JP3406004B2 - ビニルアルコール系樹脂成形物 - Google Patents
ビニルアルコール系樹脂成形物Info
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Description
かつ低温脆化防止性、柔軟性、衝撃強度等の性質および
それらの性質の経時安定性がすぐれたビニルアルコール
系樹脂成形物に関するものである。
物、例えばフイルムは、保香性、透明性、耐油性、帯電
防止性、酸素遮断性、保温性などの性質がすぐれてお
り、また親水性、水溶解性ないしは水分散性を有するの
で、通常の疎水性重合体のフイルムには適さない用途に
も用いることができる。ポリビニルアルコールからフイ
ルムを得る方法としては、通常、該重合体を水に溶解し
て流延する方法が採用される。この場合、得られたフイ
ルムは高湿条件下では柔軟であるが、低湿条件下では柔
軟性が損なわれるという性質を有するので、低湿条件下
でも柔軟性を保つために流延成形時にグリセリン等の可
塑剤を配合することが行われる。
他の成形物を得る方法として、該重合体を含水状態で溶
融押出する方法も知られている。この場合も、得られる
成形物の柔軟性を保つために可塑剤を併用することが多
い。ポリビニルアルコールを実質的に無水の条件下で溶
融押出することも試みられてはいるが、ポリビニルアル
コールは軟化点が高い上、その軟化点が熱分解温度に近
いため、ポリビニルアルコール単独での溶融押出は困難
である。そこで、ポリビニルアルコールを溶融成形する
際には、グリセリン等の可塑剤を多量に配合して押出成
形に供することが行われる。尚、ポリビニルアルコール
の射出成形は一般的には行われていない。
コール〕ポリビニルアルコールは、酢酸ビニルを重合し
た後、ケン化することにより製造されるが、重合に際し
コモノマーを併用することによって「共重合変性」ポリ
ビニルアルコールを得ることができる。また、ポリビニ
ルアルコールのOH基に他の化合物を反応させることに
より、ポリビニルアルコールを「後変性」することもで
きる。これらの変性ポリビニルアルコールは、上述の如
きポリビニルアルコールの性質を本質的に有しながら
も、導入した変性基に基づく性質が付加される。
つとして、オキシアルキレン単位を導入したビニルアル
コール系重合体が知られており、例えば次のような種々
の内外国出願がなされている。例えば、米国特許第19
71662号明細書、同第2844570号明細書、同
2990398号明細書には、ポリビニルアルコールに
エチレンオキサイドを付加反応させたオキシエチレン基
含有ポリビニルアルコールが示されている。米国特許第
3033841号明細書、同第4369281号明細書
には、ポリアルキレングリコール共存下に酢酸ビニルを
グラフト重合させた重合物をケン化したオキシアルキレ
ン基含有ポリビニルアルコールが示されている。米国特
許第4618648号明細書、同第4675360号明
細書にはビニルアルコールとポリ(アルキレンオキシ)
アクリレートとの共重合体が示されており、この共重合
体は射出成形、押出成形が可能で得られた成形物は水溶
性と柔軟性を有することも示されている。
オキシアルキレン基を含有する不飽和単量体と酢酸ビニ
ルとの共重合体をケン化した変性ポリビニルアルコール
が示されている。該公報には用途として多種のものが列
挙されており、用途の一例として成形物も挙げられてい
るが、その成形方法については開示がない。特開平1−
158016号公報には、オキシアルキレン基含有ビニ
ルアルコール系重合体フイルムからなる耐水性柔軟フイ
ルムが示されている。該公報には、「製膜は、該重合体
の水溶液を流延する方法、含水条件下に加熱押出する方
法、溶融押出する方法などが採用される。」としてある
が、実施例は全て流延法にかかるものであり、溶融押出
する方法については(含水条件下に加熱押出する方法に
ついても)、この一言の記載があるのみである。
932号公報には、オキシアルキレン基含有ビニルアル
コール共重合体を実質的に無水の条件下で溶融成形する
方法が示されている。該公報には、実質的に可塑剤を用
いないで成形すること、成形方法としては押出成形法や
射出成形法が採用できることが記載されている。
合体の成形にあたり多量の水を使用する流延法は、製膜
速度が遅いこと、乾燥工程および乾燥装置を要するこ
と、成形物の形状がフイルムに限られることなどの点で
工業的には不利である。含水状態で溶融押出する方法
も、成形後の乾燥に長時間を要するという不利がある。
そこで、実質的に水を用いることなく押出成形や射出成
形により成形する方法が望まれる。ビニルアルコール系
重合体に多量の可塑剤を配合して溶融押出する方法は、
成形時に発煙を生ずること、配合した可塑剤が経時的に
成形物表面にブリードアウトしてべたつきを生じたり、
柔軟性が変化したりすること、他の基材とラミネートす
るときに接着不良の原因となることなどの問題点があ
る。
ビニルアルコール系重合体は、特開平3−203932
号公報に示したように特定の組成のものを選択使用すれ
ば、それ自体が柔軟性を有するので、可塑剤の配合を省
略することができるという利点があるが、溶融成形性を
さらに改善することが望まれること、寒冷地における使
用では柔軟性や低温脆化防止性が不足することがあるこ
となどの解決課題を有している。本発明は、このような
背景下において、水や多価アルコール等の通常の可塑剤
を用いなくても円滑な成形加工が可能で、しかも低温脆
化防止性、柔軟性、衝撃強度等の性質およびそれらの性
質の経時安定性がすぐれたビニルアルコール系樹脂成形
物を提供することを目的とするものである。
ル系樹脂成形物は、重量平均重合度300〜2000で
かつ平均ケン化度70モル%以上のポリビニルアルコー
ル(A)と、重量平均重合度30〜2000でかつケン
化度55モル%以下のビニルアルコール系ポリマー
(B)との組成物からなり、かつポリビニルアルコール
(A)とビニルアルコール系ポリマー(B)との配合割
合が重量比で99:1〜20:80であることを特徴と
するものである。この場合、上記ポリビニルアルコール
(A)がオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール
であることが特に望ましい。以下、本発明を詳細に説明
する。
コール(酢酸ビニルのホモポリマーのケン化物)、共重
合変性ポリビニルアルコール(酢酸ビニルと他のコモノ
マー(短鎖α−オレフィン、長鎖α−オレフィン、エチ
レン性不飽和カルボン酸またはそのエステル・無水物・
塩・ニトリル・アミド、エチレン性不飽和スルホン酸ま
たはその塩、酢酸ビニル以外のビニルエステル、アルキ
ルビニルエーテル、アリルエーテル、メタアリルエーテ
ル、スチレン系モノマー、塩化ビニルなど)との共重合
体のケン化物)、後変性ポリビニルアルコール(上記ポ
リビニルアルコールや共重合変性ポリビニルアルコール
をウレタン化、エステル化、エーテル化等したもの)な
どのうち、重量平均重合度が300〜2000のものが
用いられる。酢酸ビニル単位のケン化度は70モル%以
上、殊に75モル%以上であることが望ましい。
リビニルアルコールを再アセチル化して得られたポリ酢
酸ビニルのゲルパーミュエイションクロマトグラフィ
(GPC)による測定から重量平均分子量/平均単位分
子量より求められる。測定は、 (機器) RI検出器:MODEL RI−2(日本分析工業(株)
社製) GPCカラム:KF−80M(Shodex社製) (条件) キャリヤー溶媒:テトラヒドロフラン カラム温度:35℃ なる条件で行う。
ポリビニルアルコールが特に好適である。このようなオ
キシアルキレン基含有ポリビニルアルコールは、典型的
には、酢酸ビニルと、ポリオキシエチレン(メタ)アリ
ルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエー
テルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテ
ルとを共重合し、ついでケン化することにより得られ
る。この場合、ポリオキシアルキレン(メタ)アリルエ
ーテルの共重合割合は0.1〜20モル%(殊に0.1
〜5モル%)、ポリオキシアルキレン(メタ)アリルエ
ーテルにおけるポリオキシアルキレンの付加モル数は1
〜300(殊に3〜50)、オキシアルキレン基含有ポ
リビニルアルコール全体に占めるオキシアルキレン単位
の割合が3〜40重量%であることが好ましい。このこ
とは、共重合体におけるオキシアルキレン単位の局在−
非局在の程度およびオキシアルキレン単位の長さに最適
範囲があることを示している。
ールにおける酢酸ビニル単位のケン化度は70モル%以
上、殊に80モル%以上であることが好ましい。なお、
共重合成分としてポリオキシアルキレン(メタ)アリル
エーテル以外の成分、例えばα−オレフィン(エチレ
ン、プロピレン、長鎖α−オレフィン等)、エチレン性
不飽和カルボン酸系モノマー(アクリレート、メタクリ
レート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化
ビニル、ビニルエーテル等を30モル%以下程度であれ
ば含有していてもよい。
キレン基含有ポリビニルアルコールにあっては、ポリビ
ニルアルコールの本来有する親水性、保香性、耐油性、
帯電防止性、酸素遮断性、保温性等の性質が保たれ、か
つ溶融成形性、機械的性質が保たれる。オキシアルキレ
ン基含有ポリビニルアルコールを得るときの重合方法と
しては通常溶液重合法が採用され、場合により懸濁重合
法、エマルジョン重合法などを採用することもできる。
ケン化反応としては、アルカリケン化法、酸ケン化法な
どが採用される。
ールは、上記のほか、酢酸ビニルと、ポリオキシエチレ
ン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メ
タ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリ
ルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミ
ド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド
−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエ
チレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエ
ーテルなどとを共重合し、ついでケン化することによっ
ても得ることができる。オキシアルキレン基含有ポリビ
ニルアルコールは、そのほか、ポリビニルアルコールに
対するアルキレンオキシドの反応、あるいはポリオキシ
アルキレングリコールに対する酢酸ビニルの重合および
それに引き続くケン化によっても得ることができる。
ルアルコール(酢酸ビニルのホモポリマーのケン化
物)、共重合変性ポリビニルアルコール(酢酸ビニルと
他のコモノマー(短鎖α−オレフィン、長鎖α−オレフ
ィン、エチレン性不飽和カルボン酸またはそのエステル
・無水物・塩・ニトリル・アミド、エチレン性不飽和ス
ルホン酸またはその塩、酢酸ビニル以外のビニルエステ
ル、アルキルビニルエーテル、アリルエーテル、メタア
リルエーテル、スチレン系モノマー、塩化ビニルなど)
との共重合体のケン化物)、後変性ポリビニルアルコー
ル(上記ポリビニルアルコールや共重合変性ポリビニル
アルコールをウレタン化、エステル化、エーテル化等し
たもの)などのうち、重量平均重合度が300〜200
0、好ましくは50〜600で、かつケン化度は55モ
ル%以下、好ましくは50〜3モル%以下のものが用い
られる。
(B)の重合方法は特に制限はなく、溶融重合法、懸濁
重合法、エマルジョン重合法等任意の方法が採用され、
ついで重合物を常法によりケン化することにより得られ
る。ビニルアルコール系ポリマー(B)の重量平均重合
度が30未満のものは製造が容易ではない上、成形物の
強度、耐溶剤性などの物性を下げることとなり、重量平
均重合度が2000を越えるものは溶融粘度が高く、加
工が困難であり、低温脆化防止性、柔軟性などの改良効
果が不足する。
系ポリマー(B)との配合割合は、重量比で99:1〜
20:80、好ましくは95:5〜50:50の範囲か
ら選択される。ビニルアルコール系ポリマー(B)の過
少は低温脆化防止性、柔軟性などの改良効果を欠き、ポ
リビニルアルコール(A)の過少は成形物の機械的特性
を損なう。手続法成形方法
脂組成物は、水や多価アルコール等の可塑剤を用いなく
ても円滑に溶融成形することができる。溶融成形に際し
ては、充填剤、着色剤、安定剤をはじめ、種々の添加剤
を配合することができる。また本発明の趣旨を損なわな
い範囲で他のポリマーを配合することもでき、あるいは
逆に他のポリマーに上記のビニルアルコール系樹脂組成
物を配合することもできる。溶融成形法としては、射出
成形法、押出成形法、トランスファー成形法などがあげ
られる。なお押出成形には、ブロー成形、インフレーシ
ョン成形、共押出成形、エクストルージョンコーティン
グ、溶融紡糸なども含まれる。射出条件としては、例え
ば、シリンダー温度150〜250℃程度、金型温度3
0〜100℃程度、射出圧力500〜2000kg/c
m2程度の条件が採用される。押出成形条件としては、
例えばダイ温度を150〜250℃程度に設定し、スク
リュー圧縮部温度を吐出部温度より5〜30℃高い温度
に設定して行うことが望ましい。
ル等の通常の可塑剤を用いなくても円滑な成形加工が可
能となり、しかも低温脆化防止性、柔軟性、衝撃強度等
の性質およびそれらの性質の経時安定性がすぐれたビニ
ルアルコール系樹脂成形物を得ることができる。得られ
た成形物は、水溶性を有する上、ビニルアルコール単位
に基づく保香性、耐油性、帯電防止性、酸素遮断性、保
温性等の性質も保有している。なお、成形時に架橋剤を
配合したり、得られた成形物を熱処理や架橋剤処理に供
すれば、成形物を耐水化することもできる。
レンモノアリルエーテルと酢酸ビニルとをメタノール中
でアゾビスイソブチロニトリルの存在下に共重合し、つ
いで残存モノマーを追い出した後、水酸化ナトリウムの
メタノール溶液を加えてケン化した。ケン化反応により
生じたスラリーから共重合体をろ別し、洗浄、乾燥し
て、ポリビニルアルコール(A)の一例としてのオキシ
アルキレン基含有ポリビニルアルコールを得た。このポ
リマーの重量平均重合度は630、ポリオキシエチレン
モノアリルエーテル単位の共重合割合は1.3モル%、
ポリマー全体に占めるオキシアルキレン単位の割合は
6.6重量%、酢酸ビニル成分のケン化度は94モル%
であった。またこのポリマーの4重量%濃度の水溶液の
粘度は5.8cps/20℃であった。
-4のイソプロパノール1070g、酢酸ビニルモノマー
1000gおよびアゾビスイソブチロニトリル5gを反
応容器に仕込み、温度80℃にて重合反応を開始した。
3分経過後から300g/hrの割合で9.5時間酢酸
ビニルを滴下仕込みしながら重合を行った。系の溶媒/
モノマー比は全重合期間を通じてほぼ1.07の一定値
に保たれた。最終重合率は78%、ポリ酢酸ビニルの収
率(全仕込みモノマー成分に対する生成ポリマーの割
合)は61%であった。重合反応物からイソプロパノー
ルを除去した後、メタノール溶液となし、ついで常法に
よりアルカリケン化した。これにより、ビニルアルコー
ル系ポリマー(B)の一例としてのポリビニルアルコー
ルポリマーを得た。このポリマーの重量平均重合度は3
30、酢酸ビニル単位のケン化度は50モル%であっ
た。
(オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール)85
重量部とビニルアルコール系ポリマー(B)(ポリビニ
ルアルコールオリゴマー)15重量部とをヘンシェルミ
キサーで予備混合した後、一旦押出機に供給して温度2
10℃で押出すと共にペレットを40mm径のブロー成
形機に供給して下記の条件でブロー成形し、内容量2リ
ットルの丸型ボトルを得た。なおボトルキャップについ
ては別途射出成形機により成形した。
200℃、 D2 200℃ ・スクリュー回転数 30rpm ・モーター負荷 20アンペア ・押出量 9.1kg/hr ・パリソン下降時間 約10秒 ・成形品の容量重量肉厚 容量:200ml、重量:110g、肉厚:約0.7m
m ・成形サイクル 型締め 約12秒 エアブロー 約15秒 トータル 約50秒
のようになる。 ポリマー(A) 重量平均重合度:630 ポリオキシエチレンモノアリルエーテル単位の共重合割
合:1.3モル% ポリマー全体に占めるオキシアルキレン単位の割合:
6.6重量% 酢酸ビニル成分のケン化度:94モル% 4重量%濃度の水溶液の粘度:5.8cps/20℃ ポリマー(B) 重量平均重合度:330 酢酸ビニル成分のケン化度;50モル% ポリマー(A)/ポリマー(B)の配合割合:重量比で
85/15
ポリマー(B)、更にはその配合割合を下記のように設
定したほかは実施例1を繰り返した。
70/30
合:1.6モル% ポリマー全体に占めるオキシアルキレン単位の割合:
9.6重量% 酢酸ビニル成分のケン化度:96モル% 4重量%濃度の水溶液の粘度:4.3cps/20℃ ポリマー(B) 重量平均重合度:550 酢酸ビニル成分のケン化度;45モル% ポリマー(A)/ポリマー(B)の配合割合:重量比で
90/10
合:0.6モル% ポリマー全体に占めるオキシアルキレン単位の割合:
5.1重量% 酢酸ビニル成分のケン化度:75モル% 4重量%濃度の水溶液の粘度:23.1cps/20℃ ポリマー(B) 重量平均重合度:250 酢酸ビニル成分のケン化度;40モル% ポリマー(A)/ポリマー(B)の配合割合:重量比で
40/60
合:2.0モル% ポリマー全体に占めるオキシアルキレン単位の割合:
9.6重量% 酢酸ビニル成分のケン化度:88モル% 4重量%濃度の水溶液の粘度:6.8cps/20℃ ポリマー(B) 重量平均重合度:1700 酢酸ビニル成分のケン化度;40モル% ポリマー(A)/ポリマー(B)の配合割合:重量比で
80/20
70/30
可塑剤を配合したほかは実施例1を繰り返した。
5比較例2 ポリマー(A) 比較例1と同じ 可塑剤 分子量2000のポリエチレングリコールを使用 ポリマー(A)/可塑剤の配合割合:重量比で80/2
0比較例3 ポリマー(A) 実施例1で用いたポリビニルアルコール 可塑剤 使用せず
ロー成形ボトルにつき、下記のようにして成形性および
物性を評価した。結果を後述の表1、2に示す。
0℃)を100%満たし、閉栓後、次の条件下で1週間
放置した。 (1)20℃、50%RH(環境試験室中に放置) (2)−10℃(冷凍庫中に放置) これらのオイル入りのボトル(サンプル数は10個)を
2メートルの高さから木製の床に落下させ、亀裂の有無
を判定した。判定基準は次の通りである。 ◎:亀裂の入ったボトル数 2個以下 ○:亀裂の入ったボトル数 3〜5個 ×:亀裂の入ったボトル数 6〜9個 ××:亀裂の入ったボトル数 10個 また−10℃に1ケ月放置後のボトルにつき、落下テス
トを同条件下で行い、亀裂の増加個数を求めた。判定基
準は次の通りである。 ◎:亀裂の入ったボトル数 0〜1個 ○:亀裂の入ったボトル数 2〜3個 ×:亀裂の入ったボトル数 4個以上
し、 溶融温度:200〜230℃ 射出圧力:1次 1000kg/cm2 2次 800kg/cm2 1サイクル:28秒 の条件で衝撃強度測定用のテストピースを成形し、各物
性を測定した。測定条件および低下率の算式は次の通り
である。
度)/もとの衝撃強度
機により成形し次の条件下で3日間放置した。 (1)20℃、65%RH(環境試験室中に放置) (2)−10℃(冷凍庫中に放置) これらの板状成型物の一方を万力等で固定し、他端を下
方へ曲げ柔軟性を評価した。判定基準は次の通りであ
る。 ◎:θ=45°で10分間保持しても変化なし ○:θ=45°に達するまで折れないが10分間保持す
ると亀裂が入る △:20°<θ<45°で折れる ×:θ≦20°で折れる (θは板上成型物の水平状態から下方への折り曲げ角度
を表す)
より観察した。ブリードアウト ボトルを20℃、50%RHの条件下で1週間放置し、
表面の状態を目視により観察した。
オリゴマー(B)、さらにはその配合割合を下記のよう
に設定したほかは実施例1を繰り返した。
1.3モル% 酢酸ビニル成分のケン化度:96モル% 4重量%濃度の水溶液の粘度:3.2cps/20℃ ポリマー(B) 重量平均重合度:110 酢酸ビニル成分のケン化度;50モル% ポリマー(A)/ポリマー(B)の配合割合:重量比で
97/3
合:1.3モル% 酢酸ビニル成分のケン化度:90モル% 4重量%濃度の水溶液の粘度:5.2cps/20℃ ポリマー(B) 実施例7と同じ ポリマー(A)/ポリマー(B)の配合割合:重量比で
95/5
1.0モル% 酢酸ビニル成分のケン化度:87モル% 4重量%濃度の水溶液の粘度:9.8cps/20℃ ポリマー(B) 重量平均重合度:120 酢酸ビニル成分のケン化度;35モル% ポリマー(A)/ポリマー(B)の配合割合:65/3
5
60/40
50/50
1の場合と同様にして成形性および物性を評価した。結
果を表3、4に示す。
の通常の可塑剤を用いなくても円滑な成形加工が可能で
ある。そして得られたビニルアルコール系樹脂成形物
は、低温脆化防止性、柔軟性、衝撃強度がすぐれてお
り、しかもこれらの性質の経時安定性もすぐれている。
またこの成形物は、親水性を有する上、ビニルアルコー
ル単位に基づく保香性、耐油性、帯電防止性、酸素遮断
性、保温性などの性質も保有している。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量平均重合度300〜2000でかつ
平均ケン化度70モル%以上のポリビニルアルコール
(A)と、重量平均重合度30〜2000でかつケン化
度55モル%以下のビニルアルコール系ポリマー(B)
との組成物からなり、かつポリビニルアルコール(A)
とビニルアルコール系ポリマー(B)との配合割合が重
量比で99:1〜20:80であるビニルアルコール系
樹脂成形物。 - 【請求項2】 ポリビニルアルコール(A)が、オキシ
アルキレン基含有ポリビニルアルコールである請求項1
記載のビニルアルコール系樹脂成形物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30481792A JP3406004B2 (ja) | 1992-10-16 | 1992-10-16 | ビニルアルコール系樹脂成形物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30481792A JP3406004B2 (ja) | 1992-10-16 | 1992-10-16 | ビニルアルコール系樹脂成形物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06128441A JPH06128441A (ja) | 1994-05-10 |
JP3406004B2 true JP3406004B2 (ja) | 2003-05-12 |
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ID=17937612
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP30481792A Expired - Fee Related JP3406004B2 (ja) | 1992-10-16 | 1992-10-16 | ビニルアルコール系樹脂成形物 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3406004B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6253389B2 (ja) * | 2013-12-17 | 2017-12-27 | 日本合成化学工業株式会社 | 成形品及びその製造方法 |
-
1992
- 1992-10-16 JP JP30481792A patent/JP3406004B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06128441A (ja) | 1994-05-10 |
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