JP3377828B2 - 機械式過給機付エンジンの吸気装置 - Google Patents

機械式過給機付エンジンの吸気装置

Info

Publication number
JP3377828B2
JP3377828B2 JP11694093A JP11694093A JP3377828B2 JP 3377828 B2 JP3377828 B2 JP 3377828B2 JP 11694093 A JP11694093 A JP 11694093A JP 11694093 A JP11694093 A JP 11694093A JP 3377828 B2 JP3377828 B2 JP 3377828B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intake
valve
engine
intake valve
closing timing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11694093A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06330776A (ja
Inventor
潤三 佐々木
幹公 藤井
剛 高山
達也 上杉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP11694093A priority Critical patent/JP3377828B2/ja
Publication of JPH06330776A publication Critical patent/JPH06330776A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3377828B2 publication Critical patent/JP3377828B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、吸気弁閉弁タイミング
可変手段と、過給圧と吸気弁閉弁タイミングひいては
弁オーバーラップ量を制御する制御手段とを備えた機
械式過給機付エンジンの吸気装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】機械式過給機で吸入空気を加圧(過給)し
て吸気充填効率を高め、出力の向上を図るようにした機
械式過給機付エンジンは従来より知られている。しかし
ながら、このように機械式過給機で過給を行うと低速・
高負荷時にノッキングが起こりやすくなるといった問題
がある。このため、かかる従来の機械式過給機付エンジ
ンでは、低速・高負荷時には点火時期をリタードさせて
ノッキングの発生を防止するなどといった対応がなされ
ているが、点火時期をリタードさせるとエンジン出力の
低下を招くので、過給による出力向上効果を目減りさせ
るとともに燃費性能を低下させるといった問題が生じ
る。 【0003】そこで、機械式過給機と、吸気弁の閉弁タ
イミングを変化させることができる吸気弁開閉タイミン
グ可変手段とを備えたエンジンにおいて、低速領域(低
回転領域)では過給圧を高めつつ吸気弁の閉弁タイミン
グをクランク角でみて下死点後の比較的遅い時期に設定
して吸気弁遅閉じ運転を行い、ノッキングの発生を防止
するようにしたもの提案されている(例えば、特開昭6
3−239312号公報参照)。すなわち、過給圧を高
めつつ吸気弁遅閉じ運転を行うと、通常運転時に比べて
圧縮行程における有効圧縮比が小さくなるので、燃焼室
内の混合気の圧縮による温度上昇が小さくなり、したが
って点火時における混合気の温度が比較的低くなりノッ
キングの発生が防止されることになる。この場合、過給
圧が高められているので、吸気充填効率は通常運転時と
ほぼ同等となる。なお、このように低速領域で吸気弁遅
閉じ運転を行うようにした従来の機械式過給機付エンジ
ンにおいて、該低速領域以外の運転領域(中速領域、高
速領域)では、吸気充填効率を確保するために、吸気弁
の閉弁タイミングが普通のエンジンの閉弁タイミングと
同様に設定される。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
特開昭63−239312号公報に開示されているよう
な、低速領域で吸気弁遅閉じ運転を行うようにした従来
の機械式過給機付エンジンにおいては、低速領域では過
給圧が高く設定されるので吸気ポートから燃焼室内に流
入した混合気の排気ポートへの流出、いわゆる混合気の
吹き抜けが起こり、HC排出量が増加してエミッション
性能が悪くなるといった問題がある。 【0005】また、高速領域では、エンジン温度が上昇
するので吸気通路内あるいは燃焼室内の混合気の温度が
高くなり、これによって吸気充填効率が低下するととも
にノッキングが起こりやすくなるといった問題がある。
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされた
ものであって、全運転領域でノッキングの発生を防止し
つつエンジン出力を高めることができ、かつエミッショ
ン性能を高めることができる機械式過給機付エンジンの
吸気装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、本発明は、(i)機械式過給機と、(ii)吸気弁閉
弁タイミングを変化させることにより吸気弁と排気弁と
の開弁オーバーラップ量を変化させることができる吸気
弁閉弁タイミング可変手段と、(iii)エンジン回転数
を検出するエンジン回転数検出手段と、(iv)エンジン
回転数に応じて上記機械式過給機の過給圧、上記吸気
弁閉弁タイミングひいては上記開弁オーバーラップ量
を制御する制御手段とを備えていて、()上記制御手
段が、エンジンの中回転領域における最低回転数での過
給圧が、低回転領域における最高回転数での過給圧に比
べて小さな値になるように該過給圧を制御するととも
に、(vi)上記低回転領域及び高回転領域における吸気
弁閉弁タイミングを、上記中回転領域における吸気弁閉
弁タイミングに比して遅くするよう該吸気弁閉弁タイミ
ングを制御し、さらに、(vii)上記低回転領域におけ
る開弁オーバーラップ量を、上記中回転領域における開
弁オーバーラップに比して小さくするように該開弁オー
バーラップ量を制御するよう構成されていることを特徴
とする機械式過給機付エンジンの吸気装置を提供する。 【0007】 【0008】 【0009】 【0010】 【0011】 【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図1と図2とに示すように、第1〜第6気筒#1〜#6
を備えた6気筒V形エンジンVEにおいては、第1バン
クP側に第1,第3,第5気筒#1,#3,#5が配置さ
れ、第2バンクQ側に第2,第4,第6気筒#2,#4,#
6が配置されている。ここで、各気筒#1〜#6は、#
1→#2→#3→#4→#5→#6の順に点火されるよ
うになっている。したがって、第1バンクP側の各気筒
#1,#3,#5は互いに吸気行程が重複せず、また第2
バンクQ側の各気筒#2,#4,#6もまた互いに吸気行
程が重複しない。なお、以下では便宜上、エンジン本体
近傍においては、エンジンVEの長手方向(図1では左
右方向)にみて第5気筒#5側を「左」といい、第1気筒
#1側を「右」ということにする。 【0012】各気筒#1〜#6においては、夫々、第
1,第2吸気弁1a,1bが開かれたときに第1,第2吸気
ポート2a,2bから燃焼室3内に混合気が吸入され、こ
の混合気がピストン(図示せず)で圧縮された後点火プラ
グ(図示せず)で着火・燃焼させられ、排気弁(図示せず)
が開かれたときに燃焼ガス(排気ガス)が排気ポート4に
排出されるようになっている。ここで、第1,第2吸気
ポート2a,2bに臨んで夫々、ポート内の吸入空気中に
燃料を噴射して混合気を形成する第1,第2燃料噴射弁
5a,5bが設けられている。なお、図1中の第3〜第6
気筒#3〜#6については、第1,第2気筒#1,#2と
同一構成であるので紙面の都合上個々の部材への付番を
省略している。 【0013】そして、第1,第2バンクP,Qにおいては
いずれも、各気筒#1〜#6の第1,第2吸気弁1a,1b
が夫々、吸気弁用カムシャフト7に取り付けられた第
1,第2吸気弁用カム6a,6bによって、後で説明するよ
うに所定のタイミングで開閉されるようになっている。
ここで、第1,第2バンクP,Qの各吸気弁用カムシャフ
ト7の左端部には夫々カムシャフトプーリ8が取り付け
られている。そして、図示していないが、両カムシャフ
トプーリ8,8と、クランク軸に取り付けられたクラン
ク軸プーリとにまたがって1本のタイミングベルトが巻
きかけられ、両吸気弁用カムシャフト7,7はクランク
軸によって、該クランク軸と同期して回転駆動されるよ
うになっている。ここで、両吸気弁用カムシャフト7,
7に対して夫々、これらの回転位相を変えて第1,第2
吸気弁1a,1bの開閉タイミングを変化させることがで
きる吸気弁開閉タイミング可変手段9が設けられ、これ
らの吸気弁開閉タイミング可変手段9は夫々コントロー
ルユニット10によって制御されるようになっている。
なお、吸気弁開閉タイミング可変手段9は、第1,第2
吸気弁1a,1bの開閉タイミングを進角方向又は遅角方
向にずらせるだけであるので、開閉タイミングを変化さ
せた場合でも開弁期間(クランク角でみて)は変化しな
い。 【0014】図示していないが、排気弁もまた吸気弁1
a,1bとほぼ同様の機構により、後で説明するように所
定のタイミングで開閉されるようになっている。ただ
し、排気弁に対しては開閉タイミング可変手段は設けら
れていないので、排気弁の開閉タイミングは固定されて
いる。 【0015】エンジンVEの各気筒#1〜#6に燃料燃
焼用の空気を供給するために共通吸気通路12が設けら
れ、この共通吸気通路12には吸入空気の流れ方向にみ
て上流側から順に、吸入空気中のダストを除去するエア
クリーナ13と、吸入空気量を検出するエアフローセン
サ14と、アクセルペダル(図示せず)と連動して開閉さ
れるスロットル弁15と、クランク軸(図示せず)によっ
て駆動される機械式過給機16(スーパーチャージャ)
と、該機械式過給機16によって断熱圧縮されて温度が
上昇した吸入空気を冷却するインタクーラ17とが介設
されている。ここで、スロットル弁15より下流側にお
いて、共通吸気通路12の、機械式過給機16より上流
側の部分とインタクーラ17より下流側の部分とを連通
させるバイパス吸気通路18が設けられ、このバイパス
吸気通路18にアクチュエータ19によって開閉される
リリーフバルブ20が介設されている。そして、機械式
過給機16の吐出圧すなわち過給圧が設定値(限界過給
圧)に近付くと、アクチュエータ19によってリリーフ
バルブ20が開かれてインタクーラ下流の吸入空気が過
給機上流に戻され、過給圧が設定値(限界過給圧)以下に
保持されるようになっている。このように、過給圧を限
界過給圧以下にとどめるのは、過給圧が限界過給圧を超
えると機械式過給機16が高温化してその信頼性が低下
するからである。 【0016】共通吸気通路12は、インタクーラ17よ
り下流側で第1分岐吸気通路21と第2分岐吸気通路2
2とに分岐し、第1分岐吸気通路21の下流端は第1バ
ンクP用の第1サージタンク23に接続され、第2分岐
吸気通路22の下流端は第2バンクQ用の第2サージタ
ンク24に接続されている。ここで、第1サージタンク
23の左端部と第2サージタンク24の左端部とを連通
させる第1連通路25が設けられ、この第1連通路25
にはこれを開閉する連通路開閉弁26が介設されてい
る。また、第1サージタンク23の右端部と第2サージ
タンク24の右端部とを連通させる第2連通路27が設
けられ、この第2連通路27にはこれを開閉する2つの
連通路シャッタ弁28a,28bが介設されている。 【0017】これらの第1,第2連通路25,27、連通
路開閉弁26及び連通路シャッタ弁28a,28bは、エ
ンジン回転数に応じて共鳴効果ないしは慣性効果を有効
に利用して、吸気充填効率を高めるために設けられてい
る。すなわち、低回転時には連通路開閉弁26と連通路
シャッタ弁28a,28bとを閉じて、共通吸気通路12
から第1,第2分岐吸気通路21,22への分岐部を圧力
波反転部とする共鳴効果を利用して吸気充填効率を高
め、中回転時には連通路シャッタ弁28a,28bのみを
開いて第2連通路27の中央部を圧力波反転部とする共
鳴効果を利用して吸気充填効率を高め、高回転時には連
通路開閉弁26と連通路シャッタ弁28a,28bとを開
き慣性効果を利用して吸気充填効率を高めるようにして
いる。 【0018】そして、第1サージタンク23には第1,
第3,第5気筒#1,#3,#5用の3組の第1,第2独立
吸気通路29a,29bの上流端が接続され、これらの第
1,第2独立吸気通路29a,29bの下流端は夫々対応す
る気筒の第1,第2吸気ポート2a,2bに接続されてい
る。他方、第2サージタンク24には第2,第4,第6気
筒#2,#4,#6用の3組の第1,第2独立吸気通路2
9a,29bの上流端が接続され、これらの第1,第2独立
吸気通路29a,29bの下流端は夫々対応する気筒の第
1,第2吸気ポート2a,2bに接続されている。ここで、
各気筒#1〜#6の第2独立吸気通路29bには夫々、
低負荷時には閉じられ燃焼室3内にスワールを生成して
混合気の燃焼性を高める吸気通路開閉弁30が設けられ
ている。なお、第1吸気ポート2aはタンゼンシャルタ
イプあるいはヘリカルタイプのスワールポートとされて
いる。 【0019】各気筒#1〜#6の第1,第2燃料噴射弁
5a,5bに、燃料の気化・霧化を促進するためのアシス
トエアを供給するアシストエア供給通路31が設けら
れ、このアシストエア供給通路31の上流端は、スロッ
トル弁15より上流側の共通吸気通路12に開口してい
る。そして、アシストエア供給通路31には三方弁であ
るアシストエアコントロールバルブ32が介設され、こ
のアシストエアコントロールバルブ32の第3の端子に
は、上流端が機械式過給機16より下流側の共通吸気通
路12に開口するアシストエア導入通路33が接続され
ている。ここで、アシストエアコントロールバルブ32
は、過給時には加圧された吸入空気をアシストエアとし
てアシスアシストエア導入通路33を通して導入する一
方、非過給時にはアシストエア供給通路31を通して大
気圧の吸入空気をアシストエアとして導入するようにな
っている。 【0020】そして、アシストエア供給通路31は途中
で第1,第2分岐アシストエア供給通路31a,31bに分
岐し、第1分岐アシストエア通路31aを通して第1バ
ンクP側の各燃料噴射弁5a,5bにアシストエアが供給
される一方、第2分岐アシストエア供給通路31bを通
して第2バンクQ側の各燃料噴射弁5a,5bにアシスト
エアが供給されるようになっている。なお、第1,第2
分岐アシストエア供給通路31a,31bには夫々逆止弁
34,35が介設されている。 【0021】各気筒#1〜#6の燃焼室3から排気ポー
ト4に排出された排気ガスは、排気通路36を通して大
気中に排出されるようになっている。なお、排気通路3
6には排気ガスを浄化するための触媒コンバータ37が
介設されている。 【0022】NOx発生量を低減するために、あるいは
低負荷時におけるポンピングロスを低減するために、非
過給時において触媒コンバータ37より上流側の排気通
路36内の排気ガスをEGRとしてインタクーラ17よ
り下流側の共通吸気通路12に還流させる第1EGR通
路38が設けられ、この第1EGR通路38にはEGR
量を調節するための第1EGR弁39が介設されてい
る。さらに、過給時に触媒コンバータ37より下流側の
排気通路36内の排気ガスをEGRとして、機械式過給
機16より上流側の共通吸気通路12に還流させる第2
EGR通路41が設けられ、この第2EGR通路41に
はEGR量を調節するための第2EGR弁42が介設さ
れている。 【0023】コントロールユニット10は、特許請求の
範囲に記載された「吸気弁閉弁タイミング可変手段」及
び「過給圧と、吸気弁閉弁タイミングひいては開弁オー
バーラップ量を制御する制御手段」を含むエンジンV
Eの総合的な制御装置であって、エアフローセンサ14
によって検出される吸入空気量、第1吸気温センサ45
によって検出される吸入空気温度、スロットルセンサ4
6によって検出されるスロットル開度、第2吸気温セン
サ47によって検出される過給機下流の吸入空気温度、
第3,第4吸気温センサ48,49によって検出されるイ
ンタクーラ下流の吸入空気温度、回転数センサ(図示せ
ず)によって検出されるエンジン回転数等を制御情報と
して、エンジンVEの各種制御を行うようになってい
る。 【0024】しかしながら、コントロールユニット10
による一般的なエンジン制御はよく知られた普通の制御
手法で行われ、また本願発明の要旨とするところでもな
いのでその説明を省略し、以下では図3を参照しつつ本
願発明の要旨にかかわる吸気弁開閉タイミング制御ない
しは過給圧制御についてのみ説明する。すなわち、エン
ジンVEにおいては、コントロールユニット10は、エ
ンジン回転数に応じて、吸気弁1a,1bの開閉タイミン
グ、吸気弁1a,1bの開弁期間と排気弁の開弁期間との
間のオーバーラップ期間(以下、これを開弁オーバラッ
プという)、及び過給圧を制御し、全運転領域でノッキ
ングの発生を防止しつつエンジン出力とエミッション性
能とを高めるようになっている。 【0025】図3において、G1はかかる制御が行われ
た場合のHC排出量(掃気効率)のエンジン回転数に対す
る特性を示している。なお、G2は吸気弁早閉じ運転を
行った場合すなわち開弁オーバラップを大きくした場合
のHC排出量を示し、G3は吸気弁遅閉じ運転を行った
場合すなわち開弁オーバラップを小さくした場合のHC
排出量を示している。G4はかかる制御が行われた場合
の過給圧のエンジン回転数に対する特性を示している。
なお、G5は吸気弁遅閉じ運転を行った場合の過給圧を
示し、G6は吸気弁早閉じ運転を行った場合の過給圧を
示している。また、G7は吸気充填効率ηcが最良となる
吸気弁閉弁タイミング(下死点後のクランク角)を示して
いる。 【0026】(1)低速領域 図3に示すように、エンジン回転数が所定値N1以下で
ある低速領域では、吸気弁1a,1bが、(膨張比/有効圧
縮比)>1となるように、クランク角でみて下死点後の
比較的遅いタイミング、例えば下死点後60°で閉じら
れ、吸気弁遅閉じ運転が行われる一方、過給圧が比較的
高く設定される。この場合、吸気弁1a,1bは上死点よ
りも若干早いタイミング、例えば上死点前5°で開弁さ
れる。なお、過給圧の制御はアクチュエータ19を介し
てリリーフバルブ20の開度を調節することにより行わ
れる。 【0027】他方、排気弁は従来の普通のエンジンと同
様のタイミングで開閉され、例えば下死点前50°で開
弁される一方上死点後15°で閉弁される。したがっ
て、この場合、開弁オーバラップは比較的小さくなり、
クランク角で20°(上死点前5°〜上死点後15°)と
なる。 【0028】このように、低速領域では吸気弁遅閉じ運
転が行われ、したがって燃焼室3内の混合気の有効圧縮
比が小さくなるので、混合気の圧縮による温度上昇が小
さくなる。このため、点火時における混合気の温度が比
較的低くなり、耐ノッキング性が高められる。このよう
にして、ノッキングが発生しやすい低速・高負荷時にお
いてもノッキングの発生が有効に防止される。なお、こ
の場合、有効圧縮比が小さくなる分だけ吸気充填効率が
低下するようにもみえるが、前記したとおり過給圧が高
く設定されているので、従来のエンジンにおいて吸気弁
が普通のタイミングで開閉される場合とほぼ同様の吸気
充填効率が確保され、十分なエンジン出力が確保され
る。また、かかる吸気弁遅閉じ運転によりポンピングロ
スが低減されるので燃費性能が高められる。 【0029】そして、前記したとおり、開弁オーバラッ
プが比較的小さくなっているので(例えば、クランク角
で20°)、過給圧が高く設定されているのにもかかわ
らず吸気ポート2a,2bから燃焼室3内に流入した混合
気の排気ポート4への流出、すなわち混合気の吹き抜け
が起こらず、排気ガス中のHC濃度が低減されてエミッ
ション性能が高められる。なお、この場合過給圧が高く
設定されているので、燃焼室3内の掃気は十分に行われ
る。 【0030】(2)中速領域 エンジン回転数が上記の所定値N1を超えかつ所定値N2
以下である中速領域では、吸気弁1a,1bが、上記の低
速領域における吸気弁遅閉じ運転の場合よりも早いタイ
ミング、例えば下死点後30°で閉じられ、吸気弁早閉
じ運転が行われる一方、過給圧が比較的低く設定され
る。この場合、吸気弁1a,1bは上死点よりもかなり早
いタイミング、例えば上死点前35°で開弁されること
になる。なお、ここで「吸気弁早閉じ運転」とは、吸気弁
遅閉じ運転の場合よりも早いタイミングで吸気弁1a,1
bが閉じられるという趣旨であって、従来の普通のエン
ジンよりも早いタイミングで吸気弁が閉じられるという
趣旨ではない。ちなみに、本実施例においては、かかる
中速領域においても、吸気弁1a,1bが、(膨張比/有効
圧縮比)>1となるように、下死点後に閉じられる。 【0031】他方、排気弁の開閉タイミングは固定され
ているので(下死点前50°で開弁され、上死点後15
°で閉弁される)、この場合は開弁オーバラップが比較
的大きくなり、クランク角で50°(上死点前35°〜
上死点後15°)となる。 【0032】図3から明らかなとおり(G7)、中速領域
(N1〜N2)では、吸気充填効率が最良となる吸気弁閉弁
タイミングは60°よりはかなり小さくなっている。し
たがって、この中速領域で吸気充填効率を高めるには、
吸気弁閉弁タイミングを低速領域での吸気弁遅閉じ運転
の場合よりも早めるか、あるいは過給圧を高めればよ
い。しかしながら、図3から明らかなとおりエンジン回
転数がN1まで上昇した時点では過給圧が限界過給圧P1
に近付いているので、過給圧を高めることによって吸気
充填効率を大幅に高めることは困難である。そこで、中
速領域では吸気弁1a,1bの閉弁タイミングを低速領域
での吸気弁遅閉じ運転の場合よりも早めて吸気充填効率
を高め、エンジン出力を高めるようにしている。 【0033】かかる中速領域ではもともとノッキングが
起こりにくいので、このように吸気弁早閉じ運転を行っ
てもノッキングが発生しない。また、前記したとおり、
開弁オーバラップが比較的大きくなっているが(クラン
ク角で50°)、かかる中速領域では開弁オーバラップ
は時間でみれば(クランク角ではなく)比較的短くなって
おり、かつ過給圧が比較的低く設定されているので混合
気の吹き抜けが起こらず、排気ガス中のHC濃度が低減
されてエミッション性能が高められる。したがって、中
速領域でもノッキングの発生を防止しつつ、エンジン出
力とエミッション性能とを高めることができる。また、
過給圧が低く設定されるので、エンジンの軸動力損失が
低減され、エンジンVEの車輪駆動トルクが高められ
る。なお、この場合開弁オーバラップが比較的大きく設
定されているので、燃焼室3内の掃気は十分に行われ
る。 【0034】(3)高速領域 エンジン回転数が上記の所定値N2を超える高速領域で
は、低速領域における吸気弁遅閉じ運転の場合と同様に
吸気弁遅閉じ運転が行われる(例えば、吸気弁1a,1bが
下死点後60°で閉弁される)。この場合、エンジン回
転数がN2に達した時点で過給圧はすでに限界過給圧P1
に達しているので、過給圧は一定値P1に保持される。 【0035】このように、高速領域で再び吸気弁遅閉じ
運転を行う理由は以下のとおりである。すなわち、前記
したとおり高速領域ではエンジン温度が上昇し、これに
伴って点火時における混合気の温度が上昇し、吸気充填
効率が低下するとともにノッキングが発生しやすくな
る。そこで、吸気弁遅閉じ運転を行い、混合気の温度を
低下させて、吸気充填効率を高めるとともにノッキング
の発生を防止するようにしている。 【0036】また、図3から明らかなとおり(G7)、高
速領域(エンジン回転数>N2)では、吸気充填効率が最
良となる吸気弁閉弁タイミングは、30°よりははるか
に大きく概ね60°に近い値となっている。したがっ
て、この高速領域で吸気充填効率を高めるには、少なく
とも中速領域における吸気弁早閉じ運転の場合よりも吸
気弁閉弁タイミングを遅らせる必要がある。そこで、本
実施例では、高速領域で低速領域と同一のタイミング、
例えば下死点後60°で吸気弁1a,1bを閉弁させて吸
気弁遅閉じ運転を行い、ノッキングの発生を防止しつ
つ、吸気充填効率を高めてエンジン出力を高めるように
している。このように、低速領域と高速領域とで吸気弁
1a,1bの閉弁タイミングを同一(下死点後60°)にし
ているので、吸気弁開閉タイミング可変手段9の構成、
あるいはその制御機構が簡素化される。なお、高速領域
における吸気弁閉弁タイミングを低速領域の場合と異な
らせてもよいのはもちろんである。 【0037】しかしながら、図3から明らかなとおり
(G7)、高速領域において吸気充填効率が最良となる吸
気弁閉弁タイミングは、エンジン回転数に対応してリニ
アな特性で変化している。そこで、高速領域における吸
気弁閉弁タイミングを、図3中のG7に対応させてエン
ジン回転数に応じてリニアに変化させるようにしてもよ
い。この場合、定格回転時すなわち最高回転時におい
て、吸気充填効率が最大となるように吸気弁1a,1bの
閉弁タイミングが設定されることになる。 【0038】以上、本実施例によれば、全運転領域で、
ノッキングの発生を有効に防止しつつ、エンジン出力を
高めるとともにエミッション性能を高めることができ、
かつ低速領域ではポンピングロスの低減により燃費性能
を高めることができる。 【0039】 【発明の作用・効果】本発明によれば、中回転領域にお
ける最低回転数での過給圧が低回転領域における最高回
転数での過給圧より小さくなるように過給圧が制御さ
れ、低回転領域及び高回転領域における吸気弁閉弁タイ
ミングが中回転領域における吸気弁閉弁タイミングより
遅くなるように吸気弁閉弁タイミングが制御され、低回
転領域における開弁オーバーラップ量が中回転領域にお
ける開弁オーバーラップより小さくするように開弁オー
バーラップ量が制御される。これにより、低回転領域で
は吸気弁遅閉じ運転が行われ、燃焼室内の混合気の有効
圧縮比が小さくなる。このため、混合気の圧縮による温
度上昇が小さくなるので、点火時における混合気の温度
が比較的低くなり、耐ノッキング性が高められる。ノッ
キングが起こりにくい中回転領域では、吸気弁早閉じ運
転が行われ、吸気充填効率が高められ、エンジン出力が
高められる。再びノッキングが起こりやすくなる高回転
領域では、吸気弁遅閉じ運転が行われ、耐ノッキング性
が高められるとともに吸気充填効率が高められる。 【0040】 【0041】 【0042】 【0043】
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明にかかる吸気装置を備えた機械式過給
機付エンジンのエンジン本体まわりのシステム構成図で
ある。 【図2】 本発明にかかる吸気装置を備えた機械式過給
機付エンジンの吸気系統のシステム構成図である。 【図3】 図1に示すエンジンにおける、HC排出量、
過給圧及び吸気弁の要求閉弁時期の、エンジン回転数に
対する特性を示す図である。 【符号の説明】 VE…エンジン #1〜#6…第1〜第6気筒 1a,1b…第1,第2吸気弁 9…吸気弁開閉タイミング可変手段 10…コントロールユニット 16…機械式過給機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上杉 達也 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−31532(JP,A) 特開 平2−123244(JP,A) 特開 昭61−187528(JP,A) 特開 平5−86951(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 23/00 F02D 13/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 機械式過給機と、 吸気弁閉弁タイミングを変化させることにより吸気弁と
    排気弁との開弁オーバーラップ量を変化させることがで
    きる吸気弁閉弁タイミング可変手段と エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、 エンジン回転数に応じて上記機械式過給機の過給圧
    上記吸気弁閉弁タイミングひいては上記開弁オーバーラ
    ップ量を制御する制御手段とを備えていて、 上記制御手段が、エンジンの中回転領域における最低回
    転数での過給圧が、低回転領域における最高回転数での
    過給圧に比べて小さな値になるように該過給圧を制御す
    るとともに、 上記低回転領域及び高回転領域における吸気弁閉弁タイ
    ミングを、上記中回転領域における吸気弁閉弁タイミン
    グに比して遅くするよう該吸気弁閉弁タイミングを制御
    し、さらに、 上記低回転領域における開弁オーバーラップ量を、上記
    中回転領域における開弁オーバーラップに比して小さく
    するように該開弁オーバーラップ量を制御するよう構成
    されていることを特徴とする、機械式過給機付エンジン
    の吸気装置。
JP11694093A 1993-05-19 1993-05-19 機械式過給機付エンジンの吸気装置 Expired - Fee Related JP3377828B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11694093A JP3377828B2 (ja) 1993-05-19 1993-05-19 機械式過給機付エンジンの吸気装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11694093A JP3377828B2 (ja) 1993-05-19 1993-05-19 機械式過給機付エンジンの吸気装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06330776A JPH06330776A (ja) 1994-11-29
JP3377828B2 true JP3377828B2 (ja) 2003-02-17

Family

ID=14699484

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11694093A Expired - Fee Related JP3377828B2 (ja) 1993-05-19 1993-05-19 機械式過給機付エンジンの吸気装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3377828B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007023837A (ja) * 2005-07-13 2007-02-01 Toyota Motor Corp 電動機付き過給機を有する内燃機関の制御装置
JP4823948B2 (ja) 2007-03-23 2011-11-24 富士重工業株式会社 エンジンの制御装置
JP5384396B2 (ja) 2010-02-15 2014-01-08 株式会社デンソー エンジンの廃熱制御装置
EP2466098B1 (en) * 2010-12-17 2013-09-25 Perkins Engines Company Limited An Internal Combustion Engine and a Method of Operation of an Internal Combustion Engine

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06330776A (ja) 1994-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4032398B2 (ja) ターボ過給機付エンジン及びターボ過給機付エンジン搭載車のパワーユニット
JP3280758B2 (ja) 機械式過給機付エンジンの吸気装置
JP3153283B2 (ja) 機械式過給機付きエンジン
JP3377828B2 (ja) 機械式過給機付エンジンの吸気装置
JP3436313B2 (ja) 火花点火式エンジン
JP4797868B2 (ja) 過給機付きエンジン
EP1239130B1 (en) Dual-mode engine with controlled auto-ignition
JP3119925B2 (ja) エンジンの制御装置
JP3195380B2 (ja) 機械式過給機付エンジンの吸気装置
JP3486912B2 (ja) エンジンの掃気装置
JP3281068B2 (ja) 機械式過給機付エンジンのバルブタイミング可変装置
JP3384579B2 (ja) 過給機付エンジン
JP2566232B2 (ja) 過給機付エンジンのバルブタイミング制御装置
JP3325595B2 (ja) エンジンの燃焼制御装置
JP3280757B2 (ja) 機械式過給機付エンジンの吸気装置
JPH10274069A (ja) 機械式過給機付筒内噴射式エンジン
JP2568250B2 (ja) エンジンのバルブタイミング制御装置
JP3165242B2 (ja) 過給機付エンジンの吸気制御装置
JP2601655B2 (ja) 過給機付エンジンの吸気装置
JPH08291713A (ja) 機械式過給機付きエンジン
JPH10274072A (ja) 過給機付筒内噴射型エンジン
JPH0717787Y2 (ja) 過給機付エンジン
JPH0619807Y2 (ja) エンジンの掃気装置
JP2018178823A (ja) Egr装置
JPH04298658A (ja) エンジンの燃料制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees