JP3371564B2 - 被覆超硬合金部材 - Google Patents

被覆超硬合金部材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強靱且つ耐摩耗性に優れ
た皮膜を形成した被覆切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】切削工具の使用される環境がますます過
酷になるのに伴い、炭化タングステン基超硬合金やサー
メットといった硬質母材の表面に化学蒸着法(CVD
法)や物理蒸着法(PVD法)等の手法によって各種の
セラミックス皮膜を形成した、いわゆる被覆切削工具が
広く活用されるようになっている。このような皮膜の実
例としては、炭化チタン(TiC)、窒化チタン(Ti
N)及びアルミナ(Al2 3 )皮膜がある。これらの
単層または複層コーティングによって、切削工具の耐摩
耗性が向上するだけでなく、切削時に被削材と切削工具
とが反応することを防止でき、結果的に工具の寿命向上
が図れたことは、すでに公知の通りである。しかし、こ
れらの被覆切削工具を用いて加工を行った場合、特に高
速切削加工のように高温での被覆層の耐摩耗性が必要な
加工、あるいは小物部品加工のように加工数が多く被削
材への食いつき回数が多い加工などで被覆層の耐摩耗性
が不足したり、被覆層の損傷が発生することによる工具
寿命の低下が発生していた。また、熱CVD法による被
覆膜では、被膜を形成するセラミックスがPVD法によ
る被膜に比べて粗い結晶粒を持ち、被膜の摩耗形態が不
均一になり易いという傾向がある。この為に被覆層の脱
落が比較的大規模に発生し、寿命が不安定になる場合が
あった。この問題を解決するために、皮膜の微細構造に
ついての発明が多数出願されている。例えば特願昭60
−240136号の様に、被覆層を構成するTiCN膜
及び/又はTiN膜を構成する結晶粒の径が0.5μm
以下であれば最適であるとの提案はなされているが、結
晶粒の形状に関する記載と粒径の評価法に関する記載が
いずれもされておらず、現実的ではなかった。また特願
平4−191736、特願平4−282555、特願平
4−282556号では粒の構造を柱状構造の組み合わ
せあるいは柱状構造の単独構造が最適であるとの提案が
なされているが、粒の大きさに関する記述は見られなか
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑み、CVD法によるTiCN膜のメリットを最大
限発揮させることで、従来以上に信頼性の高い被覆切削
工具を発明することを目的としている。この為に、皮膜
を構成する結晶粒形状のみならず粒の大きさについても
最適な範囲を提供し、安定した耐摩耗性を発揮する被覆
切削工具を提供するものである。
【0004】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは、上記問
題点を解決するために種々検討を加えた結果、多層被膜
中に形成されるTiCN膜について、その構造が母材側
から上層側に向けてテーパー形状の柱状結晶粒から構成
され、その膜厚(tμm)と平均結晶粒径(dμm)と
の関係が、次の通りとなっていることが好ましいことを
見いだした。 ・膜厚が2.0μm以下のとき、d=c+ktであり、
0.01≦c≦0.1、0.02≦k≦0.2 ・膜厚が2.0μmを越え、10μm以下のとき、d=
c+k(t−2)であり、0.05≦c≦0.5、0≦
k≦0.1 即ち、本発明は、主たる成分として元素周期率表におけ
るIVa、Va、VIa族元素の炭化物、窒化物、炭窒
化物のうち少なくとも1種以上の硬質相を、周期率表の
VIII族の金属により焼結した硬質合金よりなる母材
の表面に化学蒸着法によってセラミックス被膜を形成し
た被覆切削工具において、内層が、母材と接する第1層
が窒化チタン、炭窒化チタン、炭化チタンのうちのいず
れか1種であり、その上の第2層が必ず炭窒化チタンを
含みチタンの炭化物、窒化物、ホウ窒化物、ホウ炭窒化
物から選ばれる一種以上を積層被覆した多重層で構成さ
れ、外層が、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸
化ハフニウム、炭化チタン、炭窒化チタン、窒化チタン
から選ばれる一種以上の単層または多重層で構成されて
おり、前記内層の第2層に含まれる炭窒化チタンが、母
材側から上層側に向けてテーパー形状の柱状結晶粒から
構成され、その膜厚(tμm)と平均結晶粒径(dμ
m)との関係が、上記の関係を満足するものである。こ
こで、母材となる硬質合金としては、通常用いられる炭
化タングステン基超硬合金又はサーメットを用いる。ま
た母材に接する第1層はTiNあることが好ましく、特
に厚み0.1μm以上、2.0μm以下のTiNとする
ことが好ましい。この場合、外層が酸化アルミニウム、
炭化チタン、単窒化チタン、窒化チタンから選ばれる一
種以上の単層または多重層で構成することが好ましい。
【0005】
【作用】本発明の重要な特徴は内層の第2層に含まれる
TiCN膜を特定の構造とする点にある。この理由を以
下に述べる。既に述べた様に、TiCN膜が母材側から
上層側に向けてテーパー形状の結晶粒から構成され、そ
の膜厚(tμm)と平均結晶粒径(dμm)との関係が ・膜厚が2.0μm以下のとき、d=c+ktであり、
0.01≦c≦0.1、0.02≦k≦0.2 ・膜厚が2.0μmを越え、10μm以下のとき、d=
c+k(t−2)であり、0.05≦c≦0.5、0≦
k≦0.1 の関係になっている皮膜が最適である。
【0006】具体的に言うと、TiCN膜の成長がテー
パー状であるが、成長に伴った柱状結晶の太さの増大が
わずかであることを意味する。TiCN膜をこの様な微
細な柱状結晶とすることで、被膜表面の凹凸が少なくな
り、被削材との摩擦において安定した摩耗が得られる。
また、柱状晶が太い場合に比べて損傷が小規模であり、
正常摩耗により寿命に達することがわかった。なお、こ
こで言う平均結晶粒径とは、テーパー形状の結晶の太さ
のことである。平均結晶粒径の評価は、例えば走査型電
子顕微鏡により撮影された破断面あるいは研磨後のエッ
チング面の写真において、決まった寸法の視野の中に見
える結晶粒の本数を数えることにより実施される。例え
ば10μm幅の視野の中に100本の結晶粒が見られた
時には、観察した幅である10μmを100で割ること
によって、0.1μmと評価される。このとき、視野か
らわずかでもはみ出した結晶粒については、0.5と数
えるものとする。ちろん薄片に加工した試料を透過型電
子顕微鏡で観察する方法などの方法を用いても構わな
い。いずれも適切な倍率で撮影した写真から、結晶粒径
を算出する。但し、X線回折法による結晶粒径の算出
は、計算値が皮膜の残留応力等に影響され易いため、好
ましくない。この様にして測定された結晶粒径とTiC
N被膜厚みから、皮膜厚みと結晶粒径との相関を調査す
ればよい。
【0007】またCVD法によるTiCN皮膜を母材表
面に直接被覆するのではなく、TiN皮膜を介して被覆
することで、TiCN被膜の密着強度が安定するため、
より好ましい。この時のTiN膜の厚みを0.1μm以
上、2.0μm以下とした時に、密着強度の向上と耐摩
耗性の向上が両立できる。TiN皮膜が0.1μmより
も薄いと、連続した膜とならず、密着度を安定化すると
いう機能を発揮しないため、TiN皮膜の膜厚は0.1
μm以上であることが好ましい。また第1層のTiN膜
の厚みが2.0μmを越えると、工具としての耐摩耗性
がかえって低下するため、2.0μm以下であることが
好ましい。しかしTiN膜を炭素含有母材表面に形成し
た場合、被膜形成中あるいは形成後に母材から供給され
る炭素を吸って、TiN膜中に若干の炭素が混じる場合
がある。この様なTiN膜は炭素含有量に応じてその色
調が金色から紫あるいは褐色に変化することが知られて
いる。本発明における第1層のTiN膜とは、その色調
が明らかに金色のものを指す。母材から炭素を吸って紫
色あるいは褐色に変色したTiN膜は、その特性を十分
発揮できない。
【0008】本発明に該当する工具を試作し、切削試験
における逃げ面摩耗性を評価した結果は、実施例におい
て詳しく説明されるが、被膜構造と切削時の損傷状態に
ついては、概ね以下の傾向がある。 (本発明品)皮膜は正常摩耗を示し、皮膜の耐摩耗性、
耐剥離性共に高いために、非常に長い工具寿命を示す。 (従来品1)TiCN膜の断面が明瞭な柱状構造を持た
ないか、あるいは本発明品よりも細い柱状構造を持った
場合、皮膜の摩耗性が低く、皮膜の正常摩耗から母材の
露出、溶着、異常摩耗と急速に進展する。 (従来品2)TiCN膜の断面が、本発明品よりも太い
テーパー状あるいは粒状である場合、本発明品と同様に
皮膜の耐摩耗性が高く、工具寿命は概ね長いが、しばし
ば皮膜が局部的に欠け等の異常摩耗を生じ、母材の異常
損傷を引き起こす。 本発明品の皮膜は、耐摩耗性に優れると共に、安定して
正常摩耗を示すために、工具の異常摩耗を生じることが
ない。比較例1の皮膜は、TiCN皮膜の結晶性が低
く、皮膜を構成する粒子同志の結合が弱いために、皮膜
が崩れながら摩耗しているものと推定される。一方比較
例2の皮膜は耐摩耗性に優れるものの、結晶粒径が大き
いために皮膜が大規模に破壊する傾向があり、工具切れ
刃のチッピング等の異常摩耗につながっているものと推
定される。
【0009】これらの各皮膜の特性の具体的な内容は実
施例において詳しく説明するが、いずれにしても、特許
請求の範囲に記載した特性を有するTiCN膜は、安定
して優れた切削性能を示す工具を得るために必要なもの
である。また、本明細書においては、母材を炭化タング
ステン基超硬合金についてのみ記したが、炭窒化チタン
基の硬質相を金属結合相で焼結したサーメットにおいて
も、全く同じ効果が得られる。したがって、本発明の工
具における皮膜構造は、超硬合金以外にも炭窒化チタン
基サーメットにも適用可能である。
【0010】
【実施例】
(実施例1)CNMG120408の形状の超硬合金
(ISO P10)の表面に、公知の熱CVD法により
厚み0.5μmのTiN膜を形成した後に、公知のCV
D法によりTiCN皮膜を4μm形成した。TiN膜の
形成条件は、TiCl4 :1.5%、N2 :60%、H
2 :残、(いずれも流量モル比)、総流量20リットル
/分、基板温度900℃、反応槽圧力500Torrと
し、窒素の分圧を高めにすることでTiN膜が母材から
炭素を吸う現象を抑えた。一方TiCN膜の形成状件
は、TiCl4 :1.5%、CH4 :3%、N2 :2
%、H2 :残、(いずれも流量モル比)、総流量20リ
ットル/分、基板温度980℃、反応槽圧力50Tor
rとし、公知条件に対してより低圧力で被膜形成を行な
うことで、結晶成長時に柱状結晶が太く成長しない様に
配慮した。この上にTiC(3μm)、TiBN(0.
5μm)、Al2 3 (1.5μm)、TiN(0.5
μm)の順に被膜を形成し、本発明の膜構造を持った工
具(本発明品1)を試作した。また第1層TiN膜を入
れずに母材表面に直接TiCNを0.5μm厚みで形成
し、引き続き上記条件でTiCNを積層被覆したもの
(本発明品2)も試作した。平均結晶粒系の評価は、皮
膜の断面を研磨して平滑にし、弗酸と硝酸の混合液を用
いてエッチングして結晶粒界を出し、これを走査型電子
顕微鏡を用いて観察し、評価した。この結果本発明品1
及び2におけるTiCN被膜は、いずれも本発明の範囲
の結晶粒の大きさを有していた。また本発明品2におい
ては、第1層TiN膜が明らかに金色の色調を持ってお
り、母材からの炭素拡散による変色は全く認められなか
った。
【0011】本発明品に対して、トータル膜厚を10μ
mに揃えた3種類の比較用工具を作製した。 比較例1:下地TiNを3μm形成したもの(TiCN
厚みを1.5μmとした) 比較例2:TiCN膜が本発明品よりも細いテーパー状
結晶から構成されているもの 比較例3:TiCN膜が本発明品よりも太いテーパー状
結晶から構成されているもの 2つの本発明品及び3つの比較例について、表1に示す
条件で切削試験を実施した。結果を表2に示す。この試
験では、母材との密着性、皮膜の耐欠損性について評価
した。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】表2からもわかる様に、本発明品は、耐摩
耗性に優れると同時に耐剥離性、耐欠損性にもすぐれる
ことがわかる。一方、第1層TiNが厚い場合(比較例
1)は、耐剥離性は優れるものの、耐摩耗性にやや劣
る。次にTiCN膜が本発明品よりも細いテーパー状結
晶から構成されている場合(比較例2)は、耐摩耗性に
劣り、寿命が短かった。最後にTiCN膜が本発明品よ
りも太いテーパー状結晶から構成されている場合(比較
例3)は、概ね良好な耐摩耗性と耐剥離性を示したが、
刃先部に欠けが見られ、摩耗が乱れ易く、寿命がばらつ
くことがわかった。
【0015】(実施例2)ISO P30のCNMG1
20408(チップブレーカー付き)の形状の超硬合金
を母材として用い、この表面に表3に示す構造の被覆層
を形成した。ここで、本発明品における第1層TiN膜
は実施例1に記載した条件と同じとし、第2層TiCN
膜の形成は、アセトニトリル(CH3 CN)を用いたM
T−CVD法により行った。MT−CVD時のコーティ
ング条件としては、アセトニトリルに対するTiCl4
のモル比率を約2.5と低く設定し、TiCN膜成長時
に柱状結晶が太く成長しない様に配慮した。この結果T
iCN膜は実施例1の本発明品とほぼ同じ被覆構造を持
っていた。また本発明品である工具においては、第1層
TiN膜が明らかに金色の色調を持っており、母材から
の炭素拡散による変色は認められなかった。他方、比較
例2及び3では、TiCN被膜形成時のガス比率をそれ
ぞれ変えたことで、比較例2はTiCN膜が本発明品よ
りも細いテーパー状結晶から構成されており、比較例3
ではTiCN膜が本発明品よりも太いテーパー状結晶か
ら構成されていた。なお本発明品と同様に、全ての比較
例におけるTiCN膜の形成はMT−CVD法により行
った。その他の膜については、公知の熱CVD法により
皮膜形成を行った。
【0016】
【表3】
【0017】表3に示した試料について、表4に示す切
削条件にて切削試験を実施した。
【表4】
【0018】切削試験の結果を表5に示す。
【表5】
【0019】表5より、本発明品1〜3は、耐摩耗性、
耐剥離性共に優れており、安定した寿命が得られること
がわかる。これに対して、下地TiN膜の厚みが厚い場
合(比較例1)は、実施例1においても確認した様に、
耐摩耗性に劣るという結果が得られた。次にTiCN膜
を構成する柱状結晶の平均粒径及び皮膜の硬度が本発明
品に該当しない場合(比較例2及び3)は、切削中に皮
膜が大規模に破壊し易く、欠けを生じた。これらの比較
例は全て耐摩耗性と耐剥離性を両方満足させておらず、
切削工具としては性能的に劣ることがわかる。
【0020】(実施例3)ISO P01のCNMG1
20408の形状の炭窒化チタン基サーメットを母材と
して用い、この表面に表6に示す構造の被覆層を形成し
た。ここで、本発明品における第1層TiN膜及び第2
層TiCN膜の形成は、実施例1に記載の本発明品の被
膜形成条件にて実施した。比較例では、実施例1の比較
例1と同様に、第1層TiN厚みを厚くし、その上にT
iCN膜の形成を行った。また比較例2及び3における
TiCN膜の形成は、実施例1の比較例2と同様に、T
iCN膜の結晶粒の太さを本発明の範囲よりも細いもの
と太いものとなる様に被膜の形成を行った。その他の膜
については、従来の熱CVD法により被膜形成を行っ
た。
【0021】
【表6】
【0022】表6に示した試料について、表7に示す切
削条件にて切削試験を実施した結果を表8に示す。
【表7】
【0023】
【表8】
【0024】表8より、本発明品は体摩耗性、耐剥離性
共に優れており、安定した寿命が得られていることがわ
かる。これに対して、下地TiN膜が厚い場合は、実施
例1においても確認したように、耐摩耗性に劣るという
結果が得られた。次にTiCN膜を構成する柱状結晶の
平均粒径が本発明品に該当しない場合は、切削中に異常
摩耗を生じやすく、欠けを生じた。これらの比較例はい
ずれも耐摩耗性と耐剥離性を両方満足させておらず、切
削工具としては性能的に劣ることがわかる。
【0025】
【発明の効果】以上記した様に、本発明の被覆切削工具
は、従来の被覆切削工具に比較し、被覆層全体の耐摩耗
性が高いだけでなく、被覆膜表面が平滑であり、切削時
の耐剥離性にも優れている。つまり、従来提案されてい
た膜構造ではCVD法によるTiCN膜の持つ特徴を引
き出すことが困難であったのに対して、下地中間層Ti
Nを特定の厚みで挿入すること、及び特定の構造を持っ
たTiCN皮膜を形成することで、被覆切削工具の性能
を安定させることが可能となった。以上の点を加味した
積層皮膜を超硬合金あるいはサーメット基材上に形成す
ることで、前記の様な優れた性能を持った切削工具を容
易に製造することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−99467(JP,A) 特開 平6−8010(JP,A) 特開 平6−106402(JP,A) 特開 平6−108254(JP,A) 特開 昭64−83662(JP,A) 特開 平4−236779(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23B 27/14 C23C 16/34 C23C 16/36 C23C 16/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる成分として元素周期率表における
    IVa、Va、VIa族元素の炭化物、窒化物、炭窒化
    物のうち少なくとも1種以上の硬質相を、周期率表のV
    III族の金属により焼結した硬質合金よりなる母材の
    表面に化学蒸着法によってセラミックス被膜を形成した
    被覆切削工具において、 内層が、母材と接する第1層が窒化チタン、炭窒化チタ
    ン、炭化チタンのうちのいずれか1種であり、その上の
    第2層が必ず炭窒化チタンを含みチタンの炭化物、窒化
    物、ホウ窒化物、ホウ炭窒化物から選ばれる一種以上を
    積層被覆した多重層で構成され、外層が、酸化アルミニ
    ウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、炭化チタ
    ン、炭窒化チタン、窒化チタンから選ばれる一種以上の
    単層または多重層で構成されており、前記内層の第2層
    に含まれる炭窒化チタンが、母材側から上層側に向けて
    テーパー形状の柱状結晶粒から構成され、その膜厚(t
    μm)と平均結晶粒径(dμm)との関係が、 ・膜厚が2.0μm以下のとき、d=c+ktであり、
    0.01≦c≦0.1、0.02≦k≦0.2 ・膜厚が2.0μmを越え、10μm以下のとき、d=
    c+k(t−2)であり、0.05≦c≦0.5、0≦
    k≦0.1 の関係になっていることを特徴とする被覆切削工具。
  2. 【請求項2】 母材と接する内層の第1層が窒化チタン
    であることを特徴とする請求項1記載の被覆切削工具。
  3. 【請求項3】 母材と接する内層の第1層が、厚み0.
    1μm以上、2.0μm以下の窒化チタンであり、外層
    が酸化アルミニウム、炭化チタン、炭窒化チタン、窒化
    チタンから選ばれる一種以上の単層また多重層で構成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の被覆切削工
    具。
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