JP3415807B2 - 乗物用シートの背もたれ構造 - Google Patents

乗物用シートの背もたれ構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は乗物用シートの背も
たれ構造に関し、特に、ベンチシートとも呼ばれる後部
シートの背もたれ構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】そのような背もたれ構造は現在上縁部と
下縁部との間に延びており、該構造の下縁部に隣接し、
２つの端部を有している剛性のある下側横材と、各々上
端部と、下側横材に固定されている下端部の間を延び
る、少なくとも第１と第２の概ね垂直な剛性のある直立
部材と、背もたれ構造が下縁部を中心として直立位置と
折り畳み位置の間をピボット回転するように下縁部に隣
接しているピボット回転手段とを有している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ピボット回転手段は、
通常、溶接、またはそれ自体が溶接で背もたれ構造に付
加されている部品にねじ止めすることによって連結され
ているピボットピンの形をしている。この技術は、ピボ
ットピンの応力を調節するためにすぐれた品質の溶接を
必要とするという欠点があり、そのような溶接が意外に
困難な場合がある。また、溶接が正しく行われるにして
も、特にこの背もたれ構造がアルミニウム製の場合、溶
接作業が構造の材料の特性に影響を及ぼす。そのため、
背もたれ構造の機械的な抵抗力が減少する。
【０００４】本発明の目的は、構造の機械的特性を劣化
させることなく、簡素で、有効で、安価な手段によって
ピボットピンが固定されている構造を提供することによ
って、前述の欠点を解消することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】この目的のために、本発
明によれば、前述の種類の背もたれ構造は主として、ピ
ボット回転手段が、下側横材の管状の端部にはめる込む
ことによって付け加えられる２つのベースによって支え
られていること、垂直な直立部材のそれぞれが、ベース
と下側横材とに同時にはめ込むことによって固定されて
いることを特徴とする。
【０００６】これらの構成によって、ピボットピンなど
のピボット回転手段の組立体が溶接なしに得られる。ピ
ボット回転によって受ける応力は、溶接された連結部を
通らずに背もたれ構造に伝達される。したがって、背も
たれ構造の機械的な抵抗力は影響を受けない。
【０００７】本発明による背もたれ構造は、１つ以上の
下記の特徴、すなわち、下側横材の端部は、ハウジング
を形成する管状の形を持ち、ベースは、ベースがはめ込
まれるハウジングの形状と相補的な形状を持ち、かつく
ぼみが設けられている主部を有しており、向かい合う２
つの窓部が下側横材の端部のそれぞれに作られており、
くぼみと２つの窓部は、垂直な直立部材の下端部の形状
と相補的な形状を有している、下側横材と支柱はアルミ
ニウムで作られ、ピボット回転手段はスチールで作られ
ている、ピボット回転手段は、少なくとも部分的にねじ
山が切られていて、下側横材の端部を越えてベースから
突出している２つの軸部を有している、２つのナットの
各々は、各ベースの端部に作られている保持部の中で動
けないようになっており、ナットに軸部がねじ込まれ
る、各ベースの主部は雌ねじを切られており、各直立部
材の下端部に穴が作られており、軸部は、この穴を貫通
してベースにねじ込まれる、を有することができる。
【０００８】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【０００９】別々の図面上の同一参照番号は同一または
類似の構成要素を示す。
【００１０】図１に、座部２と、直立の位置（図示され
ているような）と折り畳み位置との間でシートの前方ま
たは後方にピボット回転できる背もたれ３とを有する自
動車用シート１を示す。シート１は、例えば、自動車の
後部ベンチシートである。
【００１１】周知のように、ベンチシート１は、ベンチ
シートを支えている自動車に対して横方向に、自動車の
ほぼ全幅にわたって延びている。
【００１２】背もたれ３は、図２の斜視図でわかる剛性
のある金属フレーム５を有している。この構造は、背も
たれ３の上部に隣接している上縁部６と、ベンチシート
を支えている自動車（不図示）の床部に隣接する下縁部
７との間に延びている。
【００１３】背もたれ３の金属構造５は、下縁部７に隣
接する背もたれ３の全幅にわたって延び、管状の形を
し、それぞれハウジング１３（図３と４）を形成してい
る２つの開口端部１１と１２を有している剛性のある下
側横材１０と、下縁部７に隣接する背もたれ３の全幅に
わたって２つの端部１６と１７の間に延び、上縁部６に
隣接して延び、やはり管状の形をしている剛性のある上
側横材１５と、下側横材１０と上側横材１５との間に垂
直に延びている３つの直立部材１８であって、３つの直
立部材１８のうちの２つ（以下、側直立部材と呼ぶ）
が、これらの横材の端部１１、１２、１６、１７に位置
し、第３の直立部材１８、すなわち中央直立部材が、構
造５の幅のほぼ中央に配置されている直立部材１８と、
横材１０、１５と直立部材１８とによって形成される面
をすべて覆っている補強プレート１９とを有している。
【００１４】構造５の前述の構成部品のすべては、例え
ば、アルミニウムで作られている。
【００１５】各直立部材１８は、下端部２０と上端部２
１の間を垂直に延びている。側直立部材１８の上端部２
１は、上側横材１５の端部１６、１７にそれぞれ作られ
ている２つのくぼみ２２にぴったりとはめられ、これら
の側直立部材１８の下端部２０は、下側横材１０の端部
１１、１２にそれぞれ作られている２つの窓部２３にぴ
ったりとはめられている。
【００１６】側直立部材１８の下端部２０は、下側横材
１０の端部１１、１２を貫通している。そのため、端部
１１、１２に、窓部２３と向かい合わせに別の２つの窓
部２４が作られている。
【００１７】窓部２３、２４はハウジング１３内に出、
側直立部材１８の横断面と相補的な形をしている。
【００１８】図３および４にそれぞれ示されている第１
の実施形態と第２の実施形態において、直立部材１８
は、それぞれ、管状の形と平板状の形をしている。
【００１９】２つの実施形態のそれぞれにおいて、構造
５は、下側横材１０を貫通する横方向の水平なピボット
軸Ａ−Ａを形成するピボット回転手段２６を中心として
直立位置と折り畳み位置との間をピボット回転するよう
に取り付けられている。
【００２０】第１の実施形態において、ピボット回転手
段２６は、下側横材１０の開口端部１１、１２にはめ込
むことによって付けられる２つの剛性のあるブロック
（以下、ベース３２と呼ぶ）の中で、２つのナット３１
によって動かないようにさせられる２つのピボットピン
３０から構成されている。ピボットピン３０は、スチー
ルから作られるのが好ましいが、ベース３２は、例え
ば、アルミニウムまたはスチールで作ることができる。
【００２１】各ベース３２は、主部３３と堅い端部３４
を有している。ベース３２がハウジング１３にはめ込ま
れるとき、主部３３はこのハウジング１３内を貫いて進
み、端部３４は、ハウジング１３の中でベース３２を動
かないようにすることによってハウジング１３を閉じ
る。
【００２２】主部３３は、ベース３２をはめた後で、垂
直直立部材１８が下側横材１０の窓部２３、２４とくぼ
み３５とを同時に貫通するようにするために、垂直直立
部材１８の下端部２０の横断面と相補的な形のくぼみ３
５を有している。
【００２３】ピボットピン３０は、堅い端部３４に作ら
れている保持部３６に収容されているナット３１によっ
て、ベース３２の端部３４に部分的にねじ込まれてい
る。ベース３２を下側横材１０にはめ込んだときに、ピ
ボットピン３０は、自動車によって支えられている相補
的な手段と係合するように、下側横材１０から突出す
る。
【００２４】このように、ピボットピン３０は部品、す
なわち構造５に取り付けることによって動かにないよう
にされるベース３２上で動かないようにされる。直立部
材１８だけは、下側横材１０およびベース３２にはめ込
まれた後、下側横材１０に溶接される。したがって、そ
れらがピボットピン３０の溶接を無くすピンの役割をし
ている。
【００２５】図４に示された第２の実施形態のピボット
回転手段２６は、ベース４２にねじ込むために、その長
さの大部分にわたってねじが切られている２つのピボッ
トピン４０を有している。第1の実施形態のベース３２
と同じように、ベース４２は、下側横材１０の端部１
１、１２にはめ込むことによって加えられ、また、各ベ
ース４２は、主部４３と端部４４を有している。主部４
３は、直立部材１８の下端部２０が貫ぬくくぼみ４５を
有している。
【００２６】直立部材１８の端部２０は穴４７を有して
おり、ベース４２は、その端部４４から、くぼみ４５を
越えて主部４３まで雌ねじが切られており、その結果、
直立部材１８と下側横材１０とベース４２を取り付けた
後、ピボットビン４０は穴４７を貫通させることによっ
てベース４２にねじ込まれる。このように、ピボットピ
ン４０は、溶接されない限り、構造物を弱めないばかり
でなく、この構造の構成部品の取り付けに貢献するので
この構造を補強する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による構造物を背もたれが備えているシ
ートの斜視図である。
【図２】図１のシートの背もたれ構造の斜視図である。
【図３】図２の構造のピボット回転手段の組立体の第１
の実施形態の分解斜視図である。
【図４】図２の構造物のピボット回転手段の組立体の第
２の実施形態の分解斜視図である。
【符号の説明】
１ シート ２ 座部 ３ 背もたれ ５ 構造物 ６ 上縁部 ７ 下縁部 １０ 下側横材 １１ 端部 １２ 端部 １３ ハウジング １５ 上側横材 １６ 端部 １７ 端部 １８ 直立部材 １９ 補強プレート ２０ 下端部 ２１ 上端部 ２２ くぼみ ２３ 窓部 ２４ 窓部 ２６ ピボット回転手段 ３０ ピボットピン ３１ ナット ３２ ベース ３３ 主部 ３４ 端部 ３５ くぼみ ３６ 保持部 ４０ ピボットピン ４２ ベース ４３ 主部 ４４ 端部 ４５ くぼみ ４７ 穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−348711（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−173262（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−66265（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−298947（ＪＰ，Ａ) 米国特許5269589（ＵＳ，Ａ) 米国特許5464273（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A47C 7/40 B60N 2/20

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 上縁部（６）と下縁部（７）との間に延
    びる、乗物用シートの背もたれ構造（５）であって、 前記構造（５）の下縁部（７）の近傍に位置し、２つの
    端部（１１、１２）を有している剛性のある水平な下側
    横材（１０）と、 各々が上端部（２１）と、前記下側横材（１０）に固定
    されている下端部（２０）との間を延びる、少なくとも
    第１および第２の概ね垂直な剛性のある直立部材（１
    ８）と、 前記下縁部（７）に隣接し、その結果、前記構造（５）
    が前記下縁部（７）を中心として直立姿勢と折り畳み姿
    勢との間をピボット回転するピボット回転手段（２６）
    とを有する、乗物用シートの背もたれ構造において、 前記ピボット回転手段（２６）は、前記下側横材（１
    ０）の管状の端部（１１、１２）にはめ込むことによっ
    てそれぞれ付け加えられる２つのベース（３２、４２）
    によって支えられ、前記各直立部材（１８）は、前記ベ
    ース（３２，４２）と前記下側横材（１０）とに同時に
    はめ込むことによって固定されていることを特徴とす
    る、乗物用シートの背もたれ構造。
  2. 【請求項２】 前記下側横材（１０）の前記端部（１
    ０、１１）は、ハウジング（１３）を形成する管状の形
    を持ち、前記ベース（３２、４２）は、前記ベース（３
    ２、４２）がはめ込まれる前記ハウジング（１３）の形
    状と相補的な形状を持ち、かつくぼみ（３５、４５）が
    設けられている主部（３３、４３）を有しており、向か
    い合う２つの窓部（２３、２４）が前記下側横材（１
    ０）の前記端部（１１、１２）のそれぞれに作られてお
    り、前記くぼみ（３５、４５）と前記２つの窓部（２
    ３、２４）は、前記垂直な直立部材（１８）の前記下端
    部（２０）の形状と相補的な形状を有している、請求項
    １に記載の背もたれ構造。
  3. 【請求項３】 前記下側横材（１０）と前記直立部材
    （１８）はアルミニウムで作られ、前記ピボット回転手
    段（２６）はスチールで作られている、請求項２に記載
    の背もたれ構造。
  4. 【請求項４】 前記ピボット回転手段（２６）は、少な
    くとも部分的にねじ山が切られていて、前記下側横材
    （１０）の前記端部（１１、１２）を越えて前記ベース
    （３２、４２）から突出している２つの軸部（３０、４
    ０）を有している、請求項３に記載の背もたれ構造。
  5. 【請求項５】 ２つのナット（３１）の各々が、各ベー
    ス（３２）の前記端部（３４）に作られている保持部
    （３６）の中で動けないようになっており、前記ナット
    （３１）に前記軸部（３０）がねじ込まれる、請求項４
    に記載の背もたれ構造。
  6. 【請求項６】 各ベース（４２）の前記主部（４３）
    は、雌ねじが切られており、各直立部材（１８）の前記
    下端部（２０）に穴（４７）が作られており、前記軸部
    （４０）は、前記穴（４７）を貫通することによって前
    記ベース（４２）にねじ込まれる、請求項４に記載の背
    もたれ構造。
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