JP5965251B2 - 軌道位置データ付与システム及び軌道位置データ付与方法 - Google Patents
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Description
前記検査値データと同期して、車両上に設置された角速度センサによってヨー角速度を表す角速度データを順次取得して検査値データと共に時系列的に保存するデータ記録装置と、
前記データ記録装置で記録されたデータを解析するデータ解析装置とを備え、前記データ解析装置は、
前記保存した角速度データの中から規定条件を満足する角速度データの時系列的集合を抽出し、その時系列的集合を検出曲線として、軌道管理図の曲線線形図における曲線とマッチングさせる手段と、
検出曲線の代表のヨー角速度と、その検出曲線とマッチングされた曲線線形図における曲線の曲率半径とから速度を求め、それを検出曲線における確定速度とする手段と、
必要に応じて確定速度間を補間する速度を求め、これらの速度を積分して距離を求め、求めた距離を用いて、保存した検査値データと軌道管理図の軌道位置データとの対応付けを行う手段と、
を備える。
前記検査値データと同期して、車両上に設置された角速度センサによってヨー角速度を表す角速度データを順次取得して検査値データと共に時系列的に保存する工程と、
前記保存した角速度データの中から規定条件を満足する角速度データの時系列的集合を抽出し、その時系列的集合を検出曲線として、軌道管理図の曲線線形図における曲線とマッチングさせる工程と、
検出曲線の代表のヨー角速度と、その検出曲線にマッチングされた曲線線形図における曲線の曲率半径とから速度を求め、それを検出曲線における確定速度とする工程と、
必要に応じて確定速度間を補間する速度を求め、これらの速度を積分して距離を求め、求めた距離を用いて、保存した検査値データと軌道管理図の軌道位置データとの対応付けを行う工程と、
を備える。
予め、データ記録装置12のバッテリ28を充電器16により充電し、データ記録装置12には、記録可能な容量を持つメモリ32をセットしておく。
角速度データを含む検査値データを取得するために、データ記録装置12を車両に運び、車両の任意の場所、例えば床上や座席に、データ記録装置12を設置する。このときに、センサ部20の方向と車両の座標とを一致させるようにして設置する必要がある。測定前に入力部38から測定開始地点の測定基準データとしてのキロ程及び/または停車場名の入力を行う。
測定終了後に、地上において、データ解析装置14による軌道位置データ付与プログラムにより、メモリ32に記録されたデータに対して処理を行う。
軌道位置データ付与処理を行う処理区間を決定し、処理区間に対応するメモリ32に記録された角速度データであるヨー角速度データを読み出す。
図4に示すように、曲線線形図とヨー角速度のグラフは、非常に類似する変化傾向を持つ。メモリ32に記録された処理区間に対応する角速度データであるヨー角速度のデータを読み出し、曲線に対応するデータを見つけるために、規定条件を満足するデータの抽出を行う。規定条件としては、その絶対値が所定の閾値Ythを超えて、所定データ数、連続して閾値Ythを超えたこととすることができ、この規定条件を満足したヨー角速度の時系列的データ集合を、1つの曲線に対応するデータとみなすことができる。以下、この時系列的データ集合を検出曲線という。
検出曲線が曲線テーブル44のどの曲線に対応するかを求めるために、検出曲線と曲線テーブルの曲線とのマッチングを行う。マッチングの条件は、曲線の順番が逆転することはないこと、曲線の方向、その他、曲線の特徴値の類似度等とすることができる。マッチングが行われると、検出曲線が、曲線テーブル44の曲線IDと対応付けられる。
検出曲線の代表ヨー角速度を決定する。ここでは、車両が曲線を走行する際に、曲率半径が一定の部分を一定の速度で走行するものとする。そして、この速度を求めるために、代表ヨー角速度を任意の方法で決定するが、例えば、以下のように決めることができる。
・検出曲線のうちの中央のデータに対応するヨー角速度を代表ヨー角速度とする。
・検出曲線のうちの中央のデータから前後所定数のデータに対応するヨー角速度の平均値をとって代表ヨー角速度とする。平均をとるデータ数である所定数は、検出曲線を構成する全データ数に応じて可変とすることができ、所定の割合数とすることができる。
・確定速度は、抽出されたヨー角速度の時系列的データ集合全てのデータに対する速度とする(図7(c))。
以上で求められた確定速度に対して、確定速度間の速度を必要に応じて補間により求める。補間の方法としては、次の方法が考えられる。
・進行方向の加速度の積分を用いる方法
隣り合う確定速度間は、センサ部20から得られる進行方向の加速度axの積分値で補間する。
Va=V0+ΣAcc+Σoffset (ここで、Acc:真の加速度、offset:加速度オフセット)
となる。
Van=Vn+OFFn
となる。この加速度積分による積分区間終点速度Vanと確定速度Vnとの差異となるオフセットの積分値OFFnから求めた区間の位置に応じたオフセット分を除去して、V0〜Vn間を補間した速度Vi(iは、積分区間開始からデータIDがi番目であることを表す)は、i番目のオフセット分をOFFiとすれば、
Vi=Vai−OFFi
=Vai−OFFn×i/n
=Vai+(Vn−Van)×(IDi−ID0)/(IDn−ID0)
と表すことができる。
Vai=Va(i−1)+Ts×(ax(i−1)+axi)/2
と表すことができる。ここで、Va0=V0であり、axiは、i番目の進行方向の加速度を表し、Tsはサンプリングタイムである。
・GPS信号を用いる方法
データ記録装置12にGPS受信機を設けて、GPS受信機から得られる速度(GPS速度という)を検査値データとして他の検査値データと同期して取り込みメモリ32に格納している場合に、そのGPS速度を用いて補間することが考えられる。
・均等に按分する方法
確定速度間は等加速度または等減速度で速度が線形的に変化するとして補間する方法である。センサ部からの検査値を用いずに補間することができるので、処理が簡単となる。
次に、確定速度及び補間された速度Viを順次積分することにより、距離、即ちキロ程を求めることができる。具体的には、速度Viを用いて、
Di=D(i−1)+Ts×(V(i−1)+Vi)/2
により求めることができる。
Di’=Di×Dk/Dn
とすることで行ってもよい。
こうして、キロ程とデータIDとが対応付けられると、この対応関係をデータ出力テーブル48に格納する。データ出力テーブル48は、図6Dに示すフィールドを持つことができ、これによって、データIDとそれに対応するキロ程が、データIDに対応する検査値データと対応付けられたことになる。また、求めた速度もキロ程と対応付ける。
順次、以上の処理3−1〜3−7を、処理区間を変えて行う。通常、最初に決定された処理区間の始点は測定開始地点となり、最後に決定された処理区間の終点は測定終了地点となる。すべての処理区間について処理を行い、データIDに対してキロ程を対応付けることで、処理を終了する。
以上の例では、ヨー角速度は、センサ部20のヨー角速度出力を座標変換せずに使用しており、座標変換しなくてもヨー角速度のグラフにおいて、屈曲点の位置が精度良く現れるが、さらに精度を向上させるためには、データ解析装置14またはデータ記録装置12に、ヨー角速度、ロール角速度、ピッチ角速度の3軸の角速度を用いてまた必要に応じて加速度を用いて、公知の座標変換を行い車体系からその車両外の座標系に変換を行う処理を行う手段を設けることも可能である。
図9(a)は、ヨー角速度と曲線線形図との対応付けを行う前の、検査値、即ち、ヨー角速度とキロ程とを暫定的に対応付けた場合の例であり、図9(b)は、曲線の速度を確定速度として用いてキロ程と対応付けた場合の例である。図中矩形の部分は、実際の曲線に対応する。また、図9中、二点鎖線は速度を表す。図9(a)の速度は、確定速度を用いずに、加速度の積分により求めたものである。図9(b)に示される対応付けは、図9(a)に比較して、精度良く対応付けられていることが分かる。
測定基準データとしては、前述のように、マーキング部36または入力部38から直接手動により入力されるキロ程のデータ、または、停車場、橋、トンネルといった既定物の通過したことを表すデータとする他に、別途のセンサにより自動的に通過したことを検出したことを表すデータとすることもできる。または、他のATSやデーターデポ(登録商標)(東京計器レールテクノ株式会社製)といった軌道に沿って間隔をあけて配置された地上子の通過を自動的に検知するデータとすることもできる。または、測定基準データとしては、データ記録装置12にGPS受信機を設けて、GPS受信機から得られる位置データとすることもできる。この場合、位置データと軌道上のキロ程との対応テーブルを別途設けるとよい。
尚、以上の説明例では、検査値データは、ヨー角速度及び進行方向の加速度を検出するセンサによって検出されるデータと共通または同一であったが、これに限るものではなく、検査値データは、別のセンサによって検出される別の測定値のデータとすることもできる。
12 データ記録装置
14 データ解析装置
140 処理区間決定処理手段
144 マッチング手段
146 速度演算手段
150 速度補間手段
152 検査値データ対応付け処理手段
20 センサ部
Claims (6)
- 軌道上を走行する車両に設置されたセンサによって時系列的に取得される検査値データを、軌道位置データと対応付ける軌道位置データ付与システムであって、
前記検査値データと同期して、車両上に設置された角速度センサによってヨー角速度を表す角速度データを順次取得して検査値データと共に時系列的に保存するデータ記録装置と、
前記データ記録装置で記録されたデータを解析するデータ解析装置とを備え、前記データ解析装置は、
前記保存した角速度データの中から規定条件を満足する角速度データの時系列的集合を抽出し、その時系列的集合を検出曲線として、軌道管理図の曲線線形図における曲線とマッチングさせる手段と、
検出曲線の代表のヨー角速度と、その検出曲線とマッチングされた曲線線形図における曲線の曲率半径とから速度を求め、それを検出曲線における確定速度とする手段と、
必要に応じて確定速度間を補間する速度を求め、これらの速度を積分して距離を求め、求めた距離を用いて、保存した検査値データと軌道管理図の軌道位置データとの対応付けを行う手段と、
を備える軌道位置データ付与システム。 - 確定速度間の速度の補間は、進行方向加速度を積分することにより行うことを特徴とする請求項1記載の軌道位置データ付与システム。
- 確定速度間の区間において、区間始点の確定速度を初期値として進行方向加速度を積分した区間終点の結果と、区間終点の確定速度との差異を求め、該差異から求めた区間における位置に応じた誤差を、進行方向加速度の積分から除去することを特徴とする請求項2記載の軌道位置データ付与システム。
- 軌道上を走行する車両に設置されたセンサによって時系列的に取得される検査値データを、軌道位置データと対応付ける軌道位置データ付与方法であって、
前記検査値データと同期して、車両上に設置された角速度センサによってヨー角速度を表す角速度データを順次取得して検査値データと共に時系列的に保存する工程と、
前記保存した角速度データの中から規定条件を満足する角速度データの時系列的集合を抽出し、その時系列的集合を検出曲線として、軌道管理図の曲線線形図における曲線とマッチングさせる工程と、
検出曲線の代表のヨー角速度と、その検出曲線にマッチングされた曲線線形図における曲線の曲率半径とから速度を求め、それを検出曲線における確定速度とする工程と、
必要に応じて確定速度間を補間する速度を求め、これらの速度を積分して距離を求め、求めた距離を用いて、保存した検査値データと軌道管理図の軌道位置データとの対応付けを行う工程と、
を備える軌道位置データ付与方法。 - 確定速度間の速度の補間は、進行方向加速度を積分することにより行うことを特徴とする請求項4記載の軌道位置データ付与方法。
- 確定速度間の区間において、区間始点の確定速度を初期値として進行方向加速度を積分した区間終点の結果と、区間終点の確定速度との差異を求め、該差異から求めた区間における位置に応じた誤差を、進行方向加速度の積分から除去することを特徴とする請求項5記載の軌道位置データ付与方法。
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