JP3410389B2 - クリーンルーム - Google Patents

クリーンルーム

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JP3410389B2
JP3410389B2 JP13238299A JP13238299A JP3410389B2 JP 3410389 B2 JP3410389 B2 JP 3410389B2 JP 13238299 A JP13238299 A JP 13238299A JP 13238299 A JP13238299 A JP 13238299A JP 3410389 B2 JP3410389 B2 JP 3410389B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、病院等の医療施設
や薬剤の研究施設において、清浄環境下で薬剤の調合等
を行う際に用いられるクリーンルーム、より詳細には、
用途の異なる陽圧室と陰圧室を併設することにより、単
一の空気循環システムによって両室内の空気の温湿度調
節と清浄化を効率良く行うことができるクリーンルーム
に関する。 【0002】 【従来の技術】医療施設や薬剤の研究施設においては、
清浄な環境下で調剤作業等が行えるように、クラス10
0〜10000程度の清浄度を実現できるクリーンルー
ムが設けられている。通常の調剤作業に用いられるクリ
ーンルームは、室外の細菌や塵埃等が室内に侵入して来
ないように、室内の空気圧が陽圧に保持されるようにな
っていることが多い。 【0003】クリーンルーム内の空気圧を陽圧に保持す
るための手段としては、室内の空気を単に清浄化するだ
けではなく、空気循環システムにおいて常時外気を導入
するように構成する方法が一般的である。循環空気に外
気が加えられると、空気循環システムからクリーンルー
ム内に供給される空気の量が増加して、室内から排出さ
れて空気循環システムに戻される空気の量よりも多くな
り、結果的に室内の空気圧を陽圧に保持することができ
るようになっているのである。 【0004】また、施設によっては、上記のような陽圧
のクリーンルームの他に、室内の空気圧が陰圧に保持さ
れるように構成されたクリーンルームが設けられている
ことがある。陰圧クリーンルームの標準的な構成例とし
ては、図4に示されているように、外気取入口116か
ら外気を導入しつつ室内の空気を循環させ、空調機11
4によって温度及び湿度を調節するとともに、クリーン
ユニット111によって清浄化し、陰圧クリーンルーム
103内に清浄空気を供給する空気循環システム113
と、排気ファン202を稼動させることにより排気口2
01及び排気ダクト203を介して室内の空気を外部に
強制的に排出できる排気システム204とを備え、外気
取入口116から空気循環システム113内に取り込ま
れる外気の量よりも、排気システム204によって室外
に強制的に排出される空気の量の方が多くなるようにし
て、室内の空気圧が陰圧に保持されるようにしたものな
どが知られている。 【0005】陰圧のクリーンルームにおいては、室内の
空気が部屋の隙間などから外部へ漏れるような事態を回
避できるので、室外に漏出すると周辺環境に悪影響を及
ぼす可能性があるような危険な薬剤を取り扱う場合に適
している。但し前述したように、室内の空気は排気シス
テムによって室外へ排出されるようになっているため、
危険な薬剤等を取り扱うために用いられる陰圧クリーン
ルームには、通常、排気システムにHEPAフィルタ等
の空気清浄手段が備えられ、汚染された可能性のある室
内空気を清浄化した後に外部へ排出するよう構成されて
いる。 【0006】尚、危険な薬剤を調剤する際は、周辺環境
だけでなく調剤作業を行う作業者自身の安全性も確保さ
れる必要があることから、陰圧クリーンルーム内には図
5に示すような安全キャビネット110が設置されてい
ることが多い。 【0007】ここで、図5の安全キャビネット110の
構造及び作用について簡単に説明する。この安全キャビ
ネット110は、作業者及び周辺環境に悪影響を及ぼす
可能性のある薬剤、毒物、或いは細菌類等を安全に取り
扱うための装置であり、内部に薬剤の調合作業等を行う
ための作業室122が形成されている。 【0008】底板127の下方及び奥板128の裏面に
は、空気循環路131が設けられており、この空気循環
路131の終端側に設けられた内部ファン121を稼動
させると、作業室122の空気が底板127に設けられ
た小孔129から吸い込まれ、空気循環路131を経て
内部ファン121に達し、内部ファン121の吹出口前
方に設けられた上部室132内に送り込まれる。上部室
132内に送り込まれた空気は、下部フィルター126
によって清浄化(除塵及び除菌)されたのち、再び作業
室122に供給される。 【0009】但し、内部ファン121から上部室132
内に送り込まれた空気のすべてが下部フィルター126
を通って循環するのではなく、その一部は上部フィルタ
ー125によって清浄化された後、排気口124より安
全キャビネット110の外部に排出されるようになって
いる。 【0010】このように、内部ファン121が稼働して
いる場合は、内部空気が循環して繰り返し清浄化される
ことによって、作業室122内において所望の清浄度が
保持されるほか、内部空気の一部が排気口124から外
部に排出されることになるので、内部圧力に損失が生
じ、作業室122内の空気圧は装置外部に対して陰圧と
なる。 【0011】このため、排気口124から装置外部に排
出された空気と同量の空気が、シャッター123を上方
にスライドさせることによって形成される前面開口部1
33より作業室122内部に常時流入することになり、
作業を行うことによって汚染された可能性のある内部空
気が、前面開口部133よりクリーンルーム内に流出す
るような事態を防止することができ、作業者の安全性が
確保されるようになっている。 【0012】尚、安全キャビネット110の排気口12
4は、クリーンルームの壁孔120を通って外部へ連通
する排気ダクト134と接続されており、排気口124
から安全キャビネット110の外部に排出された空気
は、排気ダクト134に設けられた排気ファン130に
よって吸引され、排気ダクト134内を通ってクリーン
ルームの外部へと排出されることになる。この排気ダク
ト134を通って外部に排出される空気は、前述の通
り、安全キャビネット110の上部フィルター125に
よって既に清浄化されているので、安全キャビネット1
10内で取り扱われた薬剤や細菌類が劇薬や病原菌であ
ったとしても、周辺環境に悪影響を与えることはなく、
安全性が確保されるようになっている。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】最近ではがん治療等に
薬物療法が広く採用されるに至っており、毒性の強い抗
?性腫瘍剤等の、取り扱いに注意を要するような薬剤の
需要が急速に伸びている。このため、上記のような陰圧
クリーンルームの需要も増大してきているが、通常の調
剤作業を行う陽圧クリーンルームの他に、陰圧クリーン
ルームを別個に構築することとすると、作業効率の上で
も、また、経済的にも問題がある。 【0014】例えば、クリーンルームには、殺菌洗浄装
置やエアーシャワー装置を備えた前室が設けられている
ことが多く、クリーンルームへの入室前に、作業者がそ
れらの装置を使用して身体を予め清浄化しておくことに
より、作業者自身によって室内に雑菌や塵埃が持ち込ま
れてしまうというような事態を極力回避できるようにな
っているが、陽圧クリーンルームと陰圧クリーンルーム
とが別々に構築されていると、作業者において両クリー
ンルームを行き来する必要があるような作業を行ってい
る場合には、作業を円滑に行うことが困難となってしま
うという問題がある。 【0015】また経済的には次のような問題がある。例
えば、陽圧クリーンルームにしても、また陰圧クリーン
ルームにしても、外気を導入しつつ室内空気の清浄化を
行う空気循環システムが必要な点では共通しているた
め、一系統の空気循環システムを両クリーンルームで共
有する、即ち、一系統の空気循環システムで両クリーン
ルームへの清浄空気の供給を賄うことができれば、設備
構築に要する費用を節約することができるが、陽圧クリ
ーンルームと陰圧クリーンルームとでは、当然のことな
がら室内の空気圧が異なっているため、一系統の空気循
環システムを両クリーンルームで共有できるように構成
することは困難である。 【0016】具体的には、このようなシステムを実現し
ようとすると、それぞれのクリーンルームに対して供給
する清浄空気の量を適正な割合で分配する必要が生じ、
また、室内空気を吸引して空気循環システムに戻す際に
も、それぞれのクリーンルームから回収すべき適正な空
気の量を算出し、適宜調整する必要が生じてしまい、そ
のため、これらを制御するためにシステムが複雑なもの
とならざるを得ず、却って設備費用及びメンテナンス等
の費用が嵩んでしまうのである。 【0017】また、陰圧クリーンルーム内に、図5に示
したような安全キャビネット110が設置されている場
合には、空気循環システムを陽圧クリーンルームと共有
できるように構成することは、より一層困難である。図
4に示されているように、陰圧クリーンルーム103内
に安全キャビネット110が設置されている場合には、
外気取入口116から空気循環システム113内に取り
入れられる外気の量が、安全キャビネット110が稼動
することによって室外に排出される空気の量を考慮して
決定されるように構成されているからである。 【0018】この点についてより詳細に説明すると、前
述したように、陰圧クリーンルーム103においては、
排気システム204によって室外に強制的に排出される
空気の量が、外気取入口116から空気循環システム1
13内に取り入れる外気の量よりも多くなるようにし
て、その差によって室内の空気圧が陰圧に保持されるよ
うになっているが、陰圧クリーンルーム103内で安全
キャビネット110を稼動させると、一定量の室内空気
が排気ダクト134を介して室外に強制排気されるた
め、安全キャビネット110の稼働時における室内空気
の総排出量は、非稼働時に比べて増加することになる。 【0019】従って、外気取入口116から空気循環シ
ステム113内に取り入れられる外気の量が、安全キャ
ビネット110が稼動しているかどうかに拘わらず常に
一定であると、室内の空気圧は安全キャビネット110
の稼働状況に応じて変動することになってしまう。室内
空気圧が変動することは、薬剤の調剤作業を行う上で決
して好ましいことではないので、このような事態を回避
するため、図4に示すような陰圧クリーンルーム103
は、安全キャビネット110の稼働時においては、安全
キャビネット110の稼動に伴って室外に排出される空
気の量を考慮して、外気取入口116から空気循環シス
テム113内に取り入れる外気の量を増加させるように
なっており、室内が常に一定の空気圧に保たれるような
構成となっているのである。 【0020】このように安全キャビネットが設置され、
外気取入口から導入すべき外気の量を調節するような必
要がある陰圧クリーンルームと、そのような必要のない
陽圧クリーンルームとで空気循環システムを共有できる
ように構成することは、前述の通り非常に困難である。 【0021】従って、現状では、本来ならば陰圧クリー
ンルームで行う必要がある危険な薬剤の調剤作業を、経
済的な理由から仕方なく陽圧クリーンルーム内に設置し
た安全キャビネットを用いて行っている施設もあるが、
薬剤を安全キャビネット内に持ち込む前に行う前処理の
最中や、通常の取り扱い作業の間に事故が発生した場合
には、汚染空気が容易に室外へと漏出してしまい、取り
返しのつかない事態に発展しかねない。 【0022】本発明は上記のような問題点を解消し、用
途及び特性の異なる陽圧のクリーンルームと陰圧のクリ
ーンルームとをそれぞれ別個に構築する事なく、一系統
の空気循環設備で一つのクリーンルームを形成するとと
もに、室内を陽圧室及び陰圧室とに分け、両室内への清
浄空気の供給を効率良く行うことができ、しかも、清浄
環境で行うべき一連の調剤作業をスムーズに行うことが
できるようにしたクリーンルームを提供することを目的
とする。 【0023】 【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、本発明に係るクリーンルームは、室内の空気圧が陽
圧に保持され、空調手段及び空気清浄手段を有する空気
循環システムによって室内の温度、湿度、及び清浄度が
保持される陽圧室に隣接して、室内の空気圧が陰圧に保
持される陰圧室を設けてなるものであり、前記陽圧室と
前記陰圧室との間に設けられ、陽圧室内の空気が陰圧室
へ流下することを許容するとともにその開口面積を変更
可能な空気流路と、前記陰圧室内に設置された安全キャ
ビネットと、その一端が前記陰圧室内に導入されるとと
もに前記陰圧室内の空気を強制的にクリーンルームの外
部へ排出させるためのファンを備えた排気ダクトとを有
し、前記安全キャビネットの排気口と前記排気ダクトと
が、開口部を有するシンブルフランジを介して接続され
ていることを特徴としている。 【0024】 【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1は、本発明に係るクリーンルー
ム1の平面図であり、図2は、図1のクリーンルーム1
に用いられる空気循環システムの系統図である。 【0025】まず、本実施形態におけるクリーンルーム
1の概要を説明すると、図1において2は、室内の空気
圧が陽圧に保持されるように構成された陽圧室であり、
この陽圧室2の隣には、室内の空気圧が陰圧に保持され
るように構成された陰圧室3が併設されている。陽圧室
2は、空調手段及び空気清浄手段を有する空気循環シス
テム13(図2参照)によって、室内の温度及び湿度が
調節されるとともに、室内が所望の清浄度に保持される
ようになっている。 【0026】また、陽圧室2と陰圧室3とを隔てる仕切
壁4には扉5が設けられており、作業者が両室間を自由
に、かつ、容易に移動でき、両室に跨って行われるべき
一連の作業を円滑に行うことができるようになってい
る。また、仕切壁4には、陽圧室2の空気が陰圧室3へ
流下することを許容する空気流路6が設けられており、
ここから陰圧室3内に陽圧室2の空気が常時流入するこ
とにより、陰圧室3内においても陽圧室2と同等の(或
いは、これに準じた)室内温度、湿度、及び清浄度が保
持されるようになっている。 【0027】尚、図1において7は、作業者がクリーン
ルーム1(陽圧室2及び陰圧室3)に入室するための準
備を行う前室である。この前室7には、エアシャワー装
置8や無菌手洗装置9が備えられており、クリーンルー
ム1に入室しようとする作業者が、この前室7で無塵衣
等に着替えた後、エアシャワー装置8や無菌手洗装置9
を使用して入室前に除塵及び殺菌を行うことができるよ
うになっており、これにより、クリーンルーム1内に塵
埃や雑菌等が作業者自身によって持ち込まれないように
なっている。 【0028】次に、クリーンルーム1に用いられる空気
循環システム13について説明する。図2に示されてい
るように、空気循環システム13は、循環空気吸込口1
2(12a〜12c)、外気取入口16、空調手段とし
ての空調機14、空気清浄手段としてのクリーンユニッ
ト11、及びダクト15(15a〜15e)によって構
成されている。 【0029】本実施形態においては、図2に示した通
り、空調機14とクリーンユニット11とが相互に独立
した装置として空気循環システム13中に含まれるよう
構成されているが、両者が必ずしも物理的に分離した別
個独立の装置として構成される必要はなく、空調手段と
しての機能と空気清浄手段としての機能を兼ね備えた単
一の装置(例えば、高性能フィルタを内蔵した空調機、
或いは、空調機能を有するクリーンユニット等)として
空気循環システム13中に含まれるものであっても良
い。 【0030】上記のような構成に係る空気循環システム
13によって陽圧室2内の空気が清浄化される作用につ
いて説明する。まず、陽圧室2の隅部に設置された循環
空気吸込口12(図1参照)から陽圧室2内の空気が吸
引され、この吸引された空気(還り空気)は、ダクト1
5a〜15cを介して空調機14に送られる。空調機1
4は、還り空気を取り入れるとともに、外気取入口16
より所要量の外気を導入し、それらを加熱或いは冷却し
て温度を調節するとともに、必要に応じて湿度を調節す
る。温度及び湿度が調節された空気(空調空気)は、ダ
クト15eを介して空調機14からクリーンユニット1
1に送られる。クリーンユニット11は、内蔵する高性
能フィルタ(HEPAフィルタ)によって空調空気を清
浄化(除塵及び除菌)し、陽圧室2内にその清浄化した
空気(清浄空気)を供給できるようになっている。 【0031】本実施形態においては、クリーンユニット
11は陽圧室2の天井中央部に設置されており(図1参
照)、清浄空気の吹出口が下方に向かって開口するよう
に構成されている。従って、清浄空気は天井中央部のク
リーンユニット11から床面中央部、或いは、そこに配
置された作業台上に向かって吹き出されることになる。
そして、床面、或いは、そこに配置された作業台の表面
まで達した清浄空気は、陽圧室2の隅部に設置された循
環空気吸込口12によって緩やかに吸引されて放射状の
気流18を形成し、最終的には循環空気吸込口12から
再び吸い込まれ、空気循環システム13及び陽圧室2内
を循環することになる。空気循環システム13がこのよ
うに室内空気を常時循環させ、温度及び湿度の調節と清
浄化を繰り返し行うことにより、陽圧室2内において所
望の温度、湿度、及び清浄度を実現することができる。 【0032】次に、陽圧室2に隣接して設けられている
陰圧室3について説明する。図1に示されているよう
に、陰圧室3には安全キャビネット10が設置されてい
る。この安全キャビネット10は、従来例として図5に
示した安全キャビネット110と基本的な構造は同一で
あるのでその詳細については省略するが、図3(図1に
示した安全キャビネット10のAA線による断面図)に
示されているように、排気口24と排気ダクト34とが
シンブルフランジ35を介して接続されている点で従来
の安全キャビネット110とは異なっている。 【0033】このシンブルフランジ35には開口部36
が形成されており、陰圧室3内の空気を、この開口部3
6から吸引して安全キャビネット10の排気ダクト34
を介して室外に排出できるようになっている。従って、
排気系統の単純化を図ることができる。 【0034】即ち、安全キャビネットを備えた従来の陰
圧クリーンルームにおいては、図4に示したように、室
内空気圧を陰圧に保持するための排気システム204の
ほかに、安全キャビネット110から排出された空気を
室外へと排出するための排気ダクト134が設けられて
おり、二つの排気系統が併存していたが、本実施形態に
おいては、上述したように開口部36を有するシンブル
フランジ35を介して安全キャビネット10の排気口2
4と排気ダクト34とが接続されており、これによっ
て、安全キャビネット10から排出される空気だけでな
く、陰圧室3内の空気も安全キャビネット10の排気ダ
クト34から排出されるようになっており、従って、図
4に示されているような排気システム204を設けなく
ても、室内空気圧を陰圧に保持することができる。 【0035】また、安全キャビネットを備えた従来の陰
圧クリーンルームにおいては、安全キャビネットの稼働
中は、安全キャビネットから排出される空気の量を考慮
して、外気取入口から導入すべき外気の量を増加させる
ように構成されていたが、本実施形態においては、安全
キャビネットの稼働時に外気の導入量を増加させるよう
な構成は不要であり、安全キャビネットが稼働中である
と否とに拘わらず、室内の空気圧を常に一定に保持する
ことができるようになっている。 【0036】この点について図3を用いてより詳細に説
明する。まず、排気ファン30が稼動することによって
室外に強制的に排出される空気の量をRとすると、安全
キャビネット10の非稼動時においては、シンブルフラ
ンジ35の開口部36から吸引される室内空気の量は、
Rと同量となる。一方、安全キャビネット10の稼動時
において、安全キャビネット10から排出される空気の
量をSとすると、シンブルフランジ35の開口部36か
ら吸引される室内空気の量は「R−S」となり、非稼働
時よりも減少してしまうが、安全キャビネット10の稼
働時においては、Sと同量の室内空気が安全キャビネッ
ト10の前面開口部33から作業室22内に吸引される
ことになるので、室内から排気ダクト34を通って室外
に排出される室内空気の量は、「R−S+S(=R)」
となり、結局、室外に排出される室内空気の総量は、安
全キャビネット10の稼働状況に拘わらず常に一定であ
り、従って、室内の空気圧も常に一定に保持されること
になる。 【0037】このように本実施形態においては、図4に
示されているような、室内空気圧を陰圧に保持するため
の排気システム204や、安全キャビネットの稼働時に
外気の導入量を増加させるような構成は不要である。従
って、排気系統が単純化され、設備費用やメンテナンス
費用を節約することができるのである。 【0038】尚、本実施形態においては、排気ファン3
0は、室外の排気ダクト34の終端部に設けられている
が、その設置位置はこれに限定されるものではなく、室
内空気を外部に排出することができれば、例えば、室内
或いは壁内部などに設置されるように構成しても良い。 【0039】また、排気ダクト34のいずれかの位置、
或いは、排気ファン30の上流側又は下流側近傍に、H
EPAフィルタなどの高性能フィルタからなる排出空気
の清浄化手段が備えられることが好ましい。従来の安全
キャビネットの排気系統においては、安全キャビネット
によって清浄化された安全な空気のみを排出するように
なっていたので、フィルタなどの清浄化手段は不要であ
ったが、本実施形態においては、陰圧室3内の空気がシ
ンブルフランジ35の開口部36より吸引され、排気ダ
クト34を通って外部に排出されるように構成されてい
るので、陰圧室3内で危険な薬剤を取り扱っている最中
に、事故等によって室内空気が汚染された場合、汚染空
気がそのまま外部に排出されてしまう可能性があるから
である。 【0040】本実施形態のクリーンルーム1は、以上に
説明したような陽圧室2及び陰圧室3によって構成され
るものであるところ、空気循環システム13の外気取入
口16から導入される外気の量、及び、安全キャビネッ
ト10の排気ダクト34から室外に排出される空気の量
を、それぞれ次のように調節することによって、陽圧室
2の空気圧を陽圧に、陰圧室3の空気圧を陰圧に保持す
ることができる。 【0041】まず陽圧室2は、前述の通り、隅部に配置
された循環空気吸込口12から室内空気が吸引されるよ
うになっているほか、陰圧室3との間に設けられている
仕切壁4の空気流路6から室内空気が陰圧室3へ流下す
るようになっており、循環空気吸込口12から空気循環
システム13に戻される還り空気の量をBとし、空気流
路6から陰圧室3へ流下する空気の量をCとすると、陽
圧室2から排出される空気の総量は「B+C」となる。
一方、外気取入口16から導入される外気の量をDとす
ると、クリーンユニット11から陽圧室2内に供給され
る清浄空気の総量は「B+D」となる。室内から排出さ
れる空気の量よりも多くの空気が室内に供給されれば、
室内空気圧を陽圧に保持することができるので、「B+
D>B+C(=「D>C」)」となれば、即ち、空気流
路6から陰圧室3へ流下する空気よりも多くの外気が外
気取入口16から導入されるようにすれば、陽圧室2の
空気圧を陽圧に保持することができ、室外の細菌や塵埃
等が陽圧室2内に侵入することを好適に回避することが
できる。 【0042】一方、陰圧室3は、前述の通り、安全キャ
ビネット10が稼働中であると否とに拘わらず、常に一
定量(R)の空気が室外に排出されるようになっている
が、「R>C」となれば、即ち、空気流路6から陰圧室
3内へ供給される空気よりも多くの空気が室外に排出さ
れるようにすれば、陰圧室3の空気圧を陰圧に保持する
ことができ、室内の空気が部屋の隙間などから外部へ漏
出するというような事態を回避することができる。 【0043】また、本実施形態においては、空気流路6
はその開口面積を変更することができるようになってい
るので、陽圧室2から陰圧室3へと流下する空気の量を
調節することができ、その結果、両室の空気圧を自由に
調節することができるようになっている。 【0044】更に、本実施形態においては、陽圧室2の
四つの隅部のうち、三つの隅部には循環空気吸込口12
(12a〜12c)が配置され、残りの一つの隅部に空
気流路6が設けられているので、陽圧室2の天井中央部
のクリーンユニット11から床面中央部に向かって吹き
出された清浄空気は、循環空気吸込口12及び空気流路
6によって吸引されることになり、部屋の四隅に向かっ
て放射状の気流18,19が形成されることになる。 【0045】乱流式のクリーンルームにおいては、部屋
の隅部において気流の淀みが生じることがあり、循環効
率ひいては清浄化効率の悪化を招く原因となることが多
いが、本実施形態においては、上記の通り、部屋の中央
部から四隅に向かって放射状の気流18が形成されるよ
うに構成されているので、陽圧室2内において気流の淀
みが生じることがなく、層流に近い気流を形成すること
ができる。 【0046】また、循環空気吸込口12a〜12cから
空調機14へ還り空気を搬送するダクト15a〜15c
(図2参照)にそれぞれ圧力ダンパーを設け、空気流路
6の開口面積を調節するとともにそれらの圧力ダンパー
を操作して、各々における空気の流量を調節できるよう
に構成すれば、陽圧室2内において、バランスのとれた
理想的な気流を形成することができる。 【0047】 【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係るク
リーンルームは、陽圧室に隣接して陰圧室を設け、陽圧
室内の空気が陰圧室内へ流下するよう構成し、また、陰
圧室に設置された安全キャビネットと排気ダクトとをシ
ンブルフランジを介して接続することによって、用途及
び特性の異なる両室への清浄空気の供給を一つの空気循
環システムのみによって効率よく賄うことができるよう
なレイアウトを実現することができる。 【0048】これによって、所望の清浄度が保たれた両
室に跨って行われるべき一連の調剤作業をスムーズに行
うことができるほか、空気循環システムだけでなくエア
シャワー装置などの付属設備についても両室で共有する
ことができ、また、排気系統を単純化することができる
ので、設備構築やメンテナンスに要する費用、及び、運
転に要するエネルギーを節約できるという優れた効果を
期待することができるものである。 【0049】更に、空気流路の開口面積を変更すること
によって、陽圧室から陰圧室へ流下する空気の流量を調
節することができ、両室内の気圧を調節することができ
るという効果や、シンブルフランジの採用よって、安全
キャビネットが稼働中であると否とに拘わらず、陰圧室
の空気圧を常に一定に保持することができるという効果
をも期待することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明に係るクリーンルーム1の平面図。 【図2】 図1のクリーンルーム1に用いられる空気循
環システム13の系統図。 【図3】 図1に示した安全キャビネット10のAA線
による断面図。 【図4】 従来の陰圧クリーンルーム103の構成例を
示す系統図。 【図5】 従来の安全キャビネット110の断面図。 【符号の説明】 1:クリーンルーム、 2:陽圧室、 3:陰圧室、 4:仕切壁、 5:扉、 6:空気流路、 7:前室、 8:エアシャワー装置、 9:無菌手洗装置、 10,110:安全キャビネット、 11,111:クリーンユニット、 12,112:循環空気吸込口、 13,113:空気循環システム、 14,114:空調機、 15,115:ダクト、 16,116:外気取入口、 18,19:放射状の気流、 20,120:壁孔、 21,121:内部ファン、 22,122:作業室、 23,123:シャッター、 24,124:排気口、 25,125:上部フィルター、 26,126:下部フィルター、 27,127:底板、 28,128:奥板、 29,129:小孔、 30,130:排気ファン、 31,131:空気循環路、 32,132:上部室、 33,133:前面開口部、 34,134:排気ダクト、 35:シンブルフランジ、 36:開口部、 103:陰圧クリーンルーム、 201:排気口、 202:排気ファン、 203:排気ダクト、 204:排気システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 7/04 - 7/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】室内の空気圧が陽圧に保持され、空調手段
    及び空気清浄手段を有する空気循環システムによって室
    内の温度、湿度、及び清浄度が保持される陽圧室に隣接
    して、室内の空気圧が陰圧に保持される陰圧室を設けて
    なるクリーンルームであって、 前記陽圧室と前記陰圧室との間に設けられ、陽圧室内の
    空気が陰圧室へ流下することを許容するとともにその開
    口面積を変更可能な空気流路と、 前記陰圧室内に設置された安全キャビネットと、 その一端が前記陰圧室内に導入されるとともに前記陰圧
    室内の空気を強制的にクリーンルームの外部へ排出させ
    るための排気ファンを備えた排気ダクトとを有し、 前記安全キャビネットの排気口と前記排気ダクトとが、
    開口部を有するシンブルフランジを介して接続されてい
    ることを特徴とするクリーンルーム。
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