
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  • Testing Of Optical Devices Or Fibers (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォトマスク用透
明基板や情報記録媒体用透明基板であるガラスサブスト
レートなどの透光性物質の光学的な不均一性(欠陥)を
検査する方法及びその装置に係り、特に、透光性物質表
面での全反射の性質を利用することによって、透光性物
質の不均一性を高感度・高速度に検出できるようにした
透光性物質の不均一性検査方法及びその装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路、フォトマスクなどの製
造工程において、微細パターンの形成には、フォトリソ
グラフィー法が用いられている。例えば、半導体集積回
路を製造する際には、高精度に研磨されて鏡面仕上げさ
れた透明基板上に遮光性膜(例えばクロム膜)によりパ
ターンが形成されたフォトマスクを用いてパターンを転
写している。このパターンの原盤とも言えるフォトマス
クについての検査方法は、特開昭58―162038号
公報に記載の面状態検査装置にみられるように、パター
ン面の微小な領域に光を集め、パターン面からの反射出
力、透過出力を比較する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年に
おいてはパターンの高密度化に伴い、上記方法のように
パターン面の検査のみならず、高精度に研磨されて鏡面
仕上げされた透明基板そのものの微細な欠陥も欠陥検出
の対象となっている。また、上述した方法では、パター
ン面の微小な領域に光を集めることから、検査領域が広
い範囲にわたっている場合には何らかの手段を用いて光
を走査する必要があり、検査領域の面積に比例して検査
時間がかかることと、欠陥の有無によってパターン自体
及び透明基板に対する反射光・透過光の光量の変化があ
まり大きくなく、透明基板の微細な欠陥検出への適用は
困難であった。
【0004】また、情報記録媒体用透明基板において
も、高密度記録化に伴う透明基板表面に形成される結晶
性良好な下地層、磁性層の形成、磁気ヘッドの低浮上化
などにより高精度に研磨された表面を有する透明基板が
要求され、透明基板そのものの微細な欠陥も欠陥検出の
対象となっている。しかし、既存の欠陥検査方法、装置
は、必ずしもその欠陥検出の要求を満足するものとはい
えなかった。
【0005】そこで、本発明は、上記問題点を解決すべ
く、透光性物質の光学的な不均一性を確実に且つ高精度
・高速度に検出できる透光性物質の不均一性検査方法及
びその装置を提供することを目的とする。
【0006】更に、本発明は、即座に所望の透光性物質
を抽出することができる透光性物質の不均一性検査方法
及びその装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る透光性物質の不均一性検査方法は、透
光性物質内にレーザー光を導入して透光性物質の不均一
性を検査する方法であって、前記透光性物質は、透光性
物質内に導入したレーザー光が全反射を繰り返す互いに
対向する少なくとも一組の全反射面と、全反射面の間を
全反射を繰り返して進行するレーザー光の進行方向に対
向するように設けられ、前記レーザー光を全反射して前
記全反射面へと戻す少なくとも一組の折返し面とを備
え、前記透光性物質内の光路が光学的に均一の場合に
は、透光性物質内を伝播して前記全反射面及び前記折返
し面に入射するレーザー光が全反射をして、且つ、少な
くとも一組の折り返し面の間で反復するようにレーザー
光を伝播させ、伝播することによって形成される前記全
反射面と前記折返し面で囲まれた被検査領域でレーザー
光が行き渡るようにレーザー光を導入し、前記透光性物
質内に導入され伝播するレーザー光の光路中に不均一部
分が存在するときに、前記全反射面及び/又は前記折返
し面から漏出する光を検出することから透光性物質の不
均一性を検査するようにしたことを特徴とする。
【0008】透光性物質に表面の傷等の不均一部分がな
ければ、透光性物質内に導入したレーザー光は表面で全
反射を繰り返して透光性物質内に光が閉じ込められる
(レーザー光が行き渡る)形になるので、実質的に外部
へは漏出しない(前記全反射面及び折返し面において)
が、透光性物質に不均一部分があると、全反射条件が満
足されず、透光性物質表面(前述でいう全反射面及び折
返し面)から光が漏れ出す。即ち、透光性物質表面に
傷、クラック、付着異物による汚れ等の不均一部分(欠
陥)がある場合は、光路が均一であれば全反射面となる
表面(全反射面及び折返し面)から光が漏出することに
なる。また、透光性物質表面の不均一のみならず、内部
の傷、クラック、気泡等の異物などの欠陥、あるいはガ
ラスの脈理等に特徴的な、透過率は同じで屈折率だけが
違う欠陥の検出に関しても、傷や屈折率の違うところで
は本来均一ならば通る光路(経路)を外れ、表面での全
反射条件が満足されず、透光性物質外部へ漏れ出すこと
になるため検出可能になる。
【0009】このように、本発明の検査方法は、物理的
な臨界現象である幾何光学的な全反射を利用して透光性
物質内に実質的に光を閉じ込めるようにしているため、
被検査対象である透光性物質の不均一部分と均一部分と
における検査光に対する応答も臨界的であり、暗い均一
部分の背景に漏れ光として不均一部分が劇的なコントラ
ストで現れる。つまり、本発明の検査方法は、光閉じ込
め方式による欠陥(不均一性)の検査方法と呼べるもの
であって、あたかも、暗箱のような遮光性の容器に存在
するピンホールから容器内部の光が漏れ出すように、透
光性物質の極めて微細な傷等の欠陥が観測されることに
なる。
【0010】なお、透光性物質の表面で全反射を繰り返
し、透光性物質内に(実質的に)光を閉じ込めるための
光の入射条件は以下のようにして求められる。以下で
は、透明基板のような直方体形状の透光性物質内に、多
重全反射によって(実質的に)光を閉じ込めるための条
件を求める。
【0011】この光閉じ込めの条件を求めるに先立っ
て、まず、図27に示すように、空気などの屈折率ni
の媒質からガラス等の透光性を有する屈折率ntの媒質
中に光が入射したときの屈折光の方向を求める(なお、
図面ではベクトルを通常の矢印を用いた表記とするが、
文書中ではベクトルAを<A>と表記する。)。
【0012】図27に示すように、屈折率niと屈折率
ntの境界面に<Li>の入射光線を入射した場合の屈折
光線<Lt>を考える。境界面に垂直で入射媒質側に向
いている法線ベクトルを<N>(単位ベクトル)とす
る。屈折光線のベクトル<Lt>はベクトル<N>と<
Li>で張る平面上に存在し、<N>と<Li>の線形結
合で表すことができる。すなわち、 <Lt>=α<Li>+β<N> (1) と表せる。ここで、α、βは係数である。また、計算を
単純にするために、ベクトル<Li>、<Lt>も単位ベ
クトルとすると、次式を満足する。 <Li>・<Li>=1, <Lt>・<Lt>=1 (2)
【0013】境界面での屈折に対し、屈折の法則(スネ
ルの法則)を適用すると、入射角θi、屈折角θtである
から、 sinθt=(ni/nt)sinθi (3) となる。また、θi、θtをベクトルで表すと、 <Li>・<N>=|<Li>|・|<N>|cos(π−θi) =−cosθi (4) <Lt>・<N>=|<Lt>|・|<N>|cos(π−θt) =−cosθt (5) となる。
【0014】いま求めようとしているのは、屈折光線ベ
クトル<Lt>であり、式(1)のα、βが定まれば、
<Lt>が決定する。そこで、式(1)〜式(5)か
ら、α、βをni、nt、θiで表すと、 α=ni/nt β=−{1−(ni/nt)2(1−cos2θi)}1/2
(ni/nt)cosθi となり、入射光線<Li>に対する屈折光線<Lt>の方
向が定まる。
【0015】次に、このようにして所定方向に導入され
た屈折光線が直方体形状の透光性物質の表面で全反射を
繰り返して透光性物質中に閉じ込められるための条件を
求める。
【0016】まず、全反射の第1の境界面として、xy
平面を考える。図28に示すように、z軸の正方向の法
線ベクトルを<Nz>=(0,0,1)とし、入射角θi
で入射ベクトル<L1>(単位ベクトル)=(L1x,L1
y,L1z)がxy平面に入射すると、 <L1>・<Nz>=cos(π−θ1) が成り立つ。これを展開すると、 L1z=−cosθ1 |<L1>|=1であるから、θ1≧θcの下で、 L1x2+L1y2+cos2θ1=1 (6) を満たす。
【0017】第1境界面のxy平面で全反射できる入射
ベクトルは、z軸と臨界角θcをなす直線がz軸の回り
に回転してできる図28の円錐体の外側にあればよく、
これを満足するベクトルは無限に存在する。
【0018】xy平面で反射するため、反射後のベクト
ル<L2>は、 <L2>=(L1x,L1y,−L1z) =(L1x,L1y,cosθ1) となる。更に、このベクトル<L2>が第2の境界面で
全反射するための条件を考える必要がある。第2境界面
をxz平面とし、xz平面に入射角θ2 で入射すると、 <L2>・<Ny>=cos(π−θ2) となる。ここで、<Ny>はy軸の正方向を向いた単位
ベクトル(0,1,0)である。上式を展開すると、 L1y=−cosθ2 この式と式(6)とから、θ1,θ2≧θc の条件の下
で、 L1x2 =1−cos2θ1−cos2θ2 (7) を満たす必要がある。
【0019】xz平面で反射するため、反射後のベクト
ル<L3>は、 <L3>=(+{1−cos2θ1−cos2θ2}1/2
cosθ2,cosθ1) となる。このベクトル<L3>が第3の境界面で全反射
すれば、光の閉じ込めが成功する。第3の境界面をyz
平面とし、yz平面に入射角θ3 で入射すると、 <L3>・<Nx>=cos(π−θ3) となる。なお、Nx =(1,0,0)である。したがっ
て、上式は、L3x=−cosθ3 となり、+{1−co
2θ1 −cos2θ2}1/2 =−cosθ3 、つまり、 cos2θ1+cos2θ2+cos2θ3=1 (8) を満足する必要がある。
【0020】臨界角θcでは、sin(π/2)=(nt
/ni)sinθc であるから、ni=1.00、nt=
1.47の場合、sinθc=1/1.47なので、臨界
角θc=42.9°となる。
【0021】θ1=θ2=θ3 の時、式(8)から、3c
os2θ1=1でθ1=54°となり、θ1 ≧54°>θc
=42.9°を十分満たす。この条件の自由度のある
余裕は、特定の反射面へ全反射をより多く行わせる自由
度として活かせる。サブストレートガラスでは、端面で
の反射を減らすように、<L1>を選べばよい。
【0022】以上より、多重全反射によって光が閉じこ
められる条件は、 cos2θ1 +cos2θ2 +cos2θ3 =1 cosθc ≧cosθ1 ,cosθ2 ,cosθ3 >0 である。
【0023】θc =42.9°の場合、cosθc =0.
73なので、θ1,θ2,θ3 の満たす領域をcosθ
1,cosθ2 ,cosθ3 を座標軸として図示する
と、図29のように、一辺0.73の立方体の内側で、
半径1の球の表面である曲面60が全反射条件を満足す
る領域となる。
【0024】なお、上記では透明基板のような直方体形
状の透光性物質についての全反射条件について導き出し
たが、後述する一般的な形状においても同様な方法によ
って光の入射角の条件を決定することができる。また、
後述する実施の形態における透光性物質内に導入する光
の入射角の条件は、上記に基づき導き出したものであ
る。
【0025】なお、本発明の不均一性検査方法において
は、前記透光性物質の形状は、四角形(矩形)状平板、
円形ないし円環状平板は勿論、レンズなど曲率の大きな
曲面を有する形状、球状、多面体、円柱、円筒、多角柱
など、どのような形状でも良く、透光性物質の少なくと
も被検査領域で光が所定回数以上の反射を繰り返して透
光性物質内に光が閉じ込めるような状態を実現すること
が可能であれば、透光性物質の形状は問わない。
【0026】このように、透光性物質内に光が閉じ込め
られるためには、透光性物質は、透光性物質内に導入し
た光が全反射を繰り返す互いに対向する少なくとも一組
の全反射面と、全反射面の間を全反射を繰り返して進行
するレーザー光の進行方向に対向するように設けられ、
レーザー光を全反射して全反射面へと戻す少なくとも一
組の折返し面とを備えていることが好ましい。特に折返
し面は、透光性物質内に光を閉じ込めるに当たっては重
要である。折返し面は、光の進行方向に対向するように
設けられ、少なくとも一組なければならない。折返し面
の間で光が反復しないと、光閉じ込めできないからであ
る。
【0027】また、レーザー光の導入に当たっては、透
光性物質に導入したレーザー光が、透光性物質内を伝播
して全反射面及び折返し面に入射する光が全反射をし
て、少なくとも一組の折返し面の間で反復するように伝
播させ、伝播することによって形成される全反射面と折
返し面で囲まれた被検査領域でレーザー光が行き渡るよ
うにレーザー光を導入することが必要である。即ち、透
光性物質内の光路が光学的に均一の場合に、透光性物質
内に導入した光が対向する全反射面の間で全反射を繰り
返しながら伝播し、折返し面(a)に入射し全反射をした
後、さらに透光性物質内で伝播を繰返し、折返し面(a)
以外の少なくとも一つの折返し面(b,c,…)で全反射
をして再び、前記折返し面(a)に伝播した光が戻るよう
にレーザー光を導入することである。この場合、透光性
物質内の光路が光学的に均一であり、不均一部分がなけ
れば全反射面と折返し面で全反射を繰り返して、全反射
面及び折返し面(レーザー光を導入する領域を除く)に
は光が漏出する特異点は存在しないので(実質的に)光
閉じ込めが成立する。前記の折返し面が一組の場合に
は、透光性物質のある一つの平面で光閉じ込めを行うこ
ととなり、折返し面が複数組以上ある場合には、透光性
物質の略全域を光閉じ込めを行うこととなる。
【0028】また、透光性物質内に(実質的に)光を閉
じ込めるためには、全反射面及び折返し面で、幾何光学
的にレーザー光が漏出する特異点が実質的に存在しない
ようにレーザー光を導入すればよい。「幾何光学的に」
としているので、導入したレーザー光が、透光性物質材
料固有の性質によって光学的変化によってもたらされた
光、例えば、レーリー散乱光などはここでは考慮しな
い。また、「レーザー光が漏出する特異点が実質的に存
在しない」としているのは、レーザー光自体の拡がり角
の影響で、全反射面及び折返し面で何回も全反射を繰り
返した後、ごくわずかなレーザー光が全反射条件を満足
せず、透光性物質の外に漏出することが考えられるの
で、その影響を考慮して「実質的に」としている。な
お、このレーザー光自体の拡がり角による漏出光は、透
光性物質の表面に沿った方向に漏出するため、検出手段
には検出されず、検出感度には影響しない。
【0029】また、透光性物質内に光を閉じ込めるため
には、 導入するレーザー光の波長λに対する前記透光
性物質の屈折率をnt、透光性物質と接触する外側媒質
の屈折率をniとし、前記全反射面及び前記折返し面に
入射する光の角度をθik(kは透光性物質内にレーザー
光が導入されてから全反射面及び折返し面に入射する位
置を表すもので、入射位置を順にk=1,2,…とす
る。)とするとき、θikは前記全反射面及び前記折返し
面において、sinθ=ni/ntで表される臨界角θ以
上となるようにレーザー光を導入すれば良い。
【0030】但し、透光性物質の表面では、全反射によ
る光の閉じ込めが困難な形状(例えば、曲率の大きな曲
面を有する形状など)については、透光性物質の外側に
設けられた少なくとも2組の対向する面(少なくとも一
組の全反射面と少なくとも一組の折返し面)において、
光が全反射を繰り返し伝播するようにすることによっ
て、不均一性を検査することができる。具体的には、鏡
面仕上げされた表面を有する透光性の容器を用い、この
容器の外側媒質の屈折率よりも大きい屈折率を有する容
器内の媒質(液体など)中に透光性物質を挿入し、容器
の外側表面で全反射を繰り返して伝播するようにレーザ
ー光を導入することによって検査できる。
【0031】また、レーザー光は、幾何光学的に、前記
透光性物質に導入したレーザー光が、少なくとも最初に
当たる前記全反射面及び前記折返し面において、レーザ
ー光の全てが全反射するようにレーザー光を導入するこ
とで、全反射条件を満足する光を的確に透光性物質内に
導入することができるので好ましい。上記以外の場合、
例えば、レーザー光を導入する面で、拡散した光が透光
性物質内を伝播する場合などは、透光性物質内に伝播す
る(複数の)光線の軌跡が予想できないので、導入した
レーザー光が全反射面及び折返し面に入射する光のほと
んど全てが全反射することは困難で、本発明のような光
閉じ込めは成立しない。
【0032】また、レーザー光を導入するための導入面
を、ある一つの全反射面と少なくとも一つの折返し面と
によって挟まれた箇所に設けることが好ましい。透光性
物質へのレーザー光の導入は、導入面以外の全反射面や
折返し面から導入することも可能であるが、その場合、
レーザー光を導入するための入射窓として、透光性物質
の屈折率をほぼ同じ材料からなる光学部材を、接着剤等
によって取り付けなければならないので手間がかかる。
また、検査領域である全反射面や折返し面に光学部材を
取り付けるので、取り付けた箇所については透光性物質
内で伝播した光が全反射条件を満足せず、漏出すること
になるので、実質的に検査できなくなるので好ましくな
い。このように、レーザー光を導入するための導入面が
ある場合は、具体的な導入の仕方として、前記導入面及
び前記導入面と前記全反射面とのなす角がほぼ同じ面に
おいてのみ導入したレーザー光が出射するようにレーザ
ー光を導入することにより、本発明でいう光閉じ込めは
成立する。
【0033】また、透光性物質の少なくともレーザー光
を導入する導入面が鏡面研磨されていることが好まし
い。レーザー光は、全反射面及び折返し面で全反射を繰
り返して光が閉じ込められるように導入するが、導入面
が鏡面研磨されている場合、導入されたレーザー光は導
入面による拡散を受けず、平行光のまま光が伝播される
ので、全反射面及び折返し面に入射する光の全てが全反
射されるので、透光性物質の不均一部分と均一部分にお
ける検査光の応答もより臨界的となり、コントラストが
向上する。好ましくは、透光性物質の全面(全反射面、
折返し面、導入面)が鏡面研磨されていることが望まし
い。
【0034】また、全反射面の大きさをL、導入面の幅
をd、レーザー光の波長λに対する透光性物質の屈折率
をnt、透光性物質と接触する外側媒質の屈折率をni、
レーザー光のビーム径をφ、光が全反射面及び折返し面
に入射する光の角度をθik(kは透光性物質内にレーザ
ー光が導入されてから全反射面及び折返し面に入射する
位置を表すもので、入射位置を順にk=1,2,…とす
る。特に、レーザー光が導入されてから最初に全反射面
又は折返し面に入射する光の角度をθ1とする。)、全
反射面で反射する回数をmとし、mがL,d,nt
(λ),ni,φ,θ1の関数で表されるとするとき、θ
ikの全てが臨界角θ以上となる範囲内において、mが基
準設定値以上となるように、L,d,nt(λ),ni,
φ,θ1の少なくとも何れか一つの条件を決定して透光
性物質の導入面よりレーザー光を導入することが好まし
い。
【0035】導入面からレーザー光を導入した光が、透
光性物質内で伝播を繰り返し、再び、導入面に光が入射
された場合、臨界角θ以下の光が入射されることになる
ので光が漏出してしまう。したがって、透光性物質内で
より数多くの全反射をさせたい場合(mを大きくしたい
場合)は、導入面から漏出する確率を小さくすれば良
い。実際にはシミュレーションによって光線軌跡を求
め、透光性物質内を導入した光が全反射面及び折返し面
で全反射を繰り返して伝播した結果、導入面で光が漏出
するまでの反射回数が多くなるような導入面の幅dを決
定する。具体的には導入面の幅dを小さくすれば良い。
導入面の幅dは、レーザー光のビーム径、透光性物質の
加工にも制限されるが、dは0.4mm以下、好ましく
は0.2mm以下が望ましい。しかし、極端に小さく
(0.1mm未満に)すると、全反射面と導入面の界
面、折返し面と導入面の界面で欠けが生じ易くなるので
好ましくない。
【0036】また、透光性物質の屈折率nt(又はレー
ザー光の波長λ)を選択することによって、m(全反射
面で反射する回数)を調整することができる。具体的に
は、透光性物質の材質は、透光性物質の用途よって限定
されることがあるので、レーザー光の波長λを選択する
のが好ましい。但し、レーザー光は透光性物質に対し吸
収が小さい波長が好ましい。吸収が大きい場合、不均一
性の検出感度が低下するだけでなく、透光性物質自体が
破壊されるなどの可能性があるので好ましくない。ま
た、レーザー光の波長は、不均一性(表面の傷等)の解
像度にも影響する。不均一性の解像度は、最大がレーザ
ー光の波長λとなるので、電子デバイス用ガラス基板と
いった傷の幅が1μm以下の微細な欠陥を像として分解
し検出したい場合は、レーザー光の波長を1μm以下に
する。
【0037】また、透光性物質がある特定の形状(例え
ば、全反射面と折返し面が垂直関係にある場合など)に
おいては、各全反射面、折返し面に入射する角度が、レ
ーザー光が導入されてから最初に全反射面に入射する角
度θ1とある一定の関係をもっているので、その角度θ1
を適宜調整することによって、m(全反射面で反射する
回数)を調整することができる。実際には、θ1は、透
光性物質の条件(導入面の幅d、屈折率nt)、レーザ
ー光の条件(波長λ、ビーム径φ)が決定された後、透
光性物質内に光が埋め尽くされる基準設計値m以上とな
るようにθ1を調整してレーザー光を導入する。しか
し、一般に透光性物質には少なからず加工精度の違いに
よって、全反射面の大きさ(長さ等)にばらつきがあ
り、そのばらつきをもった透光性物質の全反射面の大き
さを検査試料ごとに把握してから検査を行うと、膨大な
時間がかかり、実用的ではないので、透光性物質内に導
入するレーザー光を、全反射を起こす範囲内で入射角度
を変動させて入射することにより、高感度、高速度に検
出でき、実用性の高い検査方法を実現できる。
【0038】また、透光性物質の全反射面、折返し面が
互いに直交関係にあることが好ましい。このような構成
にすると、導入したレーザー光が、全反射面、折返し面
で全反射を繰り返して透光性物質内に閉じ込められた状
態になり易く、実際上、透光性物質の広範囲な領域の検
査を同時に行うことができ、高速検査が可能となる。即
ち、導入したレーザー光が全反射を繰り返す少なくとも
一組の全反射面においては、光の入射角は同じになり、
また少なくとも一組の折返し面においても、光の入射角
は同じで、一定の関係(全反射面における光の入射角を
θとしたときに、折返し面での光の入射角は90°−θ
になる。)をもって伝播するようになるからである。
【0039】また、ある一組の全反射面とある一組の折
返し面によって挟まれた透光性物質の被検査領域におい
て、透光性物質内を光が伝播することによって光が満た
された被検査領域内のある一つの平面における不均一性
を検査した後、透光性物質に対し前記検査の平面を、光
が被検査領域を埋め尽くす方向に相対移動させて被検査
領域の不均一性を検査するようにすることで、検査方法
の簡略化が図れるので好ましい。
【0040】上記では本発明の一般的な光閉じ込めの概
念を説明したが、本発明をより具体的に実施するに当た
っては、透光性物質内にレーザー光を導入して透光性物
質の不均一性を検査する方法であって、前記透光性物質
の表面は、少なくとも一組の互いに平行な主表面と、該
主表面と直交する少なくとも一組の端面と、前記主表面
と端面とによって挟まれた面取り部とを有し、前記透光
性物質内の光路が光学的に均一の場合には、透光性物質
内を伝播して前記主表面及び前記端面に入射する光が全
反射をして、且つ、少なくとも一組の端面の間で反復す
るように伝播させ、伝播することによって形成される前
記主表面、端面及び面取り部で囲まれた被検査領域でレ
ーザー光が行き渡るようにレーザー光を導入し、前記透
光性物質内に導入され伝播する光の光路中に不均一部分
が存在するときに、前記主表面及び/又は端面から漏出
した光を検出することから透光性物質の不均一性を検査
する。
【0041】ここで、上記主表面、端面、面取り部は、
前述の全反射面、折返し面、導入面に相当する。上記主
表面、端面、面取り部を有する代表的な形状として、四
角形(矩形)状平板や円板、円環状平板などが挙げられ
る。この場合、導入したレーザー光が、主表面、端面で
全反射を繰り返して透光性物質内に(実質的に)閉じ込
められた状態になり易く、実際上、透光性物質の広範囲
な領域の検査を同時に行うことができ、高速検査が可能
となるので好ましい。即ち、導入したレーザー光が全反
射を繰り返す主表面での、光の入射角は同じになり、ま
た、端面に入射する光の入射角も同じで、それらが一定
の関係(主表面における光の入射角をθとしたときに、
端面に入射する光の入射角は90°−θになる)をもっ
て伝播するので、透光性物質に入射してから最初に当た
る主表面への入射角が、臨界角よりも大きくなるように
し、且つ、端面への入射角が臨界角よりも大きくなるよ
うに設定するだけで、実質的に光閉じ込めが成立するか
らである。具体的な導入の仕方としては、前記主表面及
び前記端面で、幾何光学的にレーザー光が漏出する特異
点が実質的に存在しないようにレーザー光を導入する。
さらには、導入したレーザー光が前記面取り部のみで出
射するようにレーザー光を導入する。
【0042】また、上記不均一性検査方法を対象とする
透光性物質は、ガラスからなることが好ましい。透光性
物質の材質は、各種用途によって決まるが、ガラスの場
合、硬質であること、鏡面研磨することによって非常に
平滑な表面が得られること、光の透過性が良好であるこ
となどの利点がある。
【0043】上記不均一性検査方法は、透光性物質が電
子デバイス用ガラス基板の場合、より効果が発揮され
る。それは、近年におけるパターンの高密度化に伴い、
高精度に研磨された表面を有するガラス基板が要求され
ているので、上記不均一検査方法は、微細な傷や基板の
脈理といったパターン形成や、露光に悪影響となる不均
一性を検査する上で効果的である。
【0044】また、上記不均一検査方法は、透光性物質
が情報記録媒体用ガラス基板の場合、より効果が発揮さ
れる。それは、近年における高密度記録化及び磁気ヘッ
ドの低浮上化に伴い、高精度に研磨された表面を有する
透明基板が要求されているので、上記不均一検査方法
は、基板表面の傷といった高密度記録化、磁気ヘッドの
低浮上化に悪影響となる不均一性を検査する上で効果的
である。
【0045】上記の電子デバイス用ガラス基板や、情報
記録媒体用ガラス基板、また液晶ディスプレイ用ガラス
基板といったように、表面が互いに平行な主表面と、該
主表面に垂直な端面を有し、導入した光が全反射を繰り
返して透光性物質内に閉じ込められるようにすると、実
際上同時に、透光性物質の広範囲な領域の検査を行うこ
とができ、高速検査が可能となる。
【0046】また、本発明に係る透光性物質の不均一性
検査装置は、上記検査方法を実施するためのもので、透
光性物質内にレーザー光を導入して透光性物質の不均一
性を検査する装置であって、前記透光性物質内にレーザ
ー光を導入する照明手段(照射手段)と、前記透光性物
質から漏出する光を検出する検出手段とを有し、前記透
光性物質は、該透光性物質内にレーザー光を導入する導
入面と、導入したレーザー光が全反射を繰り返す互いに
対向する少なくとも二組の表面とを備え、前記照明手段
は、照明手段から出射したレーザー光が、前記導入面よ
り導入されると共に、前記透光性物質内の光路が光学的
に均一の場合には、透光性物質内を伝播して前記表面に
入射する光が全反射をして、且つ、前記表面のうち少な
くとも一組の表面で反復するように伝播させ、伝播する
ことによって形成される前記少なくとも二組の表面で囲
まれた被検査領域でレーザー光が行き渡るように、配置
しているものである。このような構成にすると、透光性
物質の不均一性の検査を自動化でき、検査時間を短縮で
きるとともに、検査の信頼性を向上できる。
【0047】上記検査装置において、前記照明手段に前
記透光性物質に対するレーザー光の入射角度を変化させ
る角度調整手段を設けることが好ましい。角度調整手段
は、透光性物質内に導入したレーザー光が、透光性物質
の表面で光が全反射を繰り返し、光が閉じ込められるよ
うに入射角度を調整するだけでなく、透光性物質の加工
精度の違いなどによる寸法のバラツキを吸収するため
に、全反射が起こる範囲内で入射角度を変動させる場合
などに使用される。
【0048】角度調整手段の代表的なものとして、ミラ
ーが挙げられる。ミラーは、前記照明手段(例えばレー
ザー)と、透光性物質との間に配置され、透光性物質に
対する入射角度を調整する。ミラー以外に、照明手段自
体に透光性物質に対する照明手段の角度を変化させる角
度調整手段を設けたり、透光性物質を保持するフォルダ
ーに角度調整手段を設けても良い。また、音響光学偏光
器といった超音波ビームの音響光学効果を利用して入射
角度を調整・変動するものであっても良い。
【0049】また、上記検査装置において、前記透光性
物質へのレーザー光の入射位置を、移動(走査)させる
移動(走査)手段を設けることが好ましい。透光性物質
の全領域を漏れなく、しかも自動的に検査を行うことが
可能となるからである。例えば、レーザーなどの照明手
段や、ミラーなどの角度調整手段を同じテーブル上に載
せ、テーブルに駆動装置を取り付けることにより、透光
性物質の一辺に沿って順次移動させたり、透光性物質を
保持するフォルダーに駆動装置を取り付け移動させたり
することができる。
【0050】また、上記検査装置において、前記照明手
段に対し前記透光性物質及び前記検出手段が一体的に相
対移動させることが好ましい。検出手段の検出領域が検
査領域より大きい場合は、照明手段に対し、透光性物質
が相対移動することにより、不均一性の検査は可能であ
るが、一般的に検査領域の方が、検出手段の検出領域よ
り大きいので、透光性物質と検出手段とを照明手段に対
し、一体的に相対移動させる。なお、相対移動させる際
には、照明手段即ち、レーザーなどの照明光学系を固定
し、透光性物質及び/又は検出手段を駆動装置等を利用
して移動させたり、また、透光性物質及び/又は検出手
段を固定し、レーザーなどの照明光学系を移動させても
良い。
【0051】また、上記検査装置において、前記検出手
段は、撮像素子(CCDなど)を有する撮像カメラと、
透光性物質から漏出する光を前記撮像カメラに結像する
レンズとを有し、前記撮像カメラ及び/又はレンズを透
光性物質に対し遠近方向に相対移動させることが好まし
い。撮像カメラ及び/又はレンズを、透光性物質に対し
遠近方向に相対移動させることにより、撮像カメラの焦
点合わせが可能となり、透光性物質の厚さ方向の不均一
性(表面の傷、内部の脈理、気泡等)の正確な情報が得
られる。例えば、撮像カメラ及びレンズの検出手段を固
定し、透光性物質、レーザー、ミラーを一体的に前記検
出手段の遠近方向に移動させたり、逆に、透光性物質、
レーザー、ミラーを固定し、撮像カメラ及びレンズの検
出手段を移動させても良い。
【0052】上記検査装置において、前記検出手段が検
出した情報に基づき透光性物質の不均一性の有無、種
類、大きさを判別する判別手段を設けることが好まし
い。
【0053】これは、予め透光性物質に存在する不均一
性の有無、種類(表面部の傷やクラック、内部の脈理や
異物など)や、大きさ(面積、長さ、幅、深さ、領域な
ど)に対して、表面から漏出する光の(画像)情報(漏
出光の光量、輝度、強度分布、表面からの深さなど)の
関係(情報)をコンピューター等に蓄積しておき、検査
によって検出した光の(画像)情報と前記蓄積した情報
とを対比することによって透光性物質の不均一の種類、
大きさを判別することができる。このように透光性物質
の不均一の有無、種類、大きさを判別することにより、
所望の透光性物質を抽出することができる。このため、
例えば、パターンの形成時や、被転写物に対する露光時
に影響のある不均一性を有するガラスサブストレート
を、検査後に次工程に進む前に排除したり、再研磨に戻
したりすることができ、生産性を向上できる。
【0054】また、上記不均一性検査装置において、前
記検出した光の情報は、CCDによって検出した光を、
このCCDの正規化露光時間に対する信号雑音比(10
・log10(S/N))に変換、処理したとき、正規化
露光時間0.025以上において信号雑音比(10・l
og10(S/N))が4.8dB以上であることが好ま
しい。ここで、正規化露光時間とは、(CCDの露光時
間)/(バックグランドの信号が(20000/409
5)×100エレクトロンに達するまでのCCDの最大
露光時間)と定義した。(なお、上述の正規化露光時間
は、測定条件や、検査装置によって自由に設定すること
ができる。)
【0055】これは、信号雑音比が4.8dB以上(背
景に対する信号が雑音の3倍以上あること)の場合、一
般に言われている画像処理可能レベルとされ、正確に透
光性物質の不均一の有無、種類、大きさを判別すること
ができるからである。
【0056】また、本発明に係る透明基板の選別方法
は、レーザー光を導入する導入面と、導入したレーザー
光が全反射を繰り返す少なくとも一組の互いに対向する
主表面と、主表面の間を全反射を繰り返して進行するレ
ーザー光の進行方向に対向するように設けられた少なく
とも一組の端面とを備えた透明基板を準備する工程と、
前記透明基板内の光路が光学的に均一の場合には、透明
基板内を伝播して主表面及び端面に入射する光が全反射
をして、且つ、少なくとも一組の端面の間で反復するよ
うに伝播させ、伝播することによって形成される前記主
表面及び前記端面で囲まれた被検査領域でレーザー光が
行き渡るようにレーザー光を前記導入面より導入する工
程と、前記主表面及び/又は前記端面から全反射するこ
となく漏出する光を検出する工程と、前記検出工程で得
られた情報と、予め蓄積された透明基板に存在する不均
一性の有無、種類、大きさに対応した情報とを比較し、
透明基板を選別する工程と、を有することを特徴とす
る。
【0057】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。図1は本発明に係る透光性物質の不
均一性検査装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【0058】図1において、1は被検査対象である光学
ガラス等のガラスからなる透明基板である。透明基板1
は、図2に示すように、互いに対向する平行な平面を有
するものであって、それは、主表面(表面及び裏面)H
と端面(T面及び面取り部のC面)とからなり、いずれ
の表面も鏡面研磨した後、洗浄処理されている。この主
表面(表面及び裏面)は、透明基板内に導入したレーザ
ー光が、全反射を繰り返して伝播する役割を持ち、全反
射面としての機能を有する。また、端面(T面)は、光
の進行方向に対向するように設けられており、前記主表
面で全反射を繰り返して伝播した光を、対向する端面の
間で反復するようにしたものであって、導入して伝播し
た光を折り返す折返し面としての機能を有する。また、
C面は、前記主表面と前記端面(T面)とによって挟ま
れた面である。一般に、C面は、表面の微細な傷はあま
り問題にならないので、被検査領域の対象とせず、本発
明においては、レーザー光を導入する導入面としての機
能を有する。
【0059】また、ここでは、全反射面としての主表面
(表面、裏面)、折返し面としての端面(T面)、導入
面であるC面のいずれの表面も、鏡面研磨をしている
が、特に導入面を鏡面研磨することについては、本発明
の光閉じ込めにおいて意味がある。即ち、導入面を鏡面
研磨することによって、導入されたレーザー光は実質的
に拡散されず、ほぼ平行光のまま伝播していくので、主
表面、端面に入射するほとんど全ての光が全反射するよ
うに調整することができるが、導入面が研磨されていな
い場合、導入面で光が拡散し、複数方向の光が伝播する
とともに、それぞれの光線軌跡が予想できないので、本
発明の光閉じ込めが成立しない。尚、導入面を鏡面研磨
することについて説明したが、基板に導入するレーザー
光が、少なくとも最初に当たる主表面において、レーザ
ー光の全てが全反射するようにレーザー光を導入できれ
ば、鏡面研磨する必要はない。例えば、粗面の導入面に
対して、疑似鏡面を形成するために基板と同じ屈折率を
有するマッチングオイル等を塗布することによっても、
本発明の光閉じ込めが成立する。
【0060】また、透明基板1は、その表面での全反射
が阻害されず且つ漏出光の検査を容易とするために、フ
ォルダーによってできるだけ接触部分を少なくして水平
に保持される。図3は、透明基板1のフォルダーの一例
を示すもので、フォルダー20は透明基板1を保持する
矩形の枠体形状をなし、フォルダー20の底部内周側の
四隅には、透明基板1の底面隅部を支持するための受け
部21が形成されており、各受け部21には透明基板1
と点状に接触して支持する球体22が設けられている。
【0061】この透明基板1に対して、不均一性を検査
するためのレーザー光を透明基板1の側面側から導入す
るための照明手段が設けられている。照明手段は、照明
光を発光する光源としてのレーザー2と、レーザー光を
透明基板1のC面の所定位置・角度で照明するためのミ
ラー31,32とを有する。また、これらレーザー2、
ミラー31,32は、透明基板1の一辺1aの方向にレ
ーザー光を平行移動させるための駆動装置4を搭載した
テーブル5上に載置されている。この実施形態では、レ
ーザー2及びミラー31,32を透明基板1及び検出手
段に対し相対移動させるため、透明基板1及び検出手段
は固定し、レーザー2及びミラー31,32が駆動装置
4によって一体的に移動できるような構成になってい
る。(なお、透明基板1及び検出手段に駆動装置を取り
付け、レーザー2、ミラー31,32を固定し、透明基
板1及び検出手段が一体的に移動できるようにしても良
い。)また、透明基板1、レーザー2及びミラー31,
32を搭載したテーブル(図示せず)は、レーザー光を
導入する際に、CCDの焦点合わせを行って透明基板1
の厚さ方向の不均一性を検出するため、XYZ方向に移
動可能となっている。なお、ミラー31,32は角度等
の微調整のためのものであり、ミラー31,32を用い
ずにレーザー2から直接に基板1にレーザー光を照射す
るようにしてもよい。また、透明基板1内に導入された
レーザー光が全反射を起こす範囲内で入射角度を変動さ
せて入射させることができるように、入射角度調整手段
を備えても良い。なお、入射角度調整手段としては、ミ
ラー31,32の角度をコンピューターなどの制御によ
り自動的に角度を調整する機構を設けたものや、音響光
学偏光器といった超音波ビームの音響光学効果を利用し
て入射角度を変化させるものであってもよい。
【0062】また、透明基板1の上方には、透明基板1
から漏出するレーザー光を検出するための検出手段が設
けられている。検出手段は、CCD6及び透明基板1か
らの漏出光をCCD6に結像するレンズ系(結像光学
系)7を備えている。なお、透明基板1から漏出した光
を検出する光センサーとしては,CCDに限らず、フォ
トマルチプライヤー等を用いてもよい。また、照明光と
して可視レーザー光を使用する場合、基板1からの漏出
光を目視で検出し、検出手段を省略することもできる。
検出手段としてCCDを使用する場合、メカシャッター
機能を搭載したフルフレーム方式と、メカシャッターを
不要としたインターライン方式があるが、耐久性を考慮
すると、インターライン方式のCCDが好ましい。ま
た、CCDは、ノイズを低減するために強制放熱用ファ
ンや、電子冷却機能を搭載した方が好ましい。
【0063】また、CCD6には、検出したアナログ信
号をデジタル信号に変換するA/D変換器11を介し
て、検出した画像を処理するためのコンピューター等か
らなる画像処理装置12が接続されている。
【0064】画像処理装置12は、CCD6からの画像
信号を解析して、不均一性による漏出光の形状パター
ン、光量、強度分布などを表示する機能や、透明基板1
の不均一性の有無、種類(表面部の傷やクラック、内部
の脈理や異物など)、大きさ(面積、長さ、幅、深さ、
領域など)を判別する判別部を有する。また、画像処理
装置12の記憶部には、透明基板に存在する不均一性の
種類や大きさにそれぞれ対応する、漏出光の情報(漏出
光の形状パターン、光量、輝度、強度分布、表面からの
深さなど)として、予め測定によって得られた測定値
(基礎データ)等が入力されている。
【0065】次に、図1の検査装置を用いて行った具体
的な検査方法を述べる。検査対象として、152.4×
152.4×6.35mmの大きさで、C面の幅が0.4
mmのフォトマスク用ガラス基板(ガラスサブストレー
ト)を検査した。このガラス基板のC面から、図2に示
すように、ガラス基板内に入射してから最初に当たる主
表面への入射角θiが臨界角θcよりも大きくなり、且つ
ガラス基板端面への入射角(90°−θ)が臨界角θc
よりも大きくなるようにレーザー光を入射した。ガラス
基板の屈折率は1.47で、臨界角θcが約42.9°な
ので、入射角θiを44.1°とした。即ち、この導入の
仕方は、ガラス基板の主表面及び端面では、(幾何光学
的に)レーザー光が漏出する特異点が存在しないように
レーザー光を導入させており、また、C面でのみ、導入
したレーザー光が出射するようにレーザー光を導入させ
ている点が特徴である。なお、レーザーとしてはHe−
Neレーザーを使用し、ビーム径が0.5mm、ビーム
の広がり角が1mrad、レーザーパワーが0.5m
W、波長が543nmのレーザー光を照射した。
【0066】尚、今回使用する基板は、全反射面である
主表面と、折返し面である端面が全て垂直(直交)関係
にある形状であるので、主表面に入射する光の入射角は
同じになり、また、端面に入射する光の入射角も同じ
で、それらが一定の関係(主表面における光の入射角を
θiとしたときに、端面に入射する光の入射角は90°
−θiになる。)をもって伝播するようになる。従っ
て、ガラス基板に入射してから最初に当たる主表面への
入射角θiと端面への入射角90°−θiが臨界角θcよ
りも大きくなるように設定するだけで光閉じ込めが成立
したが、一般的な形状(例えば、主表面と端面が垂直関
係にない形状)の場合は、少し複雑になる。ここで、導
入するレーザー光の波長λに対するガラス基板の屈折率
をnt、ガラス基板と接触する外側媒質(空気)の屈折
率niを1とし、ガラス基板の主表面と端面に入射する
角度をθik(kはガラス基板内にレーザー光を導入して
から主表面及び端面に入射する位置を表し、順に入射位
置k=1,2,…とする。)とするとき、θikが全てs
inθ=ni/ntで表される臨界角θ以上となるように
導入しなければ光閉じ込めは成立しない。以上の説明の
ように、主表面と端面が垂直関係にある方が、光閉じ込
めには有利である。
【0067】また、照明手段により透明基板(ガラス基
板)1内に入射したレーザー光は、図1に示すように、
基板1の主表面及び端面で全反射を繰り返し、基板1内
にほぼ閉じ込められたような状態となる。ほぼ閉じ込め
られた状態というのは、導入されたレーザー光が透明基
板内を伝播し、導入面である面取り部に入射されるま
で、即ち、主表面及び端面に入射される限りでは、透明
基板内を全反射を繰り返して伝播し続けることを意味す
る。従って、Y方向に入射されたレーザー光は、基板1
をY方向に切断したときの一断面(YZ断面)状の領域
(被検査領域)に行き渡るように、光自身の全反射によ
る伝播によって、隈無く走査される。
【0068】以上のように、ガラス基板内に導入したレ
ーザー光は、ガラス基板の主表面及び端面で全反射を繰
り返し、ガラス基板内にほぼ閉じ込められたような状態
となるが、研磨時の異物混入等によってガラス表面に傷
等があると、全反射条件が満足されず、その傷の部分か
ら光が漏れ出る。また、ガラスの脈理等に特徴的な、透
過率は同じで屈折率だけが違う欠陥に関しても、屈折率
の違うところで本来の軌道(光路)を外れ、主表面や端
面で全反射されずに基板1外部へ漏れ出すことになる。
この漏れ出た光が検出手段によって検出される。
【0069】なお、上記一断面状の光照射により、基板
1の主表面側から見て1ライン状の検査ができ、この検
査工程を、テーブル5を駆動手段4によって基板1の一
辺1aの方向(X方向)に移動させて行うことにより、
基板1全域の不均一性の検査ができる。即ち、これは、
基板のある一組の全反射面である主表面と、ある一組の
折返し面である端面とによって挟まれた基板の被検査領
域において、基板内を光が伝播することによって光が満
たされた前記被検査領域内のある一平面における不均一
性(欠陥)検査した後、この検査の平面を基板に対して
光が被検査領域を埋め尽くす方向に相対移動させて不均
一性を検査する方法である。
【0070】この検査装置によって検出した結果を図
4、図5に示す。図4は、CCD6によって検出したガ
ラス基板表面の傷の画像である。図5は、傷の幅方向の
ある一辺においてCCDによって検出した光の情報を、
A/D変換器(アナログデジタル変換器)を介し、コン
ピューターで画像処理したものである。なお、このとき
使用したCCDは、電子冷却機能を搭載したインターラ
イン方式(メカシャッターなし)のCCDで、素子数1
300×1030、検出エリア8.71×6.90m
m、CCDの飽和量20000エレクトロンのものを使
用し、測定条件はCCDの露光時間を、200msec
とした。
【0071】図5のX軸は傷の幅方向の座標を示し、Y
軸は検出した光の強度を示す。X軸の目盛りの単位はピ
クセルで、この検査装置においては、×50(50倍)
の対物レンズと、×0.45(0.45倍)の結像レンズ
を使用しているので、1ピクセルは6.7[μm]/
(50×0.45)、即ち、約0.3μmに相当する
(6.7μmはCCDの画素1個の大きさを示す)。な
お、光の強度を12ビット(4096:1)に分解して
おり、1目盛りは(20000/4095)・Y(Y:
目盛り)エレクトロンである。図5から明らかなよう
に、傷から漏れ出た光の強度は、ピーク値で(2000
0/4095)×4095=20000エレクトロンと
CCDの許容値を超えた結果となり、傷以外の領域の光
の強度は0であった。このように、検出手段が検出する
画像は、真っ暗な背景に傷等がある不均一部分が線状、
点状などに輝いてみえるもので、得られた画像から傷等
の不均一部分を明瞭に判別することができる。ここで、
ガラス基板内の全反射による伝播を考えてみると、基板
内の光は均一部分での極めてわずかな吸収を除けば、伝
播する間に光が弱まる要素が全くなく、ガラス基板中を
伝播し続ける。そのため、照射した光のほとんど全てが
結果的に不均一部分へ集中することとなり、非常にはっ
きりとしたコントラストで不均一部分が鋭敏に現れる。
従って、微小な傷等を高感度で検出できる。一方、図6
は図4と同様の傷を光学顕微鏡(反射・明視野)で観察
したときの画像で、図7はその画像を図5と同様の画像
処理を施したものである。図6、図7からわかるよう
に、傷の信号がまわりの背景の信号に埋もれてしまい、
この方法では、傷を検出することができなかった。尚、
図4及び図6の傷を原子間力顕微鏡(AFM)で観察し
たところ、幅0.13μm、深さ0.0013μmの傷で
あることが確認された。
【0072】なお、上記実施形態において、透明基板1
に対するレーザー光の入射角θiを確認したい場合に
は、例えば、図2に示すように、基板表面にくさび状の
光学部材8をマッチングオイルなどを介して設置すれ
ば、光学部材8から出射する光の屈折角γや光学部材8
の頂角等から入射角θiを求めることができる。また、
基板内に検査光を導入するための入射窓として、光学部
材8のようなものを用いれば、基板の面取り部(C面)
以外から光を導入することもできる。
【0073】次に、従来の通常照明における光学顕微鏡
により不均一性を検出した場合と、本発明の検査方法に
より不均一性を検出した場合の差を明らかにするため
に、任意の傷を観察し、前記と同様の画像処理をしたと
きの正規化露光時間に対する信号雑音比の関係を図8に
示す。ここで、正規化露光時間とは、(CCDの露光時
間)/(バックグランドの信号が(20000/409
5)×100エレクトロンに達するまでのCCDの最大
露光時間)と定義し、信号雑音比は、10・log
10(S/N)とした。図8から明らかなように、従来の
通常照明での検査方法では、正規化露光時間を長くした
としてもせいぜい3dBが最高であったのに対し、本発
明の検査方法では、信号雑音比が30dBを超える結果
となった。なお、本発明の検査方法において、信号雑音
比が最大で36dBに留まっているが、CCDカメラの
飽和量の制限によるもので、実際は36dBを超える非
常に高いS/N比が得られていると思われる。(尚、通
常照明における信号雑音比がマイナス値になっているの
は、傷の信号が雑音に埋もれた結果だと考えられる。)
従って、本発明の検査方法は、一般に言われている画像
処理可能レベルである4.8dB(背景に対する信号が
雑音の3倍以上であること)をはるかに超え、透光性物
質の不均一性の有無、種類、大きさを正確に判別するこ
とができるものといえる。
【0074】また、上記の実施形態では、入射角θiを
44.1°にしたが、より多くの全反射を繰り返す最適
な入射角は以下に示すシミュレーションによって容易に
選定できる。以下、透明基板内を光が伝播する様子をシ
ミュレーションした結果を説明する。
【0075】まず、はじめに図9に示すように、透明基
板1の一辺(y軸方向)に沿って光を伝播させたときの
計算結果を述べる。このシミュレーションでは、透明基
板1の寸法は、上記実施形態のフォトマスク用ガラス基
板と同じ152.4×152.4×6.35mmであ
り、C面の幅は0.4mmとした。透明基板1の屈折率
は石英ガラスの屈折率1.47とし、透明基板1周囲の
屈折率は空気の屈折率1.00とした。また、透明基板
1の面取りしたC面(主表面及びT面に対し45°の角
度をなす)に入射する光線の方向を示すベクトル(単位
ベクトル)を(0.0000000 、0.6864532 、−0.7271740
)とした。シミュレーション結果を図10に示す。
【0076】図10において、入射角とは、光線が基板
1内に入射してから最初に当たる表面(主表面)に対す
る入射角であり、入射角を角度刻み0.05で変化させ
た。また、射出時z座標とは、光線が透明基板1から出
射するときの、基板1下面をz=0としたときのz座標
を表す。
【0077】図10の各入射角での表面反射回数をグラ
フにしたのが図11である。図11からわかるように、
透明基板の形状等にあわせて、表面反射回数が多くなる
入射角を選定するのがよい。あるいは、導入する光の入
射角度を変動させるようにしてもよい。
【0078】また、図12には、入射角43.35°に
おける基板内の光の伝播の様子を示した。図12
(1)、(2)、(3)はそれぞれ表面反射回数が50
回、250回、661回(射出時)の時の状態である。
このシミュレーションでは計算の簡素化のために、一平
面(yz平面)の断面内の領域だけの伝播としたが、図
12に示すように、光線が全反射を繰り返して領域内を
埋め尽くすように伝播することがわかる。なお、このシ
ミュレーションのように、透明基板の一辺(y方向)に
平行な光を導入する場合には、透明基板全域に照明光が
当たるようにするためには、ミラー等を用いて、もう一
辺(x方向)に沿って光を走査したり、あるいは、x方
向にスリット状に広がった光をC面から導入したりすれ
ばよい。
【0079】次に、図9のシミュレーションにおけるC
面の幅、ガラス基板の屈折率(レーザー光の波長に対応
する)を変化させたときのシミュレーション結果を図1
3、図14及び図15に示す。尚、このシミュレーショ
ンでは、ガラス基板の屈折率を1.46(レーザー光の
波長543nmに相当)とし、C面の幅を0.2mm
(図13)、0.4mm(図14)、0.8mm(図1
5)と変化させたこと以外は、図9において行ったシミ
ュレーションの条件と同様にして行った。
【0080】図13〜図15を見てもわかるようにC面
の幅が大きくなるにつれて、表面反射回数が減少してい
ることが分かる。これは、C面から導入したレーザー光
は、透明基板内を伝播して再度C面に入射した場合、C
面に入射した光は臨界角θより小さい角度で入射される
ために全反射されずに漏出してしまうので、C面の幅が
大きくなることによって、透明基板内を伝播した光がC
面に入射する確率が高くなったことによるものである。
従って、透明基板内における表面反射回数を多くするに
は、C面の幅を小さくすれば良い。今回使用したフォト
マスク用ガラス基板(152.4×152.4×6.3
5mm)の場合、表面反射回数が300回程度であれば
充分光が透明基板内を満たすことになるので、C面の幅
は0.4mm以下が好ましい。
【0081】また、C面の幅が共に0.4mmである図
11と図14とを対比すると、透明基板の屈折率(又
は、レーザー光の波長(透明基板の屈折率はレーザー光
の波長で決まるため))を変化させることによって、全
反射条件を満足するための臨界角も変化し、表面反射回
数を調整することができる。全反射条件を満足するため
の臨界角は、透明基板の屈折率と、透明基板の外側媒質
(例えば空気)との屈折率の差が大きければ大きいほ
ど、臨界角の自由度は大きくなり、それに従い、表面反
射回数も増大することになる。しかし実際には、透明基
板の材質は、用途によって制限されることがあるので、
通常はレーザー光の波長を適宜選択することによって、
表面反射回数を調整することができる。但し、レーザー
光の波長は、透明基板に対し吸収が小さい波長が好まし
く、また、不均一性の解像度にも影響するため、以上の
点を考慮してレーザー光の波長を選択する。
【0082】図16には、上記シミュレーションのよう
に一辺に平行な光線ではなく、より一般的な方向の光線
を透明基板内に導入した場合の光線の軌跡を示す。この
シミュレーションでは、透明基板1のC面に当てる光線
の方向を示すベクトルを(0.6924、0.3823、−0.6117)
とし、これ以外の条件は上記シミュレーション(図9)
と同一とした。図示のように、導入された光線は透明基
板1内で全反射を繰り返し、基板内に実質的に閉じ込め
られて基板全域を伝播する。従って、照明光の走査を一
切行わなくても、検査領域である透明基板全範囲を高速
・一括で検査可能となる。
【0083】なお、検査方法の簡略化を考えると、導入
した光が透光性物質内の全領域を覆い尽くすように、入
射光の3次元の方向ベクトル(x,y,z)を設定し
て、基板上のある一点から光を導入するよりも、上記実
施形態のように透光性物質のある一表面を決め、その表
面内で全反射条件を満足する入射角度を決めて光を導入
した後、透光性物質の形状に合わせて光の入射位置を移
動させた方が、より検査方法が簡略化できるので好まし
い。透光性物質が互いに対向する表面を有する基板の場
合、特に有効である。
【0084】また、上記の実施形態では、透明基板1の
一辺1aからレーザー光を導入した例を挙げたが、これ
に限らず、一辺1bの方向から光を導入させたり、辺1
aと辺1bの方向の2方向から光を導入させて検査を行
っても良い。辺1aと辺1bの2方向から光を導入して
検査すると、方向性を有する欠陥の検出などに有効であ
り、より高精度の検査ができるので好ましい。
【0085】前述の通り、本発明はガラスの傷等に特徴
的な、特定の照射方向では光るため検出できるが、照射
方向によっては光らないため検出できないというよう
な、光に対して方向性を有する欠陥の検出に関して、極
めて有効である。それは、幾何光学的全反射を繰り返す
ことで、透光性物質からなる被検査物内部に光をほぼ閉
じ込めるので、幾何光学的な見方をすると照射した光は
被検査物の不均一部分でのみ本来の軌道を外れ被検査物
外部へ漏れ出すことになるが、仮に唯一の不均一部分が
光に対して方向性を有する欠陥であったとしても、全反
射を繰り返す過程でその不均一部分は様々な方向から照
明されることになるためである。これに対し、従来の方
法では、コントラストを上げるため集光し、一方向から
光の照射を行っていたため、比較的大きなサイズの欠陥
に対しても方向性を有する欠陥はほとんど検出できなか
った。
【0086】また、ガラスの脈理等に特徴的な、透過率
は同じで屈折率だけが違う欠陥の検出に関しても、屈折
率の違うところで本来の軌道を外れ被検査物外部へ漏れ
出すことになるため検出可能になる。しかし、集光した
光の反射出力、透過出力という光量を検出する従来方法
では、原理的にも検出は不可能である。
【0087】上述した実施形態の検査方法を用いること
によって、欠陥を持ったガラス基板を迅速・適切に排除
することができ、ガラス基板の生産性を向上することが
できる。なお、表面上の傷などの欠陥を持ったガラス基
板を再度精密に鏡面研磨、洗浄処理を行うことによっ
て、仕様の範囲に入るフォトマスク用ガラス基板とする
ことができる。
【0088】上記の検査方法は、例えば、フォトマスク
用透明基板であるガラスサブストレートの製造工程後の
検査工程中で用いられるが、ガラスサブストレートには
加工精度の違いによって、大きさ(長さ等)にばらつき
がある(通常、フォトマスク用透明基板の公差は長さ:
±0.4mm、厚さ:±0.1mm程度)。このため、
ばらつきを持ったガラス基板の大きさを1枚1枚把握
し、各々のガラス基板の最適な全反射条件を求めてから
検査するとなると、膨大な時間がかかり、実用的ではな
い。なぜなら、ガラス基板の正確な寸法を測定し、より
数多くの全反射するような入射条件を把握してからレー
ザー光を入射させるという検査手法をとった場合、
{(ガラス基板の寸法測定時間)+(シミュレーション
時間)}×(検査枚数)の時間分、検査を行う前に余計
な時間がかかってしまうからである。
【0089】その場合、ガラス基板内に導入されるレー
ザー光を主表面(表面、裏面)、端面(C面以外)で全
反射をし、少なくとも一組の端面の間で光が反復する範
囲内で入射角度を変動させて入射させることにより、ガ
ラス基板の寸法にバラツキがあっても、ガラス基板の光
学的な不均一性を高感度・高速度に検出でき、実用性の
高い不均一検査方法及び装置となる。
【0090】すなわち、透光性物質内の光路が光学的に
均一の場合には透光性物質表面で全反射が起こり得る範
囲内で入射角度を変化させて透光性物質内に光を導入す
ることにより、透光性物質の寸法等にばらつきがあり各
透光性物質に対する最適な全反射条件に多少の違いがあ
っても、一定方向の入射光を導入するのではなく、入射
角度の違う光が導入され全反射しながら種々の経路を伝
播するので、透光性物質の隅々まで漏れなく光が行き渡
るようになる。
【0091】基板に対する入射角度を変動させる手段と
しては、図1の角度調整手段のように、ミラーに対し、
コンピューターなどに接続され角度を自動的に制御でき
る機構を取り付けたり、レーザー自体や基板を保持する
フォルダーなどに角度調整機構を設けたり、また、音響
光学偏光器といった超音波ビームの音響光学効果を利用
して入射角度を変動させるものであっても良い。基板に
対する入射角度は、例えば、上記の石英ガラスからなる
フォトマスク用ガラス基板(152.4×152.4×
6.35mm)の場合、レーザー光の入射角θiを4
5.0°〜44.0°の範囲で連続的に変化させると良
い。
【0092】また、前記透光性物質へのレーザー光の導
入は、透光性物質の情報に基づき行うことにより、特に
複数(枚)の透光性物質の検査を行うときに、効率的な
検査が可能となる。
【0093】ここで透光性物質の情報とは、透光性物質
と照明手段との相対的な位置関係や、透光性物質の表面
状態(鏡面仕上げされているか)等を言う。透光性物質
と照明手段の相対的な位置関係の情報は、透光性物質の
所定の位置に照明手段からの光が適切に導入されるため
に必要であり、また透光性物質表面状態の情報は、表面
が鏡面状態になっていないと、透光性物質の不均一性が
検出しにくくなるので、そのような基板を予め除外する
(必要ならば前工程(研磨等)に戻す)場合などに用い
ることができる。
【0094】透光性物質と照明手段との相対的な位置関
係を検出する位置検出手段を設け、該位置検出手段によ
って得られた情報を前記照明手段に伝達する伝達手段を
設けることにより、複数(枚)の検査を行うときに、効
率的な検査が可能となる。ここで、位置検出手段とは、
例えば、レーザー光を用いた距離測定器(レーザー走査
測定システムやレーザー干渉測定器など)をいい、伝達
手段とは、前記位置検出手段からのデータを取り込み、
照明手段、角度調整手段、導入光の入射位置を移動させ
る移動手段などにフィードバックするコンピューターな
どをいう。また、透光性物質の表面状態を観察し、例え
ば鏡面仕上げされていない被検査物を取り除くためのT
Vカメラ、CCD撮像素子イメージセンサ等の装置を設
けても良い。
【0095】なお、上記実施形態に、前記検出手段が検
出した光の情報に基づき透光性物質の不均一性の有無、
種類、大きさを判別する判別手段を設けることが好まし
い。
【0096】これは、予め透光性物質に存在する不均一
性の有無、種類(表面部の傷やクラック、内部の脈理や
異物など)や、大きさ(面積、長さ、幅、深さ、領域な
ど)に対して、表面から漏出する光の情報(漏出光の光
量、輝度、強度分布、表面からの深さなど)の関係(情
報)をコンピューター等に蓄積しており、検査によって
検出した光の情報と前記蓄積した情報とを対比すること
によって透光性物質の不均一性の有無、種類、大きさを
判別することができる。このように透光性物質の不均一
性の有無、種類、大きさを判別することにより、所望の
透光性物質を即座に抽出することができる。このため、
例えば、パターンの形成時や、被転写物に対する露光時
に影響のある不均一性を有するガラスサブストレート
を、検査後に次工程に進む前に排除したり、再研磨に戻
したりすることができ、生産性を向上できる。
【0097】この判別方法を具体的に図1の検査装置を
用いて説明する。基板1から漏出した光は、レンズ系7
によりCCDカメラのCCD6面に結像される。上述し
たように1ライン状のレーザー照射領域を基板1主表面
の全面に走査する間、CCDカメラのシャッターは開放
したままとし、基板1の主表面全面の画像データを蓄積
する。CCDカメラに取り込まれた画像データは、A/
D変換器11によりデジタル信号に変換され、画像処理
装置12に入力されて記憶部に格納され、判別部で画像
解析がなされる。判別部では、上記検査によって検出し
た光の画像データと、記憶部に予め入力していた画像情
報の基礎データとを対比することによって、透明基板1
の不均一の有無、種類、大きさを判別する。また、テー
ブル5等の移動量(基板1の照射位置の情報)がレーザ
ー干渉計(図示せず)などから画像処理装置12に入力
されており、CCDカメラの画像データと基板1の位置
データとから、基板1のどの位置(x、y)に、どんな
種類、大きさの不均一部分があるかが求められる。
【0098】基板1の照射領域に不均一部分がある場
合、不均一部分(及びその周辺)が点状などに輝いてみ
え、これを光学顕微鏡で拡大すると、図17のような画
像が観測される(なお、図17の画像は実際に観測され
る画像の明暗を反転したものである)。図17(a)に
示すような線状の画像41は、基板1表面の傷によるも
のであり、その代表的な大きさは、長さが30μm、幅
が0.2μm、深さが0.002μm程度である(な
お、このような微細な傷の大きさは、原子間力顕微鏡で
測定した)。また、図17(b)に示すような多くの集
まった画像42は、基板1内部の脈理あるいはガス等の
異物によるものであり、その代表的な大きさは、直径が
1mm程度のものである。このように画像のパターンや
大きさが基板1に存在する不均一性によって違うので、
不均一性の種類を判別できる。更に、脈理等による画像
42は、傷による画像41に比べて、ぼんやりと光って
みえるので、画像の輝度や強度分布からも判別可能であ
る。
【0099】また、不均一部分の大きさは、検出された
光の光量などから判別できる。更に、不均一が存在する
ところが基板1表面部(傷、クラックなど)なのか、基
板1内部(脈理、異物など)なのかは、光学顕微鏡で基
板1の輝点部分に焦点を合わせて、焦点が合った場所
(深さ)から判別することができる。なお、不均一性の
検査は、高速処理を図るために、まず、基板1表面に輝
点状の漏出光が存在するかを検査し、次いで、漏出光が
検出された基板1に対してのみ、更に輝点状に光った箇
所を光学顕微鏡で拡大するなどして検査するのが好まし
い。
【0100】なお、この不均一性を判別するに当たって
は、基板1に異なる入射位置、異なる方向(2方向)か
ら光を導入すると、方向性のある不均一性(欠陥)であ
っても漏出光の確実な情報が得られるので、正確に不均
一性の有無、種類、大きさを判別できるので好ましい。
光の導入の仕方としては、図18のように透明基板1の
一辺1aの方向(X方向)にレーザー光L1を、一辺1
bの方向(Y方向)にレーザー光L2を同時に導入した
り、基板1に対し異なる方向のレーザー光を1方向ずつ
(X,Y方向など)導入して検査するようにしてもよ
い。
【0101】また、図19に示すように、例えば、レー
ザー13、ミラー14、15を使って透明基板1のコー
ナー部よりレーザー光Lを導入して不均一性を検査する
場合においても、上記と同様にして結像光学系16、C
CDカメラ17、画像処理装置18によって不均一性の
種類、大きさを判別できる。
【0102】また、上記実施形態では、基板1のy方向
の一方向にのみレーザー光を導入して検査する例を挙げ
たが、基板1に異なる入射位置、異なる方向からレーザ
ー光を導入する場合、また、必ずしも異なる入射位置で
ある必要はなく、例えば図20のように、基板1の同じ
入射位置より、基板1の主表面側から見て異なる複数の
方向へレーザー光L1、L2を導入しても、方向性のある
不均一性も確実に検出できるという本発明の効果は達成
される。
【0103】また、上記実施形態では、透明基板へのレ
ーザー光の導入はC面である面取り部から行ったが、面
取り部以外の面から導入することも可能である。その場
合、レーザー光を導入するための入射窓として、透明基
板の屈折率とほぼ同じ材料からなる光学部材を、接着剤
等によって取り付ければ良い。しかし、検査方法の簡略
化、透明基板内でより多くの全反射を繰り返し、全域に
渡って不均一性を検査するためには、C面である面取り
部からレーザー光を導入することが好ましい。レーザー
光を導入するための入射窓を備えた光学部材を取り付け
た場合、光学部材の箇所は、透明基板内を伝播した光が
全反射条件を満足しないので光が漏出するからである。
なお、面取り部は鏡面仕上げされていることが好まし
く、また面取り部の幅は小さいほど好ましく、0.4m
m以下、より好ましくは0.2mm以下とするのがよ
い。しかし、極端に小さく(0.1mm未満に)する
と、鏡面研磨時に欠けが生じるので好ましくない。
【0104】次に、本発明の検査方法及び検査装置を用
いて各種用途に利用可能な透明基板の選別方法について
図面を用いて説明する。図21は、透明基板を選別する
検査工程フローチャートを示す図である。
【0105】図1の検査装置を用いて行った具体的な選
別方法を図21の検査工程フローチャートを参照して説
明する。
【0106】検査領域の決定・アライメント 検査対象となる透明基板1として、両主表面、端面、面
取り面が鏡面研磨された152.4×152.4×6.
35mmの大きさで、C面の幅が0.4mmの石英ガラ
スからなるフォトマスク用ガラス基板(ガラスサブスト
レート)を準備した。
【0107】このガラス基板を、検査装置のある基準位
置に固定したステージガイドピン(図示せず)に押し当
たるまで図示しない搬送手段によって搬送し、ガラス基
板の位置決めを行う(工程1)。このときガラス基板内
の原点・座標が決定する。
【0108】次に、先に決定された座標に基づき検査領
域を特定する。そしてこの検査領域とCCDの測定視野
は必ずしも一致していないので、一致していない場合
は、CCDの視野に対応して測定領域の分割(A1,A2,A
3,B1,B2,B3,…)を行う(図22)(工程2)。このと
き、分割した測定領域A1,A2,A3,B1,B2,B3,…と、CCD
の測定視野は一致している。測定に使用したCCDは、
電子冷却機能を搭載したインターライン方式(メカシャ
ッターなし)のCCDで、素子数1300×1035、
検出エリアが8.71×6.90mmのものを使用し、測
定視野は、測定倍率0.7倍で測定した。
【0109】次に、検査領域内にレーザー光が伝播する
ように、レーザー光の入射位置及び入射角度を調整する
(工程3)。レーザー光の入射位置及び入射角度は、透
明基板とレーザーとの相対的な位置関係を検出する位置
検出手段(図示せず)によってガラス基板の情報を得
て、寸法の異なるガラス基板に的確にレーザー光が導入
できるように、ミラー、テーブルを調整してレーザー光
を導入する。なお、入射角度は、ガラス基板の屈折率は
1.46で、臨界角θcが約43.2°なので、入射角θi
を45.0°とした。
【0110】次に、ガラス基板内にレーザー光を導入し
たとき、全反射を繰り返して伝播する範囲内でレーザー
光の入射角を変動させる(工程4)。これは、複数枚の
ガラス基板を検査する過程において、各々のガラス基板
が加工精度の違いによって多少寸法にばらつきがあって
も、光の入射角度を変化させることによって、ガラス基
板内を伝播する光線軌跡も少しずつずれることになるの
で、ガラス基板の加工精度のばらつきを吸収して、ガラ
ス基板の不均一性を検査するために行うが、また、次工
程のCCDの画像合わせするためにも行うものである。
尚、入射角を変動させる手段は、ミラーの角度をコンピ
ューターなどの制御により自動的に角度を調整する機構
を設けたものや、音響光学偏光器といった超音波ビーム
の音響光学効果を利用して入射角度を変動させるもので
あってもよい。入射角の変動は、入射角θiを全反射を
満足する45.0°〜44.0°の範囲で連続的に変化
させた。
【0111】次に、透明基板から漏出する光、即ち不均
一性を的確に判別するためにCCD画像の焦点あわせを
行う(工程5)。焦点合わせは、ガラス基板、レーザ
ー、ミラーを一体的にz軸方向(レンズ及びCCD方
向)に移動させて行う。尚、ガラス基板、ミラー、レー
ザーを固定し、レンズ、CCDを一体的にz軸方向に移
動させても構わない。
【0112】検査領域内の不均一性の検査 図22に一部拡大して示すように、分割した一つの測定
領域A1のある座標(A1X1,A1Y1)を通りy軸方向に平行
なレーザー光Lが伝播するように導入面である面取り面
よりレーザー光Lを導入し、ガラス基板内で全反射を繰
り返して伝播する範囲内(45.0°〜44.0°)で
入射角を変化させ、不均一性を検査する。そして、同様
な走査をレーザー光Lをx軸方向に移動させて、測定領
域A1の端部の座標(A1XX,A1Y1)を通るまで不均一性の
検査を実施し、測定領域A1における不均一性の検査を終
了する(工程6)。なお、測定領域A1の不均一性検査開
始から終了までCCDの露光は行われている。なお、測
定領域A1における不均一性の検査は、(A1X1,A1Y1)を
通りx軸方向に平行なレーザー光が伝播するようにレー
ザー光を入射し、y軸方向にレーザー光を移動させても
よい。また、これら直交する2方向のレーザー光を組み
合わせて導入しても構わない。このようにガラス基板に
対し、その主表面側から見て複数の異なる方向の光を導
入した場合、複数の方向から光がガラス基板内に照射さ
れることとなり、方向性のある不均一性(欠陥)があっ
ても確実に検出することができる。
【0113】画像処理 工程6において、CCDによって検出したガラス基板か
らの漏出した光の情報(アナログ信号)を、コンピュー
ターなどの情報蓄積手段で画像処理を行うためA/D変
換器によってデジタル信号に変換する。このデジタル信
号に変換した光の情報は、コンピューターなどの情報蓄
積手段で蓄積され、図23に示すような光の強度を12
ビット(4096:1)に分解し画像処理を行う(工程
7)。なお、図23におけるY軸は、光の強度を表し、
1目盛りは(20000/4095)・Y(Y:目盛
り)エレクトロンである。
【0114】不均一性の許容判定 工程7の画像処理を行った結果、ガラス基板に存在する
不均一性は、基板表面の傷と判定し、予め傷の許容設計
値としていた(20000/4095)×200エレク
トロンと対比し(バックグランドが(20000/40
95)×100エレクトロン以下のとき)、許容設計値
を超えているので、このガラス基板を不良と判定した
(工程8)。
【0115】なお、この実施形態では、検査領域A1で基
板表面に許容範囲を超えた傷が発見されたため、次の検
査領域A2の不均一性検査は行わず、基板の再研磨、洗浄
工程に移ったが、検査領域A1で不均一性が発見されなか
った場合、先に分割した検査領域A2,A3,B1,B2,…と前記
工程6〜工程8(場合によっては、工程2〜工程8)を
繰り返し行なう。そして、検査領域全て不均一性の許容
設計値以下と判別されたとき、そのフォトマスク用ガラ
ス基板を良品として選別する。
【0116】上述した実施形態の選別方法を用いること
によって、欠陥を持ったガラス基板を迅速・適切に排除
することができ、ガラス基板の生産性を向上することが
できた。なお、欠陥を持ったガラス基板を再度精密に鏡
面研磨、洗浄処理を行うことによって、仕様の範囲に入
るフォトマスク用ガラス基板とすることができる。
【0117】図24は、本発明の透明基板の選別方法を
磁気ディスク用ガラス基板に応用した第2の実施形態で
ある。なお、フォトマスク用ガラス基板に適用した前記
第1の実施形態と重複する工程の説明については省略す
る。
【0118】検査対象となる透明基板1として、両主表
面(H)、内周端面(T1面)及び外周端面(T2面)、
面取り面(C面)が鏡面研磨された直径95mm(3.
5インチ)φ、厚さ0.8mm、中心部の円孔(直径2
0mmφ)の石英ガラスからなる円盤状の磁気ディスク
用ガラス基板(ガラスサブストレート)を準備した。
【0119】検査領域は、図24に示すように透明基板
の主表面上のある領域の内周側から外周側に向ってA1,A
2,A3,…と測定領域を分割し、分割した測定領域ごとに
不均一性の検査を行う。
【0120】不均一性の検査は、円盤状のガラス基板1
の外周端面からレーザー光Lを円盤の中心(O)方向に
向って導入し、外周端面と内周端面を含む半径方向(r
方向)の一平面内で光を閉じ込め(透明基板の両主表面
で全反射を繰り返し、内周及び外周端面で光が反復する
ようにする)、円盤を回転させる駆動装置(図示せず)
によって円盤を回転させてレーザー光Lを円盤の周方向
(θ方向)に移動させながら行う。具体的に、図25を
用いて説明すると、図25に示すように分割した測定領
域A1のある座標(A1r1,A1θ1)を通りr方向に平行なレ
ーザー光Lが伝播するように、レーザー25、ミラー2
6、27により導入面である面取り面(C面)にレーザ
ー光Lを導入し、円盤状ガラス基板1内で全反射を繰り
返して伝播する範囲内(45.0°〜44.0°)で入
射角を変化させ、不均一性を検査する。そして、円盤状
ガラス基板1を回転させ、同様な走査をレーザー光をθ
方向に移動させて、測定領域A1の(A1r1,A1θX)を通る
領域の不均一性の検査を終了した時点で、測定領域A1に
おける不均一性の検査を終了する。なお、不均一性の検
査において、レーザー光の導入を円盤の内周端面から入
射させてもよく、内周及び外周端面の両方から入射させ
ても構わない。
【0121】前記第1の実施の形態と同様に、画像処
理、不均一性の許容判定を行った。その結果、検査領域
A1では許容範囲を超えた欠陥が発見されなかったので、
検査領域A2,A3,B1,B2,…に検査領域をかえ、前記検査領
域A1と同様の不均一性の検査を行った。円盤状ガラス基
板の全領域について不均一性の検査を行ったが、許容範
囲を超えた欠陥は発見されなかったため、良品と判定し
た。
【0122】なお、前記第1の実施の形態と同様、ある
検査領域で許容範囲を超えた欠陥が発見された場合、不
良と判定し、次の検査領域の不均一性の検査は行わず、
基板の再研磨、洗浄工程に移ることもできる。
【0123】また、前記検査方法及び選別方法におい
て、透光性物質の不均一性(欠陥)から漏出する光のコ
ントラストを低下させる不要な光として、透光性物質の
材料固有の微視的な密度の揺らぎに起因して散乱するレ
ーリー散乱光等がある。このような不要光を低減するた
めに、透光性物質内に波長の異なる少なくとも2つの光
を導入したり、ある特定の偏光を漏った光を導入するこ
とによって、不均一性の検出光のコントラストを向上さ
せ、更なる高感度・高精度の検出が可能となる。なお、
前者の波長の異なる少なくとも2つの光を導入する場合
は、レーリー散乱光は異なる波長の光が混合した色の光
となるため、透光性物質と検出手段との間に、混合され
た光の波長域を吸収あるいは反射する(色)フィルター
を利用することによって取り除くことができる。また、
後者の特定の偏光を漏った光を導入する場合は、レーリ
ー散乱によって特有の偏光特性・偏光状態の光となり、
不均一性によって漏出する光の偏光特性との差を利用し
て、透光性物質と検出手段との間に、偏光フィルター、
偏光板、偏光プリズムなどの偏光素子を置くことによっ
て、レーリー散乱光を効果的に取り除くことができる。
【0124】また、透光性物質の不均一性(欠陥)から
漏出する光のコントラストを低下させる不要な光とし
て、透光性物質に導入しきれなかった光が、透光性物質
の表面で反射され、不均一性の検出光を検出する検出系
に入射してくる迷光がある。この迷光を低減するには、
レーザ光を入射する透光性物質の導入面の大きさに対応
させて導入光をレンズ等の光学系によって集光して縮小
すると共に、集光されたレーザ光が導入面より透光性物
質内にほぼ平行光となって導入されるように、導入面を
凹断面状にする。これにより、迷光を低減でき、不均一
性の検出光のコントラストを増大でき、高感度・高精度
の検出が可能となる。
【0125】また、透光性物質の不均一性(欠陥)から
漏出する光のコントラストを低下させる他の要因とし
て、図26に示すように(同図(1)は斜視図、(2)は側
断面図である)、前記透光性物質が主表面、端面、面取
り面を有する矩形状平板であって、導入面(面取り面
(C面))よりレーザー光Lを導入して不均一性を検査
する場合、導入面以外の面取り面から光が漏出し、迷光
となる場合がある。この場合、光の進行方向に対向する
光を導入する面取り面以外の面取り面の間を、面取り面
の面方向に複数配列した光ファイバーを束ねた導光体5
0によって接続することにより、面取り面から漏出した
光を再び透光性物質内に導入できるので、迷光を低減し
て、導入したレーザー光をより効果的に不均一部分に集
中させることができるので、コントラストが増大し、高
感度・高速度の検出が可能となる。
【0126】また前記検査方法における実施形態、及び
前記選別方法における第1、第2の実施形態では、鏡面
仕上げされた表面を有する透光性物質として、ガラス製
の透明基板を挙げたが、ガラスに限らず、アクリル樹脂
等の光学プラスチック、水晶等の光学結晶など、検査光
が透過できる材質ならばどのようなものでもよい。
【0127】また、前記検査方法における実施形態、及
び前記選別方法における第1、第2の形態では、透明基
板全面が鏡面仕上げされた表面を有する例を挙げたが、
これに限らず、一部又は全面が鏡面仕上げされていない
表面を有する透明基板であっても構わない。例えば、フ
ォトマスク用ガラス基板であるガラスサブストレートの
場合には、パターンが形成されない主表面以外の端面は
鏡面研磨しない場合があったり、磁気ディスク用ガラス
基板の場合、磁性層等の膜が形成されない主表面の内周
や外周端面を鏡面仕上げしない場合などであるが、その
場合、鏡面仕上げされていない表面上にマッチングオイ
ル等の液体を塗布することによって、その表面があたか
も鏡面仕上げされている表面(液体の自由表面、疑似鏡
面)となるので、本発明の検査方法、検査装置によって
不均一部分を検査することができる。特に、鏡面仕上げ
を施していない段階で、透光性物質の内部に存在する不
均一部分(脈理、気泡、異物等)のみを検査したい場合
に有効である。
【0128】なお、疑似鏡面を形成するための塗布する
液体とは、光学部品に用いられるマッチングオイルや封
入剤、あるいは、ガラスのすり傷遮蔽剤などが挙げられ
る。透光性物質の表面に塗布した液体は、塗布した後も
液体状態のままであっても、あるいは、ジェリー状や硬
い皮膜状などに固化した状態となってもよい。また、液
体の塗布方法としては、刷毛塗り(刷毛やスポンジ状の
ものなどに液体を含ませて塗り付ける)、スプレー塗
装、スピンコートなど、透光性物質の表面に平滑に塗布
できるものならば、どのような方法を用いてもよい。そ
の場合、使用する液体や塗布面などに応じて適宜選定す
る。
【0129】また、前記透光性物質と前記液体の屈折率
をほぼ同一とすると、塗布した鏡面状態の液体表面が、
光学的には実質的な透光性物質の表面となり、透光性物
質内に導入した光を確実に全反射して内部に戻すことが
できる。具体的には、透明基板には石英ガラス(屈折率
1.46)などがよく用いられるので、屈折率が近く、
取り扱いやすい液体としては、カナダバルサム(屈折率
1.52)、エンテランニュー(商品名、屈折率1.4
9)、ジヨードメタン(ヨウ化メチレン、屈折率1.7
4)、セダー油(屈折率1.52)、流動パラフィン
(屈折率1.48)、アクアテックス(商品名、屈折率
1.4)、グリセリン(屈折率1.46)などが挙げら
れる。
【0130】カナダバルサム、エンテランニューなどの
非水溶性のものには、キシレンなどの有機溶剤を加える
ことによって屈折率や粘度を調整でき、グリセリン、ア
クアテックスなどの水溶性のもにには、水を加えて屈折
率、粘度を調整することができる。また、ガラスのすり
傷遮蔽剤としては、特公平6−4496号公報記載のポ
リオルガノシロキサン及びポリジオルガノシロキサンを
主成分とするエマルジョン組成物などがある。
【0131】透明基板の全面が鏡面仕上げされていない
場合の検査には、例えば、透明基板内部の不均一性(脈
理、気泡、異物等)のみを検査する場合などがある。こ
の場合、内部に不均一部分が存在すると、致命的な欠陥
となる、例えば位相シフトマスク用ガラス基板の場合
に、鏡面仕上げする前の段階で検査することで、不良品
を除外することができるので、製造コストも安く済む。
【0132】また、透光性物質の形状は、四角形(矩
形)や円形等の基板に限らず、ブロック形状や球状、円
柱、円筒、多角柱や曲面を有するものでもよい。特に、
前記透光性物質を互いに対向する面を有する基板、特
に、少なくとも2組の互いに対向する平行な平面を有す
る基板(例えば、四角形(矩形)や円盤形など)とする
と、導入した光が全反射を繰り返して基板内に閉じ込め
られた状態になり易く、実際上、透光性物質の広範囲な
領域の検査を同時に行うことができ、高速検査が可能と
なる。更に、基板としては、電子デバイス用(フォトマ
スク(位相シフトマスク)用)ガラス基板、液晶ディス
プレイ用ガラス基板、情報記録用ガラス基板(磁気ディ
スク、光ディスク等)など各種基板の検査に適用可能で
ある。情報記録用ガラス基板は円盤状なので、実際に検
査を行う場合には、研磨された外周あるいは内周端面
(例えば面取り部)からレーザー光を入射させて行う。
なお、基板両面の検査が必要な場合には、基板の上方及
び下方にそれぞれ検出手段を設け、基板両面の検査を一
度に行うようにしてもよい。
【0133】また、上記実施形態では、レーザーとし
て、気体レーザー(He‐Neレーザー)を用いたが、
これに限らず半導体レーザー等の可視域のレーザー、あ
るいは、透光性物質に対して吸収が少ないものであれ
ば、紫外域のエキシマレーザーや、赤外域のNd‐YA
Gレーザー、CO2レーザー等を検査用光源として使用
することができる。特に、紫外域のレーザー(例えばエ
キシマレーザーやYAGレーザーの高調波等)を用いた
場合、基板表面に付着している異物等を蒸発、蒸散等の
作用により取り除くことが期待できるので好ましい。
【0134】また、上記実施形態では、基板に対する入
射角度を変化させる角度調整手段をレーザーと基板との
間にあるミラーに取り付けた例を挙げたが、基板に対す
るレーザー光の入射角度を変化させることができれば、
どのようなような構成でもよく、レーザー自体に角度調
整手段を設けたり、基板を支持するフォルダーに角度調
整手段を設けてもよい。また、レーザー光の導光を、上
記実施形態のようにミラーではなく、光ファイバを用い
て導光してもよい。その際、光ファイバの出射端部をガ
イド等を用いて基板の各辺に沿って移動させたり、ある
いは、光ファイバの出射端部側に振動等を与えて入射角
度を変動させたりしてもよい。
【0135】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
物理的な臨界現象である全反射を利用して透光性物質内
にレーザー光を閉じ込めるようにしているため、透光性
物質の不均一部分と均一部分とにおける検査光に対する
応答も臨界的となり、不均一性が非常にはっきりとした
コントラストで現れ、微細な傷等の不均一を高感度に検
出できるとともに、高精度、高速度に検出することがで
きる。さらに、透光性物質表面の不均一のみならず、内
部の傷や脈理等の欠陥の検出も可能である。
【0136】また、透光性物質の表面から漏出した光の
情報に基づいて透光性物質の不均一性の有無、種類、大
きさを判別することにより、即座に所望の透光性物質を
抽出することができ、透光性物質の生産性を向上でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る透光性物質の不均一性検査装置の
一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の透明基板の一部を拡大した側面図であ
る。
【図3】透明基板を保持するフォルダーの一例を示す斜
視図である。
【図4】図1の検査装置により検出されたガラス基板表
面の傷の画像である。
【図5】図4の画像の光情報から画像処理によって求め
られた、傷の幅方向における光強度分布を示す図であ
る。
【図6】図4の傷を光学顕微鏡(反射・明視野)で観察
したときの画像である。
【図7】図6の画像の光情報から画像処理によって求め
られた、傷の幅方向における光強度分布を示す図であ
る。
【図8】本発明方法と従来方法との検出感度を比較した
もので、正規化露光時間に対する信号雑音比の関係を示
すグラフである。
【図9】透明基板にその一辺に沿ってレーザー光を導入
したときの、透明基板内の光線軌跡を求めるシミュレー
ションを説明するための斜視図である。
【図10】図9のシミュレーションによる結果の一例を
表す図である。
【図11】図10における透明基板への入射角と表面反
射回数との関係を示すグラフである。
【図12】図9のシミュレーションで得られた、透明基
板内の光の伝播の様子を示す光線軌跡図である。
【図13】図9のシミュレーションの他の例における透
明基板への入射角と表面反射回数との関係を示すグラフ
である。
【図14】図9のシミュレーションの他の例における透
明基板への入射角と表面反射回数との関係を示すグラフ
である。
【図15】図9のシミュレーションの他の例における透
明基板への入射角と表面反射回数との関係を示すグラフ
である。
【図16】透明基板にレーザー光を導入したときの、光
の伝播をシミュレーションした結果を示す光線軌跡図で
ある。
【図17】本発明の不均一性検査により観測される透明
基板の傷等の画像を示す図である。
【図18】透明基板に2方向からレーザー光を導入した
ときの様子を示す斜視図である。
【図19】透明基板のコーナー部よりレーザー光を導入
した実施形態を示す概略構成図である。
【図20】透明基板の同じ入射位置から異なる複数の方
向にレーザー光を導入する実施形態を示す斜視図であ
る。
【図21】透明基板の良品・不良品の選別を行う検査工
程の一実施形態を示すフローチャートである。
【図22】本発明の透明基板の選別方法をフォトマスク
用ガラス基板に適用した第1の実施形態を説明するため
の図である。
【図23】図22の第1の実施形態の検査によって検出
されたガラス基板表面の傷の画像の光情報から、画像処
理によって求められた傷の幅方向における光強度分布を
示す図である。
【図24】本発明の透明基板の選別方法を磁気ディスク
用ガラス基板に適用した第2の実施形態を説明するため
の図である。
【図25】図24の第2の実施形態の検査方法を説明す
るための図である。
【図26】本発明の不均一性検査の他の実施形態を示す
図である。
【図27】屈折率の異なる境界面における光の屈折を示
す図である。
【図28】透光性物質の表面での全反射条件を求めるた
めに用いた図である。
【図29】直方体形状の透光性物質内に、多重全反射に
よって光が閉じ込められる全反射条件を満足する領域を
示す図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 レーザー 6 CCD 7 レンズ系 11 A/D変換器 12 画像処理装置 31、32 ミラー L レーザー光 H 主表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平9−360331 (32)優先日 平成9年12月26日(1997.12.26) (33)優先権主張国 日本(JP) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/84 - 21/958 G01M 11/00 - 11/08 G03F 1/00 - 1/16

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性物質内にレーザー光を導入して透光
    性物質の不均一性を検査する方法において、 前記透光性物質は、透光性物質内に導入したレーザー光
    が全反射を繰り返す互いに対向する少なくとも一組の全
    反射面と、全反射面の間を全反射を繰り返して進行する
    レーザー光の進行方向に対向するように設けられ、前記
    レーザー光を全反射して前記全反射面へと戻す少なくと
    も一組の折返し面とを備え、 前記透光性物質内の光路が光学的に均一の場合には、透
    光性物質内を伝播して前記全反射面及び前記折返し面に
    入射するレーザー光が全反射をして、且つ、少なくとも
    一組の折返し面の間で反復するようにレーザー光を伝播
    させ、伝播することによって形成される前記全反射面と
    前記折返し面で囲まれた被検査領域でレーザー光が行き
    渡るようにレーザー光を導入し、 前記透光性物質内に導入され伝播するレーザー光の光路
    中に不均一部分が存在するときに、前記全反射面及び/
    又は前記折返し面から漏出する光を検出することから透
    光性物質の不均一性を検査するようにしたことを特徴と
    する透光性物質の不均一性検査方法。
  2. 【請求項2】前記全反射面及び前記折返し面で、幾何光
    学的にレーザー光が漏出する特異点が実質的に存在しな
    いようにレーザー光を導入することを特徴とする請求項
    1記載の透光性物質の不均一性検査方法。
  3. 【請求項3】導入するレーザー光の波長λに対する前記
    透光性物質の屈折率をnt、透光性物質と接触する外側
    媒質の屈折率をniとし、前記全反射面及び前記折返し
    面に入射する光の角度をθik(kは透光性物質内にレー
    ザー光が導入されてから全反射面及び折返し面に入射す
    る位置を表すもので、入射位置を順にk=1,2,…と
    する。)とするとき、θikは前記全反射面及び前記折返
    し面において、sinθ=ni/ntで表される臨界角θ
    以上となるようにレーザー光を導入することを特徴とす
    る請求項1記載の透光性物質の不均一性検査方法。
  4. 【請求項4】幾何光学的に前記透光性物質内に導入した
    レーザー光が、少なくとも最初に当たる前記全反射面又
    は前記折返し面においてレーザー光の全てが全反射する
    ようにレーザー光を導入するようにしたことを特徴とす
    る請求項1乃至3の何れか一項記載の透光性物質の不均
    一性検査方法。
  5. 【請求項5】レーザー光を導入するための導入面を、あ
    る一つの前記全反射面と少なくとも一つの前記折返し面
    とによって挟まれた箇所に設けることを特徴とする請求
    項1乃至4の何れか一項記載の透光性物質の不均一性検
    査方法。
  6. 【請求項6】前記導入面及び前記導入面と前記全反射面
    とのなす角がほぼ同じ面においてのみ導入したレーザー
    光が出射するようにレーザー光を導入することを特徴と
    する請求項5記載の透光性物質の不均一性検査方法。
  7. 【請求項7】少なくとも前記導入面が鏡面研磨されてい
    ることを特徴とする請求項5又は6記載の透光性物質の
    不均一性検査方法。
  8. 【請求項8】前記全反射面の大きさをL、前記導入面の
    幅をd、前記レーザー光の波長λに対する透光性物質の
    屈折率をnt、透光性物質と接触する外側媒質の屈折率
    をni、前記レーザー光のビーム径をφ、前記レーザー
    光が前記全反射面及び前記折返し面に入射する光の角度
    をθik(kは透光性物質内にレーザー光が導入されてか
    ら全反射面及び折返し面に入射する位置を表すもので、
    入射位置を順にk=1,2,…とする。特に、レーザー
    光が導入されてから最初に全反射面又は折返し面に入射
    する光の角度をθ1とする。)、前記全反射面でレーザ
    ー光が反射する回数をmとし、mがL,d,nt
    (λ),ni,φ,θ1の関数で表されるとするとき、θ
    ikの全てが臨界角θ以上となる範囲内において、mが基
    準設定値以上となるように、L,d,nt(λ),ni,
    φ,θ1の少なくとも何れか一つの条件を決定して前記
    導入面よりレーザー光を導入することを特徴とする請求
    項5乃至7の何れか一項記載の透光性物質の不均一性検
    査方法。
  9. 【請求項9】前記全反射面及び前記折返し面が互いに直
    交関係にあることを特徴とする請求項1乃至8の何れか
    一項記載の透光性物質の不均一性検査方法。
  10. 【請求項10】前記一組の全反射面と前記一組の折返し
    面とによって挟まれた透光性物質の被検査領域におい
    て、前記透光性物質内をレーザー光が伝播することによ
    って光が満たされた前記被検査領域内のある一つの平面
    における不均一性を検査した後、前記透光性物質に対し
    前記検査の平面を、光が前記被検査領域を埋め尽くす方
    向に相対移動させて被検査領域の不均一性を検査するよ
    うにしたことを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項
    記載の透光性物質の不均一性検査方法。
  11. 【請求項11】透光性物質内にレーザー光を導入して透
    光性物質の不均一性を検査する方法において、 前記透光性物質の表面は、少なくとも一組の互いに平行
    な主表面と、該主表面と直交する少なくとも一組の端面
    と、前記主表面と前記端面とによって挟まれた面取り部
    とを有し、 前記透光性物質内の光路が光学的に均一の場合には、透
    光性物質内を伝播して前記主表面及び前記端面に入射す
    るレーザー光が全反射をして、且つ、少なくとも一組の
    端面の間で反復するように伝播させ、伝播することによ
    って形成される前記主表面、端面及び面取り部で囲まれ
    た被検査領域でレーザー光が行き渡るようにレーザー光
    を導入し、 前記透光性物質内に導入され伝播するレーザー光の光路
    中に不均一部分が存在するときに、前記主表面及び/又
    は前記端面から漏出する光を検出することから透光性物
    質の不均一性を検査するようにしたことを特徴とする透
    光性物質の不均一性検査方法。
  12. 【請求項12】前記主表面及び前記端面で、幾何光学的
    にレーザー光が漏出する特異点が実質的に存在しないよ
    うにレーザー光を導入することを特徴とする請求項11
    記載の透光性物質の不均一性検査方法。
  13. 【請求項13】前記面取り部からのみ導入したレーザー
    光が出射するようにレーザー光を導入することを特徴と
    する請求項11記載の透光性物質の不均一性検査方法。
  14. 【請求項14】導入するレーザー光の波長λに対する前
    記透光性物質の屈折率をnt、透光性物質と接触する外
    側媒質の屈折率niとし、透光性物質内にレーザー光が
    入射してから最初に当たる前記主表面に入射する光の角
    度をθ1とするとき、θ1は前記主表面において、sin
    θ=ni/ntで表される臨界角θ以上となり、かつ前記
    端面において(90°−θ1)が前記式で表される臨界
    角θ以上となるように導入面からレーザー光を導入する
    ことを特徴とする請求項11記載の透光性物質の不均一
    性検査方法。
  15. 【請求項15】少なくとも前記面取り部が鏡面研磨され
    ていることを特徴とする請求項11乃至14の何れか一
    項記載の透光性物質の不均一性検査方法。
  16. 【請求項16】前記透光性物質の表面全面が鏡面研磨さ
    れていることを特徴とする請求項15記載の透光性物質
    の不均一性検査方法。
  17. 【請求項17】前記一組の主表面と前記一組の端面によ
    って挟まれた透光性物質の被検査領域において、前記透
    光性物質内をレーザー光が伝播することによって光が満
    たされた前記被検査領域内のある一つの平面における不
    均一性を検査した後、前記透光性物質に対し前記検査の
    平面を、光が前記被検査領域を埋め尽くす方向に相対移
    動させて被検査領域の不均一性を検査するようにしたこ
    とを特徴とする請求項11乃至16の何れか一項記載の
    透光性物質の不均一性検査方法。
  18. 【請求項18】前記透光性物質はガラスからなることを
    特徴とする請求項1乃至17の何れか一項記載の透光性
    物質の不均一性検査方法。
  19. 【請求項19】前記透光性物質は電子デバイス用ガラス
    基板又は情報記録媒体用ガラス基板であることを特徴と
    する請求項18記載の透光性物質の不均一性検査方法。
  20. 【請求項20】透光性物質内にレーザー光を導入して透
    光性物質の不均一性を検査する装置において、 前記透光性物質内にレーザー光を導入する照明手段と、 前記透光性物質から漏出する光を検出する検出手段と、
    を有し、 前記透光性物質は、該透光性物質内にレーザー光を導入
    する導入面と、導入したレーザー光が全反射を繰り返す
    互いに対向する少なくとも二組の表面とを備え、 前記照明手段は、照明手段から出射したレーザー光が、
    前記導入面より導入されると共に、前記透光性物質内の
    光路が光学的に均一の場合には、透光性物質内を伝播し
    て前記表面に入射する光が全反射をして、且つ前記表面
    のうち少なくとも一組の表面で反復するように伝播さ
    せ、伝播することによって形成される前記少なくとも二
    組の表面で囲まれた被検査領域でレーザー光が行き渡る
    ように、配置されていることを特徴とする透光性物質の
    不均一性検査装置。
  21. 【請求項21】前記照明手段に前記透光性物質に対する
    光の入射角度を変化させる角度調整手段を備えたことを
    特徴とする請求項20記載の透光性物質の不均一性検査
    装置。
  22. 【請求項22】前記透光性物質への光の入射位置を移動
    させる移動手段を備えたことを特徴とする請求項20又
    は21記載の透光性物質の不均一性検査装置。
  23. 【請求項23】前記照明手段に対し前記透光性物質及び
    前記検出手段を一体的に相対移動させることを特徴とす
    る請求項20乃至22の何れか一項記載の透光性物質の
    不均一性検査装置。
  24. 【請求項24】前記検出手段は、撮像素子を有する撮像
    カメラと、透光性物質から漏出した光を前記撮像カメラ
    に結像するレンズとを有し、前記撮像カメラ及び/又は
    レンズを透光性物質に対し遠近方向に相対移動させるこ
    とを特徴とする請求項20乃至23の何れか一項記載の
    透光性物質の不均一性検査装置。
  25. 【請求項25】前記検出手段が検出した情報に基づき透
    光性物質の不均一性の有無、種類、大きさを判別する判
    別手段を備えたことを特徴とする請求項20乃至24の
    何れか一項記載の透光性物質の不均一性検査装置。
  26. 【請求項26】レーザー光を導入する導入面と、導入し
    たレーザー光が全反射を繰り返す少なくとも一組の互い
    に対向する主表面と、主表面の間を全反射を繰り返して
    進行するレーザー光の進行方向に対向するように設けら
    れた少なくとも一組の端面とを備えた透明基板を準備す
    る工程と、 前記透明基板内の光路が光学的に均一の場合には、透明
    基板内を伝播して主表面及び端面に入射するレーザー光
    が全反射をし、且つ、前記少なくとも一組の端面の間で
    反復するように伝播させ、伝播することによって形成さ
    れる前記主表面及び前記端面で囲まれた被検査領域でレ
    ーザー光が行き渡るようにレーザー光を前記導入面より
    導入する工程と、 前記主表面及び/又は前記端面から全反射することなく
    漏出する光を検出する工程と、 前記検出工程で得られた情報と、予め蓄積された透明基
    板に存在する不均一性の有無、種類、大きさに対応した
    情報とを比較し、透明基板を選別する工程と、を有する
    ことを特徴とする透明基板の選別方法。
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