JP3394376B2 - ガス燃焼器 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、正特性サーミスタ
により過熱を検知してガス供給を遮断する電磁式安全弁
を備えたガス燃焼器に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来よりガステーブルこんろには、天ぷ
ら火災防止用の安全装置を設けたものが知られている。
例えば特開平６−２６６５３号公報には、図３に示すよ
うに、燃焼用のバーナ３８の燃焼を利用し熱起電力を発
生する熱電対３３と、電磁式安全弁３２の励磁コイル３
２ａと、鍋底に当接して温度上昇と共に抵抗値が増大す
る正特性サーミスタ３１とを直列に接続したガステーブ
ルこんろ３のガス制御回路３０が開示されている。これ
は、通常は熱電対３３の熱起電力によって電磁式安全弁
３２が開弁保持されるが、鍋底が過熱されて設定温度に
達した時には、正特性サーミスタ３１の抵抗値が急激に
増大して通電電流が減少し、電磁式安全弁３２を閉弁さ
せるものである。あるいは、別のタイプでは、図４に示
すように鍋底温度を判定する制御回路を備えたガステー
ブルこんろ４も知られている。このタイプは、燃焼用の
バーナ４８と、その燃焼熱を利用し熱起電力を発生する
熱電対４３と、電磁式安全弁４２と、負特性サーミスタ
４１と、制御回路４０と、電池４５とを備える。制御回
路４０は、熱電対４３の熱起電力を検出して電磁式安全
弁１２を開弁保持し、鍋底が過熱されて設定温度に達し
た時には、負特性サーミスタ４１の抵抗値が所定値以下
に減少するのを検知し電磁式安全弁４２の通電を停止さ
せて閉弁させる。制御回路４０及び電磁式安全弁１２で
消費される電力は電池４５より供給される。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先の正
特性サーミスタ３１を用いたガステーブルこんろ３で
は、正特性サーミスタ３１が短絡故障すると、当然なが
ら、正常に機能しない。つまり、ガステーブルこんろ３
では、鍋底が過熱されても、正特性サーミスタ３１の抵
抗値が０のまま変化しないので、いつまでも電磁式安全
弁３２が閉弁することなくそのまま燃焼を続け、鍋底は
どんどん温度が上昇して危険な状態になってしまう。こ
のままでは短絡検知はできないので、短絡を検知するた
めに電流ヒューズ３６をこの制御回路３０に直列に設け
ることも考えられるが、単に電流ヒューズ３６を設けた
だけのものでは、正特性サーミスタ３１が短絡故障して
も、電流ヒューズ３６を溶断させることがむずかしい。
これは、熱起電力が不足していると、正特性サーミスタ
３１の抵抗値が短絡故障により０になっても、電磁式安
全弁３２の励磁コイル３２ａおよび電流ヒューズ３６の
抵抗により、電流ヒューズ３６の溶断電流に達しないか
らである。熱電対３３の数を増加させる（例えば熱電対
集積体を使用する）等によって発生する熱起電力を上昇
させ確実に電流ヒューズ３６を溶断させることは、コス
トが高くなるとともに熱電対３３の抵抗自身も増大して
しまう。また、熱起電力を上昇させないで、電流ヒュー
ズ３６へ流れる電流を大きくするため励磁コイル３２ａ
および熱電対３３の抵抗を小さくしようとしても、おの
ずと限界がある。小電流で溶断する電流ヒューズ３６を
使用することにおいても、コストが高くなったり、短絡
故障時以外でも誤って溶断してしまう恐れがある。いっ
ぽう、ガステーブルこんろ４では、短絡故障を検知する
ために負特性サーミスタ４１の両端電圧を監視する検知
部４０ａを制御回路４０に設け、負特性サーミスタ４１
短絡故障時には短絡を報知したり電磁式安全弁４２を開
弁しないようにする。しかしながら、電源として電池４
５を用いているため、電池４５が消耗すれば、その都度
交換する必要があり使い勝手がよくない。また、検知部
４０ａを設けることにより、構成が複雑になる。本発明
は上記課題を解決し、簡易な構成で、鍋底が過熱した場
合やサーミスタが短絡故障した場合に電磁式安全弁を閉
弁して安全を確保するガス燃焼器の提供を目的とする。 【０００４】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の請求項１記載のガス燃焼器は、燃料ガスを燃焼させ
るバーナと、上記バーナの燃焼熱により熱起電力を発生
する熱発電素子と、上記バーナへの燃料ガス通路に設け
られ基準電流値以上で通電されているときのみ開弁状態
に保持される電磁式安全弁と、調理鍋底に当接し温度上
昇と共に抵抗値が増大する正特性サーミスタと、上記正
特性サーミスタの抵抗値に依存して発振を行ない正特性
サーミスタが短絡又はその抵抗値が増大して所定値に達
すると発振を停止する発振部を有し、上記熱発電素子か
ら発生した熱起電力をこの発振部の発振により昇圧させ
て上記電磁式安全弁に基準電流値以上に通電する昇圧回
路と、上記昇圧回路からの電力を充電し上記昇圧回路の
電源となる蓄電池とを備えたことを要旨とする。 【０００５】上記構成を有する本発明の請求項１記載の
ガス燃焼器は、バーナに点火されるとバーナの燃焼熱に
より熱発電素子から熱起電力が発生する。通電制御用電
源として蓄電池を備えているので、この熱起電力を電磁
式安全弁の励磁用電流として使用するばかりでなく、蓄
電池に充電する必要から、充電可能な電圧まで昇圧させ
る必要がある。そのため、昇圧回路を備え、この熱起電
力が昇圧回路により昇圧されて電磁式安全弁へ通電され
るとバーナへの燃料ガス通路が開弁保持される。燃料ガ
ス通路が開弁状態に保持されるとバーナの燃焼が続行す
る。バーナには、この燃焼熱を利用して調理を行なう調
理鍋と、その調理鍋底温度を検出するための正特性サー
ミスタが設けられる。正特性サーミスタは、鍋底に当接
し鍋底温度の上昇と共に抵抗値を増大させる。昇圧回路
は、蓄電池を電源とした発振部を備え、発振部の発振を
利用して、熱発電素子から発生した熱起電力を昇圧させ
る。発振部は正特性サーミスタの抵抗値に依存して発振
を行ない、正特性サーミスタが短絡したり又はその抵抗
値が増大して所定値に達すると発振が停止する。従っ
て、発振が停止すると、自動的に昇圧も停止し、昇圧が
停止すると、電磁式安全弁への通電も停止し、開弁状態
が保持されなくなる。つまり、電磁式安全弁は閉弁す
る。そのため、例えば、鍋底温度が設定温度に達する
と、正特性サーミスタの抵抗値も所定値に達し、昇圧が
停止することにより電磁式安全弁を閉弁させることがで
きる。つまり、調理が終了した時や、鍋底が過熱した時
には、自動的に消火する。また、正特性サーミスタが短
絡故障した場合でも、同様に昇圧が停止して、電磁式安
全弁を閉弁させることができる。なお、蓄電池は燃焼時
に常時充電されるので、使用を続けても乾電池の場合等
と違って電池が消耗せず、電池交換が不用で使い易い。 【０００６】 【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明のガス燃焼器の
好適な実施例について図を用いて説明する。図１は一実
施例としてのガステーブルこんろ１の概略構成図であ
る。ガステーブルこんろ１は、燃料ガスと空気との混合
気を燃焼させるバーナ１８と、その燃焼を利用し熱起電
力を発生する熱発電素子１６と、その熱起電力の電圧を
昇圧する昇圧回路８と、昇圧された熱起電力を充電する
蓄電池１５とを備える。バーナ１８の中央部には、正特
性サーミスタであるＰＴＣサーミスタ１１を収めた感温
センサー２が設けられ昇圧回路８に接続される。熱発電
素子１６は、その感熱部１６ａがバーナ１４の火炎に臨
み昇圧回路８に接続される。感温センサー２は、調理鍋
がバーナ１８上部に載置されると鍋底に当接してその熱
がＰＴＣサーミスタ１１に伝わり、その抵抗値を変化さ
せる。ガステーブルこんろ１は、燃焼開始時には、点火
操作により電磁式安全弁１２の弁体をスピンドル（図示
略）で押し開くと共に蓄電池１５に充電された電力によ
って点火器１４を作動させ、点火器１４により高電圧を
印加された電極１７の放電によって燃料ガスへ着火す
る。着火すると、熱発電素子１６に熱起電力を発生させ
る。熱起電力は、昇圧回路８によって昇圧し電磁式安全
弁１２へ通電されると同時に蓄電池１５へ充電される。
こうした状態になると、電磁式安全弁１２は、点火操作
を終えスピンドルを後退させても開弁保持され、通電停
止による閉弁が可能な状態になる。 【０００７】こうした通電制御用電源として設けられた
蓄電池１５は、微小な熱起電力を利用して充電するの
で、熱起電力を充電可能な電圧まで昇圧させる必要があ
る。そのため、昇圧回路８を備えている。昇圧回路８
は、発振信号を発生する発振部９と、発振信号によって
スイッチング動作をするトランジスタ７と、そのスイッ
チング動作によって熱発電素子１６の出力電圧を昇圧す
るコイル６とを備える。このコイル６の２次側には、シ
ョットキーダイオード１０が設けられ、コイル電流を整
流する。整流されたコイル電流は、平滑用のコンデンサ
５ｂと並列に接続された蓄電池１５に充電される。点火
開始時における発振部９の発振に必要な電力は、この蓄
電池１５から供給される。また、コイル６の２次側に
は、電磁式安全弁１２の励磁コイル１２ａとトランジス
タ１９が直列に接続され、トランジスタ１９のベースに
は、発振部９の端子Ｇより発振信号が入力され、発振さ
れている間は、トランジスタ１９がオンして励磁コイル
１２ａにコイル電流が流れ、発振が停止するとトランジ
スタ１９がオフして励磁コイル１２ａにコイル電流が流
れず、電磁式安全弁１２が閉弁する。発振部９は、図２
に示すように、無安定マルチバイブレータ回路とパルス
増幅回路から構成される。まず、無安定マルチバイブレ
ータ回路では、Ａ点に蓄電池１５の電圧が印加される
と、ＰＴＣサーミスタ１１あるいは抵抗２４ａを介し
て、Ｃ点及びＤ点のいずれかが先にスレシホールド電圧
に達する。例えばＣ点が先にスレシホールド電圧に達す
るとトランジスタ２３ａがオンする。この時、Ｄ点，Ｅ
点は放電して０レベルになる。遅れてＤ点がスレシホー
ルド電圧に達すると、トランジスタ２３がオンする。こ
の時、Ｃ点，Ｂ点は放電して０レベルになる。このよう
な動作を交互に繰り返して間欠的なパルス発振信号を出
力する。この発振出力は、この後トランジスタ２５，２
９等より構成されるパルス増幅回路を経てＧ点より出力
される。ＰＴＣサーミスタ１１あるいは抵抗２４ａは、
Ｃ点あるいはＤ点がスレシホールド電圧に達するまでの
時間を左右しており、この組合わせによって安定した発
振出力を得ることができる。 【０００８】ＰＴＣサーミスタ１１は、所定温度に達す
ると急激にその抵抗値を増大させる。また、短絡故障す
る場合もある。こうした状態になった場合、発振部９
は、Ｃ点とＤ点が交互にバランスよくスレシホールド電
圧に達してスイッチング動作を行なうことができなくな
り、発振を停止する。そして、昇圧も停止する。同時
に、トランジスタ１９もオフして電磁式安全弁１２の励
磁コイル１２ａへの通電も停止し、電磁式安全弁１２が
閉弁する。そのため、このガステーブルこんろ１では、
ＰＴＣサーミスタ１１の抵抗値変化をわざわざ検出しな
くとも、ＰＴＣサーミスタ１１が短絡故障した場合や温
度上昇して抵抗値が所定値に達した場合には自動的に発
振が停止して電磁式安全弁１２を閉弁させるので、検出
したＰＴＣサーミスタ１１の抵抗値を所定値と比較して
判定する比較判定回路やその比較判定に基づいて励磁コ
イル１２ａへの通電を制御するための制御回路が不用で
ある。なお、蓄電池１５は、燃焼時に常時熱発電素子１
６から電力を供給され充電が継続されるので、長期間連
続して使用しても、乾電池等と違い電池が消耗せず、電
池交換が不用で使い易い。以上、本発明の実施例につい
て説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲におい
て、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。 【０００９】 【発明の効果】本発明の請求項１記載のガス燃焼器は、
昇圧回路に発振部を備え、正特性サーミスタの抵抗値に
依存して安定した発振を行ない昇圧するので、正特性サ
ーミスタが短絡したり又はその抵抗値が増大して所定値
に達すると発振が停止あるいは発振状態が変化し自動的
に昇圧も停止して電磁式安全弁が閉弁する。そのため、
例えば、調理が終了した時や、鍋底が過熱した時には、
自動的に消火することができるばかりでなく、正特性サ
ーミスタが短絡故障した場合でも、同様に昇圧が停止し
て、電磁式安全弁を閉弁させることができるので、安全
である。しかも、正特性サーミスタの抵抗変化を検出し
て判定し電磁式安全弁を制御する手段を設けることな
く、簡易な構成で実現しているので、安価で信頼性も高
い。なお、蓄電池には燃焼時に常時充電されるので、使
用を続けても乾電池の場合等と違って電池が消耗せず、
電池交換が不用で使い易いという効果もある。
により過熱を検知してガス供給を遮断する電磁式安全弁
を備えたガス燃焼器に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来よりガステーブルこんろには、天ぷ
ら火災防止用の安全装置を設けたものが知られている。
例えば特開平６−２６６５３号公報には、図３に示すよ
うに、燃焼用のバーナ３８の燃焼を利用し熱起電力を発
生する熱電対３３と、電磁式安全弁３２の励磁コイル３
２ａと、鍋底に当接して温度上昇と共に抵抗値が増大す
る正特性サーミスタ３１とを直列に接続したガステーブ
ルこんろ３のガス制御回路３０が開示されている。これ
は、通常は熱電対３３の熱起電力によって電磁式安全弁
３２が開弁保持されるが、鍋底が過熱されて設定温度に
達した時には、正特性サーミスタ３１の抵抗値が急激に
増大して通電電流が減少し、電磁式安全弁３２を閉弁さ
せるものである。あるいは、別のタイプでは、図４に示
すように鍋底温度を判定する制御回路を備えたガステー
ブルこんろ４も知られている。このタイプは、燃焼用の
バーナ４８と、その燃焼熱を利用し熱起電力を発生する
熱電対４３と、電磁式安全弁４２と、負特性サーミスタ
４１と、制御回路４０と、電池４５とを備える。制御回
路４０は、熱電対４３の熱起電力を検出して電磁式安全
弁１２を開弁保持し、鍋底が過熱されて設定温度に達し
た時には、負特性サーミスタ４１の抵抗値が所定値以下
に減少するのを検知し電磁式安全弁４２の通電を停止さ
せて閉弁させる。制御回路４０及び電磁式安全弁１２で
消費される電力は電池４５より供給される。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先の正
特性サーミスタ３１を用いたガステーブルこんろ３で
は、正特性サーミスタ３１が短絡故障すると、当然なが
ら、正常に機能しない。つまり、ガステーブルこんろ３
では、鍋底が過熱されても、正特性サーミスタ３１の抵
抗値が０のまま変化しないので、いつまでも電磁式安全
弁３２が閉弁することなくそのまま燃焼を続け、鍋底は
どんどん温度が上昇して危険な状態になってしまう。こ
のままでは短絡検知はできないので、短絡を検知するた
めに電流ヒューズ３６をこの制御回路３０に直列に設け
ることも考えられるが、単に電流ヒューズ３６を設けた
だけのものでは、正特性サーミスタ３１が短絡故障して
も、電流ヒューズ３６を溶断させることがむずかしい。
これは、熱起電力が不足していると、正特性サーミスタ
３１の抵抗値が短絡故障により０になっても、電磁式安
全弁３２の励磁コイル３２ａおよび電流ヒューズ３６の
抵抗により、電流ヒューズ３６の溶断電流に達しないか
らである。熱電対３３の数を増加させる（例えば熱電対
集積体を使用する）等によって発生する熱起電力を上昇
させ確実に電流ヒューズ３６を溶断させることは、コス
トが高くなるとともに熱電対３３の抵抗自身も増大して
しまう。また、熱起電力を上昇させないで、電流ヒュー
ズ３６へ流れる電流を大きくするため励磁コイル３２ａ
および熱電対３３の抵抗を小さくしようとしても、おの
ずと限界がある。小電流で溶断する電流ヒューズ３６を
使用することにおいても、コストが高くなったり、短絡
故障時以外でも誤って溶断してしまう恐れがある。いっ
ぽう、ガステーブルこんろ４では、短絡故障を検知する
ために負特性サーミスタ４１の両端電圧を監視する検知
部４０ａを制御回路４０に設け、負特性サーミスタ４１
短絡故障時には短絡を報知したり電磁式安全弁４２を開
弁しないようにする。しかしながら、電源として電池４
５を用いているため、電池４５が消耗すれば、その都度
交換する必要があり使い勝手がよくない。また、検知部
４０ａを設けることにより、構成が複雑になる。本発明
は上記課題を解決し、簡易な構成で、鍋底が過熱した場
合やサーミスタが短絡故障した場合に電磁式安全弁を閉
弁して安全を確保するガス燃焼器の提供を目的とする。 【０００４】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の請求項１記載のガス燃焼器は、燃料ガスを燃焼させ
るバーナと、上記バーナの燃焼熱により熱起電力を発生
する熱発電素子と、上記バーナへの燃料ガス通路に設け
られ基準電流値以上で通電されているときのみ開弁状態
に保持される電磁式安全弁と、調理鍋底に当接し温度上
昇と共に抵抗値が増大する正特性サーミスタと、上記正
特性サーミスタの抵抗値に依存して発振を行ない正特性
サーミスタが短絡又はその抵抗値が増大して所定値に達
すると発振を停止する発振部を有し、上記熱発電素子か
ら発生した熱起電力をこの発振部の発振により昇圧させ
て上記電磁式安全弁に基準電流値以上に通電する昇圧回
路と、上記昇圧回路からの電力を充電し上記昇圧回路の
電源となる蓄電池とを備えたことを要旨とする。 【０００５】上記構成を有する本発明の請求項１記載の
ガス燃焼器は、バーナに点火されるとバーナの燃焼熱に
より熱発電素子から熱起電力が発生する。通電制御用電
源として蓄電池を備えているので、この熱起電力を電磁
式安全弁の励磁用電流として使用するばかりでなく、蓄
電池に充電する必要から、充電可能な電圧まで昇圧させ
る必要がある。そのため、昇圧回路を備え、この熱起電
力が昇圧回路により昇圧されて電磁式安全弁へ通電され
るとバーナへの燃料ガス通路が開弁保持される。燃料ガ
ス通路が開弁状態に保持されるとバーナの燃焼が続行す
る。バーナには、この燃焼熱を利用して調理を行なう調
理鍋と、その調理鍋底温度を検出するための正特性サー
ミスタが設けられる。正特性サーミスタは、鍋底に当接
し鍋底温度の上昇と共に抵抗値を増大させる。昇圧回路
は、蓄電池を電源とした発振部を備え、発振部の発振を
利用して、熱発電素子から発生した熱起電力を昇圧させ
る。発振部は正特性サーミスタの抵抗値に依存して発振
を行ない、正特性サーミスタが短絡したり又はその抵抗
値が増大して所定値に達すると発振が停止する。従っ
て、発振が停止すると、自動的に昇圧も停止し、昇圧が
停止すると、電磁式安全弁への通電も停止し、開弁状態
が保持されなくなる。つまり、電磁式安全弁は閉弁す
る。そのため、例えば、鍋底温度が設定温度に達する
と、正特性サーミスタの抵抗値も所定値に達し、昇圧が
停止することにより電磁式安全弁を閉弁させることがで
きる。つまり、調理が終了した時や、鍋底が過熱した時
には、自動的に消火する。また、正特性サーミスタが短
絡故障した場合でも、同様に昇圧が停止して、電磁式安
全弁を閉弁させることができる。なお、蓄電池は燃焼時
に常時充電されるので、使用を続けても乾電池の場合等
と違って電池が消耗せず、電池交換が不用で使い易い。 【０００６】 【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明のガス燃焼器の
好適な実施例について図を用いて説明する。図１は一実
施例としてのガステーブルこんろ１の概略構成図であ
る。ガステーブルこんろ１は、燃料ガスと空気との混合
気を燃焼させるバーナ１８と、その燃焼を利用し熱起電
力を発生する熱発電素子１６と、その熱起電力の電圧を
昇圧する昇圧回路８と、昇圧された熱起電力を充電する
蓄電池１５とを備える。バーナ１８の中央部には、正特
性サーミスタであるＰＴＣサーミスタ１１を収めた感温
センサー２が設けられ昇圧回路８に接続される。熱発電
素子１６は、その感熱部１６ａがバーナ１４の火炎に臨
み昇圧回路８に接続される。感温センサー２は、調理鍋
がバーナ１８上部に載置されると鍋底に当接してその熱
がＰＴＣサーミスタ１１に伝わり、その抵抗値を変化さ
せる。ガステーブルこんろ１は、燃焼開始時には、点火
操作により電磁式安全弁１２の弁体をスピンドル（図示
略）で押し開くと共に蓄電池１５に充電された電力によ
って点火器１４を作動させ、点火器１４により高電圧を
印加された電極１７の放電によって燃料ガスへ着火す
る。着火すると、熱発電素子１６に熱起電力を発生させ
る。熱起電力は、昇圧回路８によって昇圧し電磁式安全
弁１２へ通電されると同時に蓄電池１５へ充電される。
こうした状態になると、電磁式安全弁１２は、点火操作
を終えスピンドルを後退させても開弁保持され、通電停
止による閉弁が可能な状態になる。 【０００７】こうした通電制御用電源として設けられた
蓄電池１５は、微小な熱起電力を利用して充電するの
で、熱起電力を充電可能な電圧まで昇圧させる必要があ
る。そのため、昇圧回路８を備えている。昇圧回路８
は、発振信号を発生する発振部９と、発振信号によって
スイッチング動作をするトランジスタ７と、そのスイッ
チング動作によって熱発電素子１６の出力電圧を昇圧す
るコイル６とを備える。このコイル６の２次側には、シ
ョットキーダイオード１０が設けられ、コイル電流を整
流する。整流されたコイル電流は、平滑用のコンデンサ
５ｂと並列に接続された蓄電池１５に充電される。点火
開始時における発振部９の発振に必要な電力は、この蓄
電池１５から供給される。また、コイル６の２次側に
は、電磁式安全弁１２の励磁コイル１２ａとトランジス
タ１９が直列に接続され、トランジスタ１９のベースに
は、発振部９の端子Ｇより発振信号が入力され、発振さ
れている間は、トランジスタ１９がオンして励磁コイル
１２ａにコイル電流が流れ、発振が停止するとトランジ
スタ１９がオフして励磁コイル１２ａにコイル電流が流
れず、電磁式安全弁１２が閉弁する。発振部９は、図２
に示すように、無安定マルチバイブレータ回路とパルス
増幅回路から構成される。まず、無安定マルチバイブレ
ータ回路では、Ａ点に蓄電池１５の電圧が印加される
と、ＰＴＣサーミスタ１１あるいは抵抗２４ａを介し
て、Ｃ点及びＤ点のいずれかが先にスレシホールド電圧
に達する。例えばＣ点が先にスレシホールド電圧に達す
るとトランジスタ２３ａがオンする。この時、Ｄ点，Ｅ
点は放電して０レベルになる。遅れてＤ点がスレシホー
ルド電圧に達すると、トランジスタ２３がオンする。こ
の時、Ｃ点，Ｂ点は放電して０レベルになる。このよう
な動作を交互に繰り返して間欠的なパルス発振信号を出
力する。この発振出力は、この後トランジスタ２５，２
９等より構成されるパルス増幅回路を経てＧ点より出力
される。ＰＴＣサーミスタ１１あるいは抵抗２４ａは、
Ｃ点あるいはＤ点がスレシホールド電圧に達するまでの
時間を左右しており、この組合わせによって安定した発
振出力を得ることができる。 【０００８】ＰＴＣサーミスタ１１は、所定温度に達す
ると急激にその抵抗値を増大させる。また、短絡故障す
る場合もある。こうした状態になった場合、発振部９
は、Ｃ点とＤ点が交互にバランスよくスレシホールド電
圧に達してスイッチング動作を行なうことができなくな
り、発振を停止する。そして、昇圧も停止する。同時
に、トランジスタ１９もオフして電磁式安全弁１２の励
磁コイル１２ａへの通電も停止し、電磁式安全弁１２が
閉弁する。そのため、このガステーブルこんろ１では、
ＰＴＣサーミスタ１１の抵抗値変化をわざわざ検出しな
くとも、ＰＴＣサーミスタ１１が短絡故障した場合や温
度上昇して抵抗値が所定値に達した場合には自動的に発
振が停止して電磁式安全弁１２を閉弁させるので、検出
したＰＴＣサーミスタ１１の抵抗値を所定値と比較して
判定する比較判定回路やその比較判定に基づいて励磁コ
イル１２ａへの通電を制御するための制御回路が不用で
ある。なお、蓄電池１５は、燃焼時に常時熱発電素子１
６から電力を供給され充電が継続されるので、長期間連
続して使用しても、乾電池等と違い電池が消耗せず、電
池交換が不用で使い易い。以上、本発明の実施例につい
て説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲におい
て、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。 【０００９】 【発明の効果】本発明の請求項１記載のガス燃焼器は、
昇圧回路に発振部を備え、正特性サーミスタの抵抗値に
依存して安定した発振を行ない昇圧するので、正特性サ
ーミスタが短絡したり又はその抵抗値が増大して所定値
に達すると発振が停止あるいは発振状態が変化し自動的
に昇圧も停止して電磁式安全弁が閉弁する。そのため、
例えば、調理が終了した時や、鍋底が過熱した時には、
自動的に消火することができるばかりでなく、正特性サ
ーミスタが短絡故障した場合でも、同様に昇圧が停止し
て、電磁式安全弁を閉弁させることができるので、安全
である。しかも、正特性サーミスタの抵抗変化を検出し
て判定し電磁式安全弁を制御する手段を設けることな
く、簡易な構成で実現しているので、安価で信頼性も高
い。なお、蓄電池には燃焼時に常時充電されるので、使
用を続けても乾電池の場合等と違って電池が消耗せず、
電池交換が不用で使い易いという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図１】一実施例としてのガステーブルこんろの概略構
成図である。 【図２】発振部の概略構成図である。 【図３】従来例としてのガステーブルこんろの概略構成
図である。 【図４】従来例としてのガステーブルこんろの概略構成
図である。 【符号の説明】 １，３，４ ガステーブルこんろ ２ 感温センサー ５ａ，５ｂ コンデンサー ６ コイル ７ トランジスター ８ 昇圧回路 ９ 発振部 １０ ショットキーダイオード １１，３１，４１ 正特性サーミスタ １２，３２，４２ 電磁式安全弁 １４ イグナイター １５ 蓄電池 １６ 熱発電素子 １８，３８，４８ バーナ ３０，４０ 制御回路 ３３，４３ 熱電対
成図である。 【図２】発振部の概略構成図である。 【図３】従来例としてのガステーブルこんろの概略構成
図である。 【図４】従来例としてのガステーブルこんろの概略構成
図である。 【符号の説明】 １，３，４ ガステーブルこんろ ２ 感温センサー ５ａ，５ｂ コンデンサー ６ コイル ７ トランジスター ８ 昇圧回路 ９ 発振部 １０ ショットキーダイオード １１，３１，４１ 正特性サーミスタ １２，３２，４２ 電磁式安全弁 １４ イグナイター １５ 蓄電池 １６ 熱発電素子 １８，３８，４８ バーナ ３０，４０ 制御回路 ３３，４３ 熱電対
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平６−26653（ＪＰ，Ａ)
特開 昭55−17021（ＪＰ，Ａ)
特開 昭54−82731（ＪＰ，Ａ)
特開 昭57−134831（ＪＰ，Ａ)
実開 昭57−170691（ＪＰ，Ｕ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
F23N 5/10 310
F23N 5/14 370
F24C 3/12
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 燃料ガスを燃焼させるバーナと、 上記バーナの燃焼熱により熱起電力を発生する熱発電素
子と、 上記バーナへの燃料ガス通路に設けられ基準電流値以上
で通電されているときのみ開弁状態に保持される電磁式
安全弁と、 調理鍋底に当接し温度上昇と共に抵抗値が増大する正特
性サーミスタと、 上記正特性サーミスタの抵抗値に依存して発振を行ない
正特性サーミスタが短絡又はその抵抗値が増大して所定
値に達すると発振を停止する発振部を有し、上記熱発電
素子から発生した熱起電力をこの発振部の発振により昇
圧させて上記電磁式安全弁に基準電流値以上に通電する
昇圧回路と、 上記昇圧回路からの電力を充電し上記昇圧回路の電源と
なる蓄電池とを備えたガス燃焼器。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32225395A JP3394376B2 (ja) | 1995-11-15 | 1995-11-15 | ガス燃焼器 |
| US08/705,055 US5769622A (en) | 1995-11-15 | 1996-08-29 | Gas combustion apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32225395A JP3394376B2 (ja) | 1995-11-15 | 1995-11-15 | ガス燃焼器 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09137941A JPH09137941A (ja) | 1997-05-27 |
| JP3394376B2 true JP3394376B2 (ja) | 2003-04-07 |
Family
ID=18141605
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32225395A Expired - Fee Related JP3394376B2 (ja) | 1995-11-15 | 1995-11-15 | ガス燃焼器 |
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|---|---|
| US (1) | US5769622A (ja) |
| JP (1) | JP3394376B2 (ja) |
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1995
- 1995-11-15 JP JP32225395A patent/JP3394376B2/ja not_active Expired - Fee Related
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1996
- 1996-08-29 US US08/705,055 patent/US5769622A/en not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
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| US5769622A (en) | 1998-06-23 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |