JP3411459B2 - 画像形成装置が備える制御電極及びその製造方法 - Google Patents

画像形成装置が備える制御電極及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリンタ
などの画像形成装置が備える制御電極の製造方法に関
し、更に詳しくは、帯電したトナーの飛翔方向を制御し
て画像を形成するための制御電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像信号に基づき紙などの記録媒
体上に画像(可視像)を形成する画像形成装置として、
例えば特開平5−124247号公報や特開平7−26
6607号公報、或いは特開平8−58139号公報な
どに開示されているように、帯電したトナーを電気力
(電界)によって飛翔させ、このトナーの飛翔軌道上に
配置した制御電極によりトナーの飛翔方向を制御するこ
とにより、画像を記録紙上に形成するものがある。
【0003】この画像形成装置が備える制御電極は、複
数の孔が形成された平板状の形態を有し、この孔のそれ
ぞれには環状電極が設けられて、トナー流の通過を制御
するゲートを形成している。各ゲートの環状電極に対し
ては、画像信号に基づいた電位が選択的に与えられ、電
界の分布が制御される。この結果、トナーの飛翔方向が
定められて、画像信号に応じた画像が記録紙上に形成さ
れる。
【0004】このトナーの飛翔方向を制御する制御電極
のゲートの加工精度は、画像の品位を直接的に左右する
ものとなることから、高品位な画像を得るための制御電
極の条件として、ゲートを高密度に有することに加え
て、各ゲートの孔が均一に形成されていることが要求さ
れる。
【0005】このような条件を満足する制御電極の製造
方法として、従来からエキシマレーザを利用した方法が
知られている。この方法によれば、先ずエッチングなど
によりポリイミドなどの絶縁性の基板に環状電極を形成
し、この電極をマスクとして利用してレーザ光を照射す
ることにより、環状電極の開口部に相当するポリイミド
の基板上に高密度且つ均一にゲート(孔)を形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の制御電極の製造方法によれば、以下に述べるよう
な問題があった。即ち、制御電極が基板の両面に電極を
有するものである場合、両面の電極が整合して精度よく
配置されていないと、環状電極をマスクとして孔を形成
する際、他面側の電極が孔の一部を覆う結果、トナーが
通過可能な領域が減少して、トナーの通過が阻害される
場合が起こり得る。また、電極が更に多層に及ぶ場合に
は更らなる精度で配置しなければ、最悪の場合、孔が形
成されない事態が起こり得る。このように所望の形状の
孔が形成されない場合、ゲートにおけるトナーの通過が
阻害され、ハーフトーンの再現性が低下すると共に、色
再現性の低下をも招き、画像品位が大幅に低下するなど
の種々の問題を発生する。
【0007】このような問題を回避するためには、ゲー
トの加工精度(電極の配置精度)を向上させる必要があ
り、このため、エッチング技術や電極の張り付け技術を
必要とするが、従来の製造方法によれば、制御電極の製
造に長時間を要する上に、歩留まりが悪く、コストダウ
ンが困難であった。
【0008】また、従来の製造方法によれば、環状電極
が露出して形成されるので、表面に導電性の異物が付着
すると電極間でリークや放電が発生する。このため、ゲ
ートの電位を制御する制御回路の出力がショートして、
この制御回路が破壊されたり、或いは、電極間でのリー
クや放電により発生するノイズによって装置が誤動作す
るなどの不具合を招来するという問題があった。
【0009】更にリークや放電の規模が大きいと、この
制御電極を備える画像形成装置に接続された他の機器な
どへの影響が生じ得ることから、制御電極の表面に電極
間リークや放電を阻止するための絶縁材料を塗布する必
要が生じる。この絶縁材料の塗布の作業は、極めて高精
度に行わなければならず、更なるコストの上昇を招いて
いた。
【0010】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、制御電極のゲート(孔)を高精度且つ安
価に形成することができる画像形成装置が備える制御電
極の製造方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決達成するため、以下の構成を有する。即ち、請求項1
に記載の発明に係る画像形成装置が備える制御電極の製
造方法は、電気力により飛翔する顕像剤の飛翔方向を制
御して画像を形成する画像形成装置が備える制御電極の
製造方法であって、(a)前記制御電極の基板の一面側
に第1形状の開口部を有する第1の電極を形成する工程
と、(b)前記基板の他面側に前記第1形状の開口部よ
りも大きな第2形状の開口部を有する第2の電極を前記
第1形状の開口部に位置を合わせて形成する工程と、
(c)前記第1形状の開口部よりも小さなビーム径のレ
ーザを該第1形状の開口部に合わせて前記一面側または
前記他面側から前記基板に照射して、前記ビーム径に応
じた大きさの貫通孔を形成する工程と、を有することを
特徴とする画像形成装置が備える制御電極の製造方法の
構成を有する。
【0012】また、請求項2に記載の発明に係る画像形
成装置が備える制御電極の製造方法は、電気力により飛
翔する顕像剤の飛翔方向を制御して画像を形成する画像
形成装置が備える制御電極の製造方法であって、(a)
前記制御電極の基板の一面側に第1の電極を形成する工
程と、(b)前記基板の他面側に前記第1の電極に位置
を合わせて開口する開口部を有する第2の電極を形成す
る工程と、(c)前記開口部よりも小さなビーム径のレ
ーザを該開口部に位置を合わせて前記他面側から前記基
板に照射して、前記基板及び前記第1の電極に前記ビー
ム径に応じた大きさの貫通孔を形成する工程と、を有す
ることを特徴とする画像形成装置が備える制御電極の製
造方法の構成を有する。
【0013】また、請求項3に記載の発明に係る画像形
成装置が備える制御電極の製造方法は、電気力により飛
翔する顕像剤の飛翔方向を制御して画像を形成する画像
形成装置が備える制御電極の製造方法であって、(a)
前記制御電極の基板の一面側に開口部を有する第1の電
極を形成する工程と、(b)前記基板の他面側に第2の
電極を形成する工程と、(c)前記開口部よりも大きな
ビーム径のレーザを該開口部に位置を合わせて前記他面
側から前記基板に照射して、前記第2の電極及び前記基
を除去して貫通孔を形成する工程と、を有することを
特徴とする画像形成装置が備える制御電極の製造方法の
構成を有する。
【0014】また、請求項4に記載の発明に係る画像形
成装置が備える制御電極の製造方法は、第1の電極を蒸
着またはメッキにより形成し、第2の電極をレーザの照
射により貫通孔が形成されるほどまでに溶発しない基材
を用いて形成することを特徴とする請求項2に記載の画
像形成装置が備える制御電極の製造方法の構成を有す
る。
【0015】また、請求項5に記載の発明に係る画像形
成装置が備える制御電極の製造方法は、第1の電極をレ
ーザの照射により貫通孔が形成されるほどまでに溶発し
ない基材を用いて形成し、第2の電極を蒸着またはメッ
キにより形成することを特徴とする請求項3に記載の画
像形成装置が備える制御電極の製造方法の構成を有す
る。
【0016】また、請求項6に記載の発明に係る画像形
成装置が備える制御電極は、電気力により飛翔する顕像
剤の飛翔方向を制御して画像を形成する画像形成装置が
備える制御電極であって、所定の配列で貫通孔が形成さ
れた絶縁性基板と、前記基板の一面側に前記貫通孔を囲
むように形成された環状電極と、前記基板の他面側に前
記貫通孔の領域を開口して形成されたシールド電極と、
を有し、前記顕像剤が通過するゲート孔は、前記貫通
孔、前記環状電極、及び前記シールド電極を用いて形成
され、前記環状電極及び/又は前記シールド電極の前記
ゲート孔側の面には、絶縁膜が被覆されていることを特
徴とする画像形成装置が備える制御電極を有する。
【0017】上記構成された本発明は、以下のように作
用する。即ち、請求項1に記載の発明に係る画像形成装
置が備える制御電極の製造方法によれば、第1形状の開
口部は、第2形状の開口部よりも小さいので、この第1
形状の開口部よりもさらに小さいビーム径のレーザを第
1形状の開口部に照射すれば、第1及び第2の電極の干
渉を受けることなく、レーザのビーム径に応じた大きさ
の貫通孔が基板に形成される。また、レーザの照射位置
を第1形状の開口部に合わせるので、より大きな第2形
状の開口部を有する第2の電極が第1の電極に対して多
少ずれていても、貫通孔の形成に影響がおよぶことがな
く、良好な貫通孔を形成できる。
【0018】また、請求項2及び請求項4に記載の発明
に係る画像形成装置が備える制御電極の製造方法によれ
ば、第1の電極の開口部よりもさらに小さいビーム径の
レーザをこの開口部に照射すると、第2の電極の干渉を
受けることなく、レーザのビーム径に応じた大きさの貫
通孔が基板に形成される。また、第1の電極の一部が基
板の一部と共にレーザにより溶発されて開口され、前記
貫通孔の内部に位置するように、貫通孔が形成される。
【0019】また、請求項3及び請求項5に記載の発明
に係る画像形成装置が備える制御電極の製造方法によれ
ば、第1の電極の開口部よりも大きなビーム径のレーザ
をこの開口部に位置を合わせて他面側(第2の電極側)
から照射すると、第2の電極の一部が基板の一部と共に
溶発されて開口され、第2の電極及び基板に貫通孔が形
成される。このとき、第1の電極はレーザにより除去さ
れずに残る。この結果、基板の一面側では第1の電極の
開口部で開口し、面側ではレーザのビーム径に応じて
開口する貫通孔が形成される。
【0020】また、請求項6に記載の発明に係る画像形
成装置が備える制御電極の製造方法によれば、帯電した
トナーなどの顕像剤は、基板に形成された貫通孔を通過
するに際して、この貫通孔を囲むように形成された環状
電極の電位状態に応じた電界の影響を受けて通過が制御
され、飛翔方向が制御される。このとき、シールド電極
の電位を選ぶことにより、顕像剤は基板表面から反発力
を受け、基板に付着しない。また、環状電極間の電界の
干渉を緩和する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図25を参照して、
本発明の実施の形態について説明する。 〔第1の実施の形態について〕先ず、本発明の第1の実
施の形態に係る制御電極の製造方法の説明にあたって、
本実施形態の製造方法により得られる制御電極を備えた
画像形成装置について説明を行い、その後、制御電極の
製造方法について順に説明する。なお、説明で参照する
各図において、同一要素または相当する要素には同一符
号を付して、重複する説明を省略する。
【0022】本発明の製造方法により製造された制御電
極を備える画像形成装置としての複写機は、図1に概略
的に断面構造を示すように、その略中央部に顕像剤とし
てのトナーを記録紙に付着させて画像を形成する画像形
成部1を備え、該画像形成部1の入紙側及び出紙側には
それぞれ、画像形成部1に記録紙を供給する給紙装置1
0と、画像形成部1により記録紙に形成されたトナー画
像を加熱および加圧して定着処理する定着部11とを備
える。
【0023】上述の画像形成部1は、図2にその詳細を
示すように、トナー供給部2と、印刷部3とを備えて構
成される。ここで、トナー供給部2は、顕像剤としての
トナー21を収容するトナー収容槽20と、ドラム状の
トナー担持体22と、該トナー担持体22の外周面に所
定の厚さでトナーを担持させると共に負に帯電させるド
クターブレード23とからなる。なお、トナー21は、
例えば平均粒径が6ミクロン程度の磁性トナーであり、
ドクターブレード23により、例えば1グラムあたり−
4μ〜−5μクーロン程度の電荷が付与される。なお、
本実施形態の説明にあたっては、トナーを負に帯電させ
るものとするが、正に帯電させるように構成するものと
してもよい。
【0024】ここで、トナー担持体22は、図示しない
駆動装置によって駆動され、図中矢印A方向に例えばそ
の表面での速度が80mm/secで回転する。また、このト
ナー担持体22は接地されると共に、その内部には、ド
クターブレード23と対向する位置及び後述する制御電
極26と対向する位置に図示しない磁石が配置されてお
り、この磁石の磁気力により、その外周面の上記位置に
トナー21を穂立ちさせて担持するものとなっている。
なお、磁気力に代えて電気力、または磁気力及び電気力
により担持するように構成してもよい。
【0025】一方、印刷部3は、トナー担持体22の外
周面と対向するように配設された対向電極25と、該対
向電極に高電圧を供給する高圧電源30と、上記トナー
担持体22と対向電極25との間に設けられた本発明に
係る制御電極26と、対向電極25の上方に記録紙5を
搬送するための誘電体ベルト24と、該誘電体ベルト2
4を駆動するためのローラー16a,16bと、記録紙
5を帯電させる帯電ブラシ8と、該帯電ブラシ8に帯電
電位を与える帯電電源18と、記録紙5を除電する除電
ブラシ28と、該除電ブラシ28に除電電位を与える除
電電源17と、誘電体ベルト24の表面をクリーニング
するクリーナーブレード19とを備えて構成される。
【0026】また、制御電極26は、後述する図3(上
面図)に示すように、孔Hを囲む環状電極27及びこの
孔Hの領域を開口して形成されたシールド電極39を備
え、孔H及び環状電極27はトナー流の通路となるゲー
ト29を構成する。これら電極27及び39のそれぞれ
には、制御電源39及びシールド電源40により所定の
電位(信号)が与えられ、後述するように、トナー流の
飛翔方向を制御する。なお、図2では1つのゲート29
のみを代表的に記載したが、後述する図3に示すよう
に、実際には複数が配列されている。
【0027】ここで、トナー担持体22は、アルミニウ
ムなどの非磁性材料を基材として構成され、誘電体ベル
ト24は、例えば体積抵抗率1010Ω・cmで厚さが7
5ミクロン程度のPVDFを基材として構成される。ま
た、対向電極25は、トナー担持体22の外周面からの
距離が例えば 1.1mm程度に配設されており、さらに、
ローラー16a,16bは図示しない駆動装置に回転駆
動されて、誘電体ベルト24を図中矢印方向に例えば3
0mm/sec程度の速度で移動させる。さらにまた、対向電
極25には、高圧電源30により、例えば2.3kV程度の
高電圧が印加され、トナー担持体22との間に電界を形
成する。
【0028】また、図示しないが、図1に示すこの画像
形成装置は、装置全体の動作を制御する主制御部と、画
像データを画像処理する画像処理部と、画像処理された
画像データを記憶する画像メモリと、画像処理して得ら
れた画像データを上述の制御電極26に与えるべき画像
信号に変換する画像形成制御ユニットとを備えて構成さ
れる。
【0029】このように構成された画像形成装置によれ
ば、図2において、誘電体ベルト24により対向電極2
5の上を一定速度で搬送される記録紙5の上面に、トナ
ー担持体22と対向電極25との間に形成された電界の
作用を受けて、トナー担持体22の外周面に磁気的に担
持されたトナー(負に帯電)が飛翔して静電的に付着す
る。
【0030】このトナーの飛翔方向は制御電極26の環
状電極27の電位で定まる。即ち、環状電極27の電位
は、図示しない上述の画像形成制御ユニットにより変換
して得られる画像信号に基づいて制御電源部31が制御
され、この制御電源部31から与えられる電位に応じ
て、制御電極26の近傍の電界分布が制御されて、トナ
ーの飛翔の方向が制御される。
【0031】ここで、制御電極26について、さらに詳
細に説明を加える。この制御電極26は、トナー担持体
22の外周面からの距離が例えば100ミクロン程度と
なるように配設され、図3(上面図)及び図4(図3の
A−A断面図)に示すように、複数の孔Hが形成された
絶縁性の基板26aと、孔Hを囲むように設けられた環
状電極27と、この環状電極27を外部に引き出すため
の給電線41と、シールド電極39と、画像信号を電圧
変換する高圧ドライバ(図示せず)から構成されてい
る。なお、図4は、各電極を形成した後に絶縁膜26b
を形成した状態を示す。
【0032】基板26aは、例えば、厚さが25ミクロ
ン程度に成形されたポリイミド樹脂などを基材として、
直径が160ミクロン程度の複数の孔Hが所定の配列に
従って形成されている。また、対抗電極25に対抗する
面側の孔Hの周りには、例えば厚さが18ミクロン程度
の銅箔などを用いて内周直径が例えば200ミクロン程
度の環状の電極27が形成され、これら環状電極27及
び孔Hにより、トナー担持体22から対向電極25に向
けて飛翔するトナー流の通過(飛翔方向)を制御するた
めのゲート29を構成する。
【0033】さらに、基板26aのトナー担持体22に
対向する面側には、例えば厚さが3ミクロン程度の銅の
薄膜からなるシールド電極39が形成され、このシール
ド電極39には、ゲート29の領域を開口するようにし
て、例えば直径が240ミクロン程度の開口部が形成さ
れている。さらにまた、環状電極27、給電線41及び
シールド電極39が形成された基板26aの両面は、例
えば厚さが30ミクロン程度の絶縁体層26bで覆わ
れ、これにより、環状電極27の間の絶縁、または給電
線41の間の絶縁、或いは環状電極27と給電線41と
の間の絶縁を図ると共に、これら各電極とトナー担持体
22或いは対向電極25との絶縁を確保する。
【0034】なお、制御電極26には上述のゲート29
が例えば2560個程形成され、各環状電極27は、給
電線41及び図示しない高圧ドライバを介して、図2に
示す制御電源部31に接続されている。なお、ゲート2
9の個数やその形状は、本実施形態で例示するものに限
られるものではない。
【0035】このような構成を有する制御電極26のゲ
ート29(環状電極27)に対して、例えば例えば15
0Vの電圧を印加すると、トナー(負に帯電)が通過
し、−200Vの電圧を印加すると通過が阻止される。
各ゲートには画像信号に応じたパルスが選択的に供給さ
れて、画像に応じたトナー流の通過(飛翔方向)が制御
される。
【0036】また、シールド電極39には、図2に示す
シールド電源40から−200Vが定常的に印加され、
これにより制御電極26に対するトナー(負に帯電)の
付着を電気的な反発力により防止する。また、このシー
ルド電極39に正の高電圧を印加して意図的にトナー2
1を付着させることにより、トナー担持体22からトナ
ーを除去して、これをクリーニングすることもできる。
【0037】上述したような制御電極26を備えた画像
形成装置として、ディジタル複写装置を例とし、以下に
画像形成の動作について、図5に示すフローチャートに
沿って更に説明する。なお、必要に応じて図1〜図4を
参照する。
【0038】先ず、画像を読み取る画像読取部(図示な
し)に複写すべき原稿を載置してコピースタートボタン
(図示なし)を操作すると、この画像読取部は画像読み
取り動作を開始する(ステップS01)。画像読取部に
読み取られた画像データは画像処理部(図示なし)で画
像処理され(ステップS02)、画像メモリ(図示な
し)に記憶される(ステップS03)。この画像データ
はさらに画像形成制御ユニットに転送され(ステップS
04)、制御電極26に与えられる制御電極信号に変換
される(ステップS05)。
【0039】また、画像形成制御ユニットは、所定量の
制御電極信号を得ると(ステップS06;YES)、図
示しない駆動装置を制御して、図1に示すトナー供給部
2のトナー担持体22(スリーブ)を作動させ(ステッ
プS08)、図3に示す制御電極のシールド電極39に
−200Vを設定した後(ステップS09)、図2に示
す対向電極25と帯電ブラシ8と除電ブラシ28とに所
定の電圧を設定する(ステップS10)。
【0040】次に、図1に示す給紙装置10のピックア
ップローラを作動させ(ステップS11)、図2に示す
画像形成部1に記録紙5を供給する。この記録紙5は画
像形成部1の帯電ブラシ8とローラー16aとの電位差
に応じた電位に帯電されて、誘電体ベルト24により対
向電極25の上方に一定速度で搬送される。次に、給紙
が正常に行われている判断すると(ステップS12;Y
ES)、図2及び図3に示す制御電極26に画像制御信
号を印加して(ステップS14)、トナー流を制御し、
記録紙5に印字(画像形成)する。
【0041】即ち、画像形成制御ユニットが記録紙5の
搬送に同期したタイミングで制御電極信号を図2に示す
制御電源部31に与えると、制御電源部31は、制御電
極信号に従って制御電極26のゲートに対して印加する
電圧を制御する。この結果、制御電極26の近傍の電界
が制御電源部31から与えられる制御電極信号に基づい
て制御され、画像データに応じてトナーの飛翔方向が制
御されて、誘電体ベルト24により搬送されて移動する
記録紙5にトナー像(文字)が順次形成される。このト
ナー像は、図1に示す定着部11により加熱しながら加
圧されて、記録紙5に定着される。このようにして印字
(画像形成の動作)が終了すると(ステップS15;Y
ES)、上述のステップS01に戻って、次の原稿の読
み取り動作に備える。
【0042】以上説明したように、電気力(電界)によ
りトナーを飛翔させてトナー像を形成する画像形成装置
によれば、感光体ドラムや誘電体ドラムなどの顕像体を
備えて画像を形成する装置に比較して、顕像体から記録
紙にトナー像を転写するプロセスが省略されるので、転
写の過程で生じる画像の劣化が生じることがなく、ま
た、顕像体を必要としないので、構成部品点数が削減さ
れ、装置の小型化およびコストダウンが可能となる。
【0043】次に、上述の図3及び図4に示す制御電極
26の製造方法について、図6を参照しながら説明す
る。先ず、図6(a)に示すように、基板26aの両面
に例えば厚さが18ミクロン程度の銅箔からなる導電層
を形成した後、エッチング技術を用いて、例えば内周直
径(開口部)が200ミクロン程度の環状電極27(第
1の電極)を一面側に形成し、240ミクロン程度の開
口部を有するシールド電極39(第2の電極)を他面側
に形成する。なお、必要に応じて、環状電極27または
シールド電極39の表面にオーバーコート層として絶縁
層26bを形成する。
【0044】次に、図6(b)に示すように、シールド
電極39側からビーム径が160ミクロン程度のエキシ
マレーザLを照射して、図6(c)に示すように、基板
26a及び絶縁層26bに貫通孔Hを形成して、ゲート
29を形成する。この場合、開口部がより小さな環状電
極27に位置を合わせてレーザを照射する。従って、環
状電極27とシールド電極39との位置がずれていて
も、これらの電極の開口部の差分以内であれば、レーザ
の照射位置が環状電極27の開口部に対して合っている
限り、所望する直径(160ミクロン)の貫通孔Hを得
ることができる。
【0045】なお、レーザを照射してゲート29を形成
する場合、ひとつづつ形成してもよいが、平行な複数の
レーザビームを使用して同時に複数の貫通孔Hを形成し
てもよい。この場合、レーザーのパワーは、基板26a
および絶縁層26bを除去し、且つ制御電極26を必要
以上に破壊しないように設定する。
【0046】ここで、上述の本実施形態の方法と従来の
方法の相異点を明確にするために、図7を参照して、従
来の方法を用いて、シールド電極39を有する制御電極
を製造する場合について参考的に説明する。先ず、図7
(a)に示すように、前述の図6(a)に示すものと同
様に、基板26aに環状電極27及びシールド電極39
を形成する。次に、環状電極27をマスクとして、この
環状電極27が形成された面側からレーザLを照射す
る。ただし、この場合のレーザLのビーム径は、環状電
極27をマスクとすることから、環状電極27の開口部
の直径d0より大きく設定される。この場合、環状電極
27の開口部に対して、シールド電極39の開口部の位
置がずれていると、同図(b)に示すように、孔Hの一
部がシールド電極39に覆われ、実効的な孔の大きさが
減少する結果となる。
【0047】これに対して、前述の図6に示す本実施形
態の方法によれば、貫通孔Hの直径がレーザLのビーム
径で定まるように、環状電極27の開口部に対して小さ
なビーム径のレーザLを照射し、且つシールド電極39
の開口部を環状電極27の開口部よりも大きく形成する
ので、環状電極27に対してシールド電極39の開口部
がずれても、所望の大きさの貫通孔Hを形成することが
できる。
【0048】〔第2の実施の形態について〕次に、前述
の制御電極26の第2の実施形態に係る製造方法につい
て、図8を参照しながら説明する。先ず、図8(a)に
示すように、基板26aの片面に例えば240ミクロン
の開口部を有し、厚さが18ミクロンの銅箔からなるシ
ールド電極39を、“エッチング技術”を用いて形成す
る。次に、同図(b)に示すように、環状電極の母体と
なる厚さが3ミクロン程度の円板状電極27aを、シー
ルド電極39の開口部にその位置を合わせて“蒸着技
術”を用いて基板26aの他面側に形成する。また、必
要に応じて、円板状電極27aまたはシールド電極39
を覆うようにオーバーコート層として絶縁層26bを基
板26aの両面側に形成する。
【0049】次に、円板状電極27aの位置に合わせ
て、シールド電極39側から、ビーム径が例えば160
ミクロンのレーザを照射して、同図(c)に示すよう
に、絶縁膜26b及び基板26aの一部を除去する。さ
らにレーザの照射を続けると、厚さが3ミクロンの薄膜
からなる円板状電極27aが溶発し、これにより環状電
極27が開口されてゲート29が形成される。
【0050】この場合、レーザLのパワーは、基板26
a及び環状電極27の加工(溶発)に足りるものである
と共に、シールド電極39に対しては影響を及ぼさない
ものに選択される。このようにパワーが選択されたレー
ザビームを用いる限り、レーザ照射位置に多少のずれが
生じたとしても、シールド電極39を破壊することな
く、概ね所望する大きさの貫通孔Hを備えたゲート29
を形成することができる。
【0051】なお、環状電極27とシールド電極39の
厚さは、本実施形態の趣旨を逸脱しない限り、特に限定
されるものではなく、上述のように、照射するレーザの
パワーに対して選択的に加工除去(溶発)が可能な厚さ
であれば、どのようであってもよい。また、貫通孔Hを
形成する場合、ひとつづつ形成してもよいが、平行な複
数のレーザビームを使用して同時に複数の孔Hを形成し
てもよい。
【0052】また、本実施形態において、膜厚3ミクロ
ンの環状電極27を“蒸着技術”によって形成するもの
としたが、これは銅箔を18ミクロン以下に薄膜化する
ことが一般には困難であるためであり、薄膜を形成する
ものであれば、蒸着技術に限らず、メッキなど、どのよ
うな方法によってもよい。
【0053】また、レーザの照射はシールド電極39側
から行うものとしているが、これは以下の理由に基づ
く。即ち、レーザの照射位置が、レーザLのパワーによ
っては加工がなされないシールド電極39の開口部をは
ずれると、所望の形状の孔が形成されない事から、レー
ザの照射位置は、シールド電極39の開口部に合わせる
必要がある。このため、仮に環状電極27が形成された
面からレーザを照射するものとすると、照射面に対して
裏面に形成されたシールド電極の開口部の位置を正確に
把握する必要が生じ、開口部のパターンの微妙なずれに
対して対応することができなくなるためである。
【0054】なお、本実施形態において、環状電極27
の基材は金属に限らず、導電性の高分子材料であっても
よく、レーザによる加工が可能であって、導電性を有す
るものであればよい。また、エキシマレーザに限らず、
例えばCO2レーザやYAGレーザなどを用いることも
可能ではあるが、発熱が少なく、しかも短時間のパルス
光として出力可能であって、開口部の形状の仕上がりに
優れるエキシマレーザが好適である。
【0055】上述した本実施形態の製造方法によれば、
環状電極27の開口部の形成工程が簡略化されると共
に、その開口部の位置精度のマージンを大きくすること
ができる。また、シールド電極39が絶縁層26bに覆
われるので、環状電極27との間でリークが生じること
がない。
【0056】〔第3の実施の形態について〕次に、前述
の制御電極26の第3の実施形態に係る製造方法につい
て、図9を参照しながら説明する。先ず、図9(a)に
示すように、基板26aの片面に、例えば厚さが18ミ
クロンの銅箔からなる環状電極27を“エッチング技
術”を用いて形成する。次に、基板26aの他面側の全
面に厚さが3ミクロン程度の銅の薄膜39aを“蒸着技
術”を用いて形成する。また、必要に応じて、環状電極
27または薄膜39aの表面にオーバーコート層として
絶縁層26bを形成する。
【0057】次に、レーザLのパワーを、基板26aと
薄膜39aと絶縁膜26bとの加工に足り、且つ厚さが
18ミクロンの銅箔からなる環状電極27に対しては加
工できないものに選択して、環状電極27の開口位置に
合わせて、薄膜39a側から照射する。この場合、その
ビーム径を環状電極27の開口部よりも大きく、且つそ
の外周直径よりも小さなものに選択する。この結果、同
図(b)に示すように、絶縁膜26bと基板26aと薄
膜39aの一部を除去して孔Hを形成してゲート29を
形成する。
【0058】このようにして得られるゲート29の実効
的な孔の直径は、環状電極27の開口部の直径に等しく
なり、また、シールド電極39側の開口部は環状電極2
7の開口部より大きくなる。このように、シールド電極
39側の開口部が大きく形成された場合、図2に示すト
ナー担持体22から飛翔してゲート29(環状電極27
の開口部)を通過するトナー流がシールド電極39に阻
害されることなくなり、良好なトナーの飛翔軌道を形成
することができる。
【0059】上述の第1から第3の実施形態では、制御
電極26が1つのゲートに対して1つの環状電極27を
割り当てて構成されたものとしたが、図10に示すよう
に、前述の環状電極27に相当する電極として行及び列
の2層の電極27a,27bを備え、これらの交点に位
置する各ゲート29の電位状態を電極27aと27bと
の関係で定めるタイプの制御電極(以下、「マトリック
ス型制御電極」と記す)にも適用できる。
【0060】このようなマトリックス型制御電極を製造
する場合、図11に図10のB−B断面の一部を示すよ
うに、先ず、基板26aの片面に、例えば厚さが18ミ
クロンの銅箔をエッチングして開口部を有する帯状電極
27bを形成する。次に、基板26aの他面側に膜厚が
例えば3ミクロンの銅の薄膜からなる開口されていない
帯状電極27aを蒸着して形成する。また、必要に応じ
て、前述の絶縁層26bを形成すればよいが、以後、こ
れを省略して説明する。次に、帯状電極27b側から、
この帯状電極27bの開口部よりも小さなビーム径のレ
ーザを照射して、基板26aと帯状電極27aと絶縁膜
26bとの一部を除去して孔Hを形成する。
【0061】この製造方法によれば、レーザの照射位置
を帯状電極27bの開口部に合わせさえすれば、この照
射位置に応じて帯状電極27aの開口部が形成されるの
で、帯状電極27aと27bとの開口部の位置合わせが
不要となる。また、このようにして得られる帯状電極2
7bは絶縁膜で覆われるので、リークなどの発生を防止
することができる。
【0062】ここで、仮に図12に示すように、帯状電
極27aと27bとがずれた場合であっても、図13に
示すように、本実施形態によれば、帯状電極27bの開
口部に合わせてレーザLを照射すれば(同図(a))、
孔HがレーザLのビーム径で形成され(同図(b))、
所望の大きさのゲート(孔H)を得ることができる。
【0063】また、シールド電極を有するマトリックス
型制御電極は、図14に示すように、次のようにして製
造することができる。先ず、前述の図11と同様にして
基板26aに帯状電極27a,27bを形成した後、さ
らにエッチング技術を用いてシールド電極39を形成す
る(図14(a))。ここで、シールド電極39の開口
部は帯状電極27bの開口部よりも大きく形成する。
【0064】次に、レーザLのパワーを、基板26aと
帯状電極27aと絶縁膜26bとの加工(溶発)に足
り、且つ帯状電極27bに対しては加工しないものに選
択し、そのビーム径を帯状電極27bの開口部よりも大
きく選択する。そして、このようなパワーとビーム径を
有するレーザLを帯状電極27bの開口部に合わせて薄
膜39a側から照射し、基板26aと帯状電極27aと
絶縁膜26bの一部を除去して孔Hを形成する。
【0065】このようにして得られるゲートの実効的な
孔の直径は、前述の第3の実施形態と同様に、帯状電極
27bの開口部の直径に等しくなり、また、シールド電
極39側の孔の開口部は環状電極27bの開口部より大
きくなる。従って、図2に示すトナー担持体22から飛
翔して帯状電極27bの開口部を通過するトナー流がシ
ールド電極39に阻害されることなくなり、良好なトナ
ーの飛翔軌道を形成することができる。
【0066】ところで、上述のシールド電極を有する制
御電極の製造方法によれば、図14(b)に示すよう
に、帯状電極27a及ぶ27bの一部は孔の内部に露出
する。このため、孔の内部の状態によっては、これらの
電極間でリークが発生する場合がある。
【0067】そこで、この場合、次のような製造方法を
用いればよい。即ち、図15に示すように、エッチング
技術により、開口部の直径が異なる帯状電極27a,2
7b,及びシールド電極39を形成する。この場合、帯
状電極27bの開口部を最も小さいものとし、順に帯状
電極27a、シールド電極39の開口部を大きなものに
形成する。次に、シールド電極39側から、帯状電極2
7bの開口部よりも小さなビーム径のレーザLを照射し
て孔を形成する。この方法によれば、帯状電極27a,
27b及びシールド電極39は基板や絶縁膜に被覆され
て露出しないので、これらの間のリークを有効に防止す
ることができる。
【0068】しかしながら、この方法によれば、各電極
間のリークを防止できるものの、各電極の開口部の位置
を合わせて形成する必要がある。そこで、次のような方
法を用いることにより位置合わせを簡略化できる。即
ち、図16に示すように、先ず、エッチング技術によ
り、開口部の直径が異なる帯状電極27a及びシールド
電極39を形成し、帯状電極27bを薄膜として蒸着に
より形成する。この場合、帯状電極27aの開口部に対
してシールド電極39の開口部を大きく形成する。次
に、シールド電極39側から、帯状電極27aの開口部
よりも小さなビーム径のレーザを照射して、基板26a
及び帯状電極27bの一部を除去して孔を形成する。こ
のレーザのビーム径がゲート孔の直径となる。
【0069】この方法によれば、帯状電極27bの一部
は露出するものの、帯状電極27a及びシールド電極3
9は被覆されて露出しないので、これらの間のリークを
有効に防止することができる。また、帯状電極27bの
開口部は孔の形成過程で形成されるので、この開口部の
位置合わせを行う必要がなくなる。
【0070】以上、図14〜図16に示す製造方法にお
いて、シールド電極39をトナー担持体22(図2)に
対向する基板面側に形成するものとたが、制御電極2
6から記録紙5に至るトナーの飛翔軌道が制御電極26
を構成するゲート間の電位(電界)に影響される場合に
は、シールド電極を対向電極25に対向する面側にも形
成すればよく、図14〜図16に対応づけて図17〜図
19に示すように、シールド電極39bを形成すればよ
い。
【0071】即ち、図17〜図19に示すように、その
開口部を帯状電極27bの開口部よりも大きく形成し
て、シールド電極39bをエッチングにより形成する
(図17(a)、図18(a)、図19(a))。この
開口部が大きい程、合わせ精度を要求されず、製造管理
が容易になる。次に、シールド電極39側からレーザL
を照射して孔を形成する(図17(b)、図18
(b)、図19(b))。以上により、両面にシールド
電極を有するマトリックス型制御電極を製造することが
できる。
【0072】また、上述の各実施形態では、ゲートの孔
の形状に合わせて環状電極27や帯状電極27a,27
bの開口形状を円形としたが、所望のトナーの飛翔制御
を行うことができるものであれば、どのようであっても
よく、図20に例示するように、電極を半月状に形成し
てもよい。
【0073】この半月状電極を有する場合の製造方法に
ついて、図21から図24を参照して簡単に説明する。
先ず、図21(a)に示すように、基板26aの片面に
半月状電極27cをエッチングにより形成し、他面に薄
膜39aを蒸着する。次に、薄膜39a側からレーザを
照射する。この場合、レーザビームの一部が半月状電極
27cの一部に位置するように位置合わせを行う。この
結果、同図(b)に示すように、シールド電極39側が
広く、半月状電極27c側が狭く開口した孔が形成され
る。
【0074】この場合、シールド電極39及び半月状電
極27cの一部が露出するので、孔の内部の状態によっ
てはリークが発生する可能性が残る。そこで、図22
(a)に示すように、半月状電極27cをエッチングに
より形成した後、開口部の一部が半月状電極27cの一
部と重なるようにシールド電極39を形成する。次に、
半月状電極27cを避けてシールド電極39の開口部に
レーザを照射する。この結果、同図(b)に示すよう
に、シールド電極39及び半月状電極27cが共に被覆
されて形成され、これらの間のリークを防止できる。
【0075】半月型電極を有するマトリックス型制御電
極についても同様に形成できる。即ち、図23に示すよ
うに、帯状電極27d,27e及びシールド電極39を
形成した後、最も開口部が小さな帯状電極27dよりも
さらに小さいビーム径のレーザを照射して孔を形成す
る。この結果、各電極が被覆された半月状電極を有する
マトリックス型制御電極を得ることできる。
【0076】図23に示す製造方法の場合、各電極の位
置を合わせる必要があるが、図24に示すように、帯状
電極27dを蒸着により薄膜として形成すれば、レーザ
で開口することができるので、この帯状電極27dの位
置合わせを省くことができ、一層工程を簡略化できる。
【0077】なお、上述の各実施形態の説明にあたって
は、顕像剤としてトナーを使用する制御電極を例とした
が、インクを使用するものであっても同様に適用するこ
とができる。また、トナー供給部2の構成を、コロナ帯
電器などのイオン源を備えてイオンフロー法により顕像
するものとして構成してもよい。さらに、上述の各実施
形態の製造方法により得られる制御電極は、ディジタル
複写機の他、ファクシミリやディジタルプリンタ、或い
はプロッタなどに広く活用することができる。
【0078】さらにまた、前述の図1に例示した画像形
成装置はモノクロの画像を形成するものであるが、図2
5に簡略的に示すように、例えばイエロー、マゼンタ、
シアン、ブラックなどの各色に対応づけて、図2に示す
画像形成部1に対応する複数の画像形成部1a〜1dを
備えて構成することにより、カラー画像を形成するカラ
ー画像形成装置を実現することができる。
【0079】このカラー画像を形成する場合、画像のド
ット径や濃度の制御を高精度に行う必要があることか
ら、トナーの飛翔制御を極めて高い精度で行う必要があ
る。このような場合、上述の本実施形態の製造方法によ
り得られる制御電極を用いれば、トナーの飛翔制御の精
度を向上させることができ、極めて高品位なカラー画像
の形成が可能となる。
【0080】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、以下のような効果を得ることができる。即
ち、請求項1に記載の発明によれば、第2の電極(シー
ルド電極)の開口部を第1の電極(環状電極)の開口部
よりも大きく形成し、且つ第1の電極の開口部よりも小
さなビーム径のレーザを照射して貫通孔を形成するの
で、この貫通孔を、第1の電極と第2の電極とのずれに
影響されることなく、ビーム径に応じた所定の大きさで
均一且つ構成度に形成することができ、しかも歩留まり
の向上(コストダウン)を図ることができる。
【0081】また、請求項2及び請求項4に記載の発明
によれば、レーザの照射により基板に貫通孔を形成する
と共に第1の電極を開口するので、第1の電極と最2の
電極の開口部との位置合わせが必要なく、貫通孔をビー
ム径に応じた所定の大きさで均一且つ構成度に形成する
ことができ、歩留まりの向上を図ることができる。
【0082】また、請求項3及び請求項5に記載の発明
によれば、第1の電極の開口部よりも大きなビーム径の
レーザを照射して基板に貫通孔を形成すると共に第2の
電極を開口するので、第1の電極の開口部と最2の電極
との位置合わせが必要なく、貫通孔をビーム径に応じた
所定の大きさで均一且つ構成度に形成することができ、
歩留まりの向上を図ることができる。
【0083】また、請求項6に記載の発明によれば、シ
ールド電極を設けたので、基板への顕像剤の付着を防止
することができ、ゲートの目詰まりを防止することがで
きる。しかも、環状電極の間の電界の干渉を緩和するこ
とができるので、顕像剤の飛翔方向を正確の制御するこ
とができ、高品位な画像の形成を可能とする。
【0084】以上、請求項1から6に記載の発明におい
て、基板に形成された各電極を絶縁層で覆うように構成
すれば、電極間のリークや放電を有効に防止することが
できる。これにより、制御電極を駆動する制御回路の保
護対策を省略することができ、装置の小型化とコストダ
ウンを図ることができると共に、一層高品位な画像の形
成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置としての複写機の概略断面図であ
る。
【図2】画像形成装置が備える画像形成部の構成図であ
る。
【図3】画像形成装置が備える制御電極の外観図であ
る。
【図4】画像形成装置が備える制御電極の断面図(図3
のA−A断面図の一部)である。
【図5】画像形成装置の動作を説明するためのフローチ
ャートである。
【図6】(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態の
制御電極の製造方法を説明するための制御電極の断面図
である。
【図7】(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態
の制御電極の製造方法を対比説明するための従来方法に
よる制御電極の断面図である。
【図8】(a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態の
制御電極の製造方法を説明するための制御電極の断面図
である。
【図9】(a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態
の制御電極の製造方法を説明するための制御電極の断面
図である。
【図10】マトリックス型制御電極の外観図である。
【図11】(a)及び(b)は、マトリックス型制御電
極の製造方法を説明するための断面図である。
【図12】電極にずれを生じたマトリックス型制御電極
の外観図である。
【図13】(a)及び(b)は、マトリックス型制御電
極の製造方法を説明するための断面図である。
【図14】(a)及び(b)は、シールド電極を有する
マトリックス型制御電極の製造方法を説明するための断
面図である。
【図15】(a)及び(b)は、シールド電極を有する
他のマトリックス型制御電極の製造方法を説明するため
の断面図である。
【図16】(a)及び(b)は、シールド電極を有する
さらに他のマトリックス型制御電極の製造方法を説明す
るための断面図である。
【図17】(a)及び(b)は、シールド電極を両面に
有するマトリックス型制御電極の製造方法を説明するた
めの断面図である。
【図18】(a)及び(b)は、シールド電極を両面に
有する他のマトリックス型制御電極の製造方法を説明す
るための断面図である。
【図19】(a)及び(b)は、シールド電極を両面に
有するさらに他のマトリックス型制御電極の製造方法を
説明するための断面図である。
【図20】半月状の電極を有する制御電極の外観図であ
る。
【図21】(a)及び(b)は、半月状電極を有する型
制御電極の製造方法を説明するための断面図である。
【図22】(a)及び(b)は、半月状電極を有する型
制御電極の他の製造方法を説明するための断面図であ
る。
【図23】半月状電極を有するマトリックス型制御電極
の製造方法を説明するための断面図である。
【図24】半月状電極を有する他のマトリックス型制御
電極の製造方法を説明するための断面図である。
【図25】カラー画像形成装置が備える画像形成部の構
成図である。
【符号の説明】
26 制御電極 26a 基板 27 環状電極 29 ゲート 39,39b シールド電極 41 給電線 H 孔(貫通孔)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−52937(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/385 G03G 15/05

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気力により飛翔する顕像剤の飛翔方向
    を制御して画像を形成する画像形成装置が備える制御電
    極の製造方法であって、(a)前記制御電極の基板の一
    面側に第1形状の開口部を有する第1の電極を形成する
    工程と、(b)前記基板の他面側に前記第1形状の開口
    部よりも大きな第2形状の開口部を有する第2の電極を
    前記第1形状の開口部に位置を合わせて形成する工程
    と、(c)前記第1形状の開口部よりも小さなビーム径
    のレーザを該第1形状の開口部に合わせて前記一面側ま
    たは前記他面側から前記基板に照射して、前記ビーム径
    に応じた大きさの貫通孔を形成する工程と、を有するこ
    とを特徴とする画像形成装置が備える制御電極の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 電気力により飛翔する顕像剤の飛翔方向
    を制御して画像を形成する画像形成装置が備える制御電
    極の製造方法であって、(a)前記制御電極の基板の一
    面側に第1の電極を形成する工程と、(b)前記基板の
    他面側に前記第1の電極に位置を合わせて開口する開口
    部を有する第2の電極を形成する工程と、(c)前記開
    口部よりも小さなビーム径のレーザを該開口部に位置を
    合わせて前記他面側から前記基板に照射して、前記基板
    及び前記第1の電極に前記ビーム径に応じた大きさの貫
    通孔を形成する工程と、を有することを特徴とする画像
    形成装置が備える制御電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 電気力により飛翔する顕像剤の飛翔方向
    を制御して画像を形成する画像形成装置が備える制御電
    極の製造方法であって、 (a)前記制御電極の基板の一面側に開口部を有する第
    1の電極を形成する工程と、 (b)前記基板の他面側に第2の電極を形成する工程
    と、 (c)前記開口部よりも大きなビーム径のレーザを該開
    口部に位置を合わせて前記他面側から前記基板に照射し
    て、前記第2の電極及び前記基板を除去して貫通孔を形
    成する工程と、を有することを特徴とする画像形成装置
    が備える制御電極の製造方法。
  4. 【請求項4】 第1の電極を蒸着またはメッキにより形
    成し、第2の電極をレーザの照射により貫通孔が形成さ
    れるほどまでに溶発しない基材を用いて形成することを
    特徴とする請求項2に記載の画像形成装置が備える制御
    電極の製造方法。
  5. 【請求項5】 第1の電極をレーザの照射により貫通孔
    が形成されるほどまでに溶発しない基材を用いて形成
    し、第2の電極を蒸着またはメッキにより形成すること
    を特徴とする請求項3に記載の画像形成装置が備える制
    御電極の製造方法。
  6. 【請求項6】 電気力により飛翔する顕像剤の飛翔方向
    を制御して画像を形成する画像形成装置が備える制御電
    極であって、 所定の配列で貫通孔が形成された絶縁性基板と、前記基
    板の一面側に前記貫通孔を囲むように形成された環状電
    極と、前記基板の他面側に前記貫通孔の領域を開口して
    形成されたシールド電極と、を有し、 前記顕像剤が通過するゲート孔は、前記貫通孔、前記環
    状電極、及び前記シールド電極を用いて形成され、 前記環状電極及び/又は前記シールド電極の前記ゲート
    孔側の面には、絶縁膜が被覆されている ことを特徴とす
    る画像形成装置が備える制御電極。
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