JP3378735B2 - 砂岩調塗膜形成用組成物及びその形成方法 - Google Patents

砂岩調塗膜形成用組成物及びその形成方法

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JP3378735B2 JP17993696A JP17993696A JP3378735B2 JP 3378735 B2 JP3378735 B2 JP 3378735B2 JP 17993696 A JP17993696 A JP 17993696A JP 17993696 A JP17993696 A JP 17993696A JP 3378735 B2 JP3378735 B2 JP 3378735B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被塗物表面に天然
砂岩調の塗膜を形成する組成物およびその形成方法に関
するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、天然石材のような重量物、か
つ、加工が不便な材料を使用せずに、天然石同様の意匠
感を表現できる各種の塗材が、建築物、土木構造物等の
表面に施工されている。このような天然石調塗材として
は、御影石調、大理石調と並んで、天然砂岩調の物も存
在している。この天然砂岩調とは、堆積岩の割り肌のよ
うな、不規則な表面凹凸形状と、砂礫からなる表面のザ
ラザラとした触感を特徴とするものである。天然砂岩調
塗材とは、このような天然砂岩調の塗膜を形成する組成
物であり、その不規則な表面形状の形成方法の一つに
は、左官によるコテ塗りがあげられる。このようなコテ
塗りでは、被塗物に天然砂岩調塗材を予め平滑に塗付
し、その直後、コテにて部分的に塗材を配りながら、模
様形成を行っていくものである。一方、天然砂岩の表面
形状を型取りした人工型に、天然砂岩調塗材を流し込ん
で、乾燥後に脱型する方法によっても天然砂岩調塗膜を
形成することが可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような天然砂岩調
塗材は、現場施工の場合には、前述の方法のうちコテ塗
りが用いられることが多い。このようなコテ塗り施工で
は、天然砂岩調塗材を数mm程度に厚付けし、さらにコ
テにて不規則な表面凹凸形状を付与するため、コテによ
る模様形成の行い易さが必要である。コテによる模様形
成の行い易さとは、塗材がコテによって軽く、スムース
にのびること、コテへの付着がなく、模様を作りコテを
塗材から離した際の離れ具合が良好であること、コテ切
れがよいこと、形成された凹凸模様は、塗材のたれによ
って崩れたりせず、比較的早急に乾燥硬化すること等で
ある。しかしながら、早急な乾燥をするような塗材の場
合には、形成された天然砂岩調塗膜の表面が、急激な乾
燥によってクラックを生じたりする場合があった。
【0004】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、コテ塗りによ、天然砂岩調塗膜を形成すること
ができ、特にコテ塗りによる施工においては、コテによ
る模様形成が非常に行い易く、形成された模様はタレに
よって崩れることが無いという作業性に優れた塗材であ
り、その乾燥性に優れる上に、表面のクラックや皮張り
を生ずることのない組成物を得ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
る為に、本発明者らは、天然砂岩調塗膜形成用組成物と
して、合成樹脂エマルション、着色骨材、無機質粉体を
基本の配合組成として、これらのうち着色骨材、無機質
粉体の粒径を特定のものとし、さらに合成繊維として、
特定のものを使用することに想到した。
【0006】すなわち、 合成樹脂エマルションを固形分で100重量部に対し
て、 平均繊維長0.5〜5mm、繊度0.5〜10デニー
ルの合成繊維を5〜15重量部、 粒度50〜500μm以内の着色骨材を100〜60
0重量部、 粒度50〜1000μm以内の無機質粉体を100〜
600重量部、 ポリエチレンオキサイドを固形分で1〜10重量部含
有し、着色骨材と無機質粉体の重量比率が、6:1〜
1:6であることを特徴とするものである。
【0007】さらに本発明では、形成される凹凸模様
が、よりたれにくくし、さらに耐水性の向上を図るため
に、さらにポリアミドアミンエピクロルヒドリン樹脂
を固形分で0.5〜5重量部含有させても良い。
【0008】また、本発明の実際の使用時においては、
前述の各成分に、さらに適宜水を加えて施工するもので
あるが、その場合において水を混合した組成物全体に占
める固形分の比率が、60〜90%の範囲においてコテ
塗り、流し込み共に最適な流動性に調整されるものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において使用する合成樹
脂エマルションは、重合性不飽和二重結合を有するモノ
マーをエマルション重合して得られるもの、または、予
め合成した樹脂を、水系分散媒に分散剤を使用して分散
したものの何れでもよく、さらに粉末型のエマルション
でもよい。但し、粉末型の場合は、使用時に水の添加が
必須となる。
【0010】これらのエマルションの種類は、ポリ酢酸
ビニル系、ポリアクリル酸エステル系、アクリル−スチ
レン共重合体系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、酢
酸ビニル−アクリル共重合体系、エチレン−塩化ビニル
共重合体系、酢酸ビニル−ベオバ共重合体等のうちの少
なくとも1種以上からなるものである。
【0011】平均繊維長0.5〜5mm、繊度0.5
〜10デニールの合成繊維とは、平均繊維長、繊度がこ
の範囲にあれば特に限定されない。ここで繊度とは、繊
維の太さを現す指標であり、長さ9000m当たりの質
量のグラム数を表すデニールで表現するものである。
【0012】このような条件を満たす繊維としては、例
えば、ポリエステル繊維、ナイロン、ビニロン、ビスコ
ースレーヨン等があげられる。
【0013】粒度が50〜500μm以内の着色骨材
は、粒度がこの範囲にあり、有色のものであれば特に限
定されるものではなく、珪砂、砕石、ガラスビース等の
粒状物表面に、耐熱性の高い顔料を添加した珪酸ソーダ
系のバインダーを高温で焼き付ける方法、アミノアルキ
ッド樹脂塗料等による焼付コーティングを施したもの、
着色ラッカーにより焼付工程を省略したもの、また、耐
候性を考慮した場合には、アルコキシシリル基を官能基
として含み、主鎖がアクリルであるシロキサン架橋型反
応性オリゴマーと、顔料、硬化剤からなる着色材によっ
て着色コーティングしたもの、また、顔料と共に焼成し
たセラミックスの粉砕物、着色天然石の粉砕物等適宜使
用可能である。
【0014】粒度50〜1000μmの無機質粉体
は、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、
寒水石、珪藻土、石英粉、珪砂、バライト粉、ウオラス
トナイト等であり、平均粒径がこの範囲にあれば特に限
定されるものではない。
【0015】ポリエチレンオキサイドは、エチレンオ
キサイド分子を1万ないし数十万ほどに連結させて得ら
れる高分子重合体で、エチレンオキサイド繰り返し部分
の数が300程度以上のものである。
【0016】次にポリアミドポリアミンエピクロルヒ
ドリン樹脂は、例えば、脂肪族ジカルボン酸と、ポリア
ルキレンポリアミンを縮合させて得られる低分子量ポリ
アミドポリアミンを、水溶液中でエピクロルヒドリンと
反応させて得られるポリアミドポリアミンエピクロルヒ
ドリンや、ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、ジ
メチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエ
チルメタクリルアミド等のアミノアクリルアミドおよび
アミノメタクリルアミド等のエピクロルヒドリン付加物
による重合体または共重合体分散液、またはさらに水溶
性の官能基を有するエチレン性不飽和結合含有モノマー
との共重合による水溶性樹脂等があげられる。
【0017】本発明組成物は、これらからないしは
からを混合して製造するものであるが、、につ
いては先述のように、6:1〜1:6が望ましい。これ
は骨材粒径、配合比率と、樹脂の比重、配合比率との関
連からこの範囲の場合に、コテ塗り作業性が向上すると
共に、骨材の沈降が少なくなるためである。
【0018】本発明組成物はの合成樹脂エマルション
100重量部に対して、〜の各構成成分比率が前述
の範囲でなければならない。この範囲を各構成成分が外
れる場合には、乾燥性が低下したり、表面クラックが生
じやすくなったり、コテによる施工の場合にのびが悪く
なったり等するため、本発明の効果を十分に得ることが
できなくなる。例えばの合成繊維が本発明の規定範囲
より多くなると、コテ塗りの際に塗料がパサつく為、コ
テがスムースに動かしにくくなる結果、砂岩調の凹凸模
様を形成しにくくなる。逆に合成繊維が本発明の規定範
囲より少なくなると、凹凸模様のたれや表面にクラック
を生じることになる。コテ塗り時ののびの悪さはのポ
リエチレンオキサイドが少ない場合にも同様に生じる。
さらに、、の骨材が少なくなると、表面クラックが
生じやすくなり、骨材が多い場合には組成物がぱさつ
き、やはりコテ塗り時ののびが悪くなる。
【0019】本発明の組成物には、さらに通常このよう
な塗材に配合することができる、各種添加剤、すなわち
可塑剤、防腐剤、防カビ剤、防藻剤、消泡剤、分散剤、
増粘剤、沈降防止剤、難燃剤等や、顔料、染料を本発明
の効果が損なわれない程度に配合することができる。
【0020】本発明組成物の実際の施工は、予め混合さ
れた組成物を現場にてハンドミキサーで再度混合しコテ
塗りするものである。コテ塗りの際に左官の手作業によ
って天然砂岩調の凹凸模様を形成する。この場合に複数
の異色の組成物を製造しておき、コテにて適当に異色の
組成物を配り塗りした後に、その境界部分を均す方法に
より多彩色感を出すことができる。また、凹凸模様の形
成においては、より砂岩調の表面のざらざらした感じを
表現するために、塗材の未乾燥時に刷毛にてその表面に
引き跡をつけても良い。
【0021】これらの砂岩調塗膜は、さらに天然砂岩調
に近い意匠感を付与するために、砂岩調塗膜を形成した
同一組成物、または、骨材粒度や色相の異なる砂岩調塗
膜形成用組成物を過剰希釈したものの1種または2種以
上を、先に形成した砂岩調塗膜表面に刷毛塗りや吹付塗
装しても良い。
【0022】
【作用】本発明の砂岩調塗膜形成用組成物は、その各構
成成分の組合せによって、塗膜を形成した場合に最適な
状態となり、その結果、優れた乾燥性と塗膜表面へのク
ラックの生じ難さという相反する効果、並びに長期保存
の際の沈降性の防止効果が得られるが、そのような効果
は特に、平均繊維長、繊度を規定した合成繊維と、平均
粒径、粒度の規定された着色骨材と無機質粉体との充填
効果、ポリエチレンオキサイドの流動性調整効果等が複
合された結果生じるものである。
【0023】
【実施例】以下に本発明の効果を明確にするべく各種試
験について、実施例、比較例として対比を行った。
【0024】(試験方法) *砂岩調塗膜形成用組成物の製造 攪拌タンクに合成樹脂エマルションを投入し、続いてデ
ィゾルバーにて攪拌しながら、表1に示した原料を、表
2に示した配合比率となるように投入した。攪拌を続け
ながら、各原料が偏らずほぼ均一に混合した状態にて攪
拌を終了し、しばらく静置し、その後以下の試験を行っ
た。
【0025】*たれ性試験 「JIS A 6021 屋根用塗膜防水材 5.10 たれ抵抗性
能」に準拠して、長さ400mm、幅200mm、厚み
5mmに切断したフレキシブルボードに、エスケー化研
株式会社製「ミラクシーラーES」を、塗付量0.35
kg/m2でエアレススプレーガンにて塗装し、6時間乾
燥養生した。その平滑面の周囲に、フレキシブルボード
の長手方向に40mmの塗膜のたれ代を残して、幅10
mm、厚さ6mmの型枠を貼り付け、水平に置いた後に
形成された凹面部分に、上記のように製造した砂岩調塗
膜形成用組成物をコテにて平滑に塗付した。塗付直後
に、この試験体の200mmのたれ代を設けた一辺の型
枠を取り除き、続いて試験体全体を鉛直に保持し、20
℃で24時間静置する。その後、型枠を除去した部分の
砂岩調塗膜のたれの状態を目視にて確認し、たれの全く
ないものを○、若干たれを生じるものを△、大きなたれ
を生じるものを×として評価した。
【0026】*コテ作業性試験 面積1m2 の壁面に、エスケー化研株式会社製「ミラク
シーラーES」を、塗付量0.35kg/m2 でエアレス
スプレーガンにて塗装し、6時間乾燥養生した後、上記
のように製造した砂岩調塗膜形成用組成物をコテにて厚
み6mmで平滑に塗付した。この際に組成物がコテにて
スムースにのびるかどうかを確認し、のびがスムースな
ものを○、摩擦が大きくのびが悪いものを×として評価
した。その後同一材料を、平滑面に部分的に配りながら
凹凸模様を形成した。この時の凹凸模様の付けやすさに
ついて、凹凸模様を形成しやすく、かつ、形成した凹凸
模様がそのまま維持されるものを○、凹凸が付けにく
く、凹凸模様を付けてもすぐ崩れるものを×とした。さ
らに、凹凸模様形成の際に、コテ切れの良いものを○、
コテ切れの悪いものを×として評価した。
【0027】*表面クラック試験 長さ400mm、幅200mm、厚み5mmに切断した
フレキシブルボードに、その平滑面の、400mmの二
辺に、幅10mm、厚さ2mmの型枠を貼り付けた。さ
らに該型枠の半分の長さの200mmで、幅10mm、
厚さ6mmの型枠を先に貼り付けた型枠の表面に積層し
て貼り付け、図1のように型枠が2mm、6mmの階段
状となるようにした。このような型枠内に、上記のよう
に製造した砂岩調塗膜形成用組成物をコテにて階段状と
なるように塗付した後、20℃で24時間乾燥させ、そ
の表面および、階段状の入隅部分にクラックが発生して
いないかどうか目視にて確認した。このときクラックの
発生がないものを○、クラックが発生しているものを×
として評価した。
【0028】*乾燥性試験 幅10mm、厚さ4mmの型枠を使用した以外は、たれ
試験の際と同様にして試験体を作成した。コテにて平滑
に塗装した直後にその試験体の重量を測定しておき、温
度20℃、湿度65%で養生した。このとき5時間後、
10時間後、20時間後の重量をそれぞれ測定し、その
重量減少を計算によって求めた。次に試験体を100℃
で絶乾状態まで加熱し重量を測定し、この時の重量と当
初の重量との差を揮発分重量とした。この揮発分重量を
100として、5時間後、10時間後、20時間後の重
量減少が、何%となるかを計算した。
【0029】*耐水性試験 幅10mm、厚さ4mmの型枠を使用した以外は、たれ
試験の際の試験体作成と同様にして、コテにて平滑に塗
装した後、7日間乾燥養生したものを、50℃の温水に
24時間浸漬し、その後引き上げて、その表面の状態を
目視にて確認した。このとき、砂岩調塗膜に異常がない
ものを○、若干の白化が見られるものを△、流出が見ら
れるものを×として評価した。
【0030】*外観試験 コテ作業性試験を行った後の壁面を目視にて確認し、天
然砂岩の表面外観に非常に近いものを○、外観不良を×
として評価した。
【0031】以下にこれら試験の結果について解説す
る。
【0032】(実施例1)表1の原料を使用して、表2
に記載の配合例のように、砂岩調塗膜形成用組成物を製
造し、上記の試験方法に基づいて各種試験を行った結
果、表4に示したように、たれ性、コテ切れ性、表面ク
ラックにおいて非常に優れた結果を得た。またコテのの
び、凹凸模様付与性、耐水性についても概ね良好であっ
た。また、乾燥性については初期の5時間経過時点で、
後述する各比較例よりも重量減少率が大きく、乾燥性に
優れることがわかった。このように乾燥性に優れなが
ら、まったく表面クラックを発生せず、その塗膜外観
は、天然砂岩の表面に非常に類似していた。
【0033】(実施例2)表1の原料を使用して、表2
に記載の配合例のように、砂岩調塗膜形成用組成物を製
造し、上記の試験方法に基づいて各種試験を行った結
果、表4に示したように、コテののび性が非常に優れる
という結果を得た。またたれ性試験、凹凸模様付与性、
コテ切れ性、表面クラック、耐水性についても概ね良好
であった。また、乾燥性については初期の5時間経過時
点で、後述する各比較例よりも重量減少率が大きく、乾
燥性に優れることがわかった。このように乾燥性に優れ
ながら、表面クラックをほとんど発生せず、その塗膜外
観は、天然砂岩の表面に非常に類似していた。
【0034】(実施例3)表1の原料を使用して、表2
に記載の配合例のように、砂岩調塗膜形成用組成物を製
造し、上記の試験方法に基づいて各種試験を行った結
果、表4に示したように、コテの切れ性が非常に優れる
という結果を得た。またたれ性試験、コテののび性、凹
凸模様付与性、表面クラック、耐水性についても概ね良
好であった。また、乾燥性については初期の5時間経過
時点で、後述する各比較例よりも重量減少率が大きく、
乾燥性に優れることがわかった。このように乾燥性に優
れながら、表面クラックをほとんど発生せず、その塗膜
外観は、天然砂岩の表面に非常に類似していた。
【0035】(実施例4)表1の原料を使用して、表2
に記載の配合例のように、砂岩調塗膜形成用組成物を製
造し、上記の試験方法に基づいて各種試験を行った結
果、表4に示したように、たれ性、コテの切れ性、表面
クラック、耐水性が非常に優れるという結果を得た。ま
た、コテののび性、凹凸模様付与性についても概ね良好
であった。また、乾燥性については初期の5時間経過時
点で、後述する各比較例よりも重量減少率が大きく、乾
燥性に優れることがわかった。このように乾燥性に優れ
ながら、表面クラックをほとんど発生せず、耐水性にも
優れるという特徴により、施工後養生期間が短い場合
に、降雨があっても問題を生じることが少ない。また、
形成された塗膜外観は、天然砂岩の表面に非常に類似し
ていた。
【0036】(比較例1)表1の原料を使用して、表3
に記載の配合例のように、砂岩調塗膜形成用組成物を製
造し、上記の試験方法に基づいて各種試験を行った結
果、表5に示したように、ビニロンの繊維長が本発明規
定範囲より短い為、たれ性、表面クラック、耐水性にお
いて実施例より劣り、乾燥性においても初期の5時間経
過時点で、実施例より重量減少率が小さく乾燥に時間が
かかることがわかった。また、形成された塗膜外観は、
天然砂岩の表面意匠とは異なるものとなった。
【0037】(比較例2)表1の原料を使用して、表3
に記載の配合例のように、砂岩調塗膜形成用組成物を製
造し、上記の試験方法に基づいて各種試験を行った結
果、表5に示したように、ビニロンの繊維長が本発明規
定範囲より長い為、コテののび、凹凸模様付与性におい
て実施例より劣った。また、形成された塗膜外観は、天
然砂岩の表面意匠とは異なるものとなった。
【0038】(比較例3)表1の原料を使用して、表3
に記載の配合例のように、砂岩調塗膜形成用組成物を製
造し、上記の試験方法に基づいて各種試験を行った結
果、表5に示したように、ビニロンの配合比率が本発明
規定範囲より多い為、コテののび、凹凸模様付与性にお
いて実施例より劣り、乾燥性においても初期の5時間経
過時点で、実施例より重量減少率が小さく乾燥に時間が
かかることがわかった。さらに、耐水性においても流出
が発生し非常に劣ることになった。また、形成された塗
膜外観は、天然砂岩の表面意匠とは異なるものとなっ
た。
【0039】(比較例4)表1の原料を使用して、表3
に記載の配合例のように、砂岩調塗膜形成用組成物を製
造し、上記の試験方法に基づいて各種試験を行った結
果、表5に示したように、ビニロンの配合比率が本発明
規定範囲より少ない為、コテ切れ、表面クラックにおい
て実施例より劣った。また、形成された塗膜外観は、天
然砂岩の表面意匠とは異なるものとなった。
【0040】(比較例5)表1の原料を使用して、表3
に記載の配合例のように、砂岩調塗膜形成用組成物を製
造し、上記の試験方法に基づいて各種試験を行った結
果、表5に示したように、無機質粉体の粒度が本発明規
定範囲より小さい為、コテ切れ、表面クラックにおいて
実施例より劣り、乾燥性においても初期の5時間経過時
点で、実施例より重量減少率が小さく乾燥に時間がかか
ることがわかった。さらに、耐水性においても若干の白
化がみられた。また、形成された塗膜外観は、天然砂岩
の表面意匠とは異なるものとなった。
【0041】(比較例6)表1の原料を使用して、表3
に記載の配合例のように、砂岩調塗膜形成用組成物を製
造し、上記の試験方法に基づいて各種試験を行った結
果、表6に示したように、無機質粉体の粒度が本発明規
定範囲より大きい為、たれ性、コテののび、凹凸模様付
与性において実施例より劣った。また、塗膜外観は、天
然砂岩の表面意匠とは異なるものとなった。
【0042】(比較例7)表1の原料を使用して、表3
に記載の配合例のように、砂岩調塗膜形成用組成物を製
造し、上記の試験方法に基づいて各種試験を行った結
果、表6に示したように、無機質粉体の配合比率が本発
明規定範囲より多い為、コテののび、凹凸模様付与性に
おいて実施例より劣った。また、塗膜外観は、天然砂岩
の表面意匠とは異なるものとなった。
【0043】(比較例8)表1の原料を使用して、表3
に記載の配合例のように、砂岩調塗膜形成用組成物を製
造し、上記の試験方法に基づいて各種試験を行った結
果、表6に示したように、無機質粉体の配合比率が本発
明規定範囲より少ない為、たれ性、コテの切れ、表面ク
ラックにおいて実施例より劣り、乾燥性においても初期
の5時間経過時点で、実施例より重量減少率が小さく乾
燥に時間がかかることがわかった。さらに、耐水性にお
いても若干の白化がみられた。また、塗膜外観は、天然
砂岩の表面意匠とは異なるものとなった。
【0044】(比較例9)表1の原料を使用して、表3
に記載の配合例のように、砂岩調塗膜形成用組成物を製
造し、上記の試験方法に基づいて各種試験を行った結
果、表6に示したように、ポリエチレンオキサイドが配
合されていない為、コテののび、凹凸模様付与性、表面
クラック性において実施例より劣った。また、塗膜外観
は、天然砂岩の表面意匠とは異なるものとなった。
【0045】(比較例10)表1の原料を使用して、表
3に記載の配合例のように、砂岩調塗膜形成用組成物を
製造し、上記の試験方法に基づいて各種試験を行った結
果、表6に示したように、合成繊維の代わりに、天然繊
維のパルプが配合されている為、コテののび、凹凸模様
付与性において実施例より劣り、乾燥性においても初期
の30分時点で、実施例より重量減少が小さく乾燥に時
間がかかることがわかった。さらに、耐水性においても
若干の白化がみられた。また、塗膜外観は、天然砂岩の
表面意匠とは異なるものとなった。
【0046】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【0047】
【発明の効果】本発明の効果は、従来の砂岩調塗膜形成
用組成物が、形成される砂岩調塗膜の表面にクラックを
生じることが多いのに対して、非常にクラックを発生し
にくいことにある。また、その一方で乾燥性や耐水性に
優れるので、施工後の降雨にも強く、未乾燥の状態が比
較的長い従来のものに比較して、風雨によって形成され
た凹凸模様が崩れにくい。さらに、このような左官の手
作業による模様形成材料においては、コテ作業性が非常
に重要であるが、本発明の組成物においては、コテのの
び、凹凸模様の付与しやすさ、コテ切れの良さの何れに
おいても非常に優れており、かつ、形成された凹凸模様
が維持され崩れないような粘性に調整されているため、
天然砂岩調の表面意匠を形成する場合に非常に扱いやす
い塗材といえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面クラック試験の試験体作製のための、型枠
を貼り付けたフレキシブルボードを示す斜視図
【符号の説明】
a フレキシブルボード b 2mmの型枠 c 6mmの型枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 157/00 C09D 5/28 C09D 171/02 C09D 163/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂エマルションを固形分で100
    重量部に対して、 平均繊維長0.5〜5mm、繊度0.5〜10デニー
    ルの合成繊維を5〜15重量部、粒度50〜500μ
    m以内の着色骨材を100〜600重量部、 粒度50〜1000μm以内の無機質粉体を100〜
    600重量部、 ポリエチレンオキサイドを固形分で1〜10重量部含
    有し、着色骨材と無機質粉体の重量比率が、6:1〜
    1:6であることを特徴とするコテ作業性に優れる砂岩
    調塗膜形成用組成物。
  2. 【請求項2】さらに、ポリアミドポリアミンエピクロ
    ルヒドリン樹脂を固形分で0.5〜5重量部含有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のコテ作業性に優れる
    岩調塗膜形成用組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2の何れかに記載の
    砂岩調塗膜形成用組成物をその固形分比率が60〜90
    重量%となるように水希釈し、被塗面へコテ塗りするこ
    とを特徴とする砂岩調塗膜の形成方法。
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