JP3407461B2 - 弾性表面波装置及びその製造方法 - Google Patents

弾性表面波装置及びその製造方法

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JP3407461B2
JP3407461B2 JP06634995A JP6634995A JP3407461B2 JP 3407461 B2 JP3407461 B2 JP 3407461B2 JP 06634995 A JP06634995 A JP 06634995A JP 6634995 A JP6634995 A JP 6634995A JP 3407461 B2 JP3407461 B2 JP 3407461B2
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嘉一 森岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ケース内に弾性表面波
(以下、SAW)素子を収納してなるSAW装置及びそ
の製造方法に関し、特に、SAW素子とケース側の電極
パッドとのボンディングワイヤーによる接合構造が改良
されたSAW装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】SAW共振子、SAWフィルタなどのS
AW装置は、SAW素子にリード端子を接合し、樹脂外
装を施すことによりリード付きの電子部品として構成さ
れたり、あるいはケースにSAW素子を封入することに
よりリードレスチップ部品として構成されたりしてい
る。もっとも、近年、他の電子部品と同様に、基板上に
表面実装可能なリードレスチップ部品の形態のSAW装
置が求められている。
【0003】図1及び図2は、チップ部品として構成さ
れた従来のSAW装置の蓋材を取り除いた状態の平面図
及び縦断面図である。SAW装置1は、ケース材2と、
金属よりなる蓋材3とを接合することにより構成されて
いる。ケース材2は、複数のセラミック層4,5,6を
積層してなる構造を有する。セラミック層6の上面には
シールリング14が固定されている。また、このうち、
セラミック層5,6は、中央に開口を有する。従って、
ケース材2は、中央に凹部7を有する。この凹部7に、
SAW素子8が収納される。
【0004】他方、凹部7の内側壁においては、上記セ
ラミック層5の上面が中間段差部5aを構成している。
この中間段差部5a上には、金属パッド9a〜9fが形
成されている。
【0005】SAW素子8は、表面波基板11の上面の
実線Aで囲まれた領域に少なくとも1つのインターデジ
タルトランスデューサ(以下、IDT)を形成し、さら
に必要に応じてリフレクターなどを形成した構造を有す
る。
【0006】上記IDTやリフレクターを外部と電気的
に接続するために、表面波基板11上には、接続パッド
10a〜10fが形成されている。SAW素子8は、ケ
ース材2の凹部底面に絶縁性接着剤(図示されず)を用
いて固着されている。また、上記接続パッド10a〜1
0fと、ケース材2側の金属パッド9a〜9fは、ボン
ディングワイヤー12a〜12fにより接合されてい
る。
【0007】さらに、上記金属パッド9a〜9fは、図
2から明らかなように、セラミック層5の上面に形成さ
れており、ケース材2の外表面に引き出されている。ケ
ース材2の外表面には、金属パッド9b,9eに電気的
に接続されるように、上下方向に延びる外部電極13
b,13eが形成されている。同様に、残りの金属パッ
ド9a,9c,9d,9fについても、図1に示す外部
電極13a,13c,13d,13fに電気的に接続さ
れている。
【0008】SAW装置1は、外部電極13a〜13f
を用いてプリント回路基板上の電極ランドと接続するこ
とができる。従って、プリント回路基板上に他のチップ
型電子部品と同様に表面実装することができる。
【0009】ところで、SAW素子8の接続パッド10
a〜10fと、金属パッド9a〜9fとを、ボンディン
グワイヤー12a〜12fで接合するにあたっては、従
来、超音波ボンディング法が用いられていた。
【0010】上記超音波ボンディング法を、図3及び図
4を参照して説明する。図3及び図4を参照して行う説
明では、ボンディングワイヤー12を一対の電極パッド
22,23に接合する方法を説明する。
【0011】まず、図3(a)に示すように、超音波ボ
ンディング装置の音響端子21の先端の貫通孔21aに
ボンディングワイヤー12を通す。しかる後、一方の電
極22に、ボンディングワイヤー12の先端を当接さ
せ、音響端子21より超音波を与え、ボンディングワイ
ヤー12の先端を電極パッド22に接合する。しかる
後、音響端子21を他方の電極パッド23側に移動させ
る(図3(b))。
【0012】次に、電極パッド23の上方から電極パッ
ド23側に音響端子21を下降し、ボンディングワイヤ
ー12を電極パッド23に当接させ、その状態で再度超
音波を与え、ボンディングワイヤー12を電極パッド2
3に接合する。
【0013】次に、ボンディングワイヤー12を電極パ
ッド23に接合した後、ボンディングワイヤー12を切
断し、音響端子21を電極パッド23上から引き上げ
る。この場合、図4の矢印Aで示すように、音響端子2
1は、貫通孔21aの延びる方向に引き上げる必要があ
る。
【0014】上記のようにして、ボンディングワイヤー
12が電極パッド22,23に接合される。図1及び図
2に示したSAW装置1では、ボンディングワイヤー1
2a〜12eが、上記と同一の方法で接合されている。
すなわち、ボンディングワイヤー12a〜12eの一端
がまずSAW素子8の接続パッド10a〜10fに接合
され、しかる後、他端が金属パッド9a〜9fに接合さ
れている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来のSAW装置1の
製造方法では、上記のようにボンディングワイヤー12
a〜12eによる接合に際し、最初に接合される側(以
下、一次接合側と略す)がSAW素子8の接続パッド1
0a〜10fであり、第2に接合される側(以下、二次
接合側と略す)が、金属パッド9a〜9fとされてい
る。ところが、金属パッド9a〜9fの露出している部
分では、周囲にケース材2の側壁2b(図2)が存在す
る。これに対して、超音波ボンディングでは、図4に示
したように、二次接合側における接合を行った後に、音
響端子21を矢印A方向、すなわち、二次接合側の金属
パッドから一次接合側とは反対側上方に移動させねばな
らない。
【0016】よって、図5に金属パット9eの部分を拡
大して示すように、金属パッド9eにボンディングワイ
ヤー12eを接合する場合、接合後に、音響端子を側壁
2b側に向かって移動させねばならない。この場合、側
壁2bに音響端子21が衝突すると、二次接合側におけ
るボンディングワイヤーの切断や音響端子21の取り出
しが円滑に行われない。
【0017】よって、従来のSAW装置の製造方法で
は、二次接合側となるケース材2側の金属パッド9a〜
9fにおける奥行き寸法D(図5参照)をある程度大き
くしなければならず、その分だけSAW装置1の小型化
が妨げられていた。
【0018】そこで、SAW装置の小型化を進めるため
に、未だ公知ではないが、最初に金属パッド9a〜9f
にボンディングワイヤーの一端側を接合し、しかる後ボ
ンディングワイヤーの他端側を接続パッド10a〜10
fに接合する方法が提案されている。
【0019】すなわち、ボンディングワイヤー12b,
12eが図示されている図6を参照して説明すると、ボ
ンディングワイヤー12b,12eの一端側が金属パッ
ド9b,9eに一次接合側として接合されており、他端
側が二次接合側として接続パッド10b,10eに接合
されている。
【0020】このように、ボンディングワイヤーの一次
接合側をケース材2に設けられた金属パッド9a〜9f
側とすることにより、金属パッド9a〜9fの中間段差
部上において露出している部分の奥行き寸法D(図5参
照)を小さくすることができる。すなわち、一次接合側
においては、上述した超音波ボンディングにあたり大き
なスペースを必要としないため、上記金属パッド9a〜
9fの奥行き寸法Dを小さくすることができ、それによ
ってSAW装置1の小型化を図り得る。
【0021】なお、二次接合においては前述したように
超音波ボンディングに用いられる音響端子を斜め上方に
引き上げる必要があるが、SAW素子8上においては、
接続パッド10a〜10fが形成されている部分の内側
の領域に立体的な障害物が存在しない。従って、二次接
合側における接合作業は無理なく行ない得る。
【0022】しかしながら、超音波ボンディングの二次
接合側においては、音響端子を後退、すなわち斜め上方
に引き上げる際に、音響端子が残りのボンディングワイ
ヤー用金属線を引きずることがあった。その結果、例え
ば図1に示したボンディングワイヤー12eの二次接合
側における接続を行った後に、音響端子を後退させた場
合、残りの金属線が接続パッド10eの内側に存在する
IDTの電極を損傷し、IDTを構成している電極指間
が短絡するおそれのあることがわかった。
【0023】従って、本発明の目的は、超音波ボンディ
ングによりSAW素子の接続パッドとケース材側の金属
パッドとを接合するにあたり、SAW装置の小型化を図
り得るだけでなく、IDTの損傷等が生じ難い信頼性に
優れた構造を備えるSAW装置及びその製造方法を提供
することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明のSAW装置は、
SAW素子を収納する凹部を有し、該凹部内側壁に中間
段差部を有し、かつ前記中間段差部上に形成されてお
り、さらに外部に引き出された金属パッドを有するケー
ス材と、前記ケース材に収納されており、かつ少なくと
も1つのIDTと、外部と電気的に接続するための複数
の接続パッドとを有するSAW素子と、前記金属パッド
と接続パッドとの間に超音波ボンディングにより接続さ
れた複数のボンディングワイヤーとを備え、前記ボンデ
ィングワイヤーの金属パッドとの接合部分から接続パッ
ドとの接合部分に向かう方向の延長上に、IDTが位置
しないように、すべての前記ボンディングワイヤーが前
記接続パッドに接続されていることを特徴とする。
【0025】また、好ましくは、上記中間段差部の中央
から前記凹部内側壁の上部を見た場合の仰角が60°以
上とされ、それによって上記中間段差部の奥行き寸法が
より一層低減される。
【0026】本発明の製造方法は、本発明のSAW装置
を製造する方法であり、上記ケース材を用意する工程
と、前記ケース材の凹部内に、少なくとも1つのIDT
と、外部と電気的に接続するための接続パッドとを有
し、前記ボンディングワイヤーの一次接合側から二次接
合側への方向の延長上に該接続パッドが接続されるID
Tが存在しないように接続パッド及びIDTが配置され
たSAW素子をケース材の凹部内に収納する工程と、前
記金属パッドにボンディングワイヤーの一端側を超音波
ボンディングにより接合する第1のボンディング工程
と、前記第1のボンディング工程の後に、前記ボンディ
ングワイヤーの他端側を前記SAW素子の接続パッドに
超音波ボンディングにより接合する第2の工程とを備
、前記ボンディングワイヤーの金属パッドとの接合部
分から接続パッドとの接合部分に向かう方向の延長上
に、インターデジタルトランスデューサが位置しないよ
うに、すべての前記ボンディングワイヤーが接続されて
ることを特徴とする。
【0027】
【発明の作用及び効果】SAW装置の小型化を促進する
ために、上記のように超音波ボンディングにあたり、ケ
ース材側に設けられた金属パッドとの接合部分を一次接
合側とし、SAW素子に設けられた接続パッド側を二次
接合側とすることにより、金属パッドの露出面積を小さ
くすることができる。この場合、二次接合が終了した後
に、音響端子に保持されている残りのボンディングワイ
ヤー用金属線が、金属パッドとの接合部分から接続パッ
ドとの接合部分に向かう方向の延長線上を移動すること
になる。しかしながら、本発明では、上記のように、該
延長線上に、IDTが位置しないように、ボンディング
ワイヤーにより金属パッドとの接続パッドとが接合され
ている。
【0028】従って、金属パッドとの接合部分を一次接
合側としてSAW素子の小型化を図った場合であって
も、二次接合後にIDTを損傷するおそれが少なく、I
DTを構成している電極指間の短絡などの発生を効果的
に防止することができる。
【0029】よって、本発明によれば、小型であり、か
つ信頼性に優れたSAW装置を安定に供給することが可
能となる。また、中間段差部の中央からケース材内側壁
の上端を見たときの仰角を60°以上とした場合には、
後述の実施例から明らかなように、中間段差部の奥行き
寸法をより一層小さくすることができ、従って小型のS
AW装置を提供することが可能となる。
【0030】本発明の製造方法ではボンディングワイヤ
ーによる金属パッドと接続パッドとの接合に当たり、ま
ず第1のボンディング工程が実施される。すなわち、ケ
ース材側の金属パッドに一次接合側としてボンディング
ワイヤーの一端が超音波ボンディングにより接合され
る。しかる後、第1のボンディング工程の後に、二次接
合側として、ボンディングワイヤーの他端側がSAW素
子の接続パッドに超音波ボンディングにより接合され
る。
【0031】他方、SAW素子の接続パッドが形成され
ている面上には、ケース材側とは異なり、立体的な障害
物が存在しない。従って、二次接合側における超音波ボ
ンディングを行った後に、音響端子を接続パッドから斜
め上方に引き上げるに際し、音響端子の移動を妨げる障
害物が存在しないため、接続パッドにボンディングワイ
ヤーを確実に接合することができる。
【0032】また、ボンディングワイヤーと金属パッド
の接合部分が一次接合側となるため、金属パッドの露出
している部分の奥行き寸法すなわち、中間段差部の奥行
き寸法を大きくする必要がない。よって、SAW装置の
ケース材の小型化、ひいてはSAW装置の小型化を促進
することが可能となる。
【0033】しかも、上記のように一次接合側から二次
接合側に向かう方向の延長上には、IDTが位置しない
ように構成されているため、第2のボンディング工程を
実施した後に、音響端子に支持されている残りのボンデ
ィングワイヤー用金属線によりIDTの電極指を損傷す
るおそれが少ない。従って、信頼性に優れたSAW装置
を提供することができる。
【0034】
【実施例の説明】以下、図面を参照しつつ実施例を説明
することにより、本発明を明らかにする。
【0035】図7は、本発明の一実施例のSAW装置3
1を説明するための略図的平面図である。なお、図7に
おいては、図1に示したSAW装置1のケース材2のシ
ールリング14で囲まれた領域の内側に相当する部分が
蓋材を取り外した状態で示されている。また、図8は、
本実施例のSAW装置31の断面図である。
【0036】本実施例のSAW装置31は、凹部33を
有するケース材32を備える。ケース材32は、アルミ
ナ等の絶縁性セラミックスよりなるセラミック層34,
35,36をセラミック積層一体焼成技術を用いること
により積層・一体化した構造を有する。もっとも、セラ
ミック層34,35,36は、焼成済みの絶縁性セラミ
ック板を貼り合わすことにより一体化した構造であって
もよい。
【0037】また、セラミック層36の上面には、コバ
ールなどの金属材料よりなる角環状のシールリング37
が固着されている。他方、セラミック層35,36は中
心に矩形の開口を有する。従って、上記凹部33がケー
ス材32内に形成されている。
【0038】ケース材32の凹部を閉成している蓋材3
8は、金属板あるいは絶縁性材料の表面を導電被覆した
材料で構成でき、SAW装置31内を電磁シールドし得
るように構成されている。
【0039】他方、凹部33内にはSAW素子39が配
置されている。本実施例では、SAW素子39は、セラ
ミック層34の上面に絶縁性接着剤(図示されず)を用
いて固定されている。
【0040】図7では、SAW素子39の上面の電極構
造は、金属パッドを除いては略図的に位置のみを示して
ある。すなわち、一点鎖線P,Q間の部分でIDTが形
成されており、一点鎖線P,Qの外側の領域に反射器が
構成されている。また、図9に、SAW素子39の上面
の電極構造の詳細を略図的に示す。
【0041】図9から明らかなように、SAW素子39
では、矩形の表面波基板40の上面中央において長手方
向に沿うようにバスバー41が形成されている。表面波
基板40の上面中央では、バスバー41の一方側にID
T42が、他方側にIDT43が形成されている。各I
DT42,43の表面波伝搬方向両側には、それぞれ、
グレーティング反射器45,46,47,48が形成さ
れている。IDT42,43及び反射器45〜48を外
部と電気的に接続するための接続パッド49a〜49f
が表面波基板40の縦方向に沿う両端縁に沿って形成さ
れている。
【0042】なお、本実施例では、図9に示した電極構
造を有するSAW素子39が用いられているが、本発明
では、1以上のIDTが形成された任意のSAW素子を
用いることができる。
【0043】図7及び図8に戻り、上述した凹部33の
内側壁には、中間段差部50a,50bがSAW素子3
9の長手方向に沿って形成されている。すなわち、中間
段差部50a,50bは、それぞれ、セラミック層35
の中央の開口よりも、セラミック層36の中央の開口を
大きくすることにより構成されている。また、中間段差
部50a,50bに上において、金属パッド51a〜5
1fが形成されている。金属パッド51a〜51fは、
中間段差部50a,50b上から、ケース材32の外表
面に至るように延ばされている。
【0044】さらに、ケース材32の外表面には、上記
金属パッド51b,51eにそれぞれ電気的に接続され
た外部電極52b,52eがケース材32の外表面の厚
み方向に延びるように形成されている。他の金属パッド
51a,51c,51d,51fも同様に外部電極に接
続されている。
【0045】また、上記金属パッド51a〜51fは、
ボンディングワイヤー53a〜53fにより、前述した
SAW素子39の接続パッド49a〜49fに電気的に
接続されている。
【0046】本実施例の特徴は、このボンディングワイ
ヤー53a〜53fによる金属パッド51a〜51fと
接続パッド49a〜49fとの接続方法及び構造にあ
る。すなわち、本実施例のSAW装置31を製造するに
あたっては、まず、上記凹部33及び金属パッド51a
〜51fが形成されたケース材32を用意する。
【0047】次に、凹部33内にSAW素子39を挿入
し、凹部33の底面に絶縁性接着剤を用いて固着する。
しかる後、ボンディングワイヤー53a〜53fの一端
を、超音波ボンディングにより金属パッド51a〜51
fに接合する。すなわち、一次接合側を金属パッド51
a〜51fの接合部分として第1のボンディング工程を
実施する。
【0048】次に、上記第1のボンディング工程後に、
ボンディングワイヤー53a〜53fの他端を、SAW
素子39の接続パッド49a〜49fに超音波ボンディ
ングする。すなわち、二次接合側を接続パッド49a〜
49f側として第2のボンディング工程を実施する。
【0049】本実施例では、金属パッド51a〜51f
にボンディングワイヤー53a〜53fを接合する工程
を第1のボンディング工程で実施するため、金属パッド
51a〜51fの中間段差部50a,50bに露出して
いる部分の奥行き寸法D(図9参照)を、図1及び図2
に示した従来例に比べて短くすることができる。従っ
て、ケース材32の寸法を小さくし得るため、結果とし
て、より小型のSAW装置31を構成することができ
る。
【0050】なお、二次接合側においては、前述したよ
うに超音波ボンディングに用いられる音響端子を斜め上
方に引き上げる必要があるが、SAW素子39上におい
ては、接続パッド49a〜40fの内側領域には立体的
な障害物が存在しない。従って、二次接合側における接
合作業は無理なく行ない得る。
【0051】また、好ましくは、図10に示すように、
中間段差部50bの中央から凹部33の内側壁の上部X
(図10参照)を見た場合の仰角θを60°以上とする
ことにより、金属パッド51eの露出している部分の奥
行き寸法Dをより一層小さくすることができる。なお、
現在実用化されている超音波ボンディング用音響端子で
は、上記のように仰角を60°以上とした場合、二次接
合側を金属パッド51e側とすることはできない。これ
に対して、本実施例では、二次接合側が接続パッド49
a〜49f側であるため、上記のように仰角θを60°
以上とした場合であっても、金属パッド51a〜51f
へのボンディングワイヤー53a〜53fの接合を問題
なく行ない得る。
【0052】さらに、図7から明らかなように、ボンデ
ィングワイヤー53a〜53fによる接合は、ボンディ
ングワイヤー53a〜53fの一次接合側から二次接合
側に向かう方向の延長上に、IDTが存在しないよう
に、上記ボンディングワイヤー53a〜53fの接合が
行われている。例えば、ボンディングワイヤー53bの
一次接合側から二次接合側へ向かう方向の延長線B上に
は、IDT42,43が存在しない。同様に、ボンディ
ングワイヤー53eの一次接合側から二次接合側に向か
う方向の延長線C上にも、IDT42,43が存在しな
い。
【0053】従って、ボンディングワイヤー53b,5
3eを金属パッド51b,51eに接合した後に音響端
子を斜め上方に引き上げたとしても、該音響端子に保持
されている残りのボンディングワイヤー用金属線がID
T42,43上を通過することがない。よって、IDT
42,43に残りのボンディングワイヤー用金属線が接
触することによるIDT42,43の損傷の発生を防止
することができる。
【0054】この効果を、比較のために用意した図11
に示すSAW装置81と対比してより詳細に説明する。
SAW装置81は、上記実施例のSAW装置31と、ボ
ンディングワイヤー83a〜83fの接合構造を除いて
は、同様に構成されている。従って、実施例のSAW装
置31と同一部分については、同一の参照番号を付する
ことにより、その説明を省略する。
【0055】比較例のSAW装置81では、ボンディン
グワイヤー83b,83eが接続される接続パッド49
b,49eの位置が、IDT42,43の表面波伝搬方
向において中央部分とされている。従って、ボンディン
グワイヤー83b,83eの一次接合側から二次接合側
に向かう方向の延長線上にIDTが存在することにな
る。同様に、接続パッド99c,99dがIDTの近傍
に配置されているので、ボンディングワイヤー83c,
83dの一次接合側から二次接合側方向の延長線上にも
IDTが存在する。よって、前述したように、接続パッ
ド89b〜89eにおける接合を行った後に、音響端子
に支持されていた残りのボンディングワイヤー用金属線
がIDTに接触するおそれがあり、IDTの短絡等が起
こり得る。
【0056】これに対して、図7に示した実施例では、
上記のように一次接合側から二次接合側に向かう延長線
B,C上にIDT42,43が存在しないため、上記短
絡が生じ難い。
【0057】なお、図7に示した実施例では、ボンディ
ングワイヤーの一次接合側から二次接合側に向かう延長
線上にIDTが存在しないように、接続パッド49b,
49eの位置がIDT42,43の表面波伝搬方向の両
端のうち一方端近傍に配置されていたが、接続パッド4
9b,49eは、必ずしもこの位置に形成される必要は
ない。すなわち、接続パッド49b,49eは、図7に
示した位置から、さらにIDT42,43のウエハー伝
搬方向中央側に延ばされていてもよい。すなわち、ボン
ディングワイヤー53b,53eの一次接合側から二次
接合側に向かう方向の延長線B,C上にIDT42,4
3が配置されない限り、接続パッド49b,49eの形
成位置及び形状は、図示の例に限定されるものではな
い。
【0058】さらに、図7に破線D,Eで示すように、
ボンディングワイヤー53b,53eの一次接合側の位
置は、金属パッド51b,51e上において変更するこ
とも可能である。
【0059】なお、ボンディングワイヤー53a,53
c,53d,53eについても、図7から明らかなよう
に、二次接合部分の位置をIDT42,43から遠ざけ
ることにより、その一次接合側から二次接合側に向かう
方向の延長上にIDT42,43が存在しないように接
合されている。従って、ボンディングワイヤー53a,
53c,53d,53fの接合に際しても、IDT4
2,43が損傷を受けるおそれは非常に小さくされてい
る。
【0060】もっとも、ボンディングワイヤー53a,
53c,53d,53fの二次接合において、SAW素
子上に形成された反射器45,46,47,48に損傷
を与えるおそれは存在する。しかしながら、反射器45
〜48は接地されるものであるため、反射器を構成して
いる電極指間が短絡しても支障はない。
【0061】本願発明者によれば、図11に示した比較
例では短絡不良が1%の程度で発生していたのに対し、
図7に示した実施例の構造によれば短絡不良の発生をほ
ぼ0とし得ることが確かめられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のSAW装置の蓋材を取り除いた状態の平
面図。
【図2】従来のSAW装置の断面図。
【図3】(a)〜(c)は、超音波ボンディングを説明
するための各断面図。
【図4】超音波ボンディングによる二次接合側の接合作
業を説明するための断面図。
【図5】従来のSAW装置におけるケース材に形成され
た金属パッドの寸法を説明するための部分切欠拡大断面
図。
【図6】未だ公知ではないが、本発明を成す前提となっ
たSAW装置を説明するための断面図。
【図7】本発明の一実施例のSAW装置のケース内の構
造を略図的に示す平面図。
【図8】本発明の一実施例のSAW装置の断面図。
【図9】実施例で用いられるSAW素子の上面の電極構
造を略図的に示す平面図。
【図10】実施例のSAW装置における金属パッドの寸
法を説明するための部分切欠拡大断面図。
【図11】比較例のSAW装置のケース内の構造を説明
するための略図的平面図。
【符号の説明】
31…SAW装置 32…ケース材 33…凹部 37…シールリング 38…蓋材 39…SAW素子 49a〜49f…接続パッド 50a,50b…中間段差 51a〜51f…ボンディングワイヤー 53a〜53f…金属パッド B,C…延長線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−55867(JP,A) 特開 平7−321595(JP,A) 特開 平8−204482(JP,A) 実開 平4−31826(JP,U) 実開 平4−207621(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/25 H03H 3/08 H03H 9/145

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性表面波素子を収納する凹部を有し、
    該凹部内側壁に中間段差部を有し、かつ前記中間段差部
    上に形成されており、さらに外部に引き出された金属パ
    ッドを有するケース材と、 前記ケース材に収納されており、かつ少なくとも1つの
    インターデジタルトランスデューサと、外部と電気的に
    接続するための複数の接続パッドとを有する弾性表面波
    素子と、 前記金属パッドと接続パッドとの間に超音波ボンディン
    グにより接続された複数のボンディングワイヤーとを備
    え、 前記ボンディングワイヤーの金属パッドとの接合部分か
    ら接続パッドとの接合部分に向かう方向の延長上に、イ
    ンターデジタルトランスデューサが位置しないように、
    すべての前記ボンディングワイヤーが前記接続パッドに
    接続されていることを特徴とする、弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】 前記中間段差部の中央から前記凹部の内
    側壁の上部を見た場合の仰角が60°以上とされてい
    る、請求項1に記載の弾性表面波装置。
  3. 【請求項3】 前記ケース材を用意する工程と、 少なくとも1つのインターデジタルトランスデューサ
    と、外部と電気的に接続するための接続パッドとを有
    し、前記ボンディングワイヤーの金属パッドとの接合部
    分から接続パッドとの接合部分側に向かう方向の延長上
    にインターデジタルトランスデューサが位置しないよう
    に前記接続パッド及び少なくとも1つのIDTが構成さ
    れている弾性表面波素子を、前記ケース材の凹部内に収
    納する工程と、 前記金属パッドにボンディングワイヤーの一端側を超音
    波ボンディングにより接合する第1のボンディング工程
    と、 前記第1のボンディング工程の後に、前記ボンディング
    ワイヤーの他端側を前記弾性表面波素子の接続パッドに
    超音波ボンディングにより接合する第2のボンディング
    工程とを備え、前記ボンディングワイヤーの金属パッド
    との接合部分から接続パッドとの接合部分に向かう方向
    の延長上に、インターデジタルトランスデューサが位置
    しないように、すべての前記ボンディングワイヤーが接
    続されて ることを特徴とする請求項1または2に記載
    の弾性表面波装置の製造方法。
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