JP3381010B2 - プロポリスエキスを含有する発酵物とその製造方法並びに用途 - Google Patents

プロポリスエキスを含有する発酵物とその製造方法並びに用途

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロポリスエキスを含
有する発酵物とその製造方法並びに用途、詳細には乳酸
発酵方法によるプロポリスエキスの嗜好性を改善させた
発酵物とその製造方法並びに用途、更には、該発酵方法
によるプロポリスエキスの嗜好性改善方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロポリスは、『プロポリス・イン・ナ
チュラル・セラピューティクス(Propolis i
n natural therapeutics)』、
マルワーヌ・エディテール・エス・アー(Maloin
e Editeur S.A.)、パリ、フランス(1
983年)、『フレグランスジャーナル』、第83号、
第20乃至28頁及び第36乃至43頁(1987年)
などにも記載されているように、蜜蜂が巣箱内に貯蔵す
る樹脂状物で、これには樹脂、ミツロウ、精油、花粉、
フラボノイドなどが含まれており、古くから民間療法薬
として感受性疾患の予防、治療や健康の維持、増進など
に利用されてきた。
【0003】その主な作用は、抗菌作用、抗酸化作用、
抗炎症作用、局所麻酔作用、ウイルス増殖抑制作用、免
疫調節作用などであり、その主な有効成分として、フラ
ボノイド、芳香族カルボン酸、芳香族アルデヒドなどが
知られている。プロポリスは、黒褐色の塊状物であっ
て、そのままでは利用しにくく、また、その組成は、水
不溶性物質又は疎水性物質が主成分であることから、通
常、エタノールなどの親水性有機溶媒の高濃度溶液によ
り抽出して得られる液状のプロポリスエキス(これをプ
ロポリスチンキと呼ぶこともある。)として利用されて
いる。
【0004】プロポリスエキスの利用方法としては、通
常、経口的に利用され、多くの場合、グラスに入れた
水、紅茶、ジュース、ビールなどにプロポリスエキスを
1乃至数滴たらして混合し、これを摂取する方法が採用
されている。しかしながら、このようにして得られる摂
取物は、プロポリスエキス特有の強い香りとともに辛味
のある刺激味を持つこととなり、加えて、プロポリスエ
キスに含まれる樹脂、ロウ成分が析出、白濁して、その
嗜好性を著しく損なっているのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】プロポリスエキスの前
記欠点を解消し、プロポリスエキスの嗜好性を改善する
方法とこの方法により得られる嗜好性の改善されたプロ
ポリスエキス含有経口摂取物の提供が強く望まれてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記欠点
を解消するために、プロポリスエキスの抗菌作用に着目
し、この作用とは逆に、敢えてプロポリスエキスの発酵
処理について鋭意研究を続けてきた。
【0007】その結果、意外にもプロポリスエキスは乳
酸発酵を阻害しにくいこと、更に、乳酸発酵によりプロ
ポリスエキスの嗜好性が著しく改善されることを見いだ
し、本発明を完成した。即ち、本発明は、プロポリスエ
キスとともに乳又は乳由来物質を含有する培地を乳酸発
酵させた発酵物とその製造方法、並びに該発酵物に他の
経口摂取可能な材料を配合する経口摂取物の製造方法、
更には、該発酵方法によるプロポリスエキスの嗜好性を
改善する方法に関する。培地に共存させるプロポリスエ
キスの含量は、固形分として0.2w/w%以下の量が
好適である。
【0008】本発明で使用するプロポリスエキスとして
は、例えば、プロポリスを濃度80v/v%以上の高濃
度エタノールで抽出した溶液、これを、例えば、特開昭
61−197523号公報、特開平5−316968号
公報などで開示されている方法で部分精製したものであ
っても、また、特開平4−316459号公報などで開
示されている方法で固形状にしたものであってもよい。
また、市販品を使用することも随意である。
【0009】本発明で培地に含有せしめるプロポリスエ
キスの量は、乳酸発酵がスムーズに行え、かつ、プロポ
リスエキスの嗜好性がよく改善される量であれば良く、
培地の組成や乳酸菌の種類によって多少変動するが、通
常、培地に対して、プロポリスエキスを固形分として
0.2w/w%以下の量を含有させるのが好適であり、
更に望ましくは、0.001乃至0.15w/w%が好
適である。
【0010】本発明の培地としては、乳酸菌が増殖し
て、これに含まれる糖質から多量の乳酸を産生しうる培
地であればよく、プロポリスエキスとともに乳又は乳由
来物質を含有する培地が適しており、一般的には、固形
分濃度約30w/w%未満の液状培地が採用される。ま
た、必要に応じて、プロポリスエキスとともに乳又は乳
由来物質に加えて、糖質、ミネラル及び動植物由来物質
などから選ばれる1種又は2種以上の成分を含有する培
地が採用される。乳としては、牛乳、山羊乳、羊乳など
が適宜用いられる。また、乳由来物質としては、乳から
調製される物質であって、例えば、脱脂粉乳、ミルクカ
ゼイン、生クリーム、乳清、乳清ミネラル、ラクトー
ス、チーズなどが有利に用いられる。乳酸の産生に必須
の糖質は、例えば、グルコース、フラクトース、ガラク
トース、キシロースなどの単糖類、マルトース、イソマ
ルトース、ラクトース、シュクロース、トレハロース、
マルトトリオース、パノース、イソマルトトリオース、
マルトテトラオースなどのオリゴ糖などが単独で、又は
2種以上併用して適宜用いられる。また、ミネラルとし
ては、乳酸菌の増殖、発酵に必須の栄養源は勿論のこ
と、乳酸発酵して得られる経口摂取物の利用目的に応じ
てミネラルを強化すればよく、例えば、ナトリウム塩、
カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、銅
塩、亜鉛塩、リン酸塩などが必要に応じて適宜用いられ
る。この際、生体で必須で、しかも比較的不足し易いカ
ルシウム、鉄、銅、亜鉛などが、乳酸発酵により生体内
で吸収、利用され易い乳酸塩、蛋白性ミネラルなどに変
換されるので好都合である。
【0011】接種する乳酸菌としては、糖質から多量の
乳酸を産生する細菌であれば良く、例えば、ラクトバチ
ルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)
IFO 13951 T、ラクトバチルス・デルブルッ
キー・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillu
s delbrueckii subsp. bulgaricus)[本明細書を通じ
て、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bu
lgaricus)と略称する。]IFO 13953 T、ラ
クトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillushelveticu
s)IFO 3809、ラクトバチルス・ブレビス(Lac
tobacillus brevis)IFO 3345などのラクトバ
チルス属に属する細菌、ストレプトコッカス・サリバリ
ウス・サブスピーシーズ・サリバリウス(Streptococcu
s salivarius subsp. salivarius)IFO 1395
6、ストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシ
ーズ・サーモフィルス(Streptococcus salivarius sub
sp.thermophilus)[本明細書を通じて、ストレプトコ
ッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilu
s)と略称する。]IFO 13957、などのストレ
プトコッカス属に属する細菌、ラクトコッカス・ラクチ
ス・サブスピーシーズ・クレモリス(Lactococcus lact
is subsp. cremoris)IFO 3427、ラクトコッカ
ス・ラクチス・サブスピーシーズ・ラクチス(Lactococ
cus lactis subsp. lactis)IFO 12007などの
ラクトコッカス属に属する細菌、エンテロコッカス・フ
ェカリス(Enterococcus faecalis)IFO 397
1、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus fae
cium)IFO 3128などのエンテロコッカス属に属
する細菌、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifido
bacterium bifidum)IFO 14252 Tなどのビ
フィドバクテリウム属に属する細菌などから選ばれる1
種又は2種以上が用いられる。また、必要ならば、市販
の発酵乳や乳酸菌飲料などを乳酸菌種培養物(スタータ
ー)として接種することも有利に実施できる。また、必
要に応じて、乳酸菌を含む混合菌塊ケフィア粒を接種す
ることも有利に実施できる。また、ビフィズス菌増殖促
進糖質であるラクトスクロースとともにラクトースを含
有する、例えば、ラクトスクロース含有シラップ(株式
会社林原商事販売、商品名『乳果オリゴ』)を用いてラ
クトース不耐症者のための発酵物を製造する場合には、
該シラップを含有する培地に糖質選択資化能を有する乳
酸菌、例えば、ラクトバチルス・ブルガリカス、ストレ
プトコッカス・サーモフィルスなどを接種し、ラクトー
ス不耐症者に不適なラクトースを優先的に資化、低減さ
せ、ビフィズス菌増殖促進に有効なラクトスクロースを
残す発酵法を採用することも有利に実施できる。
【0012】本発明のプロポリスエキスを含有する乳酸
発酵物を製造する方法としては、例えば、プロポリスエ
キスとともに乳又は乳由来物質を混合した後加熱殺菌す
るか、又は、乳又は乳由来物質を加熱殺菌した後プロポ
リスエキスを混合するかして得られる培地に、常法に従
って、乳酸菌を接種し、嫌気下で約30乃至50℃、約
6乃至120時間から選ばれる条件で培養して製造すれ
ばよい。
【0013】このようにして得られるプロポリスエキス
含有発酵物は、嗜好性の改善されたプロポリスエキスと
ともに生きた乳酸菌を含有しており、そのままで、又
は、更に他の経口摂取可能な材料と配合して各種経口摂
取物として有利に利用でき、プロポリスエキス本来の作
用、例えば、抗菌作用、感染抑制作用、整腸作用、免疫
調節作用、ストレス抑制作用、マクロファージ活性化作
用、抗酸化作用、抗脂血作用、育毛作用などとともに、
乳酸菌発酵物本来の作用をも有することから、健康維
持、増進のための飲食物は勿論のこと、静菌剤、ビフィ
ズス菌増殖促進剤、整腸剤、ミネラル強化剤、抗感受性
疾患剤、色白剤、育毛剤などとして有利に利用できる。
【0014】とりわけ、該プロポリスエキス含有発酵物
に、ビタミン、ホルモン、サイトカイン、動植物由来物
質などから選ばれる経口摂取可能な生理活性物質を配合
して、その抗菌作用、抗感受性疾患作用、生理作用など
を高めた経口摂取物を製造することも有利に実施でき
る。
【0015】本発明でいう抗感受性疾患剤とは、感受性
疾患のための予防剤、治療剤を意味し、感受性疾患と
は、本発明のプロポリスエキス含有発酵物又はそれを利
用した経口摂取物によって予防され、若しくは治療され
る疾患を意味し、その例としては、感染症、便秘症、肝
性脳症、肝臓疾患、大腸癌、貧血症、神経疾患などがあ
る。
【0016】また、経口摂取可能な材料としては、例え
ば、香料、着色料、酸味料、甘味料、ビタミン、ミネラ
ル、動植物由来物質、生理活性物質、安定剤、増量剤、
賦形剤などの1種又は2種以上の材料が適宜用いられ
る。ビタミンとしては、チアミン、リボフラビン、ピリ
ドキシン、L−アスコルビン酸などの水溶性ビタミン、
肝油、カロチノイド、エルゴステロール、トコフェロー
ルなどの脂溶性ビタミンが適宜用いられる。また、動植
物由来物質としては、例えば、スッポンエキス、マムシ
エキス、シジミエキス、カキ肉エキス、チョウザメエキ
ス、カツオエキス、ミートエキス、チキンエキス、胎盤
エキス、ローヤルゼリー、骨粉、ヘム鉄などの動物由来
物質や、例えば、酵母エキス、麹エキス、キノコエキ
ス、クロレラエキス、甘草エキス、昆布エキス、松葉エ
キス、熊笹エキス、梅肉エキス、人参エキス、ヨモギエ
キス、アロエエキス、クコエキス、シソエキス、胡麻エ
キス、スギナエキス、ビワ葉エキス、ニンニクエキス、
ジンジャーエキス、果汁、野菜汁などの微生物、植物由
来物質が必要に応じて適宜用いられる。
【0017】発酵物に経口摂取可能な材料を配合する方
法としては、製品が完成するまでの工程で、例えば、混
和、混捏、溶解、浸漬、散布、注入など公知の配合方法
が適宜選ばれる。
【0018】経口摂取物の一例として、健康飲料を製造
するには、例えば、発酵物にビフィズス菌増殖促進糖質
や生体に不足しがちなビタミン、ミネラルなどを強化
し、必要に応じて、公知の糖質甘味料、ステビア、アス
パルテームなどの高甘味度甘味料、プルラン、カラギー
ナン、ペクチン、ゼラチンなどの安定剤、更には、果
汁、有機酸、着色料、香料、水などを配合し、次いで、
常法に従って均質化(ホモゲナイズ)し、加熱殺菌、容
器充填して製造すればよい。この際、ビフィズス菌増殖
促進糖質としては、例えば、イソマルトオリゴ糖、ラク
トスクロース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖な
どが、食物繊維として、プルラン、デキストラン、カラ
ギーナン、ペクチン、グルコマンナン、ナタ・デ・ココ
などが適宜採用できる。また、生体に不足しがちなミネ
ラルとしては、例えば、カルシウム、マグネシウム、
鉄、銅、亜鉛などが必要に応じて適宜用いられる。ま
た、ミネラルとともに生理活性物質など他の有効物質を
含有する材料、例えば、乳清ミネラル、骨粉、ヘム鉄、
カキ肉エキス、シジミエキス、酵母エキス、キノコエキ
ス、昆布エキス、胡麻エキス、スギナエキス、プルーン
エキスなどの動植物由来物質を用いることも有利に実施
できる。
【0019】このようにして得られるビフィズス菌増殖
促進糖質や生体に不足しがちなミネラルなどを強化した
プロポリスエキス含有経口摂取物は、前述のプロポリス
エキス本来の作用に加えて、ビフィズス菌増殖促進作用
によりビフィズス菌を選択的に増殖し、酢酸、乳酸など
の有機酸を産生し、大腸内のpHを低下させ、自発性感
染症の原因となる細菌や腐敗細菌などの有害菌の生育を
抑制する。また、腐敗細菌が産生するアンモニア、p−
クレゾール、インドール、スカトールなどの腐敗物質の
産生を抑制するとともに、腸を適度に刺激し蠕動運動を
促進して整腸作用を示し、感染症、便秘症、高アンモニ
ア血症、肝性脳症、大腸癌などを予防する。更に、強化
されたミネラルは、産生された有機酸により、可溶性の
有機酸塩となり、その吸収が促進されることとなる。こ
の際、例えば、カルシウムは、0.0001乃至0.1
w/w%程度配合して骨粗鬆症の予防、治療に、マグネ
シウムは、0.0001乃至0.1w/w%程度配合し
て、循環器系疾患の予防、治療に、鉄、銅は、0.00
001乃至0.01w/w%程度配合して、貧血症の予
防、治療に、亜鉛は、0.000001乃至0.001
w/w%程度配合して、うつ病などの精神疾患の予防、
治療、精力増強に効果的に働き、健康維持、増進に極め
て好都合である。
【0020】また、該プロポリスエキス含有発酵物、又
は必要に応じて、これにオリゴ糖、デキストリンなどの
糖質を混合して乾燥して得られる発酵物粉末は、各種経
口摂取物の原材料として風味改善、品質改善に、また、
静菌剤、保存剤などとして日持ち向上などの目的で有利
に利用できる。
【0021】このようにして得られるプロポリスエキス
含有発酵物、更には、この発酵物を用いて製造された経
口摂取物を利用する方法は、通常の方法により摂取すれ
ばよく、一般的には、1日につき体重1kg当たり、プ
ロポリスエキス固形分として0.0001乃至0.1
g、望ましくは、0.0005乃至0.05gに相当す
る量を摂取すればよい。
【0022】また、本発明のプロポリスエキス含有発酵
物は、甘味、酸味、塩から味、苦味、渋味、旨味などを
呈する各種物質ともよく調和し、静菌作用、抗酸化作用
も強いので、特定分野の健康飲食物、抗感受性疾患剤に
限られることなく、広く一般の飲食物、嗜好物、例え
ば、醤油、フリカケ、マヨネーズ、ドレッシング、三杯
酢、中華の素、天つゆ、麺つゆ、ソース、ケチャップ、
焼肉のタレ、カレールウ、シチューの素、スープの素、
ダシの素、複合調味料、新みりんなどの各種調味料、お
こし、カリントウ、求肥、餅類、まんじゅう、ういろ
う、あん類、羊かん、水羊かん、錦玉、ゼリー、カステ
ラ、飴玉などの各種和菓子、パン、クッキー、パイ、プ
リン、シュークリーム、ワッフル、スポンジケーキ、ド
ーナツ、チョコレート、チューインガム、キャラメル、
キャンディーなどの各種洋菓子、アイスクリーム、シャ
ーベットなどの氷菓、果実のシロップ漬、氷蜜などのシ
ロップ類、福神漬、千枚漬、らっきょう漬などの漬物
類、ハム、ソーセージなどの畜肉製品類、魚肉ハム、魚
肉ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、はんぺんなどの魚肉
製品、ウニ、イカの塩辛、酢昆布、さきするめ、ふぐの
みりん干しなどの各種珍味類、果実酒、洋酒などの酒
類、コーヒー、紅茶、ココア、ジュース、炭酸飲料、乳
酸飲料、乳酸菌飲料などの清涼飲料水などに配合して、
それらの風味改善、日持向上、品質安定などの目的で有
利に利用できる。更に、家畜、家禽、蜜蜂、蚕、魚など
飼育動物のための飼料、餌料などに配合して、飼育動物
の感染予防、下痢予防、食欲増進、肥育促進、産卵助
長、糞便の悪臭抑制などの目的で利用することも好都合
である。その他、ドリンク剤、粉剤、顆粒剤、カプセル
剤などや、タバコ、トローチ、舌下剤、口中香錠、口中
清涼剤、うがい薬、チューインガムなどに配合して、医
薬品、化粧品分野で利用することも有利に実施できる。
【0023】以下、本発明を実験で詳細に述べる。
【0024】
【実験1 プロポリスエキスの乳酸発酵に与える影響】
プロポリスエキスの乳酸発酵に与える影響を調べた。脱
脂粉乳8重量部、異性化糖シラップ(固形分75w/w
%)10重量部及び特開平5−316968号公報に記
載されている実施例A−1の方法で調製した部分精製プ
ロポリスエキス(固形分10w/w%含有エタノール水
溶液)を固形分として0乃至0.6重量部になるように
加え、更に水を加えて全量を100重量部とした培地を
調製し、これを1l容三角フラスコにとり、85℃、3
0分間加熱殺菌し、次いで40℃に冷却し、これに常法
に従って、ラクトバチルス・ブルガリカス IFO 1
3953 T及びラクトバチルス・アシドフィラス I
FO 13951 Tを増殖させた乳酸菌スターターを
接種し、37℃で静置して1乃至5日間培養し、培地の
pH、凝固の有無及び発酵臭の有無で、その乳酸発酵の
状況を観察した。結果は表1にまとめた。
【0025】
【表1】
【0026】表1の結果からも明かなように、プロポリ
スエキス共存下でも乳酸発酵が起こり、培地のpHが5
未満に低下することが判明した。その際、プロポリスエ
キス濃度の影響は大きく、固形分として、0.01乃至
0.3w/w%の範囲でその量が多くなる程、発酵が遅
くなることが判明した。換言すれば、プロポリスエキス
を固形分として0.05w/w%程度までなら、プロポ
リスエキス無含有の場合とほぼ同様に1日で発酵させる
ことができ、その量が0.1乃至0.15w/w%なら
2日で発酵させることができ、また、0.2乃至0.3
w/w%なら5日で発酵させることができる。なお、プ
ロポリスエキスを、固形分として0.6w/w%共存さ
せたものは、プロポリスエキスが増したため、加熱殺菌
時に凝固が見られ、また、発酵も起こらなかった。
【0027】
【実験2 プロポリスエキスの乳酸発酵による嗜好性の
改善】実験1の方法で、プロポリスエキスを含有せしめ
て乳酸発酵させて得られたプロポリスエキス含有発酵物
を試料Aとし、プロポリスエキスを含有させないで同様
に乳酸発酵させて得られた発酵物に、その発酵後にプロ
ポリスエキスの等量を単に混合したものを試料Bとし、
試料A、試料Bのどちらをより好むかをパネルテストに
より評価した。用いた発酵物は、プロポリスエキスを固
形分として濃度0.01、0.02及び0.05w/w
%含有し発酵期間が2日のものと、濃度0.1、0.1
5、0.2及び0.3w/w%含有し発酵期間が5日の
ものを使用した。試料A、試料Bのいずれの場合も、均
質化して試験に供した。パネラーは18名で、男性10
名、女性8名の構成であり、24℃でパネルテストを行
った。結果は表2にまとめた。
【0028】
【表2】
【0029】表2の結果から明かなように、プロポリス
エキスは乳酸発酵により、その嗜好性が著しく改善され
ることが判明した。また、乳酸発酵に際しては、乳酸発
酵用培地に対して、プロポリスエキスを固形分として
0.2w/w%以下の量を含有させるのが適しており、
濃度0.01乃至0.15w/w%が更に適しているこ
とも判明した。
【0030】
【実験3 胃潰瘍抑制効果】
【実験3−1 ラットへのストレス負荷による胃潰瘍抑
制】ラットへのストレス負荷は、『新薬開発のための動
物モデル利用集成』、伊藤隆太、高橋良、本田西男編、
第247乃至254頁(1985年)、R&Dプラニン
グ、東京、において、松尾等が記載している方法に準じ
て、ウイスター系雄ラット体重280乃至350gを金
網製ストレスケージに拘束し、水温23℃で18時間水
浸により、急性胃潰瘍を起こさせた。
【0031】
【実験3−2 ストレス性胃潰瘍抑制剤の経口投与】ス
トレス性胃潰瘍抑制剤として、実験2の方法で調製した
プロポリスエキス固形分として0.1w/w%を含有す
る発酵物、試料A及び試料Bを、水でそれぞれ50倍希
釈して投与した。対照として、蒸留水又はプロポリスエ
キス無添加の発酵物を同様に50倍希釈した水溶液を投
与した。投与方法は、一群8匹とし、1匹当たり、スト
レス性胃潰瘍抑制剤3mlずつをストレス負荷開始10
分前に胃ゾンデを用いて強制的に経口投与した。効果の
判定は、ストレス負荷後、エーテル吸入致死せしめて解
剖し、胃粘膜上に発生したただれ(Erosion)の
長さ(mm)を測定し、これを合計してラット1匹当た
りの潰瘍係数(Ulecer index)求めた。結
果は表3にまとめた。
【0032】
【表3】
【0033】表3の結果から明らかなように、本発明の
プロポリスエキスを含有せしめて乳酸発酵をさせた発酵
物(試料A)を投与したIII群は、対照のI群(蒸留
水投与群)の潰瘍係数が65mmであるのに対して、潰
瘍係数が26mmと40%に低減しており、また、プロ
ポリスエキス無添加の発酵物にプロポリスエキスを単に
混合したもの(試料B)を投与したIV群のそれは28
mmと約43%に低減している。このことからプロポリ
スエキスを含有させて乳酸発酵させたものはストレス性
胃潰瘍抑制効果を有するとともに、その効果は、乳酸発
酵により効果を失わないばかりか、むしろ増強されるこ
とが判明した。この作用は、ストレスなどの神経疾患の
治療に有利に利用できる。
【0034】
【実験4 マクロファージ活性化効果】実験2の方法で
調製したプロポリスエキス固形分として0.1w/w%
を含有する試料A及び試料Bを、10%牛胎仔血清及び
10mM Hepes緩衝液(pH7.4)含有RPM
I 1640培地で、それぞれ100倍に希釈したもの
をマクロファージ活性化剤として用いた。マクロファー
ジ活性化効果は、常法に従ってBALB/cマウスの腹
腔からマクロファージを採取し、96ウェル・プレート
に播種して付着させ、これに前記の活性化剤それぞれを
ウェル当たり0.1ml添加し、37℃、5%炭酸ガス
雰囲気下でインキュベートし、5時間後に、写真撮影
し、それぞれ、全マクロファージ数に対する活性化して
進展したマクロファージ数の割合を求めて、その活性化
率(%)とし、その大小で判定した。対照には、蒸留水
を用いた。結果は表4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】表4の結果から明らかなように、プロポリ
スエキスを含有せしめて乳酸発酵させた発酵物(試料
A)は、著しいマクロファージ活性化効果を示し、その
効果は、乳酸発酵により効果を失わないばかりか、むし
ろ増強されることが判明した。この作用は、感染症、癌
などの予防や治療に有利に利用できる。
【0037】
【実験5 急性毒性】7週齢のdd系マウスを使用し
て、実験2の方法でプロポリスエキスを固形分として、
0.05w/w%、0.1w/w%及び0.2w/w%
含有せしめて乳酸発酵させた発酵物(試料A)の凍結乾
燥品を経口投与して急性毒性をテストしたところ、プロ
ポリスエキス固形分として、体重1kg当たり0.2g
まで死亡例が見られず、これ以上の投与は困難であっ
た。従って、これら試料の毒性は極めて低い。
【0038】以下、本発明のプロポリスエキスを含有す
る発酵物を実施例Aで述べ、また該発酵物を利用した経
口摂取物を実施例Bで述べる。
【0039】
【実施例A−1 発酵物】牛乳80重量部、脱脂粉乳5
重量部、実験1の方法に準じて調製した部分精製プロポ
リスエキス(固形分15w/w%含有エタノール水溶
液)0.2重量部及び水を加えて全量を100重量部と
した培地を80℃、30分間加熱殺菌して45℃に冷却
し、次いで、常法に従ってラクトバチルス・ブルガリカ
ス IFO13953 T及びストレプトコッカス・サ
ーモフィルス IFO 13957を増殖させた乳酸菌
スターターを接種し、45℃で24時間発酵させた。発
酵後、スクロース5重量部を加えて均質化し、容器に充
填して発酵物製品を得た。本品は、嗜好性の優れたプロ
ポリスエキスとともに生きた乳酸菌を含有する発酵物
で、そのままで、又は、更に他の経口摂取可能材料と配
合して、経口摂取物として、健康飲食物、抗感受性疾患
剤、色白剤、育毛剤などに有利に利用できる。また、食
品用の静菌剤、保存剤などとしても有利に利用できる。
【0040】
【実施例A−2 発酵物】脱脂粉乳18重量部、ラクト
スクロース含有シラップ(株式会社林原商事販売、商品
名『乳果オリゴ』LS−35)10重量部、市販のプロ
ポリスエキス(株式会社三翔販売、商品名『プロポナー
ル』、固形分18w/w%含有エタノール水溶液)0.
2重量部、カキ肉エキス0.2重量部及び水を加えて全
量を100重量部とした培地を85℃、20分間加熱殺
菌して40℃に冷却し、次いで、常法に従ってラクトバ
チルス・ブルガリカス IFO 13953 Tを増殖
させた乳酸菌スターターを接種し、37℃で48時間発
酵させた。発酵後、乳酸カルシウム0.1重量部を加え
て均質化し、容器に充填して発酵物製品を得た。本品
は、実施例1と同様に嗜好性の優れたプロポリスエキス
とともに生きた乳酸菌を含有する発酵物で、そのまま
で、又は、更に他の経口摂取可能材料と配合して、経口
摂取物として、健康飲食物、抗感受性疾患剤、色白剤、
育毛剤などに有利に利用できる。また、食品用の静菌
剤、保存剤などとしても有利に利用できる。とりわけ、
本品は、プロポリスエキス本来の作用に加えて、ビフィ
ズス菌増殖促進糖質であるラクトスクロースを強化して
いることから、ビフィズス菌の増殖を促進し、整腸作用
に優れ、大腸癌を予防するための経口摂取物として好都
合であり、また、カキ肉エキスを含有せしめ、更にカル
シウム塩を強化していることから、健康の維持、増進、
更には、骨粗鬆症、貧血症、精神疾患などを予防、治療
するための経口摂取物として好都合である。
【0041】
【実施例A−3 発酵物】脱脂粉乳10重量部、スクロ
ース5重量部、実験1の方法に準じて調製した部分精製
プロポリスエキス(固形分10w/w%含有エタノール
水溶液)0.3重量部、塩化カルシウム0.1重量部、
ヘム鉄0.1重量部及び水を加えて全量を100重量部
とした乳酸発酵用培地を95℃、瞬間加熱殺菌して40
℃に冷却し、次いで、常法に従ってラクトバチルス・ア
シドフィルス IFO 13951T及びエンテロコッ
カス・フェカリス IFO 3971を増殖させた乳酸
菌スターターを接種し、40℃で48時間発酵させた。
発酵後、イソマルトオリゴ糖シラップ(株式会社林原商
事販売、商品名『パノラップ』)20重量部を加えて均
質化し、容器に充填して発酵物製品を得た。本品は、実
施例1と同様に嗜好性の優れたプロポリスエキスととも
に生きた乳酸菌を含有する発酵物で、そのままで、又
は、更に他の経口摂取可能材料と配合して経口摂取物と
して、健康飲食物、抗感受性疾患剤、色白剤、育毛剤な
どに有利に利用できる。また、食品用の静菌剤、保存剤
などとしても有利に利用できる。とりわけ、本品は、プ
ロポリスエキス本来の作用に加えて、ビフィズス菌増殖
促進糖質であるイソマルトオリゴ糖を強化していること
から、ビフィズス菌の増殖を促進し、整腸作用に優れ、
大腸癌を予防するための経口摂取物として好都合であ
り、また、骨形成に必須のカルシウム塩や赤血球形成に
必須の鉄塩を強化していることから、健康の維持、増
進、更には、骨粗鬆症や貧血症の予防、治療するための
経口摂取物として好都合である。
【0042】
【実施例B−1 酸乳飲料】牛乳80重量部、脱脂粉乳
5重量部、実験1の方法に準じて調製した部分精製プロ
ポリスエキス(固形分15w/w%含有エタノール水溶
液)0.2重量部及び水を加えて全量を100重量部と
した乳酸発酵用培地を実施例A−1と同様に発酵させて
発酵物を得た。次いで、この発酵物にガラクトオリゴ糖
シラップ150重量部、ステビア甘味料(株式会社東洋
精糖販売、商品名『αGスイート』)1重量部、プルラ
ン20重量部、適量の香料及び水を加えて全量を1,0
00重量部として均質化し、更に、常法に従って、加熱
殺菌、容器に充填して酸乳飲料製品を得た。本品は、嗜
好性の優れたプロポリスエキス含有酸乳飲料で、経口摂
取物として、健康飲食物、抗感受性疾患剤などに有利に
利用できる。とりわけ、本品は、プロポリスエキス本来
の作用に加えて、ビフィズス菌増殖促進糖質であるガラ
クトオリゴ糖を強化し、また、ビフィズス菌増殖促進糖
質であって、食物繊維であるプルランを強化しているこ
とから、整腸作用に優れ、大腸癌を予防するための経口
摂取物として好都合である。
【0043】
【実施例B−2 酸乳飲料】脱脂粉乳18重量部、イソ
マルトオリゴ糖シラップ(株式会社林原商事販売、商品
名『パノラップ』)10重量部、市販のプロポリスエキ
ス(固形分18w/w%含有エタノール水溶液)0.2
重量部、カキ肉エキス0.2重量部及び水を加えて全量
を100重量部とした培地を実施例A−2と同様に発酵
させて発酵物を得た。次いで、この発酵物にラクトスク
ロース含有シラップ(株式会社林原商事販売、商品名
『乳果オリゴ』LS−55L)300重量部、ステビア
甘味料0.5重量部、プルラン30重量部、乳酸カルシ
ウム8重量部、適量の香料及び水を加えて全量を2,0
00重量部として均質化し、更に、常法に従って、加熱
殺菌、容器に充填して酸乳飲料製品を得た。本品は、嗜
好性の優れたプロポリスエキス含有酸乳飲料で、経口摂
取物として、健康飲食物、抗感受性疾患剤などに有利に
利用できる。とりわけ、本品は、プロポリスエキス本来
の作用に加えて、ビフィズス菌増殖促進糖質であるイソ
マルトオリゴ糖及びラクトスクロースを強化し、また、
ビフィズス菌増殖促進糖質であって、食物繊維であるプ
ルランを強化していることから、ビフィズス菌の増殖を
促進し、整腸作用に優れ、大腸癌を予防するための経口
摂取物として好都合であり、また、カキ肉エキスを含有
せしめ、更に、カルシウム塩を強化していることから、
健康の維持、増進、更には、骨粗鬆症、貧血症、精神疾
患などの予防、治療するための経口摂取物として好都合
である。
【0044】
【実施例B−3 酸乳飲料】脱脂粉乳10重量部、スク
ロース5重量部、実験1の方法に準じて調製した部分精
製プロポリスエキス(固形分10w/w%含有エタノー
ル水溶液)0.3重量部及び水を加えて全量を100重
量部とした培地を実施例A−3と同様に発酵させて発酵
物を得た。次いで、この発酵物にラクトスクロース含有
シラップ150重量部、カラギーナン2重量部、適量の
香料及び水を加えて全量を1,000重量部として均質
化し、更に、常法に従って、加熱殺菌、容器に充填して
酸乳飲料製品を得た。本品は、嗜好性の優れたプロポリ
スエキス含有酸乳飲料で、経口摂取物として、健康飲食
物、抗感受性疾患剤などに有利に利用できる。とりわ
け、本品は、プロポリスエキス本来の作用に加えて、ビ
フィズス菌増殖促進糖質であるラクトスクロースや食物
繊維であるカラギーナンを強化していることから、整腸
作用に優れ、大腸癌を予防するための経口摂取物として
好都合である。
【0045】
【実施例B−4 酸乳粉末】脱脂粉乳18重量部、市販
のプロポリスエキス(固形分18w/w%含有エタノー
ル水溶液)0.4重量部及び水を加えて全量を100重
量部とした培地を実施例A−2と同様に発酵させて発酵
物を得た。次いで、この発酵物を均質化し、加熱殺菌
し、更に、濃度約40w/w%に減圧濃縮し、これにデ
キストリン(DE約20)50重量部を混合して噴霧乾
燥して、発酵物粉末を得た。本品は、嗜好性の優れたプ
ロポリスエキス含有酸乳粉末で、そのままで、又は、更
に他の経口摂取可能材料と配合して経口摂取物として、
健康飲食物、抗感受性疾患剤などに有利に利用できる。
また、本品を、常法に従って、顆粒や錠剤に加工して利
用することも、他の経口摂取物、例えば、飲料、菓子、
調味料、口中使用物、内服薬などの配合材料として使用
し、健康の維持、増進、更には、各種疾患の予防、治
療、回復促進などに利用することも有利に実施できる。
【0046】
【実施例B−5 チューインガム】ガムベース3重量部
を柔らかくなる程度に加熱溶解し、これに実施例B−4
で得た嗜好性の優れたプロポリスエキス含有酸乳粉末7
重量部及び薬用人参エキス0.1重量部を加え、これに
ステビア甘味料0.1重量部と適量の着色料、香料を混
合し、常法に従って、ロールにより練り合わせ、成形、
包装して製品を得た。本品は、テクスチャー、風味とも
良好なチューインガムで、虫歯を起こしにくい。また、
本品は、健康の維持、増進、更には各種疾患の予防、治
療、回復促進などに有利に利用できる。
【0047】
【実施例B−6 グミキャンディー】還元麦芽糖水飴
(株式会社林原商事販売、商品名『マビット』)90重
量部に実施例B−4の方法で得た嗜好性の優れたプロポ
リスエキス含有酸乳粉末60重量部を加熱混和し、これ
にゼラチン13重量部及び松葉エキス0.1重量部を水
に溶解したもの及び適量の着色料、香料を混合し、成
形、包装してグミキャンディーを得た。本品は、テクス
チャー、風味とも良好なグミキャンディーである。ま
た、本品は、健康の維持、増進、更には各種疾患の予
防、治療、回復促進などに有利に利用できる。
【0048】
【実施例B−7 バターケーキ】無塩バター50重量
部、ショートニング50重量部、蜂蜜50重量部及び砂
糖130重量部をよく混合し、これに全卵150重量部
を加えて攪拌し、次いで、小麦粉135重量部、牛乳7
5重量部、重層4重量部及びバニラ適量を混合し、常法
に従って、型に入れ、焼き上げ、室温に冷却した。この
表面に実施例B−1の方法で得た嗜好性の優れたプロポ
リスエキス含有酸乳飲料80重量部、梅リキュール20
重量部及びコニャック20重量部を混合して得たシロッ
プを刷毛で塗り、製品を得た。本品は、風味良好なバタ
ーケーキである。また、本品は、健康の維持、増進、更
には各種疾患の予防、治療、回復促進などに有利に利用
できる。
【0049】
【実施例B−8 アイスクリーム】牛乳2,000重量
部を約60℃に加温しつつ、これに、卵黄200重量
部、全卵50重量部、果糖420重量部、水飴30重量
部、生クリーム200重量部、無糖練乳20重量部、実
施例B−2の方法で得た嗜好性の優れたプロポリスエキ
ス含有酸乳飲料300重量部及びゼラチン粉末1重量部
を撹拌混合し、次いで、75℃に15分間保って殺菌
し、更に、冷却しつつ、梅リキュール20重量部を撹拌
混合し、容器に入れ、凍結して製品を得た。本品は、濃
厚、佳良な風味を持つアイスクリームである。また、本
品は、健康の維持、増進、更には各種疾患の予防、治
療、回復促進などに有利に利用できる。
【0050】
【実施例B−9 錠剤】実施例B−4の方法で得た嗜好
性の優れたプロポリスエキス含有酸乳粉末30重量部、
ラクトスクロース含有粉末(株式会社林原商事販売、商
品名『乳果オリゴ』LS−55P)20重量部、乳酸カ
ルシウム10重量部、L−アスコルビン酸5重量部、プ
ルラン5重量部、α−グリコシルルチン1重量部、第三
リン酸カルシウム1重量部、シュガーエステル1重量部
及び適量の粉末香料を均一に混合した後、常法に従っ
て、1錠約350mgになるように打錠機にて打錠し、
錠剤を得た。本品は、ひび割れもなく、安定性良好な飲
み易い錠剤で、成人1日当たり、約1乃至40錠、望ま
しくは2乃至20錠程度を経口摂取して利用すれば良
い。本品は、プロポリスエキス本来の作用に加えて、ラ
クトスクロース及びプルランを強化していることから、
整腸作用に優れ、大腸癌を予防するための経口摂取物と
して好都合であり、また、カルシウム塩を強化している
ことから、骨粗鬆症の予防、治療のための経口摂取物と
して好都合であり、更には、L−アスコルビン酸及びα
−グリコシルルチンを強化していることから健康増進、
老化防止のための経口摂取物として好都合である。
【0051】
【実施例B−10 配合飼料】粉麩30重量部、実施例
B−4の方法で得た嗜好性の優れたプロポリスエキス含
有酸乳粉末30重量部、脱脂乳10重量部、ラクトスク
ロース含有粉末10重量部、ビタミン剤10重量部、魚
粉5重量部、第二リン酸カルシウム5重量部、液状油脂
3重量部、炭酸カルシウム3重量部、食塩2重量部及び
ミネラル剤2重量部を混合して配合飼料を製造した。本
品は、嗜好性の向上した家畜、家禽の飼料であって、と
りわけ子豚用飼料として好適である。本品は、プロポリ
スエキス本来の作用に加えて、ビフィズス菌増殖促進効
果を発揮し、飼育動物の感染予防、下痢予防、食欲増
進、肥育増進、糞便の悪臭抑制などに有利に利用でき
る。更に、本品は、必要に応じて、他の飼料材料、例え
ば、穀類、小麦粉、澱粉、油粕類、糟糖類などの濃厚飼
料や、ワラ、乾草、バガス、コーンカブ、又は、これら
のサイレージなどの粗飼料材料などと併用して用いるこ
とも有利に実施できる。
【0052】
【発明の効果】本文で述べたごとく、本発明は、従来か
ら知られているプロポリスエキスの抗菌作用とは逆に、
プロポリスエキスを含有せしめた培地に、乳酸菌を接種
して発酵させることにより、プロポリスエキスの嗜好性
を改善するものである。プロポリスエキスの嗜好性を改
善するには、プロポリスエキス共存下で乳酸発酵させる
必要があり、その濃度は比較的低く、培地に対して、プ
ロポリスエキスが固形分として0.2w/w%以下の量
が望ましい。このようにして嗜好性を改善したプロポリ
スエキス含有発酵物は、経口摂取が容易になり、そのま
まで、又は、更に他の経口摂取可能な材料と配合して、
経口摂取物として、より広範囲の健康飲食物、抗感受性
疾患剤などに有利に利用でき、プロポリスエキスの用途
を大幅に拡大することとなり、関係する食品、飼料、医
薬品、化粧品などの産業界に与える影響はきわめて大き
い。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 1/38 C12N 1/38 // A61K 35/64 A61K 35/64

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロポリスエキスとともに乳又は乳由来
    物質を含有する培地を乳酸発酵させた発酵物。
  2. 【請求項2】 培地が、プロポリスエキスを固形分とし
    て0.2w/w%以下の量を含有することを特徴とする
    請求項1記載の発酵物。
  3. 【請求項3】 培地が、プロポリスエキスとともに乳又
    は乳由来物質に加えて、糖質、ミネラル及び動植物由来
    物質から選ばれる1種以上の成分を含有することを特徴
    とする請求項1又は2記載の発酵物。
  4. 【請求項4】 糖質が、ビフィズス菌増殖促進糖質及び
    /又は食物繊維であることを特徴とする請求項3記載の
    発酵物。
  5. 【請求項5】 ビフィズス菌増殖促進糖質が、ラクトス
    クロースであることを特徴とする請求項4記載の発酵
    物。
  6. 【請求項6】 ミネラルが、カルシウム、マグネシウ
    ム、鉄、銅及び亜鉛から選ばれる1種以上のミネラルで
    あることを特徴とする請求項3記載の発酵物。
  7. 【請求項7】 発酵物が、飲食物ビフィズス菌増殖促
    進剤又はミネラル強化剤であることを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5又は6記載の発酵物。
  8. 【請求項8】 プロポリスエキスとともに乳又は乳由来
    物質を含有せしめた培地に乳酸菌を接種せしめて乳酸発
    酵させることを特徴とするプロポリスエキスを含有する
    発酵物の製造方法。
  9. 【請求項9】 培地が、プロポリスエキスを固形分とし
    て0.2w/w%以下の量を含有することを特徴とする
    請求項8記載の発酵物の製造方法。
  10. 【請求項10】 プロポリスエキスとともに乳又は乳由
    来物質を含有する培地を乳酸発酵させた発酵物に、経口
    摂取可能な材料を配合することを特徴とする経口摂取物
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 培地が、プロポリスエキスを固形分と
    して0.2w/w%以下の量を含有することを特徴とす
    る請求項10記載の経口摂取物の製造方法。
  12. 【請求項12】 経口摂取可能な材料が、糖質、ミネラ
    ル、ビタミン、生理活性物質及び動植物由来物質から選
    ばれる1種以上の成分を含有する材料であることを特徴
    とする請求項10又は11記載の経口摂取物の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 糖質が、ビフィズス菌増殖促進糖質及
    び/又は食物繊維であることを特徴とする請求項12記
    載の経口摂取物の製造方法。
  14. 【請求項14】 ミネラルが、カルシウム、マグネシウ
    ム、鉄、銅及び亜鉛から選ばれる1種以上のミネラルで
    あることを特徴とする請求項12記載の経口摂取物の製
    造方法。
  15. 【請求項15】 経口摂取物が、飲食物ビフィズス菌
    増殖促進剤又はミネラル強化剤であることを特徴とする
    請求項10、11、12、13又は14記載の経口摂取
    物の製造方法。
  16. 【請求項16】 プロポリスエキスとともに乳又は乳由
    来物質を含有する培地に、乳酸菌を接種して乳酸発酵さ
    せることを特徴とするプロポリスエキスの嗜好性改善方
    法。
  17. 【請求項17】 培地が、プロポリスエキスを固形分と
    して0.2w/w%以下の量を含有することを特徴とす
    る請求項16記載のプロポリスエキスの嗜好性改善方
    法。
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