JP3360199B2 - 薄膜トランジスタ・マトリクス基板及びその製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ・マトリクス基板及びその製造方法

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JP3360199B2
JP3360199B2 JP24280794A JP24280794A JP3360199B2 JP 3360199 B2 JP3360199 B2 JP 3360199B2 JP 24280794 A JP24280794 A JP 24280794A JP 24280794 A JP24280794 A JP 24280794A JP 3360199 B2 JP3360199 B2 JP 3360199B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置を駆動す
る為の薄膜トランジスタ(thin film tra
nsistor)マトリクス基板の構造及びそれを製造
する方法の改良に関する。
【0002】現在、TFTマトリクス基板を用いて駆動
する液晶表示装置は、陰極線管に劣らない鮮明なカラー
画像が得られるようになり、また、液晶表示装置本来の
特徴である薄型であることなどから、より大型のものが
要求されている。
【0003】それには、TFTマトリクス基板を製造す
る工程の簡略化、従って、マスク数の低減を図り、且
つ、TFTのオフ時に於けるリーク電流を低減させ、動
作を安定化して表示品質及び信頼性を向上させることが
必要であり、本発明では、これを達成する。
【0004】
【従来の技術】図7は従来の技術を説明する為のスタガ
型TFTマトリクス基板を表す要部切断平面図であり、
図8は同じく要部切断側面図である。
【0005】図に於いて、(A)は図7に見られる線X
−Xに沿う要部切断側面、(B)は図7に見られる線Y
−Yに沿う要部切断側面、1はガラスなどの絶縁性基
板、2は遮光膜、3は絶縁膜、4DはITO(indi
um tin oxide)からなるドレイン電極、4
LはITOからなるデータ・バス・ライン(ドレイン・
バス・ライン)、5はITOからなるソース電極、6は
アモルファス・シリコンからなる動作半導体層、6Aは
動作半導体層に於けるゲート電極からのはみ出し部分、
7はSiO2 或いはSiNからなるゲート絶縁膜、8G
はAlなどの低抵抗金属からなるゲート電極、8LはA
lなどの低抵抗金属からなるゲート・バス・ライン、9
はITOからなる画素電極、10はCrなどの低抵抗金
属からなるデータ・バス・ラインをそれぞれ示してい
る。
【0006】前記従来例に於いて、遮光膜2は、スタガ
型TFTの場合、裏側からバック・ライトの光が入射
し、光リーク電流が流れて画質が劣化するのを防止する
作用をする。また、ソース電極5は画素電極9と別個に
作製して接続するか、或いは、一体的なパターンとして
作製される。
【0007】前記従来例を作製するには、 遮光膜2のパターニングに用いるマスク ドレイン電極4D及びデータ・バス・ライン4L及
びソース電極5及び画素電極9のパターニングに用いる
マスク データ・バス・ライン10のパターニングに用いる
マスク 素子分離に用いるマスク ゲート電極8G及びゲート・バス・ライン8Lのパ
ターニングに用いるマスク の計5枚のマスクが必要である。
【0008】前記5枚のマスクのうち、及び、及
びについては、それぞれ同一化が進められているとこ
ろであり、及びの同一化を実現するには、ゲート電
極8G及びゲート・バス・ライン8Lのパターンで素子
分離も行うことになるが、ゲート電極8Gと動作半導体
層6或いはソース電極5やドレイン電極4Dとの絶縁を
維持する為、ゲート電極8Gをオーバ・エッチングする
などしてゲート絶縁膜7のパターンよりも内側に後退さ
せるようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術の項で説明
したように、スタガ型TFTに於いては、動作半導体層
6のパターンでゲート電極8Gのパターンからのはみ出
し部分6Aを生ずる。
【0010】このはみ出し部分6Aでは、ゲート電極8
GにTFTをオフにする為の電圧を印加しても、電界が
充分に加わらず、ソース・ドレイン間のリーク電流が発
生する旨の問題があった。
【0011】また、動作半導体層6の一部、即ち、側面
が露出された状態にあることから、外界の影響を受けや
すく、水分や不純物などが付着してオフ電流を増加させ
る原因となり、信頼性が低下する旨の問題もある。
【0012】前記外界の影響を排除するには、SiNな
どからなる最終保護膜を形成する手段もあるが、その場
合、端子部分及び画素部分を表出させる為のリソグラフ
ィ工程が必要になるため、製造歩留りが低下するなどの
問題が発生する。
【0013】本発明は、ソース・ドレイン間のリーク電
流が増加する旨の問題を発生させることなく製造時のマ
スク数を減らすことを可能にし、製造工程の簡単化及び
TFTの特性安定化を実現しようとする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明では、ゲート電極
に依って制御することが困難で、しかも、外界の影響を
受け易い動作半導体層のはみ出し部分を電気的に不活性
な構造にすることが基本になっている。
【0015】図1は本発明の原理を説明する為のTFT
マトリクス基板を表す要部切断側面図であり、図7及び
図8に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或い
は同じ意味を持つものとする。
【0016】図に於いて、20は動作半導体層6に於け
るはみ出し部分を電気的に不活性化した部分を示してい
る。
【0017】どのようにして不活性化部分20を形成す
るかは、良く知られている種々な手段が存在するので、
それ等は実施例に依って明らかにする。
【0018】前記したところから、本発明に依るTFT
マトリクス基板及びその製造方法に於いては、
【0019】(1) 絶縁性基板(例えば絶縁性基板1)上に積層形成され
ース電極(例えばソース電極5)及びドレイン電極(例
えばドレイン電極4D)上に在る動作半導体層(例えば
動作半導体層6)及びゲート絶縁膜(例えばゲート絶縁
膜7)及び平面のパターンが前記動作半導体層の平面の
パターンに比較して内側に在るゲート電極(例えばゲー
ト電極8G)をそれぞれ備え且つ前記動作半導体層の前
記ゲート電極からはみ出した部(例えばはみ出し部分
6A)前記動作半導体層の材料組成と異なる材料組成
(例えばSiO、SiN、SiCなど)としてなる薄膜
トランジスタで構成されたことを特徴とするか、或い
は、
【0020】(2) 前記(1)に於いて、動作半導体層のゲート電極からは
み出した部分のエネルギ・バンド・ギャップが前記動作
半導体層のエネルギ・バンド・ギャップに比較して大き
くされ(酸化膜又は窒化膜など)てなることを特徴とす
るか、或いは、
【0021】(3) 絶縁性基板上に積層形成されソース電極及びドレイン電
極上に在る動作半導体層及びゲート絶縁膜及び平面のパ
ターンが前記動作半導体層の平面のパターンに比較して
内側に在るゲート電極をそれぞれ備え且つ前記動作半導
体層の前記ゲート電極からはみ出した部分に含まれる不
純物(例えばp型不純物)が前記動作半導体層に含まれ
る不純物と異なる薄膜トランジスタで構成されたことを
特徴とするか、或いは、
【0022】(4) 絶縁性基板上積層形成されソース電極及びドレイン電
極上に在る動作半導体層及びゲート絶縁膜及び平面のパ
ターンが前記動作半導体層の平面のパターンに比較して
内側に在るゲート電極をそれぞれ備え且つ前記動作半導
体層の前記ゲート電極からはみ出した部分に於ける欠陥
密度が前記動作半導体層に於ける欠陥密度に比較して大
きくされてなる薄膜トランジスタで構成されたことを特
徴とするか、或いは、
【0023】(5) 絶縁性基板上のソース電極及びドレイン電極の上に動作
半導体層及びゲート絶縁膜及びゲート電極を積層形成す
る工程と、次いで、平面のパターンが前記動作半導体層
の平面のパターンに比較して内側に在るよう前記ゲート
電極をパターニングする工程と、次いで、前記動作半導
体層の前記ゲート電極からはみ出した部分を前記動作半
導体層の材料組成と異なる材料組成に変える工程とが含
まれることを特徴とするか、或いは、
【0024】(6) 絶縁性基板上のソース電極及びドレイン電極の上に主成
分がシリコンである動作半導体層及びゲート絶縁膜及び
ゲート電極を積層形成する工程と、次いで、平面のパタ
ーンが前記動作半導体層の平面のパターンに比較して内
側に在るよう前記ゲート電極をパターニングする工程
と、次いで、前記動作半導体層に於ける前記ゲート電極
からはみ出した部分に周期律表の三族或いは五族のうち
の一つの元素を含むイオンを前記ゲート電極をマスクと
して打ち込んで選択的に導電型を変化させる工程が含
まれることを特徴とするか、或いは、
【0025】(7) 前記(5)に於いて、動作半導体層に於けるゲート電極
からはみ出した部分を酸化或いは窒化する工程が含まれ
ることを特徴とするか、或いは、
【0026】(8) 前記(5)或いは(7)に於いて、動作半導体層に於け
るゲート電極からはみ出した部分をO或いはNの何れか
の元素を含むプラズマに曝して酸化或いは窒化する工程
が含まれることを特徴とするか、或いは、
【0027】(9) 前記(5)に於いて、酸化性の水溶液中に浸漬して動作
半導体層に於けるゲート電極からはみ出した部分を酸化
する工程が含まれてなることを特徴とするか、或いは、
【0028】(10) 前記(5)に於いて、動作半導体層に於けるゲート電極
からはみ出した部分を陽極酸化する工程が含まれてなる
ことを特徴とする。
【0029】
【0030】
【0031】
【作用】前記手段を採ることに依って、動作半導体層に
於けるゲート電極からのはみ出し部分は、電気的に不活
性化、即ち、電流が流れ難い状態になっているので、チ
ャネルをオフにする電界が弱くても、ソース・ドレイン
間のリーク電流は生じない。また、動作半導体層側面の
不活性部分は保護膜として作用する為、外界の影響を受
け難くなってTFTの特性は安定化し、信頼性が向上す
る。更にまた、製造する際のマスク数を少なくして、工
程を簡略化することが可能であるにも拘わらず、SiN
などからなる最終保護膜を形成した場合の同様な効果を
得ることができる。
【0032】
【実施例】図2乃至図4は本発明に於ける第一実施例を
説明する為の工程要所に於けるTFTマトリクス基板を
表す要部切断側面図であり、以下、これ等の図を参照し
つつ説明する。尚、本実施例の説明に於いては、常に、
図7を参考にすると理解し易く、図2及び図3の(B)
は図7に見られる線Y−Yに沿って切断したものに相当
し、残りの図3の(A)及び図4は図7に見られる線X
−Xに沿って切断したものに相当する。また、図7及び
図8に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或い
は同じ意味を持つものとする。
【0033】図2参照 2−(1) スパッタ法を適用することに依り、絶縁性基板1上に厚
さが例えば3000〔Å〕のCrからなる遮光膜2を形
成する。尚、遮光膜2は、Crに限らず、例えばAlな
ど他の金属に代替することができる。
【0034】2−(2) リソグラフィ技術に於けるレジスト・プロセス、及び、
エッチャントを硝酸二アンモニウムセリウムの水溶液と
するウエット・エッチング法を適用することに依り、遮
光膜2のパターニングを行う。
【0035】2−(3) 化学気相堆積(chemical vapor dep
osition:CVD)法を適用することに依り、厚
さが例えば5000〔Å〕のSiO2 からなる絶縁膜3
を形成する。
【0036】2−(4) スパッタ法を適用することに依り、厚さが例えば100
0〔Å〕のITOからなる透明導電膜を形成する。
【0037】2−(5) リソグラフィ技術に於けるレジスト・プロセス、及び、
エッチャントを硝酸+塩酸+水の混合液とするウエット
・エッチング法を適用することに依って、前記工程2−
(4)で形成したITOからなる透明導電膜のパターニ
ングを行い、ドレイン電極4D、データ・バス・ライン
(ドレイン・バス・ライン)4L、ソース電極5、画素
電極9を形成する。
【0038】尚、データ・バス・ライン4L及び画素電
極9は、切断面の関係で図示されていないが、図7に依
って理解できよう。
【0039】図3参照 3−(1) CVD法を適用することに依り、厚さが例えば800
〔Å〕のi−アモルファス・シリコンからなる動作半導
体層6を形成する。このi−アモルファス・シリコンか
らなる動作半導体層6に於ける、特に、表出された部分
は、外界の影響を受けてn型に変換され易いことが知ら
れている。
【0040】尚、動作半導体層6を形成する前に、必要
に応じて、ドレイン電極4Dやソース電極5などの上に
厚さが例えば300〔Å〕のn+ −アモルファス・シリ
コンを選択成長してオーミック・コンタクト層としても
良く、この技術は、現在、確立したものとなっているの
で、その実施は容易である。
【0041】3−(2) 引き続きCVD法を適用することに依って、厚さが例え
ば3000〔Å〕のSiNからなるゲート絶縁膜7を形
成する。尚、SiNはSiO2 に代替することができ
る。
【0042】3−(3) 真空蒸着法を適用することに依り、厚さが例えば500
0〔Å〕のAlからなる低抵抗導電膜8を形成する。
尚、AlはCrなど他の低抵抗金属に代替することがで
きる。
【0043】図4の(A)参照 4−(1) 通常のリソグラフィ技術に於けるレジスト・プロセスを
適用することに依って、ゲート電極及びゲート・バス・
ラインのパターンをもったレジスト膜11を形成する。
【0044】4−(2) エッチャントをリン酸を主とする硝酸及び酢酸の混酸と
するウエット・エッチング法を適用することに依り、低
抵抗導電膜8のパターニングを行ってゲート電極8G及
びゲート・バス・ライン8L(図7参照)を形成する。
【0045】この場合の低抵抗導電膜8は等方性エッチ
ングされ、若干オーバ・エッチングを行うことで、レジ
スト膜11のパターンよりも内側に入り込んだパターン
になる。
【0046】オーバ・エッチング量は、絶縁性を向上さ
せる為には、多い方が良いのであるが、パターン精度の
面からすると少ない方が好ましく、この点は、トレード
・オフの関係にあって、通常、0.05〔μm〕〜2.
0〔μm〕の範囲に選ばれ、特に、素子サイズ(開口
率)や信頼性を考慮すると、0.2〔μm〕〜0.8
〔μm〕程度が良い。
【0047】4−(3) レジスト膜11をマスクとして、エッチング・ガスをC
HF3 及びCF4 の混合ガスとする反応性イオン・エッ
チング(reactive ion etching:
RIE)法を適用することに依り、ゲート絶縁膜7及び
動作半導体層6のエッチングを行う。
【0048】図4の(B)参照 4−(4) エッチング・マスクとして用いたレジスト膜11を除去
してから、イオン注入法を適用することに依り、ドーズ
量を例えば2×1013〔cm-2〕、また、イオン加速エネ
ルギを例えば70〔keV〕とし、ゲート電極8Gをマ
スクとして動作半導体層6に硼素イオンの打ち込みを行
う。
【0049】これに依って、動作半導体層6に於けるゲ
ート電極8Gからのはみ出し部分は、p−アモルファス
・シリコン層21となる。
【0050】前記のようにして製造されたTFTマトリ
クス基板では、p−アモルファス・シリコン層21は、
ドレイン電極4D及びソース電極5、或いは、それ等の
表面に選択成長されたn+ −アモルファス・シリコンか
らなるオーミック・コンタクト層との間で接合障壁を生
成するので、動作半導体層6に於けるゲート電極8Gか
らのはみ出し部分を流れようとする電流は阻止され、オ
フ時のリーク電流を低減することができる。尚、この説
明については、図7を参照すると理解が容易となる。
【0051】また、外界の影響に依って、エネルギ・バ
ンドに若干の曲がりを生じたとしても、反転してチャネ
ルが生成されることはなく、特性も安定である。
【0052】図5及び図6は本発明に於ける第二実施例
を説明する為の工程要所に於けるTFTマトリクス基板
を表す要部切断側面図であり、以下、この図を参照しつ
つ説明する。尚、ここでも図7を参考にすると理解し易
く、また、各図は、図7に見られる線X−Xに沿って切
断した面に相当し、図2乃至図4に於いて用いた記号と
同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとす
る。
【0053】図5の(A)参照 5−(1) 第一実施例に於ける工程3−(3)までを完了した後、
通常のリソグラフィ技術に於けるレジスト・プロセス、
及び、エッチャントをリン酸を主とする硝酸及び酢酸の
混酸とするウエット・エッチング法を適用することに依
り、低抵抗導電膜のパターニングを行ってゲート電極8
G及びゲート・バス・ライン8L(図7参照)を形成す
る。
【0054】5−(2) 電解液を酒石酸のエチレングリコール溶液、電流密度を
2〔mA/cm2 〕とする陽極酸化法を適用することに
依り、ゲート電極8Gなどの表面に厚さが例えば600
〔Å〕乃至1500〔Å〕である陽極酸化膜22を形成
する。
【0055】図5の(B)参照 5−(3) エッチング・ガスをCHF3 などとするRIE法を適用
することに依り、陽極酸化膜22をマスクとしてゲート
絶縁膜7及び動作半導体層6の異方性エッチングを行っ
てメサ状にする。
【0056】このようにして製造されたTFTマスク基
板では、ゲート電極8Gが陽極酸化膜22で覆われてい
ることから、ゲート電極8Gなどとドレイン電極4D及
びソース電極5などとの間の絶縁性が向上し、また、動
作半導体層6に於けるゲート電極8Gなどからのはみ出
し部分の厚さは陽極酸化膜22の膜厚に相当するもので
あるから、600〔Å〕〜1500〔Å〕に過ぎず、リ
ーク電流は低く抑えることができる。
【0057】図6参照 6−(1) 本実施例の場合、少ないとはいえ、動作半導体層6に於
けるゲート電極8Gなどからのはみ出し部分が存在し、
且つ、動作半導体層6の側面は表出されているので、オ
フ時にリーク電流や安定性の問題は同様に存在してい
る。
【0058】そこで、例えば過酸化水素水など酸化性の
水溶液に浸漬して、動作半導体層6に於ける表出した側
面に酸化膜23を形成する。尚、ここで形成する酸化膜
23の厚さは、前記はみ出し部分の厚さと同程度にする
と良い。
【0059】前記のようにして製造された第二実施例の
TFTマトリクス基板では、ゲート電極8Gからの電界
が弱い部分である動作半導体層6のはみ出し部分は、酸
化膜23、即ち、絶縁膜になっていることから、そこに
は電流が流れず、従って、オフ時のリーク電流は低減さ
れる。
【0060】また、動作半導体層6が表出される部分は
なくなるので、外界の影響を受け難くなり、素子特性が
安定し、信頼性も向上する。
【0061】第二実施例では、動作半導体層6の表出部
分を酸化性水溶液に依って酸化させたが、この他、動作
半導体層6を陽極として陽極酸化しても良い。その場
合、例えば、電界液にKNO3 水溶液と無水エチレング
リコールの混合液を用い、電流密度を3〔mA/c
2 〕とした定電流法で陽極酸化を行うと、動作半導体
層6の側面、即ち、はみ出し部分のみが5.5〔Å/
V〕程度酸化される。
【0062】このとき、アモルファス・シリコンに充分
な電流が流れるように、ゲート電極8Gに対し、チャネ
ルをオンにする電圧、即ち、動作半導体層6に印加する
電圧である陽極電位よりも15〔V〕〜20〔V〕高い
電圧を印加する回路を構成しておくことが必要である。
【0063】また、前記のような陽極酸化の他に、N2
O,O2 ,NH3 ,N2 など、OやNの元素を含むプラ
ズマ中に曝し、動作半導体層6の表出部分、即ち、側面
のみを酸化或いは窒化することが可能である。
【0064】本発明に於ける第三実施例として、動作半
導体層6に於けるゲート電極8Gなどからのはみ出し部
分にキャリヤのトラップ準位を生成させたTFTマトリ
クス基板を挙げる。
【0065】即ち、第一実施例に於ける工程4−
(3)、或いは、第二実施例に於ける工程5−(3)が
完了した後、第一実施例と同様、ゲート電極8Gなどを
マスクとして、例えばAuなどをイオン注入する。
【0066】例えば、Auは、シリコン中で深い準位を
生成し、その深い準位はキャリヤの再結合中心として機
能する。従って、深い準位が生成された部分を流れるキ
ャリヤは、Auのトラップ準位に捕獲されてしまい、電
流としては流れないので、ゲート電極への印加電圧に起
因する電界が弱くても、ソース・ドレイン間のリーク電
流は生じない。また、一般に、深い準位を多くもつ領域
では、エネルギ・バンドが曲がり難く、従って、外界の
影響に対して鈍感であることから、素子特性は安定化す
る。
【0067】第三実施例に於いては、はみ出し部分にイ
オン注入する金属としてAuを選択したが、この他、A
g,Cu,Ni,Crなど深い準位を生成させることが
できる物資であれば任意に選択して良い。
【0068】
【発明の効果】本発明に依る薄膜トランジスタ・マトリ
クス基板及びその製造方法に依れば、絶縁性基板上に在
るソース電極及びドレイン電極上に動作半導体層及びゲ
ート絶縁膜及び平面のパターンが前記動作半導体層の平
面のパターンに比較して内側に在るゲート電極がそれぞ
れ積層形成され且つ前記動作半導体層の前記ゲート電極
からはみ出した部分を前記動作半導体層とは異質のもの
に変化させる。
【0069】前記構成を採ることに依り、リソグラフィ
工程などを増加させることなく、ゲート電極で制御でき
ない部分をキャリヤが再結合し易い材質或いはキャリヤ
が流れ難い材質或いは絶縁膜で構成し、ゲート電極とソ
ース電極及びドレイン電極との間の耐圧を確保したまま
ソース・ドレイン間を流れるリーク電流を低減させるこ
とができる。また、動作半導体層が露出させる部分が存
在せず、且つ、動作半導体層の側面が保護膜として作用
するので素子特性は安定化され、TFTのスイッチング
動作が確実になって性能が向上し、従って、液晶表示装
置の表示品質の向上及び信頼性の向上に結び付けること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する為のTFTマトリクス
基板を表す要部切断側面図である。
【図2】本発明に於ける第一実施例を説明する為の工程
要所に於けるTFTマトリクス基板を表す要部切断側面
図である。
【図3】本発明に於ける第一実施例を説明する為の工程
要所に於けるTFTマトリクス基板を表す要部切断側面
図である。
【図4】本発明に於ける第一実施例を説明する為の工程
要所に於けるTFTマトリクス基板を表す要部切断側面
図である。
【図5】本発明に於ける第二実施例を説明する為の工程
要所に於けるTFTマトリクス基板を表す要部切断側面
図である。
【図6】本発明に於ける第二実施例を説明する為の工程
要所に於けるTFTマトリクス基板を表す要部切断側面
図である。
【図7】従来の技術を説明する為のスタガ型TFTマト
リクス基板を表す要部切断平面図である。
【図8】従来の技術を説明する為のスタガ型TFTマト
リクス基板を表す要部切断側面図である。
【符号の説明】
1 ガラスなどの絶縁性基板 2 遮光膜 3 絶縁膜 4D ITOからなるドレイン電極 4L ITOからなるデータ・バス・ライン(ドレイン
・バス・ライン) 5 ITOからなるソース電極 6 アモルファス・シリコンからなる動作半導体層 6A 動作半導体層に於けるゲート電極からのはみ出し
部分 7 SiO2 或いはSiNからなるゲート絶縁膜 8 低抵抗導電膜 8G Alなどの低抵抗金属からなるゲート電極 8L Alなどの低抵抗金属からなるゲート・バス・ラ
イン 9 ITOからなる画素電極 10 Crなどの低抵抗金属からなるデータ・バス・ラ
イン 11 レジスト膜 20 動作半導体層6に於けるはみ出し部分を電気的に
不活性化した部分 21 p−アモルファス・シリコン層 22 陽極酸化膜 23 酸化膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 勉 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 梁井 健一 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−53507(JP,A) 特開 平4−242726(JP,A) 特開 平1−91469(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336 G02F 1/1368

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性基板上に積層形成されソース電極及
    びドレイン電極上に在る動作半導体層及びゲート絶縁膜
    及び平面のパターンが前記動作半導体層の平面のパター
    ンに比較して内側に在るゲート電極をそれぞれ備え且つ
    前記動作半導体層の前記ゲート電極からはみ出した部
    前記動作半導体層の材料組成と異なる材料組成として
    なる薄膜トランジスタで構成されたことを特徴とする薄
    膜トランジスタ・マトリクス基板。
  2. 【請求項2】動作半導体層のゲート電極からはみ出した
    部分のエネルギ・バンド・ギャップが前記動作半導体層
    のエネルギ・バンド・ギャップに比較して大きくされて
    なることを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタ
    ・マトリクス基板。
  3. 【請求項3】絶縁性基板上に積層形成されソース電極及
    びドレイン電極上に在る動作半導体層及びゲート絶縁膜
    及び平面のパターンが前記動作半導体層の平面のパター
    ンに比較して内側に在るゲート電極をそれぞれ備え且つ
    前記動作半導体層の前記ゲート電極からはみ出した部
    含まれる不純物が前記動作半導体層に含まれる不純物
    と異なる薄膜トランジスタで構成されたことを特徴とす
    る薄膜トランジスタ・マトリクス基板。
  4. 【請求項4】絶縁性基板上に積層形成されソース電極及
    びドレイン電極上に在る動作半導体層及びゲート絶縁膜
    及び平面のパターンが前記動作半導体層の平面のパター
    ンに比較して内側に在るゲート電極をそれぞれ備え且つ
    前記動作半導体層の前記ゲート電極からはみ出した部
    於ける欠陥密度が前記動作半導体層に於ける欠陥密度
    に比較して大きくされてなる薄膜トランジスタで構成さ
    れたことを特徴とする薄膜トランジスタ・マトリクス基
    板。
  5. 【請求項5】絶縁性基板上のソース電極及びドレイン電
    極の上に動作半導体層及びゲート絶縁膜及びゲート電極
    を積層形成する工程と、 次いで、平面のパターンが前記動作半導体層の平面のパ
    ターンに比較して内側に在るよう前記ゲート電極をパタ
    ーニングする工程と、 次いで、前記動作半導体層の前記ゲート電極からはみ出
    した部分を前記動作半導体層の材料組成と異なる材料組
    成に変える工程とが含まれることを特徴とする薄膜トラ
    ンジスタ・マトリクス基板の製造方法。
  6. 【請求項6】絶縁性基板上のソース電極及びドレイン電
    極の上に主成分がシリコンである動作半導体層及びゲー
    ト絶縁膜及びゲート電極を積層形成する工程と、 次いで、平面のパターンが前記動作半導体層の平面のパ
    ターンに比較して内側に在るよう前記ゲート電極をパタ
    ーニングする工程と、 次いで、前記動作半導体層に於ける前記ゲート電極から
    はみ出した部分に周期律表の三族或いは五族のうちの一
    つの元素を含むイオンを前記ゲート電極をマスクとして
    打ち込んで選択的に導電型を変化させる工程が含まれ
    ることを特徴とする薄膜トランジスタ・マトリクス基板
    の製造方法。
  7. 【請求項7】動作半導体層に於けるゲート電極からはみ
    出した部分を酸化或いは窒化する工程が含まれることを
    特徴とする請求項5記載の薄膜トランジスタ・マトリク
    ス基板の製造方法。
  8. 【請求項8】動作半導体層に於けるゲート電極からはみ
    出した部分をO或いはNの何れかの元素を含むプラズマ
    に曝して酸化或いは窒化する工程が含まれることを特徴
    とする請求項5或いは7記載の薄膜トランジスタ・マト
    リクス基板の製造方法。
  9. 【請求項9】酸化性の水溶液中に浸漬して動作半導体層
    に於けるゲート電極からはみ出した部分を酸化する工程
    が含まれてなることを特徴とする請求項5記載の薄膜ト
    ランジスタ・マトリクス基板の製造方法。
  10. 【請求項10】動作半導体層に於けるゲート電極からは
    み出した部分を陽極酸化する工程が含まれてなることを
    特徴とする請求項5記載の薄膜トランジスタ・マトリク
    ス基板の製造方法。
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