JP3379225B2 - パワートレインの制御装置 - Google Patents

パワートレインの制御装置

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JP3379225B2 JP17228094A JP17228094A JP3379225B2 JP 3379225 B2 JP3379225 B2 JP 3379225B2 JP 17228094 A JP17228094 A JP 17228094A JP 17228094 A JP17228094 A JP 17228094A JP 3379225 B2 JP3379225 B2 JP 3379225B2
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    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走行する自動車の出力
軸トルク算出装置において、量産時に生じる各出力軸ト
ルク推定装置のそれぞれ持つ固有の機差や出力軸トルク
推定装置が異常を来したり、経時的な変化を起こした場
合でも高精度のトルク推定が可能なパワートレインの制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジン回転とタービン回転から
トルクコンバータ(以下トルコンと称す)の特性を用い
て出力トルク(駆動軸トルク)を推定して求めるものが
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術で制御に
用いられているトルコン特性のデータテーブルまた関数
式は、開発時に少数個のトルコンを対象として試験によ
って求めた特性となっている。しかし、各トルコンに
は、量産の製造工程で内部の羽根角度に微少な差などと
いった個体差すなわち機差が生じたり、トルコン内部の
流体が経時的な劣化等による変化を起こす場合が考えら
れる。特に前者は、個々のトルコンでばらつきがあり、
その機差によりトルコン特性が大きく変化する。これら
に対しては考慮されておらず、機差があれば最初からト
ルク推定値が機差分だけずれた値を求めることとなり、
経時変化後はさらに精度が悪化し正確な出力トルク(駆
動軸トルク)を得る事ができない。このために自動車の
変速及び駆動力制御等において細かい制御ができなくな
るという問題点があった。
【0004】本発明は、この問題に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、パワートレインの機差及び経時
変化を考慮した高精度の出力軸トルクを推定を可能にす
るパワートレインの制御装置を提供する事である。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明に関わるパワートレインの制御装置は、内燃
エンジンまたはモータと変速装置とからなるパワートレ
インを備えた車両のパワートレインの制御装置におい
て、機差及び経時変化を判断するための初期値を記憶さ
せておく初期値記憶手段とその初期値を設定する初期値
設定手段、また制御に用いる推定出力軸トルクを算出す
る主推定トルク算出手段を有し、推定トルク値と初期値
を比較し機差及び経時変化を判断する比較手段とさらに
推定トルクの補正を行う推定トルク補正手段から構成す
ることを特徴としている。
【0006】
【作用】上記したように構成された本発明により、主推
定トルク算出手段で算出した推定トルクとあらかじめ記
憶している初期値の基準トルクを絶対値及び相対値で比
較を行うことで、機差分,経時変化分を考慮した真の出
力軸トルクがわかり、さらに絶対値及び相対値で補正を
行うことで高精度の出力軸トルク推定が可能となり、駆
動力,変速等のより細やかな制御が可能になる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づき詳細
に述べる。
【0008】図1にトルク補正装置の概略を示す。図1
のエンジン1には筒内噴射方式,リーンバーンエンジン
またモータ駆動による方式を含む。前記したエンジン1
と自動変速機2を有する自動車32において、トルク推
定を行う際に、車両を構成するエンジン,トルコンの完
成時からすでに存在する固有の機差及び完成後に起こる
経時的な変化による推定トルクの精度低下を防止させる
ためのトルク補正に関して、自動車制御ユニット3内部
には機差や経時変化の影響による実出力軸トルクと推定
出力軸トルクのずれを判断するために基準となる初期値
を記憶させておく初期値記憶手段40を設ける。初期値
記憶手段40には機差を判断,補正するための初期値を
あらかじめ記憶させておく。さらにその初期値を設定す
る初期値設定手段41を設け、経時変化を判断するため
の初期値を設定し、上記した初期値記憶手段40の初期
値を更新できるようにする。また、トルク推定を行い推
定出力軸トルクを算出する主推定トルク算出手段42と
その推定トルク値と上記した初期値を比較し、機差及び
経時変化を判断するトルク比較手段43を設け、さらに
トルク比較手段43の結果に応じて推定トルクの補正を
行う推定トルク補正手段44を設けてトルク補正装置を
構成している。ここで主推定トルク算出手段42の具体
的な方式には、スロットル開度とエンジン回転数から求
めるエンジン特性方式やトルコン10のトルク特性から
求める方式、さらにこのエンジンとトルコンの特性を組
み合わせた方式があげられる。
【0009】このトルク補正を行うための自動車からの
情報を得るためにステアリング7の操作量をシャフトに
取り付けた操舵角センサ8から検出するハンドル舵角検
出手段9,エンジン1の出力軸とトルコン10の入力軸
間に取り付けた歯車11と電磁ピックアップ12からな
る速度センサにより回転数を検出するエンジン回転検出
手段13,トルコン10と変速機14との軸間に取り付
けた歯車15と電磁ピックアップ16からなる速度セン
サによりトルコンの出力軸回転数(以下タービン回転数
と称す)を検出するタービン回転検出手段17,変速機
14の出力軸とデファレンシャルギア20間、または駆
動輪21付近に取り付けた歯車18と電磁ピックアップ
からなる速度センサにより自動車の車速を検出する車速
検出手段22,車両の出力トルクを出力軸の歪みや位相
差等から検出するトルクセンサによる出力トルク検出手
段23,トルコン10内部の流体の温度を検出する流体
温度検出手段24,車両の加速度を検出する加速度セン
サ25による加速度検出手段26,車両に取り付けた車
高センサ27の変位による車重検出手段28,ショック
アブソーバ29の減衰やサスペンション30の伸縮から
の信号による路面検出手段31を設けている。トルク補
正にこれらすべての検出手段からの値を用いてもよい
し、また最低限必要とするパラメータを供給する検出手
段を組み合わせて自動車制御ユニット3内部に取り込
む。制御ユニット3内部では、それらの値から推定出力
軸トルクを演算し、初期値を設定し両者を比較して、機
差及び経時変化による影響を補正することにより、出力
軸トルクの推定の高精度化を図れる。
【0010】また、タービン回転検出手段は図1に示す
回転センサを付加した検出法ではなく、車速検出手段で
求めた車速から数式1を用いてタービン回転Ntを推定
してもよい。数式1のVspは車速、Grはギア比、G
fはファイナルギア比、Rwは駆動輪半径を表す。
【0011】 Nt=(Vsp・Gr・Gf・1000)/(2・π・Rw・60) …数式1 図2に加速度検出のブロック図を示し、図1の加速度検
出手段26をセンサなしで実現するための実施例を述べ
る。車速検出手段22において回転センサの信号を速度
計測(変換)して求めた車速を差分手段202とノイズ
低減のためのフィルタ203を用いて加速度を推定しそ
れを前後方向の加速度とする。
【0012】次に、図1の主推定トルク算出手段42に
トルコンの特性を用いて出力軸トルクを算出する場合を
例にあげてトルク補正装置によるトルコンのばらついた
固有の機差を判断してトルコン特性を補正し推定出力軸
トルクの高精度化を図る一実施例を以下に説明する。基
本的に機差分を考慮したトルク補正は車両が完成して初
めて走行する時に行うようにする。
【0013】図3に機差分の出力軸トルクの補正のフロ
ーチャートを示し、流れを説明する。まずエンジン始動
後、車両が走り出したら車両の前後加速度αaを取り込
み、次に主推定トルク算出手段42によりあらかじめ持
つトルコン特性から推定トルクTaを演算する。トルク
Taを初期値記憶手段40に記憶されている初期値デー
タの加速度αaのときの基準トルクTb(αa)と比較
し、それらのトルク差から機差分を推定し、トルクTa
が初期値データのトルクTbになるようにトルコンの容
量係数C及びトルク比tといった特性を補正し、それを
トルコンの初期特性として置き換える。
【0014】主推定トルク算出手段42として、自動変
速機2のトルコン10の特性を利用した推定出力軸トル
クTa算出のブロック図を図4に示し、詳細な説明をす
る。まず、図1に示したエンジン回転検出手段13とタ
ービン回転検出手段17で求めたエンジン回転Neとタ
ービン回転Ntから速度比e演算121で数式2に基づ
き速度比eを算出する。
【0015】 e=Nt/Ne …数式2 さらに速度比eからトルコン特性のデータテーブル12
2,123から容量係数c(e)及びトルク比t(e)を求
める。これらにエンジン回転Neの2乗を掛けるとトル
コンの出力側トルク(以下、タービントルクと呼ぶ)T
tが算出される。最後に現在のギヤ位置GPより決まる
ギヤ比r変換124で求めたギヤ比rとファイナルギヤ
比rfをタービントルクTtに掛けると推定トルクTa
が求まる。この関係を数式3に示す。
【0016】 Ta=Ne2・t(e)・c(e)・r・rf …数式3 次に主推定トルク算出手段42の推定トルクTaと比較
する初期記憶手段40にあらかじめ記憶されている初期
値データについて述べる。まず図5に平地走行時の加速
度−出力軸トルクの関係を示す。加速度αと出力軸トル
クTの間には、平地で車重が一定で直進する場合には図
のように関数式f(x)で表せる比例的な特性がある。図
中の関数式f(x)のKは車両の走行、ころがり抵抗及び
車重を考慮した変数を表す。上記したように機差分のト
ルク補正は新車の初走行時に行うため、初めは平地走行
をするとして関数式f(x)で求めた特性とするが、初走
行が勾配等の場合でもf(x)の変数kに勾配分を考慮さ
せたものにかえて用いるようにし、車両が初走行する状
態に対応させた加速度と出力トルクの特性にしておく。
この加速度による出力軸トルクの絶対値をデータテーブ
ルもしくは絶対値の出力軸トルクを加速度から求める関
数式f(x)をあらかじめ初期値記憶手段42に持たせて
おく。
【0017】図6に比較手段43での機差分トルクの検
知方法を示す。上記初期値記憶手段40に持つ出力軸ト
ルクTのデータテーブルに加速度αaのときに推定した
推定トルクTaを入力すると点線に示す推定トルクの加
速度による特性が決まる。実線が加速度αa時の基準ト
ルクTbを含む初期値の出力軸トルクTの特性である。
この2線の間の斜線部が実出力軸トルクに対して推定ト
ルクが狂ってしまう機差分トルクだと判断して、推定ト
ルク補正手段44で機差分トルクを考慮してTa=T
b、すなわち点線が実線の特性の傾きと重なるようにト
ルコンの容量係数C及びトルク比tを補正する。
【0018】図7に推定トルク補正手段44の一実施例
である機差分を考慮したトルコン特性の補正フローチャ
ートを示す。まず比較手段43で比較を行った推定トル
クTaと基準トルクTbのトルク差Dを求める。さらに
Dと加速度αaによる推定機差をデータテーブルとして
記憶しておき、そのテーブルから機差値Jを算出する。
そしてそのJの値から補正係数kをそれぞれk1,k2
として算出し、トルコンの各特性をk倍して機差分を考
慮した新規の特性曲線を作成する。個々のトルコンが機
差による固有の特性をもっているが、生産時のバラツキ
で発生するこの機差には上限と下限値が決まっているた
め補正係数kはこの範囲を考慮して推測及び算出した機
差に対するデータもしくは関数式としておく。
【0019】図8に補正係数kのデータテーブルを示
す。補正係数kを用いて、全域を一律にk倍して補正し
てもよいが、速度比eに対して容量係数の値はクラッチ
ポイントを過ぎてからのカップリング範囲では急激に0
に近づき、トルク比もほぼ1となる。そこで図のように
J値と速度比eとで上記の性質を考慮した補正係数kを
設定したテーブルを持ち、一律に同率k倍ではなく、速
度比eに見合った補正係数kを求め特性の補正をしても
よい。また、あらかじめ記憶しているトルコンの各特性
を基にして補正を行うのではなく、機差を考慮した各特
性データをもあらかじめ記憶しておき、機差値Jの値に
よって対応する各特性データを選択して、新規の特性と
置き換えてもよい。
【0020】上記した機差分を考慮し補正を行うのは新
車の初走行時であり流体温度は低く、あらかじめ持つト
ルコン特性は低温時の特性が対象となる。そのために低
温時で温度が異なる(0〜20゜C)トルコン特性を最
初からいくつか記憶しておき、流体温度検出手段24で
走行時の温度に対応するトルコン特性を選択し、主推定
トルク算出手段42での推定トルクTa算出の基とし、
また機差分を考慮した補正対象のトルコン特性とする。
補正係数kも上記の温度分を考慮して補正対象のトルコ
ン特性の温度に対応したデータテーブルもしくは関数式
を用いる。
【0021】次に推定トルク補正手段44での流体温度
高温時のトルコン特性の補正を説明する。トルコンの各
特性は内部の流体温度の上昇で大きく変化するため、ト
ルクの推定精度を向上させるには低温から高温までの温
度に対応したトルコン特性をデータテーブルとして記憶
しておくか、もしくはある温度のトルコン特性から演算
により異なる温度のトルコン特性を求める関数式を記憶
しておくのがよい。いずれにしても機差分の特性の補正
はすべての温度において必要である。上記してきた初走
行時の低温時の特性を機差分を考慮し補正した新規のト
ルコン特性を用いて、温度の異なるトルコン特性をも補
正する一実施例を述べる。図9に高温時トルコン特性補
正のフローチャートを示す。車両初走行時の機差分の補
正が完了したかを判断する。補正完了後、上記した補正
を加えた新規の低温時のトルコン特性が対応する流体温
度を補正特性温度としておく。次に流体温度(高温時)
Xと補正特性温度(低温時)から求める温度別補正係数
k′のデータテーブルもしくは関数式を推測及び演算に
よりあらかじめ設定しておき、それを用いて温度別補正
係数k′(X)を補正を行うトルコン特性の流体温度Xと
補正特性温度から算出する。k′(x)を高温に対応し
たトルコン特性それぞれに算出し、図中の式にあるよう
に補正を完了したトルコン特性C′,t′をk′(X)倍
して容量係数C″及びトルク比t″を新規で算出して高
温に対応するトルコン特性の補正を行う。
【0022】図10に機差分を考慮した補正トルコン特
性の例を示す。図中の点線があらかじめ持つ低温時での
容量係数C、トルク比tの特性であり、実線で示した容
量係数C′,トルク比t′が機差分を考慮して補正係数
により補正をかけて得た新規のトルコン特性である。ま
た高温時特性も上記方法で補正を行い、これをトルク推
定を行う各流体温度のトルコンの初期特性として用い
る。これにより、個々のトルコンで異なる機差を考慮し
ての真のトルクを求めることができ、高精度の実出力
(駆動)軸トルクの推定が可能になる。この機差分の補
正を行って推定した高精度の実出力軸トルクは、トルク
フィードバッグ制御,変速・油圧制御,勾配推定制御,
マップレス変速制御,エンジントルク制御,リーンバー
ン制御,過負荷防止制御,暖気時のクリープ力制御等の
出力軸トルクが制御パラメータとなるすべてに用いるこ
とができ、さらに細かい制御を可能にする。また、車両
が初走行してから機差分を判断し、それを考慮したトル
コン特性の補正を行い、各流体温度別のトルコン特性の
補正が完了するまでの間は上記したすべての制御は行わ
ないこととする。
【0023】次に、図1の主推定トルク算出手段42に
トルコンの特性を用いて出力軸トルクを推定する場合を
例にあげてトルク補正装置によるトルコンの経時的変化
を判断してトルコン特性を補正し推定出力軸トルクの高
精度化を図り、またトルコンの異常時を判断する診断に
ついて説明する。
【0024】まず、上記補正及び診断に用いる図1中の
各検出手段について詳細に述べる。図11にハンドル舵
角検出のブロック図を示し、図1に示す操舵角センサ8
を使用しない場合のハンドル舵角検出手段の実施例を述
べる。
【0025】後輪を駆動輪とする自動車の場合、左右の
駆動輪付近に取り付けられた車輪速センサ(回転セン
サ)301,302をそれぞれ周期,周波数計測などに
より速度計測(変換)303を行い求めたVr,Vlを
基に舵角判断手段304によっての擬似的な舵角信号を
生成し、ハンドル舵角検出手段とする。
【0026】図12は舵角度決定のフローチャートを示
し、舵角判断手段304を説明する。旋回する自動車の
駆動輪では差動装置により外輪が速く、内輪が遅く回転
するため、処理401で取り込まれた左右の駆動輪の回
転速度Vr,Vlの速度差Dを求め、それを処理40
2,403で設定値AもしくはBと比較して、処理404,
405で速度差Dに対応した舵角度βを決定する。な
お、処理406の速度差Dが0にほぼ等しい場合は処理
407において舵角度β=0となり、自動車は直進して
いると判断する。
【0027】また、他のハンドル舵角検出手段として、
自動車の鉛直軸方向の回転角速度(ヨーレート)を検出
することが挙げられる。左右旋回時のその検出値の度合
を図12の処理401の速度差Dに相当する値に置き換
え、速度差Dと同様に設定値を用い、比較してハンドル
の舵角度を決定することができる。
【0028】図13に車重検出手段28の構成ブロック
図の一実施例を示す。車体に取り付けた車高センサ50
1を用いて車両重量のみの車高を基準として、車重に変
化が起きた時の車体とサスペンション及びショックアブ
ソーバとの下方向距離の変位と、燃料タンク内のフロー
ト信号502により燃料残量を検出し、燃料相当値を算
出して車重算出手段503に取り込み、車重を検出す
る。
【0029】図14に車重算出のフローチャートを示
す。処理601にあるように、車重算出はエンジン始動
後の車速0Kmすなわち車両停止時で、車重算出済みを
表す車重FLAGが0の時に行う。条件が成立すれば処
理602の車高の変位Xを検出する。処理603で変位
Xが設定値A(例えば5人乗車した時の車高の変位)よ
り大きければ、処理604のように仮に車重Mは車両重
量m+300kgとする。逆に小さければ、処理605で
設定値Bと比較する。そして処理606もしくは処理6
07,608を経て、変位Xに相当する車重を算出す
る。仮に処理609のような変位Xが設定値D(限りな
く0に近い)より小さい時は車重M=車両重量mとす
る。この状態はエンジンは始動しているが、車両内は無
人と判断した状態である。次に処理612で燃料残量を
検出し、処理613で燃料相当の重量を足し込んで車重
Mとする。最後に処理614として、車重算出済みの車
重FLAGに1を立てて終了する。
【0030】図15に車重FLAGクリアするRESE
T処理例を示す。ここで、エンジンが運転中においてド
アやトランクの開閉が行われたり、またエンジン再始動
時には、車重が変化している可能性があるため、上記条
件がどれか成立した時点でRESET処理を起動させて
車重FLAGを0にし、再度、車両停止時に図14に示
した車重算出を行う。
【0031】図16に路面状態検出手段の一実施例フロ
ーチャートを示し、図1に示す路面状態検出手段31を
説明する。路面の走行(ころがり)抵抗が、制御ユニッ
ト内の記憶装置に持つデータデーブルの値と食い違って
いる状態すなわち路面が濡れていたり、凸凹が激しい時
には、経時変化に対する推定トルクの補正及びトルコン
異常時の診断は行わない方が望ましい。処理801でワ
イパが動作している状態は路面が濡れていると判断して
処理802にある補正が行えるか否かを表す平路フラグ
を0にする。ワイパが非動作で処理803の路面の凸凹
を検出するセンサの信号が設定のLevel 以下であれ
ば、平地走行と判断し処理804で平路フラグを1にセ
ットする。
【0032】図17に路面の凸凹検出センサの信号と平
路フラグの状態を示す。センサとして例を挙げると、シ
ョックアブソーバに内蔵された圧力センサ信号や加速度
センサ信号などがある。センサの検出値が図中に破線で
表す設定Level を越えた時は、平路フラグを0にし、
それ以外は1にする。図のように路面状態は時々刻々に
変化するので経時変化による推定トルクの補正及びトル
コン異常の診断は、路面が(平路フラグ=1)安定して
いる(平地走行)時に行うようにする。
【0033】以下、経時変化分のトルコン特性の補正及
びトルコン異常時を判断する診断を実現する実施例を述
べる。制御ユニット3内部のトルク補正装置において主
推定トルク算出手段42は、上記したトルコン特性を用
いた推定トルク算出方式とする。また、初期値設定手段
41には推定トルクTaと比較するための基準となる基
準トルクTbを算出するために、経時変化のしずらい且
つ主推定トルク算出手段42において使用しないパラメ
ータを用いた方式を持たせておく。
【0034】図18にトルコン特性の補正及び診断の基
本概念を示す。この経時変化及びトルコン異常判断は、
前記した各流体温度で機差分を考慮したトルコン特性の
補正がすべて完了した後、行うものとする。
【0035】まず、車両走行時の任意の時間taにおけ
る初期値設定手段41で求め初期値記憶手段40に記憶
されている基準トルクTbと主推定トルク算出手段42
で求めた推定トルクTaを基にして、比較手段43にお
いて両者を記憶するとともに比較しその差Daを算出す
る。その後学習を重ね、初期値設定手段41で算出した
基準トルクTbがすでに比較手段43に記憶されている
時間taで求めた時のTbと等しくなった時点、図では
時間tbの時に再度、主推定トルク算出手段42により
推定トルクTaを求め、時間ta時同様にTbとの差D
bを求める。そして時間taでの差Daと時間tbでの
差Dbを比較して、Db−DaであるDcが予め決定し
ておいた設定値を越えた時に、Dcの度合から経時変化
及びトルコン異常かを判断して、それぞれに経時変化分
のトルコン特性の補正及びトルコン異常時の警告を行い
主推定トルク算出手段42で算出する上記した実出力
(駆動)軸トルクを必要とする制御に高精度な推定を行
った推定出力軸トルクを供給する事ができる。この時比
較の基準となる基準トルクTbは実際の出力軸トルクと
は一致していなくてもよいが、同一条件下では常に同じ
値を算出するものでなければならない。この基準トルク
Tbと主推定トルクTaを比較することで、その相対値
からトルコンの経時変化と異質の流体(油の入れ違い)
やトルコン内部の羽根車の破損によるトルコン異常を判
断し考慮した真の推定トルクが推定でき、トルコンの診
断ができる。上記は主推定トルク算出手段42にエンジ
ントルク特性を用いた場合での経時変化及びエンジン異
常の判断も相対値を用いて同様に行うことができる。さ
らに任意の時間で初期値設定手段41で基準トルクを算
出するのではなく、算出の条件をあらかじめ初期値記憶
手段40に記憶させておいて、初期値設定手段41で算
出した基準トルクがその条件に合致した時に、主推定ト
ルク算出手段42の推定トルクと基準トルクを比較手段
43で比較(記憶)して、それを基準とした相対値によ
る補正及び診断を行ってもよい。
【0036】次に上記した相対値での比較の基本概念を
用いた一実施例を詳細に説明する。まず、図1に示す初
期値設定手段41となる基準トルクTb算出のブロック
図を図19に示す。これは加速トルクと勾配トルクと平
地走行トルクの和から出力軸トルクを算出しようとする
方式である。加速トルク演算111は数式4に示すよう
に自動車総重量Wo(kg)と回転手段相当重量Wr(kg)の
和に前後方向加速度ΔVspと駆動輪半径Rw(m)を掛
け合わせるため、車重検出手段28で算出した車重M(k
g)が自動車総重量Woに相当し、ΔVspには車速検出
手段で求めた車速の微分(差分)値を前後方向加速度と
して用いてTαを求めることができる。
【0037】 Tα=(Wo+Wr)・ΔVsp・Rw …数式4 勾配トルク演算112は数式5で求めることができ、上
記車重M(kg)と加速度検出手段26で求めた加速度Gを
用い、またsinθ を求めるためにθ変換113では数式
6を用いる。
【0038】 Tθ=Wo・g・sinθ・Rw …数式5 sinθ=(G−ΔVsp)/g …数式6 平地走行トルク演算114は、数式7の走行抵抗Faと
ころがり抵抗Frの和に駆動輪半径Rwを掛けた式で求
まる。μaは空気抵抗係数、Aは車両の前面投影面積、
μrは転がり抵抗係数である。
【0039】 Tc=(Fa+Fr)・Rw =μa・A・Vsp2+μr・Wo・g)・Rw …数式7 ここで転がり抵抗Frは、一般的に自動車総重量Woの
1次式とみなす事が出来、また走行抵抗Faも車速Vs
pに大きく依存し、他は一定値とすることができるの
で、これらから求める平地走行トルクTcは、シミュレ
ーションや試験による実測値で作成したデータテーブル
を用いて、車速などでテーブル検索で求めてもよい。
【0040】上記した加速トルクTαと勾配トルクTθ
及び平地走行トルクTcの総和により、基準トルクTb
を算出する。また、総和ではなく、ある条件下でたとえ
ば、勾配トルクが無い場合や加速トルクが無い場合とい
った状態でも平地走行トルクTcだけを用いて基準トル
クTbとして算出し初期値設定手段41の出力とする。
【0041】図20に上記した図4,図19で算出した
推定トルクTa,基準トルクTbを用いた比較手段43
の簡単なフローチャート図を示す。このプログラムは、
任意の時間及び周期のあるタイミングで起動するように
しておく。まず、処理131で走行状態を検出する必要
がある。初期値設定手段41で採用している方式が成り
立つのは車両が直進している時であり、旋回中では、新
たなトルク分が加わるため加速度を基本とした算出では
精度が悪化してしまう。このために基本的に車両が直進
している状態で基準トルクTb算出を行うようにする。
この走行状態を検出するのに図1,図11,図12に示
したハンドル舵角検出手段9により求めたハンドル舵角
度βが0°の場合、直進走行中を表す直進フラグを1に
セットするような処理を行う。そして処理132でフラ
グを判断し、旋回中(直進フラグ=0)ならばプログラ
ム終了し、直進中ならば処理133に移る。処理13
3,134では処理131の場合と同様に路面状態でも
精度が悪化してしまうため図1及び図16で示した路面
状態検出手段31で求めた平路フラグを検出し、フラグ
が1で路面が安定していると判断した場合に次の処理1
35を行う。処理135ではトルコン特性が内部の流体温
度によって変化するため、それぞれの温度に対応したト
ルコン特性を用いてトルクを推定する必要がある。ここ
では、流体温度として油温TOを読み込み、油温X,
Y,Zでそれぞれに対応したトルコン特性データを選択
するようにしている。さらに基となる基準トルクTbが
既に算出済みを表すメインフラグと後述する容量フラグ
を設定し、比較プログラム137が起動される。
【0042】図21に図20にある比較プログラム13
7のフローチャートの実施例を示す。ここで基になる基
準トルクTbは1つではなく、任意のタイミングで算出
した基準トルクTbを設定個数だけメモリに記憶させて
おくものである。まず、処理141において基本となる
基準トルクTbが既に算出済みを表すメインフラグを判
断する。フラグが0であれば、基となるTbが計算され
ていないため処理142,143においてTb,Taを各算
出方式により計算する。その値を処理144で油温別の
メモリアドレスADDを決定し、メモリに記憶する基準
トルクTbが設定個数に達すれば1となる容量フラグを
判断する処理145があり、処理146で基となる基準
トルクTb及び推定トルクTaをアドレスADD及びA
DD+1に一対の比較基準データとして記憶させ、プロ
グラムを終了する。
【0043】メインフラグが1のときは、比較基準デー
タが最低一対は記憶されていることを表しており、比較
対象となるTa,Tbを処理142,143で計算し、
処理147で比較基準データの記憶領域を検索し、デー
タの最終アドレスLADを決定する。処理148でま
ず、LADのデータとTbを比較し、さらに記憶されて
いるすべてのデータとTbを比較する。全てのデータと
Tbとが一致しなかった場合は、処理144へと分岐し
て容量フラグが0ならば、Ta及びTbを一対の比較基
準データとして新たに記憶しておく。
【0044】処理148でアドレスLAD内の比較基準
データとTbが一致した場合は、処理149において比
較基準データとして一対で記憶している2つのトルク値
の絶対差と、今回算出したTbとTaの絶対差を計算
し、双方の差から相対変位Dを算出する。算出したDが
設定値S1,S2を超えれば処理140のトルコン特性
の補正を行う。設定値S1,S2があるのは、トルコン
の経時変化や異常時の相対変位Dが正か負かを予想でき
ないため、S1,S2は必ず正,負両側に設定しどちら
かの設定値をこえれば補正を行う。さらに一度補正を施
した場合は該当する油温の記憶している比較基準データ
は精度向上のためにクリアして補正後、新規に比較基準
データを記憶するようにする。
【0045】図22に油温別のメモリアドレスADD決
定のフローチャートを示し、図21に示した処理144
の油温別のメモリアドレスADD決定方法を説明する。
これにおいては比較基準データの設定個数は記憶するT
a及びTbを対として100組としている。まず油温T
Oにより該当メモリ領域を選択する。ここで油温X時を
例にとり説明を行う。アドレスのカウンタとなるXcoun
t を判断して0ならばADDにメモリの先頭アドレスT
OPを代入し、同時に比較基準データの有無を表すメイ
ンフラグに反映されるXフラグを1とする。またXcoun
t が0以外の場合はADDにTOPとXcount の和を代
入する。それぞれにおいてADDを決定した後、Xcoun
t に2を加算し、Xcount が198となった場合には今
回の記憶データで設定個数の100組となるので、容量
フラグに反映されるX1フラグを1として処理を終了す
る。他の油温時でも動作は同様である。
【0046】図23に比較基準データのメモリへの記憶
形態図の一実施例を示す。メモリには不揮発性で電機的
に書換え可能なFlashメモリやバックアップRAMを用
いることで、自動車が連続走行していなくても例えばエ
ンジン停止等があっても常に補正継続することができ
る。基準トルクと推定トルクのデータを一対として、油
温X時はメモリ先頭アドレスADDはTOPから順に、
油温Y時にはアドレスTOP+200から順にデータを
格納していく。さらにカウンタであるXcountやXフラ
グ,X1フラグといったものもこのメモリ内に格納して
おく。
【0047】図24に格納データの最終アドレスLAD
を検索するフローチャートを示し、図21に示す処理1
47について説明する。油温TOにより該当する油温別
の比較基準データが格納されている領域の先頭アドレス
をADDに代入する。ここでメモリのカウンタである該
当するX,Y,Zcount は次回比較基準データの格納ア
ドレスを示す値となっているため2を減算してからAD
Dに足し込んで最終データアドレスLADを求める。
【0048】図25にトルコン特性の補正方法の一実施
例フローチャートを示す。図21の比較プログラムの処
理149で算出した相対変位Dをもとに設定値S1から
Dが正か負かを判断する。次にそれぞれでDと設定値と
の差Jを算出し、そのJが補正の度合を表す基準値JP
1,JP2やJM1,JM2のどれに相当するかを判別
してその度合に見合ったトルコン特性データTCCの補
正を行う。補正の例として図に示すようにTCCに度合
に見合った補正係数0.8,0.5や1.5,1.2といった
一律に定数を掛け合わせたり、また加減算することが挙
げられる。
【0049】図26に特性データの部分補正図を示す。
トルコン特性のトルク比tや容量係数cを一律に補正す
るのではなく、上記したようにトルコン特性は速度比に
よって変化量が大きく異なるので主推定トルク算出手段
42で算出した速度比eを用いて、e点だけ、もしくは
e付近のn点範囲(斜線部)だけの特性データt(e),
c(e)を補正しても良い。
【0050】図27に部分補正の簡単なフローチャート
を示す。まず速度比eを演算し、相対変位Dが正か負か
を判別し、速度比eと相対変位Dからそれぞれでの部分
補正値kを算出する。この部分補正値kを用いてトルク
比、容量係数のトルコン特性データをそれぞれk倍して
補正をかける。部分補正係数kは経時変化分による推定
トルクのずれを考慮して補正するため予めデータテーブ
ルもしくは関数式で記憶しておくものとする。
【0051】図28に油温別の比較基準データのクリア
のフローチャートを示す。補正を行った場合には該当す
る油温例えばX時のデータをクリアする場合は、Xcoun
t ,X,X1フラグを0にすれば、次回から既存のデー
タの上から書き換えることができ、データを更新するこ
とができる。また、この処理は補正を行った時だけでな
く、補正プログラムが例えば1000回起動しているの
に、比較基準データと算出した基準トルクTbが一致し
なかった場合などにおいても行う。
【0052】また油の入れ違いやトルコン内部の羽根車
の破損等でトルコン異常が発生すれば、トルコン特性は
一気に大幅な変化をするため、上記したようなトルコン
特性の補正が頻繁に行われる。ここで油の劣化等の経時
的な変化によるトルコン特性の補正はそう頻繁には起こ
らないし、経時変化の限度が推測できるので、同油温で
の補正回数と補正の度合を診断しておき連続して設定回
数以上もしくは、補正限界を越えた補正が行われた場合
は、経時変化分の補正とは別にトルコンに何らかの異常
が発生したと判断して、トルコン異常警報等を出力す
る。
【0053】図29にトルコン異常時の診断の簡単なフ
ローチャートを示す。補正回数を診断するため補正の度
にクリアされる比較基準データを油温別にクリア回数を
カウントしておく。さらに補正の限界を診断するために
補正を行った時の補正係数を油温別に積算する。そして
カウント値が設定回数n以上もしくは(且つ)積算値が
経時変化に対してこれ以上補正をかけることはないとす
る限界補正値mを超えたならば、トルコンに異常が発生
したと判断して警報等を出力させる。
【0054】次に自動車が連続走行中にだけ経時変化分
の補正を行う方式について説明する。
【0055】図30に連続走行中のみ行う補正の一実施
例フローチャートを示す。補正の基本概念は上記同様で
ある。処理230では比較基準データが存在するかを表
す補正フラグを判断し、0であれば処理142,231
においてそれぞれのトルクTb,Ta(x)を算出する。
ここで処理231では数種の油温におけるそれぞれのト
ルコン特性データを用いてトルクをそれぞれに算出す
る。そして求めたTbを処理232で比較基準データと
なるTboldに代入する。またTa(x)も処理233にお
いてそれぞれをTaold(x)に代入する。これで比較基準
データが確保されたので処理234では、補正フラグを
1とする。そして自動車が連続走行中は補正フラグが1
として保持される(後述)ので、次回の補正プログラム
起動時には、処理142,143においてトルクTb,
Taを算出し、処理235でTboldとTbを比較して一
致すれば、処理236で処理143でTaを算出した時
の油温に相当するTaold(x)をTaoldに代入する。そし
て、処理237にあるように相対変位Dを算出し、処理
238で設定値S1,S2とDを比較判断して、必要が
あれば処理140の補正を行う。
【0056】このように補正フラグが0になった時点で
最初に算出したトルクを基準として、連続走行中はそれ
と一致するトルクが発生したときにのみ補正判断を行う
ものである。また、この方式は車重検出が不可能な場合
でも、連続走行中にしか補正を行わないので、その間車
重は一定とみなすことができ、車重の変化に影響されず
に補正ができる。
【0057】図31に補正フラグをクリアするフローチ
ャートを示す。車重が変化する可能性のある状態になっ
たときは、基本的にフラグクリアをする。
【0058】(a)はエンジンが停止した時、または再
始動した時にRESET処理内部でフラグをクリアする
ものである。(b)はエンジンは運転中であるが、ドア
やトランクが開放したり、車速が0kmで車両が停止した
場合は、車重の変化が予想されるので、フラグをクリア
する。これにより補正フラグが1の状態のときは、連続
走行中だと判断できる。
【0059】図32にハンドル舵角検出手段なしでの直
進フラグ判別フローチャートを示し、ハンドル舵角検出
手段の信号を用いないで走行状態を判断する直進フラグ
を求める簡単な実施例を説明する。スロットル開度TV
Oが一定で、エンジン回転数も一定、車速は上昇中であ
れば、勾配がなく、平地を直進していると判断すること
ができる。この場合、基準トルクTaを算出するには、
加速トルクTαと平地走行トルクTcの和で良い。
【0060】
【発明の効果】主推定トルク算出手段で算出した推定ト
ルクとあらかじめ記憶している初期値の基準トルクを絶
対値及び相対値で比較を行うことで、機差分,経時変化
分を考慮した真の出力軸トルクがわかり、さらに絶対値
及び相対値で補正を行うことで高精度の出力軸トルク推
定が可能となり、駆動力,変速等のより細やかな制御が
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】推定トルク補正システムの概略図。
【図2】加速度検出のブロック図。
【図3】機差分の出力軸トルク補正のフローチャート
図。
【図4】推定トルクTa算出のブロック図。
【図5】平地走行時の加速度と出力軸トルクの関係図。
【図6】比較手段での機差分トルクの検出方法を示す説
明図。
【図7】推定トルク補正手段での補正を示すフローチャ
ート図。
【図8】補正係数Kのデータテーブルの一例を示す概略
図。
【図9】高温時トルコン特性補正のフローチャート図。
【図10】機差分考慮の補正トルコン特性の一例を示す
関係図。
【図11】ハンドル舵角検出のブロック図。
【図12】舵角度決定のフローチャート図。
【図13】車重検出手段の構成を示すブロック図。
【図14】車重算出のフローチャート図。
【図15】車重FLAGクリアするRESET処理例を
示すフローチャート図。
【図16】路面状態検出手段の一実施例のフローチャー
ト図。
【図17】路面の凸凹検出センサの信号と平路フラグの
状態を示すタイムチャート図。
【図18】トルコン特性の補正及び診断の基本概念を表
すタイムチャート図。
【図19】基準トルクTb算出のブロック図。
【図20】比較手段の簡単なフローチャート図。
【図21】比較プログラムのフローチャート図。
【図22】油温別のメモリアドレスADD決定のフロー
チャート図。
【図23】比較基準データのメモリへの記憶形態図。
【図24】格納データの最終アドレスLADを検索する
フローチャート図。
【図25】トルコン特性の補正方法の一実施例フローチ
ャート図。
【図26】特性データの部分補正図。
【図27】部分補正の簡単フローチャート図。
【図28】油温別の比較基準データのクリアのフローチ
ャート図。
【図29】トルコン異常時の診断フローチャート図。
【図30】連続走行中のみ行う学習補正の一実施例フロ
ーチャート図。
【図31】補正フラグをクリアするフローチャート図。
【図32】ハンドル舵角検出手段なしでの直進フラグ判
別フローチャート図。
【符号の説明】
40…初期値記憶手段、41…初期値設定手段、42…
主推定トルク算出手段、43…トルク比較手段、44…
推定トルク補正手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 射場本 正彦 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会 社 日立製作所 自動車機器事業部内 (72)発明者 増田 光泰 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会 社 日立製作所 自動車機器事業部内 (56)参考文献 特開 昭62−3137(JP,A) 特開 平6−201523(JP,A) 特開 平2−144231(JP,A) 特開 平2−212663(JP,A) 特開 平3−361(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 41/00 - 41/28 F02D 29/00 - 29/06 F16H 59/00 - 63/50

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃エンジン或いは電動機と自動変速機
    から成るパワートレインを備えた車両のパワートレイン
    の制御装置において、 前記車両の加速度を検出或いは演算する加速度検出手段
    と、 前記パワートレインの出力軸トルクを前記自動変速機の
    トルクコンバータの特性を用いて演算するトルク算出手
    段と、 前記車両の加速度と前記パワートレインの出力軸トルク
    との関係を初期値として記憶する初期値記憶手段と、 前記加速度検出手段から得られた加速度に対応して前記
    初期値記憶手段により求められた第一のトルクと前記ト
    ルク算出手段により求められた第二のトルクとを比較す
    るトルク比較手段と、 前記トルク比較手段で比較された結果に基づいて得られ
    た絶対値又は相対値を用いて前記トルクコンバータの速
    度比に対するトルク比と前記トルクコンバータの速度比
    に対する容量係数を補正する補正手段と、 を設けたパワートレインの制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のパワートレインの制御装置
    において、 前記初期値記憶手段に記憶された初期値を更新する、即
    ち、再度初期値を設定する為の初期値設定手段を設け、 該初期値設定手段によって更新された加速度とトルクの
    関係を用いて、トルクコンバータ特性を補正し、前記補
    正されたトルクコンバータ特性を用いて、前記パワート
    レインの経時変化時に前記第二のトルクを推定すること
    を特徴とするパワートレインの制御装置。
  3. 【請求項3】請求項記載のパワートレインの制御装置
    において、 前記トルクコンバータの特性は少なくとも油温が異なる
    場合の特性であることを特徴とするパワートレインの制
    御装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載のパワートレインの制御装置
    において、 前記トルク比較手段で比較された結果を用いて前記トル
    クコンバータの特性を補正することを特徴とするパワー
    トレインの制御装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載のパワートレインの制御装置
    において、 前記パワートレインの個体差である機差を考慮した補正
    を加えたトルクコンバータの機差特性で、前記油温の異
    なる場合のトルクコンバータの特性を補正することを特
    徴とするパワートレインの制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載のパワートレインの制御装置
    において、 前記第二のトルクの補正の完了を検出する補正完了検出
    手段と、 前記補正の完了が検出されない場合に前記出力軸トルク
    が制御パラメータとなる制御への前記第二のトルクの適
    用を禁止する手段と、 を設けたことを特徴とするパワートレインの制御装置。
  7. 【請求項7】請求項1記載のパワートレインの制御装置
    において、 前記初期値記憶手段には、機差を判断・補正する為の初
    期値を予め記憶させておく、即ち、車両が走行し始める
    前に初期値を記憶させておくこと、及び前記第一のトル
    クと前記第二のトルクとの比較は車両が完成して初めて
    走行するときに行うようにすること、 を特徴とするパワートレインの制御装置。
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