JP3421139B2 - 鉄道用地点検知方法及びその装置 - Google Patents

鉄道用地点検知方法及びその装置

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JP3421139B2
JP3421139B2 JP19060794A JP19060794A JP3421139B2 JP 3421139 B2 JP3421139 B2 JP 3421139B2 JP 19060794 A JP19060794 A JP 19060794A JP 19060794 A JP19060794 A JP 19060794A JP 3421139 B2 JP3421139 B2 JP 3421139B2
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幸博 渡辺
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走行中の鉄道車両が自
らの走行地点を検出するための鉄道用地点検知方法及び
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】路線の曲線部を高速且つ乗り心地良く通
過するために、その曲率に応じて車両を左或は右に所定
角度傾ける傾斜制御を行なう制御付振子車両が実用化さ
れている。この傾斜制御は、その曲線部の走行に先行し
て開始される必要があり、これには、走行線区の屈曲形
状等を表す正確な曲線情報を保持すること、及びその車
両の走行位置を検出すること(所謂地点検知)、が必要
となる。
【0003】曲線情報は線路敷設時の設計図等から知る
ことができるが、地点検知には工夫が必要となる。一見
すると地点検知は、上記曲線情報と車両の走行距離とを
照合すれば可能と思われるが、実際には車輪がレールに
対して滑走・空転を起こすために走行距離を正確に測定
することができず、上記両者の間に偏差が生じ、走行距
離から地点検知を行なうと、かなりの誤差を含んでしま
う。
【0004】そこで、従来は地点検知方法として、AT
S地上子を利用し、この地上子の位置を検知して走行線
区の曲線情報と照合するという方法を行なっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術によれば、ATS地上子がその線区のどの位置に
あるかを示す位置情報が必要であり、この収集のために
は多くの費用と時間を必要とする。また、ATS地上子
は地点検知用のものではなく、本来の使用目的の都合
上、移設の必要に迫られることがあり、移設の度に上記
位置情報の収集が必要であった。
【0006】本発明はかかる課題に鑑みなされたもの
で、ATS地上子を使用することなく走行中の車両の地
点検知を行なう方法及びATS地上子を使用することな
く走行中の車両の地点検知を行なう装置を提供すること
を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた本発明の請求項1に記載の鉄道車両用地点
検知方法は、車両の通常走行に先駆けて、該車両を、車
輪の回転量と走行距離とが略一致する速度条件にて、通
常走行時の走行線区内を走行させ、このときの車両の左
右方向の挙動を測定し、この測定値を車輪の所定の回転
量毎に記憶することにより、当該走行線区内での走行距
離に対する車両の挙動を表す基準データを作成し、通常
走行時には、上記走行線区内にて車両の左右方向の挙動
を測定し、外部からの地点検索指令に従って、車輪の所
定の回転量毎に所定個分記憶することにより、検索デー
タを作成し、該検索データと上記基準データとの相互相
関関数を計算することにより、該検索データに対応した
車両の挙動パターンが上記基準データが表す車両の挙動
パターンに最も一致する区域を求め、これを基にして当
該車両の現在の現在地を特定することを要旨とする。
【0008】請求項2に記載の鉄道車両用地点検知装置
は、図1に例示する如く、車両の有する車輪の回転量を
測定する回転量測定手段と、上記車両の左右方向の挙動
を測定する挙動測定手段と、該挙動測定手段の測定した
値を、外部からの基準データ作成指令に従って、上記回
転量測定手段の測定した所定の回転量毎に第1の記憶手
段に格納することにより、当該走行線区内での走行距離
に対する車両の挙動を表す基準データを作成する基準デ
ータ作成手段と、外部からの地点検索指令を受け取る
と、該挙動測定手段の測定した値を、上記回転量測定手
段の測定した所定の回転量毎に、第2の記憶手段に所定
個分格納することにより、検索データを作成する検索デ
ータ作成手段と、該検索データ作成手段によって検索デ
ータが作成されると、上記基準データと上記検索データ
との相互相関関数を計算することにより、該検索データ
に対応した車両の挙動パターンが上記基準データが表す
車両の挙動パターンに最も一致する区域を求め、これを
基にして当該車両の現在の現在地を特定する地点特定手
段とを備えることを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の鉄道車両用地点検知装置
は、請求項2に記載の発明において予め、上記走行線区
を複数の小区間に分割すると共に、該各小区間内に地点
検索点を設定しておき、通常走行時に、上記各地点検索
点に対応する車輪の各回転量に、上記回転量測定手段に
よる測定結果が達したときに、上記地点検索指令を、上
記検索データ作成手段に対して発する指令手段と、上記
地点特定手段による特定結果に基づき、上記回転量測定
手段による車輪の回転量の測定値を補正する回転量補正
手段とを更に設け、上記地点特定手段が、上記各小区間
内にて作成された各検索データと、該各小区間内の基準
データとの相互相関関数を計算することを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1に記載の鉄道車両用地点検知方法は以
下のように行なわれる。まず、通常走行に先駆けて、通
常走行時の走行線区内を走行させ、このときの車両の左
右方向の挙動を測定して、その測定値を車輪の所定の回
転量毎に記憶してデータ列を作成する。この走行は車輪
が空転や滑走を起こさないような速度条件、例えば、低
速且つ急加速急減速をしない等の条件にて行なわれるた
め、こうして作成されたデータ列は、走行線区内での走
行距離に対する車両の挙動を表すものとなる。このデー
タ列を基準データと呼ぶ。
【0011】通常走行時にも、上記走行線区内にて車両
の左右方向の挙動を測定する。地点検索指令を受け取る
と、この測定値を車輪の所定の回転量毎に所定個分記憶
して検索データを作成する。この走行は基準データを作
成したときの走行に比較して高速度にて行なわれている
ため、一般に、車輪はレールに対して滑走や空転を起こ
している。すなわち、検索データの示す挙動パターン
は、同じ回転量における基準データの示す挙動パターン
とは一致しないのが一般的である。
【0012】こうして作成された検索データと上記基準
データとの相互相関関数を計算すると、検索データの表
す車両の挙動パターンが、上記基準データの表す車両の
挙動パターンに最も一致する区域にて、この関数値が最
大となる。これを基にして当該車両の現在の現在地を特
定する。この特定の仕方の一例を挙げて補足をすると上
記区域の始点における車輪の回転量と地点検索指令を受
け取ったときの車輪の回転量との偏差を求め、これより
車輪の滑走・空転の度合を推定し、現在の車輪の回転量
を補正する。
【0013】つまり、通常の走行時に作成した検索デー
タを、これに先駆けて行なった走行時に作成した基準デ
ータの中から検索するので、ATS地上子を使用するこ
となく車両の走行地点を走行線区の中から検知すること
ができる。この検索は、相互相関関数を用いて行なわ
れ、しかも基準データの作成時には車輪がレールに対し
て空転や滑走を起こさない速度条件にて走行され、車輪
の回転量と車両の走行距離とが一致するようにされてい
るため、たとえ通常走行時において、車輪が滑走や空転
を起こしても、検索データを作成を開始した時点での車
両の走行位置を検知でき、これを基にして車両の現在の
走行位置も求めることができる。
【0014】請求項2に記載の鉄道車両用地点検知装置
による地点検知は以下のように行なわれる。すなわち、
通常走行に先駆けて行なわれる走行において、基準デー
タの作成指令を基準データ作成手段が受け取ると、回転
量測定手段により測定された回転量が一定量増える毎
に、挙動測定手段により測定された挙動を第1の記憶手
段に格納し、これを基準データとする。この走行は、車
輪とレールとが空転・滑走を起こさないような速度条件
にて行なわれる。
【0015】通常走行においては、上記走行線区内で、
検索データ作成手段が検索データの作成指令を受け取る
と、回転量測定手段により測定された回転量が一定量増
える毎に、挙動測定手段により測定された挙動を第2の
記憶手段に所定個分だけ格納し、これを検索データとす
る。通常走行は、基準データを作成したときの走行に比
較して高速度にて行なわれるため、車輪はレールに対し
て滑走や空転を起こしていることが予想される。従っ
て、検索データの示す挙動パターンは、車輪の同じ回転
量における基準データの示す挙動パターンとは一致しな
いのが一般的である。
【0016】続いて、地点特定手段が、基準データと検
索データとの相互相関関数を演算しその演算結果から、
該検索データに対応した車両の挙動パターンが上記基準
データが表す車両の挙動パターンに最も一致する区域を
求め、これを基にして当該車両の現在の現在地を特定す
る。
【0017】つまり、通常の走行時に作成された検索デ
ータを、これに先駆けて行なった走行時に作成された基
準データの中から検索するので、ATS地上子を使用す
ることなく目標点を走行線区の中から検知することがで
きる。しかもこの検索は、基準データと検索データとの
相互相関関数を演算することにより行なわれるため、通
常走行時に車輪がレール上で滑走或は空転を起こして
も、車両の走行位置を特定することができる。
【0018】請求項3に記載の鉄道車両用地点検知装置
による地点検知は以下のように行なわれる。すなわち、
請求項2に記載の発明と同様にして、通常の走行に先駆
けて走行線区内を走行して基準データを作成する。この
走行線区を幾つかの小区間に分割し、後に検索指令手段
が、検索データの作成指令を検索データ作成手段に発す
るタイミングを決める指標となる地点検索点を設定して
おく。
【0019】そして、通常走行には、車輪の回転量が上
記地点検索点に対応する車輪の回転量に達すると、検索
指令手段が検索データの作成指令を検索データ作成手段
に発して、検索データの作成が開始される。検索データ
は、所定個分だけ挙動が第2の記憶手段に格納されると
作成が完了する。
【0020】続いて地点特定手段が、この小区間におけ
る検索データと基準データとの相互相関関数を演算し、
この演算結果から、検索データに対応した車両の挙動パ
ターンが上記基準データが表す車両の挙動パターンに最
も一致する区域を求める。この結果から回転量補正手段
が、車輪の回転量と実際の走行距離との誤差を求め、こ
れに基づいて車輪の回転量の補正を行なう。
【0021】つまり、請求項3に記載の鉄道用地点検知
装置によれば、請求項2に記載の発明の有する効果に加
え、走行線区を小区間に分割し、各小区間内を検索範囲
とすることにより、相互相関関数の計算量を減らして短
時間で検知を行なうことができる。また、基準データの
内、紛らわしい挙動パターンを示す箇所を一つの小区間
内に含まないように分割することにより、誤検索を防止
して検知精度を高めることができる。更に、回転量補正
手段が、地点検知が行なわれる毎にその検知結果に基づ
いて車輪の回転量の測定値を補正するため、誤差が累積
されることがなく、検知精度を保つことができる。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。まず、図2は本発明を適用した実施例としての傾斜
制御装置1の全体構成を示したものである。
【0023】図2に示す如く、傾斜制御装置1は、車両
の左右方向の加速度を検出する横加速度センサ11と、
横加速度センサ11の出力した加速度信号を波形整形
し、更にA/D変換して出力する信号処理回路13と、
信号処理回路13が出力した信号や後述の地点検索点を
格納するための記憶装置15と、車輪の回転量に応じた
パルス信号を出力する速度発電機17と、速度発電機1
7のパルス信号をカウントし且つ外部からそのパルスカ
ウント値の変更を受けることが可能な走行距離算出回路
19と、走行距離算出回路19のパルスカウント値が一
定数増える毎に信号処理回路13の出力した加速度を記
憶装置15に格納する本発明の基準データ作成手段とし
ての基準データ作成部21と、後述の検索指令を受け取
ると走行距離算出回路19のパルスカウント値が一定数
増える毎に信号処理回路13の出力した加速度を記憶装
置15に所定個数だけ格納する検索データ作成部23
と、走行距離算出回路19のパルスカウント値が記憶装
置15に予め格納されている地点検索点に達すると検索
データ作成部23に検索指令を出力する検索指令部25
と、上記基準データと上記検索データとの相互相関関数
を算出する相互相関関数算出部27と、その算出結果に
基づいて走行距離算出回路19のパルスカウント値を補
正する走行距離補正部29と、走行線区の曲率・カント
等からなる曲線情報と走行距離との対応関係が予め格納
された曲線情報記憶装置31と、曲線情報記憶装置31
に格納された曲線情報・走行距離算出回路19のパルス
カウント値・及び速度発電機17の出力から得られる走
行速度から車両の最適傾斜量を算出し、この傾斜量に対
応した制御入力を発生させる傾斜制御器33と、傾斜制
御器33により発生された制御入力に従って車両を左右
いずれかに傾斜させる傾斜アクチュエータ35とからな
る。
【0024】なお、以上挙げた構成の中で、基準データ
作成部21,検索データ作成部23,検索指令部25,
相互相関関数算出部27,走行距離補正部29は、周知
のCPU,RAM,ROM,入出力インタフェース,及
びこれらを接続するバスからなる電子制御装置3により
実現され、記憶装置15は、外部記憶装置,その記憶媒
体,及び上記RAMの一部から構成されており、本発明
の第1及び第2の記憶手段に相当する。また、横加速度
センサ11及び信号処理回路13が本発明の挙動測定手
段に相当し、速度発電器17及び走行距離算出回路が本
発明の回転量測定手段に相当する。
【0025】上記傾斜制御装置1を有する車両は、通常
時に走行する線区を運行されるに先駆けて、同線区を低
速で走行される。低速で行なうのは、車輪とレールとが
空転・滑走を起こさないようにするためである。こうす
ると、車両走行距離と車輪回転量との誤差を小さくする
ことができる。この際に行なわれる処理の流れを図2に
おいて実線の矢印で示している。
【0026】すなわち、走行線区をその車両が走行する
路線の始発駅と終着駅の間の全区間とし、車両を低速で
走行させたときに検知される横加速度を電気信号に変換
し、これを一定距離走行する毎に、第1の記憶手段とし
ての記憶装置15に格納していく。こうして記憶装置1
5内に作成されたデータを基準データと呼び、この基準
データを作成する過程を基準データ作成処理と呼ぶ。
【0027】この基準データ作成処理は、始発駅を発車
すると共に開始し、終着駅に到着すると停止するように
されている。その流れを図3のフローチャートに示す。
なお図3に示した処理全体を基準データ作成部21が行
なう。まずステップ100にて、速度発電機17の出力
したパルス信号をカウントしたものである走行距離算出
回路19のパルスカウント値を読み込む。これは直接に
は車輪の回転量に対応するものであるが、この走行は、
車輪がレールに対して滑走・空転しないように低速にて
行なわれているため、走行距離と呼んでも差し支えな
い。以下、説明を簡単にするため、車両が1m走行する
と速度発電機17がパルスを1個出力するものとし、ま
た走行距離は、始発駅においてリセットされているとす
る。
【0028】次にステップ110に進み、ステップ10
0にて読み込んだ値に基づいて、車両がサンプリング距
離走行したか否かを調べる。このサンプリング距離は本
実施例では5パルス、すなわち5mとする。走行距離が
5mに達していなかった場合は再びステップ100に戻
り、5mに達するまでステップ100からステップ11
0のループを繰り返す。5mに達していた場合は続くス
テップ120に進む。
【0029】ステップ120では横加速度センサ11に
て検知された横加速度を信号処理回路13を介して読み
込み、ステップ130にてこれを記憶装置15に格納す
る。最後にステップ140にて、終着駅に到着したか否
かを、ステップ100において読み込んだ走行距離が走
行線区の全距離に達したかどうか調べることにより判定
し、到着していれば当該処理を終了し、さもなければス
テップ100に戻り以上のステップを繰り返す。
【0030】こうして、基準データ作成処理が完了する
と、記憶装置15には、5m(5パルス)走行する毎に
サンプリングされた車両の横加速度が格納されている。
例えば、始発駅から終着駅までの走行距離が100km
とすると計2万点の横加速度からなる基準データができ
あがる。このようにして作られた基準データは、軌道す
なわちレールの曲率半径、カント量、及び基準データを
測定する車両等によって特有の波形を示す。この基準デ
ータを、横軸をパルス数、縦軸を横加速度として波形に
したものを図4(a)に示す。なお、横軸のパルス数は
2000までに限定して示している。
【0031】次に車両は始発駅に戻され、通常時の走
行、すなわち人や貨物を載せた高速走行が行なわれる。
この走行においては、車両を安全に、快適に、且つ高速
で軌道の曲線部を走行させるために、車両を左右いずれ
かに傾ける傾斜制御が行なわれる。その処理の流れを図
2において破線の矢印で示している。
【0032】本来、傾斜制御における主要処理は、車両
の傾斜量を決定しこれに従って車両を傾斜させる処理で
あるが、ここではその傾斜を開始するタイミングの拠り
所となる地点検知及びこれに基づく走行地点の特定を中
心にして説明を行なう。この処理の概要は、始発駅から
終着駅までの全走行区間を幾つかの小区間に分割し、各
小区間内において車両の走行地点の検知及びそれによる
走行距離の補正を行ない、この結果に基づいて、傾斜制
御を行なうというものである。
【0033】従って、この処理を行なう前に、各小区間
内に地点検索点を設けておく必要がある。これは、上記
走行地点の検知を行なうために作成される検索データの
作成開始をするためのトリガとなる地点に対応するパル
ス数であり、本実施例では図5に示すように全走行線区
100km(パルス数にして10万)をA1 ,A2 ,A
3 ,……と50個の小区間に等分割し、各小区間の中間
地点を地点検索点とする。すなわち、地点検索点を始発
駅に近い方からN1,N2,N3,… とすると、これらの
パルス数は夫々1000,3000,5000,…とな
る。この値は、予め記憶装置15に格納しておく。な
お、この小区間のパルス数N(ここでは2000)は、
基準データの波形、すなわち図4(a)の波形を全走行
線区に渡って調査し、誤検索の可能性がある紛らわしい
波形が同一小区間内に入らないように定められたもので
ある。
【0034】また、この地点検索点と共に、傾斜制御を
必要とする地点、すなわち、軌道の曲線部の手前の傾斜
の先行制御を開始する地点に対応するパルス数C1,C
2,……も記憶装置15に格納しておく。この地点を制
御開始地点と呼ぶ。上記地点検索点と制御開始地点との
違いは、地点検索点が小区間と同数だけ設定されるのに
対し、制御開始地点は、走行線区の形状によって決ま
り、走行線区の分割の仕方に依らないこと、及び上記地
点検索点は検索データの取得を開始するタイミングを指
定するためのものであって車輪の空転・滑走によってそ
のパルス数が実際の走行地点との対応が取れないのに対
し、制御開始地点はそのパルス数を実際の走行地点に対
応させること、の2点が異なっている。
【0035】この傾斜制御処理の流れを図6のフローチ
ャートに示す。まず、ステップ200〜ステップ220
からなる処理を傾斜制御機33が行なう。ステップ20
0にて、速度発電機17の出力したパルス信号をカウン
トした走行距離算出回路19のパルスカウント値を読み
込む。なお、この値は、基準データ作成処理のときと同
様、始発駅にてリセットされているとする。
【0036】次にステップ210にて、ステップ200
の読み込んだ値が上記制御開始地点のパルス数C1,C
2,C3,…… に達しているか否かを調べ、達していな
いときはステップ230に進み、達しているときはステ
ップ220で傾斜制御を行なった後にステップ230に
進む。傾斜制御は、曲線情報記憶装置31に格納された
軌道の屈曲状態を示す曲率情報,走行距離算出回路19
のパルスカウント値,及び速度発電機17の出力から得
られる走行速度から傾斜制御器33が車両の最適傾斜量
を算出し、この傾斜量に対応した制御入力を傾斜アクチ
ュエータ35に印加することにより行なわれるが、ここ
では地点検知を重点的に説明していくため詳細な説明は
割愛する。
【0037】続くステップ230にて、本発明の指令手
段としての処理を検索指令部25が行なう。ステップ2
30では、ステップ200において読み込んだパルスカ
ウント値が上記地点検索点に達しているか否かを調べ
る。すなわち、記憶装置15に予め格納された地点検索
点に対応するパルス数N1,N2,N3,…… に達してい
るかどうかを調べる。ここでは、ステップ200にて読
み込まれたパルス数が1000であり、地点検索点N1
の値に一致したとする。すると、ステップ240に進ん
で本発明の検索データ作成手段としての検索データ作成
処理を検索データ作成部23が行なう。達していない場
合はステップ200に戻り、上記ステップを繰り返す。
【0038】ステップ240において行なわれる検索デ
ータ作成処理は、図7のフローチャートに示すようなも
のである。これを見ると判るように、検索データ作成処
理は当該処理が開始された後は、上記の基準データ作成
処理と一部を除いて全く同じである。すなわち、ステッ
プ300〜ステップ330は、ステップ330で「検索
データ」として横加速度を記憶装置15に格納している
点が異なるのみで、その他は夫々基準データ作成処理の
ステップ100〜ステップ130と全く同じであるた
め、説明を割愛する。
【0039】続くステップ340において、ステップ3
30にて行なわれた横加速度の格納が、予め設定された
所定数m個だけ行なわれたかどうかを当該処理の終了条
件にする点が大きく異なっている。すなわち、検索デー
タ作成処理において作成される検索データは、m個の横
加速度信号からなる。ここではm=120とし、地点検
索点N1 から作成された検索データを図4(b)に示
す。この図中のMは、m=120に対応するパルス数で
あり、ここでは5パルス毎に120個、横加速度信号を
格納することからM=600となっている。
【0040】説明を傾斜制御処理に戻す。以上のように
して検索データ作成処理が終了すると、ステップ250
〜ステップ260よりなる、本発明の地点特定手段とし
ての処理を行なう。ステップ250では、ステップ24
0にて作成された検索データと基準データ作成処理にて
作成された基準データとの相互相関関数を相互相関関数
算出部27が計算する。ここで用いる相互相関関数は以
下の式[数1]のようなものである。
【0041】
【数1】
【0042】nは一つの小区間内に含まれる横加速度信
号の数、mは一つの検索データに含まれる横加速度信号
の数、データ列x(i)は基準データ、データ列y(i)
は検索データであり、x(1)はその小区間内の基準デ
ータの最初の横加速度信号、y(1)はその検索データ
の最初の横加速度信号を表している。ここでは、mの値
は、上記のように120であり、nの値は、2000パ
ルスからなる小区間内で5パルス毎に横加速度信号をサ
ンプリングして基準データを作成するので400であ
る。この相互相関関数Rxy(i) を縦軸、パルス数を横
軸にしてグラフにしたものを図4(c)に示す。
【0043】一般に、相互相関関数は、検索範囲の信号
列(本実施例では基準データ)から検索対象となる信号
列(本実施例では検索データ)に最も一致する区域を検
索する目的で用いられるもので、その区域では相互相関
関数 Rxy(i)の値が最大になるようにされている。本
実施例では、通常走行時に車輪がレールに対して滑るこ
となく回転していれば、相互相関関数Rxy(i)を最大
にするパルス数Nmaxと地点検索点Niとは一致するの
であるが、一般には車輪が滑走・空転を起こすため、両
者は一致しない。図4(c)ではN1=1000に対し
てNmax=870と130パルスだけ少なくなってい
る。すなわち、この通常走行においては車輪はレールに
対して130パルス分だけ空転したことになる(但し、
滑走・空転の相殺分は無視する)。
【0044】なお、ここでは図4(a),(b)に示し
た波形の差(特に検索データの基準データに対するず
れ)を明示するために130パルス分ものずれを呈する
ものとしているが、実際にはこれほどの空転・滑走が発
生することはなく、1〜2%程度のずれに留まる。
【0045】次にステップ260に進み、相互相関関数
Rxy(i)を最大にするパルス量Nmaxと地点検索点Ni
とのずれから、走行距離算出回路19の出力する走行距
離の補正を上記走行距離補正部29が行なう。上記例で
は、パルス数が0から1000になるまでの間に実際の
走行距離に比べて130パルス余分にカウントしていた
ことから、走行距離補正部29が読み込んだ、走行距離
算出回路19の出力するパルスカウント値が1800で
あったとすると、これより130パルス引いた値167
0に、パルスカウント値を補正する。
【0046】このように、ステップ260では、車両の
現在位置を特定する本発明の地点特定手段としての処理
の他、車輪の回転量を補正する本発明の回転量補正手段
としての処理も行なう。すなわち、上記パルス数167
0を算出する部分までが地点特定手段、続いて走行距離
算出回路19のパルスカウント値を1670に訂正する
部分が回転量補正手段としての処理に相当する。
【0047】走行距離の補正が終了するとステップ27
0に進み、車両が全走行線区を走行し終えたと判定する
と、傾斜制御処理を終了する。より具体的にはステップ
260にて補正されたことにより走行距離と一致された
パルス数と、全走行線区の距離に対応するパルス数(こ
こでは10万)とを比較して走行終了を判定する。まだ
走行の途中であると判定されたときにはステップ200
に戻り以上のステップを繰り返す。
【0048】この地点検知及びそれに基づいた補正を行
なった様子を模擬的に図8に示す。この図は横軸が時
間、縦軸が走行距離算出回路19のパルスカウント値で
ある。破線のグラフは実際の走行距離をパルスカウント
値に置き換えたもの、実線のグラフは上記地点検知処理
を行なった場合のパルスカウント値、2点鎖線のグラフ
は当該地点検知を行なわなかった場合の想定パルスカウ
ント値である。車輪がレールに対して空転・滑走を起こ
さなければ、この3本のグラフは重なって1本の曲線と
なる。
【0049】車両が通常走行を開始すると、走行距離算
出回路19のパルスカウント値が1000に達した時点
N1 で検索データを作成し始め、これが完了すると、相
互相関関数を計算し、パルス数を補正する(地点P1
)。以下、これを繰り返し、P2 ,P3,P4において
パルス数の補正が行なわれ、実線のようなグラフとな
る。この地点検知並びに補正を行なわなかった場合の2
点鎖線のグラフに比べ、理想的なパルス数である破線の
グラフに近い曲線が得られる。
【0050】つまり、当該傾斜制御処理においては、傾
斜制御を行なう時点を特定するために必要な地点検知を
上記のようにして行ない、車両の走行地点が制御開始地
点に到達した時点で傾斜制御を行なう。地点検知は、上
記のように全走行線区を複数の小区間に分割し、各小区
間の中間地点に相当する車輪の回転量(上記例ではパル
ス数が1000,3000,5000,……)に到達し
た時点から5パルス毎に横加速度信号を120個、記憶
することにより作成し、これを、予め同様にして作成さ
れた小区間内の基準データの中から検索することにより
行なう。
【0051】このため、従来の地点検知方法のようにA
TS地上子を用いないため、ATS地上子が移設されて
も、ATS地上子の位置の測定等の手間を必要としな
い。また、この検索は、基準データと検索データとの相
互相関関数を計算することにより行なわれるため、通常
走行時に車輪がレールに対して空転・滑走を起こしても
地点検知が可能である。
【0052】更に、上記傾斜制御処理では分割作成され
た各小区間内で上記検索を行ない、その結果求められた
誤差からパルス数を補正していくため、空転・滑走によ
る誤差が累積されることがなく、精度の良い地点検知を
行なうことができる。また、基準データを小区間に分割
することで検索範囲を小さくしているため、相互相関関
数の計算量が減り、補正を速やかに行なうことができる
と共に、紛らわしい横加速度信号の波形が同一小区間内
に入らないように分割しているため、誤検索の可能性を
更に低くすることができている。
【0053】以上、本発明の実施例として、本発明の地
点検知装置が適用された傾斜制御装置1について説明し
てきが、本発明はこうした実施例に何等限定されるもの
ではなく様々な態様で実施しうる。例えば、本実施例で
は、車両の左右方向の挙動を表すものとして横加速度信
号を用いて、これを記憶することにより、基準データ或
は検索データを作成していたが、挙動を表すものとして
は、この他に台車の左右方向の傾き量,台車の自己操舵
量,曲率半径等を用いても良く、同様の地点検知を行な
うことができる。また、基準データを上記のように1回
の基準データ作成処理で定めるのではなく、車両を複数
回走行させて記録した挙動の平均値等から作成しても良
い。
【0054】本実施例の傾斜制御装置1では、全走行線
区を等分割したが、この分割を不等長にしても良い。こ
の場合、小区間の長さは、傾斜制御が不要な区間は長
く、上記制御開始地点の近くでは短くすれば、必要且つ
十分な傾斜制御が可能となる。また、上記実施例では検
索データの長さを、全ての小区間に共通のm=120と
したが、小区間毎に異なる個数にしても良い。こうする
ことにより、基準データが誤検索の可能性のある波形を
しているときには、mを大きくすることにより誤検索を
防ぐことができる。特に、上記のように各小区間を不等
長にした場合は小区間の長さに応じてmを異なる値にし
ておくと良い。特殊な場合として、地点検知を必要とし
ないような小区間、或は直線部分が長く続いて検知の困
難な小区間ではm=0、すなわち、その小区間では地点
検知を行なわないようにしても良い。こうすれば、余分
な計算を省略でき、これに合せて基準データもこの区間
では作成しないようにすれば、記憶装置15の容量を節
約することができる。
【0055】また、相互相関関数を演算した結果、明確
な最大値が算出できなかった場合や最大値の算出はでき
たが通常の最大値に比べて著しく小さかった等の場合に
は、その検知結果を捨て、補正を行なわないようにして
も良い。このようにしても、続く小区間内にて検知を行
なうため、地点検知は可能である。
【0056】更に、上記実施例では、地点検索点を各小
区間の中央の地点に対応させて設定したが、これを始発
駅側或は終着駅側にずらしても良い。例えば、経験的に
滑走よりも空転の方が多く発生する傾向がある区間で
は、地点検索点を小区間の中央から終着駅寄りにずらし
て設定すると、より多くの空転を許容できる。
【0057】相互相関関数も式[数1]に示したものに
限らない。例えば、ある小区間内で際立って大きな横加
速度信号が検出される箇所があり、上記のような相互相
関関数Rxy(i)を用いると、その箇所にてRxy(i)が
最大になってしまい、しかもその箇所が制御開始地点に
近い等の理由で、mを大きくする訳にいかない場合に
は、各小区間内の基準データ及び検索データを夫々の信
号値の絶対値の平均で無次元化した後に相互相関関数を
用いると良い。すなわち、式[数1]に代えて、以下の
式[数2]にて相互相関関数を計算する。
【0058】
【数2】
【0059】R'xy(i)の最大値は、ある程度大きな検
索データの相互相関関数における最大値と比べて小さい
ので、相互相関関数の最大値は一定のしきい値以上のと
き有効とし、そのしきい値は実験を行ない調整すると良
い。また、相関関数の検索範囲として式[数1]及び式
[数2]においては添字iを0からn−mまで動かし
て、小区間の末尾m個は除外していたが、終着駅を含ん
だ小区間、すなわち、基準データがi=n以降は存在し
ない小区間以外はi=nまで計算しても良い。これとは
逆に、検索範囲の始点も、始発駅を含んだ小区間、すな
わち、基準データがi=0以前は存在しない小区間以外
はi=−mとしても、もちろん良い。更に、各地点検索
点に対応する各検索範囲は上記のように互いに独立して
いる必要はなく、隣合う検索範囲の一部が重合しても良
い。
【0060】上記実施例では地点検索点を、車輪の回転
数にて設定していたが、別のものによっても良く、例え
ば、小区間内にある最初のトンネルに車両が入ったこと
を照度センサ等で検出したり或はATS地上子を検知し
たりすることによって検索データの作成を開始しても良
い。ATS地上子は、本発明で不使用化を図っているも
のであるが、地点検索点のトリガとして用いる場合は、
その位置が正確に判っている必要がないため、小区間外
に移設されない限り、従来のように移設の度に位置測定
等の必要に迫られることがない。
【0061】走行距離補正部29による補正も、上記実
施例に示した方法に限らない。例えば、地点検索点から
走行距離補正部29が補正をする瞬間までの区間に発生
したずれを予想して補正しても良い。予想の方法として
は、地点検索点までの区間と同じ割合でずれが発生する
と仮定したり、相互相関関数の最大値の大きさ及び検索
データの波形から予想したり、過去の走行における空転
・滑走の傾向を勘案して推定したりしても良い。
【0062】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載の鉄道車両用地
点検知方法によれば、通常の走行に先駆けて行なった走
行時に記憶された車両の左右方向の挙動を基準データと
し、この中から、通常の走行時に測定された挙動信号を
検索データとしてこれを基準データの中から検索するこ
とにより地点検知を行なっていくため、ATS地上子を
使用することなく車両の走行地点を検知することができ
る。また、基準データ、検索データとも、単位距離当た
りに格納していくために、列車の走行速度に関係なく、
両者の比較を行なうことができる。従い、基準信号を作
成する際には車輪がレールに対して空転・滑走を起こさ
ないような速度条件、例えば低速で走行すれば、精度の
良い地点検知を行なうことができる。更に、通常走行の
際に、車輪がレールに対し空転・滑走を起こしても、検
索データを、基準データとの相互相関関数を演算するこ
とにより検索するため、車両の走行位置を検知すること
ができる。
【0063】請求項2に記載の鉄道車両用地点検知装置
によれば、挙動測定手段が列車の左右方向の挙動を測定
し、基準データ作成手段が第1の記憶手段に格納した走
行線区内での走行距離に対する車両の挙動を表す基準デ
ータの中から、検索データ作成手段が同様に第2の記憶
手段に格納した検索データを検索する。このため、AT
S地上子を使用することなく、検索データを作成を開始
した時点における車両の走行地点を、基準データを格納
した走行線区の中から検索することができ、これを基に
現在の車両位置を検知することができる。また、基準デ
ータ及び検索データは、回転量測定手段により測定され
た一定回転量毎に格納されているために車両の走行速度
に関係なく、基準データと検索データとの相関をとるこ
とができる。従い、基準信号を作成する際には車輪がレ
ールに対して空転・滑走を起こさないような速度条件、
例えば低速で走行すれば、精度の良い地点検知を行なう
ことができる。更に相互相関関数算出手段が、検索デー
タの検索を、基準データとの相互相関関数を演算するこ
とにより行なうため、たとえ車輪が線路上を滑走或は空
転を起こしても、車両の走行位置を検知することができ
る。
【0064】請求項3に記載の鉄道車両用地点検知装置
によれば、請求項2に記載の発明による効果に加え、次
のような効果を奏することができる。すなわち、走行線
区を小区間に分割し、相互相関関数算出手段が各小区間
内を検索範囲とすることにより、相互相関関数の計算量
を減らし、短時間で検索を行なうことができる。また基
準データが似通った挙動パターンを複数有するような波
形を呈する場合には、各挙動パターンが夫々異なる小区
間に属するように分割をすることにより、誤検索の可能
性を減らして検知精度を高めることができる。更に、検
索指令手段によって、各小区間内の地点検索点に対応す
る車輪の各回転量に実際の回転量が達した時点で、検索
データの格納を開始するための指令が発生されるため、
オペレータ等が、各小区間内の地点検索点に車両が達し
たことを見計らって指令を出すといった手間は不要であ
る。特に、この地点検索点を各小区間の中央にすれば、
車輪の滑走・空転の両者に対して許容することができ、
また、滑走が多く発生する傾向がある小区間では、それ
に合せて地点検索点を進行方向に対して後方に偏らせれ
ば、より多くの滑走を許容できる。
【0065】しかも、回転量補正手段が、地点出力手段
の出力に基づき、回転量測定手段による車輪の回転量の
測定値を補正するため、走行線区を小区間に分割して
も、地点検知の誤差が累積されることがなく、地点検知
の精度を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を例示するブロック図である。
【図2】 実施例の傾斜制御装置1の全体構成を表すブ
ロック図である。
【図3】 基準データ作成部21にて実行される基準デ
ータ作成処理を表すフローチャートである。
【図4】 小区間A1 にて作成された基準データ、同じ
く小区間A1 にて作成された検索データ、及び該両者の
相互相関関数を、各々のパルスカウント値すなわち車輪
の回転数と対応させて示した説明図である。
【図5】 車両の走行線区の分割の様子を表す説明図で
ある。
【図6】 車両の通常走行時に行なわれる傾斜制御処理
を示したフローチャートである。
【図7】 検索データ作成部23にて実行される検索デ
ータ作成処理を表すフローチャートである。
【図8】 本実施例の地点検知処理に伴うパルス数補正
を行なった場合の時間とパルスカウント値との関係を、
模擬的に示した説明図である。
【符号の説明】
1…傾斜制御装置 3…電子制御装置 11…横
加速度センサ 13…信号処理回路 15…記憶装置 17…
速度発電機 19…走行距離算出回路 21…基準データ作
成部 23…検索データ作成部 25…検索指令部 27…相互相関関数算出部 29…走行距離補正
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 胡桃沢 知都 愛知県名古屋市熱田区三本松町1番1号 日本車輌製造株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−107172(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 22/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の通常走行に先駆けて、該車両を、
    車輪の回転量と走行距離とが略一致する速度条件にて、
    通常走行時の走行線区内を走行させ、このときの車両の
    左右方向の挙動を測定し、この測定値を車輪の所定の回
    転量毎に記憶することにより、当該走行線区内での走行
    距離に対する車両の挙動を表す基準データを作成し、 通常走行時には、上記走行線区内にて車両の左右方向の
    挙動を測定し、外部からの地点検索指令に従って、車輪
    の所定の回転量毎に所定個分記憶することにより、検索
    データを作成し、該検索データと上記基準データとの相
    互相関関数を計算することにより、該検索データに対応
    した車両の挙動パターンが上記基準データが表す車両の
    挙動パターンに最も一致する区域を求め、これを基にし
    て当該車両の現在の現在地を特定することを特徴とする
    鉄道車両用地点検知方法。
  2. 【請求項2】 車両の有する車輪の回転量を測定する回
    転量測定手段と、 上記車両の左右方向の挙動を測定する挙動測定手段と、 該挙動測定手段の測定した値を、外部からの基準データ
    作成指令に従って、上記回転量測定手段の測定した所定
    の回転量毎に第1の記憶手段に格納することにより、当
    該走行線区内での走行距離に対する車両の挙動を表す基
    準データを作成する基準データ作成手段と、 外部からの地点検索指令を受け取ると、該挙動測定手段
    の測定した値を、上記回転量測定手段の測定した上記所
    定の回転量毎に、第2の記憶手段に所定個分格納するこ
    とにより、検索データを作成する検索データ作成手段
    と、 該検索データ作成手段によって検索データが作成される
    と、上記基準データと上記検索データとの相互相関関数
    を計算することにより、該検索データに対応した車両の
    挙動パターンが上記基準データが表す車両の挙動パター
    ンに最も一致する区域を求め、これを基にして当該車両
    の現在の現在地を特定する地点特定手段とを備えること
    を特徴とする鉄道車両用地点検知装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の鉄道車両用地点検知装
    置において、 予め、上記走行線区を複数の小区間に分割すると共に、
    該各小区間内に地点検索点を設定しておき、 通常走行時に、上記各地点検索点に対応する車輪の各回
    転量に、上記回転量測定手段による測定結果が達したと
    きに、上記地点検索指令を、上記検索データ作成手段に
    対して発する指令手段と、 上記地点特定手段による特定結果に基づき、上記回転量
    測定手段による車輪の回転量の測定値を補正する回転量
    補正手段とを更に設け、 上記地点特定手段が、上記各小区間内にて作成された各
    検索データと、該各小区間内の基準データとの相互相関
    関数を計算することを特徴とする鉄道車両用地点検知装
    置。
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