JP3402575B2 - ヒンジ継手における昇降開閉体の自立状態保持装置 - Google Patents

ヒンジ継手における昇降開閉体の自立状態保持装置

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JP3402575B2
JP3402575B2 JP32949497A JP32949497A JP3402575B2 JP 3402575 B2 JP3402575 B2 JP 3402575B2 JP 32949497 A JP32949497 A JP 32949497A JP 32949497 A JP32949497 A JP 32949497A JP 3402575 B2 JP3402575 B2 JP 3402575B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回動により上下方
向へ開閉自在なフラップ扉とか、便座や便蓋などの昇降
開閉体用であるヒンジ継手に関し、特に当該ヒンジ継手
における昇降開閉体の自立状態から、閉成外力によって
不本意に閉動してしまうことなく、可成りの外力を受け
ることによって、はじめて閉成し得るようにした自立状
態保持装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】既知の通り図5に示す如き便器aには、
便座bの基端部がヒンジ継手cを介して取着されてお
り、当該図示例ではヒンジ継手cの軸杆体c1と筒体c
2とを、夫々便座bと便器aとに固設するようにし
当該便座b実線で示す水平な使用状態P1から、仮想
線で示す起立状態P2までの開閉角度αをもって回動自
在となるよう構成されている。
【0003】この種の便器aでは、便座bを起立状態P
2に保持しておく必要があり、しかも当該便座bに不本
意な閉成外力Fが作用してしまった際、これが閉動して
使用状態P1まで閉成してしまっては不都合であること
から、比較的小さな閉成外力Fでは閉動が開始されず、
可成りの手動力をもって閉動操作を加えない限り、便座
bは当該起立状態P2に保持されることが要求される。
【0004】このため、一般的に広く実施されている手
段としては、上記の如く便座bに閉成外力が付加されて
軸杆体c1が回動することで、カム機構が作動してスプ
リングが圧縮され、これにより生じたカム力により当該
カム機構を構成する一部材を他部材に押圧させること
で、便座bの閉成外力に対し可成り大きな制動力が発揮
されるようにして、便座の不本意な閉動を阻止できる
ようにしている。
【0005】しかし、上記のスプリングによるカム力の
発生機構によるときは、スプリングを用いるためこれを
セットするのに可成りのスペースが占有されることか
ら、ヒンジ継手全体小形化することができず、当該カ
ム力はスプリングの圧縮による復原力のみに依存するこ
とから、大きなカム力が必要な場合はどうしても相
なスペースが要求されることなる。
【0006】また、これとは別に図6に示す通り、筒体
c2に内嵌の軸杆体c1には合成樹脂等によるラチェッ
ト板dを被嵌固設し、このラチェット板dのラチェット
d1、d2と、筒体c2の内面に形成したカム凸部e
1、e2とによりカム機構を構成するだけでなく、当該
ラチェット板dには切欠空所d3、d4を設けるように
したものも、特開平8−303514号などによって図
示例と同旨の構成が既知となっている。
【0007】上記の如くラチェット板dを設けるように
したものにあっては、前記のスプリングを採用したもの
に比し、その占有スペースを削減すること可能とな
る。そして、この場合にあっても軸杆体c1の回動に際
して、ラチェット板dのラチェットd1、d2が、カム
凸部e1、e2に押当して、その回動が制動され、これ
によって便座bの自立状態から、不本意に当該便座bが
閉動してしまうことを抑制することができ、便座bの自
立状態が保持されるのであるが、これについても以下の
如き問題点が残される。
【0008】すなわち、合成樹脂等により形成のラチェ
ット板dとしては、可成りの大きさをもった肉厚部分を
保有していることから、それ自体の材料費が嵩むだけで
なく、切欠空所d3、d4が切設されているので使用中
に変形が生じ易く、従って長期にわたる信頼性を確保し
難い欠陥を有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の各従
例が有する欠陥に鑑み検討されたもので、請求項1では
前掲カム力の発生源としてOリングなどによる弾性リン
グの圧潰に基づく復原弾力を活用し得る構成を採択した
もので、当該復原弾力を利用することで便座等の昇降開
閉体に対する閉成外力に抗して、不本意動を阻止可
能とし、これにより極めて小さなスペースの占有で済む
ようにして、ヒンジ継ぎ手の小形化を可能するのが第
1の目的である。そして、さらに上記の圧潰された弾性
リングと、これに接する摺接面部間にあって可成りの摩
擦抵抗力を発生させ、これを当該昇降開閉体の不本意な
閉動に対する制動力として参画させることにより、効率
的で信頼性の高い自立状態の保持を可能にしようとする
のが第2の目的である。
【0010】請求項2にあっては請求項1の目的を達成
するため、便器等の取付体か便座等の昇降開閉体の何れ
かに対して連設される筒体と軸杆体とを具備させると共
に、軸杆体と共転自在な軸受筒、軸受筒に共転自在で軸
線方向へ摺動自在な第1移動押圧環体を設け、筒体の固
定カムと、第1移動押圧環体の移動カムとを噛合自在と
しておき、さらに筒体と軸受筒と第1移動押圧環体とに
より囲成された環状空所に弾性リングを内装するよう構
成するのである。
【0011】そして、上記構成により筒体を回動させる
か、軸杆体と軸受筒と第1移動押圧環体とを一体的に回
動させるかすることで、昇降開閉体の立装状態では筒体
の固定カムと第1移動押圧環体の移動カムとが噛合され
ているが、昇降開閉体に閉成外力が作用すると、固定カ
ムに形成の筒体凸部と移動カムの第1カム凸部とが重積
状態となり、これにより第1移動押圧環体が軸線方向へ
摺動して環状空所内の弾性リングを圧潰する。かくし
て、圧潰された弾性リングの復原弾力がカム力として作
用すると共に、圧潰された弾性リングと筒体の内壁
か、当該弾性リングと第1移動押圧環体間または同弾性
リングと軸受筒の何れかである摺接面部間における
擦抵抗力とにより、閉成外力に対する必要な制動力を発
揮させ得るようにしている。
【0012】請求項3では同じく請求項1の目的を達成
するため、その構成部材としては筒体、軸杆体、軸受筒
そして第2移動押圧環体を用い、この際軸杆体と軸受筒
とが共転し、第2移動押圧環体は軸受筒に対して軸線方
向へ移動可能としてある。さらに、固定カムは軸受筒に
形成し、移動カムは第2移動押圧環体に設けられ、かつ
筒体と軸杆体と軸受および第2移動押圧環体で囲成の
環状空所に、弾性リングが収納されている。
【0013】そして、上記の構成により筒体と第2移動
押圧環体か、軸杆体と軸受筒とを一体的に回動させるこ
とで、請求項2の場合と同様にして、昇降開閉体の立装
状態では軸受体の固定カムと第2移動押圧環体の移動カ
ムとが噛合されているが、昇降開閉体に閉成外力が作用
すると固定カムに形成の軸受筒凸部と移動カムの第2カ
ム凸部とが重積状態となって、第2移動押圧環体が軸線
方向へ摺動することになり、この結果環状空所内の弾性
リングが圧潰される。かくして、圧潰された弾性リング
の復原弾力がカム力として作用すると共に、圧潰された
弾性リングと、筒体の内壁および第2移動押圧環体か、
軸受体および軸杆体の何れかである摺接面部間における
摩擦抵抗力とにより、閉成外力に対しての必要なる制動
力が発揮されるようにしている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため請求項1にあっては、取付体に固設か昇降開
閉体の回転が伝達される筒体と、これとは逆に当該昇降
開閉体の回転が伝達されるか取付体に固設される軸杆体
とを具備し、前記昇降開閉体の立装状態では、筒体と軸
杆体との間に嵌装されて軸線方向へ不動な固定カムと
軸線方向へ移動可能な移動カムとが噛合された状態に
あり、筒体と軸杆体との相対的な回動によって、当該昇
降開閉体に閉成外力が作用することにより、上記固定カ
に対して移動カムが重積状態となって行くことで移
カムが軸線方向へ押動され、これによって弾性リングを
筒体と軸杆体との間に周設された所定の環状空所内で圧
潰自在とし、当該圧潰により蓄勢される復原弾力と、
当該弾性リングと環状空所における摺接面部間にあって
生ずる摩擦抵抗力とによって、前記閉成外力に対する所
要の制動力が発揮されるようにしたことを特徴とするヒ
ンジ継手における昇降開閉体の自立状態保持装置を提供
しようとしている。
【0015】さらに、請求項2にあっては、取付体に固
設か昇降開閉体の回転が伝達される筒体と、これとは逆
に当該昇降開閉体の回転が伝達されるか取付体に固設さ
れる軸杆体とを具備し、筒体には軸杆体が回転自在なる
よう内嵌されると共に、この軸杆体に共転可能なるよう
被嵌した軸受筒は、軸杆体に対して軸線方向への移動が
阻止され、上記筒体の内壁から突設の内側突周部には、
その一側面にあって周方向への筒体凸部と筒体凹部とか
らなる固定カムを形成し、この軸受筒に被嵌されて軸線
方向へ移動自在であり、かつ軸受筒と共転する第1移動
押圧環体には、上記固定カムと相対向して周方向へ第1
カム凹部と第1カム凸部とからなる移動カムを形成し、
上記第1移動押圧環体における移動カムの反対側に形成
された第1移動押圧環体側面と、前記軸受筒に形成した
外周面および上記第1移動押圧環体側面と対向する受承
周側面と、筒体の内壁とによって囲成される環状空所に
は弾性リングを嵌装し、前記昇降開閉体の立装状態で
は、筒体の固定カムと第1移動押圧環体の移動カムとが
噛合され、当該昇降開閉体に閉成外力が作用することに
より、上記固定カムの筒体凸部と移動カムの第1カム凸
部とが重積状態になって行くことで、前記第1移動押圧
環体が軸線方向へ摺動し、これにより環状空所の弾性リ
ングが圧潰自在とし、当該圧潰による復原弾力と、当
該弾性リングと環状空所における摺接面部間にあって生
ずる摩擦抵抗力とによって、前記閉成外力に対する所要
の制動力が発揮されるようにしたことを特徴とするヒン
ジ継手における昇降開閉体の自立状態保持装置を提供し
ようとしている。
【0016】そして、請求項3では、取付体に固設か昇
降開閉体の回転が伝達される筒体と、これとは逆に当該
昇降開閉体の回転が伝達されるか取付体に固設される
杆体とを具備し、筒体には軸杆体が回転自在なるよう内
嵌されると共に、この軸杆体に共転可能なるよう被嵌し
た軸受筒は、軸杆体に対して軸線方向への移動が阻止さ
れ、この軸受筒には軸線方向へ移動自在にして、前記筒
体と共転自在とした第2移動押圧環体を被嵌し、この第
2移動押圧環体の一側面にあって、周方向へ第2カム凹
部と第2カム凸部とからなる移動カムを形成し、前記軸
受筒には、上記移動カムに相対向して周方向へ軸受筒凹
部と軸受筒凸部とからなる固定カムを形成し、当該第2
移動押圧環体の移動カムと反対側に形成された第2移動
押圧環体側面と、前記軸受筒に形成した外周面と、前記
軸杆体にあって上記第2移動押圧環体側面と相対向する
よう形成の受承周側壁と、筒体の内壁とにより囲成され
る環状空所には弾性リングを嵌装し、前記昇降開成体の
立装状態では、軸受筒の固定カムと第2移動押圧環体の
移動カムとが噛合され、当該昇降開閉体に閉成外力が作
用することにより、上記固定カムの軸受筒凸部と移動カ
ムの第2カム凸部とが重積状態になって行くことで、前
記第2移動押圧環体が軸線方向へ摺動し、これにより環
状空所の弾性リングが圧潰自在とし、当該圧潰による
復原弾力と、当該弾性リングと環状空所における摺接面
部間にあって生ずる摩擦抵抗力とによって、前記閉成外
力に対する所要の制動力が発揮されるようにしたことを
特徴とするヒンジ継手における昇降開閉体の自立状態保
持装置を提供しようとしている。
【0017】
【発明の実施の形態】請求項1に係るヒンジ継手におけ
る昇降開閉体の自立状態保持装置につき、請求項2に係
る図1ないし図3に示した一実施態様と、請求項3に係
る図4に示した一実施態様を参照して以下詳記する。図
1、図4に示されたヒンジ継手1は、筒体2とこれに回
動自在なるよう内嵌の軸杆体3とを具備し、そして筒体
2を前掲便器a等である取付体4に固設すれば、軸杆体
3には前記便座bなどの昇降開閉体5連結し、逆に筒
体2に昇降開閉体5を連結すれば、軸杆3には取付体を
固設することになる。そして請求項1では、筒体2と軸
杆体との相対的な回動によって、昇降開閉体5が立装
状態にあるとき、軸線方向Xへ不動の状態となっている
固定カム6と、軸線方向Xへ移動可能となっている移動
カム7とは、後に詳記する夫々の凸部と凹部とが噛み合
わせの状態となっているのであり、この状態より昇降開
閉体5から筒体2か軸杆体3に対して、図5により説示
した如く閉成外力Fを付加させて行くことで、上記固定
カム6の凸部と移動カム7の凸部とが重積状態となって
行き、このことで、当該移動カム7が図示例では右方で
ある軸線方向Xへ押動されるよう構成されている。
【0018】そして、この際本発明では環状空所8が内
設されていると共に、これには断面が円形のOリングと
か、その他断面が四角形、楕円、三角形など適宜な形状
を有し、ゴムや合成樹脂等により形成された弾性リング
9が嵌装されていて、前記の如く移動カム7が図1にあ
って右方へ押動されることで、環状空所8の内容積が低
減して行くことから、当該弾性リング9は押し潰されて
次第に圧縮に伴う復原弾力が蓄勢されるよう構成されて
いる。
【0019】この結果、本発明では閉成外力に対し
て、上記の如くスペース占有率の小さな弾性リング9に
よる復原弾力によって、固定カム6の凸部と移動カム7
の凸部が次第に大きなカム力で圧接されて行くこととな
り、不本意な昇降開閉体の閉動に対し制動力を発揮す
るだけでなく、圧潰された当該弾性リング9は、環状空
所8の内周全面と強く圧接することになることから、当
該弾性リング9と圧接状態で摺動することとなる摺動面
部8aとの間にあって、大きな摩擦抵抗力が発生し、こ
れが前記の復原弾力に基づくカム力に加算されることに
なる。この結果、昇降開閉体の不本意な閉動に対して
信頼性の高い制動力を発揮させることとなる。
【0020】上記請求項1に係る自立状態保持装置を円
滑に稼動させるため、請求項2にあっては、図1ないし
図3に示す以下の如き各種部材からなる構成を具備させ
るようにしている。すなわち、まず請求項1につき前記
の如選択的に取付体4に対して固設されるか、昇降開
閉体5の回転が伝達されることとなる筒体2と軸杆体3
の二部材を具備していると共に当該筒体2には軸杆体
3が回転自在なるよう内嵌されている。
【0021】そして、上記軸杆体3には、一緒に回動
(共転)自在なるよう軸受筒10が被嵌されると共に、
この軸受筒10は軸線方向Xへの移動が阻止されてい
のであり、このため図1に例示のものは軸受筒10の左
端側が、軸杆体3の図示しない当接部分に係当され、右
端側は図示の如く軸杆体3に螺着した止めナット3aに
より止着されている。ここで図1では筒体2にあって昇
降開閉体5が自立保持状態を経て、さらに閉動して行っ
た場合、当該昇降開閉体5の閉動が緩徐に行われるよう
に既知の回転ダンパー11が内設され、これには制動力
を発揮させるため粘性流体が収納されることとなるの
で、当該粘性流体の漏出を防止するための止液用Oリン
グ11a、11bが、夫々筒体2と軸杆体3との間と、
軸受筒10と軸杆体3との間に嵌装されている。
【0022】さらに、上記筒体2の内壁2aからは内側
突周部2bが突設されていて、その一側面に請求項1に
あって説示した固定カム6が形成されているが、図示の
固定カム6は、図1と図2(A)によって理解される通
り、筒体凸部6Aと筒体凹部6Bとが、周方向にあって
交互に3個宛連設されたものであり、図2(A)にあっ
て6aは筒体凸部6Aの高所を、その両側の6bが筒体
凸部6Aの低所を夫々示している。
【0023】また、上記の軸受筒10前記の如く軸杆
体3と共転可能とするため、図1と図3の実施例にあっ
ては、軸杆体3の外面に軸線方向Xへの係嵌凸条3bを
突設し、これを、軸受筒10の内面に刻設した係嵌溝条
10aに係嵌させるようにしている。そして当該軸受筒
10には軸線方向Xへ移動自在にして、しかも、この軸
受筒10と共転する第1移動押圧環体12が被嵌されて
いる。このため図示例では図2(B)(C)と図3によ
り理解される通り、第1移動押圧環体12の内周面に、
スライド突起12aを3個だけ離間して突設し、これが
軸受筒10の小径端部10bと同一面となるように、中
径部10cにあって欠設のスライド溝条10dが具備さ
れ、さらに中径部10cに連結して筒体の内壁2aと
摺接する大径基部10eが設けられ、ここで図1と図3
の軸受筒10は、その形状が相違している。
【0024】さらに、請求項1にあって説示した移動カ
ム7は、上記の第1移動押圧環体12における前記固定
カム6と相対向する一側面に形成されている。すなわ
ち、周方向へ各三個の第1カム凹部7Aと第1カム凸部
7Bとが交互に形成され、図中第1カム凸部7Bは図2
(C)に明示の如く凸高所7aと、その両側に形成され
た下降低所7bとによって形成されている。
【0025】次に請求項1において説示した弾性リング
9を収納すべき環状空所8なるものは、請求項2では図
1に明示の通り上記した移動カム7の反対側に形成され
た第1移動押圧環体側面12bと、前記の軸受筒10に
形成した図示例では前記中径部10cの外周面10f、
そして第1移動押圧環体側面12bと対向する受承周側
面10gと、筒体2の内壁2aとによって囲成されるよ
うにして形成されており、このような各部材により囲ま
れた環状空所8に、弾性リング9を嵌挿するようにして
ある。
【0026】従って、請求項1により説示した内容と同
様にして、前記した昇降開閉体5の立装状態では、上記
した筒体2の固定カム6と第1移動押圧環体12の移動
カム7とが噛合、すなわち固定カム6の筒体凹部6B
と、移動カム7の第1カム凸部7Bとが噛み合うことと
なり、次いで昇降開閉体5に閉成外力が作用することに
よって、筒体1か軸杆体3の何れかが回動し、第1移動
押圧環体12が軸線方向X、すなわち図1にあって右方
へ摺動する。
【0027】この結果、摺動した第1移動押圧環体12
によって環状空所8の弾性リング9が圧潰されることと
なるから、当該弾性リング9の圧潰による復原弾力は、
筒体凹部6Aの高所6aが相対的に、第1カム凸部7B
の下降低所7bから、凸高所7aに向かって摺動するこ
とにより増大して行き、昇降開閉体5の閉動に対して制
動力が漸増して行くことになる。しかも、当該復原弾力
に基づくカム力のみでなく、圧潰された弾性リング9は
環状空所8内にあって、その全内周面を押圧することと
なるため、昇降開閉体5の閉成外力が、筒体2か軸杆体
3に回転力として印加されることにより、圧潰された弾
性リング9と筒体2の内壁2aか、第1移動押圧環体1
2の第1移動押圧環体側面12bと、軸受筒10におけ
る外周面10fおよび受承周側面10gの三面である摺
接面部8a間にあって生ずる摩擦抵抗力も、前記カム力
としての制動力として加算され、このため昇降開閉体5
の閉成外力に対して、必要である充分な阻止力が発揮さ
れ、当該昇降開閉体5の自立状態保持の目的を達成し得
ることになる。
【0028】次に請求項3につき、以下図4を参照して
説示すると上記請求項2にあっては筒体2に対して、軸
杆体3とこれに係嵌された軸受体10と、さらに当該軸
受体10に摺動自在なるよう係嵌された第1移動押圧環
体12とが一体となって、相対的に回動自在なるよう構
成されているのに対し、後に詳記する通り、筒体2とこ
れに摺動自在なるよう係嵌された第2移動押圧環体13
とが一体に回動可能であると共に、軸杆体3とこれに係
嵌された軸受筒10とが、これまた一体として相対的に
回動自在なるよう構成されている点で相違している。
【0029】そして、さらに請求項2では固定カム6と
移動カム7とが、夫々筒体1と第1移動押圧環体12と
に設けられているのに対し、請求項3にあっては、固定
カム6が軸受筒10に形成され、そして移動カム7は第
2移動押圧環体13に形成されている。
【0030】以下請求項3の構成について、請求項2の
場合と相違しているところにつき詳記すると、前同軸受
筒10には軸線方向Xへ移動自在として、前記筒体2と
共転可能とした第2移動押圧環体13が被嵌されてお
り、この第2移動押圧環体13の一側面にあって周方向
へ第2カム凹部7と第2カム凸部7Dとからなる移動
カム7が形成されており、当該移動カム7は、前記図2
(B)に示した第1カム凹部7Aと第1カム凸部7Bと
に相対応して、略同様の形状に形成されている。ここ
で、上記した第2移動押圧環体13を軸線方向へ移動可
能とするため図4にあって第2移動押圧環体13の外周
側に摺動突周縁13aを突設し、これを筒体2の内壁2
aにあって、軸線方向Xへ穿設した係嵌筒体溝条2cに
係嵌するよう構成されている。
【0031】また、上記の軸受筒10に対して、上記し
た移動カム7と相対向して周方向へ軸受筒凸部6Cと軸
受筒凹部6Dとからなる固定カム6が設けられているの
であり、当該固定カム6は、前記図2(A)に示した筒
状凸部6Aと筒状凹部6Bとに相対応して、略同様の形
状となるよう形成されている。そして、弾性リング9を
嵌装してある環状空所8は、上記した第2移動押圧環体
13の移動カム7と反対側に形成された第2移動押圧
環体側面13bと、前記軸受筒10に形成された外周面
10fと、前記軸杆3にあって上記第2移動押圧環体
側面13bに対向するよう形成された受承周側壁3c
と、筒体2の内壁2aとにより囲成されるようになって
いる。
【0032】従って、請求項2と同様に昇降開閉体5の
立装状態では、軸受筒10の固定カム6と第2移動押圧
環体13の移動カム7とが噛合状態にあり、この昇降開
閉体5に閉成外力が作用することにより、当該固定カム
6の軸受筒凸部6Cと、移動カム7の第2カム凸部7D
とが重積状態になって行くことで、第2移動押圧環体1
3が軸線方向Xへ摺動する。これにより、環状空所8が
圧潰されることとなり、この結果当該圧潰による復原弾
力と、弾性リング9と環状空所8における摺接面部8a
間にあって生ずる摩擦抵抗力とによって、前記の閉成外
力に対する所要の制動力が発揮されることになる。
【0033】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているも
のであるから、請求項1によるときは、昇降開閉体を自
立状態に保持するため、カムの噛み合わせにより発生す
るカム力をスプリングへの押圧力に求めたり、ラチェッ
ト板の変形による復原力に求めることなく、弾性リング
への押圧力に基づく復原弾力によって賄うようにしたの
で、上記の従来例に比し大幅に復原弾力源を小型化で
き、従って便座、便蓋などのヒンジ継手を可成り小さく
仕上げることができる。しかも、弾性リングの復原弾力
を有効に利用するだけでなく、同時に圧潰された弾性リ
ングと環状空所における摺接面部間にあって生ずる摩擦
抵抗力をも、上記の復原弾力に対し加算的に活用できる
ので、閉成外力に対する充分な制動力を発揮でき、昇降
開閉体が自立状態から不本意に閉動してしまうことを、
高い信頼性をもって阻止することができる。
【0034】さらに、請求項2によるときは筒体に対し
て、軸杆体と軸受と第1移動用押圧環体とを相対的に
回転自在とし、しかも環状空所の弾性リングを、筒体の
固定カムと第1移動用押圧環体の移動カムとによって、
当該第1移動用押圧環体を摺動させることにより圧潰自
在としたので、弾性リングの円滑なる圧縮作用を保証で
き、これにより請求項1につき既述した効果を高い信頼
性をもって発揮させることができる。
【0035】そして請求項3の場合にあっては、筒体と
第2移動押圧環体とを共転可能に構成し、これに対して
軸杆体と軸受筒とを共転するよう構成し、かつ、軸受筒
に対して第2移動押圧環体を摺動自在となし、軸受筒に
固定カムを、そして第2移動押圧環体に移動カムを設け
るようにしたので、環状空所の弾性リングを、第2移動
押圧環体の摺動によって圧潰可能とし、これによる制動
力と摩擦抵抗力により昇降開閉体の不本意な閉倒を阻止
でき、よって、これまた請求項1による効果を充分にし
て、かつ円滑に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項2に係るヒンジ継手における昇
降開閉体の自立保持装置を示す一部切欠の要部正面説明
図である。
【図2】(A)は図1のA−A線矢視縦断側面図、
(B)は同図B−B線矢視縦断側面図、(C)は図2
(B)のC−C線矢視図である。
【図3】図1による前同自立保持装置の構成部材にあっ
て、その一部を示した分解斜視図である。
【図4】(A)は本発明の請求項3に係る前掲自立保持
装置を示した一部切欠の要部半截断面図で、(B)は同
図(A)のB−B線矢視縦断側面図である。
【図5】従来の便器における便座の自立状態保持機構を
示した側面略示説明図である。
【図6】従来の便座である昇降開閉体用のヒンジ継手を
示し、(A)はその筒体、(B)は当該筒体に内嵌され
る軸杆体の夫々斜視図であり、(C)は当該内嵌状態に
おける横断平面図である。
【符号の説明】
1 ヒンジ継手 2 筒体 2a 筒体の内壁 2b 内側突周部 3 軸杆体3c 受承周側壁 4 取付体 5 昇降開閉体 6 固定カム 6A 筒体凸部 6B 筒体凹部 6C 軸受筒凸部 6D 軸受筒凹部 7 移動カム 7A 第1カム凹部 7B 第1カム凸部 7C 第2カム凹部 7D 第2カム凸部 8 環状空所 8a 摺接面部 9 弾性リング 10 軸受筒 10f 外周面 10g 受承周側面 12 第1移動押圧環体 12b 第1移動押圧環体側面 13 第2移動押圧環体 13b 第2移動押圧環体側面 F 閉成外力 X 軸線方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−331895(JP,A) 実開 平3−147993(JP,U) 実開 昭60−56395(JP,U) 実開 平7−6539(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05D 7/086 E05D 11/10 A47K 13/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取付体に固設か昇降開閉体の回転が伝達
    される筒体と、これとは逆に当該昇降開閉体の回転が伝
    達されるか取付体に固設される軸杆体とを具備し、前
    昇降開閉体の立装状態では、筒体と軸杆体との間に嵌装
    されて軸線方向へ不動な固定カムと当該軸線方向へ移動
    可能な移動カムとが噛合された状態にあり、筒体と軸杆
    体との相対的な回動によって、当該昇降開閉体に閉成外
    力が作用することにより、上記固定カムに対して移動カ
    ムが重積状態となって行くことで移動カムが軸線方向へ
    押動され、これによって弾性リングを筒体と軸杆体との
    間に周設された所定の環状空所内で圧潰自在とし、当
    該圧潰により蓄勢される復原弾力と、当該弾性リングと
    環状空所における摺接面部間にあって生ずる摩擦抵抗力
    とによって、前記閉成外力に対する所要の制動力が発揮
    されるようにしたことを特徴とするヒンジ継手における
    昇降開閉体の自立状態保持装置。
  2. 【請求項2】 取付体に固設か昇降開閉体の回転が伝達
    される筒体と、これとは逆に当該昇降開閉体の回転が伝
    達されるか取付体に固設される軸杆体とを具備し、筒体
    には軸杆体が回転自在なるよう内嵌されると共に、この
    軸杆体に共転可能なるよう被嵌した軸受筒は、軸杆体に
    対して軸線方向への移動が阻止され、上記筒体の内壁か
    ら突設の内側突周部には、その一側面にあって周方向へ
    の筒体凸部と筒体凹部とからなる固定カムを形成し、こ
    の軸受筒に被嵌されて軸線方向へ移動自在であり、かつ
    軸受筒と共転する第1移動押圧環体には、上記固定カム
    と相対向して周方向へ第1カム凹部と第1カム凸部とか
    らなる移動カムを形成し、上記第1移動押圧環体におけ
    る移動カムの反対側に形成された第1移動押圧環体側面
    と、前記軸受筒に形成した外周面および上記第1移動押
    圧環体側面と対向する受承周側面と、筒体の内壁とによ
    って囲成される環状空所には弾性リングを嵌装し、前記
    昇降開閉体の立装状態では、筒体の固定カムと第1移動
    押圧環体の移動カムとが噛合され、当該昇降開閉体に閉
    成外力が作用することにより、上記固定カムの筒体凸部
    と移動カムの第1カム凸部とが重積状態になって行くこ
    とで、前記第1移動押圧環体が軸線方向へ摺動し、これ
    により環状空所の弾性リングが圧潰自在とし、当該圧
    潰による復原弾力と、当該弾性リングと環状空所におけ
    る摺接面部間にあって生ずる摩擦抵抗力とによって、前
    記閉成外力に対する所要の制動力が発揮されるようにし
    たことを特徴とするヒンジ継手における昇降開閉体の自
    立状態保持装置。
  3. 【請求項3】 取付体に固設か昇降開閉体の回転が伝達
    される筒体と、これとは逆に当該昇降開閉体の回転が伝
    達されるか取付体に固設される軸杆体とを具備し、筒体
    には軸杆体が回転自在なるよう内嵌されると共に、この
    軸杆体に共転可能なるよう被嵌した軸受筒は、軸杆体に
    対して軸線方向への移動が阻止され、この軸受筒には軸
    線方向へ移動自在にして、前記筒体と共転自在とした第
    2移動押圧環体を被嵌し、この第2移動押圧環体の一側
    面にあって、周方向へ第2カム凹部と第2カム凸部とか
    らなる移動カムを形成し、前記軸受筒には、上記移動カ
    ムに相対向して周方向へ軸受筒凹部と軸受筒凸部とから
    なる固定カムを形成し、当該第2移動押圧環体の移動カ
    ムと反対側に形成された第2移動押圧環体側面と、前記
    軸受筒に形成した外周面と、前記軸杆体にあって上記第
    2移動押圧環体側面と相対向するよう形成の受承周側壁
    と、筒体の内壁とにより囲成される環状空所には弾性リ
    ングを嵌装し、前記昇降開成体の立装状態では、軸受筒
    の固定カムと第2移動押圧環体の移動カムとが噛合さ
    れ、当該昇降開閉体に閉成外力が作用することにより、
    上記固定カムの軸受筒凸部と移動カムの第2カム凸部と
    が重積状態になって行くことで、前記第2移動押圧環体
    が軸線方向へ摺動し、これにより環状空所の弾性リング
    が圧潰自在とし、当該圧潰による復原弾力と、当該弾
    性リングと環状空所における摺接面部間にあって生ずる
    摩擦抵抗力とによって、前記閉成外力に対する所要の制
    動力が発揮されるようにしたことを特徴とするヒンジ継
    手における昇降開閉体の自立状態保持装置。
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