JP3276060B2 - 土壁風仕上塗材組成物 - Google Patents

土壁風仕上塗材組成物

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JP3276060B2 JP19562396A JP19562396A JP3276060B2 JP 3276060 B2 JP3276060 B2 JP 3276060B2 JP 19562396 A JP19562396 A JP 19562396A JP 19562396 A JP19562396 A JP 19562396A JP 3276060 B2 JP3276060 B2 JP 3276060B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建造物などの内外
壁面に対し、土壁風の仕上げを行うことができる塗料組
成物に関する。
【0002】
【従来技術】古来より、木造建築を中心とした日本の建
造物には、その外壁の仕上げにおいて、土や砂などの天
然無機質成分を、消石灰、半水石膏等および水と共に塗
り固め、かき落としや洗い出しの手法により仕上げが行
われていた。これらは建造物表面に自然な風合いや暖か
みのある意匠感を付与することができ、通気性や防結露
性、防火性にも優れるため、和風建築の伝統的仕上げの
一つとして現在も使用されている。例えば特開昭55−
144061号公報には、「中塗用城かべ組成物および
これを用いた城かべ塗装施工法」として、消石灰、骨
材、銀杏草、水溶性セルロース誘導体および糊付加工さ
れたガラス繊維を主要成分とする組成物が記載されてい
る。これらプレミックス組成物に、現場で水を加えて城
壁中塗りを塗装するという簡便さがあり、さらに、プレ
ミックス組成物のガラス繊維に代えて、麻又はパルプす
さを主要成分としたしっくい組成物を上塗りとして塗装
するものである。また、特開昭52−65519号公報
には、「土壁材」として、土壌、半水石膏、パーライト
および繊維材からなる土壁材が記載されている。これは
石膏の水和凝結反応によって、硬化が早いというメリッ
トがある。次に特開昭56−50156号公報には、
「壁土材の改質方法」として、壁土に、特定のエチレン
含量のエチレン酢酸ビニル共重合体エマルションを混入
したものが記載されている。このエマルション混入によ
って、壁土の強度、硬さを改良したものである。次に特
開昭60−16855号公報には、「練りしっくい組成
物」として、消石灰、骨材、無機質繊維、合成糊剤及び
水の混練物に、合成ゴムエマルションを含有させたもの
が記載されている。これも上記同様に、エマルション混
入によって、しっくい壁の強度、硬さを改良したもので
ある。次に特開昭61−195171号公報には、「左
官塗材製造方法」として、荒壁土、中塗り土、色土、色
砂、砂、消石灰、すさ又は糊からなる原料群から選択し
て調合した下塗り用泥、中塗り用泥またはしっくい塗材
に水を加えて混練したものを密閉容器に封入したものが
記載されている。これは現場調合の手間を省き、容器か
ら取り出して使用し、残ったものは容器で貯蔵できる利
点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の土壁やしっくい壁は、土壌や消石灰を使用するた
め、その強度発現には比較的に長期間を有し、耐水性、
耐候性等に問題があった。すなわちこれらは降雨によっ
て流出したり、エフロレッセンス(白華)を生じること
があり、逆に好天が続き乾燥が進むと、クラックを生じ
ることがあり、寒暖の繰り返しによって、剥離や膨れが
生じることもあった。また、これら従来の土壁やしっく
い壁は、色相がほぼ単一色であり、多彩な色彩を表現で
きるものは見られなかった。一方、土壌や消石灰を使用
せず、耐水性、耐候性がより優れる合成樹脂と骨材を混
合して、土壁風の塗膜を形成する組成物もあった。これ
らは含有する合成樹脂によって、建造物の保護を目的と
した耐水性、耐久性能は格段に向上したが、仕上げ面自
体が人工的風合いが強く、土壁風の自然な質感が損なわ
れるものであった。したがって、本発明が解決しようと
する課題は、その意匠感が日本古来の土壁風でありなが
らその色相が多彩色であり、かつ形成される塗膜が、耐
候性を始めとする塗膜物性において非常に優れたものと
なる組成物を得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、以上のよう
な課題を解決すべく鋭意検討を進めた結果、この高い耐
久性能を維持しながら、日本の伝統的仕上げである土壁
風の質感を付与する建築用仕上塗材の発明に至った。す
なわち、 1.合成樹脂エマルションが固形分で100重量部に対
して、 2.平均粒径が10〜500μm、かさ密度が0.2〜
0.5g/cm3 の中空及び/又は多孔質粉体10〜200
重量部、 3.0.1〜10mmの平均粒径を有する天然石、天然
石粉砕物、天然石粉砕物の発泡物から選択される1種以
上を100〜400重量部、 4.0.01〜5mmの平均粒径を有する着色骨材25
0〜500重量部、 5.ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂を固
形分で0.5〜5重量部含有することを特徴とする土壁
風仕上塗材組成物である。
【0005】
【発明の実施の態様】本発明における1.の合成樹脂エ
マルションとしては、重合性不飽和二重結合を有するモ
ノマーをエマルション重合して得られるもの、または、
予め合成した樹脂を、水系分散媒に分散剤を使用して分
散したものの何れでもよく、さらに粉末型のエマルショ
ンでもよい。但し、粉末型の場合は、使用時に水の添加
が必須となる。
【0006】これらのエマルションの種類は、ポリ酢酸
ビニル系、ポリアクリル酸エステル系、アクリル−スチ
レン共重合体系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、酢
酸ビニル−アクリル共重合体系、エチレン−塩化ビニル
共重合体系、酢酸ビニル−ベオバ共重合体、エポキシ系
エマルション、ウレタン系エマルション等のうちの少な
くとも1種以上からなるものである。
【0007】2.の中空及び/又は多孔質粉体として
は、平均粒径が10〜500μm、かさ密度が0.2〜
0.5g/cm3 のものが用いられる。塗膜に土壁の風合い
を付与する場合には、塗膜表面が完全な艶消し状態とな
ることが必要であり、その意味で多孔質な粉体を配合す
ることで、塗膜表面がポ−ラスな状態となり、光が乱反
射しやすく、艶消し塗膜を形成しやすくなるためであ
る。一方、中空粉体においてもその中空部分と殻部分と
の境界における光の屈折により同様な効果が得られる。
また、平均粒径については、10μm以下では塗膜の色
相に影響しやすくなり、目的とする質感が得られず、5
00μm以上では艶消し効果が十分に得られなくなる。
このような中空及び/又は多孔質粉体としては、珪藻
土、シラスバルーン等があげられる。
【0008】つぎに3.の天然石、天然石粉砕物、天然
石粉砕物の発泡物から選択される1種以上、および、
4.の着色骨材は、塗膜に色相を付与すべく配合するも
のであり、特に天然石、天然石粉砕物、天然石粉砕物の
発泡物は、塗膜の質感をより向上させるため、川砂や自
然石、大理石の粉砕物など不均一な色相または様々な色
相を含んでいるものがよく、0.1〜10mm特に1〜
5mm程度の比較的大きな平均粒径を有するものがよ
い。
【0009】4.の着色骨材は、珪砂、砕石、ガラスビ
ース等の粒状物表面に、耐熱性の高い顔料を添加した珪
酸ソーダ系のバインダーを高温で焼き付ける方法、アミ
ノアルキッド樹脂塗料等による焼付コーティングを施し
たもの、着色ラッカーにより焼付工程を省略したもの、
また、耐候性を考慮した場合には、アルコキシシリル基
を官能基として含み、主鎖がアクリルであるシロキサン
架橋型反応性オリゴマーと、顔料、硬化剤からなる着色
材によって着色コーティングしたもの、また、顔料と共
に焼成したセラミックスの粉砕物、着色天然石の粉砕物
等で、平均粒径が0.01〜5mmのものを使用する。
その際に、平均粒径が0.01mm以下では塗膜全体が
着色顔料で着色したような単一色を呈しやすくなり、質
感が低下するとともに天然石の多彩感をいんぺいするよ
うになる。また5mm以上では着色材としての機能が十
分に発揮されない。
【0010】これら天然石または天然石粉砕物、天然石
粉砕物の発泡物、着色骨材を配合することにより目的と
する質感が得られる。特に異色のものを複合した場合に
は、多彩感のある土壁風意匠を得ることが可能となる。
【0011】5.のポリアミドポリアミンエピクロルヒ
ドリン樹脂は、例えば、脂肪族ジカルボン酸と、ポリア
ルキレンポリアミンを縮合させて得られる低分子量ポリ
アミドポリアミンを、水溶液中でエピクロルヒドリンと
反応させて得られるポリアミドポリアミンエピクロルヒ
ドリンや、ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、ジ
メチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエ
チルメタクリルアミド等のアミノアクリルアミドおよび
アミノメタクリルアミド等のエピクロルヒドリン付加物
による重合体または共重合体分散液、またはさらに水溶
性の官能基を有するエチレン性不飽和結合含有モノマー
との共重合による水溶性樹脂等があげられる。
【0012】以上の1.〜5.の各構成成分は、1.の
合成樹脂エマルション固形分で100重量部に対して、
2.の中空及び/又は多孔質粉体が10〜200重量
部、3.の天然石、天然石粉砕物、天然石粉砕物の発泡
物から選択される1種以上が100〜400重量部、
4.の着色骨材が250〜500重量部、5.のポリア
ミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂が固形分で0.
5〜5重量部であるが、2.の中空及び/又は多孔質粉
体が10重量部より少ないと、相対的に合成樹脂エマル
ションが多くなり、形成される塗膜に光沢感が付与され
て人工的な風合いとなってしまう。逆に200重量部よ
り多いと、相対的に合成樹脂エマルションが少なくな
り、形成される塗膜の耐水性、耐久性が不充分なものと
なってしまう。次に3.の天然石、天然石粉砕物、天然
石粉砕物の発泡物から選択される1種以上が100重量
部より少ないと土壁としての重厚感がなく、400重量
部より多いと塗膜表面がゴツゴツして荒れた感じになり
土壁感が無くなる。また、吹き付け施工する際には、そ
の作業性が低下する傾向になる。4.の着色骨材が25
0重量部より少ないと、2.と同様に相対的に合成樹脂
エマルションが多くなり、形成される塗膜に光沢感が付
与されて人工的な風合いとなってしまう。逆に500重
量部より多いと、相対的に合成樹脂エマルションが少な
くなり、形成される塗膜の耐水性、耐久性が不充分なも
のとなるとともに、多彩感が強くなりすぎて土壁の重厚
感が失われる傾向になる。5.のポリアミドポリアミン
エピクロルヒドリン樹脂が固形分で0.5重量部より少
ないと、塗膜の耐水性、耐久性が不充分なものとなる。
逆に5重量部より多いと土壁風仕上塗材組成物が不安定
な状態になり、吹付作業性等の低下をまねくことにな
る。
【0013】本発明では、上記の1.〜5.の各配合成
分以外に、通常塗材組成物に配合する各種成分を、本発
明の効果を損なわない程度に配合することが可能であ
る。
【0014】このような成分としては、木粉等の充填
材、わら、すさ、パルプ繊維、ポリエステル繊維、ナイ
ロン繊維、ビニロン、ビスコースレーヨン等の繊維類、
可塑剤、防腐剤、防カビ剤、防藻剤、消泡剤、分散剤、
増粘剤、沈降防止剤、難燃剤等の各種添加剤があげられ
る。
【0015】本発明の土壁風仕上塗材組成物の製造方法
は、前述の各構成成分を高粘度物を混合可能な設備によ
って、適宜混合して製造することが可能である。また、
合成樹脂エマルションとして粉末型のものを用いる場合
には、粉体の混合設備を使用して全体を混合することが
できる。この場合には施工時に、水を加えて施工に適当
な粘度に調整することが必要である。このように、施工
現場において消石灰等の原料を混合して製造する、従来
の土壁、しっくいに比較して、事前に工場で調合できる
点が本発明の特徴でもある。
【0016】このような既調合の塗材組成物を、施工現
場にて塗付する方法としては、吹き付け、こて塗り等の
手法が可能である。吹付の場合には、タイルガン、スタ
ッコガン、万能ガン等が使用される。吹付の場合には、
数mm程度に吹付を行った後に、凹凸模様付けローラー
で模様付けを行ったり、こてにて塗膜表面を擦って掻き
落とし調にすることも可能である。さらにこのような施
工現場において、吹き付け、こて塗りそれぞれに適切な
粘度になるように、水をさらに加えて希釈してもよい。
【0017】本発明は通常、塗膜形成後には特に上塗り
を施すことはなく、また、上塗りなしの塗膜によって十
分な耐水性、耐候性と土壁風の意匠感を得ることができ
る。しかしながら、塗膜表面の汚染を極力低下させた
り、耐水性、耐候性をより向上させる目的で、土壁風に
意匠感を損なわない場合には、そのような上塗りを塗装
しても良い。
【0018】
【作用】本発明の土壁風仕上塗材組成物は、比較的に組
成物全体にしめる樹脂の比率が少なくなっている上、平
均粒径の大きな中空及び/又は多孔質粉体の配合によっ
て、塗膜が土壁のような艶消し調となる。それでいなが
ら、他の成分との複合によって、全体としては耐水性、
耐候性に優れた塗膜を形成する。このとき同時に土壁の
ような深みと重厚感が生じるものである。特にこのよう
な質感は、各成分の配合比率によって塗膜表面に生じる
微妙な凹凸に起因するものと思われる。
【0019】
【実施例】以下に本発明の効果を明確にするべく各種試
験について、実施例、比較例として対比を行った。
【0020】(試験方法) *土壁風仕上塗材組成物の製造 攪拌タンクに合成樹脂エマルションを投入し、続いてデ
ィゾルバーにて攪拌しながら、表1に示した原料を、表
2に示した配合比率となるように投入した。攪拌を続け
ながら、各原料が偏らずほぼ均一に混合した状態にて攪
拌を終了し、しばらく静置し、その後以下の試験を行っ
た。
【0021】*耐水性試験 80×200×4mmのフレキシブルボードに、幅70
mm×長さ180mm×厚み2mmで先に製造したそれ
ぞれの土壁風仕上塗材をこて塗りした。続いてこのフレ
キシブルボードを温度20±2℃、相対湿度65±10
%にて14日間養生し試験体を作製した。続いて約15
0mmの深さまで脱イオン水を入れた、ポリエチレン製
の容器に、作製した試験体を浸漬した。この状態で3日
間放置後、引き上げ塗膜表面の状態を目視にて観察し
た。このとき塗膜が膨れたり、剥がれたり、流出した
り、クラックを生じているものを×、特に異常を認めな
いものを○として評価した。
【0022】*温冷繰り返し試験 耐水性試験と同様にして80×200×4mmのフレキ
シブルボード各2枚に、幅70mm×長さ180mm×
厚み2mmで先に製造したそれぞれの土壁風仕上塗材を
こて塗りした。続いてこのフレキシブルボードを温度2
0±2℃、相対湿度65±10%にて14日間養生し試
験体を作製した。この試験体のうち1枚を20±2℃の
水中に18時間浸漬した後、直ちに−20±3℃の恒温
器中で3時間冷却し、次いで50±3℃の別の恒温器中
で3時間加温し、この24時間を1サイクルとする操作
を10回繰り返した後、試験室に2時間静置し、その後
塗膜表面を目視にて観察し、残りの1枚の試験体と比較
して、塗膜の膨れ、剥がれ、クラックの有無があるもの
を×、特に異常を認めないものを○として評価した。
【0023】*透水性試験 「JIS K 6909-1995 6.12 透水試験A法」に準拠して、
390×190×4mmのフレキシブルボード各3枚
に、テープ等を用いて周辺部を覆い、塗付面が330×
130×2mmとなるように、先に製造したそれぞれの
土壁風仕上塗材をこて塗りした。続いてテープを取り除
き、このフレキシブルボードを温度20±2℃、相対湿
度65±10%にて14日間養生し試験体を作製した。
この試験体をJIS A 5406に規定する空洞ブロックA種3
90×190×100mmの面にのせ、内径6mmのシ
リンダー付きの透水試験装置に取り付けた後、シリンダ
ー内に20±2℃の清水を200mmの目盛りまで入
れ、その時の水頭の高さと60分経過した後の水頭の高
さとの差を透水量としてcm単位で求める。3枚の試験体
の透水量の平均を計算し実際の透水量(cm)とした。
【0024】*接着強度試験* 「JIS K 5400 8.7 付着強さ」に準拠して、70×70
×20mmのモルタル板各7枚に、厚み2mmで先に製
造したそれぞれの土壁風仕上塗材をこて塗りした。続い
てこのフレキシブルボードを温度20±2℃、相対湿度
65±10%にて、14日間養生し試験体を作製した。
続いて試験体の塗膜面に接着剤を塗り、上部引っ張り用
の鋼製ジグを静かに乗せ、軽くすりつけるように接着
し、更にその上に質量約1kgのおもりを載せ、周りには
み出した接着剤を取り除く。24時間静置後、おもりを
取り除き鋼製ジグに沿って周囲を40×40mmの大き
さに試験板に達するまで切り傷をつけ、下部引っ張り用
の鋼製ジグ及び鋼製当て板を用いて、試料面に対して鉛
直方向に引張力を加えて最大引張荷重を求める。付着強
さはこの値を16で割り、単位面積(cm2 )あたりの付
着強さとして計算し、7個の試験体の平均値とした。
(N/cm2
【0025】*吹付作業性試験* 910×910×4 mmのフレキシブルボードに、万能
ガン(口径10mm、吹き付け圧力392KPa )を使用
して、先に製造したそれぞれの土壁風仕上塗材を吹き付
け塗装した。このとき吹き付け中の塗材の、吐出性
(塗装ガンの吐出口から塗材がスムースに吐出するかど
うか。)、拡がり性(吹き付け時に塗材粒が、適度の
拡がりを持ち、局在化することなく、吐出されるかどう
か。)、パターン性(吹き付けられた塗膜の表面凹凸
模様がスムースかどうか。)について、それぞれ目視に
て優劣を評価し、優れているものを○、劣るものを×と
した。
【0026】*たれ性試験 「JIS A 6021 屋根用塗膜防水材 5.10 たれ抵抗性
能」に準拠して、長さ400mm、幅200mm、厚み
5mmに切断したフレキシブルボードに、エスケー化研
株式会社製「ミラクシーラーES」を、塗付量0.35
kg/m2 でエアレススプレーガンにて塗装し、6時間乾
燥養生した。その平滑面の周囲に、フレキシブルボード
の長手方向に40mmの塗膜のたれ代を残して、幅10
mm、厚さ6mmの型枠を貼り付け、水平に置いた後に
形成された凹面部分に、上記のように製造した土壁風仕
上げ塗材組成物をコテにて平滑に塗付した。塗付直後
に、この試験体の200mmのたれ代を設けた一辺の型
枠を取り除き、続いて試験体全体を鉛直に保持し、20
℃で24時間静置する。その後、型枠を除去した部分の
土壁風仕上塗材組成物のたれの状態を目視にて確認し、
たれの全くないものを○、たれを生じるものを×として
評価した。
【0027】*外観試験* 吹付作業性試験後の試験体について、その外観を目視に
て確認し、土壁の表面外観に非常に近いものを○、外観
不良を×として評価した。
【0028】(実施例1〜2)表1の原料を使用して、
表2に記載の配合例のように、土壁風仕上塗材組成物を
製造し、上記の試験方法に基づいて各種試験を行った結
果、表4に示したように、耐水性、温冷繰り返し性、吹
付作業性、たれ性、塗膜外観において非常に優れた結果
を得た。また、透水性、接着強度については、後述する
比較例の結果に対しほぼ良好な結果となった。
【0029】(実施例3〜4)表1の原料を使用して、
表2に記載の配合例のように、土壁風仕上塗材組成物を
製造し、上記の試験方法に基づいて各種試験を行った結
果、表4に示したように、耐水性、温冷繰り返し性、吹
付作業性、たれ性、塗膜外観において非常に優れた結果
を得た。また、透水性、接着強度については、後述する
比較例の結果に対しほぼ良好な結果であり、さらに実施
例1、2よりも良好な値を示した。
【0030】(比較例1)表1の原料を使用して、表3
に記載の配合例のように、塗材組成物を製造し、上記の
試験方法に基づいて各種試験を行った結果、表5に示し
たように、多孔質粉体として使用した珪藻土の平均粒径
が、本発明規定の範囲外で小さいため、塗材の粘性の変
化を生じ、吹付作業性が劣る結果となった。また、形成
された塗膜は、その表面にクラックを生じ、土壁風の意
匠が損なわれる結果となった。
【0031】(比較例2)表1の原料を使用して、表3
に記載の配合例のように、塗材組成物を製造し、上記の
試験方法に基づいて各種試験を行った結果、表5に示し
たように、使用した重質炭酸カルシウムが、本発明で使
用する中空及び/又は多孔質粉体でないため、形成され
た塗膜に底艶が生じ、本来の土壁の深みのある意匠感と
は大きく異なるものとなった。
【0032】(比較例3)表1の原料を使用して、表3
に記載の配合例のように、塗材組成物を製造し、上記の
試験方法に基づいて各種試験を行った結果、表5に示し
たように、消石灰を用いる従来のしっくいと類似の組成
のため、耐水性、温冷繰り返し性、吹付作業性において
非常に劣る結果となり、また、透水性や接着強度におい
ても実施例よりかなり悪い値となった。
【0033】(比較例4)表1の原料を使用して、表3
に記載の配合例のように、塗材組成物を製造し、上記の
試験方法に基づいて各種試験を行った結果、表5に示し
たように、珪藻土の配合量が本発明の規定範囲外で非常
に少ないため、相対的に樹脂の比率が高くなり、形成さ
れた塗膜に底艶が生じ、本来の土壁の深みのある意匠感
とは大きく異なるものとなった。また、塗材の粘性も変
化し、塗付時のたれ性が悪くなった。
【0034】(比較例5)表1の原料を使用して、表3
に記載の配合例のように、塗材組成物を製造し、上記の
試験方法に基づいて各種試験を行った結果、表5に示し
たように、珪藻土の配合量が本発明の規定範囲外で非常
に多いため、相対的に樹脂の比率が低くなり、形成され
た塗膜がポーラスになりすぎ、耐水性、温冷繰り返し性
に劣り、形成された塗膜はその表面にクラックを生じ、
土壁風の意匠が損なわれる結果となった。また、塗材が
高顔料容積濃度になりすぎのため吹付作業性も不良であ
った。
【0035】(比較例6)表1の原料を使用して、表3
に記載の配合例のように、塗材組成物を製造し、上記の
試験方法に基づいて各種試験を行った結果、表5に示し
たように、粒径の大きな天然石が、本発明の規定範囲外
で非常に多いため、形成される塗膜の表面が天然石のご
つごつとした荒れた感じになり、土壁のようななめらか
で深みのある意匠感は得られなかった。また、骨材であ
る天然石が多いため塗材の粘性が変化し、吹付作業性に
おいて不十分な結果となった。
【0036】(比較例7)表1の原料を使用して、表3
に記載の配合例のように、塗材組成物を製造し、上記の
試験方法に基づいて各種試験を行った結果、表5に示し
たように、着色骨材が、本発明の規定範囲外で非常に少
ないため、相対的に樹脂の比率が高くなり、形成された
塗膜に底艶が生じ、本来の土壁の深みのある意匠感とは
大きく異なるものとなった。また、塗材の粘性も変化
し、塗付時のたれ性が悪くなった。
【0037】(比較例8)表1の原料を使用して、表3
に記載の配合例のように、塗材組成物を製造し、上記の
試験方法に基づいて各種試験を行った結果、表5に示し
たように、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが
入っていないため、塗膜の架橋密度が低下し、形成され
た塗膜が多少ポーラスな感じになるため、耐水性、温冷
繰り返し性に劣る結果となった。
【0038】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0039】
【発明の効果】本発明の効果は、従来の消石灰を使用し
た、しっくいや土壁と比較して、施工後の初期時点か
ら、耐水性等の塗膜物性に優れ、また塗付する現場での
調合練り混ぜを必要とする従来材料に比較して、工場に
て予め最適配合に調整されているため、吹付、こて塗り
等の施工方法に応じて、適宜に水の配合比率を調整する
のみで塗付作業に入れるという簡便さを有する。さら
に、比較的に組成物全体にしめる樹脂の比率が少なくな
っているため、合成樹脂と骨材を配合した従来の土壁風
塗材組成物と比較しても底艶が少なく、比較的平均粒径
の大きな中空及び/又は多孔質粉体の配合によって、塗
膜が土壁に非常に類似した艶消し調となる。さらに着色
骨材の配合によって多彩感も生じ、非常に優れた意匠の
塗膜を形成することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1.合成樹脂エマルションが固形分で10
    0重量部に対して、 2.平均粒径が10〜500μm、かさ密度が0.2〜
    0.5g/cm3 の中空及び/又は多孔質粉体10〜200
    重量部、 3.0.1〜10mmの平均粒径を有する天然石、天然
    石粉砕物、天然石粉砕物の発泡物から選択される1種以
    上を100〜400重量部、 4.0.01〜5mmの平均粒径を有する着色骨材25
    0〜500重量部、 5.ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂を固
    形分で0.5〜5重量部含有することを特徴とする土壁
    風仕上塗材組成物。
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