JP3370750B2 - マルチフィラメントの製造方法 - Google Patents

マルチフィラメントの製造方法

Info

Publication number
JP3370750B2
JP3370750B2 JP26256593A JP26256593A JP3370750B2 JP 3370750 B2 JP3370750 B2 JP 3370750B2 JP 26256593 A JP26256593 A JP 26256593A JP 26256593 A JP26256593 A JP 26256593A JP 3370750 B2 JP3370750 B2 JP 3370750B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling
roll
multifilament
surface temperature
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26256593A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07118915A (ja
Inventor
仁 宇田
哲也 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP26256593A priority Critical patent/JP3370750B2/ja
Publication of JPH07118915A publication Critical patent/JPH07118915A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3370750B2 publication Critical patent/JP3370750B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】ポリプロピレンやポリエチレン等
のポリオレフィンからなるマルチフィラメントはロー
プ、ネット、カーペットのパイルヤーン、不織布等の原
糸等に用いられている。
【0002】
【従来の技術】通常、熱可塑性樹脂のマルチフィラメン
トは口金から吐出された多数の溶融フィラメントを数m
以下の冷却ダクトを用いて雰囲気流中で冷却しながら3
00m/min程度の比較的高速でドラフトをかけて引
取り、延伸、捲縮加工等を行い製造されている。しか
し、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン
の場合、かかる通常の成形方法では、高破断強度、高弾
性率を有するマルチフィラメントは得られなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は高破断強度、
高弾性率を有するポリオレフィンマルチフィラメントを
製造する方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高破断強
度、高弾性率のポリオレフィンマルチフィラメントの製
造方法を開発すべく、種々検討を重ねた結果、ポリオレ
フィンを溶融紡出し、冷却ダクトを用いて空冷後、表面
温度5〜30℃の冷却ロールにより冷却し、しかる後、
表面温度70〜110℃の加熱ロールにより加熱後、冷
却ロールにより冷却することにより得られる未延伸糸を
延伸することにより、優れた物性を有するマルチフィラ
メントを得ることができた。延伸は、アウトライン、す
なわち別工程で表面温度80〜150℃の加熱ロールに
より行ってもよいし、インライン、すなわち工程を分け
ることなく表面温度80〜150℃の加熱ロールにより
行ってもよい。
【0005】本発明で使用されるポリオレフィンは、ポ
リプロピレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン等を例示できる。ポリプロピレ
ンの場合、MFR(JIS K6758)は1〜50g
/10分が好ましく、特に5〜30g/10分が好ましい。
ポリエチレンの場合、MFR(JIS K6760)は
1〜50g/10分が好ましく、特に5〜30g/10分が
好ましい。密度は0.91g/cm3 以上が好ましく、
特に0.94〜0.97g/cm3 が好ましい。
【0006】次に本発明の成形方法について説明する。
図1は本発明に係る装置の一例を示す。ポリオレフィン
は、押出機によりマルチフィラメント紡糸用ノズル1か
ら吐出されて、未延伸マルチフィラメント3が形成され
る。成形温度はポリオレフィンが劣化せず未延伸マルチ
フィラメントの集合体が成形加工できる範囲でできるだ
け高い方が望ましい。また、ノズルは各吐出された未延
伸マルチフィラメントが均一に冷却されるものが好まし
い。
【0007】紡糸された未延伸マルチフィラメントは冷
却ダクト2で冷却固化される。ここでの冷却は単糸フィ
ラメントが互いに融着しない程度でよく、冷却ダクトの
温度は5〜50℃、風速は0.1〜0.5m/secの
範囲が望ましい。冷却後、オイリングローラー4により
油剤が付与される。
【0008】油剤が付与されたマルチフィラメントは冷
却ロール5により冷却される。冷却ロールとしてはゴデ
ットロールの他にニップロール等も使用される。冷却ロ
ールの表面温度は5〜30℃が必要であり、5〜20℃
が好ましい。5℃未満では冷却ロール表面に結露し、ロ
ール表面での糸揺れが激しくなり、安定した紡糸が出来
なくなる。30℃を超えると延伸性が著しく低下し、得
られるマルチフィラメントの破断強度、弾性率が小さく
なる。
【0009】冷却ロールで冷却されたマルチフィラメン
トは加熱ロール6により加熱される。加熱ロールとして
はゴデットロールの他にニップロール等も使用される。
加熱ロールの表面温度は70〜120℃であり、90〜
110℃が好ましい。加熱ロール6の速度は冷却ロール
5と同速度であるが、マルチフィラメントが弛む場合は
1〜2%程度速めることが望ましい。加熱ロール6の表
面温度はマルチフィラメントの破断強度、弾性率に大き
な影響を与える。70℃未満では、延伸後得られるマル
チフィラメントの弾性率が小さくなり、120℃を超え
ると単繊維間で溶着し得られるマルチフィラメントの風
合いが著しく劣る。
【0010】加熱ロールにより加熱されたマルチフィラ
メントは冷却ロール7により冷却される。冷却ロールと
してはゴデットロールの他にニップロール等も使用され
る。冷却ロール7の表面温度は5〜30℃が好ましい。
5℃未満では冷却ロール表面に結露し、ロール表面での
糸揺れが激しくなり、安定した紡糸が出来なくなる。ま
た、30℃を超えると、特にインライン延伸の場合に延
伸性が著しく低下し、得られるマルチフィラメントの破
断強度、弾性率が小さくなる。冷却ロール7の速度は加
熱ロール6と同程度の速度であるが、フィラメントが弛
む場合は1〜2%程度速めることが望ましい。
【0011】延伸工程がアウトラインの場合、冷却ロー
ル7により冷却された未延伸マルチフィラメントは巻取
り機により巻き取られる。巻き取られた未延伸マルチフ
ィラメントは延伸工程により延伸される。
【0012】延伸工程がインラインの場合、冷却ロール
7により冷却された未延伸マルチフィラメントは直ちに
加熱ロール対等により延伸される。
【0013】アウトライン、インラインとも延伸はゴデ
ットロール、ニップロール等の加熱ロール対、熱板、湿
式延伸槽等が使用され、多段で延伸してもよい。延伸温
度は通常80〜150℃であり、特に100〜120℃
が好ましい。延伸温度が80℃未満の場合、延伸性が低
下し、得られるマルチフィラメントの破断強度、弾性率
が低下する。また、150℃を超えると、フィラメント
が溶断し十分な延伸性が得られない。
【0014】従来は、溶融紡糸後冷却され、直ちに引き
取られていた。しかし、本発明は冷却後、積極的に再度
加熱し、冷却する工程を加えたところ、驚くべきことに
マルチフィラメントの物性が大幅に改良されることが見
出されたのである。
【0015】溶融紡糸後、冷却された後、積極的に再度
加熱し、冷却すると、未延伸糸の構造を結晶性でかつ、
未配向状態にすることが可能となり、延伸糸の破断強度
及び弾性率を大きく向上させることができたものと考え
られる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により説明す
る。 (実施例1)MFR(JIS K6758)が8.4g
/10分のポリプロピレン(ショウアロマ−:TA553
昭和電工(株)製)を用い、40mmφ押出機を用い
て押出温度280℃にて、0.6mmφ、68孔からな
るマルチフィラメント用紡糸ノズルより30g/min
の吐出量で押し出す。押し出されたマルチフィラメント
を冷却温度18℃、冷却風速0.5m/min、長さ9
00mmからなる冷却ダクトで冷却後、オイリングロー
ラーで油剤を付与したのち、表面温度15℃に保持され
た周速度100m/minの冷却ゴデットロールで冷却
後、表面温度90℃に保持された周速度101m/mi
nの加熱ゴデットロールで加熱後、周速度102m/m
inの空冷ゴデットロールにより冷却後、巻取り機で未
延伸マルチフィラメントを巻きとった。得られた未延伸
マルチフィラメントを表面温度115℃に保持された加
熱ゴデットロール対により、引き出し速度35m/mi
nで延伸を行った。得られた延伸マルチフィラメントの
物性と延伸倍率との関係を表1に示した。
【0017】
【表1】
【0018】(比較例1)実施例1と同じ樹脂を用い、
油剤付着後、表面温度15℃に保持された周速度100
m/minの冷却ロールで冷却後、加熱ロールを通さず
巻取り機で未延伸マルチフィラメントを巻き取った。得
られた未延伸マルチフィラメントを表面温度115℃に
保持された加熱ゴデットロール対により、引き出し速度
35m/minで延伸を行った。得られた延伸マルチフ
ィラメントの物性と延伸倍率との関係を表2に示した。
同一延伸倍率で比較すると破断強度、弾性率とも実施例
1より大きく劣ることがわかる。
【0019】
【表2】
【0020】(実施例2)MFR(JIS K675
8)が8.4g/10分のポリプロピレン(ショウアロマ
−:TA553 昭和電工(株)製)を用い、40mm
φ押出機を用いて押出温度280℃にて、0.6mm
φ、68孔からなるマルチフィラメント用紡糸ノズルよ
り30g/minの吐出量で押し出す。押し出されたマ
ルチフィラメントを冷却温度18℃、冷却風速0.5m
/min、長さ900mmからなる冷却ダクトで冷却
後、オイリングローラーで油剤を付与したのち、表面温
度15℃に保持された周速度100m/minの冷却ゴ
デットロールで冷却後、表面温度90℃に保持された周
速度101m/minの加熱ゴデットロールで加熱後、
周速度102m/minの空冷ゴデットロールにより冷
却した。さらにインラインで表面温度110℃に保持さ
れた加熱ゴデットロール対により延伸を行った。得られ
た延伸マルチフィラメントの物性と延伸倍率との関係を
表3に示した。
【0021】
【表3】
【0022】(比較例2)実施例2と同じ樹脂を用い、
油剤付着後、表面温度15℃に保持された周速度100
m/minの冷却ロールで冷却後、加熱ロールを通さ
ず、さらにインラインで110℃に保持された加熱ゴデ
ットロール対により延伸を行った。得られた延伸マルチ
フィラメントの物性と延伸倍率との関係を表4に示し
た。同一延伸倍率で比較すると破断強度、弾性率とも実
施例2より大きく劣ることがわかる。
【0023】
【表4】
【0024】(実施例3)MFR(JIS K675
8)が13.3g/10分のポリプロピレン(ショウアロ
マ−:TA553 昭和電工(株)製)を用い、40m
mφ押出機を用いて押出温度280℃にて、0.86m
mφ、68孔からなるマルチフィラメント用紡糸ノズル
より30g/minの吐出量で押し出す。押し出された
マルチフィラメントを冷却温度18℃、冷却風速0.5
m/min、長さ900mmからなる冷却ダクトで冷却
後、オイリングローラーで油剤を付与したのち、表面温
度15℃に保持された周速度100m/minの冷却ゴ
デットロールで冷却後、表面温度90℃に保持された周
速度101m/minの加熱ゴデットロールで加熱後、
周速度102m/minの空冷ゴデットロールにより冷
却後、巻取り機で未延伸マルチフィラメントを巻きとっ
た。得られた未延伸マルチフィラメントを表面温度11
7℃に保持された加熱ゴデットロール対により、引き出
し速度35m/minで延伸を行った。得られた延伸マ
ルチフィラメントの物性と延伸倍率との関係を表5に示
した。
【0025】
【表5】
【0026】(比較例3)実施例3と同じ樹脂を用い、
油剤付着後、表面温度15℃に保持された周速度100
m/minの冷却ロールで冷却後、加熱ロールを通さず
巻取り機で未延伸マルチフィラメントを巻き取った。得
られた未延伸マルチフィラメントを表面温度117℃に
保持された加熱ゴデットロール対により、引き出し速度
35m/minで延伸を行った。得られた延伸マルチフ
ィラメントの物性と延伸倍率との関係を表6に示した。
同一延伸倍率で比較すると破断強度、弾性率とも実施例
3より大きく劣ることがわかる。
【0027】
【表6】
【0028】
【発明の効果】本発明の方法によれば、高破断強度、高
弾性率のマルチフィラメントが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装置の一例。
【符号の説明】
1 ノズル 2 冷却ダクト 3 未延伸マルチフィラメント 4 オイリングローラー 5 冷却ゴデットロール−1 6 加熱ゴデットロール 7 冷却ゴデットロール−2 8 巻き取り機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D01D 5/088 D01D 5/088 (56)参考文献 特開 平5−214609(JP,A) 特開 平5−186908(JP,A) 特開 平6−200442(JP,A) 特開 昭64−14312(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 6/04 - 6/06 D02J 1/00 - 13/00 D01D 1/00 - 13/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンを溶融紡出し、冷却ダク
    トを用いて空冷後、表面温度5〜30℃の冷却ロールに
    より冷却し、しかる後、表面温度70〜110℃の加熱
    ロールにより加熱後、冷却ロ−ルにより冷却することに
    より得られる未延伸糸を延伸するマルチフィラメントの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 未延伸糸の延伸をアウトラインで行うこ
    とを特徴とする請求項1記載のマルチフィラメントの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 未延伸糸の延伸をインラインで行うこと
    を特徴とする請求項1記載のマルチフィラメントの製造
    方法。
JP26256593A 1993-10-20 1993-10-20 マルチフィラメントの製造方法 Expired - Fee Related JP3370750B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26256593A JP3370750B2 (ja) 1993-10-20 1993-10-20 マルチフィラメントの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26256593A JP3370750B2 (ja) 1993-10-20 1993-10-20 マルチフィラメントの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07118915A JPH07118915A (ja) 1995-05-09
JP3370750B2 true JP3370750B2 (ja) 2003-01-27

Family

ID=17377575

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26256593A Expired - Fee Related JP3370750B2 (ja) 1993-10-20 1993-10-20 マルチフィラメントの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3370750B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE59705511D1 (de) * 1996-08-28 2002-01-10 Barmag Barmer Maschf Verfahren und Vorrichtung zum Spinnen eines multifilen Fadens
JP5758847B2 (ja) * 2012-05-31 2015-08-05 トヨタ自動車株式会社 高強度・高弾性率ポリプロピレン繊維及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07118915A (ja) 1995-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4469540A (en) Process for producing a highly bulky nonwoven fabric
KR102137243B1 (ko) 폴리에틸렌 원사, 그 제조방법, 및 이를 포함하는 냉감성 원단
JPH04308219A (ja) セルロース物品の製造方法
US6036895A (en) Process and device for the formation of monofilaments produced by melt-spinning
JP3370750B2 (ja) マルチフィラメントの製造方法
US5609888A (en) Apparatus for producing multifilaments
JP3036941B2 (ja) マルチフィラメントの製造方法
JP4009370B2 (ja) ポリエステル繊維の製造法
JPS61108711A (ja) 高強度、高弾性率ポリビニルアルコ−ル系繊維の製造法
JPH08302549A (ja) ポリフェニレンサルファイド不織布、その製造方法及びそれを用いたフィルター
JPS6147807A (ja) 捲縮多孔中空繊維及びその製造方法
JP3347377B2 (ja) マルチフィラメントの製造方法
JPS61119704A (ja) フイラメント集合体の冷却方法
JP3036947B2 (ja) マルチフィラメントの製造方法
JPH0892813A (ja) マルチフィラメントの製造方法
KR20010032265A (ko) 연속 송풍 방사섬유 수집방법 및 장치
JP3333750B2 (ja) ポリエステル繊維の製造方法
JPH0418107A (ja) 極細繊維の製造方法
JPH09275881A (ja) 防虫網およびその製造方法
JPH01246412A (ja) 結晶性ポリプロピレン微細繊維糸及び結晶性ポリオレフイン微細繊維糸の製法
JP2000345428A (ja) ポリオレフィン系繊維の製造方法
JP3271401B2 (ja) ポリエステル繊維の製造方法
JPS6141318A (ja) マルチフイラメントの製造方法
JP2001279522A (ja) 高融点モノフィラメントおよびその製造方法
JP2002088568A (ja) ポリオレフィンモノフィラメントおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20021029

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees