JP3421911B2 - 焼成後強度が低下しにくいほうろう用冷延鋼板 - Google Patents

焼成後強度が低下しにくいほうろう用冷延鋼板

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JP3421911B2 JP25200098A JP25200098A JP3421911B2 JP 3421911 B2 JP3421911 B2 JP 3421911B2 JP 25200098 A JP25200098 A JP 25200098A JP 25200098 A JP25200098 A JP 25200098A JP 3421911 B2 JP3421911 B2 JP 3421911B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼成後強度が低下
しにくいほうろう用冷延鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】ほうろう製品は、台所用品、建材、流し
台等に広く利用されている。この中でキッチンパネルな
どは、焼成後のほうろう面にピンホールなどの欠陥があ
ると耐食性が劣化することから、優れたほうろう性を有
する直接1回掛けほうろう用鋼板が用いられている。一
方、このような用途には、焼成後の平坦さが要求され
る。
【0003】しかし、近年コスト削減のため、ほうろう
用鋼板の薄肉化が進められる一方、微少な欠陥に対して
は、手直しといって、ほうろう欠陥部にほうろう釉薬を
施釉、焼成して覆うということが行われている。これら
は、焼成中での異常粒成長を促進し、焼成中、または焼
成後の鋼板の軟質化を促進する要因となる。しかし、鋼
板の軟質化は、焼成中のたわみの原因となり、平坦度が
得にくい上、ほうろう製品の強度が低下し、ほうろう層
が変形により割れやすくなるので好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、焼成後軟
質化しにくく、ほうろう性に優れたほうろう冷延鋼板
が要望されているが、未だこのような鋼板を安定的に製
造することができていない。
【0005】本発明かかる事情に鑑みてなされたもの
であって、ほうろう性、成形性に優れ、焼成後強度が低
下しにくい、ほうろう冷延鋼板を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねてきた結果、高酸素鋼の
時の異常粒成長は、焼鈍時のフェライト組織の粒度
分布に依存し、熱延板段階でのフェライト粒の粒度分布
を小さくし、さらに均一化することが有効であることを
見出した。
【0007】ここで、ほうろう焼後の異常粒成長は、
焼鈍板段階で混粒ぎみであると、大きな結晶粒が小さい
結晶粒を吸収しやすいため、起こりやすい。高酸素鋼の
焼鈍鋼中には(Cr,Mn)−Oからなる微細酸化物が
まばらに存在し、一部のフェライト粒の成長を妨げるた
め、混粒になるためと考えられる。そこで、混粒を抑え
るには、Cr添加により(Cr,Mn)−Oを大きく
し、フェライト粒成長を妨げにくくすることが考えられ
る。
【0008】しかし、高酸素鋼は極低炭素、極低窒素系
でフェライト粒界が清浄で、フェライト粒成長性が大き
いため、複数時の粒成長を抑えるのは困難であ
る。このため、粒成長性の良さを補うため、熱延板組織
を微細化するのがよい。
【0009】熱延板組織微細化に関しては、Nb,Bな
どの添加が考えられるが、これらの元素は酸素量、鋳造
条件によっては酸化物を形成しやすく、添加の効果がば
らつく恐れがある。
【0010】本発明等は、先に、ほうろう焼成後、軟
化しにくい鋼板として、高酸素鋼にNb添加した鋼板、
およびその製造方法を提案した(特願平9−17129
1号)。しかし、Nb添加では、酸素量と鋳造条件によ
ってはNbが酸化物になって所定のNbC析出物、固溶
Nbによる結晶粒成長の阻害効果が得にくいことがある
ことが判明した。
【0011】そこで、さらに検討を重ねた結果、酸化物
を形成しにくく、しかもオーステナイト微細化の効果の
大きいNiを添加することにより、熱延板組織の微細化
ることができることを見出した。また、フェライト
粒成長を妨げる析出物として(Cr,Mn)−O以外に
MnS、Cu−Sがあるためこれらの析出が少ない鋼組
成とする必要がある。
【0012】本発明は、このような知見に基づいてなさ
れたものであり、質量%で、C:0.005%以下、S
i:0.05%以下(無添加の場合を含む)、Mn:
0.2〜0.7%、P:0.004〜0.025%、
S:0.005〜0.045%、Al:0.01%以下
(無添加の場合を含む)、O:0.04〜0.1%、C
u:0.02〜0.05%、N:0.005%以下、N
i:0.01〜0.1%で、かつ、0.5×O〜2.5
×(ただし、OはOの含有量)のCrを含有し、残部
が実質的にFeからなることを特徴とする焼成後強度が
低下しにくいほうろう用冷延鋼板を提供するものであ
る。
【0013】また、さらに、質量%で0.005〜0.
1%のVを含有することを特徴とする、焼成後強度が低
下しにくいほうろう用冷延鋼板の製造方法を提供するも
のである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の鋼板の成分・組成は、質量%で、C:
0.005%以下、Si:0.05%以下(無添加の場
合を含む)、Mn:0.2〜0.7%、P:0.004
〜0.025%、S:0.005〜0.045%、A
l:0.01%以下(無添加の場合を含む)、O:0.
04〜0.1%、Cu:0.02〜0.05%、N:
0.005%以下、Ni:0.01〜0.1%で、C
r:0.5×O〜2.5×(ただし、OはOの含有
量)であり、選択成分としてV:0.005〜0.1%
を含有してもよい。以下、これらの限定理由について説
明する。
【0015】C、N:C、N量が多すぎるとほうろう焼
成時に泡が発生しやすい。このため、C,Nはできる限
り少ない方が望ましく、0.005%以下とした。好ま
しい範囲は、C、Nとも0.0025%以下である。
【0016】Si:Siは、鋼を溶製する際、鋼中の酸
素量の調整のため、必要に応じて添加する。しかし、鋼
の表面性状の向上のためには少ない方がよい。すなわ
ち、0.05%を超えるとSiスケールに関連した表面
欠陥が発生しやすい。したがって、Siを0.05%以
下(無添加の場合を含む)とした。好ましい範囲は0.
02%以下である。
【0017】Al:Alは鋼を溶製する際、鋼中の酸素
量を制御するため必要に応じて添加する。しかし、Al
添加量が多すぎるとAlが鋼中のNと結びついて微細な
AlNとなり、鋼の加工性を著しく劣化させる。このた
め、Alはできるだけ添加しないのがよく、実質的に問
題ない範囲として0.01%以下(無添加も含む)とし
た。好ましい範囲は0.002%以下である。
【0018】Mn:Mnは、鋼中のOと結合してMnO
となり、ほうろう焼成時に進入したHのトラップサイト
として働くことで、耐爪とび性を向上させる。また、M
nの一部はCrと複合酸化物を作る。微細なMn、Cr
の複合酸化物は、フェライト粒成長性を妨げるが、これ
を粗大化することにより粒成長性の妨害を無害化するこ
とができる。しかし、Mn量が0.2%未満ではその効
果がなく、0.7%超えでは鋼の加工性を劣化させる。
したがって、Mnの含有量を0.2〜0.7%とした。
【0019】S:SはMnとMnSを形成し、一部はC
u−Sを形成する。Sは耐爪とび性に効果があるため、
0.005%以上添加するが、S量が多くなりすぎると
MnS量が増え、フェライトの粒成長を阻害する要因と
なる。このため、Sの含有量を0.045%以下とし
た。好ましい範囲は、0.015〜0.020%であ
る。
【0020】Cr:Crは、前述のごとく意図的に添加
することにより(Cr,Mn)−Oを粗大化させ、結晶
粒成長性を向上させるとともに、Crの酸化物は耐爪と
び性の向上にも寄与する。Crは,Mn、Oと複合酸化
物を形成し、粒成長性に影響を及ぼすため、CrはOの
量に応じてその量を規定する必要がある。CrがOの
0.5未満では前記の効果がなく、2.5超えでは逆に
固溶Crが増え加工性を劣化させるため、Crを0.5
×O〜2.5×(ただし、OはOの含有量)の範囲と
した。好ましい範囲は0.8×O〜1.5×Oである。
【0021】O:Oは、鋼中のMn、CrやFeと結合
して、酸化物を形成し、Hのトラップサイトとして耐爪
とび性に寄与する。また、前述のように一部がCr,M
nと酸化物を作り、加工性、特に深絞り性向上に寄与す
る集合組織を形成する。しかし、O量が0.04%未満
ではその効果がなく、0.1%超えでは酸化物が多くな
りすぎ、鋼板の表面欠陥が発生しやすくなる。したがっ
て、Oの含有量を0.04〜0.1%の範囲とした。た
だし、耐爪とび性のため0.05%以上、表面性状の観
点から0.07%以下とするのが好ましい。
【0022】本発明鋼板のようにCrを添加した場合、
酸洗減量値が大きくなるので、以下のようにP,Cu量
を調整し、密着性、耐泡性を確保するのが必要である。
【0023】P:Pは、酸洗減量値を大きく左右し、ほ
うろうの密着性に影響を与える。すなわち、0.004
%未満では、酸洗速度が遅すぎ通常の酸洗条件では十分
な酸洗減量値が得られない。一方、0.025%を超え
る添加は酸洗減量値が大きくなりすぎ、焼成中の露点が
高いときなど泡欠陥が発生しやすくなる。この観点か
ら、Pの含有量を0.004〜0.025%の範囲とし
た。ただし、極めて良好な耐泡性を確保するためには、
0.005〜0.015%の範囲とするのが好ましい。
【0024】Cu:Cuはほうろう焼成時のほうろう層
と鋼板の界面の凹凸を増大させ、ほうろう密着性を向上
させる元素である。また、耐泡性に効果がある。そのた
め、0.02%未満の添加では通常のほうろう条件では
良好な密着性を得ることができず、泡も発生しやすくな
る。一方、Cuが0.05%を超えるとCuの一部は微
細なCu−Sを形成し、フェライトの粒成長を妨げ、混
粒発生の要因となる。したがって、Cuの含有量を0.
02〜0.05%の範囲とした。ただし、極めて良好な
密着性、耐泡性を得るためには、0.025〜0.03
5%の範囲がより好ましい。
【0025】Ni:Niはオーステナイト粒を微細化す
ることにより、熱延板組織を微細化する効果がある。こ
の効果を発揮するためには0.01%以上の添加が必要
である。一方、0.1%を超えてもその効果は飽和し、
また、Niは高価な元素であり、多すぎる添加はコスト
増を招くだけである。したがって、Ni含有量を0.0
1〜0.1%とした。
【0026】V:Vは、鋼中のNまたはCと結合して、
鋼の耐時効性の向上に寄与するため、必要に応じて添加
する。しかし、Vの量が0.005%未満ではほとんど
が酸化物となってしまい、その効果がなく、0.1%超
えでは耐爪とび性、耐泡性などのほうろう性が劣化する
ため、Vの含有量を0.005〜0.1%の範囲とし
た。好ましい範囲は0.02〜0.05%である。
【0027】その他の元素については、Snは0.01
%、Asは0.01%、Sbは0.01%まで含有され
ても本発明の効果を損なうことはない。また、本発明で
はB,Nbは意図的には添加しない。
【0028】次に本発明に係る鋼板の好ましい製造方法
について説明する。まず、前述の鋼成分範囲内に成分調
整したスラブを製造する。スラブ製造に関しては、鋼塊
法ではリム層とコア部との間に粗大介在物が存在しやす
くなり、ほうろう加工後、ふくれ欠陥が発生しやすくな
る。よって、連続鋳造法で製造するのが好ましい。
【0029】鋳造後、鋼片を冷却後、加熱し熱間圧延を
行うか、または鋳造後、鋼片を加熱することなく直接熱
間圧延を行う。ただし、MnSの固溶を抑え、微細なM
nSが析出しないようにするため、加熱温度が1150
℃以下が好ましい。熱間圧延するに際して、粗圧延後の
鋼板を再度加熱温度以下に再度加熱しても効果は損なわ
れない。仕上温度は好ましくはAr変態点以上900
℃以下で行う。これにより、熱延板のフェライト粒が微
細化し、ほうろう焼成時の異常粒成長が抑えられる。一
方、仕上温度を900℃以下で行うことにより、仕上げ
圧延前のオーステナイト粒が小さくなるためフェライト
粒の粒成長を抑制し、焼成時の異常粒成長の抑制に効果
がある。
【0030】仕上げ圧延後、巻取は、熱延板組織微細化
の観点から640℃以下で行うことが望ましい。しか
し、巻取温度が低すぎるとコイル形状が不良になりやす
いため、500℃以上が好ましい。なお、本発明の鋼板
を製造するに際して、圧延を省略して薄スラブを直接
仕上圧延を行っても発明の効果は損なわれない。
【0031】熱間圧延を終了した鋼帯は酸洗後、冷間圧
延されるが、冷間圧延率は焼鈍粒径を微細化させるた
め、70%以上とするのが好ましい。冷間圧延後鋼帯を
焼鈍するが、その製造方法は、箱焼鈍法(タイトコイル
焼鈍法)、オープンコイル焼鈍法、連続焼鈍法のいずれ
でも構わない。しかし、コスト、製造時間の観点から連
続焼鈍法が好ましい。連続焼鈍での焼鈍温度は、低すぎ
ると混粒傾向が大きいことから800℃以上が好まし
い。しかし、焼鈍温度が高すぎるとフェライト粒が大き
くなり、ほうろう焼時フェライト粒が大きくなること
から850℃以下が好ましい。
【0032】焼鈍後の鋼帯はそのまま製品とすることが
できるが、爪とび性の向上および形状を確保するた
め、必要に応じて伸長率:5.0%以下の調質圧延を施
してもよい。ただし、ひずみが付与されるとほうろう焼
時、異常粒成長しやすいため、伸張率は低い方が好ま
しく、2.0%以下がより好ましい。
【0033】
【実施例】表1に示す成分の鋼を連続鋳造法によりスラ
ブとした。1130℃で加熱後、仕上温度を880℃で
2.8mm厚まで熱間圧延を行い、600℃でコイルに
巻き取った。得られた熱延鋼帯を酸洗した後、0.7m
mまで冷間圧延した(圧延率=75%)。得られた冷延
コイルに対し825℃で30秒間の連続焼鈍を施し、
1.0%の調質圧延を施してほうろう用冷延鋼板とし
た。該鋼板より圧延断面方向の検鏡を行い、断面組織か
ら画像解析装置を用い、フェライトの平均粒径、および
標準偏差を求めた。さらに、JIS5号試験片を圧延方
向から採取し、引張試験を行った。また、圧延方向、圧
延方向と45度、圧延直角方向からJIS5号試験片を
採取し、ランクフォード値(平均r値、rの異方性(Δ
r値))を測定した。 平均r値=(圧延方向のr値+2×圧延方向と45度の
r値+圧延直角方向のr値)/4
【0034】また、JIS5号試験片を圧延方向から採
取し、耐時効性試験を行った。耐時効性はAIで評価
し、8%予ひずみを加えた後、100℃×1時間時効さ
せた後、再度引張試験を行い、降伏強度の上昇分から求
めた。また、焼成後の機械的性質を評価するため、85
0℃で2分間、3回焼成した後の機械的性質をJIS5
号試験片で評価した。
【0035】さらに、以下の条件でほうろう特性を調査
した。ただし、密着性試験では、良好な密着性が得にく
い、硫酸酸洗時間およびNi−dip時間が短い条件で
行った。泡発生試験では、硫酸酸洗およびNi−dip
時間を長く、焼成時の露点を高くして、泡が発生しやす
い条件で調査した。また、耐爪とび性試験では爪とびが
発生しやすい釉薬を用い、加湿雰囲気で焼成して評価し
た(促進評価)。
【0036】密着性試験 前処理:脱脂→硫酸酸洗(15%HSO,70℃×
5min)→Ni−dip(13g/l NiSO
・7HO、pH=2.6、70℃×3min) 施釉:日本フエロー製02−1103釉薬、目標―両面
に各100μm 焼成:850℃×2min。 10枚のサンプル(100×100mm)につき、この
ようなほうろう掛けを行い、プレス法により密着性を測
定した。
【0037】泡発生試験 前処理:脱脂→硫酸酸洗(15%HSO,70℃×
15min)→Ni−dip(13g/l NiSO
・7HO、pH=2.6、70℃×10min) 施釉:日本フエロー製02−1103釉薬、目標―両面
に各100μm 焼成:850℃×2min(加湿雰囲気、露点=30
℃) 10枚のサンプル(100×100mm)につき、この
ようなほうろう掛けを行い、表裏面のいずれかに実用上
問題となる程度の泡が発生したサンプルを泡発生とし
た。
【0038】耐爪とび性試験 前処理:アルカリ脱脂のみ 施釉:日本フエロー製H:1553B=1:1の混合釉
薬、目標―両面に各100μm 焼成:830℃×2min(加湿雰囲気、露点=30
℃) 10枚のサンプル(100×100mm)につき、この
ようなほうろう掛けを行い、表裏に1つでも爪とびが発
生したものを爪とび発生とした。
【0039】これらの結果を表2に示す。表2より、本
発明鋼板は加工性、ほうろう性を兼ね備えていることが
確認された。また、Vを添加した鋼板14,15は耐時
効性が改善していることが確認された。
【0040】これに対して、鋼板16はC量が多すぎる
ため、成形性、耐泡性が劣っている。鋼板17はP量が
多すぎるため、成形性、密着性、耐泡性が劣化してい
る。鋼板18はS量が多すぎるため、成形性、密着性が
劣っている。鋼板19はN量が多すぎるため、成形性、
耐泡性が劣っている。鋼板20はO量が少なすぎるた
め、爪とびが発生している。鋼板21はCu量が多すぎ
るため、密着性が劣っている。鋼板22はCr量が少な
すぎたため、3回焼成後の鋼板強度が低下している。鋼
板23は、Niが少ないため、3回焼成後の鋼板強度が
低下している。鋼板24はV量が多すぎるため、泡が発
生している。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ほうろう特性および成形性を良好に維持しつつ、焼成
後、強度が低下しにくい冷延鋼板が得られ、その工業的
な価値は極めて高い。
フロントページの続き (72)発明者 田原 健司 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−102222(JP,A) 特開 昭63−277742(JP,A) 特開 平7−109524(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、C:0.005%以下、S
    i:0.05%以下(無添加の場合を含む)、Mn:
    0.2〜0.7%、P:0.004〜0.025%、
    S:0.005〜0.045%、Al:0.01%以下
    (無添加の場合を含む)、O:0.04〜0.1%、C
    u:0.02〜0.05%、N:0.005%以下、N
    i:0.01〜0.1%で、かつ、0.5×O〜2.5
    ×(ただし、OはOの含有量)のCrを含有し、残部
    が実質的にFeからなることを特徴とする焼成後強度が
    低下しにくいほうろう用冷延鋼板。
  2. 【請求項2】 質量%で、C:0.005%以下、S
    i:0.05%以下(無添加の場合を含む)、Mn:
    0.2〜0.7%、P:0.004〜0.025%、
    S:0.005〜0.045%、Al:0.01%以下
    (無添加の場合を含む)、O:0.04〜0.1%、C
    u:0.02〜0.05%、N:0.005%以下、N
    i:0.01〜0.1%、V:0.005〜0.1
    で、かつ、0.5×O〜2.5×(ただし、OはOの
    含有量)のCrを含有し、残部が実質的にFeからなる
    ことを特徴とする焼成後強度が低下しにくいほうろう用
    冷延鋼板。
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