JP3392479B2 - 金属錯塩染料の製法および該染料を含有する電子写真用トナー - Google Patents

金属錯塩染料の製法および該染料を含有する電子写真用トナー

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JP3392479B2
JP3392479B2 JP26406593A JP26406593A JP3392479B2 JP 3392479 B2 JP3392479 B2 JP 3392479B2 JP 26406593 A JP26406593 A JP 26406593A JP 26406593 A JP26406593 A JP 26406593A JP 3392479 B2 JP3392479 B2 JP 3392479B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真用現像剤であ
るトナーに有用な金属錯塩染料の製造方法および該金属
錯塩染料を含有する電子写真用トナーに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式による画像形成プロセスで
は、セレン、セレン合金、硫化カドミウム、アモルファ
スシリコン等の無機感光体や、電荷発生剤と電荷輸送剤
を用いた有機感光体に静電潜像を形成し、これをトナー
により現像し、紙やプラスチックフィルムに転写、定着
して可視画像を得る。
【0003】感光体には、その構成により正帯電性と負
帯電性が有り、露光により印字部を静電潜像として残す
場合は逆符号帯電性トナーにより現像し、一方、印字部
を除電して反転現像を行う場合は同符号帯電性トナーに
より現像する。トナーはバインダー樹脂と着色剤及びそ
の他添加剤により構成されるが、望ましい摩擦帯電性
(帯電速度、帯電レベル、帯電安定性等)や経時安定
性、環境安全性を付与するため、一般に電荷制御剤が使
用される。この電荷制御剤によりトナーの特性は大きく
影響を受ける。
【0004】二成分トナーは、キャリヤーとの摩擦によ
り帯電を起こされる。又、一成分系トナーは、スリーブ
との摩擦により帯電を起こされる。帯電したトナーは、
感光体上の潜像を現像する。トナーは現像により消費さ
れるので、常に補給されるが、補給されたトナーは帯電
を持っていないので、現像部内の攪拌およびスリーブ上
の摩擦により、所定の帯電量に立ち上げる。
【0005】トナーの帯電性を制御することはトナーに
とって最も重要な事項である。トナーの帯電特性は、そ
の主成分である樹脂に支配されているが、通常、電荷制
御剤の追加により所望の摩擦帯電特性を得ることが行わ
れている。近年の更なる高画質、高信頼性、高速化など
への要求から、従来以上に精密な帯電制御が必要とな
り、特に帯電の立ち上がりが早く、環境や経時変化に対
して安定な電荷制御剤が強く求められてきている。
【0006】良好な現像を行なうには、所定の帯電量
に、補給トナーをいかに早く立ち上げるかが、トナーに
要求される特性の一つとなっている。もし、立上りが悪
いトナーであった場合は、低帯電トナーが発生し、十分
に感光体上に移行せず、濃度低下の原因となり、加えて
トナー飛散を起こし、複写物上の地汚れ、複写機内の汚
染が起こったり、現像剤の劣化が早くなったりする。
【0007】低速複写機の場合は、ある程度、現像部内
の攪拌でカバーできるが、高速機になればなるほど補給
されたトナーが、現像部内から感光体上に移行されるの
が早いので、素早い帯電の立上りが求められる。又、一
成分系トナーの場合はキャリヤーとの摩擦ではなく、ス
リーブとの摩擦のみで帯電を発生させなければならない
ので、二成分系以上に立上がり性が重要となる。
【0008】従来、電荷制御剤として、例えばニグロシ
ン、アニリンブラック、フタロシアニン顔料、金属錯塩
染料が知られているが、提案されている電荷制御剤は樹
脂との相溶性の関係もありトナーを製造する際に樹脂と
なかなか均一に混じり合わず、トナーの諸特性にいろい
ろな問題を残している。
【0009】トナーの場合、特に電荷制御剤の樹脂への
均一分散は、非常に重要であり、この分散性が悪い場
合、トナーの粒子に均一に電荷制御剤が混入せず、トナ
ーの品質の不均一化が起こり、帯電の立ち上がりの低
下、経時変化が起りやすくなる。従来電子写真用トナー
として多くの金属錯塩染料が知られている。
【0010】例えば、金属錯塩染料を含有する電子写真
用トナーが特開昭57−141452号公報、特開昭5
8−111049号公報、特開昭61−101558号
公報、特開昭61−155463号公報、特開昭61−
155464号公報、特開昭62−177561号公
報、特開昭62−116946号公報、特開平2−15
3362号公報等の公報に記載されているが、それらの
提案されている金属錯塩染料を使用したトナーは、高温
および高湿において、電荷が安定しない等の挙動を示す
問題を残しており、未だトナー用電荷制御剤として満足
できるものではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記課題を解決し、帯電の立ち上がりがよく、連続使用
による繰り返し、現像を行っても温度、湿度の変化に影
響を受けず、長時間安定した画像を再現することのでき
る性能のよいトナーを提供することを目的をするもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決するために種々検討した結果、金属錯塩染料
の対イオンであるNH 又はアンモニウム化合物カチ
オンの当量に対する交換率が高率である場合、分散性が
極めて良好であるという特徴を有していることを見いだ
し、かつ、この金属錯塩染料を用いたトナーが先に述べ
た課題、すなわち帯電の立ち上がりを早め、帯電性能を
安定化させて、トナーの飛散や画像欠陥の発生を防ぐ等
の課題を解決するものであることを見極め、本発明を完
成させた。
【0013】即ち、本発明は、カチオン部のNH
はアンモニウム化合物カチオンが当量に対して、80%
以上である事を特徴とする一般式(1)
【0014】
【化3】
【0015】{式(1)においてmは1〜3の整数を表
す。R1−6は同じであっても異なってもよく、水素原
子、C1−30のアルキル基、C1−30のアルコキシ
基、C1−30のアルキルスルホン基、C1−30のア
ルキルアミノスルホン基、アセチルアミノ基、スルホン
アミド基、ベンゾイルアミノ基、フェニルスルホン基、
ハロゲン原子、水酸基、−COOH、−SOH、−C
OOR11〔R11はC6−30のアリール基、又はC
1−30のアルキル基〕、−CONHR12、〔R12
はC6−30のアリール基、又はC1−30のアルキル
基〕、−CON(R13〔R13はC1−30のア
ルキル基〕を表す。MはFeを表す。また、X はN
又は下記一般式(2)で表されるアンモニウム化
合物カチオンを表す。}
【0016】
【化4】
【0017】〔式中、nは1〜3の整数を表わす。R
14−17はそれぞれ、水素原子、C1−30のアルキ
ル基、C7−30のアラルキル基、C6−30のアリー
ル基を表わし、それぞれの基中にアミノ基、エーテル
基、チオエーテル基、アルコキシ基、水酸基、カルボン
酸アミド基、スルホアミド基、ウレタン基、クロロメチ
ル基、ニトロ基、ハロゲン原子(F、Cl、Br)、C
6−30の芳香族基、C6−30の芳香族複素環基、を
1個もしくはそれ以上含んでもよい。又R14−17
基中に4級化されたアミノ基を含んでもよい。又R
14−17の2個は互いに結合して、脂環または芳香族
環を形成してもよい。〕}で表わされる金属錯塩染料の
製法及び該染料を含有することを特徴とする電子写真用
トナーを提供することにある。
【0018】一般式(1)の金属錯塩染料は、通常ジア
ゾ化、カップリングして得られたモノアゾ化合物を公知
の方法で、金属錯塩化し得られた金属錯塩染料をアンモ
ニア水又は、アンモニウム化合物で処理すると得られる
とされていた。しかしながらこの様にして得られた式
(1)の金属錯塩染料は、NH 又はアンモニウム化
合物カチオンの交換率が当量に対し、20〜60%のも
のしか得られない。
【0019】金属錯塩化反応に用いる金属錯塩化剤に
は、公知のものが用いられる。例えば、酢酸第二鉄、硫
酸第二鉄、塩化第二鉄等が挙げられる。使用量はアミノ
フェノール化合物1モルに対して、0.5〜10モルの
範囲が好ましい。また、金属錯塩化反応時サリチル酸を
使用してもよい。使用量はアミノフェノール化合物1モ
ルに対して、0.01〜10モルが好ましい。
【0020】前記したように、樹脂への分散性が優れる
ことによって、帯電の立ち上がりを早め、帯電性能を安
定化させて、トナーの飛散や画像欠陥の発生を防ぐ等の
課題を解決する為には、一般式(1)の金属錯塩染料中
のNH 又はアンモニウム化合物カチオンの交換率が
当量に対し、80%以上あることが必要である。本発明
者らは、この点について鋭意研究した結果、この目的を
達成する為には、金属錯塩染料を処理するアンモニウム
化合物を理論量より過剰に使用することが必要であると
の結論に達した。即ち、アンモニウム化合物の使用量
は、1.1〜10当量が必要である。また、金属錯塩染
料をアンモニアまたはアンモニウム化合物で一旦処理し
た後濾過し、プレスケーキを再び水、グリコール、メタ
ノール、アセトン等の溶媒中に分散した後、アンモニウ
ム化合物で再度処理する方法でも対イオン交換率を80
%以上に上げることが出来る。金属錯塩鉄染料のカチオ
ン部をNH に交換する場合、硝酸アンモニウム、リ
ン酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、塩化アンモニ
ウム、硫酸アンモニウム等の無機アンモニウムを使用す
ることも出来る。
【0021】以上に説明した本発明の金属錯塩鉄染料
は、樹脂への分散性が良好で、該金属錯塩染料を用いた
トナーは帯電の立ち上がりが良好で低温低湿及び高温高
湿での環境下で、長時間使用しても従来問題のあったト
ナーの帯電不安定性やトナーの飛散も解決出来、その結
果、鮮明な現像画像が得られる。
【0022】2成分系トナーの一般的製造方法ではボー
ルミルその他の、ミキサーに先づ、バインダー樹脂を入
れ、着色剤、電荷制御剤、ワックスを添加して、予備混
合した後、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダ一等
で一般に150℃以下で混練りを行う。さらに微粉砕し
た後、分級し、5〜25μmのトナーが得られる。一
方、一成分系トナーでは、着色剤の代わりに磁性粉を使
用し、上記方法でトナーが得られる。又、2成分系トナ
ーに磁性粉を添加する方法が開示されている。
【0023】本発明では、上記電荷制御剤として、本発
明の金属錯塩染料を使用する事を特徴とするものであ
る。上記化合物をトナーに添加する方法としてはトナー
内部に添加する方法と外添する方法とがあるが通常内添
する方が好ましい。内添する場合、これらの化合物の使
用量はバインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される
添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によっ
て決定されるもので、一義的に限定されるものでは無い
が他の性能を考慮するとトナー重量当たり0.1〜15
重量%、好ましくは、0.5〜10重量%の範囲で用い
られる。又、外添する場合はトナー重量当たり0.01
〜10重量%が好ましい。該金属錯塩染料は、0.1〜
25μmの粒子が好ましい。
【0024】トナー用バインダー樹脂として好適なもの
としては、ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのス
チレン及びその置換体の重合体、スチレン−置換スチレ
ン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル系の共重合
体、スチレン−メタアクリル酸エステル系の共重合体、
スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニル
系、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン樹脂、ポ
リエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹
脂、変成ロジン、フェノール樹脂などの単独あるいは混
合して用いることができる。
【0025】また、定着性を向上させるために例えば低
分子量ポリエチレン、低分子量ポリブデン、低分子量ポ
リプロピレン、あるいはマレイン酸エチルエステル、マ
レイン酸ブチルエステル、ステアリン酸エチルエステ
ル、ステアリン酸ブチルエステル、パルミチン酸セチル
エステル等の樹脂酸エステル、あるいはステアリン酸ア
ミド、オレイン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリ
ル酸アミド、エチレンビスステアリロアミド等のアミド
系のワックス、カルナバワヅクス等を用いることができ
る。
【0026】着色物質としては、例えば、C.I.ピグ
メントイエロー12、C.I.ソルベントイエロー1
8、C.I.デイスバーズイエロー33、C.I.ピグ
メントレッド−122、C.I.ソルベントレッド−1
9、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメン
トブラック−1、C.I.ソルベントブラック−3、
C.I.ソルベントブラック−22及びカーボンブラッ
クなどをあげることができる。しかし、従来よりトナー
用着色剤として使用されてきたその他のもの適用可能で
ある。これら化合物の着色物質としてのトナー中の量は
3〜10重量%が好ましい。
【0027】本発明のトナー粉は、本発明では、電荷制
御剤をバインダー樹脂に対し重量比で0.1〜50重量
%の範囲で溶融調合し、固化した後、ハンマーミルその
他の粉砕機で粗粉砕、さらにジェットミル粉砕機で微粉
砕した後、気流分級機にて分級して調製するか、また
は、バインダー樹脂モノマーに重合開始剤を加え、これ
にこの電荷制御剤をモノマーに対して重量比で0.1〜
50%の範囲で加え、混合物を水中に懸濁しながら重合
することにより製造することができる。この際着色剤と
して染料あるいはカーボンなどを加えても差支えない。
【0028】また本発明のトナーは、必要に応じて添加
剤を混合した場合よりよい結果が得られる。添加剤とし
ては、たとえばテフロン、ステアリン酸亜鉛の如き滑剤
あるいは酸化セリウム、炭化ケイ素等の研磨剤、あるい
は例えばコロイダルシリカ、酸化アルミニウム等の流動
性付与剤、ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボン
ブラック、酸化スズ等の導電性付与剤、あるいは低分子
量ポリエチレンなどの定着助剤等がある。これらの添加
剤はトナーと同極性もしくはほとんど帯電を示さないも
のを使用した時に本発明の効果を一層ひきたたせる。
【0029】このようにして製造されたトナーは、キャ
リヤーとの摩擦により静電像の現像に適した帯電量を与
え、長時間現像の繰り返しにおいても、温度、湿度の変
化の影響をうけず、帯電量は一定に保持されており、帯
電分布も均一で、しかも、一定に保持されている。キャ
リヤーとしては鉄粉、磁性コアをスチレン−メチルメタ
クリレート共重合体、シリコーン樹脂、スチレン−メチ
ルメタクリレート共重合体とシリコーン樹脂の混合樹
脂、四フツ化スチレン重合体などで被覆したキャリヤー
など公知のものがすべて使用できる。
【0030】また、本発明に係る金属錯塩染料は磁性粉
を含有するいわゆる一成分系のトナーに使用しても優れ
た帯電特性を与える。またカプセルトナーおよび重合ト
ナーに用いることもできる。磁性粉として使用される磁
性材料としては、鉄、ニッケル、コバルト、などの金属
微粉末、鉄、コバルト、銅、アルミニウム、ニッケル、
亜鉛のような金属の合金、酸化アルミニウム、酸化鉄、
酸化チタンのような金属酸化物、鉄、マンガン、ニッケ
ル、コバルト、亜鉛などのフェライト、チッ化バナジウ
ム、チッ化クロムのようなチッ化物、炭化タングステ
ン、炭化ケイ素のような炭化物およびこれらの混合物な
どが使用出来る。磁性粉としては、マグネタイト、ヘマ
タイト、フェライトなどの酸化鉄が好ましい。
【0031】以下、対イオン交換率の高い金属錯塩染料
の製造例およびトナーとしての使用例を実施例として挙
げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれ等の実
施例によって限定されるものではない。なお実施例中に
記載の各成分の量、部は特に断りのない限り重量部を示
す。
【0032】製造例1 14.4部の2−アミノフェノールを20部の濃塩酸お
よび水100部と共にかきまぜた後、氷冷し0〜5℃と
し、亜硝酸ナトリウム6.9部を加え、同温で2時間か
きまぜてジアゾ化した。このジアゾ化物を0〜5℃で水
300部、10部の水酸化ナトリウムおよび26.3部
の3−ヒドロキシ−2−ナフトアニリドの混合液に注入
し、カップリング反応を行った後、次に示す構造式を有
するモノアゾ化合物を単離した。
【0033】
【化5】
【0034】このモノアゾ化合物のペーストを150部
のエチレングリコールに溶解し、5部の水酸化ナトリウ
ムおよび8.5部の塩化第二鉄を加え、110〜120
℃で2時間かきまぜ、錯塩化を行った後、常温まで冷却
し、析出した生成物をロ別、単離したウェットケーキを
再び水400部に分散した。次に13.4部の塩化アン
モニウム(5当量)を加え、1時間かきまぜて生成物を
ロ別単離し、乾燥して下記式で示される黒褐色微粉末の
鉄錯塩染料(化合物1)を得た。
【0035】
【化6】
【0036】{化合物1において、XはH、Na
またはNH
【0037】この化合物1を元素分析した結果、対イオ
ンがNH であるNH 体が99%含まれていた。
【0038】比較製造例1 使用した塩化アンモニウムの使用量を2.7部(1当
量)に変えた以外は製造例1と同様に鉄錯塩染料を合成
した。得られた鉄錯塩染料のウェットケーキを乾燥し黒
褐色微粉末の鉄錯塩染料(化合物2)を得た。この化合
物2を元素分析した結果、対イオンがNH であるN
体が20%含まれていた。
【0039】
【化7】
【0040】{化合物2においてXはH、Na
たはNH
【0041】実施例1 スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体樹脂(ハ
イマーTB−1000三洋化成(株)製)88部、低分
子量ポリプロピレン〔ビスコール550−P三洋化成
(株)製〕5部、カーボン〔#44三菱化成(株)製)
5部、化合物1を2部、の材料をケミカルミキサーに入
れ10分間予備混合後、120℃で熱ロールミルを用
い、溶融混練し、さらに粉砕分級して、粒径5〜25μ
mのトナーを得た。このトナー3部に対し、シリコンコ
ートフェライトキャリヤー97部を混合して、現像剤を
調製した。また、このトナーを現像装置に入れ、連続複
写を行い画像テストを行ったところ、スタート時、良好
な画像が得られ、その画像品質は5万枚後も変わらず、
トナー飛散やオフセットの発生もなかった。さらに35
℃、85%RHの高温高湿及び10℃、30%RHの低
温低湿環境下でも、常温常湿環境下での複写と同等の画
像品質が得られた。またトナー飛散やオフセットも発生
しなかった。
【0042】比較例1 化合物1を化合物2に代えた以外は、実施例1と同様に
トナーを作製した。さらに実施例1と同様に画像テスト
を行った。その結果初期画像はカブリのない鮮明な画像
が得られたが、1000枚ごろからカブリのある不鮮明
な画像となった。
【0043】製造例1と同様に、金属錯塩化剤として塩
化第二鉄を用いて錯塩化反応を行った。さらに、カチオ
ン交換時塩化アンモニウム又はアミン化合物をアミノフ
ェノール化合物に対し5当量使用してカチオン交換して
化合物3、4、5を製造し、実施例2、3、4に使用し
た。また比較製造例1で化合物2を製造した様に、錯塩
化剤として塩化第二鉄を用いて錯塩化した後、塩化アン
モニウム又はアミン化合物を1当量使用してカチオン交
換して化合物6、7、8を製造し、比較例2、3、4に
使用した。結果は表1、2に示した。表1、2におい
て、使用したバインダー樹脂と各評価項目の判定基準は
次のとおりである。
【0044】バインダー樹脂 A:スチレン−アクリル酸共重合体〔ハイマーSBM−
73 三洋化成(株)製〕 B:スチレン−アクリル酸共重合体〔ハイマーTB−1
000 三洋化成(株)製〕 C:ポリエステル〔HP−313 日本合成化学(株)
製 〕 D:ポリエステル〔HP−320 日本合成化学(株)
製 〕
【0045】判定 : ○は実用上問題なし、×は実用
上問題あり
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】各実施例と比較例から金属錯塩染料中の
NH または、アンモニウム化合物カチオンの交換率
が当量に対して80%以上である場合、金属錯塩染料の
樹脂への分散が極めて良好となり、トナー粒子各々が良
好な帯電特性、即ち、均一な帯電レベルと優れた電荷保
持性を有することが可能となっていることが分かる。ま
たこれに伴って、トナー粒子とキャリヤーとの分散が短
時間で可能となり、帯電の立ち上がりが早くなり、コピ
ースピードの高速化が可能となった。同時にトナーの長
寿命化と低温低湿や高温高湿等の環境変化の影響を受け
にくくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物1のバインダー樹脂中での分散状態を示
したTEM(透過型電子顕微鏡)による撮影写真であ
る。
【図2】化合物2のバインダー樹脂中での分散状態を示
したTEM(透過型電子顕微鏡)による撮影写真であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−155463(JP,A) 特開 昭63−81165(JP,A) 特開 昭50−156541(JP,A) 特開 昭61−101558(JP,A) 特公 昭41−12915(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09B 45/00 C09B 67/00 G03G 9/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属錯塩染料のカチオン部の交換反応に
    於いて、アンモニウム化合物を当量に対し1.1〜10
    倍量を使用することによりカチオン部のNH または
    アンモニウム化合物カチオンを当量に対して、80〜1
    00%含有する事を特徴とする一般式(1)で表わされ
    る金属錯塩染料の製法 【化1】 {式(1)においてR1−6は同じであっても異なって
    もよく、水素原子、C1−30のアルキル基、C
    1−30のアルコキシ基、C1−30のアルキルスルホ
    ン基、C1−30のアルキルアミノスルホン基、アセチ
    ルアミノ基、スルホンアミド基、ベンゾイルアミノ基、
    フェニルスルホン基、ハロゲン原子、水酸基、−COO
    H、−SOH、−COOR11〔R11はC6−30
    のアリール基、又はC1−30のアルキル基〕、−CO
    NHR12、〔R12はC6−30のアリール基、又は
    1−30のアルキル基〕、−CON(R13〔R
    13はC1−30のアルキル基〕を表す。MはFeを表
    す。また、XはNH 又は一般式(2)で表される
    アンモニウム化合物カチオンを表す。 【化2】 〔式中、nは1〜3の整数を表わす。R14−17
    それぞれ、水素原子、C1−30のアルキル基、C
    7−30のアラルキル基、C6−30のアリール基を表
    わし、それぞれの基中にアミノ基、エーテル基、チオエ
    ーテル基、アルコキシ基、水酸基、カルボン酸アミド
    基、スルホアミド基、ウレタン基、クロロメチル基、ニ
    トロ基、ハロゲン原子(F、Cl、Br)、C6−30
    の芳香族基、C6−30の芳香族複素環基、を1個もし
    くはそれ以上含んでもよい。又R14−17の基中に4
    級化されたアミノ基を含んでもよい。又R14−17
    2個は互いに結合して、脂環または芳香族環を形成して
    もよい。〕で表される。}
  2. 【請求項2】アンモニウム化合物が硝酸アンモニウム、
    燐酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、塩化アンモニ
    ウム、硫酸アンモニウムから選ばれる無機アンモニウム
    であり、一般式(1)におけるX がNH である
    請求項第1項に記載の金属錯塩染料の製法
  3. 【請求項3】金属錯塩染料のカチオン部の交換反応に於
    いて、アンモニウム化合物の使用方法が金属塩化反応の
    終了後に添加する方法である請求項第1項に記載の金属
    錯塩染料の製法
  4. 【請求項4】金属錯塩染料のカチオン部の交換反応に於
    いて、アンモニウム化合物の使用方法が金属錯塩染料の
    プレスケーキを溶媒中に分散後に添加する方法である請
    求項第1項に記載の金属錯塩染料の製法
  5. 【請求項5】請求項1〜4に記載の製法により得られた
    一般式(1)で表される金属錯塩染料を含有する事を特
    徴とする静電荷像現像用トナー
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