JP3419679B2 - 圧電セラミックス - Google Patents
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Description
TiO3)を主成分とする圧電セラミックスに関し、よ
り詳細には厚み縦振動の3次高調波を利用する圧電セラ
ミックスに関する。
セラミックフィルタ、圧電変位素子、圧電ブザー、超音
波振動子等に広く利用されており、その用途は益々拡大
されつつあるが、その要求特性も多岐にわたり、厳しく
なっている。特に、最近では、電子部品の小型化、高性
能化への要求が高く、そこで使用される電子部品材料に
対しても小型化、高性能化の要求基準は非常に厳しいも
のとなっている。
を主成分とするもの、あるいは、Pb(Ti,Zr)O
3を主成分とするもの(PZT系材料)、さらには、こ
れらに第二成分または第三成分として種々の添加物を加
えることにより、圧電特性や電気特性を改善したものが
用いられている。
優れているPZT系材料がこれまで精力的に開発されて
きた。このPZT系材料としては、ジルコン・チタン酸
鉛を主体とし、これにMn、Cr、Co、Fe等の金属
酸化物を添加したり、あるいは、Pb(Mg1/3N
b2/3)O3で表される複合酸化物を固溶させて、種々の
物性を改良したものが知られている。
属の酸化物とを同時に含有させたチタン酸鉛系材料も、
高周波用圧電素子として提案されている。このものはP
ZT系材料と比べて誘電率が低く、圧電特性が良好では
あるが、焼結性に劣り、大型磁器にすることが困難な
上、分極条件が厳しく、大量生産において歩留まりが低
いという欠点がある。
用電子部品に適用する場合に、厚み縦振動の3次高調波
を利用することによって小型化、高性能化を図る試みが
なされている。しかしながら、厚み縦振動を利用する従
来の発振子の場合、小型化(電極形成面の小面積化)に
より、Qmaxの低下が生じたり、共振のダイナミックレ
ンジ(q)の低下が生じたり、3次高調波近傍にスプリ
アスが発生したりするため、小型かつ高性能の圧電素子
を実現することは難しかった。なお、本明細書におい
て、Qmaxは、3次高調波における位相角の最大値をθm
axとしたときのtanθmaxである。
ば、特開昭63−151667号公報では、PbTiO
3系材料に、Sr、Ca、Baのうち少なくとも一種と
LaとMnとを添加した圧電磁器組成物を提案してい
る。同公報では、3倍波振動近傍のスプリアスの発生や
3倍波振動のP/V(共振、***振のインピーダンス
比)のバラツキが抑制される、としている。
PbLaTiO3系材料で理論密度比が96%以上の緻
密質から成る圧電磁器が提案されている。同公報におい
ても、3倍波振動近傍のスプリアスの発生や3倍波振動
のP/Vのバラツキが抑制される、としている。
は、(Pb,La)TiO3系材料に、CuとZrとM
nとを添加した圧電磁器組成物を提案している。同公報
では、Zr等を添加することにより、結晶粒径を小さく
できると共に、使用周波数に応じて結晶粒径を制御でき
るため、共振のダイナミックレンジを大きくでき、ま
た、3倍共振から5倍共振へ移動することがなくなる、
としている。
圧電磁器組成物の特性評価に、直径15〜18mmの素子
を用いている。この程度の大きさでは小型化とは言い難
い。例えば、ハードディスク駆動用セラミック発振子の
場合、40MHzを超える周波数を4mm□以下の寸法で実
現する必要が生じている。しかし、上記各公報に記載さ
れている圧電セラミックスをこのように小型化すると、
上記したQmaxおよびqが低下したり、3次高調波近傍
にスプリアスが発生したりする問題が生じる。
度、良温度特性、高キュリー温度が実現し、しかも、小
型化したときに生じるQmax低下、q低下、基本波の増
大、3次高調波近傍のスプリアス発生等を十分に抑制で
き、小型で高性能な圧電素子を実現可能な圧電セラミッ
クスを提供することである。
〜(3)のいずれかの構成により達成される。 (1) 一般式 (Pba-x-y-zSrxLnyBiz)(Ti1-b-cMnbMec)O3 (上記一般式において、LnはLa、CeおよびPrの
少なくとも1種であり、Meは、Nb、SbおよびTa
の少なくとも1種であり、x、y、z、a、bおよびc
は、モル比を表す)と表したとき、 0≦x≦0.2、 0<y≦0.1、 0.001≦z≦0.1、 0.93≦a≦1、 0.005≦b≦0.05、 0.005≦c≦0.05 であり、Feを含有しない組成を有する圧電セラミック
ス。 (2) キュリー温度が290℃以上である上記(1)
の圧電セラミックス。 (3) 圧電素子に適用される際に、電極形成面の面積
が16mm2以下とされる上記(1)または(2)の圧電
セラミックス。
の温度範囲における共振周波数の温度係数が±20ppm/
℃の範囲に収まり、温度変化に伴う発振周波数の変動が
小さいので、発振子などに使用するのに好ましい。本明
細書において、−40〜85℃の温度範囲における共振
周波数の温度係数とは、−40℃、−20℃、60℃お
よび85℃のそれぞれにおける温度係数を平均した値で
ある。なお、温度Tにおける共振周波数をfTとしたと
き、温度Tにおける共振周波数の温度係数は、(fT−
f25)/[f25(T−25)]である。
リー温度が290℃以上と高いので、半田リフロー時の
熱による特性劣化が生じない。また、小型化しても3次
高調波近傍のスプリアスが発生しない。しかも、小型化
に伴うQmaxの低下およびダイナミックレンジ(q)の
低下が小さいので、小型かつ高性能な圧電素子を実現す
ることができる。また、qの寸法依存性が小さいので、
素子の大きさに応じて組成を変更する必要がなく、工業
的に非常に有利である。
般式 (Pba-x-y-zSrxLnyBiz)(Ti1-b-cMnbMe
c)O3 で表される組成を有する。
よびPrの少なくとも1種であり、Meは、Nb、Sb
およびTaの少なくとも1種である。また、x、y、
z、a、bおよびcは、モル比を表し、 0≦x≦0.2、 0<y≦0.1、 0.001≦z≦0.1、 0.93≦a≦1、 0.005≦b≦0.05、 0.005≦c≦0.05 であり、好ましくは 0.05≦x≦0.15、 0.02≦y≦0.08 である。
周波数の温度係数がマイナス側に大きくなって、実用温
度範囲での発振周波数の変動が大きくなり、発振子など
への適用が難しくなる。なお、共振周波数の温度係数
は、−40〜85℃の温度範囲において、±20ppm/℃
の範囲内に収まることが好ましく、この範囲を超えて大
きくなると、発振子などへの適用が難しくなる。また、
xが大きすぎるとキュリー温度が低くなり、半田リフロ
ー時に特性が大幅に劣化してしまうため、圧電セラミッ
クスとして不適になる。また、xが大きすぎると、小型
化した場合にダイナミックレンジ(q)が低下し、圧電
特性が損なわれる上に、3次高調波付近にスプリアスの
発生が見られ、Qmaxの低下や、他の周波数での発振が
起こってしまう。xは0であってもよいが、x≧0.0
5であれば、共振周波数の温度係数が小さくなるほか、
小型化したときのqを大きくすることができる。
性が悪くなり、強度が弱くなる。また、yが小さすぎる
と比抵抗が小さくなるため、分極が困難になる。一方、
yが大きすぎると、キュリー温度が低下し、半田リフロ
ー時に特性が大幅に劣化してしまうため、圧電セラミッ
クスとして不適になる。また、yが大きすぎると共振周
波数の温度係数がプラス側に大きくなり、発振子などに
使用できなくなる。yが小さすぎても大きすぎてもQma
x1stが大きくなるため、設計時に1次振動を抑圧しき
れず、発振周波数が3次高調波から基本波へと移ってし
まう傾向がある。なお、上記Qmax1stは、基本波にお
ける位相角の最大値をθmax1stとしたときのtanθmax1
stである。
よびPrの3者で同等であるため、Ln中におけるこれ
らの元素の構成比は特に限定されない。
小さくなり、小型化したときに特に小さくなるほか、焼
結性が悪くなるので圧電特性が悪くなり、素子に著しい
変形が生じやすい。一方、zが大きすぎると、粒界に異
相が析出して、圧電特性が損なわれる。
ト型化合物であり、その化学量論組成におけるモル比A
/B(Pb/Ti)は1である。本発明の圧電セラミッ
クスは、チタン酸鉛のAサイトおよびBサイトをそれぞ
れ上記各元素で置換したものなので、モル比A/Bに相
当する上記aは、通常、1である。しかし、上記aは、
原料中のPb供給成分の量の多少や焼成条件の差異によ
り、ある程度変動する場合がある。ただし、0.93≦
a≦1の範囲であれば、本発明の目的は十分に達成され
る。しかし、aが0.93未満になると、圧電特性が劣
化してしまう。一方、aが1を超えると、焼結性が悪化
する上に、電気抵抗が低下して分極不能になり、圧電セ
ラミックスとして不適になる。
で置換されていることが必要である。Tiに対するMn
の置換率を表すb、および、Meの置換率を表すcの少
なくとも一方が0であると、分極不能となり、圧電セラ
ミックスとして使用できない。また、bおよびcのいず
れもが0でなくても、bおよびcの少なくとも一方が
0.005未満であると、分極中に絶縁破壊が生じやす
くなり、好ましくない。一方、bおよびcの少なくとも
一方が0.05を超えると、焼結性が悪化する上に、電
気抵抗が低下して分極不能になり、圧電セラミックスと
して使用できなくなる。
よびSbの3者のいずれにおいても実現するため、Me
中におけるこれらの元素の構成比は特に限定されない。
ただし、Meの少なくとも一部、好ましくは20モル%
以上をTaおよび/またはSbとすれば、小型化に伴う
qの低下をより抑えることができる。
素(O)のモル比を3として表示してあるが、本発明の
圧電セラミックスの化学量論組成は、PbおよびTiを
それぞれ置換する元素の置換率によって変化し、また、
置換元素の価数によっても変化する。例えば、Mnは一
般に3価として存在していると考えられるが、焼成雰囲
気等の各種条件の変化により、2価や4価等に変化する
可能性がある。また、Biは一般に3価として存在して
いると考えられるが、5価となり得る。本明細書では、
各元素の置換率および価数によらず酸素のモル比を3と
表示しているが、実際の酸素のモル比が3である必要は
なく、また、酸素のモル比が化学量論組成から外れてい
てもよい。
aやBa等が不純物として含有されていてもよい。Ca
やBa等の不純物の含有率をSrに対する置換率で示す
と、不純物の置換率の合計は2モル%以下であることが
好ましい。CaやBa等の不純物が多すぎると、本発明
の効果を損なうことがある。
r,Ln,Bi)(Ti,Mn,Me)O3のペロブス
カイト構造をしているが、完全に固溶していなくてもよ
く、また、全体組成が上記した組成範囲内にあれば、完
全に均質でなくても、例えば異相を含んでいてもよい。
すなわち、本発明の圧電セラミックスは、ペロブスカイ
ト型化合物であるPbTiO3の置換型固溶体であっ
て、Sr、LnおよびBiがPbサイトに存在し、Mn
およびMeがTiサイトに存在すると考えられるが、こ
れら各元素が上記各サイトに存在することは必須ではな
く、例えば、これらの元素の一部が粒界相に存在してい
たり、異相を構成していたりしていてもよい。
は特に限定されないが、好ましくは0.5〜2.0μ
m、より好ましくは1.0〜1.5μmである。
5℃の温度範囲における共振周波数の温度係数を±20
ppm/℃の範囲とすることができ、±10ppm/℃の範囲と
することもできるので、温度変化による発振周波数の変
動が小さくなり、発振子などに使用するのに好ましい。
リー温度を290℃以上とでき、330℃以上とするこ
ともできるので、半田リフロー時に特性が大幅に劣化す
ることがなく、素子化に伴う特性劣化を回避することが
できる。
化した際のqの低下が少ない。例えば、電極形成面の平
面寸法が2.7mm×0.85mm(面積2.30mm2)で
ある小型素子のダイナミックレンジをqS1とし、電極形
成面の平面寸法が7.0mm×7.5mm(面積52.5mm
2)である大型素子のダイナミックレンジをqLとする
と、本発明の圧電セラミックスを使用した場合には、q
S1/qLを80〜100%とでき、90〜100%とす
ることもできる。本発明の圧電セラミックスは、このよ
うにqの寸法依存性が小さいので、素子の大きさに応じ
て組成を変更する必要がなく、工業的に非常に有利であ
る。
共振子、セラミックフィルタ、圧電ブザー、マイクロホ
ン等に好適である。本発明の圧電セラミックスでは、こ
のようなデバイスに組み込む際に、圧電素子の電極形成
面の面積を、16mm2以下、特に12mm2以下、さらには
3mm2以下と小さくしても、上述したように特性劣化が
少ないので、小型で高性能な圧電デバイスを実現するこ
とができる。
る方法の一例を説明する。
焼成により酸化物に変わりうる化合物、例えば、炭酸
塩、水酸化物、シュウ酸塩、硝酸塩等、具体的にはPb
O、TiO2、Bi2O3、SrCO3、La2O3、CeO
2、Pr6O11、MnO2、Nb2O5、Ta2O5、Sb2O
3等を用い、これらの粉末を最終組成が上記の組成とな
るよう秤量し、ボールミル等を用いて湿式混合する。出
発原料の平均粒径は1.0〜5.0μm程度が好まし
い。湿式混合の際のスラリーの固形分濃度は、30〜5
0wt%程度が好ましい。スラリーの媒体としては、水ま
たはエタノール等のアルコール、あるいは水とアルコー
ルとの混合媒体を用いることが好ましい。
000℃程度で1〜3時間程度仮焼きし、得られた仮焼
き物をスラリー化し、ボールミル等を用いて湿式粉砕す
る。このときのスラリーの固形分濃度は、30〜50wt
%程度が好ましい。スラリーの媒体としては、水または
エタノール等のアルコール、あるいは水とアルコールと
の混合媒体を用いることが好ましい。湿式粉砕は、仮焼
き物の平均粒径が0.5〜2.0μm程度となるまで行
うことが好ましい。
燥物に水を少量(4〜8wt%程度)添加し、1〜4ton/
cm2の圧力でプレス成形して、成形体を得る。この際、
ポリビニルアルコール等のバインダを添加してもよい。
なお、成形には、押し出し成形法や、他の成形法も利用
できる。
スを得る。焼成温度は、好ましくは1250〜1350
℃の範囲から選択し、焼成時間は、好ましくは3〜5時
間程度とする。焼成は大気中で行ってもよく、大気中よ
りも酸素分圧の高い雰囲気や純酸素雰囲気中で行っても
よい。
TiO2、Bi2O3、SrCO3、La2O3、CeO2、
Pr6O11、Nd2O3、Sm2O3、Tb2O3、Dy
2O3、MnO2、Nb2O5、Ta2O5およびSb2O3か
ら選択して用いた。これらの出発原料は、平均粒径1〜
5μmの粉末である。
るように配合して、ボールミルにより湿式混合した。湿
式混合の際のスラリーの固形分濃度は40wt%とし、ス
ラリーの媒体には水を用いた。
し、得られた仮焼き物を、平均粒径が1.5μmになる
までボールミルで湿式粉砕した。湿式粉砕の際には、ス
ラリーの固形分濃度を40wt%とし、スラリーの媒体と
して水を用いた。スラリーを乾燥後、粉末状の乾燥物に
水を6wt%添加し、2.5ton/cm2の圧力でプレス成形
して、縦20mm×横20mm、高さ15mmの成形体を得
た。
中において4時間焼成し、圧電セラミックスサンプルを
得た。
て、アルキメデス法により密度測定を行った。結果を表
2に示す。
6.2mm×横3.9mm、厚さ0.4〜0.5mmに加工
し、両主面にAg電極を形成して、キュリー温度(T
c)を測定した。結果を表2に示す。
0.4〜0.5mmに加工した後、両主面にAgペースト
を塗布し、シリコーンオイル中で120℃で20分間、
6kV/mmの電界を印加して分極処理を行った。
×7.5mm(面積52.5mm2)または2.7mm×0.
85mm(面積2.30mm2)となるようにダイシング切
断し、Cu電極を取り付けて、特性測定用サンプルとし
た。
おける共振周波数をインピーダンスアナライザーにより
測定し、この温度範囲における共振周波数の温度係数を
求めた。この結果を温度特性として表2に示す。
み縦振動の3次高調波モードで、I.R.Eの標準回路
により、Qmaxおよびダイナミックレンジ(q)を測定
した。なお、Qmaxは、前記したように3次高調波モー
ドにおけるtanθmax(θmaxは、位相角θzの最大値)で
あり、Qmaxが大きいほど発振が安定する。また、q=
20・log(Za/RO)(Za:***振インピーダ
ンス、RO:共振インピーダンス)である。面積を5
2.5mm2としたときのQmaxをQL、ダイナミックレン
ジをqLとし、面積を2.30mm2としたときのQmaxを
QS1、ダイナミックレンジをqS1として、表2に示す。
また、qS1/qLも表2に示す。
プリアスの発生を波形観察により調べた。結果を表2に
示す。なお、表2に示す評価は ○:スプリアス発生なし ×:スプリアス発生あり である。波形の例として、スプリアスの発生がない場合
のものを図1(a)に、ある場合のものを図1(b)
に、それぞれ示す。図1(a)は、サンプルNo.106
(本発明例)の波形であり、図1(b)は、サンプルN
o.108(比較例)の波形である。なお、スプリアスの
評価は、面積2.30mm2のサンプルに対して行った。
に対しすべて95%以上の値であった。このことから、
各サンプルが十分に緻密化されていることがわかる。ま
た、本発明サンプルはTcが290℃以上であり、半田
リフロー時の特性劣化が防げることがわかる。また、本
発明サンプルは、共振周波数の温度特性が±20ppm/℃
の範囲内に収まっており、実用温度範囲で発振周波数変
動の小さい発振子が得られることがわかる。また、本発
明サンプルは、電極形成面の平面寸法を小さくしたとき
にも十分に大きなQmaxおよびqが得られ、qS1/qLが
84%以上、最高で95%近くと大きく、小型化に伴う
qの低下が小さいことがわかる。また、本発明サンプル
では、3次高調波近傍のスプリアスの発生も見られな
い。
o.108)では、小型形状にすると、3次高調波近傍の
スプリアスの発生が認められた。また、これらの比較サ
ンプルでは、Ln含有量が好ましい範囲にある本発明サ
ンプルに対しqS1/qLが小さいので、小型化によるq
の変化率が大きいことがわかる。比較サンプルにおける
このような結果は、Lnを添加しなかったことに起因す
ると考えられる。また、比較サンプルNo.108では、
Sr量が多すぎるので、温度係数がマイナス側に大きく
なってしまっている。
Lとの関係を、図2に示す。図2から、yが0.02〜
0.06の範囲で、qS1/qLが90%以上と特に大き
くなることがわかる。なお、図2に示すデータは、実施
例1および実施例2の各サンプルのものである。
料を配合し、焼成温度を表3に示すものとしたほかは実
施例1と同様にして、圧電セラミックスサンプルおよび
特性測定用サンプルを作製した。これらのサンプルにつ
いて、密度、Tc、共振周波数の温度特性、qLおよび
qS1を測定し、qS1/qLを求め、スプリアスの発生を
調べた。これらの結果を表4に示す。
共振周波数の温度係数、qおよびスプリアスについて、
表2に示す本発明サンプルと同等の結果が得られてお
り、qS1/qLは最高で95%以上とさらに大きくなっ
ている。
料を配合し、焼成温度を表5に示すものとしたほかは実
施例1と同様にして、圧電セラミックスサンプルおよび
特性測定用サンプルを作製した。なお、表5において、
サンプルNo.301〜304は、本発明で限定するLn
に替えて、Nd、Sm、Tb、Dyを用いた比較サンプ
ルである。これらのサンプルについて、密度、Tc、共
振周波数の温度係数、QL、QS1、qLおよびqS1を測定
し、qS1/qLを求めた。これらの結果を表6に示す。
場合でも、Laを用いた実施例1の本発明サンプルと同
等の結果が得られていることがわかる。これに対し、N
dを用いた比較サンプルNo.301は、温度特性が悪く
なっており、発振子などに使用することができない。ま
た、Smを用いた比較サンプルNo.302は、電気抵抗
が低く分極が困難となったため、十分な特性が得られて
いない。また、Tb、Dyを用いた比較サンプル(No.
303、No.304)は、焼成後、加工する際に粉々に
なってしまった。
料を配合し、焼成温度を表7に示すものとしたほかは実
施例1と同様にして、圧電セラミックスサンプルおよび
特性測定用サンプルを作製した。これらのサンプルにつ
いて、密度、共振周波数の温度係数、QL、QS2、qLお
よびqS2を測定し、qS2/qLを求めた。なお、QS2お
よびqS2は、それぞれ電極形成面の平面寸法が2.4mm
×0.85mm(面積2.04mm2)のときのQmaxおよび
qである。これらの結果を表8に示す。
他の実施例における本発明サンプルと同等の特性が得ら
れている。また、表8から、Meとして少なくともTa
またはSbを用いれば、小型化に伴うqの低下を、Nb
単独の場合よりも小さくできることがわかる。
は、焼結性が悪くなったため、Qmaxが著しく小さく、
qも小さく、小型化によるqの変化率も大きくなってい
る。これは、Biを添加しなかったことに起因すると考
えられる。また、比較サンプルNo.420では、Qmaxお
よびqがさらに小さくなってしまっているが、これは、
Meを添加しなかったことにより焼結性が著しく悪くな
り、密度が低くなったためと考えられる。また、比較サ
ンプルNo.421および比較サンプルNo.422では、電
気抵抗が低くなり、分極処理の際に電流が流れすぎて分
極が困難となり、実質的に分極が不可能であったため、
圧電特性が得られなかった。これは、MnまたはMeを
添加しなかったことに起因すると考えられる。また、比
較サンプルNo.423および比較サンプルNo.424で
は、分極処理の際に絶縁破壊を起こし、割れてしまっ
た。これは、Mn量またはMe量が少なすぎることに起
因すると考えられる。なお、サンプルNo.419、42
0については、特性が著しく低いので共振周波数の温度
係数は測定しなかった。
よる効果を確認するため、(Pb0. 77Sr0.15La0.02
Bi0.02)(Ti0.95Mn0.02Nb0.03)O3におい
て、NbをTaまたはSbで置換し、このときの置換率
とqS1/qLとの関係を調べた。結果を図3に示す。な
お、qS1は、前述したように電極形成面の平面寸法が
2.7mm×0.85mm(面積2.30mm2)のときのq
である。図3から、Nbの一部をTaまたはSbで置換
することにより、qS1/qLが大きくなることがわか
る。すなわち、小型化に伴うqの低下が小さくなること
がわかる。
度、良温度特性、高キュリー温度が実現する。また、小
型化に伴うQmax低下やq低下が抑えられる。また、基
本波の増大や、3次高調波近傍のスプリアス発生等を十
分に抑制できる。
クスにおける周波数−位相角曲線および周波数−インピ
ーダンス曲線を示すグラフであり、(a)は、スプリア
スの発生がない場合のもの、(b)は、スプリアスの発
生がある場合のものである。
る小面積素子のqの比(qS1/qL)との関係を示すグ
ラフである。
換率と、大面積素子のqに対する小面積素子のqの比
(qS1/qL)との関係を示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式 (Pba-x-y-zSrxLnyBiz)(Ti1-b-cMnbMec)O3 (上記一般式において、LnはLa、CeおよびPrの
少なくとも1種であり、Meは、Nb、SbおよびTa
の少なくとも1種であり、x、y、z、a、bおよびc
は、モル比を表す)と表したとき、 0≦x≦0.2、 0<y≦0.1、 0.001≦z≦0.1、 0.93≦a≦1、 0.005≦b≦0.05、 0.005≦c≦0.05 であり、Feを含有しない組成を有する圧電セラミック
ス。 - 【請求項2】 キュリー温度が290℃以上である請求
項1の圧電セラミックス。 - 【請求項3】 圧電素子に適用される際に、電極形成面
の面積が16mm2以下とされる請求項1または2の圧電
セラミックス。
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