JP3385961B2 - チェーン伝動装置 - Google Patents

チェーン伝動装置

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JP3385961B2
JP3385961B2 JP07473998A JP7473998A JP3385961B2 JP 3385961 B2 JP3385961 B2 JP 3385961B2 JP 07473998 A JP07473998 A JP 07473998A JP 7473998 A JP7473998 A JP 7473998A JP 3385961 B2 JP3385961 B2 JP 3385961B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チェーン伝動装置
に係り、特に、チェーンを用いて動力を伝達する装置と
して好適なチェーン伝動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、特開平5−2151
89号に開示される如く、チェーンを用いた動力伝達装
置が知られている。上記従来の装置は、複数のスプロケ
ットに掛けられたチェーン、および、チェーンに所定の
張力を付与するためのチェーンガイドを備えている。上
記のチェーンガイドには、所定の曲率が与えられてい
る。このため、チェーンは、チェーンガイドに支持され
る部位において、所定の曲率で内周側に湾曲する。
【0003】上記従来の装置において、チェーンは、所
定個数のリンクプレートが連結されることにより構成さ
れている。チェーンとチェーンガイドとの摺動抵抗を抑
制するうえでは、チェーンがチェーンガイドの押圧によ
り湾曲した際に、複数のリンクプレートの側面がチェー
ンガイドの摺動面と同一の曲率を有する面を形成するこ
とが望ましい。
【0004】上記従来の装置において、リンクプレート
は、その側面の曲率がチェーンガイドの摺動面の曲率と
同一となるように成形されている。このような構造によ
れば、複数のリンクプレートにより、チェーンガイドの
摺動面の曲率と同一の曲率を有する面を形成することが
できる。このため、上記従来の装置によれば、チェーン
とチェーンガイドとの摺動抵抗を低減させることができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、チェーンを用
いた動力伝達装置においては、複数の曲率を有するチェ
ーンガイドが用いられることがある。このような装置に
おいて、リンクプレートの曲率をチェーンガイドのいず
れかの曲率に合わせると、チェーンガイドの一部分とチ
ェーンとの間に大きな摺動抵抗が生じ易くなる。このた
め、上記従来の装置は、チェーンガイドが単一の曲率を
有する場合には有効であるが、チェーンガイドが複数の
曲率を有する場合には摺動抵抗を低減するうえで必ずし
も有効ではなかった。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、チェーンガイドの摺動面が複数の曲率を有する
場合に、チェーンとチェーンガイドとの摺動抵抗を抑制
するうえで有効なチェーン伝動装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、互いに連結された複数のリンクプレー
トを有するチェーンと、前記チェーンと摺動する摺動面
を有するチェーンガイドとを備えるチェーン伝動装置で
あって、前記チェーンガイドの摺動面は、複数の曲率を
有し、前記リンクプレートは、前記摺動面の最大曲率に
比して小さく、かつ、前記摺動面の最小曲率に比して大
きな所定の曲率を有する凹状円弧部を備えることを特徴
とするチェーン伝動装置により達成される。
【0008】本発明において、リンクプレートは、チェ
ーンガイドの摺動面が有する最小曲率と最大曲率との間
の所定の曲率を有する凹状円弧部を備えている。チェー
ンがチェーンガイドの押圧により湾曲する際には、複数
のリンクプレートによって均一の所定曲率を有する面が
形成される。このため、本発明によれば、リンクプレー
トの側面の曲率をチェーンガイドのいずれかの曲率に合
わせる場合に比して、チェーンとチェーンガイドとの摺
動抵抗を有効に抑制することができる。
【0009】上記の目的は、請求項2に記載する如く、
互いに連結された複数のリンクプレートを有するチェー
ンと、前記チェーンと摺動する摺動面を有し、該摺動面
がそれぞれ1つの曲率を有する複数のチェーンガイドと
を備えるチェーン伝動装置であって、前記複数のチェー
ンガイドの摺動面は、それぞれ異なる曲率を有し、前記
リンクプレートは、最大曲率を有するチェーンガイドの
摺動面の曲率に比して小さく、かつ、最小曲率を有する
チェーンガイドの摺動面の曲率に比して大きな所定の曲
率を有する凹状円弧部を備えることを特徴とするチェー
ン伝動装置により達成される。
【0010】本発明において、複数のチェーンガイド
は、それぞれ単一の曲率を有する摺動面を有している。
それらの曲率は、それぞれ異なる曲率である。リンクプ
レートは、それら異なる曲率のうち最大曲率と最小曲率
との間の所定の曲率を有する凹状円弧部を備えている。
チェーンがチェーンガイドの押圧により湾曲する際に
は、複数のリンクプレートによって均一の所定曲率を有
する面が形成される。このため、本発明によれば、リン
クプレートの側面の曲率をチェーンガイドのいずれかの
曲率に合わせる場合に比して、チェーンとチェーンガイ
ドとの摺動抵抗を有効に抑制することができる。
【0011】また、上記の目的は、請求項3に記載する
如く、前記リンクプレートは、所定の曲率で該リンクプ
レートの両端部を形成する両端円弧部を備え、前記両端
円弧部および前記凹状円弧部は、前記凹状円弧部が前記
両端円弧部の間に位置し、かつ、前記凹状円弧部の接線
と前記両端円弧部の接線とが一致するように形成されて
いることを特徴とする請求項1および2のいずれか1項
記載のチェーン伝動装置により達成される。
【0012】本発明において、リンクプレートの凹状円
弧部は、両端円弧部の間に位置している。また、凹状円
弧部は、凹状円弧部の接線と両端円弧部の接線とが一致
するように形成される。このため、上記の構造によれ
ば、両端円弧部と凹状円弧部との接合面を滑らかなもの
とすることができる。従って、本発明によれば、チェー
ンとチェーンガイドとの摺動抵抗を有効に低減すること
ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施例であ
るチェーン伝動装置10を備える内燃機関11の正面図
を示す。内燃機関11は、2本のカムシャフト12,1
3とクランクシャフト14とを備えている。カムシャフ
ト12,13の端部には、それぞれカムシャフトスプロ
ケット16,17が固定されている。一方、クランクシ
ャフト14の端部にはクランクシャフトスプロケット1
8が固定されている。カムシャフトスプロケット16,
17およびクランクシャフトスプロケット18の外周に
は、周方向に凸状の歯が形成されている。
【0014】チェーン伝動装置10は、環状のチェーン
20を備えている。チェーン20は、カムシャフトスプ
ロケット16,17およびクランクシャフトスプロケッ
ト18に係合するように外接している。カムシャフトス
プロケット16,17とクランクシャフトスプロケット
18との間には、チェーンスリッパ22とチェーンダン
パ23が設けられている(以下、これらを総称する場合
は、チェーンガイド24と称す)。チェーンガイド24
は、それぞれ所定の曲率を有しており、その湾曲部にお
いてチェーン20と接するように配置されている。
【0015】チェーン伝動装置10には、テンショナ2
5が設けられている。テンショナ25は、チェーンスリ
ッパ22に接続されており、油圧源(図示せず)から所
定油圧が供給されることによりチェーンスリッパ22に
所定の押圧力を付与している。その結果、チェーン20
には、所定の張力が与えられる。図2は、図1に示すチ
ェーン20の拡大図を示す。また、図3は、チェーン2
0を図2に示す矢視III で表した図を示す。チェーン2
0は、図2および図3に示す如く、幅の異なる内側リン
クプレート26と外側リンクプレート28とを備えてい
る。
【0016】内側リンクプレート26は、一対のリンク
プレート30と一対のブッシュ31とを備えている。リ
ンクプレート30には、その両端に円弧部32が、ま
た、その中央に側面部33が形成されている。内側リン
クプレート26は、一対のリンクプレート30が円弧部
32でブッシュ31と連結されて構成されている。ブッ
シュ31の周囲には、周方向に回転可能なローラ34が
配設されている。内側リンクプレート26において、ロ
ーラ34は、チェーン20が作動する際に各スプロケッ
トの歯と歯との間に収まるように設計されている。ロー
ラ34は、ブッシュ31の周囲を回転することによっ
て、各スプロケットの歯と噛み合う際にチェーン20と
チェーンガイド24との間に発生する摺動抵抗を軽減す
る役割を有している。
【0017】外側リンクプレート28は、一対のリンク
プレート36と一対のピン37とを備えている。リンク
プレート36にも、リンクプレート30の場合と同様
に、その両端に円弧部38が、また、その中央に側面部
39が形成されている。外側リンクプレート28は、一
対のリンクプレート36が円弧部38でピン37と連結
されて構成されている。
【0018】チェーン伝動装置10において、チェーン
20は、外側リンクプレート28のピン37と内側リン
クプレート26のブッシュ31とが同軸に連結されて構
成されている。チェーン20は、外側リンクプレート2
8と内側リンクプレート26とがピン37を軸にして周
方向に相対的に回転するような構造を有している。チェ
ーン20は、上述の如く、ローラ34が各スプロケット
の歯と歯との間に収まるように設計されている。従っ
て、上記の構造によれば、クランクシャフトスプロケッ
ト18が回転することで、チェーン20を、クランクシ
ャフトスプロケット18およびカムシャフトスプロケッ
ト16,17の円弧部に沿って変位させることができ
る。従って、本実施例のチェーン伝動装置10によれ
ば、クランクシャフト14の回転力をチェーン20を介
してカムシャフト12,13に伝達することができる。
【0019】図4は、チェーン20がチェーンスリッパ
22に接する状態を示す。本実施例において、チェーン
スリッパ22は、チェーン20と摺動する摺動部40を
有している。摺動部40は、複数の異なる曲率R1 ,R
2 (R1 <R2 ) を有しており、曲率R1 の部分と曲率
R2 の部分とがほぼ等しい距離となるように形成されて
いる。
【0020】本実施例において、チェーンスリッパ22
には、上述の如く、テンショナ25により押圧力が与え
られている。このため、チェーン20は、チェーンスリ
ッパ22の複数の曲率に従って湾曲する。この際、チェ
ーン20には、大きい曲率の部分と小さい曲率の部分と
が形成される。チェーン20とチェーンガイド24との
摺動抵抗を低下させるためには、チェーン20とチェー
ンスリッパ22との間の面圧を小さくすることが重要で
ある。また、上記の面圧を小さくするためには、チェー
ン20が湾曲した際に内側リンクプレート26の側面部
33および外側リンクプレート28の側面部39により
形成される面が、チェーンスリッパ22の摺動部40の
曲率と同等となることが有効である。
【0021】本実施例において、チェーン20は、上述
の如く複数の曲率を有している。このため、本実施例の
システムは、チェーン20がチェーンスリッパ22の全
域に対して低い面圧で接触し、チェーン20とチェーン
スリッパ22との間に大きな摺動抵抗を発生させない点
に特徴を有している。以下、図5乃至図7を参照して、
本実施例の特徴部について説明する。尚、内側リンクプ
レート26が有する側面部33と外側リンクプレート2
8が有する側面部39とは、その構造上異なるところが
ないため、以下の記載においては、内側リンクプレート
26の側面部33の構造についてのみ説明する。
【0022】図5は、本実施例のチェーン伝動装置10
が備えるチェーン20の構成要素である内側リンクプレ
ート26を示す。本実施例において、内側リンクプレー
ト26のリンクプレート30は、上述の如く、その両端
に円弧部32および側面部33を備えている。本実施例
において、側面部33の曲率は、チェーンスリッパ22
における最小曲率R1 の部分と最大曲率R2 の部分との
平均値付近の値RL に設定されている。
【0023】図6は、リンクプレート30の側面部33
の曲率RL が無限大、すなわち、側面部33が直線で構
成されたチェーン20を長時間チェーン伝動装置10で
使用した後にリンクプレート30の側面部33に形成さ
れる曲率RL を測定した結果を示す。リンクプレート3
0の側面部33が直線で構成されている場合、チェーン
20とチェーンスリッパ22との間に大きな面圧が作用
する。そして、その作動が長時間継続されると、側面部
33は、チェーン20とチェーンスリッパ22との間の
摩擦により削られる。この結果、側面部33には大きな
面圧が作用しない形状が成形される。従って、この測定
結果によれば、チェーン20とチェーンスリッパ22と
の間に作用する面圧が低くなる側面部33の形状を知得
することができる。
【0024】本測定においては、曲率450mmを有す
るチェーンダンパ23および複数の曲率R1 =140m
m,R2 =450mmを有するチェーンスリッパ22が
使用される。また、本測定で測定された側面部33のサ
ンプル数は5個である。図6に示す如く、本測定のサン
プルとされた側面部33の曲率RL は300mm近傍に
集中している。この値は、チェーンスリッパ22が有す
る複数の曲率R1 ,R2 のほぼ中間の値である。チェー
ンスリッパ22は、上述の如く、曲率R1 の部分と曲率
R2 の部分との比率がほぼ同一になるように形成されて
いる。従って、本実施例のチェーン伝動装置10におい
ては、側面部33の曲率RL を、チェーンスリッパ22
が有する複数の曲率R1 ,R2 のほぼ中間の値に設定す
ることで、チェーン20とチェーンスリッパ22との摺
動抵抗を抑制することができると考えられる。
【0025】図7は、リンクプレート30の側面部33
の最大高さHmax を変化させた場合にチェーン20とチ
ェーンスリッパ22との間に作用する面圧(摩擦平均有
効圧力PH )を測定した結果を示す。図7において実線
で示す曲線は、エンジン回転数が1200rpmである
場合を示す。また、図7において点線で示す曲線は、エ
ンジン回転数が4400rpmである場合を示す。この
測定結果によれば、チェーン20とチェーンスリッパ2
2との間に作用する摩擦平均有効圧力PH が最も低い場
合の側面部33の最大高さHmax を知得することができ
る。
【0026】図7に示す如く、チェーン20とチェーン
スリッパ22との間の摩擦平均有効圧力PH は、エンジ
ン回転数に拘らず、側面部33の最大高さHmax が46
μmのときに最小となる。この最大高さHmax =46μ
mは、リンクプレート30の側面部33の曲率RL が3
00mm近傍である場合に得られる値である。従って、
本実施例のチェーン伝動装置10においては、側面部3
3の曲率RL を、チェーンスリッパ22が有する複数の
曲率R1 ,R2 のほぼ中間の値に設定することで、チェ
ーン20とチェーンスリッパ22との摺動抵抗を抑制す
ることができると考えられる。
【0027】上記2種類の測定結果から、本実施例のシ
ステムでは、リンクプレート30の側面部33の曲率R
L を、チェーンスリッパ22の複数の曲率部分の中間値
とすることで、その曲率RL をチェーンスリッパ22が
有するいずれかの曲率と一致させる場合に比して、チェ
ーン20とチェーンスリッパ22との摺動抵抗を有効に
抑制し得ることが導かれる。外側リンクプレート28が
備えるリンクプレート36の側面部39の曲率について
も、内側リンクプレート26が備えるリンクプレート3
0の側面部33の曲率RL と同様に考えることができ
る。上述の如く、本実施例においては、内側リンクプレ
ート26および外側リンクプレート28が共に、側面部
33,39が上記の条件を満たす曲率を有するように成
形されている。
【0028】従って、本実施例のチェーン伝動装置10
によれば、チェーン20とチェーンスリッパ22との間
に作用する摺動抵抗を低減し、チェーン20の駆動に伴
うエネルギ損失を削減すると共に、チェーン20の駆動
に伴う振動や騒音を有効に防止することができる。ま
た、本実施例において、リンクプレート30の円弧部3
2と側面部33とは、円弧部32の外周と側面部33の
外周とが接する点において、それぞれの接線が互いに一
致するように形成されている。すなわち、リンクプレー
ト30の外周が、円弧部32と側面部33とで滑らかな
形状を形成している。同様に、リンクプレート36の円
弧部38と側面部39とは、円弧部38の外周と側面部
39の外周とが接する点において、それぞれの接線が互
いに一致するように、すなわち、リンクプレート36の
外周が円弧部38と側面部39とで滑らかな形状を形成
するように成形されている。
【0029】上記の形状によれば、リンクプレート3
0,36の側面部33,39を所望の曲率のみで構成し
つつ、側面部33,39と円弧部32,38とを滑らか
につなげることができる。この場合、リンクプレート3
0,36は、いかなる部位においてもチェーンスリッパ
22の表面を滑らかに摺動することができる。このた
め、本実施例のチェーン伝動装置10によれば、チェー
ン20とチェーンスリッパ22との摺動抵抗を有効に抑
制することができる。
【0030】尚、上記の実施例においては、内側リンク
プレート26および外側リンクプレート28が前記請求
項1記載の「リンクプレート」に、側面部33,39が
前記請求項1記載の「凹状円弧部」に、円弧部32,3
8が前記請求項3記載の「両端円弧部」に、それぞれ相
当している。ところで、本実施例においては、チェーン
スリッパ22の摺動部が2つの曲率R1 ,R2 を有して
いるが、本発明はこれに限定されるものではなく、チェ
ーンスリッパ22が3つ以上の曲率を有することとして
もよい。更に、本実施例においては、チェーンスリッパ
22が曲率の異なる部分をほぼ等距離に渡って有するこ
ととしているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、曲率の異なる部分が異なる距離を有していてもよ
い。この場合、リンクプレート30,36の側面部3
3,39の曲率を、2つの曲率の平均値に代えて、2つ
の曲率とそれらの曲率のそれぞれの距離の比率と応じて
決定される値に設定してもよい。
【0031】また、上記の実施例においては、チェーン
伝動装置10がカムシャフトとクランクシャフトとの間
で動力を伝達しているが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、チェーン伝動装置10を変速機等の他の動
力伝達装置に使用することとしてもよい。次に、図8を
参照して、本発明の第2実施例について説明する。本実
施例のチェーン伝動装置50は、上記図1に示すチェー
ン伝動装置10において、チェーンスリッパ22をチェ
ーンスリッパ52およびチェーンスリッパ53に変更す
ることにより実現される。
【0032】図8は、本発明の第2実施例であるチェー
ン伝動装置50を備える内燃機関51の正面図を示す。
尚、図8において、上記図1に示される構成部分と同一
の部分については、同一の符号を付してその説明を省略
する。本実施例において、カムシャフトスプロケット1
6,17とクランクシャフトスプロケット18との間に
は、チェーンスリッパ52,53とチェーンダンパ23
が設けられている(以下、これらを総称する場合は、チ
ェーンガイド54と称す)。チェーンガイド54は、そ
れぞれ所定の曲率を有しており、その湾曲部においてチ
ェーン20と接するように配置されている。チェーンス
リッパ52には、テンショナ25が接続されており、油
圧源(図示せず)からテンショナ25に所定油圧が供給
されることにより所定の押圧力が付与されている。その
結果、チェーン20には、所定の張力が与えられる。
【0033】本実施例において、チェーンスリッパ5
2,53は、それぞれチェーン20と摺動し単一の曲率
を有する摺動部を有している。チェーンスリッパ52の
摺動部とチェーンスリッパ53の摺動部とは、互いに異
なる曲率を有しており、曲率の部分とがほぼ等しい距離
となるように形成されている。従って、チェーン20
は、チェーンスリッパ52の摺動部が有する曲率とチェ
ーンスリップ53の摺動部が有する曲率とに応じて湾曲
する。この際、チェーン20には、大きい曲率の部分と
小さい曲率の部分とが形成される。
【0034】本実施例において、チェーン20の構成要
素である内側リンクプレート26および外側リンクプレ
ート28の側面部の曲率は、上記第1実施例の場合と同
様に、チェーンスリッパ52の摺動部が有する最小曲率
とチェーンスリッパ53の摺動部が有する最大曲率との
平均値付近の値に設定される。このため、本実施例のチ
ェーン伝動装置50によれば、チェーン20とチェーン
スリッパ52との間、および、チェーン20とチェーン
スリッパ53との間に生ずる摺動抵抗を抑制することが
できる。従って、本実施例のチェーン伝動装置10によ
れば、チェーン20とチェーンスリッパ52,53との
間に作用する摺動抵抗を低減することで、チェーン20
の駆動に伴うエネルギ損失を削減すると共に、チェーン
20の駆動に伴う振動や騒音を有効に防止することがで
きる。
【0035】また、本発明において、上記第1実施例の
場合と同様に、リンクプレートの円弧部と側面部とは、
それらの外周が互いに接する点において、それぞれの接
線が互いに一致するように、すなわち、リンクプレート
の外周が円弧部と側面部とで滑らかな形状を形成するよ
うに成形される。従って、本実施例のチェーン伝動装置
50によれば、リンクプレートを備えるチェーン20
と、チェーンと摺動するチェーンガイドとの間に作用す
る摺動抵抗を有効に抑制することができる。
【0036】ところで、上記の実施例においては、互い
に曲率の異なる2つのチェーンスリッパ52,53をチ
ェーン20に接するように配置しているが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、それぞれ曲率の異なる3
つ以上のチェーンスリッパを用いてこととしてもよい。
更に、本実施例においては、チェーンスリッパ52の摺
動部が有する曲率の部分とチェーンスリッパ53の摺動
部が有する曲率の部分とをほぼ等距離に渡って有するこ
ととしているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、これらの部分が異なる距離を有していてもよい。こ
の場合、リンクプレート30,36の側面部33,39
の曲率を、2つの曲率の平均値に代えて、2つの曲率と
それらの曲率のそれぞれの距離の比率と応じて決定され
る値に設定してもよい。
【0037】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、単一のチェーンガイドが複数の異なる曲率を有する
摺動面を有する場合に、チェーンとチェーンガイドとの
間に生じる面圧を小さく抑さえることで、チェーン作動
時のフリクションを有効に低減させることができる。
【0038】上述の如く、請求項2記載の発明によれ
ば、複数のチェーンガイドがそれぞれ異なる曲率を有す
る摺動面を有する場合に、チェーンとチェーンガイドと
の間に生じる面圧を小さく抑さえることで、チェーン作
動時のフリクションを有効に低減させることができる。
また、上述の如く、請求項3記載の発明によれば、チェ
ーンが備えるリンクプレートの摺接面を滑らかにするこ
とで、チェーンとチェーンガイドとの摺動抵抗を低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるチェーン伝動装置を
備える内燃機関の正面図である。
【図2】図1に示すチェーンの拡大図である。
【図3】本実施例におけるチェーンを図2に示す矢視II
I で表した図である。
【図4】チェーンがチェーンガイドに摺接する状態を示
す図である。
【図5】本実施例であるチェーン伝動装置が備えるチェ
ーンの構成要素であるリンクプレートの拡大図である。
【図6】リンクプレートの側面部の曲率RL が無限大で
あるチェーン伝動装置を長時間作動させた後にその側面
部の曲率を測定した結果である。
【図7】リンクプレートが備える側面部の最大高さを変
化させた場合にチェーンとチェーンスリッパとの間に作
用する摩擦平均有効圧力PH を測定した結果である。
【図8】本発明の第2実施例であるチェーン伝動装置を
備える内燃機関の正面図である。
【符号の説明】
10,50 チェーン伝動装置 16,17 カムシャフトスプロケット 18 クランクシャフトスプロケット 20 チェーン 22,52,53 チェーンスリッパ 23 チェーンダンパ 24,54 チェーンガイド 25 テンショナ 26 内側リンクプレート 28 外側リンクプレート 30,36 リンクプレート 31 ブッシュ 32,38 円弧部 33,39 側面部 34 ローラ 37 ピン 40 摺動部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 7/00 - 7/24 F16G 13/00 - 17/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに連結された複数のリンクプレート
    を有するチェーンと、前記チェーンと摺動する摺動面を
    有するチェーンガイドとを備えるチェーン伝動装置であ
    って、 前記チェーンガイドの摺動面は、複数の曲率を有し、 前記リンクプレートは、前記摺動面の最大曲率に比して
    小さく、かつ、前記摺動面の最小曲率に比して大きな所
    定の曲率を有する凹状円弧部を備えることを特徴とする
    チェーン伝動装置。
  2. 【請求項2】 互いに連結された複数のリンクプレート
    を有するチェーンと、前記チェーンと摺動する摺動面を
    有し、該摺動面がそれぞれ1つの曲率を有する複数のチ
    ェーンガイドとを備えるチェーン伝動装置であって、 前記複数のチェーンガイドの摺動面は、それぞれ異なる
    曲率を有し、 前記リンクプレートは、最大曲率を有するチェーンガイ
    ドの摺動面の曲率に比して小さく、かつ、最小曲率を有
    するチェーンガイドの摺動面の曲率に比して大きな所定
    の曲率を有する凹状円弧部を備えることを特徴とするチ
    ェーン伝動装置。
  3. 【請求項3】 前記リンクプレートは、所定の曲率で該
    リンクプレートの両端部を形成する両端円弧部を備え、 前記両端円弧部および前記凹状円弧部は、前記凹状円弧
    部が前記両端円弧部の間に位置し、かつ、前記凹状円弧
    部の接線と前記両端円弧部の接線とが一致するように形
    成されていることを特徴とする請求項1および2のいず
    れか1項記載のチェーン伝動装置。
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